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タイトル:公開特許公報(A)_イグサからの抽出液の製造方法及び嗅覚による認知症予防治療剤
出願番号:2013213318
年次:2015
IPC分類:C11B 9/02,A61P 25/00,A61K 36/18,A61P 25/28,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

塩田清二 川人紫 富島三貴 橋口玲子 福原千秋 JP 2015074757 公開特許公報(A) 20150420 2013213318 20131011 イグサからの抽出液の製造方法及び嗅覚による認知症予防治療剤 SHIODAライフサイエンス研究所株式会社 513211560 高橋 徳明 100125748 日比 敦士 100177161 宮坂 友梨 100191972 塩田清二 川人紫 富島三貴 橋口玲子 福原千秋 C11B 9/02 20060101AFI20150324BHJP A61P 25/00 20060101ALI20150324BHJP A61K 36/18 20060101ALI20150324BHJP A61P 25/28 20060101ALI20150324BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150324BHJP JPC11B9/02A61P25/00A61K35/78 CA61P25/28A61P43/00 105 13 1 OL 16 特許法第30条第2項適用申請有り 一般社団法人日本アロマセラピー学会誌 第12巻/2号[通巻24号]第16回学術総会号 第50頁 Journal of Japanese Society of Aromatherapy Vol.12 No.2 2013 P50 発行日 :平成25年9月10日 発行者名:一般社団法人日本アロマセラピー学会 4C088 4H059 4C088AB12 4C088AB99 4C088AC05 4C088CA02 4C088CA03 4C088CA21 4C088MA12 4C088MA59 4C088NA14 4C088ZA15 4C088ZA16 4C088ZB21 4H059BC23 4H059CA19 4H059CA72 4H059CA73 本発明は、畳の香りを有する抽出液の製造方法に関し、更に詳しくは、該製造方法で製造された抽出液を含有する嗅覚による脳機能改善剤に関するものである。 イグサやイグサからの抽出物は、芳香性、抗菌性、空気浄化性等を有するとされ、畳表、芳香剤、食品添加物等に使用されている。 特許文献1には、乾燥イグサを溶媒に浸漬させ、香気成分を抽出した後、該溶媒を蒸発させる抽出方法が記載されており、該抽出物は、畳や部屋への香り付けに使用される旨が記載されている。 また、特許文献2には、乾燥したイグサを細断して芳香剤として用いることが記載されている。 また、特許文献3には、イグサから水を用いて含有成分を抽出した後、酸処理や酵素処理をして得られたイグサ由来の食品添加物が記載されている。 しかしながら、このような従来知られているイグサ細断物やイグサ抽出物は、確かにイグサの香りはするものの、植物のままのイグサの香りしかしないものであり、新しい青畳が発するような独特な芳香性に全く欠けるものであった。 一方、植物から香気成分を抽出し分離する方法としては、水蒸気蒸留法を用いて抽出して2層に分かれた上層を分離する方法;水に直接浸漬させて加熱しその2層に分かれた蒸留成分から上層を分離する直接抽出法;溶媒を用いて抽出する溶媒抽出法;油性成分を加えて圧搾することにより抽出する圧搾法;超臨界流体を用いて抽出する超臨界抽出法;有機溶媒、水、水蒸気等の抽出媒体を使用せず、低温で減圧して直接抽出する低温真空抽出法;等、種々の方法が知られている。 また、装置については、特許文献4に、生ゴミ等の被処理物を小片状や粉状にしつつ乾燥する真空乾燥装置が記載されている。すなわち、この真空乾燥装置には固定刃と可動刃が内蔵されており、この真空乾燥装置を用いれば、ゴミ等の被処理物を小片状や粉状にしつつ加熱真空乾燥ができるとされている。 特許文献5には、上記装置と類似の装置を使用して、植物から香気成分を抽出する方法が記載されており、植物を破砕及び攪拌しながら加熱及び減圧して植物由来の蒸気を生成させる香気成分の抽出方法が記載されている。そして、この方法を用いれば、ハーブ、果物、花又は野菜から香気成分を抽出できるとされている。 また、特許文献6には、上記装置と類似の装置を使用して、柑橘類から精油を抽出する方法が記載されている。すなわち、特許文献6には、柑橘類の果実を圧搾処理した残渣を、刃物状の攪拌羽根により粉砕しながら攪拌すると共に減圧下で加熱し、そこから気化した水分及び精油を冷却して得られた凝縮液から精油を分離する精油抽出方法が記載されている。 