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タイトル:公開特許公報(A)_4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−フェニルブタンアミドの製造方法
出願番号:2013169953
年次:2015
IPC分類:C07D 233/61,A61P 43/00,A61P 1/14,A61P 13/06,A61P 13/02,A61P 11/08,A61K 31/4174


特許情報キャッシュ

嶋村 浩 JP 2015038053 公開特許公報(A) 20150226 2013169953 20130819 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−フェニルブタンアミドの製造方法 大原薬品工業株式会社 593030071 嶋村 浩 C07D 233/61 20060101AFI20150130BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150130BHJP A61P 1/14 20060101ALI20150130BHJP A61P 13/06 20060101ALI20150130BHJP A61P 13/02 20060101ALI20150130BHJP A61P 11/08 20060101ALI20150130BHJP A61K 31/4174 20060101ALN20150130BHJP JPC07D233/61 103C07D233/61A61P43/00 111A61P1/14A61P13/06A61P13/02A61P11/08A61K31/4174 6 OL 15 4C086 4C086AA02 4C086AA03 4C086AA04 4C086BC38 4C086GA14 4C086ZA61 4C086ZA66 4C086ZA72 4C086ZA73 4C086ZA81 4C086ZC42 本発明は選択的なムスカリン受容体拮抗作用薬として知られている4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−フェニルブタンアミド(イミダフェナシンと略す)の製造中間体及びその中間体を用いた高純度のイミダフェナシンの製造方法に関するものである。 イミダフェナシン[式(I)]は選択的で強力なムスカリン受容体拮抗作用を有し、過敏性腸症候群、憩室疾患、機能性下痢、食道無弛緩症、噴門痙攣等の消化管自動運動性障害治療、胆道、尿道の痙攣、尿失禁等の治療、慢性気道閉塞性疾患の治療等の医薬用途に有用であるイミダゾール誘導体であることが知られている(特許文献1、非特許文献1〜4)。 一方、イミダフェナシンの製造方法についても具体的に開示されている(特許文献2〜5、非特許文献4)。これらに開示された方法では、4−(2−メチル-1-イミダゾリル)-2,2-ジフェニルブチロニトリルの加水分解が高濃度酸溶液(例えば70%硫酸溶液)中、加熱下で行われている(特許文献2、非特許文献4)。また、イミダフェナシンの精製の際にHP−20等の合成吸着剤が用いられている(特許文献3〜4)。また、イミダフェナシンの塩酸塩もしくはリン酸塩等の酸性塩又はそれらの塩の水和物を調製し、精製した後、中和晶析する操作方法を用い、得られたイミダフェナシン粗生成物を再結晶することでイミダフェナシン原薬を得ている。一方、製造中間体として4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩またはその塩の水和物を一旦単離し、単離精製した後、加水分解してイミダフェナシンを得る製造方法も開示されている(特許文献5)。WO95/15951号パンフレット特開平7−215943号公報特開2003−201281号公報特開2010−13485号公報WO2006/064945号パンフレットバイオオーガニック アンド メディシナル ケミストリー レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters)8(1998)1807−1812バイオオーガニック アンド メディシナル ケミストリー レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters)8(1998)2163−2168バイオオーガニック アンド メディシナル ケミストリー レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters)8(1998)2163−2168バイオオーガニック アンド メディシナル ケミストリー(Bioorganic & Medicinal Chemistry)7(1999)1151−1161 これらに開示された方法では、精製の際にHP−20等の合成吸着剤を用いなければならず、原薬へ合成吸着剤が混入する可能性が考えられる。また、イミダフェナシンの塩酸塩もしくはリン酸塩等の酸性塩の調製、ならびにそれらの精製及びアルカリ中和晶析方法では、酸・アルカリ分解等による品質低下が考えられる。さらに、4−(2−メチル-1-イミダゾリル)-2,2-ジフェニルブチロニトリルの加水分解が高濃度酸溶液(例えば70%硫酸溶液)中、加熱下で行われており、低収率であり、また品質低下も考えられる。したがって、医薬品として高品質のイミダフェナシンを工業的に製造していくためには、その簡便な操作性、精製効率、単離収率等についてはまだ問題があり、実生産に適合する製造法を見出すべく更なる改善工夫を行う必要がある。 本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、製造中間体として4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩を一旦単離して精製した後、中和することなくアルカリ金属水酸化物存在下、低級アルコール中、加水分解してイミダフェナシンを製造する簡便な方法を見出し、さらに検討を加え、本発明を完成することができた。 以下にその製造スキームを示す。 