生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_低級アルデヒド類吸着剤の再生法
出願番号:2013185000
年次:2015
IPC分類:B01J 20/34,B01J 20/22,A61L 9/16,A61L 9/01,C07C 59/265


特許情報キャッシュ

相部 紀夫 JP 2015051392 公開特許公報(A) 20150319 2013185000 20130906 低級アルデヒド類吸着剤の再生法 株式会社 永光 508197549 谷 良隆 100071973 相部 紀夫 B01J 20/34 20060101AFI20150220BHJP B01J 20/22 20060101ALI20150220BHJP A61L 9/16 20060101ALI20150220BHJP A61L 9/01 20060101ALI20150220BHJP C07C 59/265 20060101ALI20150220BHJP JPB01J20/34 GB01J20/22 AA61L9/16 DA61L9/01 KC07C59/265 4 OL 8 4C080 4G066 4H006 4C080AA05 4C080BB02 4C080CC02 4C080HH05 4C080HH09 4C080JJ04 4C080KK08 4C080LL10 4C080MM01 4C080MM14 4C080MM15 4C080MM18 4C080NN01 4C080NN03 4C080NN04 4C080NN05 4C080NN06 4C080QQ03 4G066AA05C 4G066AA47B 4G066AA47D 4G066AA50B 4G066AA50D 4G066AA56D 4G066AA61C 4G066AA64C 4G066AA66C 4G066AB05B 4G066AB06B 4G066AB06D 4G066AB07B 4G066AB07D 4G066AB10B 4G066AB13B 4G066BA20 4G066BA26 4G066BA36 4G066CA52 4G066DA02 4G066DA03 4G066GA11 4G066GA35 4H006AA03 4H006AB80 4H006BN10 4H006BS10 本発明は、低級アルデヒド類吸着剤の再生法に関する。 ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの低級アルデヒド類は、いずれも特異な刺激臭を発する有害なガスである。ホルムアルデヒドは、空気中の許容濃度が0.3ppmと低く、かつ発ガン性を有すると言われている。また、アセトアルデヒドをはじめとしてC1〜C4の脂肪族低級アルデヒド類は我が国では特定悪臭物質に指定され、いずれも嗅覚閾値が非常に低く悪臭公害を引き起こす物質である。 ホルムアルデヒドの発生源としては、たとえば、ホルムアルデヒドの製造工場および尿素、メラミン、フェノールなどを原料とした樹脂の製造工場のほか、これらの樹脂の加工工場、さらにこれらの樹脂を使用した建材、家具などの製造工場が挙げられる。また、消毒剤としてのホルムアルデヒドや石油類の不完全燃焼排ガス、たばこの副流煙にも含まれている。最近では、室内においても新建材や家具などから発生するホルムアルデヒドが問題になっている。 アセトアルデヒドの発生源としては、アセトアルデヒドおよびその誘導体の製造工場のほか、下水汚泥の加熱処理時にも発生し、またたばこの主流煙中にも含まれている。 近年、これら低級アルデヒド類に対して、作業環境の改善および生活環境の向上などの観点から、有害物質や臭気などが問題視され、この観点から気体、特に空気中の低級アルデヒド類を効率よく除去する吸着剤の開発が強く要望されている。 従来から低級アルデヒド類の吸着剤としては、活性炭、活性アルミナ、シリカゲルなどが用いられ、なかでも活性炭が広く使用されてきた。しかし、これらの吸着剤自体は、その特性上、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの低級アルデヒド類に対する吸着容量が小さく、吸着する期間が短いという欠点を有している。 この改善策として、前記の吸着剤などに低級アルデヒド類と反応する化合物、たとえば、尿素、脂肪族アミン類、芳香族アミン類などのアミン化合物を担持させたものなどが提案されている。 