生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_呼気ガス採取分析装置及び携帯型呼気ガス分析装置
出願番号:2013169301
年次:2015
IPC分類:G01N 1/00,G01N 1/22,G01N 27/12,G01N 1/02,G01N 33/497


特許情報キャッシュ

坂上 裕介 JP 2015038427 公開特許公報(A) 20150226 2013169301 20130817 呼気ガス採取分析装置及び携帯型呼気ガス分析装置 セイコーエプソン株式会社 000002369 上柳 雅誉 100095728 宮坂 一彦 100127661 渡辺 和昭 100116665 坂上 裕介 G01N 1/00 20060101AFI20150130BHJP G01N 1/22 20060101ALI20150130BHJP G01N 27/12 20060101ALN20150130BHJP G01N 1/02 20060101ALN20150130BHJP G01N 33/497 20060101ALN20150130BHJP JPG01N1/00 101SG01N1/22 BG01N27/12 BG01N1/02 WG01N33/497 A 9 1 OL 19 2G045 2G046 2G052 2G045AA40 2G045CB22 2G045DB01 2G045FA34 2G045HA06 2G045HA09 2G046AA12 2G046AA26 2G046BA01 2G046BA09 2G046BB02 2G046BE03 2G046FB02 2G046FE15 2G046FE24 2G046FE36 2G046FE39 2G046FE44 2G046FE46 2G046FE48 2G052AA34 2G052AD02 2G052AD42 2G052GA23 本発明は、呼気ガス採取分析装置及び携帯型呼気ガス分析装置等に関する。 人は、食物から摂取した栄養素が呼吸によって取り込んだ酸素と反応し、化学的エネルギーと二酸化炭素を産生する。従って、栄養素と反応した酸素量とそれに伴う二酸化炭素の産生量を把握することができれば、エネルギー消費量を求めることができる。一般的に、各栄養素1gあたりに保有される熱エネルギーは炭水化物で4kcal、脂肪で9kcalそしてタンパク質で4kcalと言われている。炭水化物と脂肪は最終的に二酸化炭素と水にまで分解され、タンパク質は尿中窒素にまで分解されるので、呼吸による呼気中の酸素および二酸化炭素の濃度と容積および尿中窒素量を測定してエネルギー消費量を求める。大気中の酸素濃度は約21%、二酸化炭素濃度は約0.03%であることが予め分かっているため、大気中のものに対して呼気中の酸素濃度がどのくらい減少し、二酸化炭素濃度がどのくらい増加したかを分析することになる。これらは、呼気ガス分析法と言われ、既に実用化されている。 さらに、呼気ガス中の生体ガスの成分の研究が進み、呼気ガス中のアセトンを分析することで、脂肪がどれくらい燃焼したかを知ることができることが分かってきた。例えば特許文献1は、呼気中のアセトン濃度を検出して、適切な運動強度を指示する運動器具の提案をしている。 また、今後の非侵襲的な病気診断の例として、呼気ガス中の生体ガス成分から、各種のガンの診断をするという研究がなされている。未だ、呼気ガス中の特定成分がどのガンとの相関があるか、臨床的な裏付けが確定していない段階であり、今後の研究成果が待たれている。 ここで、呼気のうち最初のものは死腔呼気と呼ばれ、肺内まで引き込まれない、つまりガス交換に寄与しない呼気となる。肺と血液との間でガス交換に関与している呼気は終末呼気(肺腔呼気)と称される。 特許文献2では、死腔呼気を排除するために、呼気排出管に設けた流量センサーで呼気量をモニターし、一定量の呼気ガスが計測された以降の呼気サンプルを吸引ポンプで分取している。特開2010−268864号公報特開2004−077467号公報 近年のメタボリックシンドロームのような生活習慣に起因する症状を改善する方法として、定期的な有酸素運動が推奨されているにも拘らず、中々継続して運動をすることができなくて運動の効果がでないことがしばしばある。 このような人にもっと手軽に運動の効果として、脂肪燃焼量や脂肪を燃焼し易い体質へ変化したことを知ることができれば、運動継続のモチベーションが向上し、運動の効果が出てくると期待される。 特許文献1の装置では、呼気ガス採取のため、運動中に一旦運動を中止して、呼気ガスを採取する必要があった。特許文献2では、死腔呼気でなく終末呼気を選択して採取する装置が大掛かりとなる。 日常生活における活動中でも運動中でも所定時間において呼気ガスを採取し生体ガス成分を検出するには、通常ガスマスクのような顔面に密着したマスクを装着する必要がある。しかし、このマスクは日常生活や運動中では妨げになり、装着することが困難である。 本発明の幾つかの態様は、日常生活や運動中でも普通に呼吸することを許容しながらも、呼気ガス中の死腔ガスを出来るだけ排除した終末呼気の採取が可能になり、その結果として生体ガス成分を効率的に分析する呼気ガス採取分析装置及び携帯型呼気ガス分析装置を提供することを目的とする。 (1)本発明の一態様は、 呼気圧によって呼気ガスを導入し採取する採取路と、 前記採取路内の呼気ガスを前記呼気圧により外部に排出する第1排出路と、 前記第1排出路の一部を開閉する弁と、 前記弁を開閉駆動する弁駆動部と、 前記弁が閉鎖された時に、前記採取路内の呼気ガスを前記呼気圧により外部に排出する第2排出路と、 前記第2排出路に設けられ、前記呼気ガスを分析する分析部と、を有することを特徴とする呼気ガス採取分析装置に関する。 本発明の一態様によれば、弁を開放させておけば、呼気圧により採取路に導入された呼気ガスは、呼気圧により第1排出路を経由して外部に排出される。加えて、弁を開放させておけば、採取路及び第1排出路を介して吸気することができる。よって、日常生活や運動中でも呼気ガス採取分析装置を装着したまま普通に呼吸(吸気と呼気)することが許容される。また、弁を開放させておけば、死腔呼気も外部に排出できる。弁が閉鎖されると、採取路内の呼気ガスは第1排出路とは異なる第2排出路に呼気圧により導入され、分析部により分析される。よって、吸引ポンプは不要であり、呼気動作中の弁の開閉により、呼気ガス中の死腔ガスを出来るだけ排除した終末呼気の採取が可能となる。 (2)本発明の一態様では、前記採取路の出口から前記第1排出路を経由して排出される呼気ガスの第1流路抵抗よりも、前記採取路の出口から前記第2排出路を経由して排出される呼気ガスの第2流路抵抗を大きくすることができる。 第2流路抵抗が第1流路抵抗よりも大きいことから、第2排出路での呼気ガスの流速が遅くなり、呼気ガスが分析部に停留して呼気ガスを分析し易くなる。また、弁を開放した時に、抵抗の小さい第1排出路を主体的に経由させて呼吸させることができ、吸気抵抗及び呼気抵抗を小さくできる。 (3)本発明の一態様では、前記弁駆動部は、呼気動作中の第1期間では前記弁を開放させ、呼気動作中の前記第1期間に続く第2期間では前記弁を閉鎖させることができる。 第1,第2期間の切り替えは、呼気開始指示からの時間計測、呼気の流量変化、呼気圧の変化等により行うことができる。それにより、呼気ガス中の死腔ガスを出来るだけ排除した終末呼気の採取が可能となる。 (4)本発明の一態様では、前記採取路は、前記第1排出路及び前記第2排出路が設けられる本体に対して着脱自在なマウスピースとすることができる。 マウスピースを消耗品として使用すれば、衛生的に安心安全が確保される。 (5)本発明の一態様では、前記マウスピースは筒体を有し、前記本体に装着される前記マウスピースの延長線上に前記第1排出路を設け、前記マウスピースと隣接して前記第2排出路を設けることができる。 マウスピースの延長線上に第1排出路を設けることで、マウスピースの出口からほぼ直進して呼気が排出されるので、日常生活や運動中でも普通に呼吸することが許容される。マウスピースと隣接して、例えばマウスピースの周囲に第2排出路が設けられることで、マウスピースの出口から迂回して第2排出路に至る流路抵抗が大きくなり、呼気ガスが分析部に停留し易くなる。 (6)本発明の一態様では、前記マウスピースの前記筒体により、前記採取路と前記第2排出路とに区画することができる。 こうしたマウスピースの兼用効果により、呼気ガス採取分析装置を小型・軽量化することができる。 (7)本発明の一態様では、前記マウスピースを挿通支持する支持部と、前記支持部を前記本体に対して移動可能に保持する緩衝部と、を有することができる。 こうすると、マウスピースに過度の外力が作用しても、緩衝部により呼気ガス採取分析装置に直接大きな外力が作用することを防止できる。 (8)本発明の一態様では、前記マウスピースの挿入先端部を保持する保持部を有することができる。 こうすると、マウスピースは支持部と保持部との2箇所にて安定して支持され。加えて、支持部と保持部との間のマウスピースの筒体を、採取路と第2排出路とに区画する壁部として兼用することができる。 (9)本発明の他の態様は、 (1)〜(8)のいずれかに記載の呼気ガス採取分析装置と、 前記呼気ガス採取分析装置と接続され、呼気採取の手順を表示する眼鏡型表示装置と、を有する携帯型呼気ガス分析装置に関する。 本発明の他の態様によれば、呼気ガス採取分析装置の採取路(またはマウスピース)を口に咥え、眼鏡型表示装置を頭部に装着することにより、ハンドフリーにて呼気ガスを分析することができる。しかも、呼気採取の手順は眼鏡型表示装置に表示される。このため、呼気開始などを画面にて指示することができ、呼気開始からの時間計測などにより弁の切り替えタイミングの設定が容易となる。眼鏡型表示装置には、分析結果を表示することもできる。本発明の一実施形態である呼気ガス採取分析装置の概略断面図である。本体からマウスピースを離脱した状態を示す図である。弁を開放して呼吸する状態を示す図である。弁を閉鎖して呼気ガスを分析する状態を示す図である。図5(A)(B)は半導体センサーを示す図である。半導体センサーの等価回路図である。半導体センサーの抵抗比とガス濃度との関係を示す図である。図8(A)(B)はQCMセンサーの一例を示す図である。図9(A)(B)はQCMセンサーの異なる例を示す図である。