生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_還元パウダー微粉末を含有する水素クリームの製造方法
出願番号:2013174301
年次:2015
IPC分類:A61K 8/19,A61K 8/27,A61K 8/24,A61Q 19/00


特許情報キャッシュ

小川 立比古 久保田 昌治 JP 2015042618 公開特許公報(A) 20150305 2013174301 20130826 還元パウダー微粉末を含有する水素クリームの製造方法 株式会社 ナチュラル 501208497 久保田 昌治 501072924 小川 立比古 595165678 後田 春紀 100068308 小川 立比古 久保田 昌治 A61K 8/19 20060101AFI20150206BHJP A61K 8/27 20060101ALI20150206BHJP A61K 8/24 20060101ALI20150206BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20150206BHJP JPA61K8/19A61K8/27A61K8/24A61Q19/00 1 OL 16 4C083 4C083AB211 4C083AB212 4C083AB231 4C083CC01 4C083CC02 4C083CC05 4C083EE12 4C083EE16 4C083FF01本発明は、従来一般に使用されている公知の材料を用いて製造された粘性を有するクリームをベースとし、該ベース中に還元作用を有する微粉末より成る還元パウダーを含有させることにより、該還元パウダー中の部分酸化したマグネシウム(部分酸化マグネシウム、Mg−MgO)と水分が接触して水素を発生させて、還元機能を持ったクリームにすることができる還元パウダー微粉末を含有する水素クリームの製造方法に関する。そして、本発明は、本発明者らの発明に係り、平成25年3月4日付けで特許出願(特願2013−41976)した「還元パウダー及びその製造方法」を用いて製造された「還元パウダー」を素材として使用するものである。一般的に、クリームに水素を含有することができれば、水素の還元作用とクリームの相乗効果により、皮膚に生成した活性酸素を分解し、シミやくすみ、しわなどの予防や低減、改善など皮膚の若返り・柔軟性および血行促進等による美容効果が期待できる。この場合に重要なことは、マグネシウムと水分との反応時間を長くすることであり、水素の発生をマイルドに、且つ長時間に亘って継続できるようにすることである。具体的には、マグネシウムの粉末粒径を大きくすれば、水分との接触時間を長時間に亘って維持でき、従って水素の発生も長時間維持することができることになる。しかしながら、マグネシウムの粉末粒径が大きいと、クリームとして肌に塗布したときにザラザラ感があって望ましくない。マグネシウムの粉末粒径を小さくしてザラザラ感をなくすると共に、水分との反応を長時間維持することが化粧品としては極めて大切なことである。前記のような還元パウダー微粉末を含有するクリームにつき、過去の特許文献を遡及検索しても、1件の先行特許文献も発見することができなかった。そして、単に下記の特許文献1に示すような、水素ガスを吹き込むことを特徴とする「クリームを製造する方法およびクリーム」の発明が開示されているに過ぎない。特開2007−308467号公報しかしながら、前記特許文献1記載の発明において、水素ガスを吹き込んで製造されたクリームは、該クリームの各素材中に水素の蒸散を阻止する素材が存在しないので、水素が容易に蒸散してしまうため、前記クリームをアルミ製袋等、高価な袋に封入することが必要であり、高価となるだけでなく、クリームの使用中にも容易に水素が飛散・揮散・蒸散してしまうという課題があった。