すなわち、本発明は以下の工程を含む、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法であって、i)トルエン中、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルと2−メチルイミダゾールを反応させることにより、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを得る工程、及びii) 工程i)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを含むケトン系溶媒又はトルエン、あるいはケトン系溶媒と低級アルコール系溶媒との混液又はトルエンと低級アルコール系溶媒との混液の溶液にメタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸を作用させることにより4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩を得る工程、及びiii)工程ii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩をケトン系溶媒と低級アルコール系溶媒との混液又はトルエンと低級アルコール系溶媒との混液からの再結晶による精製工程、及びiv) 工程iii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩を低級アルコール系溶媒中、アルカリ金属水酸化物の存在下加水分解した後、精製する工程、を含むことを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法を提供することができる。 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造において、中間体として4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩として単離し、精製した後、アルカリ金属水酸化物で加水分解すると、高収率で反応が進行し、また不純物の生成を低減できることが明らかとなった。また、粗生成物の合成吸着剤による精製工程、あるいは粗生成物の酸性塩の単離精製工程を経由することなく再結晶だけで高品質な4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドを収率良く提供できることが明らかとなった。 本発明によれば、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの簡便な操作で収率良く、かつ工業的に有利な製造方法が確立され、高純度、高品質の医薬製剤用原薬として提供することが可能である。 本発明の4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩は容易に得られる。 すなわち、i)4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリル1gに対し2〜10mL、好ましくは2〜3.5mLのトルエン中、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルと、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルに対し4〜10モル当量、好ましくは6モル当量の2−メチルイミダゾールとを反応させることにより、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを得る工程、及びii) 工程i)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを含むケトン系溶媒(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトンなど)好ましくはアセトン又はトルエン、あるいはケトン系溶媒(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトンなど)、好ましくはアセトンと低級アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノールなど)、好ましくは2−プロパノールとの混液又はトルエンと低級アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノールなど)との混液の溶液にメタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸を作用させることにより4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩を得る工程、及びiii)工程ii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩をケトン系溶媒(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトンなど)、好ましくはアセトンと低級アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノールなど)、好ましくは2−プロパノールとの混液又はトルエンと低級アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノールなど)との混液からの再結晶による精製工程、を含むことを特徴とする製造方法により、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩は容易に得られる。 次いで、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドは、上記iii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩から容易に得られる。すなわち、iv) 工程iii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩を低級アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノールなど)、好ましくは4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩1gに対し5mLの2−プロパノール中、又は4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのp−トルエンスルホン酸塩1gに対し4〜5mLの2−プロパノール中、アルカリ金属水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、好ましくは、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩に対して6モル当量の水酸化カリウムの存在下加水分解した後、精製する工程、を含むことを特徴とする製造方法により、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドは容易に得ることができる。 以下に、本発明の実施例、比較例、試験例を挙げて、さらに具体的に本発明を説明するが、これらの例によって本発明が限定されるものではない。 