一方、特許文献7には、セージから抽出したセージ精油、特にクラリセージの精油を吸入させることによって、認知症患者のQOLを向上させることができ、前頭側頭型認知症、変性性認知症、感染症に関連した認知症等に対して効果を奏する旨が記載されている。 しかしながら、前記した通り、従来知られているイグサ抽出物は、確かに植物としてのイグサの香りはするものの、新鮮な青畳に独特の芳香性に欠けるものであり、アロマセラピーに用いるには不十分であり、ましてや嗅覚による脳機能改善の効果等が期待できるものではなかった。特開平8−157863号公報特開平9−192207号公報特開2003−000158号公報特開2005−214599号公報特開2012−062374号公報特開2006−291007号公報特開2013−014537号公報 本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、新鮮な青畳の独特な芳香を有するイグサ由来の抽出液の製造方法を提供することにあり、また、新鮮な青畳の独特な芳香を有するイグサ由来の抽出液を提供することにある。 更に、認知症等に対して予防治療効果を奏する「嗅覚による脳機能改善剤」、「認知症予防治療剤」、「海馬内の脳神経伝達物質調整剤」を提供することにある。 また、認知症患者等の脳機能を改善させる方法や、唾液中のコルチゾールの含有量を抑制する方法を提供することにある。 本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、収穫したイグサに対して特定の処理をした後に、特定の抽出方法によって抽出した抽出液が、従来のイグサ由来の抽出物にはない「青畳特有の芳香性」を有することを見出して、本発明を完成するに至った。 また、このようにして得られた抽出液を含有するものは、認知症の予防治療効果を有することを確認し、嗅覚による脳機能改善剤として有効であることを見出して、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、畳の香りを有する抽出液の製造方法であって、収穫後乾燥前のイグサを泥染めして乾燥した後に、該一旦乾燥がなされたイグサを、撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有することを特徴とする抽出液の製造方法を提供するものである。 また、本発明は、上記の抽出液の製造方法を使用して製造されたものであることを特徴とする抽出液を提供するものである。 また、本発明は、上記の抽出液を含有することを特徴とする嗅覚による脳機能改善剤を提供するものである。 本発明によれば、前記問題点や課題を解決し、従来のイグサの前処理や従来の抽出方法では得ることが困難な「成分」又は「成分比率」で香気成分を含有する抽出液を得ることが可能である。その結果、イグサの香りに留まらず、青畳の芳香性を有する抽出液が得られる製造方法を提供することができる。 また、従来のイグサ由来の抽出物や精油にはなかった、新鮮な青畳の独特な芳香を有するイグサ由来の高品質の新規性のある抽出液を提供することができる。 また、本発明の抽出液は、健常人又は患者が嗅ぐことによって、嗅覚を通じて、認知症等に対しての予防・治療効果等を奏するので、本発明は、「嗅覚による脳機能改善剤」を提供することができる。 本発明によれば、認知症患者の過去の思い出を想起させることができ、実際に長期記憶の形成を妨げていた状態を脱したことから、大脳辺縁系の海馬内の脳神経伝達物質を調整することができる。 また、本発明によれば、唾液中のストレスホルモンであるコルチゾールの量を抑制できる。本発明における抽出工程に用いられる装置の一形態を示す概略図である。本発明における抽出工程に用いられる装置の容器の一形態を示す拡大断面図である。本発明における抽出工程に用いられる装置の容器内の攪拌羽根の構成の一形態を示す斜視図である。 本発明の「抽出液の製造方法」は、畳の香りを有する抽出液の製造方法であって、収穫後乾燥前のイグサを泥染めして乾燥した後に、該一旦乾燥がなされたイグサを、撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有することを特徴とする。<イグサ> 刈り取り等の方法で収穫したイグサは、まず「泥染め」をする。本発明における「イグサ」とは、被子植物門、単子葉植物綱、イグサ科の植物をいう。 イグサ科、イグサ属のイグサ(藺草、Juncus effusus L. var. decipens Buchen.)が好ましい。また、畳表用に栽培されているイグサ(J. effusus)が特に好ましい。 