本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、従来一般に使用されている公知の材料を用いて製造された粘性を有するクリーム、すなわち、クリームの基礎原材料であるワセリン、スクワラン等の油脂性素材に抗酸化剤、界面活性剤および香料等の添加物を添加混合して製造された粘性を有するクリームをベースとし、該ベース中に、還元作用に優れた微粉末状に製造された還元パウダー微粉末を混入撹拌分散し、直接外気に接触することのないよう、前記ベース中に密封状態で保持して水素クリームを製造し、使用者が該水素クリームを皮膚等の塗布面に薄く延ばしながら塗布するまでの間、前記還元パウダー微粉末は前記クリームベース中に分散被覆封入されて、外気に直接触れることがないので、水分との接触による水素の発生がないため水素の蒸散が阻止され、一旦前記水素クリームを顔面等に塗布して薄く延ばして行くと、該還元パウダー微粉末が露出して、該還元パウダー中の部分酸化したマグネシウムと、外気中の水蒸気や、塗布した皮膚面の皮膚呼吸によって出てくる汗等の水分とが反応して水素が発生し、前記発生した水素が皮膚中へ浸透して、紫外線その他の原因で皮膚に生成した活性酸素を消去し、皮膚を保護し、潤いを与え、シミやくすみおよびしわ等の予防やその低減および改善を図ることができる還元パウダー微粉末を含有する水素クリームの製造方法を提供しようとするものである。本発明は、鉄、亜鉛、マグネシウム、銅、カリウムの中から選択される1種ないし5種の金属を主材とすると共に、カルシウム、モリブデン、バナジウム、ニッケル、マンガン、セレニウム、ナトリウム、コバルト、リチウム、リン、クロムから成る金属を副材とし、且つ前記16種の金属を100メッシュ以下の微粉末にし、ORP1000mV(vs.Ag/AgCl)以上、pH2〜3の強電解酸化水に浸して、殺菌を兼ねて酸化させ、その後、水分を除去した後、それらの金属微粉末と塩およびキレート作用を有する有機物質を混合してイオン化混合物を作製し、該イオン化混合物を型枠に入れ、該イオン化混合物の表面に水を噴霧した後約24時間放置するか、または、該イオン化混合物を高湿度下で2〜3週間放置して型枠を外して、前記イオン化混合物の軟らかい固体を生成した後、前記固体を加熱して固形状のイオン化混合物を作製すると共に、該固形状のイオン化混合物を粉砕して異なる粒径の還元パウダー微粉末を製造し、且つ前記得られた還元パウダー微粉末5〜20重量%を、従来公知の基礎原材料と添加物を混合して製造された粘性を有するクリームをベースとして、該ベース80〜95重量%に混入撹拌分散させて、前記還元パウダー微粉末を前記ベース中に密封状態に保持して水素クリームを製造する一方、前記還元パウダー中の部分酸化したマグネシウムが、外気の水蒸気やクリーム塗布面の水分と接触したときに水素を発生させるという手段を採用することにより、上記課題を解決した。前記本発明製造方法によって製造された水素クリームは、従来一般に使用されている公知の材料を用いて製造された粘性を有するクリームをベースとし、該ベース中に還元パウダー微粉末を混入撹拌分散し、該還元パウダー微粉末を密封状態で該ベース中に保持して製造され、使用者が該水素クリームを皮膚等の塗布面に薄く延ばしながら塗布するまで、前記還元パウダー微粉末は前記ベース中に分散封入されて容器に入れられ、外気に直接触れることがないので水素の発生・蒸散が阻止され、一旦水素クリームを顔面等に塗布して薄く延ばすと、該還元パウダー微粉末が露出して、前記還元パウダー微粉末中の部分酸化したマグネシウムと、外気中の水蒸気や、前記塗布した皮膚面の皮膚呼吸によって出てくる汗等の水分とが反応して水素が発生し、紫外線や汚染大気その他の原因により皮膚に生成した活性酸素を消去し、シミやくすみおよびしわ等の予防やその低減および改善を図ることができるという優れた効果を奏することができる。本発明の還元パウダー微粉末を含有する水素クリームの製造方法における好ましい素材により製造されたクリームを、女性の顔面に塗布して使用前と使用後の肌の変化状況を示す写真である。従来、一般的に使用されているクリームは、皮膚を保護し、潤いを与える凝乳状の基礎化粧品のことで、ワセリン、スクワラン、ミネラルオイル(鉱物油)、オリーブ油等の油脂性成分に、抗酸化剤、界面活性剤および香料等の添加物を添加混合して製造されている。