タイトル: | 特許公報(B1)_抗酸菌の増殖促進剤、これを添加して培養する抗酸菌の培養方法、及び、これを含有する抗酸菌の培養用培地 |
出願番号: | 2013221925 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C12N 1/20,C12N 1/38,C12R 1/32 |
永田 礼子 森 康行 川治 聡子 JP 5515104 特許公報(B1) 20140411 2013221925 20131025 抗酸菌の増殖促進剤、これを添加して培養する抗酸菌の培養方法、及び、これを含有する抗酸菌の培養用培地 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 501203344 矢野 裕也 100086221 永田 礼子 森 康行 川治 聡子 20140611 C12N 1/20 20060101AFI20140522BHJP C12N 1/38 20060101ALI20140522BHJP C12R 1/32 20060101ALN20140522BHJP JPC12N1/20 AC12N1/38C12N1/20 AC12R1:32 C12N 1/00−1/38 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) PubMed 日本獣医学会学術集会講演要旨集,第152回, 2011, p.220, #DB-37 Journal of Veterinary Medical Science,1991, Vol.53, No.4, pp.761-763 Journal of Experimental Medicine,2007, Vol.204, No.8, pp.1891-1900 Science,2011, Vol.334, pp.255-258 感染症学雑誌,2001,Vol.75, pp.457−459 8 15 20131115 特許法第30条第2項適用 平成24年度に係る業務実績報告書 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 ウェブサイトの掲載日 平成25年8月19日 ウェブサイトのアドレス http://www.naro.affrc.go.jp/public_information/enterprise/jisekihoukoku/index.html http://www.naro.affrc.go.jp/public_information/files/gyomu_hokokusho24.pdf 伊達 利奈 本発明は、抗酸菌の増殖促進剤、前記増殖促進剤を添加して培養する抗酸菌の培養方法、及び、前記増殖促進剤を含有する抗酸菌の培養用培地に関する。 抗酸菌は、他の一般細菌と比較して分裂が遅く、発育するのに時間がかかることが知られている。 特に遅発育抗酸菌は、その検出に数ヶ月かかるものもある。 中でも、我が国で家畜伝染病の一つに指定されているヨーネ病の原因菌であるヨーネ菌(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis)は、培養に数ヶ月を必要とする。 抗酸菌の培養は、抗酸菌が酸やアルカリに抵抗性が強いことを利用して前処理を行い、一般細菌を不活化してから検体を培地に接種する。 培養期間は、菌種によって異なるが、寒天培地では、通常、1〜2ヶ月間、液体培地では、2週間〜1ヶ月以上培養される。ヨーネ菌の初代分離には、寒天培地では、2〜4ヶ月、液体培地では、2週間〜2ヶ月間の培養を必要としている(例えば、非特許文献1参照)。 このように、ヨーネ菌のような特遅発育抗酸菌の培養には、寒天培地で数ヶ月、液体培地で数週間要するため、検査期間が長くなり、迅速な診断が困難である。 近年、諸外国においてヨーネ菌がヒトから分離されるとの報告がなされており、本菌の公衆衛生上の問題についても注目を集めていることから、本菌の迅速な検出法の開発が求められており、そのために抗酸菌を迅速に増殖させることのできる方法が強く求められている。 また、検体中の抗酸菌数が少ない場合には、従来の寒天培地、液体培地では、検出率が低いため、検体中の抗酸菌数を大量に増殖させることのできる方法が求められている。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所・細菌寄生虫研究領域、「ヨーネ病検査マニュアル」、[online]、2013年3月29日、[2013年9月30日検索]、インターネット(URL:http//www.naro.affrc.go.jp/niah/disease/files/NIAH_yone_kensahou_130329.pdf) 本発明は、上記課題を解決し、抗酸菌の増殖を、迅速に、しかも著しく促進することのできる、抗酸菌の増殖促進剤を提供することを目的とするものである。 次に、本発明は、抗酸菌を迅速に、しかも大量に増殖させることのできる、抗酸菌の培養方法を提供することを目的とするものである。 さらに、本発明は、抗酸菌の増殖を、迅速に、しかも著しく促進することのできる、抗酸菌の培養用培地を提供することを目的とするものである。 本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、ウシ由来のウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンが、抗酸菌、特にヨーネ菌の増殖を、迅速に、しかも著しく促進することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、以下の(1)〜(8)に示すものである。