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・メタンスルホン酸塩 4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリル(95%)126.4g(0.4モル)、2−メチルイミダゾール(99%)199g(2.4モル)及びトルエン360mLの混合物を12時間加熱攪拌下に還流した。約40℃まで冷却後、水400mLを加えて、約40℃で0.5時間攪拌した。分層し、有機層を分離した後、水層をトルエン100mLで抽出した。分層し、有機層を分離し、有機層を合わせて、2%炭酸水素ナトリウム水溶液350mLで抽出洗浄し、次いで、2%塩化ナトリウム水溶液350mLで5回抽出洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、トルエンで洗浄した。溶媒を減圧留去後、残留物(132g)をアセトン600mLに溶解し、約45℃で攪拌下にメタンスルホン酸38.5g(0.4モル)を滴下し、上記の粗結晶を析出させた。室温で一夜、更に5〜10℃で1時間攪拌し、ろ取し、アセトン洗浄後、乾燥して4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・メタンスルホン酸塩の粗結晶120.1gを得た。HPLC純度:99.3%得られた粗結晶を2−プロパノール310mLに加熱溶解した後、2−ブタノン120mLを加えて加熱還流後、熱時ろ過し、2−ブタノン190mLで洗浄した。全ろ液を約70℃まで加熱した後、室温で一夜攪拌し、晶析させた。更に5〜10℃で約1時間攪拌し、ろ取し、アセトン洗浄後、乾燥して4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・メタンスルホン酸塩111.3g(通算収率70.0%)を得た。HPLC純度:99.8%融点: 166-168℃(未補正)1H−NMR[400MHz、CDCl3(TMS)] δ:2.55(3H、s、CH3S03H)、2.79(3H、s、CH3)、2.96−3.00(2H、m、CH2)、4.13−4.17(2H、m、CH2)、7.19(1H、d、J=2Hz、imidazole−H)、7.22(1H、d、J=2Hz、imidazole−H)、7.33−7.45(10H、m、phenyl−H) 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミド 実施例1で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・メタンスルホン酸塩109.31g(0.275モル)、2−プロパノール547mL及び水酸化カリウム(85%顆粒)108.92g(1.65モル)の混合物を還流下7.5時間攪拌した。約40℃まで冷却後、反応液を水1460mL中へ注加した。次いで、46〜35℃で1時間攪拌して晶析させた後、室温で一夜放置した。析出結晶をろ取し、約50℃の温水で洗浄し、次いで水洗した後、乾燥することにより上記の粗結晶85.0gを得た。HPLC純度:99.1% 得られた粗結晶を2−プロパノール840mLに加熱溶解し、活性炭1.7gを加えて加熱攪拌した。次いで、ろ過、2−プロパノール10mLで洗浄した後、全ろ液を再加熱溶解し、室温で一夜攪拌して、晶析させた。析出結晶をろ取し、2−プロパノール洗浄後、乾燥して4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミド79g(通算収率89.9%)を得た。HPLC純度:99.9%mp 195〜195.5℃(未補正)1H−NMR[400MHz、CDCl3(TMS)]:2.21(3H、s、CH3),2.68−2.73(2H、m、CH2)、3.75−3.80(2H、m、CH2)、5.40 and 6.03(2H、each br s、NH2)、6.71(1H,d,J=1.2Hz、imidazole−H)、6.83(1H、d、J=1.2Hz、imidazole−H)、7.30−7.42(10H、m、phenyl−H) 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・メタンスルホン酸塩 4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリル(97%)247.6g(0.8モル)、2−メチルイミダゾール(98%) 402.2g(4.8モル)及びトルエン740mLの混合物を12時間加熱攪拌下に還流した。室温で一夜放置後、約40℃で水800mLを加えて、約40℃で0.5時間攪拌した。分層し、有機層を分離した後、水層をトルエン200mLで抽出した。分層し、有機層を分離し、有機層を合わせて、2%炭酸水素ナトリウム水溶液で抽出洗浄し、次いで、2%塩化ナトリウム水溶液で5回抽出洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、トルエンで洗浄した。溶媒を減圧留去後、残留物(258g)をアセトン1.2Lに溶解し、約45℃で攪拌下にメタンスルホン酸76.9g(0.8モル)を滴下し、上記の粗結晶を析出させた。約50℃で約30分間、次いで室温で一夜、更に5〜10℃で1時間攪拌し、ろ取し、アセトン洗浄後、乾燥して4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・メタンスルホン酸塩の粗結晶(245.4g)を得た。HPLC純度:98.9% 得られた粗結晶を2−プロパノール640mL及び2−ブタノン200mLの混液に加熱溶解した後、熱時ろ過し、2−ブタノン440mLで洗浄した。全ろ液を約75℃まで加熱した後、室温で一夜攪拌し、晶析させた。更に5〜10℃で約1時間攪拌し、ろ取し、アセトン洗浄後、乾燥して4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・メタンスルホン酸塩230.5g(通算収率72.5%)を得た。HPLC純度:99.5%融点: 166-167.5℃(未補正)1H−NMR[400MHz、CDCl3(TMS)] δ:2.55(3H、s、CH3S03H)、2.79(3H、s、CH3)、2.96−3.00(2H、m、CH2)、4.13−4.17(2H、m、CH2)、7.19(1H、d、J=2Hz、imidazole−H)、7.22(1H、d、J=2Hz、imidazole−H)、7.33−7.45(10H、m、phenyl−H).Q−MS(ESI+)m/z:302[M+1]+ 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミド 実施例3で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・メタンスルホン酸塩119.3g(0.3モル)、2−プロパノール597mL及び水酸化カリウム(85%顆粒)118.8g(1.8モル)の混合物を還流下11時間攪拌した。