タイトル: | 公開特許公報(A)_フィラグリン産生促進剤 |
出願番号: | 2013187632 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 31/365,A61Q 19/00,A61K 8/49,A61K 36/00,A61P 17/00,A61P 17/06,A61P 17/16 |
光永 紫乃 菅井 由也 石川 准子 伊藤 正太郎 陳 施 JP 2015054832 公開特許公報(A) 20150323 2013187632 20130910 フィラグリン産生促進剤 花王株式会社 000000918 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 光永 紫乃 菅井 由也 石川 准子 伊藤 正太郎 陳 施 A61K 31/365 20060101AFI20150224BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20150224BHJP A61K 8/49 20060101ALI20150224BHJP A61K 36/00 20060101ALI20150224BHJP A61P 17/00 20060101ALI20150224BHJP A61P 17/06 20060101ALI20150224BHJP A61P 17/16 20060101ALI20150224BHJP JPA61K31/365A61Q19/00A61K8/49A61K35/78 BA61P17/00A61P17/06A61P17/16 4 OL 9 4C083 4C086 4C088 4C083AA112 4C083AC841 4C083AC842 4C083EE12 4C083FF01 4C086AA01 4C086AA02 4C086CA01 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA89 4C088AB03 4C088AC05 4C088BA10 4C088BA32 4C088NA14 4C088ZA89 本発明は、フィラグリン産生促進剤に関する。 天然保湿因子(Natural Moisturizing Factors; NMF)は、角質層においてケラトヒアリン顆粒に由来するタンパク質であるフィラグリン(filaggrin)から産生される、アミノ酸を主成分とする分子である。顆粒細胞内のケラトヒアリン顆粒には、フィラグリンの前駆物質であるプロフィラグリンが多量に存在し、プロフィラグリンは脱リン酸化とプロテアーゼの作用とを経てフィラグリンに分解される。フィラグリンは角質細胞の細胞質内でケラチン線維を凝集させたのち、角質層上層で天然保湿因子へと分解される。天然保湿因子は、皮膚角質層の水分保持に重要な役割を果たし、皮膚の保湿機能に貢献することが知られている。 乾燥肌を伴う疾患、例えば、アトピー性皮膚炎、魚鱗癬、老人性乾皮症においては、フィラグリン発現が減少し、また角質層中のアミノ酸が減少することが報告されている。また、乾燥環境下で飼育されたマウスでは、皮膚角質層の水分量が減少するとともに、フィラグリン発現量及び角質層アミノ酸量が低下することが報告されている。 フィラグリンは、上述の如く、前駆物質であるプロフィラグリンがプロテアーゼにより分解されて生成されるが、プロフィラグリンの分解に関与するプロテアーゼの1つとして、プロスタシン(prostasin)/CAP1/Prss8が知られている。CAP1/Prss8をノックアウトしたマウスが重度の脱水状態に陥ること、当該ノックアウトマウスの皮膚ではプロフィラグリンからのフィラグリンモノマーの生成が障害されていることが報告されている(非特許文献1)。 従って、フィラグリン又はプロスタシンの発現を促進させることによって、天然保湿因子の産生量を増大させ、皮膚の保湿機能を改善できると考えられている。 従来、フィラグリン産生促進剤としては、例えば、カンゾウ抽出物(特許文献1)、天然植物中に含まれるフラバノン配糖体リクイリチン(特許文献2)、糖脂質化合物(特許文献3)等が知られているが、安価且つ安全にフィラグリンや天然保湿因子の産生を促進し、皮膚保湿能を向上させることができる、さらなる物質の開発が望まれている。 一方、リグナン類は、植物においてはヒノキ科のアスナロ等に見出され(非特許文献2)、これまでに抗ウイルス活性や癌細胞増殖抑制活性(非特許文献3)、血小板へのPAFの結合阻害作用(非特許文献4)等が報告されているが、フィラグリン産生促進作用があることについては全く知られていない。特開2002−363054号公報特開2003−146886号公報特開2006−241095号公報Leyvraz et al, J Cell Biol, 2005, 170(3):487-496Chem. Pharm. Bull. 20(6) 1150-1155(1972)Planta Med. 59, 246-249(1993)Natural Product Report, 183-205(1995) 本発明は、フィラグリン産生促進作用を有し、皮膚保湿、天然保湿因子産生促進効果を発揮する医薬品、医薬部外品、化粧品、或いはこれらに配合する素材を提供することに関する。 