(1)ウシRegIIIγレクチンを有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤に関するものである。(2)以下の(a)又は(b)に示される蛋白質を有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤に関するものである。(a)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質(b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、抗酸菌の増殖促進活性を有する蛋白質(3)抗酸菌が、ヨーネ菌である前記(1)又は(2)に記載の増殖促進剤に関するものである。(4)抗酸菌を抗酸菌の培養用培地を用いて培養する方法において、抗酸菌と前記(1)又は(2)に記載の増殖促進剤とを混合し感作して前処理した後、これを前記培地に接種して抗酸菌を培養することを特徴とする、抗酸菌の培養方法に関するものである。(5)抗酸菌を抗酸菌の培養用培地を用いて培養する方法において、前記培地に、前記(1)又は(2)に記載の増殖促進剤を添加して抗酸菌を培養することを特徴とする、抗酸菌の培養方法に関するものである。(6)抗酸菌が、ヨーネ菌である前記(4)又は(5)に記載の培養方法に関するものである。(7)前記(1)又は(2)に記載の増殖促進剤を含有する抗酸菌の培養用培地に関するものである。(8)抗酸菌が、ヨーネ菌である前記(7)に記載の培養用培地に関するものである。 本発明によれば、抗酸菌の増殖を、迅速に、しかも著しく促進することのできる、抗酸菌の増殖促進剤が提供される。 次に、本発明によれば、抗酸菌を迅速に、しかも大量に増殖させることのできる、抗酸菌の培養方法が提供される。 さらに、本発明によれば、抗酸菌の増殖を、迅速に、しかも著しく促進することのできる、抗酸菌の培養用培地が提供される。実施例1において、ウシRegIIIγレクチンを添加した場合と無添加の場合における、ヨーネ菌のコロニーが生えてきた日数(ヨーネ菌のコロニーが確認されるまでの日数)を調べた結果を示すグラフである。実施例2において、ウシRegIIIγレクチンを添加した場合と無添加の場合における、ヨーネ菌105cfu を接種した場合のヨーネ菌DNA量を定量した結果を示すグラフである。実施例2において、ウシRegIIIγレクチンを添加した場合と無添加の場合における、ヨーネ菌104cfu を接種した場合のヨーネ菌DNA量を定量した結果を示すグラフである。実施例2において、ウシRegIIIγレクチンを添加した場合と無添加の場合における、ヨーネ菌103cfu を接種した場合のヨーネ菌DNA量を定量した結果を示すグラフである。実施例3において、ウシRegIIIγレクチンを添加した場合と無添加の場合における、各種抗酸菌A〜Eの菌数を示すグラフである。比較例1において、ウシRegIIIγレクチンを添加した場合と無添加の場合における、各種一般細菌F〜Iの菌数を示すグラフである。実施例4において、ウシRegIIIγレクチンを添加した場合と無添加の場合における、抗酸菌B(Mycobacterium avium subsp. avium serovar 1 (トリ型結核菌))についてのDNA量を定量した結果を示すグラフである。実施例4において、ウシRegIIIγレクチンを添加した場合と無添加の場合における、抗酸菌C(Mycobacterium avium subsp. hominissuis serovar 4)についてのDNA量を定量した結果を示すグラフである。実施例4において、ウシRegIIIγレクチンを添加した場合と無添加の場合における、抗酸菌D(Mycobacterium intracellulare serovar 7)についてのDNA量を定量した結果を示すグラフである。実施例4において、ウシRegIIIγレクチンを添加した場合と無添加の場合における、抗酸菌E(Mycobacterium bovis BCG Tokyo)についてのDNA量を定量した結果を示すグラフである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の第1の態様の抗酸菌の増殖促進剤は、ウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンを有効成分として含有するものである。 また、本発明の第2の態様は、抗酸菌を抗酸菌の培養用培地を用いて培養する方法において、抗酸菌と上記第1の態様の増殖促進剤(ウシRegIIIγレクチンを有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤)とを混合し感作して前処理した後、これを前記培地に接種して抗酸菌を培養することを特徴とする、抗酸菌の培養方法である。 次に、本発明の第3の態様は、抗酸菌を抗酸菌の培養用培地を用いて培養する方法において、前記培地に、上記第1の態様の増殖促進剤(ウシRegIIIγレクチンを有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤)を添加して抗酸菌を培養することを特徴とする、抗酸菌の培養方法である。 