図10(A)(B)はQCMセンサーの回路例とその周波数応答特性を示す図である。QCMセンサーの周波数変化率とガス濃度との検量線を示す図である。SERSセンサーの検出原理を説明するための図である。アセトンの検量線を示す図である。3大栄養素(炭水化物、脂質、蛋白質)の摂取から貯蔵までの流れを示す図である。運動をした時の脂肪燃焼のメカニズムを説明する図である。有酸素運動における糖質と脂肪の利用率の時間的推移を説明する図である。携帯型呼気ガス分析装置を示す図である。携帯型呼気ガス分析装置の制御系ブロック図である。携帯型呼気ガス分析装置の動作フローチャートである。 以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。 1.呼気ガス採取分析装置 図1は、呼気ガス採取分析装置1の断面図である。図1において、呼気ガス採取分析装置1は、呼気圧によって呼気ガスが採取される採取路10と、採取路内の呼気ガスを呼気圧により外部に排出する第1排出路20と、第1排出路20を開閉する弁22と、弁22を開閉駆動する弁駆動部24と、弁22が閉鎖された時に採取路10内の呼気ガスを呼気圧により外部に排出する第2排出路30と、第2排出路に設けられて呼気ガスを分析する分析部32と、を有する。 第1,第2排出路20,30は、本体を構成する筐体40に設けられる。採取路10は、図2に示すように、筐体40に着脱自在なマウスピースとすることができる。マウスピース10を消耗品として使用すれば、衛生的に安心安全が確保される。マウスピース10は、筒体11の一端を第1開口12とし、筒体11の他端が第2開口13とする。使用者の口に咥えられる筒体11の第1開口12側には、フィルター14が設けられる。フィルター14は唾液等が内部に侵入することを阻止する。 マウスピース10の第1開口12側は、支持部41に挿通支持される。支持部41は、緩衝部42を介して筐体40に固定することができる。それにより、マウスピース10が使用者の口に咥えられた時などに、マウスピース10に過度の外力が作用しても、緩衝部42により筐体40に過度の外力が作用することを防止できる。 マウスピース10の第2開口13側(挿入先端側)は、保持部43に保持される。こうすると、マウスピースは支持部と保持部との2箇所にて安定して支持される。また、支持部41と保持部43との間のマウスピース10の筒体11は、筐体40内にて露出される。図1に示す筒体11の露出部11Aは、マウスピース10内の採取路と第2排出路30とに区画する区画壁として兼用することができる。それにより、呼気ガス採取分析装置1は小型・軽量化される。 第1排出路20は、図3に示すように、弁22が開放された時に、マウスピース10内の呼気ガスを呼気圧により外部に排出する。第1排出路20に設けられた弁22を駆動部24にて開放させると、筐体40内は外気と連通する。よつて、図3に示すように、弁22の開放時にあっては、マウスピース10と第1排出路20とを介して、呼吸(吸気と呼気)することが可能となる。よって、日常生活や運動中でも、呼気ガス採取分析装置1を装着したまま普通に呼吸(吸気と呼気)することが許容される。また、弁22を開放させておけば、死腔呼気も外部に排出できる。 図1に示すように、マウスピース10の出口から第1排出路20を経由して排出される呼気ガスの第1流路抵抗をR1とする。呼気ガス採取分析装置1を装着したまま普通に呼吸させるためには、第1流路抵抗R1は小さい方が良い。そのために、筐体40に装着されるマウスピース10の延長線上に第1排出路20を設けている。呼気はマウスピース10の延長線上をほぼ直進するので、第1流路抵抗R1を小さくできる。 第1排出路20に設けられる弁22は、円錐形等の流線型とされ、しかも円錐の縦断面の頂角は鋭角とすることができる。これにより、弁22の抵抗が小さくなり、第1流路抵抗R1を小さくできる。 なお、弁22の駆動部24は、コイルスプリングなどで図1の下側に弁22を付勢して弁22を開放させる付勢部材と、電磁力等により作動して付勢力に抗して弁22を閉鎖させるアクチュエーターとを用いることができる。弁22を駆動する駆動部24は、筐体40に支持される。 第2排出路30は、図4に示すように、弁22が閉鎖された時にマウスピース10内の呼気ガスを呼気圧により外部に排出する。第2排出路30には、呼気ガスを分析する分析部32が設けられる。よって、弁22を閉鎖した時だけ、呼気ガスを分析できるので、死腔呼気のときには弁22が開放され、終末呼気の時に弁22が閉鎖されれば、分析部32は終末呼気ガスのみを分析できる。しかも、終末呼気を第2排出路30に導入するには弁22を閉鎖するだけでよく、吸引ポンプ等は必要ない。 図1に示すように、マウスピース10の出口から第2排出路30を経由して排出される呼気ガスの第2流路抵抗をR2とする。分析部32は後述するように種々のセンサーを用いることができるが、いずれの場合でも第2排出路30での呼気ガスの流速は遅い方が、分析部32で分析し易い。呼気ガスが分析部32に停留し易くなるからである。そのために、第2流路抵抗R2を比較的大きくし、少なくとも第1流路抵抗R1より大きくしている(R2>R1)。 