たとえば、尿素と炭酸ナトリウムを多孔性の無機焼結体に担持させた吸着剤(特許文献1)、尿素と硫酸アンモニウムや尿素と水酸化ナトリウムなどを活性炭に担持させた吸着剤(特許文献2)、尿素と塩化カルシウム、尿素と塩化マグネシウムを多孔性物質に担持させた吸着剤(特許文献3)などが考案されている。 しかしながら、これらの剤の吸着性能は低級アルデヒド類吸着性能が必ずしも吸着性能の点で満足できるものではなく、長期の使用はできなかった。 また、本発明者は、活性炭に尿素と酸性化合物とを添着させた低級アルデヒド類吸着剤を提案している(特許文献4及び5)が、低級アルデヒド類含有ガスを接触させることにより、当然ながら低級アルデヒド類吸着性能が低下してしまう。この性能が低下した薬品添着吸着剤を再生する方法として、これまで吸着剤を洗浄した後600〜950℃で高温処理し、同じ薬品を再添着する方法が行なわれているが、その再生操作が複雑で効率が悪く、時間がかかり、経済的でないなど多くの問題があった。特開昭62−286464号公報特開平9−313828号公報特開平11−285633号公報特許第4484232号公報特許第4452935号公報 本発明は、使用、保存などにより低級アルデヒド類の吸着性能が低下した吸着剤を簡単な操作で短時間に効率良く吸着能を再生させる方法を提供することを目的としている。 本発明者は、前記の点を鑑み鋭意研究して、尿素と酸性化合物とを多孔質担体に添着した低級アルデヒド類吸着剤に、低級アルデヒド類を吸着させ、その結果吸着性能が低下した吸着剤に、不揮発酸を新たに添着することにより簡単且つ短時間で低級アルデヒド類吸着剤を再生させる方法を見出し、本発明を完成した。即ち本発明は、(1)尿素と酸性化合物を多孔質担体に添着した低級アルデヒド類吸着剤において、低級アルデヒド類吸着性能が低下した吸着剤に不揮発酸を新たに添着することを特徴とする低級アルデヒド類吸着剤の再生法、(2)多孔質担体が活性炭である(1)に記載の低級アルデヒド類吸着剤の再生法、(3)不揮発酸が硫酸、リン酸、ホウ酸、又は1〜3塩基オキシ酸である(1)又は(2)記載の低級アルデヒド類吸着剤の再生法、および(4)不揮発酸の添着量が、低級アルデヒド類吸着剤1gに対して5〜1000mgである(1)〜(3)のいずれかに記載の低級アルデヒド類吸着剤の再生法、である。 本発明において、尿素の添着量は、多孔質担体1g当たり50〜1000mgである。 また、本発明における酸性化合物は、酸性を呈する化合物であればいかなるものでもよい。たとえば、硫酸、燐酸,ホウ酸などの無機酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などの1〜3塩基オキシ酸などが挙げられる。また、第一燐酸アンモニウム、酸性硫酸アンモニウムなどの酸性アンモニウム塩、酸性硫酸ナトリウム、酸性硫酸カリウムなどの酸性硫酸アルカリ金属塩、第一燐酸ナトリウム、第一燐酸カリウムなどの第一燐酸アルカリ金属塩、第一燐酸カルシウムなどの第一燐酸アルカリ土類金属塩などが挙げられる。これらの酸性化合物の添着量は、多孔体1g当たり5〜1000mgである。 これらの酸性化合物うち、酸性アンモニウム塩、酸性硫酸アルカリ金属塩、第一燐酸アルカリ金属、第一燐酸アルカリ土類金属塩などは、硫酸または燐酸とアンモニア水、アルカリ性のアルカリ金属化合物またはアルカリ性のアルカリ土類金属化合物のとの中和反応生成物を用いることができる。 本発明で使用される多孔質担体としては、活性炭、活性白土、シリカゲル、活性アルミナ、珪藻土、セピオライトなどの粘土鉱物などが挙げられ、一般に市販されているものが利用できる。これら多孔質担体の形状は、粉末状、破砕状、円柱状、マカロニ状、ハニカム状、繊維状などいかなるものでもよい。また、これら多孔質担体のBET比表面積は、50m2/g以上、好ましくは100〜2500m2/gのものである。これらの多孔質担体の中でも疎水性であり、大気中の水分の影響を受けにくい活性炭が特に好ましい。活性炭としては、木炭、コークス、石炭、ヤシ殻、樹脂などを原料として通常の方法で炭化・賦活されたものであればいかなるものでもよい。活性炭を予め酸化剤で酸化処理されたものを用いることで、本発明の再生処理効果が一層向上するのも本発明の大きな特徴の一つである。