さらに、本発明の第4の態様は、上記第1の態様の増殖促進剤(ウシRegIIIγレクチン有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤)を含有する抗酸菌の培養用培地である。 Reg遺伝子は、ラットの再生膵ランゲルハンス島由来のcDNAライブラリーから単離された遺伝子で、Reg family (RegI, RegII, RegIII, RegIV)が存在する。 RegIIIγ遺伝子は、26アミノ酸のシグナルペプチドを含む172アミノ酸からなる蛋白をコードしている。RegIIIγは分泌蛋白質で、再生組織に発現される。分泌部位は、膵臓、胃、大腸、前立腺である。 ヒト、マウスのRegIIIγについては、C型レクチン(糖を結合する際にCaを要求)であること;正常で腸管に発現して、炎症性腸疾患で増強すること;パネート細胞から分泌されること;グラム陽性菌のペプチドグリカンに付いて殺菌すること;が報告されている。 本発明は、ウシ由来のウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンについてのものであり、ウシRegIIIγについては、Bos taurus chromosome 11 genomic contig(11番目の染色体)に存在すること;相同性は、ヒトReg3g(63%)、マウスReg3g(58%)であること;が分かっているが、ウシRegIIIγについては、報告がない。 なお、ウシRegIIIγ precursor については、NCBI[アメリカ生物工学(バイオテクノロジー)情報センター]に、NCBI Reference Sequence: NP_001019705.2 として登録されている。 ウシRegIIIγ precursorは、ウシRegIIIγレクチンの前駆体として産生されたものであって、プロセシングによって、ウシRegIIIγレクチンとなる蛋白質である。 ここでウシRegIIIγ precursor は、配列表の配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質である。また、ウシRegIIIγレクチンは、配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質である。従って、プロセシング後のウシRegIIIγレクチンのアミノ酸配列(シグナルペプチドを除いた配列)が、配列表の配列番号1に示されていることになる。 ウシRegIIIγ precursor は、(a)配列表の配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質であっても良いが、或いは、該蛋白質と実質的に同一の、(b)配列表の配列番号3に示されるアミノ酸配列と少なくとも85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、プロセシングにより、成熟体となった後に、抗酸菌の増殖促進活性を有する蛋白質であっても良い。 本発明の第1の態様の抗酸菌の増殖促進剤は、ウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンを有効成分として含有するものであり、このウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンは、配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質か、又は、該蛋白質と実質的に同一の、配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、抗酸菌の増殖促進活性を有する蛋白質、である。変異蛋白質は、配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して、欠失、置換、挿入、及び/又は付加を有する蛋白質である。 なお、プロセシング後のアミノ酸配列をコードする遺伝子配列、即ち前記配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードする遺伝子DNAが、配列表の配列番号2に示されている。 また、ウシRegIIIγ precursor 、つまり配列表の配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードする遺伝子DNAが、配列表の配列番号4に示されている。 抗酸菌は、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属に属する細菌グループの総称であって、非結核性抗酸菌群、結核菌群、癩菌群に大別される。 非結核性抗酸菌群としては、例えば Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis(ヨーネ菌)、M. avium subsp. avium (トリ型結核菌)、M. avium subsp. hominissuis、M. intracellulareなどを挙げることができる。 結核菌群としては、例えば M. tuberculosis(ヒト型結核菌)、M. bovis(ウシ型結核菌)などを挙げることができる。 癩菌群としては、例えばM. leprae(ライ菌)などを挙げることができる。 本発明は、これらの抗酸菌の中でも、特に Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis(ヨーネ菌)や M. avium subsp. avium (トリ型結核菌)などの非結核性抗酸菌群の他、M. bovis(ウシ型結核菌)などの結核菌群について有効に適用される。 