イグサの産地等は特に限定はなく、畳表用のものが好適に使用でき、品種も特に限定はないが、岡山3号、ひのみどり、夕凪、ひのはるか等が好ましい。<泥染め> 「泥染め」とは、泥染め用の泥又は粘土が水に分散された分散液に、一定時間イグサを浸漬した後に、該分散液から取り上げる操作のことをいう。 一般に、「泥染め」は、畳表を製造する際に、イグサの色をきれいな青色にする、イグサの色が経時で褐色等に変わらないようにする、目詰まり感がある畳表にする、畳表の製織をきれいに行う、畳表の香りを変化させる、その後の操作である乾燥を早く完了させる等のために行われる。 乾燥が促進されることによって、酸化酵素による葉緑素の分解が進まず、色彩が良くなり変色を防ぐと言われている。 また、イグサの表面に、泥又は粘土の被膜ができているので、水分は、まず泥又は粘土に吸収されてから蒸発するので、イグサの細胞が急激に萎縮せず、また、乾燥が平均的に進む結果、青色が強くなり、変色しないようになるとも言われている。 泥染めせずに乾燥すると、イグサが褐色に変色し、質量も軽くなるので、イグサ固有の色調は、イグサ本来の色調と、泥染めに使用した泥又は粘土の粒子による乱反射による色調との調和によるものとも言われている。 本発明の「抽出液の製造方法」においては、「泥染め」が必須である。「泥染め」すると、抽出液ではなく畳表の香りが強くなる傾向があるとは言われていたが、泥染めによって、不要な香り成分が分解するのか、重要な香り成分が生成するのか、イグサからの抽出物の臭いに「泥染め」の効果が反映されるのか、抽出条件にも依存するのか、泥染め後の乾燥がイグサからの抽出物の臭いに影響を及ぼすのか等、多くのことが不明であった(現在も不明である)ため、本発明の特定の製造方法で、畳表の香りが極めて強い抽出液が得られることは予想できなかった。ましてや、その抽出液を含有することで、脳機能改善剤となることは予想できなかった。 泥染めに用いる泥又は粘土は、畳表を作る際に用いられるものを用いることが好ましい。 具体的には、好ましいものとして、例えば、兵庫県淡路島で産出される青灰色系の泥又は粘土、広島県で産出される淡褐色系の泥又は粘土、福岡県で産出される泥又は粘土、熊本県で産出される備後染土等の泥又は粘土等が挙げられる。 泥染めの際の温度や時間は、特に限定はないが、畳表を作るときの温度や時間が好適である。具体的には、温度に関しては、例えば、10℃〜50℃が好ましく、20℃〜40℃が特に好ましい。また、時間に関しては、1時間〜3日が好ましく、5時間〜2日がより好ましく、7時間〜1日が特に好ましい。 この範囲であると、特に新鮮な青畳の独特な芳香を有する抽出液を得ることができる。 刈り取り等で収穫したイグサは、なるべく早く泥染めをすることが好ましい。具体的には、例えば、10時間以内が好ましく、5時間以内がより好ましく、3時間以内が特に好ましい。この範囲であると、特に新鮮な青畳の独特な芳香を有する抽出液を得ることができる。<泥染め後の乾燥> 本発明の抽出液の製造方法においては、泥染め後、抽出前に、イグサを乾燥させ、泥染めに使用した水を乾燥させることが好ましい。該乾燥は、泥染めに使用した泥又は粘土がイグサに付着した状態で行われる。 該乾燥は、特に限定はないが、天日干し等の自然乾燥でもよく、乾燥器による乾燥でもよく、その後に抽出する際に用いる抽出装置内での乾燥でもよいが、自然乾燥又は乾燥器による乾燥が好ましい。 該乾燥の温度や時間は、特に限定はないが、畳表を作るときの温度や時間が好適である。具体的には、乾燥室の温度、乾燥装置内の温度、自然乾燥の際の気温としては、例えば、20℃〜90℃が好ましく、30℃〜80℃がより好ましく、40℃〜70℃が特に好ましい。また、時間に関しては、3時間〜5日が好ましく、5時間〜4日がより好ましく、10時間〜3日が特に好ましい。 この範囲であると、特に新鮮な青畳の独特な芳香を有する抽出液を得ることができる。 乾燥後のイグサからは、泥染めに用いた粘土や泥を適度に除去してもよく、除去しなくてもよい。また、限定はされないが、適度に切断してもよい。切断する場合は、切断後の長さは、0.5cm〜40cmが好ましく、1cm〜30cmがより好ましく、2cm〜20cmが特に好ましい。また、次の抽出工程に入る前に、許容される任意の処理・配合を行ってもよい。<破砕、撹拌、外部から熱を加えつつ減圧して抽出> 本発明の抽出液の製造方法では、一旦乾燥がなされたイグサは、撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有する。<<抽出装置>> 図1は、本発明の抽出液の製造方法において、抽出工程に用いられる装置の一形態を示す概略図である。 1は、イグサを収容し、撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する容器であり、2は、容器1から出る蒸気を冷却する冷却槽である。 