なお、大都市などの浄水場で行われているオゾン法高度浄水場で長年使用された活性炭は、液相において低濃度オゾンで長期間酸化され、その表面に酸素含有基が多量に生成されており、このような酸化処理された活性炭は、本発明に特に有効に利用できる。 本発明で使用される不揮発酸は、50℃、1気圧の下、その蒸気圧が10mmHg以下のものをいう。たとえば、硫酸、燐酸,ホウ酸などの無機酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などの1〜3塩基オキシ酸、フェノール、クレゾールなどのフェノール類などが挙げられる。 本発明では、低級アルデヒド類の吸着性能が低下した後、不揮発酸を新たに添着することで吸着剤を再生する。この再生操作における不揮発酸の新たな添着量は、低級アルデヒド類吸着剤1gに対して、5〜1000mg、好ましくは10〜500mg、より好ましくは20〜200mgである。この酸水溶液は、メチルアルコール、エチルアルコールなどの水に可溶な溶媒を含有してもよい。この酸水溶液の量は、低級アルデヒド類吸着剤1gに対して、10〜2000μLであり、酸水溶液の温度は、常温付近から95℃の範囲で行うことができる。通常、不揮発酸を添着する方法としては、酸水溶液を吸着剤に散布する方法、酸水溶液に吸着剤を浸漬する方法などで行われる。なお、これらの方法は、低級アルデヒド類吸着剤を吸着塔などに充填したままの状態で実施することもできる。この場合、大気中に酸水溶液を霧状に含ませて低級アルデヒド類吸着剤に接触させる方法などが採用される。また、特殊な再生法の例として活性炭担体の低級アルデヒド類吸着剤の場合、吸着剤に亜硫酸ガス、硫化水素などを接触される方法がある。尿素を含有する活性炭に亜硫酸ガス、硫化水素などを接触させると、活性炭表面上で硫酸が容易に生成されるからである。 なお、本発明においては、低級アルデヒド類吸着性能が低下した吸着剤としては、低級アルデヒド類含有ガスなどに接触させることによる吸着性能の低下したものが主な対象であるが、吸着剤を製造後、密閉状態で長期間保管することなどによる吸着性能の低下したものも対象として含まれる。 本発明における除去対象の低級アルデヒド類は、炭素数が6以下で沸点が100℃以下のアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アクロレイン、3−メチル−ブチルアルデヒドなどを指すが、代表的なものはホルムアルデヒドとアセトアルデヒドである。 本発明においては、上記のようにして得られた再生処理されたアルデヒド類吸着剤を空間内、装置内などに存在させて、再び、低級アルデヒド類を効率よく除去することができる。本再生吸着剤を空間内に存在させる場合には、たとえば、本再生吸着剤をシート状などにしたり、建材に含ませたり、通常よく行われる方法などが挙げられる。また、装置内などに存在させる場合は、塔、容器などに充填したりして、これらに低級アルデヒド類を含むガスを接触させる方法などが考えられる。 本発明は、使用、保存などにより低級アルデヒド類吸着性能が低下した吸着剤に不揮発酸を添着することで、簡単かつ短時間に効率良く再生することができる。 以下に実施例をあげて、本発明を具体的に説明する。 4〜6メッシュの瀝青炭系活性炭(BET比表面積950m2/g)100gに対して尿素25gと各種の酸性化合物5gを溶解した水溶液20mLを均一散布して、室内大気中で12時間放置して、アルデヒド吸着剤A、B、C、DおよびEを調製した。これらの吸着剤を50mmφのカラムに75mmの高さに充填してアセトアルデヒド50ppm含有の大気を25℃において線流速30cm/秒で150時間流通した。このようにして得られたアセトアルデヒド吸着試験後のアセトアルデヒド吸着性能を調べ、未使用の吸着剤と比べた。表1に示すように各吸着剤ともアセトアルデヒドガスの流通によってアセトアルデヒド吸着性能が大幅に低下したことがわかる。 次にこれらの吸着性能が低下した各試料10gに対して不揮発酸500mgを含む水溶液2000μLを噴霧機で均一に散布し、12時間、室内大気中(25℃)で放置した。 なお、アセトアルデヒド吸着性能の評価試験は、いずれも次のようにして行った。 各試料200mgを3Lのテトラバッグに量り込み、空気で満たした後、所定量のアセトアルデヒドを注入して、各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C0)を600ppmとし、24時間経過後の各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C)を測定した。