生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_プラセンタエキスの製造方法
出願番号:2013166591
年次:2015
IPC分類:C12P 1/00,C12M 1/02


特許情報キャッシュ

大島 龍 武宮 絵里 JP 2015033364 公開特許公報(A) 20150219 2013166591 20130809 プラセンタエキスの製造方法 大島 龍 513203314 武宮 絵里 513203325 神崎 真一郎 100082108 神崎 真 100156199 大島 龍 武宮 絵里 C12P 1/00 20060101AFI20150123BHJP C12M 1/02 20060101ALN20150123BHJP JPC12P1/00 AC12M1/02 A 4 1 OL 7 4B029 4B064 4B029AA15 4B029AA27 4B029BB20 4B029DG10 4B064AG01 4B064BJ12 4B064CA21 4B064CB01 4B064CC30 4B064CD25 4B064CE08 4B064CE20 4B064DA01 4B064DA10 本発明はプラセンタエキスの製造方法に関し、詳しくは酵素分解を用いたプラセンタエキスの製造方法に関する。 従来、化粧品等の材料としてプラセンタエキスが使用されており、このプラセンタエキスは馬や豚などの胎盤(プラセンタ)から抽出されている。 このようなプラセンタエキスの製造方法として、塩酸による加水分解を用いた方法(特許文献1)や、酵素によるタンパク分解を行う酵素分解を用いた方法(特許文献2)が知られている。特開2004−97033号公報特開2013−48564号公報 しかしながら、特に特許文献2における酵素分解を用いたプラセンタエキスの製造方法においては、上記酵素分解を行う際に、胎盤に水を混合する作業が行われており、このため上記製造方法によって得られたプラセンタエキスには水分が含まれることから、高濃度のプラセンタエキスを得ることができないという問題があった。 このような問題に鑑み、本発明は高濃度のプラセンタエキスを得ることが可能なプラセンタエキスの製造方法を提供するものである。 すなわち本発明にかかるプラセンタエキスの製造方法は、胎盤を酵素分解することによりプラセンタエキスを抽出するプラセンタエキスの製造方法において、 処理前胎盤に酵素を加えて酵素分解を行う酵素分解工程と、当該酵素分解工程で得られた処理後胎盤を高速で衝突させてプラセンタ粒子を微粒化して微細プラセンタを抽出するプラセンタ微細化抽出工程と、上記微細プラセンタからプラセンタエキスをろ過するろ過工程とを有することを特徴としている。 上記発明によれば、プラセンタ微細化抽出工程によってプラセンタ粒子を微粒化するため、酵素分解工程での水の使用量を抑えることができ、非常に高濃度のプラセンタエキスを得ることが可能となっている。本発明にかかるプラセンタエキスの製造方法を説明する図。微細化工程で使用する高圧抽出装置を説明する図。 以下、本実施例について説明すると、図1は本発明にかかるプラセンタエキスPの製造方法を説明する図であり、馬や豚から取り出した胎盤、すなわち処理前胎盤Paから、液状のプラセンタエキスPを抽出する工程を示したものとなっている。 ここで、プラセンタとは胎盤の意味であるが、以下の説明においては原材料としてのプラセンタを胎盤と表記し、抽出後のものをプラセンタと表記するものとする。 本実施例におけるプラセンタエキスPの製造方法は、処理前胎盤Paを酵素分解する酵素分解工程Aと、当該酵素分解工程Aで得られた処理後胎盤Pbを微細化して微細プラセンタPcを抽出するプラセンタ微細化抽出工程Bと、当該プラセンタ微細化抽出工程Bで得られた微細プラセンタPcをろ過するろ過工程Cと、上記ろ過工程Cで得られたプラセンタエキスPを袋状容器に充填する充填工程Dと、上記プラセンタエキスPの充填された袋状容器を高圧下で所定時間保持する高圧処理工程Eとから構成されている。 上記酵素分解工程Aでは従来公知の酵素分解釜1を使用することができ、馬や豚から採取して洗浄等を行った胎盤、すなわち処理前胎盤Paを、上記酵素分解釜1に投入し、これに酵素を加えてタンパク質を分解するものである。 本実施例のプラセンタエキスPの製造方法では、この酵素分解工程Aにおいて上記処理前胎盤Paに水を加えず、当該処理前胎盤Pa自体が有する水分のみを利用するようになっている。 