ここでヨーネ菌(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis)は、トリ型結核菌(M. avium subsp. avium)の亜種であり、ヨーネ菌の経口感染により、法定伝染病の中で最も発生数の多いヨーネ病(Johne's disease-paratuberculosis)が引き起こされる。 本発明によれば、このヨーネ菌を迅速に増殖させることができる。従って、本発明は、ヨーネ病の検査に有効に利用することができる。 また、M. bovis(ウシ型結核菌)の実験室培養を繰り返して作製されたM. bovis BCG株は、結核に対するワクチン(BCGワクチン)として有効に利用されているが、本発明によれば、このM. bovis(ウシ型結核菌)、特にM. bovis BCG株を迅速に増殖させることができる。従って、本発明は、結核に対するBCGワクチンの製造に有効に利用することができる。 以下に述べるように、本発明によれば、各種抗酸菌を迅速に増殖させることができることから、ヨーネ病の検査、BCGワクチンの製造などに有効に利用することができる。 本発明は、上記した抗酸菌の増殖促進剤の有効成分として、ウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンを用いるものである。 抗酸菌を培養するにあたっては、通常、抗酸菌とウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンを混合し感作して前処理した後、これを培地に接種して抗酸菌を培養してもよいし、或いは、抗酸菌培養時に、培養用培地に、ウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンを、抗酸菌の増殖促進剤の有効成分として添加して培養してもよい。 即ち、抗酸菌を抗酸菌の培養用培地を用いて培養するにあたっては、本発明の第2の態様に示したように、抗酸菌と、抗酸菌の増殖促進剤[前記(1)で示した、ウシRegIIIγレクチンを有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤、或いは前記(2)で示した、(a)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質又は(b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも85%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、抗酸菌の増殖促進活性を有する蛋白質に示される蛋白質を有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤]とを混合し感作して前処理した後、これを培地に接種して抗酸菌を培養することができる。 また、本発明の第3の態様に示したように、抗酸菌培養時に、培養用培地に、抗酸菌の増殖促進剤[前記(1)で示した、ウシRegIIIγレクチンを有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤、或いは前記(2)で示した、(a)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質又は(b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも85%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、抗酸菌の増殖促進活性を有する蛋白質に示される蛋白質を有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤]を添加して抗酸菌を培養することができる。 抗酸菌の培養用培地としては、抗酸菌それぞれの培養用培地として一般に用いられているものが使用され、本発明では、この培地に抗酸菌の増殖促進剤として、ウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンを有効成分として添加して培養すればよい。 一般に抗酸菌の培養は、抗酸菌が酸やアルカリに抵抗性が強いことを利用して前処理を行い、一般細菌を不活化してから検体を培地に接種する。 寒天培地としては、菌種や用途、前処理方法の違いにより、1%〜3%小川培地やMiddlebrook 7H10培地が用いられ、ヨーネ菌ではマイコバクチン加ハロルド培地が汎用される。 液体培地としては、Middlebrook 7H9 broth を基礎培地とした多くの培地が市販されている。 このような抗酸菌の培養用培地に、抗酸菌の増殖促進剤の有効成分として、ウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンを添加して培養する。 より詳しく述べると、本発明の第2の態様に示したように、例えば、Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis(ヨーネ菌)培養の為の前処理法として用いる場合には、検体(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis)にウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンを加え、37℃、5%CO2 において2時間感作させる。