タイトル: | 公開特許公報(A)_非特異増幅を低減させる方法 |
出願番号: | 2013186282 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C12N 15/09,C12Q 1/68 |
松本 弘嵩 JP 2015050980 公開特許公報(A) 20150319 2013186282 20130909 非特異増幅を低減させる方法 東洋紡株式会社 000003160 松本 弘嵩 C12N 15/09 20060101AFI20150220BHJP C12Q 1/68 20060101ALN20150220BHJP JPC12N15/00 AC12Q1/68 4 OL 10 4B024 4B063 4B024AA20 4B024CA01 4B024CA11 4B024HA08 4B024HA12 4B063QA01 4B063QA18 4B063QQ42 4B063QQ62 4B063QR08 4B063QR32 4B063QR35 4B063QR42 4B063QR50 4B063QR55 4B063QR62 4B063QS20 4B063QS25 4B063QS28 4B063QS34 4B063QS36 4B063QX02本発明は、核酸増幅の分野に関する。さらに詳しくは、核酸増幅における非特異増幅を低減させる方法に関する。DNAポリメラーゼを用いた鋳型核酸からのDNAの合成は、分子生物学の分野において、シーケンシング法や核酸増幅法等、様々な方法に利用・応用されている。中でも、核酸増幅法は、研究分野のみならず、遺伝子診断、親子鑑定といった法医学分野、あるいは、食品や環境中の微生物検査等において、既に実用化されている。 核酸増幅法は現在までに様々な方法が開発されており、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法、Loop−Mediated Isothermal Amplification(LAM P)法、Transcriprtion Reverse Transcription Concerted Reaction (TRC)法、Nucleic Acid Sequence−Based Amplification (NASBA)法などの核酸増幅法が比較的一般に普及している。中でも、DNAの特異的配列の増幅に用いられるPCR法は、研究分野から応用分野に至るまで極めて幅広く普及している技術である。現在、PCR法は更なる開発が行われており、複数のプライマーを同時に増幅するMultiplexPCR法や、蛍光色素を用いて、PCRの増幅産物をリアルタイムで検出するリアルタイムPCR法など、様々な技術が存在する。これらの技術も、研究分野のみならず、法医学分野や食品、環境中の微生物検査等において、既に実用化されている。PCR法による遺伝子増幅方法は、標的核酸、4種類のデオキシヌクレオシド三リン酸、少なくとも一対のプライマー及びDNAポリメラーゼの存在下で、変性、アニーリング、伸長からなるサイクルを20〜50サイクル繰り返すことにより、上記一対のプライマーで挟まれる標的核酸の領域を指数関数的に増幅させる方法である(特許文献1)。PCR法には、一対のプライマーで挟まれる標的核酸の領域を増幅することで、目的とする遺伝子配列を増幅できる特徴がある反面、プライマーが目的としない誤った配列にハイブリダイズしてしまった場合(プライマーのミスマッチアニーリング)においても、目的としない配列の増幅が起こり、非特異増幅が生じるという欠点がある。また、PCR中にプライマー同士が会合することで、プライマーダイマーが生じ、これが鋳型DNAとして働いて、非特異増幅産物が作られてしまうという欠点がある。そのため、PCRにおける課題は、非特異増幅がなく目的産物のみを増幅させることにある。 非特異増幅を低減させる方法は、数多く報告されている。例えば、増幅条件(アニール温度を高める、サイクル数の減少、酵素量の減量、酵素の種類変更、dNTP濃度の減少、Mg濃度の減少、鋳型DNA濃度の減少など)の至適化、プライマーのデザイン変更、抗体やアプタマーを利用したホット・スタート法の利用、特異性が高まるとされる修飾オリゴヌクレオチド(PNAやLNAなど)の利用などが知られている。 しかしながら、かかる方法は、非特異増幅の抑制に有効な場合があるものの、効果が十分でなかったり、特異的な増幅までも抑制してしまったりすることが多い。さらに、増幅条件の検討や、プライマー設計の検討などが必要なため、手間がかかる場合や、試薬調製が煩雑な場合も多い。特開2005−328709号 現在までに、プライマーダイマーを含む非特異増幅を低減する方法が開発されているが、試薬調製が容易であり、かつ非特異増幅を防ぐ効率的な方法は未だ見出されていない。そこで、本発明が解決しようとする課題は、PCRのための試薬調製が容易であり、かつ非特異増幅を防ぐ効率的な方法を提供することである。 本発明者は、上記事情を鑑み、鋭意研究の結果、PCR反応液に界面活性剤を全く含まない、あるいは界面活性剤濃度を0.00001%(V/V)未満の低濃度にすることで、非特異増幅を低減することができることを見出し、本発明の完成に至った。すなわち、本発明は以下の構成からなる。[1]ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)における非特異増幅を低減する方法であって、界面活性剤を0%(v/v)以上0.00001%(v/v)未満の濃度で含むPCR反応液を用いることを特徴とする、非特異増幅を低減する方法。