筐体40に装着されるマウスピース10の延長線上に第1排出路20を設ける一方で、マウスピースと隣接して、例えばマウスピース10の周囲に第2排出路30を設けることができる。こうして、マウスピース10の出口から迂回して第2排出路30に至る流路抵抗が大きくなり、第2流路抵抗をR2は第1流路抵抗R1よりも大きくなる。 加えて、図1に示すように、呼気ガスの流れに対して分析部32の例えば下流側の第2排出路30は、マウスピース10の筒体11との間の流路幅を局所的に狭くした流路抵抗部34を有することができる。これによっても、第2流路抵抗をR2は第1流路抵抗R1よりも大きくなる。 第2流路抵抗をR2は第1流路抵抗R1よりも大きくしている他の理由は、弁22を開放した時に、抵抗の小さい第1排出路20を主体的に経由させて呼吸させることができ、吸気抵抗及び呼気抵抗を小さくできるからである。 2.分析部 2.1.半導体センサー 図1に示す分析部32して、図5(A)(B)に示す半導体センサー50を挙げることができる。半導体センサー50の基板51の表面51Aには、図5(A)に示すように、感ガス材料板52A〜52Dと、各感ガス材料板52A〜52Dに接続された2つの電極53A,53Bとを有する。基板51の裏面51Bには、図5(B)に示すように、ヒーター54と、それに接続された電極55A,55Bとを有する。感ガス材料板52A〜52Dには、酸化スズSnO2、アンチモン添加酸化スズSb:SnO2、酸化亜鉛ZnO、酸化タングステンWO3、インジウムスズ酸化物、酸化チタンTiO2、ニオブ添加酸化チタンNb:TiO2などがあり、これらの複合材や他の添加剤を含めることも可能である。 図6は、半導体センサー50の等価回路図である。ヒーター54により加熱された感ガス材料板52A〜52Dに還元性ガスが曝露されると、感ガス材料板52A〜52Dの表面に吸着されていた酸素が減少してポテンシャル障壁が下がり、電子が動きやすくなる。それにより、感ガス材料板52A〜52Dのセンサー抵抗RL1〜RL4が減少する。図7は、ある一つの感ガス材料板を用いた半導体センサーの初期のセンサー抵抗R0とガス分析時のセンサー抵抗RSとの(RS/R0)と、ガス濃度との相関を示している。ガス種に応じて、ガス濃度に依存するRS/R0の変化率が異なる。図7の特性は、感ガス材料板によって異なる。従って、図5(A)に示す複数の感ガス材料板52A〜52Dのセンサー抵抗比(RS/R0)に応じた出力電圧VOUT1〜VOUT4(図6参照)を分析することで、線形判別法や主成分分析法などでガス種とガス濃度とを分析することができる。 2.2.水晶振動子マイクロバランス(QCM)センサー QCMセンサー60は、図8(A)(B)または図9(A)(B)に示すように、水晶振動子61の両面に配置した電極62A,62Bを配置し、電極62A,62Bに接続されるリード線63A,63Bを基板64に固定している。図8(B)ではリード線63A,63Bは基板64と平行に配置される一方で、図9(B)ではリード線63A,63Bは基板64と垂直に配置される。図9(A)(B)の方が空気の流れは良く、水晶振動子61の両面に皮膚ガスが接触し易い。 水晶振動子61の周波数は、電極62A,62B上の物質の質量に応じて変化し、周波数の変化量と付着物質の質量との関係は、Sauerbrey式と呼ばれる。付着物質量が減少すると周波数が増加する。この現象を利用し、水晶振動子の周波数変化を検出することで、その電極上での物質の質量変化を計測する方法を水晶振動子マイクロバランス法(QCM法)という。Sauerbrey式は、基本周波数をF0、周波数の変化量をΔF、質量変化量をΔm、水晶の密度をρ、水晶のせん断応力をμ、電極の面積をAとすると、 ΔF=−2F02・Δm/A/(ρμ)(1/2)…(1)と表せる。電極62A,62Bの表面にて、付着物質量が増加すると周波数は減少し、付着物質量が減少すると周波数は増加する。このように、分析物質が吸着すると振動数が変化するので、周波数変化ΔFを検出することで、分析物質がどれ位吸着したかを知ることができる。 図10(A)(B)に、QCMセンサーの回路例とその周波数応答を示す。C−MOSのインバータ、抵抗、コンデンサーから構成されている一般的な回路であるが、この回路に限定されるものではない。呼気ガスの特定成分を吸着し易くするために、QCMセンサーの電極表面にポリマーを薄く形成することがある。ポリマーに対する分析物質の応答曲線として、図10(B)の周波数応答のグラフのように応答するポリマーを選択し、周波数変化量を求めて、図11のように予め検量線を求めておくことで、周波数変化量から所望の成分の濃度を知ることができる。なお、周波数応答のグラフは、図示するようにきれいに応答するものだけではないの、予めポリマーを選択しておくと、目的の成分ガスに対して良い応答が得られる。図11は、QCMセンサー(水晶AT振動子)にポリマーをスピンコートで塗布形成し、ガス3種類に対する周波数変化量の例を示したものである。 2.3.SERSセンサー 図12に示すように、SERSセンサー70では、皮膚ガスが導入される流路に臨んでセンサー基板71が配置され、光源からの励起光(振動数ν)がセンサー基板71に照射される。