容器1は、攪拌羽根6を収容した下部半円筒部7と、その上に形成された上部角形部8とからなる。下部半円筒部7の周囲には、容器1の内部に熱を加える蒸気室9がある。 下部半円筒部7の最下部の中央には、抽出後のイグサの破砕物を取り出す排出口10が設けられている。 前記上部角形部8の上部には、吸引される蒸気の排気口14が設けられ、この排気口14には、前記冷却槽2内の冷却管15につながる配管16が接続されている。 前記上部角形部8の上部には、イグサの投入口17を設けると共に、その投入口17を塞ぐ蓋18を設けている。 本発明の抽出液の製造方法においては、イグサを撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に抽出を行うことが必須である。このようにしながら、抽出することで、新鮮な破砕面ができたら直ぐに抽出が可能になるので、有効な香気成分の熱分解等による変性を防ぐことができ、新鮮な畳表の香りのする抽出物を得ることができる。 上記破砕・撹拌は、可動刃及び/又は固定刃を備えた抽出装置内で行うことが、上記効果を得るために特に好ましい。 例えば、図3は、前記攪拌羽根6の構成を示す斜視図であり、攪拌羽根6は、容器1の外部に設けられたモータにより回転されるものであり、容器1の端壁20、21に回転可能に支持される左右の端板22、23と、その先端間に両端が固定された、ほぼ「く」の字形をなす羽根体24、25とによって構成することにより、中心軸を有しない構造に構成されている。 26は下部半円筒部7の内面に固着された複数の固定刃であり、羽根体24、25における固定刃26に対応する箇所には、羽根体24、25には固定刃26の部分を通過するための溝24a、25aが形成され、その溝の両側に、固定刃26との間でイグサ31を切断するための可動刃24b、25bが形成されている。 なお、図3では、固定刃26と可動刃24b、25bとは、噛み合いが時間をずらして順次行なわれるように、周方向に位置をずらして配設し、これにより攪拌羽根6の駆動モータの動力の瞬間的増大が起こらないようにしている。 図2に示すように、下部半円筒部7の片側上部には、この上に載るイグサ31が円滑に落ちるように、傾斜面30がある。 32は前記容器1内の真空度を計測する真空計、33、34は温度計であり、これらは抽出工程における容器内の圧力(減圧度)と温度を測定し、抽出時のイグサの温度も間接的に測定するために設けられたものであり、また、抽出の開始と終了を判定するために設けられたものである。<<抽出工程>> この真空乾燥装置の操作・動作は、例えば、下記のように行なわれる。 まず、作業開始に当り、冷却槽2に冷却水60が充填される。次いで、イグサを投入口17から容器1内に投入して蓋18を閉じる。そして、攪拌羽根6は、図1〜図3の矢印Rの方向に回転させ、容器1内のイグサを攪拌しながら、可動刃24b、25bと固定刃26との間でイグサを小さく破砕する。 イグサを破砕しながら抽出することで、新鮮な破砕面からの抽出が可能になり、香気成分の変性を防ぐことができ、畳表の香りのする抽出物を得ることができる。 上記攪拌・破砕と同時に、蒸気室9内に加熱用蒸気を供給することにより、外部から熱を加える。容器1に加えられた熱は、イグサに伝達され、イグサ31が攪拌羽根6によって攪拌されることにより、抽出が促進される。この抽出は、イグサ31が、可動刃24b、25bと固定刃26とによって破砕されて小さくなることによって更に促進される。 その際、蒸気室9内に送り込む加熱用蒸気の温度や量を調節して、イグサの温度を、後記する好ましい範囲にする。 エゼクタ、真空ポンプ等の減圧装置46で吸引することにより、容器1内の気体、すなわち、抽出液の蒸気及び空気は、配管16を通じて吸引され、容器1内のイグサに含まれている抽出液の蒸気と水の蒸発が始まる。 その際、減圧装置46で吸引する量や吸引力を調節して、抽出時の圧力(減圧度)を、後記する好ましい範囲にする。 容器1内の「イグサに含まれている抽出液の蒸気」及び「水蒸気」は、配管16を通して吸引され、冷却槽2に導入され、冷却水60で冷却された冷却管15に触れて液化して、回収液50となって回収槽41内に溜まる。 回収槽41内に、回収液50が所定量まで貯まったら、バルブ45を閉じ、開放弁48を開放し、弁49を開いて、回収液50を回収する。回収液50は、要すれば、静置して分液をして、油層(油相、精油)及び/又は水層(水相)を使用し、要すれば濾過をして、本発明の抽出液とすることが好ましい。本発明のイグサの抽出液の製造方法では、油層が殆どない、又は、有効成分が水相に多い等のため、本発明の抽出液は、水層(水相)を使用することが好ましい。<<抽出条件>> 本発明の抽出液の製造方法においては、上記抽出の温度は特に限定されないが、イグサが70℃以下の温度を維持するように行うことが好ましい。