本発明者らは、上記の課題に鑑みて検討したところ、下記一般式(1)で示されるリグナン類に優れたフィラグリン産生促進作用があり、これが皮膚の天然保湿因子(NMF)の産生促進、皮膚保湿能の向上に有用であることを見出した。 すなわち本発明は、以下の1)〜3)に係るものである。 1)下記一般式(1)で表されるリグナン類を有効成分とするフィラグリン産生促進剤。 2)下記一般式(1)で表されるリグナン類を有効成分とする天然保湿因子産生促進剤。 3)下記一般式(1)で表されるリグナン類を有効成分とする皮膚保湿剤。〔式中、Rは水素原子又は炭素数1−10のアルコキシ基を示す。〕 本発明のフィラグリン産生促進剤、天然保湿因子産生促進剤、皮膚保湿剤によれば、フィラグリン産生を促進することにより、皮膚の天然保湿因子量を増加させ、皮膚保湿能を向上させることができる。したがって、本発明は、皮膚の保湿や、乾燥肌を伴う疾患又は状態の改善等に有用である。 本発明において、一般式(1)中のRで表される炭素数1〜10のアルコキシ基としては、直鎖又は分岐鎖の何れでもよく、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基等を挙げることができる。このうち炭素数1〜6のものが好ましく、炭素数1〜3のものがより好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基がさらに好ましい。 フィラグリン産生促進効果の点から、Rは水素原子又はメトキシ基であるのがより好適である。 一般式(1)で表されるリグナン類は、例えばアスナロ(主として葉部、小枝部)又はその乾燥末を水、有機溶剤を用いて抽出処理し、分画・精製することにより取得することができる。 具体的には、例えば、アスナロの乾燥粉砕物100gをエタノール1リットルに浸漬し、室温で時々攪拌しながら7日間抽出を行い、得られた抽出液をろ過し、ろ液を5℃で3日間静置した後、再度ろ過して上澄みを得る。次いで得られた抽出液から溶媒を留去して得られた残渣を、適宜メタノール、エタノール、酢酸エチル等の溶媒に溶解し、更に水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、アセトン、ベンゼン等を溶出溶媒として、アンバーライトXAD−2、ダイアイオンHP−20、TSKゲルHW−40等の親水性ポリマーやセファデックスLH−20等のセファデックス、逆相系シリカゲルやシリカゲル、セルロース等を担体に用いたカラムクロマトグラフィーに付し、薄層クロマトグラフィーなどで目的成分を確認しながら分画することにより目的物を得ることができる。また、場合によりベンゼン、エーテル、ヘキサン、アセトン、メタノール、エタノール、水等の適当な溶媒を用いて再結晶することにより精製しても良い。 また、一般式(1)で表されるリグナン類は、文献記載の方法(Natural Product Report, 183-205(1995)、Tetrahedron Lett. 2759-2762(1969)、Chem. Pharm. Bull. 20(6)1150-1155(1972)等)により、化学的に合成することができる。 後記実施例に示すとおり、式(1)で表されるリグナン類は、細胞のフィラグリン遺伝子発現を有意に促進する作用を有する。したがって、当該リグナン類は、フィラグリン産生促進剤となり得る。フィラグリンの前駆物質であるプロフィラグリンは、プロスタシン等の酵素によって分解されてフィラグリンとなり(前記非特許文献1参照)、そのフィラグリンは、皮膚角質層でさらに分解されて、皮膚の水分保持に重要な役割を果たす、天然保湿因子(NMF)の成分の一つであるアミノ酸となる(Dale BA et al., Nature, 1978, 276: 729-731)。したがって、式(1)で表されるリグナン類は、フィラグリン産生を促進する作用を介して、天然保湿因子の産生を促進することができ、それによって皮膚保湿効果を発揮することができる。したがって、当該リグナン類は、天然保湿因子産生促進剤、皮膚保湿剤となり得る。 斯かるフィラグリン産生促進剤、天然保湿因子産生促進剤、皮膚保湿剤は、乾燥肌に伴う疾患又は状態、例えば肌荒れ、皮膚の乾燥ジワ、及びアトピー性皮膚炎、魚鱗癬、老人性乾皮症等の疾患の改善のために有用である。 また、式(1)で表されるリグナン類は、フィラグリン産生促進のため、天然保湿因子産生促進のため、又は皮膚保湿のために使用すること、更には乾燥肌に伴う疾患又は状態、例えば肌荒れ、皮膚の乾燥ジワ、及びアトピー性皮膚炎、魚鱗癬、老人性乾皮症等の疾患の改善のために使用することができる。 ここで、当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物への投与、又はそれらに由来する検体に対する使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。尚、「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。 また、式(1)で表されるリグナン類は、フィラグリン産生促進剤、天然保湿因子産生促進剤又は皮膚保湿剤を製造するために使用することができる。 