しかる後、このようにして前処理したものを培養する。 また、前処理法としてではなく、本発明の第3の態様に示したように、培養時に、Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis(ヨーネ菌)の増殖促進剤として用いる場合には、ヨーネ病検査マニュアル(2013.03.29版)に則り、ヨーネ菌の培養検査を行う際に、所定の寒天培地や液体培地にウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンを増殖促進剤の有効成分として添加する。 ヨーネ菌の培養検査に用いる培地としては、7H10MEY培地(マイコバクチン、卵黄液添加Middlebrook 7H10寒天培地)、マイコバクチン添加ハロルド培地等の寒天培地;BD BACTEC MGIT Para TB Medium等の液体培地が挙げられる。 また、ヨーネ菌以外の抗酸菌用培地としては、例えば1%小川培地、2%小川培地、3%小川培地、小川K培地、卵黄添加 Middlebrook 7H10寒天培地、Tween 80 添加 Middlebrook 7H10寒天培地、2%ビット培地、ツイーン卵培地、PNB培地などを挙げることができる。 本発明の第2の態様に示したような、前処理時におけるウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンの抗酸菌に対する添加量は、培養目的をはじめ、抗酸菌の種類や培地等により異なり一義的に定めることは困難であるが、抗酸菌100μlに対して100〜300μg、好ましくは150〜250μg 、より好ましくは180〜220μg、さらに好ましくは185〜195μgである。 また、本発明の第3の態様に示したような、培地に添加する場合のウシRegIIIγ(Regenerating islet-derived 3 gamma)レクチンの培地への添加量は、培養目的をはじめ、抗酸菌の種類や培地等により異なり一義的に定めることは困難であるが、10〜100μg/ml-培地、好ましくは20〜80μg/ml-培地、より好ましくは40〜60μg/ml-培地である。 また、培養条件は、培養目的をはじめ、抗酸菌の種類や培地等により異なり一義的に定めることは困難であるが、例えばヨーネ菌の培養の場合、通常、37℃の温度で培養する。また、BCGワクチン製造の際における M. bovis BCG株の培養の場合も、通常、37℃の温度で培養する。従って、抗酸菌については、ヨーネ菌を含めて、通常、37℃程度の温度で培養すればよい。 なお、本発明による抗酸菌の培養用培地、つまりウシRegIIIγレクチンを有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤、或いは、(a)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質又は(b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも85%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、抗酸菌の増殖促進活性を有する蛋白質に示される蛋白質を有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤、を含有する抗酸菌の培養用培地に関しては、この培地を含むキットとすることも含まれる。 本発明においては、上記のようにして、抗酸菌を培養する時に、抗酸菌の増殖を、迅速に、しかも著しく促進することができ、抗酸菌を迅速に、しかも大量に増殖させることができる。 以下に本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。<実施例1>;ウシRegIIIγレクチン添加培養におけるヨーネ菌検出の早期化(1)ウシRegIIIγレクチンの作製 ウシRegIIIγ遺伝子のシグナルペプチドを除く配列(配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列)をPCRで増幅後、ベクターへ挿入し、大腸菌を形質転換し、形質転換体を培養することで、組換え型蛋白質を生産した。 この組換え型蛋白質は、不溶性であるため、尿素を用いて可溶化後、アフィニティーカラムで精製、蛋白質をリフォールディング、バッファーをMES緩衝液(25mM MES, 25mM NaCl, 2mM CaCl2, pH6.0)で置換して、ウシRegIIIγレクチン(蛋白質分子量:19.136 kDa)を作製した。(2)ヨーネ菌の培養 ヨーネ菌(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis ATCC19698株;ヨーネ菌標準株)を、0.1% Tween 80加PBSで、それぞれ104,105,106cfu/ml に希釈し、各100μl(103,104,105cfu)に、上記(1)で作製されたウシRegIIIγレクチン 191μgを加え、37℃、5%CO2において 2 時間感作後、ヨーネ菌の培養用寒天培地[7H10MEY培地(マイコバクチン、卵黄液添加Middlebrook 7H10寒天培地)]に希釈して 100μl/plate 接種し、ヨーネ菌のコロニーが生えてきた日数(ヨーネ菌のコロニーが確認されるまでの日数)を調べた。結果を図1に示す。 