より好ましくは、上記抽出を、イグサが20℃以上65℃以下の温度を維持するように行うことであり、特に好ましくは、25℃以上60℃以下であり、更に好ましくは、30℃以上55℃以下である。 下限が上記範囲の値であると、抽出時間を短くできるので、香気成分の分解・逸失が抑制され、また、不必要な時間のロスがなく経済的である。また、香気成分を十分に抽出可能である。 本発明の抽出液の製造方法では、イグサを撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に抽出を行うので、新鮮な破砕面ができた時点で早く抽出してしまうことができるが、下限が上記範囲の値であると、香気成分の分解・逸失が抑制される効果がより相乗される。 一方、上限が上記範囲の値であると、有効成分の熱による変性が防止でき、香気成分の分解を抑制しつつ、十分に香気成分を抽出できる。また、不必要な成分を抽出することがない。 本発明の抽出液の製造方法においては、上記抽出の減圧度は特に限定されないが、101.3kPa(1気圧)に対し、80kPa以上低い圧力を維持しつつ行うことが好ましい。より好ましくは、101.3kPa(1気圧)に対し、85kPa以上低い圧力を維持しつつ行うことであり、特に好ましくは、90kPa以上低い圧力であり、更に好ましくは、95kPa以上低い圧力である。 圧力が上記値であると(減圧度が上記であると)、低い温度での香気成分の抽出が可能になるので、有効成分の熱による変性が防止でき、香気成分の分解を抑制しつつ、十分に香気成分を抽出できる。また、抽出時間を短くできるので、香気成分の分解・逸失が抑制され、また、不必要な時間のロスがなく経済的である。また、香気成分を十分に抽出可能となる。 本発明の抽出液の製造方法では、イグサを撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に抽出を行うので、新鮮な破砕面ができた時点で早く抽出してしまうことができるが、減圧度が上記値のように低いと、香気成分の分解・逸失が抑制される効果がより相乗される。<他の抽出方法との比較> 前記した通り、抽出方法には、水蒸気蒸留法、直接抽出法、溶媒抽出法、圧搾法、超臨界抽出法、低温真空抽出法等、種々の方法が知られている。それぞれの定義も前記した通りである。 このうち、水蒸気蒸留法や直接抽出法では、イグサを高温加熱するため香気成分が変性する、香気成分が散逸する等で、畳表の香りのする抽出物が得られなかった。 また、溶媒抽出法では、水溶性成分が抽出され難い、溶媒が抽出液中に残留し、また、その溶媒を除去する際に香気成分も除去されてしまうことがあった。 圧搾法でも、抽出溶媒として用いた油性成分が抽出液中に残留し、また、その油性成分を除去することが不可能なことがあった。 超臨界抽出法では、適当な抽出溶媒がない、高圧を要するので高価な設備を必要とする等の問題点があった。 また、イグサを破砕・撹拌をしながらではなく、一旦破砕・撹拌をした後に抽出する方法では、畳表の香りのする有効な香気成分が効率的に抽出できない場合があった。通常の減圧抽出法等のように、破砕・撹拌をしながらではなく加熱・減圧して抽出する方法では、畳表の香りのする有効な香気成分が抽出できない場合があった。 また、イグサを「破砕しつつではなく」加熱・減圧して抽出する通常の減圧抽出法を含め、上記他の抽出方法では、イグサの組織や細胞の中に含まれている種々の成分が、香気成分と一緒に流出するため、畳表の香りのする香気成分が効率的に抽出できない場合があった。 また、イグサから水分と共に香気成分を取り出すときに、イグサの中に含まれている他の成分が、香気成分と一緒に流出するが、水中で、他の成分が香気成分と接触するため、香気成分が変性を受ける場合があった。 本発明の製造方法によると、従来の「泥染めしない方法」や「上記したような他の抽出方法」では得ることができなかった香気成分や、得ることができなかった成分比率の香気成分を含有する抽出液が得られるので、畳表の香りがし、更には、脳機能改善剤として効果を発揮する。 本発明の「抽出液の製造方法」で得られた抽出液は、従来のイグサ抽出物にはない、畳表に独特の香りを有する、クロマトグラフでピーク(比)が異なる等の点から、「物」として新規な抽出液である。かかる本発明の抽出液は、その成分組成や物性値の差が明らかになっていないので、本発明の抽出液は、製造方法でしか特定ができない。<抽出後の操作> 本発明の製造方法によると、水性画分から芳香水、油性画分から精油が得られる。 本発明においては、抽出後の操作は特に限定はされないが、通常は、同時に回収される水等の不要成分を分離する。分離には、比重の違い等を利用した、デカンテーション等が用いられる。