上記フィラグリン産生促進剤、天然保湿因子産生促進剤及び皮膚保湿剤は、フィラグリン産生促進のため、天然保湿因子産生促進のため、皮膚保湿のため、更には肌荒れ、皮膚の乾燥ジワ、及びアトピー性皮膚炎、魚鱗癬、老人性乾皮症等の疾患の改善のための医薬品、医薬部外品、化粧品として、或いはこれらへ配合するための素材又は製剤とすることができる。 ここで、「フィラグリン産生促進」とは、フィラグリンの遺伝子発現が促進する等により、生体内のフィラグリン産生が促進され、フィラグリン量が増加することを意味する。 「天然保湿因子産生促進」とは、生体内の天然保湿因子(NMF)の産生が促進され、天然保湿因子量が増加することを意味する。 式(1)で表されるリグナン類を含有する上記医薬品又は医薬部外品は、任意の投与形態で投与され得る。投与は経口でも非経口でもよい。経口投与のための剤型としては、例えば、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤のような固形投薬形態、ならびにエリキシロール、シロップおよび懸濁液のような液体投薬形態が挙げられ、非経口投与のための剤型としては、注射、輸液、局所、外用剤、経皮、経粘膜、経鼻、経腸、吸入、坐剤、ボーラス、貼布剤等が挙げられる。好ましくは、当該医薬品又は医薬部外品は、皮膚外用剤の形態であり得る。 上記医薬品又は医薬部外品は、上記式(1)で表されるリグナン類を単独若しくは複数で含有していてもよく、又は薬学的に許容される担体と組み合わせて含有していてもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、被膜剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、分散剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、滑沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、香料、矯味剤、矯臭剤等が挙げられる。また、当該医薬品や医薬部外品は、上記式(1)で表されるリグナン類のフィラグリン産生促進作用が失われない限り、他の有効成分や薬理成分を含有していてもよい。 上記医薬又は医薬部外品は、上記式(1)で表されるリグナン類から、あるいは必要に応じて上記担体及び/又は他の有効成分や薬理成分を組みあわせて、常法により製造することができる。当該医薬品又は医薬部外品における上記式(1)で表されるリグナン類の含有量は、例えば皮膚外用剤とする場合、製剤全質量中に、好ましくは0.000001質量%以上、より好ましくは0.00001質量%以上であり、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下である。 上記医薬品の投与量は、対象者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、成人1人当たりの1日の投与量は、通常、式(1)で表されるリグナン類として、好ましくは0.00003mg以上、より好ましくは0.0003mg以上であり、好ましくは0.3mg以下、より好ましくは0.03mg以下である。上記製剤は、任意の投与計画に従って投与され得るが、1日1回〜数回に分け、数週間〜数ヶ月間継続して投与することが好ましい。投与対象としては、皮膚の保湿を必要としている若しくは希望しているヒト、すなわち、乾燥肌に伴う疾患又は状態、例えば肌荒れ、皮膚の乾燥ジワ、及びアトピー性皮膚炎、魚鱗癬、老人性乾皮症等の疾患を有する患者やそれらの予備軍などが挙げられる。 本発明の式(1)で表されるリグナン類を含有する化粧品は、当該リグナン類を単独若しくは複数で含有していてもよく、又は化粧料として許容される担体と組み合わせて含有していてもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、被膜剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、分散剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、滑沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、香料、矯味剤、矯臭剤等が挙げられる。また、当該化粧料は、上記式(1)で表されるリグナン類のフィラグリン産生促進作用が失われない限り、他の有効成分や化粧成分、例えば、保湿剤、美白剤、紫外線保護剤、細胞賦活剤、洗浄剤、角質溶解剤、メークアップ成分(例えば、化粧下地、ファンデーション、おしろい、パウダー、チーク、口紅、アイメーク、アイブロウ、マスカラ、その他)等を含有していてもよい。化粧品とする場合の形態としては、クリーム、乳液、ローション、懸濁液、ジェル、パウダー、パック、シート、パッチ、スティック、ケーキ等、化粧品に使用され得る任意の形態が挙げられる。好ましくは、上記化粧品は、皮膚保湿用化粧品であり得る。 上記化粧品は、上記式(1)で表されるリグナン類から、あるいは必要に応じて上記担体及び/又は他の有効成分や化粧成分を組みあわせて、常法により製造することができる。