[2][1]に記載の非特異増幅を低減する方法であって、界面活性剤を0%(v/v)以上0.000001%(v/v)未満の濃度で含むPCR反応液を用いることを特徴とする、非特異増幅を低減する方法。[3][2]に記載の非特異増幅を低減する方法であって、界面活性剤を含まないPCR反応液を用いることを特徴とする、非特異増幅を低減する方法。[4]非特異増幅がプライマーのミスマッチアニーリング、プライマーダイマー、もしくはプライマー自身の二次構造に由来するものである、[1]−[3]のいずれかに記載の非特異増幅を低減する方法。 本発明により、PCR反応液に界面活性剤を全く含まない、あるいは界面活性剤濃度を0.00001%(V/V)未満の低濃度にすることで、非特異増幅を低減することができる。そのため、試薬調製が容易であり、界面活性剤を含有しないポリメラーゼと界面活性剤を含まないPCRバッファーを使用するだけで、特異性が高いPCR反応液を調製することが可能である。界面活性剤を全く含まない組成における特異性と、界面活性剤を含む組成における特異性を比較した図である。界面活性剤を全く含まない組成における特異性と、界面活性剤を含む組成におけるプライマーダイマーを比較した図である図3は、界面活性剤添加量と特異性との関係を調べた図である。 以下、本発明を詳細に説明する。本発明の一態様は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)における非特異増幅を低減する方法であって、界面活性剤を0%(v/v)以上0.00001%(v/v)未満の濃度で含むPCR反応液を用いることを特徴とする、非特異増幅を低減する方法である。 本発明において、「非特異増幅」とは特に限定されず、増幅すべき対象を正常に増幅する形態以外の増幅形態を指す。例えば、プライマーのミスマッチアニーリングによるもの、プライマーダイマーの形成によるもの、または、プライマー自身の二次構造に由来するものが挙げられる。本明細書においては、非特異増幅が低減されているかどうかの判断は、PCR反応後反応液の融解曲線解析を行い、目的の増幅産物以外の増幅産物に由来するピークが存在する場合、その増減により定性的または定量的に行うことができる。なお、前記融解曲線解析において、非特異反応の原因は問わない。本発明の非特異増幅を低減させる方法は、PCR反応液中に界面活性剤を全く含まない、あるいは界面活性剤濃度を0.00001%(V/V)未満の低濃度にすることを特徴とする。 本発明の方法に使用する界面活性剤は、特に限定されない。カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれでもよく、従来公知の界面活性剤が使用できる。非イオン系界面活性剤は、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、および含窒素型に分類される。これらの非イオン型界面活性剤の中では、エーテルエステル型の非イオン系界面活性剤が好ましい。より具体的には、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、およびソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテルをエーテルエステル型の非イオン系界面活性剤として示すことができる。エーテルエステル型の非イオン系界面活性剤には、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ヒマシ油、ポリキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などが含まれる。本発明において、特に好ましいエーテルエステル型の非イオン系界面活性剤は、ポリキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。本発明の方法に利用することができる市販の非イオン系界面活性剤としては、たとえばTween20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート)、Tween40(ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミタート)、Tween60(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラート)Tween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)、Tween85(ポリオキシエチレンソルビタントリオレアート)、Nonidet P−40(ポリ(オキシエチレン)=オクチルフェニルエーテル)、Triton X−100(ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル)、Triton X−114(ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル)、Brig35(ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル)、BL−9EX(ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル)などが挙げられる。本発明の方法に使用する界面活性剤の濃度は、PCR反応液中において0.00001%(V/V)未満であれば特に限定されない。好ましくは0.000001%(v/v)未満である。