タイトル: | 公開特許公報(A)_乳化剤形の日焼け止め化粧料 |
出願番号: | 2013163800 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 8/35,A61K 8/04,A61K 8/36,A61Q 17/04 |
七原 加奈 JP 2015030723 公開特許公報(A) 20150216 2013163800 20130807 乳化剤形の日焼け止め化粧料 ポーラ化成工業株式会社 000113470 七原 加奈 A61K 8/35 20060101AFI20150120BHJP A61K 8/04 20060101ALI20150120BHJP A61K 8/36 20060101ALI20150120BHJP A61Q 17/04 20060101ALI20150120BHJP JPA61K8/35A61K8/04A61K8/36A61Q17/04 4 OL 9 4C083 4C083AB242 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC212 4C083AC241 4C083AC242 4C083AC261 4C083AC262 4C083AC341 4C083AC342 4C083AC422 4C083AC482 4C083AC691 4C083AC692 4C083AC782 4C083AC851 4C083AC852 4C083AD161 4C083AD162 4C083AD352 4C083BB46 4C083CC19 4C083DD33 4C083EE01 4C083EE06 4C083EE07 4C083EE17 4C083FF05 本発明は高い紫外線防御効果及び伸びの良さ、さっぱり感等の使用感に優れる、乳化剤形の日焼け止め化粧料に関する。 日焼け止め化粧料は、紫外線から肌を防御する効果に優れることはもちろんとして、使用感に優れることも必要とされている。特に、日焼け止め化粧料は夏に多用されることから、肌への塗布時に延展性に優れるすなわち、伸びが良いこと、使用時にさっぱりとした感触を有するなど、いわゆる、優れた使用感も要求される。 このような要求に応えるため、乳化剤形である日焼け止め化粧料が多用されている。しかしながら、紫外線防御効果を担ういわゆる紫外線吸収剤は極性の高い油剤であり、乳化状態に影響を及ぼすことから、乳化剤形の日焼け止め化粧料には、長期の保存により、良好な乳化状態が維持できず、ひいては、紫外線防御効果が低下する場合があるという課題を有していた。 これらの課題を解決するために、乳化剤としてポリエーテル変性シリコーンを用いて乳化を行う技術(例えば、特許文献1参照)、高級脂肪酸石けんを用いて乳化を行う技術(例えば特許文献2参照)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を乳化剤形に含有させる技術(例えば。特許文献3参照)、有機変性粘土鉱物により乳化を行う技術(例えば、特許文献4参照)、ポリグリセリンエステルを乳化剤として用いる技術(例えば、特許文献5参照)等の試みがなされているが、これらの技術には、紫外線防御効果を高めるために、紫外線吸収剤を高配合した乳化剤形の日焼け止め化粧料において、長期保存化の安定性を充分に維持できないという課題があった。すなわち、高い紫外線防御効果を有し、長期の保存でも安定で、高い紫外線防御効果を維持する乳化剤形の日焼け止め化粧料の開発が望まれていた。 一方、紫外線吸収剤が高配合された乳化剤形の日焼け止め化粧料において、遊離の脂肪酸を配合することで、長期の保存においても、乳化の安定性が維持され、ひいては高い紫外線防御効果が維持されることは知られていなかった。特開2000−04429号公報特開平7−101847号公報特開平7−089834号公報特開平8−217618号公報特開平7−284645号公報 本発明は、高い紫外線防御効果を有し、長期の保存によってもその効果が維持される、乳化剤形の日焼け止め化粧料を提供することを課題とする。 前述した、従来技術の課題を鑑み、発明者等は高い紫外線防御効果を有し、長期の保存によってもその効果が維持される、乳化剤形の日焼け止め化粧料を求めて鋭意研究した結果、紫外線吸収剤を一定量以上含有し、かつ、遊離の脂肪酸を含有する乳化剤形の日焼け止め化粧料が課題を解決することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下に示すとおりである。(1)下記成分A及びBを含有することを特徴とする乳化剤形の日焼け止め化粧料A)炭素数14から24の遊離の脂肪酸B)紫外線吸収剤9.0〜15.0質量(2)遊離の脂肪酸を0.7〜5.0質量%含有することを特徴とする(1)記載の乳化剤形の日焼け止め化粧料(3)遊離の脂肪酸が1気圧25℃で固体であることを特徴とする(1)又は(2)記載の乳化剤形の日焼け止め化粧料。(4)さらにフェニル基を有するシリコーンを含有することを特徴とする(1)〜(3)、いずれかに記載の乳化剤形の日焼け止め化粧料本発明によれば、高い紫外線防御効果を有し、長期の保存によってもその効果が維持される、乳化剤形の日焼け止め化粧料を提供することができる。 以下、本発明を詳細に説明する。<1> 本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料の必須成分である紫外線吸収剤本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料はその必須成分として、紫外線吸収剤を含有する。