当該化粧料における上記式(1)で表されるリグナン類の含有量は、製剤全質量中に、好ましくは0.000001質量%以上、より好ましくは0.00001質量%以上であり、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下である。 上述した実施形態に関し、本発明においてはさらに以下の態様が開示される。 <1>下記一般式(1)で表されるリグナン類を有効成分とするフィラグリン産生促進剤。 <2>下記一般式(1)で表されるリグナン類を有効成分とする天然保湿因子産生促進剤。 <3>下記一般式(1)で表されるリグナン類を有効成分とする皮膚保湿剤。 <4>フィラグリン産生促進剤を製造するための、下記一般式(1)で表されるリグナン類の使用。 <5>天然保湿因子産生促進剤を製造するための、下記一般式(1)で表されるリグナン類の使用。 <6>皮膚保湿剤を製造するための、下記一般式(1)で表されるリグナン類の使用。 <7>フィラグリン産生促進に使用するための、下記一般式(1)で表されるリグナン類。 <8>天然保湿因子産生促進に使用するための、下記一般式(1)で表されるリグナン類。 <9>皮膚保湿に使用するための、下記一般式(1)で表されるリグナン類。 <10>下記一般式(1)で表されるリグナン類を、ヒト若しくは動物に投与するフィラグリン産生促進方法。 <11>下記一般式(1)で表されるリグナン類を、ヒト若しくは動物に投与する天然保湿因子産生促進方法。 <12>下記一般式(1)で表されるリグナン類を、ヒト若しくは動物に投与する皮膚保湿方法。 <13><7>〜<9>において、使用は非治療的使用である。 <14><10>〜<12>において、方法は非治療的方法である。 <15><1>〜<14>において、一般式(1)中のRは、好適には水素原子又はメトキシ基である。 <16><1>〜<15>において、下記一般式(1)で表されるリグナン類の含量は、製剤全質量中に、好ましくは0.000001質量%以上、より好ましくは0.00001質量%以上であり、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下である。〔式中、Rは水素原子又は炭素数1−10のアルコキシ基を示す。〕 以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。製造例1 アスナロ乾燥粉砕物(180g)をエタノール1Lに浸漬し、室温において時々攪拌しながら7日間抽出を行い、得られた抽出液を濾過し、濾液を5℃において3日間静置した後、再度濾過し、上澄みを得た。次に溶媒を留去して得られた残渣(2.4g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、CHCl3:CH3OH、H2O:CH3OH)、高速液体クロマトグラフィー(YMC−ODS S−10、YMC社製)に供し、化合物1(一般式(1)において、R=H)25mgを得た。製造例2 製造例1と同様にして、化合物2(一般式(1)において、R=OCH3)21mgを得た。実施例1 フィラグリン産生に対する植物抽出物の効果 ヒト正常表皮細胞(NHEK)はEpiLife(登録商標)(Kuraboより購入)を用い、37℃、5%CO2条件下で培養した。細胞を6穴プレートに1×104個/cm2で播種し、24時間培養後、培地を血清無添加培地に交換するとともに、製造例に従って精製した化合物1及び2を、表1に示す最終濃度(0.01〜0.1ppm)となるように調製した試料を培地に添加した。48時間培養後、細胞からRNeasy(登録商標)Mini Kit (QIAGEN) を用いてtotal RNAを抽出した。total RNAの濃度を測定し、一定量のtotal RNAを用いて逆転写反応を行った。逆転写反応にはHigh capacity RNA−to−cDNA Kit(Applied Biosystems)を用いた。 得られたcDNAから、Real−time RT−PCRにより、フィラグリン遺伝子発現の定量を行った。50μLの反応系にて、増幅条件は95℃、15秒の変性反応、60℃、1分のアニーリング、伸長反応にて行った。それぞれの遺伝子発現量はRPLP0発現量により補正し、試料無添加(溶媒のみ)コントロールにおけるフィラグリンの発現量を1とした場合の相対値として示した。結果を表1に示す。 下記一般式(1)で表されるリグナン類を有効成分とするフィラグリン産生促進剤。〔式中、Rは水素原子又は炭素数1−10のアルコキシ基を示す。〕 下記一般式(1)で表されるリグナン類を有効成分とする天然保湿因子産生促進剤。〔式中、Rは水素原子又は炭素数1−10のアルコキシ基を示す。〕 下記一般式(1)で表されるリグナン類を有効成分とする皮膚保湿剤。〔式中、Rは水素原子又は炭素数1−10のアルコキシ基を示す。〕 一般式(1)中のRが、水素原子又はメトキシ基である、請求項1記載のフィラグリン産生促進剤、請求項2記載の天然保湿因子産生促進剤、又は請求項3記載の皮膚保湿剤。 【課題】フィラグリン産生促進作用を有し、皮膚保湿、天然保湿因子産生促進効果を発揮する医薬品、化粧品等、或いはこれらに配合する素材の提供。 【解決手段】 下記一般式(1)〔式中、Rは水素原子又は炭素数1−10のアルコキシ基を示す。〕で表されるリグナン類を有効成分とするフィラグリン産生促進剤。【選択図】なし