なお、7H10MEY培地の培地組成は、Middlebrook 7H10 Agar(Difco 262710)、マイコバクチン 2mg/L、0.5%グリセリン、0.25%マラカイトグリーン、7.5%卵黄液、10% Middlebrook OADC Enrichment(BD BBL, Code No.:211886)、バンコマイシン50mg/L、ナリジクス酸(塩酸塩)50mg/L、アムホテリシン B 50mg/Lであり、シャーレに20mlずつ分注して用いた。 また、比較のために、ウシRegIIIγレクチンを添加しなかったこと以外は、上記と同様にしてヨーネ菌の培養を行い、ヨーネ菌のコロニーが確認されるまでの日数を調べた。結果を図1に示す。 図1によれば、ヨーネ菌105cfu を接種した場合、従来の培地では、ヨーネ菌のコロニーが確認されるまで18日かかるところが、これにウシRegIIIγレクチンを添加することにより、12日に短縮されることが分かる。 次に、ヨーネ菌104cfu を接種した場合、従来の培地では、ヨーネ菌のコロニーが確認されるまで30日かかるところが、これにウシRegIIIγレクチンを添加することにより、19日に短縮されることが分かる。 さらに、ヨーネ菌103cfu を接種した場合、従来の培地では、ヨーネ菌のコロニーが確認されるまで57日かかるところが、これにウシRegIIIγレクチンを添加することにより、35日に短縮されることが分かる。 従って、図1によれば、ウシRegIIIγレクチンを添加することにより、ウシRegIIIγレクチンを添加しなかった従来の培地に比べて、ヨーネ菌のコロニーが確認されるまでの日数が著しく減少することが分かる。 特に、ヨーネ菌の接種菌数が少ない方が、両者の差が顕著になる傾向があることが分かる。 この結果、従来技術で2〜3ヶ月必要である培養日数が、ウシRegIIIγレクチンをヨーネ菌と混合して接種することで、1ヶ月半で十分であると判断される。<実施例2>;ウシRegIIIγレクチン添加液体培養におけるヨーネ菌DNA量の変化 ヨーネ菌(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis ATCC19698株;ヨーネ菌標準株)を、0.1% Tween 80加PBSで、それぞれ104,105,106cfu/ml に希釈し、各100μl(103,104,105cfu)に、実施例1(1)で作製されたウシRegIIIγレクチン 191μgを加え、37℃、5%CO2において 2 時間感作後、ヨーネ菌の培養用液体培地[BACTEC MGIT Para TB 培地;BD BACTEC MGIT Para TB Medium (BD Code No.:245154)液体培地(7ml)に以下の培地組成に示すものを混合したもの]に全量を接種した(ウシRegIIIγレクチンの最終濃度は、10μM)。 接種日から増殖菌がプラトーに達するまで、約 4 日毎に培養チューブから100μl採取し、100℃、8 分の加熱法によりDNA抽出後、QuantiTect SYBR Green PCR Kit(Quiagen社、Cat. No.:204143)を用い、ヨーネ菌DNA量を定量した。結果を図2〜4に示す。 なお、BACTEC MGIT Para TB 培地の培地組成は、53.3% BD BACTEC MGIT Para TB Supplement(培地添加剤;Code No.:245156)、バンコマイシン 101.19μg/ml、ナリジクス酸(塩酸塩)101.19μg/ml、アムホテリシン B 38.41μg/ml、33.3%卵黄液、13%滅菌蒸留水であり、1.5mlずつ添加して使用した。 また、比較のために、ウシRegIIIγレクチンを添加しなかったこと以外は、上記と同様にして行い、ヨーネ菌DNA量を定量した。結果を図2〜4に示す。 図2によれば、ヨーネ菌105cfu を接種した場合、従来の培地では、ヨーネ菌が明らかに増殖したと考えられるDNA量が1pg/tube に達するまでに20日かかるところが、これにウシRegIIIγレクチンを添加することにより、15日に短縮されることが分かる。 次に、図3によれば、ヨーネ菌104cfu を接種した場合、従来の培地では、ヨーネ菌が明らかに増殖したと考えられるDNA量が1pg/tube に達するまでに24日かかるところが、これにウシRegIIIγレクチンを添加することにより、17日に短縮されることが分かる。 さらに、図4によれば、ヨーネ菌103cfu を接種した場合、従来の培地では、ヨーネ菌が明らかに増殖したと考えられるDNA量が1pg/tube に達するまでに29日かかるところが、これにウシRegIIIγレクチンを添加することにより、20日に短縮されることが分かる。 従って、図2〜4によれば、ウシRegIIIγレクチンを添加することにより、ウシRegIIIγレクチンを添加しなかった従来の培地に比べて、ヨーネ菌DNA量の増加が早期に検出されることが分かる。 特に、ヨーネ菌の接種菌数が少ない方が、両者の差が顕著になる傾向があることが分かる。<実施例3>;ウシRegIIIγレクチン添加固形培養における各種抗酸菌A〜Eの培養(1)抗酸菌A、即ちヨーネ菌(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis ATCC19698株;ヨーネ菌標準株)を、0.1% Tween 80加PBSで、105cfu/ml に希釈し、希釈したヨーネ菌100μl(104cfu)に、実施例1(1)で作製されたウシRegIIIγレクチン 191μgを加え、37℃、5%CO2において 2 時間感作後、ヨーネ菌の培養用寒天培地[7H10MEY培地(マイコバクチン、卵黄液添加Middlebrook 7H10寒天培地)]に希釈して 100μl/plate 接種し、接種 1ヶ月後のコロニー数を数えた。