上記酵素分解釜1において45℃〜55℃の温度で段階的に加熱しながら7時間ほど撹拌すると、上記酵素が処理前胎盤Paのタンパク質を分解し、これにより数種類のアミノ酸が抽出されて処理後胎盤Pbを得ることができる。 この酵素分解工程Aにおいて、上記酵素分解釜1に振動発生手段1aを装着し、酵素分解中の処理前胎盤Paに振動エネルギーを加えることで、処理前胎盤Paから効率良く処理後胎盤Pbを得ることができる。 具体的には、上記振動エネルギーを加えない場合に比較して、酵素の働きを活発にすることができ、加熱時間を短縮できるとともに残渣を少なくすることができ、また加熱時間の短縮に伴ってプラセンタ独特の臭いを低減することができる。 そして、この酵素分解工程Aにより得られた処理後胎盤Pbは、当該工程において水を加えていないため粘度が高く、また成分中のプラセンタ粒子が大きいことから、直ちにろ過工程においてろ過するのが困難となっている。 上記プラセンタ微細化抽出工程Bでは図2に示す超高圧抽出装置2を使用し、当該超高圧抽出装置2は、上記処理後胎盤Pbを供給する供給タンク3と、供給タンク3に接続された供給通路4と、当該供給通路4に設けられて上記供給タンク3からの処理後胎盤Pbを送液する供給ポンプ5と、上記供給通路4の先端から2股に分岐した分岐通路6と、各分岐通路6に設けられて流通する処理後胎盤Pbを下流側に向けて加圧する加圧手段7と、上記分岐通路6の先端に接続された高圧チャンバー8と、上記高圧チャンバー8に接続されて当該高圧チャンバー8内で微細化された微細プラセンタPcを抽出回収する回収タンク9とを備えている。 上記供給タンク3には上記酵素分解工程Aが終了した処理後胎盤Pbが収容され、この処理後胎盤Pbは上記供給ポンプ5によって上記供給通路4を介して分岐通路6に供給される。 上記加圧手段7は、上記分岐通路6のそれぞれに設けられており、当該分岐通路6を流通する処理後胎盤Pbに対して例えば245MPaの高圧を付与して、これにより分岐通路6の処理後胎盤Pbを上記高圧チャンバー8に向けて加速させるようになっている。 上記高圧チャンバー8は、中央に形成された筒状の衝突室8aと、当該衝突室8aの両側に対向するように設けられて上記分岐通路6がそれぞれ接続された筒状の投入室8bとから構成されている。 上記衝突室8aと投入室8bとの間には、上記衝突室8aおよび投入室8bよりも小径に形成された連通口8cが形成され、この連通口8cに隣接する部分には当該連通口8cに向けて縮径するテーパ部8dが形成されている。 上記加圧手段7が圧縮した処理後胎盤Pbは、投入室8bの内部に供給されると、上記連通口8cを介して衝突室8aの内部へと流入し、その際上記テーパ部8dによって連通口8cへと集中するため、上記衝突室8aの内部で相対速度約マッハ4という高速で衝突させることができる。 その結果、処理後胎盤Pbが衝突室8aの内部で高速で衝突すると、その衝撃によって粒子の大きな上記処理後胎盤Pbに含まれるプラセンタ粒子を微細プラセンタPcへと微粒化し、これを上記衝突室8aの側面に接続された回収通路10を介して上記回収タンク9に回収する。 このプラセンタ微細化抽出工程Bを行うことで、上記酵素分解工程Aによって得られた処理後胎盤Pb中の大きなプラセンタ粒子を、下記ろ過工程Cにおいてろ過が可能な程度に微粒化して抽出することができる。 またこのプラセンタ微細化抽出工程Bにより、液状の微細プラセンタPcの粘度が低くなり、またプラセンタ独特の臭いの発生も低減できることが確認できた。 上記ろ過工程Cでは従来公知のろ過装置11を用い、本実施例では0.22μmのフィルターを用いて上記液状の微細プラセンタPcをろ過し、上記微細プラセンタPcに含まれる不純物等を取り除いてプラセンタエキスPを得るようになっている。 このプラセンタエキスPは、上述したように上記酵素分解工程Aにおいて水を使用していないことから、原料としての処理前胎盤Paの成分を高濃度に含んでおり、処理前胎盤Paに水を加えていた従来の製造方法に対し、より高濃度のプラセンタエキスPを得ることができる。 充填工程Dでは従来公知の充填装置12を用い、上記液状のプラセンタエキスPを、袋状容器としてのいわゆるパウチ容器13に充填するようになっている。 本実施例では、プラセンタエキスPに保存料等の添加物を加えておらず、劣化防止のため、各パウチ容器13の容量を少量として、プラセンタエキスPを少量ずつ個別包装することが望ましい。 上記高圧処理工程Eでは従来公知の超高圧釜14を用い、この超高圧釜14に上記パウチ容器13ごと上記プラセンタエキスPを収容し、その状態で100MPaの圧力で約24時間程度保持する。 