約40℃まで冷却後、反応液を水1.6L中へ注加した。次いで、50〜30℃で1.5時間攪拌して晶析させた後、室温で一夜放置した。析出結晶をろ取し、約50℃の温水で洗浄し、次いで水洗した後、乾燥することにより上記の粗結晶92.2gを得た。HPLC純度:99.2% 得られた粗結晶を2−プロパノール875mLに加熱溶解し、活性炭1.9gを加えて加熱攪拌した。次いで、ろ過、2−プロパノール50mLで洗浄した後、全ろ液を再加熱溶解し、室温で一夜攪拌して、晶析させた。析出結晶をろ取し、2−プロパノール洗浄後、乾燥して4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミド85.5g(通算収率89.2%)を得た。HPLC純度:99.9%融点:194.5〜195℃(未補正)1H−NMR[400MHz、CDCl3(TMS)]:2.21(3H、s、CH3),2.68−2.73(2H、m、CH2)、3.75−3.80(2H、m、CH2)、5.40 and 6.01(2H、each br s、NH2)、6.71(1H,d,J=1.2Hz、imidazole−H)、6.83(1H、d、J=1.2Hz、imidazole−H)、7.30−7.42(10H、m、phenyl−H) 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・p−トルエンスルホン酸塩 4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリル15g(0.05モル)、2−メチルイミダゾール24.6g(0.3モル)及びトルエン35mLの混合物を12時間加熱攪拌下に還流した。約40℃まで冷却後、水80mLを加えて、約40℃で0.5時間攪拌した。分層し、有機層を分離した後、水層をトルエンで抽出した。分層し、有機層を分離し、有機層を合わせて、2%塩化ナトリウム水溶液で抽出洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、トルエンで洗浄した。溶媒を減圧留去後、残留物をトルエン300mLに加熱溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物9.5g(0.05モル)を加えた。約80℃で攪拌下に溶解した後、室温で一夜攪拌し、上記の結晶を析出させた。析出した結晶をろ取し、トルエン洗浄した後、乾燥して4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・p−トルエンスルホン酸塩の17.0g(71.8%)を得た。HPLC純度:97.4%融点: 150-151.5℃(未補正)1H−NMR[400MHz、DMSO−d6(TMS)] δ:2.28[3H、s、CH3(p−トルエンスルホン酸)]、2.43(3H、s、CH3)、3.13−3.17(2H、m、CH2)、4.06−4.10(2H、m、CH2)、7.10−7.13(2H、m、benzene−H)、7.35−7.52(12H、m、benzene−H)、7.54(1H、d、J=2Hz、imidazole−H)、7.71(1H、J=2Hz、imidazole−H)Q−MS(ESI+)m/z:302[M+1]+ 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミド 2−プロパノール40mL、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・p−トルエンスルホン酸塩9.47g(0.02モル)及び水酸化カリウム(85%顆粒)7.92g(0.12モル)の混合物を還流下7.5時間攪拌した。約40℃まで冷却後、反応液に精製水150mLを滴下した。次いで、室温で2時間攪拌後、析出結晶をろ取、水洗し、乾燥することにより上記の粗結晶6.4gを得た。得られた粗結晶を2−プロパノールから再結晶した後、析出結晶をろ取し、乾燥して4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミド5.3g(83%)を得た。HPLC純度:98.4%mp 195〜195.5℃(未補正)1H−NMR[400MHz、CDCl3(TMS)]:2.21(3H、s、CH3),2.68−2.73(2H、m、CH2)、3.75−3.80(2H、m、CH2)、5.40 and 6.00(2H、each br s、NH2)、6.71(1H,d,J=1.2Hz、imidazole−H)、6.83(1H、d、J=1.2Hz、imidazole−H)、7.30−7.42(10H、m、phenyl−H)Q−MS(ESI+)m/z:320[M+1]+<比較例1> 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・リン酸塩 ジメチルスルホキシド45mL、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリル90g(0.2998モル)及び2−メチルイミダゾール123g(1.5モル)の混合物を内温105℃で6時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷し、酢酸エチル及び水を加え、有機層を分離後、水及び2.5%酢酸で洗浄した。溶媒を減圧留去後、残留物をエタノール360mLに溶解し、85%リン酸34.6g(0.3モル)をエタノール180mLに溶解した液を31〜32℃で滴下した。滴下終了後、27〜31℃で15時間攪拌した。析出結晶を濾取し、エタノールで洗浄した。乾燥し、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのリン酸塩の粗結晶88gを得た。次いで、得られた粗結晶をエタノール2.2Lに加熱溶解し、不溶物を熱時濾去した後、濾液を攪拌下徐々に冷却した。液温32℃で析出晶をろ取、エタノール175mLで洗浄した。得られた結晶を減圧乾燥して4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・リン酸塩78.5g(65.6%)を得た。