結果を図5に示す。(2)下記B〜Dで示す各種抗酸菌を、0.1% Tween 80加PBSで、105cfu/ml に希釈し、希釈した抗酸菌B〜D各100μl(104cfu)に、実施例1(1)で作製されたウシRegIIIγレクチン 191μgを加え、37℃、5%CO2において 2 時間感作後、ヨーネ菌以外の抗酸菌培養用寒天培地[卵黄液添加Middlebrook 7H10寒天培地]に希釈して 100μl/plate 接種し、接種 2週間後のコロニー数をそれぞれ数えた。結果を図5に示す。(3)下記Eで示す抗酸菌を、0.1% Tween 80加PBSで、105cfu/ml に希釈し、希釈した抗酸菌B〜D各100μl(104cfu)に、実施例1(1)で作製されたウシRegIIIγレクチン 191μgを加え、37℃、5%CO2において 2 時間感作後、ヨーネ菌以外の抗酸菌培養用寒天培地[Tween 80添加Middlebrook 7H10寒天培地]に希釈して 100μl/plate 接種し、接種 2週間後のコロニー数をそれぞれ数えた。結果を図5に示す。 なお、卵黄液添加Middlebrook 7H10寒天培地の培地組成は、Middlebrook 7H10 Agar(Difco 262710)、0.5%グリセリン、0.25%マラカイトグリーン、7.5%卵黄液、10% Middlebrook OADC Enrichment(BD BBL, Code No.:211886)、バンコマイシン50mg/L、ナリジクス酸(塩酸塩)50mg/L、アムホテリシン B 50mg/Lであり、シャーレに20mlずつ分注して用いた。 なお、Tween 80添加Middlebrook 7H10寒天培地の培地組成は、Middlebrook 7H10 Agar(Difco 262710)、0.1%Tween 80、10% Middlebrook OADC Enrichment(BD BBL, Code No.:211886)、バンコマイシン50mg/L、ナリジクス酸(塩酸塩)50mg/L、アムホテリシン B 50mg/Lであり、シャーレに20mlずつ分注して用いた。 抗酸菌B〜Eは、それぞれ次に示すとおりのものである。・B:Mycobacterium avium subsp. avium serovar 1 (トリ型結核菌)・C:Mycobacterium avium subsp. hominissuis serovar 4・D:Mycobacterium intracellulare serovar 7・E:Mycobacterium bovis BCG Tokyo また、比較のために、ウシRegIIIγレクチンを添加しなかったこと以外は、上記と同様にして各種抗酸菌の培養を行い、種抗酸菌の菌数を調べた。結果を図5に示す。<比較例1>;ウシRegIIIγレクチン添加寒天培養における一般細菌の培養 下記F〜Iで示す各種一般細菌を、PBSで、105cfu/ml に希釈し、希釈した一般細菌E〜H各100μl(104cfu)に、実施例1(1)で作製されたウシRegIIIγレクチン 191μgを加え、37℃、5%CO2において 2 時間感作後、LB寒天培地[培地組成は、LB Broth (Difco 244620)、2% Bacto Agar (Difco 214010)であり、シャーレに20mlずつ分注して用いた。]に希釈して 100μl/plate 接種し、接種 1日後のコロニー数をそれぞれ数えた。結果を図6に示す。 一般細菌F〜Iは、それぞれ次に示すとおりのものである。・F:Staphylococcus epidermids ATCC14990(グラム陽性菌)・G:Streptcoccus suis NCTC10234(グラム陽性菌)・H:Escherichia coli ATCC23736(グラム陰性菌)・I:Enterobacter cloacae ATCC13047(グラム陰性菌) 図5によれば、抗酸菌に関しては、ウシRegIIIγレクチンを添加していない培地に比べて、ウシRegIIIγレクチンを添加している培地の方が、10倍以上多くの抗酸菌を検出することが分かる。 一方、図6によれば、一般細菌に関しては、ウシRegIIIγレクチンを添加していない培地とウシRegIIIγレクチンを添加している培地とで、一般細菌の培養菌数は同等であり、両者間に差異は認められなかった。 してみれば、ウシRegIIIγレクチンは、各種抗酸菌に対して特異的に増殖を促進する働きがあると判断される。<実施例4>;ウシRegIIIγレクチン添加液体培養における各種抗酸菌DNA量の変化(1)前記した抗酸菌B〜Dを 0.1% Tween 80加PBSで、それぞれ105cfu/ml に希釈し、各100μl(104cfu)に、実施例1(1)で作製されたウシRegIIIγレクチン 191μgを加え、37℃、5%CO2において 2 時間感作後、7H9培地[(Middlebrook 7H9 液体培地);培地組成は、Middlebrook 7H9 Broth (Difco 271310)、0.5%グリセリン、10% Middlebrook OADC Enrichment(BD BBL, Code No.:211886)であり、チューブに8.5mlずつ分注して用いた。]に全量を接種した(ウシRegIIIγレクチンの最終濃度は、10μM)。 