本発明においては、抽出物が、植物由来ではない成分を含有しない精油として得られるという特長もある。 本発明の前記した抽出液の製造方法を使用して製造された抽出液は、水で希釈して水溶液として用いることも好ましく、エタノール等の有機溶媒で希釈して溶液として用いることも好ましい。<抽出液の用途> 本発明の抽出液は、必要に応じて、水、有機溶媒等で希釈して、また、必要に応じて、薬剤として配合が許容される添加剤を加えて、「嗅覚による認知症予防治療剤」等の「嗅覚による脳機能改善剤」、「嗅覚による海馬内の脳神経伝達物質調整剤」等として用いられる。 本発明の製造方法で製造された抽出物は、嗅覚によって(臭いを嗅ぐことによって)、脳機能が改善することが確かめられている。 本発明の「嗅覚による脳機能改善剤」は、記憶障害等を改善することが確かめられており、認知症の予防治療効果を有する。具体的には、認知症患者のQOLを向上させることができ、前頭側頭型認知症、変性性認知症、感染症に関連した認知症等に対して効果を奏する。 大脳辺縁系は、情動の表出、意欲、記憶、自律神経活動に関与しており、認知症患者では、大脳辺縁系の海馬の機能が低下して長期記憶の形成を妨げる。 本発明の抽出液や、該抽出液を含有する溶液を、実際に認知症患者に嗅いでもらったところ、様々な思い出を語ることができたことから、嗅覚を介して海馬内の脳神経伝達物質を調整し回想を促したと考えられた。 従って、上記本発明の脳機能改善剤を嗅がせる工程を有することを特徴とする脳機能改善に関するデータを提供する方法を用いれば、認知症等の患者の脳機能を改善することが可能である。 また、本発明の抽出液や、該抽出液を含有する溶液を、実際に認知症患者に嗅いでもらったところ、当該認知症患者の唾液中のストレスホルモンであるコルチゾールが、使用後1〜2時間で下降したことから、本発明の抽出液、該抽出液を含有する溶液、本発明の脳機能改善剤を嗅がせる工程を有する方法は、唾液中のコルチゾールの含有量を抑制する方法として有効である。 更に、本発明の前記した抽出液の製造方法を使用して製造された抽出液は、嗅覚による脳機能改善剤用、嗅覚による認知症予防治療剤用、嗅覚による海馬内の脳神経伝達物質調整剤用として用いる以外に、アロマセラピー用、香料用、化粧料用、食品用、医薬品用として使用できる。これらの用途に使用するときには、そこに、要すれば種々の添加剤を配合して用いることができる。 「嗅覚による認知症予防治療剤」等の「嗅覚による脳機能改善剤」、「嗅覚による海馬内の脳神経伝達物質調整剤」、その他上記用途に用いる場合は、本発明の抽出液、該抽出液の溶液等を、キャンドル、電球等の熱で温めて空気中に拡散させる方法、ティッシュペーパー等の紙、ハンカチ等の布等に染み込ませて空気中に拡散させる方法、水と混合して空気中に霧として拡散させる方法、振動によって空気中に拡散させる方法等によって使用することができる。また、風呂に入れて使用したり、キャリアオイルで希釈して、マッサージに使用したりすることもできる。 対象者の傍に、ディフューザー(芳香拡散器)を設置し、該ディフューザーから、対象者に一定量投与することが特に好ましい。 認知症患者等に投与する場合は、毎日持続的に、3日間〜1年間投与することが好ましく、1週間〜6月間投与することがより好ましく、2週間〜3月間投与することが特に好ましい。1日当たりの投与時間は、特に限定はないが、24時間常に継続して投与することが好ましい。 以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。実施例1<抽出液の製造> 6月下旬に収穫したイグサを、収穫後1時間後〜4時間後に、泥染めを行った。 泥染めは、兵庫県淡路島で産出される青灰色系の粘土(白雲石工業株式会社製)を水に分散させた分散液中に、20℃で18時間浸漬することで行った。 その後、乾燥器に入れて、空気中で、30〜50℃で24時間乾燥した。 乾燥したイグサから、泥染めに用いた粘土を払い落して、図1、図2、図3に示した容器に入れて抽出を行った。 抽出条件は以下であった。 イグサの温度:35〜40℃ 容器内の設定温度:35〜40℃ 圧力:101.3kPa(1気圧)に対し、90〜93kPa低い圧力 攪拌羽根(可動刃)の回転数:4rpm(回転/分) 回収槽41に溜まった回収液を、図1の回収槽の最下部にある弁49を開いて分離容器に入れた。分離容器中の水相の液を目的の抽出液とした。<抽出液の評価> 上記で得られた抽出液の臭いを嗅いだところ、強い青畳の芳香性を有していた。また、上記で得られた抽出液を水で希釈して水溶液とし、通常の市販のディフューザーを用い、臭いを嗅いだところ、極めて芳しい青畳の芳香性を有していた。 上記で得られた抽出液を水で希釈して水溶液とし、ディフューザーから、中等度認知症患者である対象者に、1日24時間常に投与し、合計20日間に亘って毎日投与した。 