HPLC純度:93.5%融点:177-179℃(未補正).1H−NMR[400MHz、DMSO−d6(TMS)] δ: 2.24(3H、s、CH3)、3.00−3.05(2H、m、CH2)、3.89−3.94(2H、m、CH2)、6.97(1H、d、J=1.6Hz、imidazole−H)、7.29(1H、d、J=1.6Hz、imidazole−H)、7.30−7.53(10H、m、phenyl−H)Q−MS(ESI+)m/z:302[M+1]+<比較例2> 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミド 2−プロパノール40mL、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリル・リン酸塩8g(0.02モル)及び水酸化カリウム(85%顆粒)13.2g(0.2モル)の混合物を還流下5時間攪拌した。約40℃まで冷却後、反応液に精製水200mLを滴下した。次いで、18〜23℃で攪拌後、析出結晶をろ取、水洗(375mL)し、乾燥することにより上記の粗結晶を得た。得られた粗結晶を2−プロパノールから再結晶した後、析出結晶を濾取し、減圧乾燥し、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミド4.7g(73.6%)を得た。HPLC純度:96.5%融点:191〜192℃(未補正)Q−MS(ESI+)m/z:320[M+1]+1H−NMR[400MHz、DMSO−d6(TMS)] δ:2.03(3H、s、CH3),2.63−2.67(2H、m、CH2)、3.54−3.57(2H、m、CH2)、6.68(1H、d、J=1.2Hz、imidazole−H)、6.90(1H,br s、NH),6.92(1H、d、J=1.2Hz、imidazole−H)、7.25−7.39(11H、m、phenyl−H and NH)<試験例1> 実施例1〜6及び比較例1,2のHPLC(液体クロマトグラフ法)純度は以下の[HPLC測定条件]により測定した。[HPLC測定条件]検出器:紫外吸光光度計(測定波長:227nm)カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする(Inertsil ODS−3V)。カラム温度:35℃付近の一定温度移動相:1−オクタンスルホン酸ナトリウム2.16gを薄めたリン酸(1→1000)に溶かし、1000mLとした液を移動相Aとし、アセトニトリルを移動相Bとし、メタノールを移動相Cとする。試料注入後40分間は、移動相A/移動相B/移動相C混液(12:5:3)から移動相B/移動相A/移動相C混液(12:5:3)へ直線濃度勾配制御により送液し、次の10分間は、移動相B/移動相A/移動相C混液(12:5:3)を送液する。流量:イミダフェナシン[式(I)]の保持時間が9〜10分になるように調整する(約1mL/min)。面積測定範囲:イミダフェナシン[式(I)]の保持時間の約5倍の範囲(約50分) 4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造において、中間体として4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩として単離し、精製した後、アルカリ金属水酸化物で加水分解すると、高収率で反応が進行し、また不純物の生成を低減できることが明らかとなった。また、粗生成物の合成吸着剤による精製工程、あるいは粗生成物の酸性塩の単離精製工程を経由することなく再結晶だけで高品質な4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドを収率良く提供できることが明らかとなった。 本発明によれば、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの簡便な操作で収率良く、かつ工業的に有利な製造方法が確立され、高純度、高品質の医薬製剤用原薬として提供することが可能である。 以下の工程を含む、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法であって、i)4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリル1gに対し2〜4mLのトルエン中、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルと、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルに対し4〜10モル当量の2−メチルイミダゾールとを反応させることにより、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを得る工程、及びii) 工程i)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを含むケトン系溶媒又はトルエン、あるいはケトン系溶媒と低級アルコール系溶媒との混液又はトルエンと低級アルコール系溶媒との混液の溶液にメタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸を作用させることにより4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩を得る工程、及びiii)工程ii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩をケトン系溶媒と低級アルコール系溶媒との混液又はトルエンと低級アルコール系溶媒との混液からの再結晶による精製工程、及びiv) 工程iii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩を低級アルコール系溶媒中、アルカリ金属水酸化物の存在下加水分解した後、精製する工程、を含むことを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法。 