本発明は、前記従来一般に公知材料を用いて製造された粘性を有するクリームをベースとし、該ベース中に、還元パウダー微粉末を密封状態で封じ込めて外気に接蝕しないようにして水素クリームを製造し、該水素クリームの使用者が顔面等に塗布して広く薄く延ばして行くことにより、前記ベース中の還元パウダー微粉末が露出して、前記還元パウダー微粉末中の部分酸化したマグネシウムと、外気の水蒸気や、クリームを塗布した皮膚面の皮膚呼吸によって出てくる汗等の水分とが反応して水素が発生するようにした還元パウダー微粉末を含有する水素クリームの製造方法である。以下、本発明について更に詳細に説明する。先ず、本発明の製造方法は、水素発生源となる還元パウダー中の部分酸化したマグネシウムに水分が接触すると、下記の化学式(1)によって水素が発生するという化学的根拠に基づいている。そして、本発明は使用者がクリームを使用するときにのみ水素が発生し、それ以外のクリーム製造から市販されるに至るまでの間、および使用者がクリームを使用しないときは、クリームの容器中に保存されて外気に接触することなく、更に前記水素の発生源となる還元パウダー中の部分酸化したマグネシウムが、外気に触れることのないよう、油脂成分の素材中に密封した状態で保存されるようにしたことが大きな特徴である。一般的に、マグネシウムを微粉末化すると常温で水と容易に反応し水素発生が短時間で終わってしまうことが知られている。水素発生を長時間持続させるには、前記マグネシウムの粒径の大きさの異なるものを混合して使用することも一つの手段である。しかしながら、この場合でも水との反応をマイルドにするには、マグネシウムの部分酸化処理をすることが極めて重要な手段であると考える。ところで、化粧品としての水素クリームの場合は、マグネシウムの粒径が大きいとクリームが本来もつイメージであるすべすべ感が失われ、ざらざら感が出てきてしまうため微粉末化する必要がある。前記マグネシウムの粒径を微粉末化すればするほど、水との反応性が向上するのでマグネシウムの部分酸化が重要になってくる。通常マグネシウムは大気中では大気中の酸素と反応し、徐々に表面に酸化マグネシウムの被膜ができるが、この反応を速めるには強電解酸化水で処理するのが有効な方法である。しかし、マグネシウムの表面が完全に酸化マグネシウムで覆われてしまうと、水と接触しても水素が発生しなくなってしまうので、本発明においては、マグネシウムに部分酸化処理を施し、部分酸化したマグネシウム(部分酸化マグネシウム、Mg−MgO)を使用する。本発明製造方法における水素クリームの素材となる還元パウダー微粉末は、鉄、亜鉛、マグネシウム、銅、カリウムの中から選択される1種ないし5種の金属を主材とすると共に、カルシウム、モリブデン、バナジウム、ニッケル、マンガン、セレニウム、ナトリウム、コバルト、リチウム、リン、クロムから成る金属を副材として製造される。この場合、前記主材となる金属は、2種類の金属粉の組み合わせである、(1)鉄と亜鉛、(2)マグネシウムと亜鉛、(3)鉄とマグネシウム、のいずれかを少なくとも含むことが好ましく、特に、マグネシウムと亜鉛の金属を含むことが最も好ましい。前記16種の金属を100メッシュ以下の微粉末にし、ORP1000mV(vs.Ag/AgCl)以上、pH2〜3の強電解酸化水に浸して、殺菌を兼ねて酸化させる。その後、水分を除去した後、それらの金属微粉末と塩、およびアスコルビン酸やクエン酸などのキレート作用を有する有機物質を混合し、イオン化混合物を作製し、該イオン化混合物を型枠に入れ、該イオン化混合物の表面に水を噴霧した後、約24時間放置するか、または、該イオン化混合物を高湿度下で2〜3週間ほど放置すると、その内部では各金属微粉末の間で電子のやり取りが行われ、酸化還元反応が起る。金属微粉末単体では酸化促進が小さいため、前記イオン化混合物とすることにより、該イオン化混合物の表面では空気中の酸素で酸化が進む。前記いずれかの条件による放置後、型枠を外すと、前記イオン化混合物の比較的軟らかい固体が出来上がる。そして、前記イオン化混合物の比較的軟らかい固体を加熱して固形状のイオン化混合物を作製し、その表面を1mm程度に削ったり、粉砕したりして、粒径が100〜3000メッシュの混合微粉末にする。このとき、例えば、粒径が300メッシュ、900メッシュおよび1000〜3000メッシュと異なる粒径の微粉末の混合物となるよう、粉砕の程度を加減する。