評価は、病院の倫理委員会にて承認を得た上で、本人家族に協力の依頼を行い、研究の途中中止が可能であること、協力を断っても不利益がないこと、評価の目的、匿名性の保持等を含めた倫理的配慮について説明し、同意を得た上で行った。 該対象者は、80歳代女性であり、左第5趾骨折しており、長谷川式簡易知能評価スケール(HDS−R)14点であった。 投与開始時には、杖で歩行しており、時折骨折部位の疼痛を訴えるが、自制内で経過しており、ナースコールの認識はあったが、ベッド周囲を歩き回るため、センサーマットで対応していた。深夜帯では、30分〜1時間毎にトイレ歩行し、他者との関係では、表情が硬く口調が強かった。以上より、中等度認知症患者と認定されていた。 該対象者の唾液中のストレスホルモンであるコルチゾールを、上記水溶液の、投与前、ディフューザーによる投与開始から1時間後、2時間後、1日後、3日後、7日後、20日後、それぞれ夕食前に測定した。 また、上記間隔で、以下の項目について評価した。(1)対象者の抽出液の臭いに対する言動(2)対象者のバイタルサインと認知症の程度の変化<<評価結果>> ストレスホルモンであるコルチゾールは、投与開始から1時間後に下降した。また、その下降は2時間後も継続した。1日後からは下降しなかった。 (1)については、1日後までは、臭いに関する発言はなかったものの、3日目に「以前住んでいた施設では畳の掃除をしていました。」との発言があり、7日後には、「畳の臭いがしますね。良いですね。」と発言し、更に、仕事や子供の話を始めた。 対象者は、30歳代で子供が幼少時に夫が他界し、生活保護を受けながら、子供を育て上げたが、その間、卸問屋から仕入れた乾物や卵や野菜を、リヤカーを引きながら販売し、生計を立てていたこと、3人の子供がいて、それぞれ個性があり、子育てにも苦労してきたこと、その後、再婚したことについても話し始めた。 また、子供については、成績が良かったものの、経済的な理由で子供を希望していた学校にも進学させてやれなかったことを後悔していること、長男家族と同居していたが、折り合いが悪く二男と同居したこと、その後施設に入ったこと等について、多くを発言した。その際の表情は、苦労話であっても、表情は明るく懐かしそうであった。 (2)については、投与開始前は、表情が硬く口調が強いことがあったが、投与開始後は、他患者との会話による交流が見られるようになり、食堂に行ってテレビを見て積極的に交流する場面があった。また、夜間30分〜1時間毎の排尿は、投与開始後は、ばらつきはあるものの、夜間1時間〜2時間毎の排尿というように、その頻度が減った。 バイタルサインは、評価期間内で安定していた。 対象者は、過去の思い出を想起させ、様々な思い出を語ることができるようになった。大脳辺縁系は、情動の表出、意欲、記憶、自律神経活動等に関与している。大脳辺縁系には海馬が含まれており、認知症患者では、海馬の機能低下を起こし、長期記憶の形成を妨げる。 従って、上記評価結果から、対象者は、嗅覚を介して海馬内の脳神経伝達物質が調整され、回想を促す刺激となり、記憶を呼び起こしたものと推認された。比較例1 実施例1において、泥染めしない以外は、実施例1と同様の装置で、同一条件で抽出した。 得られた抽出液の臭いを嗅いだところ、イグサの香りがするだけで、青畳の芳香性を有していなかった。また、上記で得られた抽出液を水で希釈して水溶液とし、ディフューザーを用い、臭いを嗅いだところ、青畳の芳香性を有していなかった。 クロマトグラフで成分分析をしたが、実施例1で得られた芳香成分と考えられるピークが低かった。 従って、認知症患者に投与しても、症状が改善するとは考えられなかった。比較例2 実施例1において、泥染めと泥染め後の乾燥の何れも行わない以外は、実施例1と同様の装置で、同一条件で抽出した。すなわち、収穫直後のイグサを、実施例1と同様の装置で、同一条件で抽出した。 得られた抽出液の臭いを嗅いだところ、心地良くないイグサの香りがするだけで、青畳の芳香性を有していなかった。また、上記で得られた抽出液を水で希釈して水溶液とし、ディフューザーを用い、臭いを嗅いだところ、青畳の芳香性を有していなかった。 クロマトグラフで成分分析をしたが、実施例1で得られた芳香成分と考えられるピークが低かった。 従って、認知症患者に投与しても、症状が改善するとは考えられなかった。比較例3 実施例1において、泥染めと乾燥をしたイグサを、予め裁断機で破砕し、図1、図2、図3に示した容器を用いず、通常の加熱減圧ができる装置を用いて、破砕・撹拌下ではなく、外部から熱を加えつつ減圧して抽出した。 得られた抽出液の臭いを嗅いだところ、青畳の芳香性を殆ど有していなかった。また、上記で得られた抽出液を水で希釈して水溶液とし、ディフューザーを用い、臭いを嗅いだところ、青畳の芳香性を殆ど有していなかった。 