励起光の多くは、レイリー散乱光として散乱され、レイリー散乱光の振動数ν又は波長は、入射光に対して変化しない。励起光の一部は、ラマン散乱光として散乱され、ラマン散乱光の振動数(ν−ν’及びν+ν’)又は波長は、皮膚ガスの分子の振動数ν’(分子振動)が反映される。つまり、ラマン散乱光は、検査対象の皮膚ガス分子を反映した光である。皮膚ガス分子の振動エネルギーがラマン散乱光の振動エネルギー又は光エネルギーに付加されることもある。このような振動数のシフト(ν’)をラマンシフトと呼ぶ。 図12に示すセンサー基板71に形成された金属ナノ粒子72に入射光が入射される領域では、隣り合う金属ナノ粒子72間のギャップに、増強電場73が形成される。特に、入射光の波長よりも小さな金属ナノ粒子72に対して入射光を照射する場合、入射光の電場は、金属ナノ粒子72の表面に存在する自由電子に作用し、共鳴を引き起こす。これにより、自由電子による電気双極子が金属ナノ粒子72内に励起され、入射光の電場よりも強い増強電場73が形成される。これは、局在表面プラズモン共鳴(LSPR:Localized Surface Plasmon Resonance)とも呼ばれる。この現象は、入射光の波長よりも小さな1〜500nmのサイズを有する金属ナノ粒子72等の電気伝導体に特有の現象である。 図12では、センサー基板71に入射光を照射した時に表面増強ラマン散乱(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)が生ずる。つまり、増強電場73に皮膚ガスの分子74が入り込むと、その標的分子74によるラマン散乱光は増強電場73で増強されて、ラマン散乱光の信号強度は高くなる。このような表面増強ラマン散乱では、標的分子74が微量であっても、分析感度を高めることができる。 図13には、アセトンの検量線の例を示している。例えば図12に示すSERSセンサーにて形成された分析部32にてアセトンの濃度の異なる試料ガスを調整して作製して、夫々の試料についてアセトン分析を行い、アセトンの夫々のスペクトルの内、特に強く出るピークに関してアセトン信号強度を求め、アセトン濃度と信号強度との相関グラフを作成する。そのグラフから、アセトン濃度とアセトン信号強度の検量線が図13のように得られる。 3.呼気ガス中のアセトン量と脂肪燃焼量との関係 図14に主なエネルギー源となる3大栄養素(炭水化物、脂質、蛋白質)の摂取から貯蔵までの流れを示す。食事で摂取された炭水化物、脂質、蛋白質は、胃で消化され、小腸で更に消化され吸収される。吸収された栄養素は、炭水化物はグルコースに、脂質は脂肪酸やグリセロールに、蛋白質はアミノ酸に、夫々形を変えて血液中を循環する。必要な部分は一部燃焼するが、余分となったものは、グルコースは肝グリコーゲンや筋グリコーゲンに、脂肪酸やグリセロールは中性脂肪を経由して脂肪に、アミノ酸は蛋白質に、夫々形を変えて貯蔵され、必要に応じて逆の流れを経て消費される。3大栄養素が燃焼された時のエネルギーは、炭水化物が4kcal/g、脂質が9kcal/g、蛋白質が4kcal/gに相当する。但し、脂質については、白色脂肪細胞に貯蔵される時には水分を含むので、7.2kcal/gのエネルギーに相当する。 図15に運動をした時の脂肪燃焼のメカニズムを説明する図を示す。運動するとアドレナリンが出て、白色脂肪細胞中のホルモン感受性リパーゼが活性化され、中性脂肪の分解が促進され、脂肪酸とグリセロールになる。脂肪酸のままでは血液中に循環できないため、アルブミンと結合して遊離脂肪酸となって血液中を循環する。その内の一部は、心筋や骨格筋に供給され、β-酸化により分解されて、NADH2+やFADH2を生成しながらアセチル-CoAになり、TCA回路(通称クエン酸回路)を経てATPが生成され最終的には二酸化炭素(CO2)と水(H2O)になる。骨格筋では、グリコーゲンが主にエネルギーとして消費され遊離脂肪酸の消費は少ない。心筋ではエネルギー総量の約70%が遊離脂肪酸として消費される。 他方、遊離脂肪酸の多くはカルニチンと結合しアシルカルニチンとなり肝臓へ供給される。肝臓ではアシル-CoAになって、肝臓のミトコンドリアでβ酸化され、アセチル-CoAになる。更にアセチル-CoAからアセト酢酸になり、更に3−ヒドロキシ酪酸やアセトンになる。アセト酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、アセトンを総称してケトン体と言い、アセトンのみが気体となって血液中を循環し、呼気や皮膚から放出される。脂肪燃焼の割合から見ると、骨格筋や心臓よりも肝臓での割合が多く、脂肪燃焼とアセトンには相関がある。従って、呼気ガス中のアセトン量や皮膚ガス中アセトン量を測定することで、脂肪燃焼量を知ることができる。 図16は有酸素運動における糖質と脂肪の利用率の時間的推移を説明する図を示す。第1ステップでは、筋肉内のグリコーゲンの代謝によりATPを合成する。第2ステップでは、先ず筋グリコーゲンの減少に伴い、血中グルコースの利用が始まる。次に、脂肪組織の脂肪が遊離脂肪酸として血中に遊離する。