その後、前記混合微粉末を放置すると、更に酸化が進んで表面積が大きくなり、本発明水素クリームの素材となる還元パウダー微粉末が完成する。更に詳細には、本発明製造方法の素材となる還元パウダー微粉末は、a)100メッシュ程度の微粉末に粉砕した主材の銅とカリウム微粉末、および副材のカルシウム、モリブデン、バナジウム、ニッケル、マンガン、セレニウム、ナトリウム、コバルト、リチウム、リン、クロム微粉末を混合した後、これらを1000〜3000メッシュ程度の微粉末にし、b)前記微粉末と、100メッシュ程度の微粉末に粉砕した主材の鉄、亜鉛、マグネシウム微粉末を混合して混合微粉末とし、c)前記混合微粉末を、pHが2〜3、酸化還元電位が1000mV以上の強電解酸化水で酸化した後、水分を除去して酸化混合微粉末とし、d)キレート作用を有する有機物質と塩を混合し、これらに、前記部分酸化混合微粉末を混合してイオン化混合物を作製し、e)前記イオン化混合物をステンレス製の型枠に入れ、該イオン化混合物の表面に水を噴霧した後、24時間放置し、f)放置後の前記イオン化混合物に100〜200℃の熱を加えながら該イオン化混合物を1〜2時間プレスし、その後、加熱を停止し、且つ前記プレスした状態で放置して固形状のイオン化混合物を作製し、g)前記固形状のイオン化混合物を粉砕して、例えば、粒径が300メッシュ、900メッシュおよび1000〜3000メッシュ程度と異なる粒径の微粉末の混合物として、本発明製造方法の素材となる還元パウダーを製造する。また更に、本発明製造方法の素材となる還元パウダー微粉末は、a)100メッシュ程度の微粉末に粉砕した主材の銅、カリウム微粉末、および副材のカルシウム、モリブデン、バナジウム、ニッケル、マンガン、セレニウム、ナトリウム、コバルト、リチウム、リン、クロム微粉末を混合した後、これらを1000〜3000メッシュ程度の微粉末にし、b)前記微粉末と、100メッシュ程度の微粉末に粉砕した主材の鉄、亜鉛、マグネシウム微粉末を混合して混合微粉末とし、c)前記混合微粉末を、pHが2〜3、酸化還元電位が1000mV以上の強電解酸化水で酸化した後、水分を除去して部分酸化混合微粉末とし、d)キレート作用を有する有機物質と塩を混合し、これらに、前記部分酸化混合微粉末を混入してイオン化混合物を作製し、e)前記イオン化混合物をステンレス製の型枠に入れて2〜3週間加湿し、f)加湿後の前記イオン化混合物に100〜200℃の熱を加えながら該イオン化混合物を1〜2時間プレスし、その後、加熱を停止し、且つ前記プレスした状態で放置して固形状のイオン化混合物を作製し、g)前記固形状のイオン化混合物を粉砕して、例えば、粒径が300メッシュ、900メッシュおよび1000〜3000メッシュ程度と異なる粒径の微粉末の混合物として、本発明製造方法の素材となる還元パウダーを製造することもできる。なお、pHが2〜3、酸化還元電位が1000mV以上の強電解酸化水は、「強酸性水」とか「強酸化水」、「超酸化水」とも呼ばれたりもしている。従って本明細書ではこれらはいずれも、「pHが2〜3、酸化還元電位が1000mV以上の強電解酸化水」と同義である。本発明者は、前記本発明製造方法の素材となる還元パウダー微粉末を用いれば、短時間で酸化物質を還元物質に変化させることができると判断し、下記のテストを行った。すなわち、1gの還元パウダー微粉末を、ORPが+500mV(vs.Ag/AgCl)のコップ一杯の水道水(250cc)に溶かしたところ、10〜20秒後にORPが−500〜−550mV(vs.Ag/AgCl)の水素還元水ができた。また、2Lの水道水を水素還元水にする場合は、加える還元パウダー微粉末の量を多くすれば、20〜30秒で水素還元水が得られることも判った。従来の方法では、コップ一杯の水素還元水を得るために20〜30分かかり、2Lの水素還元水を得るためには2〜3時間かかる。このことから、前記還元パウダー微粉末を用いれば、短時間で酸化物質を還元物質に変化させることができることを確認した。また、本発明者は、前記還元パウダー微粉末を用いて水素還元水を生成すれば、その水素還元水は長時間、マイナス電位を保持すると考え、テストを行った。