このような高圧環境下に上記パウチ容器13に充填されたプラセンタエキスPを収容すると、プラセンタエキスPに含有される成分の分子密度が高くなり、例えばプラセンタエキスPに圧力をかけないで3年間熟成した場合と同等の品質を有したプラセンタエキスPを得ることができる。 また、高圧環境下で保持することで、プラセンタエキスP内の微生物の殺菌ができ、プラセンタエキスPの劣化を防止し、保存料や防腐剤がなくとも長期間の保存を可能とする。 さらに、高圧環境下で保持することによりプラセンタエキスPに含有される成分の粒子を微小化させ、その後超高圧釜14からパウチ容器13を取り出して高圧環境を解除すると、この粒子は時間の経過と共に元の大きさに戻る性質を有している。 このような性質を利用すると、プラセンタエキスPを化粧品に使用した場合に、肌触りや使用感などが良好となるという効果を確認することができた。 上記プラセンタエキスPの製造方法によれば、上記酵素分解工程Aにおいて水を使用しないため、プラセンタエキスPの成分表示において、従来は原料としてプラセンタとともに水を記載しなければならなかったところ、本製造方法を用いることにより成分表示の原料から水を記載する必要がなくなった。 また上記製造方法では、プラセンタエキスPをパウチ容器13に充填した状態で上記高圧処理工程Eを行うことにより、パウチ容器13に充填した状態でプラセンタエキスPの殺菌を行うことができ、プラセンタエキスPに防腐剤等を添加する必要がない。 なお上記製造方法において、上記ろ過工程Cで得られた液状のプラセンタエキスPを、上記パウチ容器13に充填せず、これをフリーズドライなどの手段によって粉末化してもよい。 1 酵素分解釜 2 超高圧抽出装置 8 高圧チャンバー 8a 衝突室 8b 投入室 8c 連通口 8d テーパ部 11 ろ過装置 12 充填装置 13 パウチ容器 14 超高圧釜 A 酵素分解工程 B プラセンタ微細化抽出工程 C ろ過工程 D 充填工程 E 高圧処理工程 P プラセンタエキス Pa 処理前胎盤 Pb 処理後胎盤 Pc 微細プラセンタ 胎盤を酵素分解することによりプラセンタエキスを抽出するプラセンタエキスの製造方法において、 処理前胎盤に酵素を加えて酵素分解を行う酵素分解工程と、当該酵素分解工程で得られた処理後胎盤を高速で衝突させてプラセンタ粒子を微粒化して微細プラセンタを抽出するプラセンタ微細化抽出工程と、上記微細プラセンタをろ過してプラセンタエキスを得るろ過工程とを有することを特徴とするプラセンタエキスの製造方法。 上記酵素分解工程において、上記処理前胎盤に水を加えないことを特徴とする請求項1に記載のプラセンタエキスの製造方法。 上記プラセンタ微細化抽出工程では、中央に形成された衝突室および当該衝突室の両側に対向するように形成された投入室を有する高圧チャンバーと、当該高圧チャンバーの投入室に上記処理後胎盤を高圧にして供給する加圧手段とを備えた超高圧抽出装置を用い、 上記衝突室と投入室との間に、小径の連通口および当該連通口に向けて縮径するテーパ部を形成して、上記加圧手段が圧縮した処理後胎盤を上記テーパ部によって連通口に集中させて加速し、 上記衝突室の内部に高速で流入した処理後胎盤が上記衝突室において衝突して微粒化されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のプラセンタエキスの製造方法。 上記ろ過工程で得られたプラセンタエキスを、袋状容器に密閉する充填工程と、上記プラセンタエキスの充填された袋状容器を高圧下で所定時間保持する高圧処理工程とを有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプラセンタエキスの製造方法。 【課題】馬や豚等の胎盤より抽出する高濃度のプラセンタエキスの製造方法。【解決手段】処理前胎盤Paに酵素を加えて酵素分解を行う酵素分解工程Aと、当該酵素分解工程Aで得られた処理後胎盤Pbを高速で衝突させて微細化して微細プラセンタPcを抽出するプラセンタ微細化抽出工程Bと、当該プラセンタ微細化抽出工程Bで得られた微細プラセンタPcをろ過するろ過工程Cとを有し、さらに、上記ろ過工程Cで得られたプラセンタエキスPを、パウチ容器13(袋状容器)に密閉する充填工程Dと、上記プラセンタエキスPの充填されたパウチ容器13を高圧下で所定時間保持する高圧処理工程とを有している。【選択図】図1


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