さらには、本発明の方法には、界面活性剤を含まないPCR反応液を用いることが好ましい。 本発明の方法におけるPCR反応液のその他の構成は特に限定されないが、耐熱性DNAポリメラーゼ、鋳型となる核酸、1種以上のオリゴヌクレオチドプライマー、1種以上のデオキシヌクレオチド三リン酸又は、デオキシヌクレオチド三リン酸の誘導体、緩衝剤、及び塩よりなる群のうち少なくとも1つを含有することが好ましい。 本発明の方法に使用する耐熱性DNAポリメラーゼは、特に限定されない。従来公知の耐熱性細菌由来のポリメラーゼが使用できる。具体的には、ファミリーA(PolI型)に属するTaq DNAポリメラーゼやTth DNAポリメラーゼ、ファミリーB(α型)に属するKOD DNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼ、Pwo DNAポリメラーゼ、Ultima DNAポリメラーゼ、PrimeSTAR(登録商標) DNAポリメラーゼなどが挙げられる。その中でも、入手可能な界面活性剤を全く含まないDNAポリメラーゼとして、KOD exo (−)<Detergent Free>(TOYOBO)が挙げられるが、特に限定されるものではない。 本発明の方法において、鋳型となる核酸は特に限定されない。合成DNA、生体試料等から精製されたゲノムDNA、RNAから逆転写反応により得たcDNAなどが挙げられる。また、精製されている必要性はなく、鋳型となる核酸を含む生体試料の粗精製サンプルや、生体試料そのものを使用することもできる。本発明において使用する1種以上のオリゴヌクレオチドプライマーとは、増幅されるべき核酸の各核酸鎖に相補的なオリゴヌクレオチドであり、2種またはそれ以上のプライマーを使用することが好ましい。該プライマーは、2本鎖核酸の配列の異なる各鎖と実質的に相補的であって、一方のプライマーから合成された伸長生成物がその相補体から分離された場合に、その伸長生成物が他方のプライマーの伸長生成物の合成のための鋳型として機能することができるように選択される。 1種以上のデオキシヌクレオチド三リン酸又はデオキシヌクレオチド三リン酸の誘導体は、PCR反応において基質として使用される。この基質として、4種類のデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTPs;dATP、dCTP、dTTPおよびdGTPの混合物)溶液などを含んでいてもよい。 PCR反応液にはさらに緩衝剤を含むことが好ましい。前記緩衝剤として、例えば、トリス(TRIS)、トリシン(TRICINE)、ビス−トリシン(BIS−TRICINE)、へペス(HEPES)、モプス(MOPS)、テス(TES)、タプス(TAPS)、ピペス(PIPES)、及びキャプス(CAPS)などが挙げられるが、特に限定されない。濃度としては、10〜200mM程度が好ましく、20〜100mM程度がより好ましい。pHとしては、7.0〜9.5程度の範囲が好ましく、7.5〜9.0程度の範囲がより好ましい。また、前記緩衝液中には、1〜5mM、好ましくは1.5〜2.5mM程度の濃度でMg2+を含むことが好ましい。更には、KClを含んでいてもよい。 さらに、PCR反応液中には、アルブミン、グリセロール、ヘパリン、トレハロース、ベタイン等を含んでいてもよい。これらの添加割合は、PCR反応を阻害しない範囲で添加すればよい。 本発明の方法におけるPCR反応液には、増幅産物の検出、モニタリングのためにPCR反応液中にDNA検出剤を含んでいてもよい。DNA検出剤は、特に限定されない。DNA表面のリン酸基に結合する色素や塩基間にインターカレートする色素(インターカレーター)などが挙げられるが、インターカレーターを用いることが好ましい。インターカレーターとは、二本鎖DNAに挿入(インターカレート)することによって、可逆的な、非共有結合的な様式で核酸と結合し、それによって核酸の存在および量を示す任意の分子を指す。一般に、インターカレーターは、二本鎖DNAに挿入して蛍光を発する色素である。 多数のインターカレーターが当技術分野で公知である。例えば、Ethidium bromide、シアニン色素(例えば、TOTO(登録商標)、YOYO(登録商標)、BOBOおよびPOPO)、SYBR(登録商標) Green I、SYBR(登録商標) Green ER、SYBR(登録商標) Green Gold、SYBR(登録商標) DX、PicoGreen(登録商標)、LCGeen(登録商標)、EvaGreen(登録商標)、SYTOX(登録商標) Green、ResoLight、ヨウ化プロピジウム、Acridine orange、7−アミノ−アクチノマイシン D、CyQUANT(登録商標) GR、SYTO(登録商標)9, SYTO(登録商標)10、SYTO(登録商標)13、SYTO(登録商標)14、SYTO(登録商標)82、FUN−1などが挙げられるが、特に限定されるものではない。 本発明では、増幅産物の検出、モニタリングのためにPCR反応液中にプローブを含んでいてもよい。プローブとしては、TaqMan Probe、Molecular Beacon、Hybridization Probe、Cycling Probe、Q Probeなどが挙げられ、任意のプローブを選択することができる。以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。実施例1:界面活性剤の有無が反応特異性に与える影響の確認 本実施例においては、界面活性剤が与える影響を調べるために、界面活性剤が全く含まない酵素として、KOD exo (−)<Detergent Free>(TOYOBO)、界面活性剤を含む酵素として、KOD exo (−)(TOYOBO)を使用した。