アセトアルデヒド吸着性能を次式で求めた。アセトアルデヒド吸着性能=(1−C/C0)×100(%) これらのテスト結果をまとめて表1に示す。 表1から明らかなように、いずれの吸着剤ともアセトアルデヒド含有ガスに長時間接触することでアセトアルデヒド吸着性能は大きく低下するが、この吸着性能が低下した吸着剤に不揮発酸を新たに添着することで、吸着剤の吸着性能が未使用品並みに回復(再生)することが明らかである。 表2に示すように各種多孔質担体100gに対して、尿素30gおよび硫酸5g含む水溶液20mLを噴霧機で均一散布して、室内(25℃)大気中で12時間放置して、アルデヒド吸着剤F、G、H、IおよびJを調製した。これらの吸着剤に対して実施例1と同様の試験を実施し、その結果を表2にまとめて示した。註:多孔質担体に関しては、F:10〜24メッシュのヤシ殻系活性炭(BET比表面積930m2/g)、G:水澤化学工業株式会社製「エードプラス」、H:水澤化学工業株式会社製「ガレオナイト」、I:某浄水場で約2年間使用したもの、J:鹿沼興産製の市販品をそれぞれ使用した。 表2によると、異なる多孔質担体を用いた場合も、実施例1と同様にアルデヒドガスに接触して吸着性能が低下した各種吸着剤に不揮発酸を添着することでその性能が回復し、再生されることが認められた。 実施例1の吸着剤Cについて製造直後および密閉状態、数年間室温で保管した各試料について次の方法でアセトアルデヒドの吸着性能を評価した。 すなわち、各試料200mgを3Lのテトラバッグに量り込み、空気で満たした後、所定量のアセトアルデヒドを注入して、各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C0)を600ppmとし、3時間経過後の各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C)を測定した。アセトアルデヒド吸着性能を次式で求めた。アセトアルデヒド吸着性能=(1−C/C0)×100(%) これらのテスト結果をまとめて表3に示す。なお、吸着剤Cの製造直後の上記法によるアセトアルデヒド吸着性能は93%であった。 次にこれらの保管中に吸着性能が低下した各試料10gに対して硫酸350mgを含む水溶液1500μLを均一に散布して、12時間、室内大気中で放置した。この各再生品のアセトアルデヒドの吸着性能を評価も前記の方法で実施した。この結果も表3に示す。 上記表から明らかなように、本吸着剤は、長期保管することによってアセトアルデヒド吸着性能は徐々に低下するが、この吸着性能が低下した吸着剤に硫酸を新たに添着することで、吸着剤の吸着性能がほぼ未使用品並みに回復(再生)することが明らかになった。 本発明によって再生された低級アルデヒド吸着剤は、例えばホルムアルデヒドの製造工場、尿素、メラミン、フェノールなどを原料とした樹脂の製造工場、これらの樹脂の加工工場、さらにこれらの樹脂を使用した建材、家具などの製造工場で使用されるほか、アセトアルデヒドおよびその誘導体の製造工場、下水汚泥の加熱処理場でも使用される。尿素と酸性化合物を多孔質担体に添着した低級アルデヒド類吸着剤において、低級アルデヒド類吸着性能が低下した吸着剤に不揮発酸を新たに添着することを特徴とする低級アルデヒド類吸着剤の再生法。多孔質担体が活性炭である請求項1に記載の低級アルデヒド類吸着剤の再生法。不揮発酸が硫酸、リン酸、ホウ酸、又は1〜3塩基オキシ酸である請求項1又は2記載の低級アルデヒド類吸着剤の再生法。不揮発酸の添着量が、低級アルデヒド類吸着剤1gに対して5〜1000mgである請求項1〜3のいずれかに記載の低級アルデヒド類吸着剤の再生法。 【課題】低級アルデヒド類の吸着性能が低下した吸着剤を簡単な操作で短時間に効率良く吸着能を再生する方法を提供する。【解決手段】低級アルデヒド類の吸着性能が低下した、尿素と酸性化合物を活性炭等の多孔質担体に添着した吸着剤に、新たに硫酸、リン酸、ホウ酸、又は1〜3塩基オキシ酸である不揮発酸を低級アルデヒド類吸着剤1gに対して5〜1000mg添着することにより吸着能を効率的に再生する。【選択図】なし


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