例えば、ORPが−500〜−550mV(vs.Ag/AgCl)のコップ一杯(250mL)の水の場合、2時間経過後でもORPは−500〜−550mVを維持することを確認した。また、1Lの水素還元水の場合、3時間経過後でもORP−500〜―550mVを維持し、15〜16時間経過後のORPは−260〜−270mV(vs.Ag/AgCl)程度、24時間後のORPは−150mV(vs.Ag/AgCl)程度であり、還元状態を示した。また、ORPが−500mV(vs.Ag/AgCl)の10Lの水素還元水の場合、24時間後では−250mV(vs.Ag/AgCl)程度であることを確認した。前記テストの結果、量の多い水素還元水の方が酸化しにくいことが確認できた。また、本発明製造方法の素材である還元パウダー微粉末は、含有する金属微粉末の粒径が、異なる粒径の金属微粉末から構成されているため、水分と接触したときに粒径の小さい金属微粉末の方が、大きい粒径のものに比べ単位重量当たりの反応速度が大きく、より多くの水素を発生し消耗していく。粒径の小さいものが消耗・消失しても、より大きい粒径の金属微粉末が残存するので水素は発生し続け還元状態を持続できる。例えば、ORPが−500mVの水素還元水は、24時間経過しても−300mVであり、還元状態を保持できる。本発明水素クリームの製造方法は、前記のような作用を有する還元パウダー微粉末を用いて製造される。実際に製造した水素クリームを水と接触させると水素の小さい気泡が長時間にわたり発生し続ける。以下その製造方法についてさらに詳細に説明する。人間の肌は還元状態に近い状態に保たれている。人間の肌は果物の表皮部分と同様に、外気(酸素)に直接に触れる部分であり、酸素による酸化を防ぐために、常に還元状態を保つようになっている。なお、本発明者らは、前記のように製造され、本発明水素クリームに使用する還元パウダーとして、前記特に好ましい金属であるマグネシウムと亜鉛を主体で製造した還元パウダーの蛍光X線分析による検出元素とその半定量値結果を表1に示す。また、表2にその還元パウダーのX線回折結果を示した。表1において検出元素は多い順から次のようになっている。O> Na> C> Mg> Zn> Si一方、表2において同定された化学種は、マグネシウム(Mg)と重曹(NaHCO3)である。化学種として、マグネシウムは検出されているが、酸化マグネシウムは検出されていない。これは酸化マグネシウムの生成量が少ないか、あるいはアモルファス状態になっているためではないかと思われる。X線回折では、原理的に、仮に生成量が多くても、アモルファス状態では検出され難い乃至されない。また、結晶状態でも結晶が小さすぎるとか、含有量が少ないと検出され難い。このようなことは化学工業で多用されている触媒、特に担体に触媒成分を担持した担持触媒のX線回折で良く見られる現象である。なお、還元パウダーの製造でZnを添加しているのは、MgとZnではMgの方がZnに比べイオン化傾向が大きく、Mgが水と反応して水素を出易くするためである。更に、本発明者らは、前記還元パウダーのマグネシウムが水分と接触することにより、前記(1)式の化学式記載のように水素を生成することを確認した。また、前記還元パウダーのマグネシウムは、部分酸化したマグネシウムであると推測した。また更に、他の生成物質である炭酸水素ナトリウムは、水素の発生には寄与せず、血行の促進などに寄与するものであると予測した。本発明は、従来一般に使用されている公知の材料を用いて製造された粘性を有するクリームを、ベースとしてそのまま利用した発明である。すなわち、前記ベース中に前記還元パウダー微粉末を混入撹拌して分散密封状態に保持し、該還元パウダー微粉末が外気に接触しないようにして、前記還元パウダー微粉末の前記部分酸化したマグネシウムと水分が接触することにより発生する水素の蒸散を阻止して水素クリームを製造するのである。前記水素発生源である還元パウダーとベースの混合比率は、好ましくは水素発生源である還元パウダー5〜20重量%、ベース80〜95重量%とすることが推奨され、特に好ましくは還元パウダー8〜17重量%、ベース83〜92重量%とすることが推奨され、前記配合比率により、前記ベース中に前記還元パウダー微粉末が混入撹拌分散されると、該ベースが還元パウダー微粉末の各粒子の外周面を完全に被覆して、該還元パウダー微粉末が外気に接触しないよう封入された状態として水素クリームを製造する。