最後に、両者を燃料とし、酸化系の代謝によりATPを合成する。 脂肪の燃焼が活発になるのは、運動開始後15〜20分以降と言われている。どんな運動強度でも脂肪燃焼が活発に行われる訳ではなく、運動強度が比較的軽い領域において、脂肪燃焼が盛んになる。運動強度が高くなると、無酸素運動となるため、脂肪燃焼量は減少し、代わりにグリコーゲンが主に消費される。 一般に脂肪燃焼率(単位時間当たりの脂肪燃焼量)が最大になるのは、男女、年齢、運動習慣などによって異なることが知られている。一般の人では運動強度が約40%前後の時に、運動選手では運動強度が約50%前後の時に、夫々脂肪燃焼率が最大になっている。従って、効率的に脂肪燃焼を行うには、個人毎に運動強度を適切に管理する必要がある。具体的には、個人毎に脂肪燃焼率が最大になる運動強度を測定しておき、その運動強度を心拍数や脈拍数など運動中にも容易に管理できる数値で指示して運動を行うことが有効である。個人毎に脂肪燃焼率が最大になる運動強度は、運動習慣や年齢によって変化していくものであり、定期的に測定することが、脂肪燃焼の効果を高めることになる。 更に、適切な運動強度に従って運動を一定時間行ったら、その効果を確認することができたら、運動を継続するモチベーションが高まり、継続的な効果が期待できる。運動中に脂肪燃焼量を測定することは、1)脂肪燃焼率を最大にする適切な運動強度を指示する、2)適切な運動強度の運動を実施した効果を確認できる、という2つ意味がある。 三大栄養素は糖、脂質、タンパク質であり、それぞれ炭素原子、酸素原子、水素原子などの構成割合が異なる。そのため、内呼吸のとき、どの栄養素が分解しているかにより,消費されるO2と産生されるCO2の割合が異なる。体細胞全体である栄養素が主に代謝されているとき、その割合は呼吸にも反映されるはずである.それを表現したのが呼吸商RQ(Respiratory Quotient)であり、下記の式で表される。 呼吸商RQ=(単位時間あたりのCO2の排出量)/(単位時間あたりのO2の消費量) 式(2) 脂質は、脂肪酸自体の中に酸素原子が非常に少ないため,分解するときは多くの酸素を消費しなければならない。O2消費量の割にはCO2産生量が少ないため,呼吸商は0.70と三大栄養素の中では最小である。脂肪は、酸素の含有率が低いので,重量あたりの熱量は9.3kcal/gと三大栄養素中最大である。エネルギーを保存する場合に適した栄養素であり,過食により皮下に貯蔵されるのも脂質である。 糖類の代表であるグルコースの原子の割合はC6H12O6である。酸素原子が多く含まれているため、酸素消費量は少なくても分解できる。呼吸商は1.00と三大栄養素の中では最大である。逆に,酸素の含有が高いので,重量あたりの熱量は4.1kcal/gと三大栄養素中最小である。 タンパク質は、原子の割合は脂質と糖質の中間であり,呼吸商は0.85、熱量は5.3kcal/gである。理論的には、呼吸商RQが1以上にもなり得るが、実際には呼吸商RQが1を超えることは条件が限られる。一方、呼吸商RQが0.7のときは脂肪利用を示し、呼吸商RQが0.7以下の際は飢餓状態でケトン体産生(ケトーシス)であることを示す。ごく最近では、安静時では呼吸商RQがほぼ一定であると考えてよく、個人の呼吸商のばらつきも0.78〜0.87の範囲であることが知られている。 三大栄養素が酸化される時に、生じるエネルギーは次の通りである。1)糖質が酸化される場合 C6H12O6+6O2→6CO2+6H2O+36ATP (657kcal) [RQ=6CO2/6O2=1.0]2)脂肪が酸化される場合 C55H102O6+77.5O2→55CO2+51H2+429ATP (7,833kcal) [RQ=55CO2/77.5O2=0.71]3)タンパク質が酸化される場合 C100H159O32S0.7+105.3O2→ 13CON2H4(urea)+87CO2+52.8H2O+0.7H2SO4+27ATP (4,948kcal) [RQ=87CO2/105.3O2=0.83] 4)脂肪からケトン体が産生される場合 0.176g(脂質)+0.437LO2→1g(ケトン体)+0.11LCO2+0.129H2O+2,039kcal [RQ=0.111LCO2/0.437LO2=0.25] 脂肪燃焼率(g/min)=酸素摂取量(lL/min)×酸素1Lあたりの熱量(kcal/L)×脂質の燃焼比率(%)×脂質の熱量相当の重量(g/kcal) ここで、酸素摂取量(L/min)は、呼気ガス分析装置によって測定される値である。酸素1Lあたりの熱量(kcal/L)は、呼気ガス分析装置によって測定される呼吸商RQ値から、表に示される酸素1L当たりの熱量に換算して求められる。脂質の燃焼比(%)は、呼吸商に対する燃焼における糖質と脂質の比率である。脂質の熱量相当の重量は、脂肪C55H102O6(859.395g/mol)が燃焼すると7,833kcalのエネルギーが発生するから、0.1097(g/kcal)となる。 こうして得られた脂肪燃焼率と1分間当たりの皮膚から放散されたアセトン量の相関を予め取っておき、測定された1分間当たりの呼気ガス中のアセトン量から脂肪燃焼率を算出することになる。 4.