接種日から増殖菌がプラトーに達するまで、約 4 日毎に培養チューブから100μl採取し、100℃、8 分の加熱法によりDNA抽出後、QuantiTect SYBR Green PCR Kit(Quiagen社、Cat. No.:204143)を用い、抗酸菌共通遺伝子 heat-shock protein genes(hsp65)を増幅するPCRを実施し、抗酸菌DNA量を定量した。結果を図7〜9に示す。(2)前記した抗酸菌Eを 0.1% Tween 80加PBSで、104cfu/ml に希釈し、100μl(103cfu)に、実施例1(1)で作製されたウシRegIIIγレクチン 191μgを加え、37℃、5%CO2において 2 時間感作後、Tween 80添加7H9培地[(Middlebrook 7H9 液体培地);培地組成は、Middlebrook 7H9 Broth (Difco 271310)、0.1%Tween 80、10% Middlebrook OADC Enrichment(BD BBL, Code No.:211886)であり、チューブに8.5mlずつ分注して用いた。]に全量を接種した(ウシRegIIIγレクチンの最終濃度は、10μM)。 接種日から増殖菌がプラトーに達するまで、約 4 日毎に培養チューブから100μl採取し、100℃、8 分の加熱法によりDNA抽出後、QuantiTect SYBR Green PCR Kit(Quiagen社、Cat. No.:204143)を用い、抗酸菌共通遺伝子 heat-shock protein genes(hsp65)を増幅するPCRを実施し、抗酸菌DNA量を定量した。結果を図10に示す。 図7によれば、Mycobacterium avium subsp. avium serovar 1 (トリ型結核菌)を接種した場合、従来の培地では、菌が明らかに増殖したと考えられるDNA量が1pg/tube に達するまでに10日かかるところが、これにウシRegIIIγレクチンを添加することにより、4日に短縮されることが分かる。 次に、図8によれば、Mycobacterium avium subsp. hominissuis serovar 4 を接種した場合、従来の培地では、菌が明らかに増殖したと考えられるDNA量が1pg/tube に達するまでに4日かかるところが、これにウシRegIIIγレクチンを添加することにより、2日に短縮されることが分かる。 さらに、図9によれば、Mycobacterium intracellulare serovar 7を接種した場合、従来の培地では、菌が明らかに増殖したと考えられるDNA量が1pg/tube に達するまでに9日かかるところが、これにウシRegIIIγレクチンを添加することにより、3日に短縮されることが分かる。 さらに、図10によれば、Mycobacterium bovis BCG Tokyoを接種した場合、従来の培地では、菌が明らかに増殖したと考えられるDNA量が1pg/tube に達するまでに23日かかるところが、これにウシRegIIIγレクチンを添加することにより、16日に短縮されることが分かる。 従って、図7〜10によれば、ウシRegIIIγレクチンを添加することにより、ウシRegIIIγレクチンを添加しなかった場合に比べて、各種抗酸菌DNA量の増加が早期に(2日から7日早く)検出されることが分かる。 本発明の技術は、ヨーネ菌をはじめとする各種抗酸菌の培養において、その増殖を、迅速に、しかも著しく促進することが可能となることから、畜産・獣医及び医療領域での利用が大いに期待される。 ウシRegIIIγレクチンを有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤。 以下の(a)又は(b)に示される蛋白質を有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤。(a)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質(b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、抗酸菌の増殖促進活性を有する蛋白質 抗酸菌が、ヨーネ菌である請求項1又は2に記載の増殖促進剤。 抗酸菌を抗酸菌の培養用培地を用いて培養する方法において、抗酸菌と請求項1又は2に記載の増殖促進剤とを混合し感作して前処理した後、これを前記培地に接種して抗酸菌を培養することを特徴とする、抗酸菌の培養方法。 抗酸菌を抗酸菌の培養用培地を用いて培養する方法において、前記培地に、請求項1又は2に記載の増殖促進剤を添加して抗酸菌を培養することを特徴とする、抗酸菌の培養方法。 抗酸菌が、ヨーネ菌である請求項4又は5に記載の培養方法。 請求項1又は2に記載の増殖促進剤を含有する抗酸菌の培養用培地。 抗酸菌が、ヨーネ菌である請求項7に記載の培養用培地。【課題】 抗酸菌の増殖を、迅速に、しかも著しく促進することのできる、抗酸菌の増殖促進剤と;抗酸菌を迅速に、しかも大量に増殖させることのできる、抗酸菌の培養方法と;抗酸菌の増殖を、迅速に、しかも著しく促進することのできる、抗酸菌の培養用培地と;を提供することを目的とするものである。【解決手段】 ウシRegIIIγレクチンを有効成分として含有する抗酸菌の増殖促進剤と;培地に、前記増殖促進剤を添加して培養することを特徴とする、抗酸菌の培養方法と;前記増殖促進剤を含有する抗酸菌の培養用培地と;を提供するものである。【選択図】 なし配列表