前記本発明方法により製造された水素クリームの使用者が顔面等に塗布して、該クリームを広く薄く延ばして行くことにより、前記ベース中の還元パウダー微粉末が露出して、該還元パウダー中の部分酸化したマグネシウムと、外気中の水蒸気や、塗布した皮膚面の皮膚呼吸によって出てくる汗等の水分とが反応して水素が発生し、前記発生した水素が皮膚の中へ透過して、紫外線や汚染外気その他の原因で皮膚に生成した活性酸素を消去し、皮膚を保護し、潤いを与え、シミやくすみおよびしわ等の予防やその低減および改善を図ることができるのである。以下、本発明の還元パウダー微粉末を含有する水素クリームの製造方法の具体的な実施例について説明する。<製造方法>1.100メッシュ程度に粉砕して微粉末としたマグネシウム70g、亜鉛12g、鉄2gを準備する。2.100メッシュ程度に粉砕して微粉末としたカリウム、銅、カルシウムをそれぞれ2gずつ、100メッシュ程度に粉砕して微粉末としたモリブデン、バナジウム、ニッケル、マンガン、セレニウム、ナトリウム、コバルト、リチウム、リン、クロムをそれぞれ1gずつ準備し、これら計13種類の微粉末をボウルロール粉砕機にかけ、更に1000〜3000メッシュ程度に粉砕する。3.上記「1」の3種の金属と、「2」の13種の金属粉をブレンダ―で混合した後、強電解酸化水で殺菌を兼ねて酸化し、その後、水分を除去する。なお、本実施例で用いた強電解酸化水は、pH2.8、ORPが1000mV(vs.Ag/AgCl)以上であり、株式会社工進製の強電解酸化水生成器(製品名:サントロン)を用いて生成した。4.クエン酸85gと天然塩15gをブレンダ―で混合し、そこに、前記「3」で殺菌・酸化した金属粉を加え、更にブレンダ―で混合してイオン化混合物とする。なお、ここでは有機物質としてクエン酸を用いたが、クエン酸以外の有機物質を用いてもよい。ただし、クエン酸はキレート作用を有し、その塩(えん)はカルシウムをキレート結合することが知られている。従って、イオン化混合物の形成に適している。また、クエン酸は食品添加物や各種のサプリメントに多用されている点でも還元パウダーの製造に用いる有機物質として好ましい。5.以下のサイズ(縦×横×高さ)のステンレス製の型枠A、型枠B型枠A:100mm×400mm×7mm型枠B:110mm×420mm×5mmと、以下のサイズ(幅×長さ×厚み)のステンレス板C・Dを2枚準備する。ステンレス板C・D:130mm×440mm×1〜3mm6.次に、前記ステンレス板Cの表面に霧吹き等で水を散布し、その上に前記型枠Aを載置する。その状態で、イオン化混合物を前記型枠Aに入れ、該イオン化混合物の表面に霧吹き等で水を散布し、そのまま24時間放置する。これにより、イオン化混合物に含まれるクエン酸と塩が水分を吸収することでマグネシウム粉が反応し、該マグネシウム粉が溶解する。このとき、熱と水素ガスを発しながら溶解マグネシウムは他の15種類の金属粉を包み込むように接合し、合金板となる。なお、熱と水素ガスの発生により合金板の内部には気泡が生じ、膨張するため、前記型枠Aよりも大きいサイズの型枠Bに差し替える。7.続いて、合金板の上にもう1枚のステンレス板Dを載置し、100℃〜200℃程度の熱を前記合金板およびステンレス板Dの上下から加えながら約1時間程度プレスする。これにより、前記合金板内の気泡がほとんどなくなった状態となる。この後、前記加熱を停止し、プレスしたまま24時間ほど放置すると、水素ガスの発生と共に合金板内の各金属微粉末の間で電子のやり取り、すなわち酸化還元反応が起こる。8.水素ガスの発生が終わる頃には水分もほとんどなくなった状態となり、比較的軟らかい合金板が得られる。これを乾燥室に入れて3〜4時間程度乾燥させて固形化する。9.乾燥室から取り出した固形化した合金板を10mm角程度にカットし、更に3日間ほど放置して酸化反応を進める。10.3日間程放置した10mm角の合金板を粉砕機で細かく粉砕し、100メッシュ程度の微粉末にする。