携帯型呼気ガス分析装置 図17は、図1に示す呼気ガス採取分析装置1を用いた携帯型呼気ガス分析装置100を示している。携帯型呼気ガス分析装置100は、図1に示す呼気ガス採取分析装置1と、眼鏡型表示装置110とを含む。呼気ガス採取分析装置1は例えば支持部120の先端に固定され、支持部120の他端は使用者の耳などに係止される。呼気ガス採取分析装置1と眼鏡型表示装置110とは、例えば支持部120内に配置されるケーブルにより接続することができる。 眼鏡型表示装置110は、ヘッドマウントディスプレイとも言われ、近年開発が盛んになっている。ディスプレイの方式に主に3つの方式があり、運動を行う目的には、非透過型ディスプレイ方式よりも、ビデオ透過型ディスプレイ方式又は光学透過型ディスプレイ方式が適している。非透過型ディスプレイ方式は、装着すると外の様子を見ることはできないからである。ビデオ透過型ディスプレイ方式は、ディスプレイ装置だけでなくビデオカメラも装着されており、装着すると直接外の様子を見ることはできないが、ディスプレイに外の様子が映し出されているので、利用者は安全に移動することができる。光学透過型ディスプレイ方式は、ディスプレイ装置がハーフミラーでできており外の様子が見える。片目のみにディスプレイ装置がついているものもある。光学多層膜のハーフミラーを用いると、必要な情報のみ表示板の表面に表示しながら外の様子をシースルーで見ることが可能となる。 図18は、携帯型呼気ガス分析装置100の制御系ブロック図である。CPU130のバスラインには、呼気ガス採取分析装置1に設けられた呼気ガス分析部32及び弁22の駆動する駆動部24と、眼鏡型表示装置110の他に、入力部140、心拍センサー150、GPS160及びタイマー170等が接続される。心拍センサー150は運動時の心拍を分析する。歩行やジョギングの場合には、予め走行速度(km/h)と心拍数の関係を求めておけば、心拍数から歩行速度を知ることができ、歩行やジョギングを継続した時間から消費カロリーも算出することが可能である。心拍センサーに代えて脈拍センサーを用いても良い。GPS160を有することにより、歩行速度、歩行距離、時間などのデータが正確に得られるため、消費したカロリーも正確に算出することができる。 ここで、人の呼気ガスは、数100種類以上のガス成分で構成され、その成分と量から病気やストレスなど人間の健康状態と相関する情報を得ることが可能である。大気の主な成分は、N2が約78%、O2が約21%、アルゴンが0.93%、CO2が0.03%であるのに対して、呼気ガスの主な成分は、N2が約78%、O2が約16%、CO2が4%、その他に水蒸気、アンモニア、アセトン、イソプレン、エタノール、プロパノール、ペンタノール、メタノール、H2、硫黄化合物などである。ここで呼気ガスとは、肺胞でガス交換された主に終末呼気を意味しており、採取時に混入する死腔ガス(口腔や食道など肺胞のガス交換に寄与しないガス)も一部含まれるが、血液中に含まれるガス成分を反映している。従って、呼気ガス採取に当たっては、死腔ガスの割合を出来るだけ少なくすることが望ましい。一般的に健康的な成人の1回換気量VTに対する死腔換気量VDの割合は、通常の呼吸の場合、VD÷VT=150mL÷500mL=0.3位と言われている。死腔換気量VDは年齢や性別で違いがあり90〜180mLくらいである。 そのために、呼気ガスの採取タイミングを眼鏡型表示装置110に表示することが好ましい。眼鏡型表示装置110での表示動作を含めた携帯型呼気ガス分析装置100の動作フローチャートを図19に示す。 先ず被験者の性別、年齢、体重、安静時心拍数(脈拍数などの個人情報を入力する(ステップ1)。次に、これらの入力情報が装置内の記憶装置に登録(記録)される(ステップ2)。呼気ガス採取条件(採取時刻、間隔、表示方法、死腔ガス排出時間など)を設定する(ステップ3)。例えば、心拍数120(回/分)、1回の運動時間が60分、運動前時間30分、運動後時間60分、呼気ガス採取時間の間隔が10分、呼気を吹き入れる時間を6秒とする。運動の開始30分前から、呼気ガスを10分前毎の採取し、心拍数120(回/分)の運動を60分間行い、運動後も60分間呼気ガスを10分毎の採取するようにする。呼気採取回数は合計15回となる。 次に、運動開始を入力部140から入力すると、ステップ4の判断がYESとなる。それをトリガーとして心拍センサー(脈拍センサー)150による心拍数(脈拍数)が計測され、眼鏡型表示装置110に表示される(ステップ5)。この値を見て現在の運動負荷が適切かを判断し、もし指示され心拍数(脈拍数)より高ければ運動強度を下げるようにし、逆に指示され心拍数(脈拍数)より低ければ運動強度を上げるように調整を行う。この調整は心拍数(脈拍数)の表示値を見て随時行う。 運動開始30分の時点から例えば10分経過すると、「呼気ガス採取の時間です」と眼鏡型表示装置110に表示されるので(ステップ6)、運動を継続しながら、準備をする。次に、呼気ガス採取要領が眼鏡型表示装置110に表示される(ステップ7)。先ず、「○○秒で息を吐き出して下さい」と眼鏡型表示装置110に表示されるので、支持された○○秒で息を吐き出す。