以下の工程を含む、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法であって、i)4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリル1gに対し2.5〜3.5mLのトルエン中、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルと、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルに対し5〜7モル当量の2−メチルイミダゾールとを反応させた後、反応混合物を水及び炭酸水素ナトリウム水溶液及び/又は塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、濃縮することにより4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを得る工程、及びii) 工程i)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを含むケトン系溶媒あるいはケトン系溶媒と低級アルコール系溶媒との混液の溶液にメタンスルホン酸を作用させることにより4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩を得る工程、及びiii)工程ii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩をケトン系溶媒と低級アルコール系溶媒との混液からの再結晶による精製工程、及びiv) 工程iii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩を低級アルコール系溶媒中、アルカリ金属水酸化物の存在下加水分解した後、精製する工程、とを含むことを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法。 以下の工程を含む、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法であって、i)4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリル1gに対し2.5〜3.5mLのトルエン中、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルと、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルに対し6モル当量の2−メチルイミダゾールとを反応させた後、反応混合物を水及び炭酸水素ナトリウム水溶液及び/又は塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、濃縮することにより4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを得る工程、及びii) 工程i)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを含むアセトンの溶液にメタンスルホン酸を作用させることにより4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩を得る工程、及びiii)工程ii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩を2−ブタノンと2−プロパノールとの混液からの再結晶による精製工程、及びiv) 工程iii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩を、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩1gに対し5mLの2−プロパノール中、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩に対して6モル当量の水酸化カリウムの存在下加水分解した後、精製する工程、とを含むことを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法。 以下の工程を含む、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法であって、i)4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリル1gに対し2〜3mLのトルエン中、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルと、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリルに対し6モル当量の2−メチルイミダゾールとを反応させた後、反応混合物を水及び炭酸水素ナトリウム水溶液及び/又は塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、濃縮することにより4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを得る工程、及びii) 工程i)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルを含むトルエンの溶液にp−トルエンスルホン酸を作用させることにより4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのp−トルエンスルホン酸塩を得る工程、及びiii)工程ii)で得られた4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのp−トルエンスルホン酸塩を、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのp−トルエンスルホン酸塩1gに対し4〜5mLの2−プロパノール中、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのp−トルエンスルホン酸塩に対して6モル当量の水酸化カリウムの存在下加水分解した後、精製する工程、とを含むことを特徴とする、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミドの製造方法。 式(IIa)で表される4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩。 式(IIb)で表される4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのp−トルエンスルホン酸塩 【課題】選択的なムスカリン受容体拮抗作用薬である4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブタンアミド(イミダフェナシン)を高純度、高収率で工業的に製造できる方法を提供すること。【解決手段】製造中間体として4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチロニトリルのメタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩を一旦単離して精製した後、中和することなくアルカリ金属水酸化物存在下、低級アルコール中、加水分解することによりイミダフェナシンを製造する。【選択図】なし


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