これを篩にかけて、全体の10%の100メッシュ程度の微粉末を取り出し、残りの微粉末を更に粉砕し、300メッシュ程度の微粉末にする。これを篩にかけて全体の30%の300メッシュ程度の微粉末を取り出し、残りの微粉末を更に粉砕し、900メッシュ程度の微粉末にする。これを篩に掛けて全体の30%の900メッシュ程度の微粉末を取り出し、残りの微粉末をボウルロール粉砕機で1000〜3000メッシュ程度の粒径とする。その後、前記粒径の異なる微粉末をブレンダ―で混ぜ合わせ、混合微粉末を得る。11.得られた混合微粉末を引き続き放置して酸化を進め、本発明水素クリームの素材となる還元パウダー微粉末が製造される。12.然る後、前記得られた還元パウダー微粉末5〜15重量%をベース85〜95重量%に混入撹拌分散させて、前記還元パウダー微粉末を前記ベース中に密封状態に保持して水素クリームを製造した。このようにして得られた還元パウダー微粉末は、部分酸化したマグネシウムを主体とする16種類の金属微粉末と酸と塩とで構成されている。これを水に加えると、16種の金属微粉末は酸と塩によって水に溶け込み易い。このため、一般的な還元水よりも更に還元作用の優れた「超還元水」を得ることができる。また、本実施例の還元パウダー微粉末には種々の大きさの粒子が含まれており、これら大きさの異なる粒子によって順次水素が発生するため、長時間、還元状態を維持することができる。本発明は、水素の発生源である還元パウダーの粒径を、種々の大きさの粒子としたもの、例えば、その粒径を大・中・小の3群に分けて混合したものを使用する。前記粒径の異なる還元パウダーを、ベース中に外気に触れることがないよう、混入撹拌分散させて密封状態とするようにして製造される。マグネシウムと水が接触すると、水素を発生することは公知である。ただしこの場合常温では微粉末であることが不可欠な条件である。本発明は、前記還元パウダーを、外気に接触することなく密封状態で保持する素材として、従来一般に使用されている公知の材料を用いて製造された粘性を有するクリームをベースとしてそのまま利用した発明で、前記還元パウダーをベース中に混入撹拌分散して密封状態に保持するようにした。前記還元パウダーを、外気に接触することがないように混入撹拌分散させる油脂性素材は、クリームの油脂性素材として一般的に広く知られている、例えば、ワセリン、スクワラン、シア油、ホホバ種子油、ミツロウ等の油脂性素材はいずれも使用することができる。そして、本発明者らは、特に限定する必要はないが、好ましい油脂性素材として、スクワラン、シア油、ホホバ種子油およびミツロウを採用した。更に、前記油脂性素材に添加混合する添加物としては、抗酸化剤、界面活性剤、香料等、普通一般的に使用されている種々のものを適宜使用することができる。本発明者らは、特に限定する必要はないが、好ましい添加物として、抗酸化剤としてのテトラへキシルデカン酸アスコルビル、アンチエイジング剤としてのプラセンタエキス、界面活性剤の親油性界面活性剤としてのオレイン酸ソルビタン、界面活性剤の親水性界面活性剤としてのPEG20−ソルビタンココエ−トおよび香料としてのノバラ油を採用した。なお、本発明製造方法により製造された水素クリームを顔面等に塗布して使用する場合、外気中の水蒸気や体表面からの汗等による水分と、前記還元パウダー中の部分酸化したマグネシウムの反応により発生した水素で、紫外線や汚染外気その他で生成し、シミやくすみおよびしわなどの原因になる生体内で最も強力な活性酸素のヒドロキシルラジカル(・H)を下記の化学式(2)の反応により、安定な水に分解することによりこれらの生成を予防する。また、水素の還元力により前記紫外線や汚染外気その他で生成したシミやくすみが「うすくなる」、あるいは「消える」などの改善が期待できる。そして、本発明者らは、前記好ましい素材として記載した各素材を使用して本発明水素クリームを製造した。