クロマトグラフで成分分析をしたが、実施例1で得られた芳香成分と考えられるピークが低かった。 従って、認知症患者に投与しても、症状が改善するとは考えられなかった。比較例4 実施例1において、泥染めと乾燥をしたイグサから、常法に従って水蒸気蒸留法で抽出して抽出液を得た。 得られた抽出液の臭いを嗅いだところ、青畳の芳香性を殆ど有していなかった。また、上記で得られた抽出液を水で希釈して水溶液とし、ディフューザーを用い、臭いを嗅いだところ、青畳の芳香性を殆ど有していなかった。 クロマトグラフで成分分析をしたが、実施例1で得られた芳香成分と考えられるピークが低かった。 従って、認知症患者に投与しても、症状が改善するとは考えられなかった。比較例5 実施例1において、溶媒を用いた直接抽出法、油性成分を用いた圧搾法、二酸化炭素による超臨界抽出法で抽出したが、比較例4と同様の結果であった。 本発明の抽出液の製造方法を用いて製造された抽出液は、分解や変質が起こらず、香気成分を今までにない成分組成で得られ、新鮮な青畳の香りがするので、認知症予防治療等の脳機能改善、唾液中のストレスホルモンであるコルチゾールの抑制等の医薬用途や、アロマセラピー、香料、化粧料、飲食品等の用途に広く利用されるものである。 1 容器 2 冷却槽 6 攪拌羽根 7 下部半円筒部 8 上部角形部 9 蒸気室 10 排出口 14 排気口 15 冷却管 16 配管 17 投入口 18 蓋 20 端壁 21 端壁 22 端板 23 端板 24 羽根体 24a 溝 24b 可動刃 25 羽根体 25a 溝 25b 可動刃 26 固定刃 30 傾斜面 31 イグサ 32 真空計 33 温度計 34 温度計 41 回収槽 45 バルブ 46 減圧装置 48 開放弁 49 弁 50 回収液 60 冷却水 R 回転方向 畳の香りを有する抽出液の製造方法であって、収穫後乾燥前のイグサを泥染めして乾燥した後に、該一旦乾燥がなされたイグサを、撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有することを特徴とする抽出液の製造方法。 上記抽出を、イグサが70℃以下の温度を維持するように行う請求項1に記載の抽出液の製造方法。 上記抽出を、イグサが20℃以上65℃以下の温度を維持するように行う請求項2に記載の抽出液の製造方法。 上記抽出を、101.3kPa(1気圧)に対し、80kPa以上低い圧力を維持しつつ行う請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の抽出液の製造方法。 上記破砕しながらの撹拌を、可動刃及び/又は固定刃を備えた抽出装置内で行う請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の抽出液の製造方法。 上記泥染め用の泥又は粘土が、畳表を製造する際に用いられる泥又は粘土である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の抽出液の製造方法。 上記乾燥を、20℃以上70℃以下で行う請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の抽出液の製造方法。 請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の抽出液の製造方法を使用して製造されたものであることを特徴とする抽出液。 請求項8に記載の抽出液を含有することを特徴とする嗅覚による脳機能改善剤。 請求項8に記載の抽出液を含有することを特徴とする嗅覚による認知症予防治療剤。 請求項8に記載の抽出液を含有することを特徴とする嗅覚による海馬内の脳神経伝達物質調整剤。 請求項9に記載の脳機能改善剤を嗅がせる工程を有することを特徴とする脳機能改善に関するデータを提供する方法。 請求項9に記載の脳機能改善剤を嗅がせる工程を有することを特徴とする唾液中のコルチゾールの含有量を抑制する方法。 【課題】新鮮な青畳の独特な芳香を有するイグサ由来の抽出液の製造方法を提供することであり、かかる抽出液を提供することであり、また、認知症等に対して予防治療効果を奏する「嗅覚による脳機能改善剤」を提供すること。【解決手段】畳の香りを有する抽出液の製造方法であって、収穫後乾燥前のイグサを泥染めして乾燥した後に、該一旦乾燥がなされたイグサを、撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有する抽出液の製造方法、該製造方法で得られた抽出液、該抽出液を含有する嗅覚による脳機能改善剤、及び、脳神経伝達物質調整剤。【選択図】図1


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