掃出し開始時から計時される時間(秒)がタイマー170でカウントダウンされて眼鏡型表示装置110に表示される。 人の呼気は、口の中のガスや気道のガスがあるため、肺でガス交換される本当の呼気ガスに達するまでには少し時間を要するため、呼気開始後の第1期間が経過した後の第2期間で分析部32によって呼気ガス成分の分析を行うことになる。そのため、タイマー170の出力から第2期間の開始が検出されると、駆動部24により弁22が閉鎖されて、呼気ガスの分析が開始される。 呼気ガス採取と分析が終わると、「△回目の採取呼気ガスが終了しました」が眼鏡型表示装置110に表示され(ステップ8)、駆動部24により弁22が開放される。被験者は更に運動を継続する。その間に呼気ガス分析装置100では、CPU130が呼気ガス中のアセトン濃度から脂肪燃焼量を算出して(ステップ9)、「脂肪燃焼量は○○です」を眼鏡型表示装置110に表示する(ステップ10)。この表示によって、現在の脂肪燃焼量を知ることができ、実際に運動の効果を確認することができる。 呼気ガス採取を終了しない限り(ステップ11の判断がNO)、または運動が継続する限り(ステップ13がNO)、10分毎に呼気ガスの採取等(ステップ4〜20)が繰り返し行われ、最後の呼気ガス採取が終了すると(ステップ11の判断がYES)、これまで検出したトータルの脂肪燃焼量が眼鏡型表示装置110に表示され(ステップ12)、併せて「全ての採取呼気ガスが終了しました」と表示される。更に、運動が終了すれば(ステップ13がYES)、「運動プログラムが終了しました」と眼鏡型表示装置110に表示されて全てが終了する(ステップ14)。 本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。 1 呼気ガス採取分析装置、10 採取路(マウスピース)、11 筒体、11A 区画壁(露出部)、14 フィルター、20 第1排出路、22 弁、24 駆動部、30 第2排出路、32 分析部、34 流路抵抗部、40 本体(筐体)、41 支持部、42 緩衝部、43 保持部、100 携帯型呼気ガス分析装置、110 眼鏡型表示装置、R1 第1流路抵抗、R2 第2流路抵抗 呼気圧によって呼気ガスを導入し採取する採取路と、 前記採取路内の呼気ガスを前記呼気圧により外部に排出する第1排出路と、 前記第1排出路の一部を開閉する弁と、 前記弁を開閉駆動する弁駆動部と、 前記弁が閉鎖された時に、前記採取路内の呼気ガスを前記呼気圧により外部に排出する第2排出路と、 前記第2排出路に設けられ、前記呼気ガスを分析する分析部と、を有することを特徴とする呼気ガス採取分析装置。 請求項1において、 前記採取路の出口から前記第1排出路を経由して排出される呼気ガスの流路抵抗よりも、前記採取路の出口から前記第2排出路を経由して排出される呼気ガスの流路抵抗が大きいことを特徴とする呼気ガス採取分析装置。 請求項1または2において、 前記弁駆動部は、呼気動作中の第1期間では前記弁を開放させ、呼気動作中の前記第1期間に続く第2期間では前記弁を閉鎖させることを特徴とする呼気ガス採取分析装置。 請求項1乃至3のいずれかにおいて、 前記採取路は、前記第1排出路及び前記第2排出路が設けられる本体に対して着脱自在なマウスピースであることを特徴とする呼気ガス採取分析装置。 請求項4において、 前記マウスピースは筒体を有し、前記本体に装着される前記マウスピースの延長線上に前記第1排出路が設けられ、前記マウスピースと隣接して前記第2排出路が設けられることを特徴とする呼気ガス採取分析装置。 請求項5において、 前記マウスピースの前記筒体により、前記採取路と前記第2排出路とに区画されることを特徴とする呼気ガス採取分析装置。 請求項6において、 前記マウスピースを挿通支持する支持部と、 前記支持部を前記本体に対して移動可能に保持する緩衝部と、を有することを特徴とする呼気ガス採取分析装置。 請求項7において、 前記マウスピースの挿入先端部を保持する保持部を有することを特徴とする呼気ガス採取分析装置。 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の呼気ガス採取分析装置と、 前記呼気ガス採取分析装置と接続され、呼気採取の手順を表示する眼鏡型表示装置と、を有することを特徴とする携帯型呼気ガス分析装置。 【課題】 日常生活や運動中でも普通に呼吸することを許容しながらも、呼気ガス中の死腔ガスを出来るだけ排除した終末呼気の採取が可能になり、その結果として生体ガス成分を効率的に分析する呼気ガス採取分析装置及び携帯型呼気ガス分析装置を提供すること。【解決手段】 呼気ガス採取分析装置1は、呼気圧によって呼気ガスが導入されて採取される採取路10と、採取路内の呼気ガスを呼気圧により外部に排出する第1排出路20と、第1排出路を開閉する弁22と、弁を開閉駆動する弁駆動部24と、弁が閉鎖された時に採取路内の呼気ガスを呼気圧により外部に排出する第2排出路30と、第2排出路に設けられて呼気ガスを分析する分析部32とを有する。【選択図】 図1


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