すなわち、スクワラン37重量%、シア油重量19%、ホホバ種子油18重量%、ミツロウ10重量%および抗酸化剤としてのテトラへキシルデカン酸アスコルビル、アンチエイジング剤としてのプラセンタエキス、界面活性剤の親油性界面活性剤としてのオレイン酸ソルビタン、界面活性剤の親水性界面活性剤としてのPEG20−ソルビタンココエ−トおよび香料としてのノバラ油の各添加物を微量、総計1重量%を混合して得られた粘性を有するクリームをベースとし、且つ水素発生源としての還元パウダーの粒径を、それぞれ異なった粒径とした還元パウダー15重量%を前記ベースに混入撹拌分散して、該還元パウダーを密封状態で前記クリームベース中に保持して、本発明水素クリームを製造した。本発明者らは、前記本発明製造方法において、特に好ましい混合比率により製造されたクリームを30才代の女性1名と、40才代の女性2名に使用してもらい、その使用前と使用後の肌の変化状況を示す写真を図1として提出した。図1の上段の40才代の女性は、頬に赤いしみがあったものが、約1ヶ月間就寝前に洗顔後本発明クリームを塗布し、化粧水でケアした結果、そのしみがなくなった状態が示されている。また、図1の中段の40才代の女性は、目じりにくすみがあったものが、約1.5ヶ月間就寝前に洗顔後本発明クリームを塗布し、化粧水でケアした結果、そのくすみがなくなった状態が示されている。更に、図1の下段の30才代の女性は、赤ら顔だったものが、約1ヶ月間就寝前に洗顔後本発明クリームを塗布し、化粧水でケアした結果、その赤ら顔がなくなった状態が示されている。前記図1に示す結果から判断して、本発明製造方法によって製造された水素クリームを顔面に塗布することにより、前記油脂性素材中の還元パウダー微粉末が露出して、該還元パウダー中の部分酸化したマグネシウムが、前記クリームを塗布した皮膚面の皮膚呼吸によって出てくる汗等の水分と反応して水素が発生し、該水素が皮膚の中へ浸透して、紫外線その他の原因で生成した活性酸素を消去し、皮膚を保護し、潤いを与え、シミやくすみの発生の予防、さらに水素の還元作用によりシミやくすみの低減,消滅などの改善を図ることができる。鉄、亜鉛、マグネシウム、銅、カリウムの中から選択される1種ないし5種の金属を主材とすると共に、カルシウム、モリブデン、バナジウム、ニッケル、マンガン、セレニウム、ナトリウム、コバルト、リチウム、リン、クロムから成る金属を副材とし、且つ前記16種の金属を100メッシュ以下の微粉末にし、ORP1000mV(vs.Ag/AgCl)以上、pH2〜3の強電解酸化水に浸して、殺菌を兼ねて酸化させ、その後、水分を除去した後、それらの金属微粉末と塩およびキレート作用を有する有機物質を混合してイオン化混合物を作製し、該イオン化混合物を型枠に入れ、該イオン化混合物の表面に水を噴霧した後約24時間放置するか、または、該イオン化混合物を高湿度下で2〜3週間放置して型枠を外して、前記イオン化混合物の軟らかい固体を生成した後、前記固体を加熱して固形状のイオン化混合物を作製すると共に、該固形状のイオン化混合物を粉砕して異なる粒径の還元パウダー微粉末を製造し、且つ前記得られた還元パウダー微粉末5〜20重量%を、従来公知の基礎原材料と添加物を混合して製造された粘性を有するクリームをベースとして、該ベース80〜95重量%に混入撹拌分散させて、前記還元パウダー微粉末を前記ベース中に密封状態に保持して水素クリームを製造する一方、前記還元パウダー中の部分酸化したマグネシウムが、外気の水蒸気やクリーム塗布面の水分と接触したときに水素を発生させるようにしたことを特徴とする還元パウダー微粉末を含有する水素クリームの製造方法。 【課題】還元パウダー微粉末をクリームに含有させることにより、水素を発生させてクリームを還元状態にする。【解決手段】還元作用を有する微粉末状に製造された還元パウダー微粉末を、従来公知の基礎原材料と添加物を混合して製造された粘性を有するクリームをベースとして、該ベース中に混入撹拌分散し、該還元パウダー微粉末を外気に接触することのないよう、前記ベース中に密封状態で保持して水素クリームを製造し、該水素クリームを皮膚等の塗布面に薄く延ばしながら塗布するまでの間、前記還元パウダー微粉末は前記ベース中に分散封入されて、外気に直接触れることがない。【選択図】なし20130826A16331図13


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