KOD exo (−)を酵素として使用した場合、PCR反応液中に、0.00075% Nonidet P−40、0.00075% Tween20を含有することになる。 反応バッファーとしては、KOD −Plus− ver.2(TOYOBO)に添付のものを使用した。 本実施例では、HUMAN GENOMIC DNAを鋳型とし、Human beta Globin(Hbg582とHbg468の2種)の検出を表1に示す2セットのプライマー、プライマー#1(配列番号1)とプライマー#2(配列番号2)、プライマー#3(配列番号3)とプライマー#4(配列番号4)を用いて行った。具体的には、表2に示すPCR反応液組成、表3に示すサイクル条件にてPCRを実施し、融解曲線解析により増幅産物を検出した。解析には、リアルタイムPCR装置(Applied Biosystems 7500 Fast リアルタイムPCRシステム)を使用した。 これらの結果を図1に示す。図1は、界面活性剤を全く含まない組成における特異性と、界面活性剤を含む組成における特異性を比較した結果である。界面活性剤を全く含まない組成にすることで特異性が大幅に改善にされ、非特異増幅を低減させることができることが示された。実施例2:界面活性剤の有無がプライマーダイマー生成に与える影響の確認 本実施例では、プライマーダイマーが生じやすいターゲットとしてトランスフォーミング増殖因子(TGFb291)を用い、界面活性剤の有無がプライマーダイマーに与える影響を検証した。方法は、実施例1に示す通りであり、プライマー設計のみ、図4に示すプライマー#5(配列番号5)とプライマー#6(配列番号6)とした。これらの結果を図2に示す。図2は、界面活性剤を全く含まない組成における特異性と、界面活性剤を含む組成におけるプライマーダイマーを比較した結果である。界面活性剤を全く含まない組成にすることで、界面活性剤を含む組成においてプライマーダイマーが生じやすいターゲットにおいても、プライマーダイマーの発生を抑制できることが示された。実施例3:界面活性剤量と反応特異性との関係 実施例1、2では、界面活性剤を全く含まないPCR反応液組成における特異性改善効果を示した。続いて、界面活性剤量をどの程度低減させることで、特異性改善効果が認められるか、検証した。 本実施例においては、DNAポリメラーゼとしてKOD exo (−)<Detergent Free>(TOYOBO)を用い、PCR反応液として、界面活性剤の添加量が、0%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%となるように、Tween 20を添加し、特異性の確認を実施した。プライマーは、表1に示すHbg582を使用し、その他の条件は、実施例1、2と同様とした。テンプレートは、30ngのHuman genomic DNAを添加し、N=2で実施した。これらの結果を図3に示す。図3は、界面活性剤添加量と特異性との関係を調べた結果のである。その結果、界面活性剤を添加するほど、特異性が低下することが判明した。特に、界面活性剤の添加量を0.00001%(V/V)未満にすることで、高い特異性が得られることが示された。 本発明により、PCR反応液に界面活性剤を全く含まない、あるいは界面活性剤濃度を0.00001%(V/V)未満の低濃度にすることで、非特異増幅を低減することができる。そのため、試薬調製が容易であり、界面活性剤を含有しないポリメラーゼと界面活性剤を含まないPCRバッファーを使用するだけで、特異性が高いPCR反応液を調製することが可能である。 この特異性が高いPCR反応液を利用することで、研究分野のみならず、法医学分野や食品、環境中の微生物検査、診断用途等において、目的産物のみの増幅を容易に確認できるようになる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)における非特異増幅を低減する方法であって、界面活性剤を0%(v/v)以上0.00001%(v/v)未満の濃度で含むPCR反応液を用いることを特徴とする、非特異増幅を低減する方法。請求項1に記載の非特異増幅を低減する方法であって、界面活性剤を0%(v/v)以上0.000001%(v/v)未満の濃度で含むPCR反応液を用いることを特徴とする、非特異増幅を低減する方法。請求項2に記載の非特異増幅を低減する方法であって、界面活性剤を含まないPCR反応液を用いることを特徴とする、非特異増幅を低減する方法。非特異増幅がプライマーのミスマッチアニーリング、プライマーダイマー、もしくはプライマー自身の二次構造に由来するものである、請求項1−3のいずれかに記載の非特異増幅を低減する方法。 【課題】現在までに、プライマーダイマーを含む非特異増幅を低減する方法が開発されているが、試薬調製が容易であり、かつ非特異増幅を防ぐ効率的な方法は未だ見出されていない。そこで、本発明が解決しようとする課題は、PCRのための試薬調製が容易であり、かつ非特異増幅を防ぐ効率的な方法を提供することである。【解決手段】PCR反応液に界面活性剤を全く含まない、あるいは界面活性剤濃度を0.00001%(V/V)未満の低濃度にすることで、非特異増幅を低減することができる。そのため、試薬調製が容易であり、界面活性剤を含有しないポリメラーゼと界面活性剤を含まないPCRバッファーを使用するだけで、特異性が高いPCR反応液を調製することが可能となった。【選択図】なし配列表