本発明での紫外線吸収剤とはA領域の波長の紫外線及び/又はB領域の紫外線を吸収する化合物であり、A領域の紫外線を吸収する紫外線吸収剤としては、具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、ビス(レスルシニル)トリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシベンゾイルメタン等の化合物があげられる。この内でも、紫外線吸収能に優れることから、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシベンゾイルメタンが特に好ましい。これらの化合物には市販品が存在するので、市販品をそのまま用いることができる。具体的な市販品としては「ユビナールAプラス グラニュラー」(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル BASF社製)、「パルソール1789」(t−ブチルメトキシベンゾイルメタン DSM社製)が例示できる。また、B領域の紫外線を吸収する紫外線吸収剤としては、具体的には、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル、ジメチコジエチルベンザルマロネート、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2´−エチルヘキシル−1´−オキシ)−1,3,5−トリアジン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル等の化合物があげられる。これらの化合物には市販品が存在するので、市販品をそのまま用いることができる。具体的な市販品としては、「ユビナールMC80」(パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル BASF社製)、「ユビナールT150」(2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2´−エチルヘキシル−1´−オキシ)−1,3,5−トリアジン BASF社製)、「ユビナールM40」(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン BASF社製)、「パルソールSLX」(ジメチコジエチルベンザルマロネート DSM社製)、「パルソール340」(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル DSM社製)、「パルソールHMS」(サリチル酸ホモメンチル DSM社製)、「パルソールEMS」(サリチル酸オクチル DSM社製)が例示できる。これらの紫外線吸収剤の含有量は化粧料全量に対して9.0〜15.0質量%であり、好ましくは10.0〜12.0質量%である。含有量が下限値以下は紫外線防御効果が不充分な場合があり好ましくない。また、上限値以上では、効果が頭打ちになるとともに、化粧料を肌に塗布した場合に、肌上での延展性、いわゆる、伸びが悪くなる場合があり好ましくない。<2>本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料の必須成分である遊離の脂肪酸本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料その必須成分として、炭素数14〜24の遊離の脂肪酸を含有する。このような脂肪酸としては、具体的に、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等が例示されるが、長期保存における乳化状態の維持効果に優れることから、1気圧25℃で固体である、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸が好ましく、ステアリン酸、ベヘニン酸が特に好ましい。これら炭素数14〜24の遊離の脂肪酸の含有量は化粧料全量に対して0.7〜5.0質量%であり、好ましくは0.9〜3.0質量%である。下限値以下では乳化状態の維持効果が充分に発揮されない場合があり好ましくない。また、上限値以上では、化粧料を肌に塗布した場合、べたつきを生じるなどの使用感の低下を招く場合があり好ましくない。<3>本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料 本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料は、必須成分とし9.0〜15.0質量%の紫外線吸収剤及び0.7〜5.0質量%の遊離の脂肪酸を含有する。さらに、本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料に於いては、肌への塗布時のさっぱり感を向上させる目的で、フェニル基を有するシリコーンを含有することができる。このようなシリコーンとしては、具体的には、モノフェニルジメチコン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン等が好適に例示される。これらのシリコーンは定法により調製することが可能であるが、市販品も多く存在するので、これら市販品を入手して使用することも可能である。市販品としては、「シリコーンKF54」(信越化学株式会社製)、「シリコーンKF56」(信越化学株式会社製)、「BELSEL PDM 1000」(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)等が例示される。 本発明においてフェニル基を有するシリコーンを含有させる場合、その含有量は、化粧料全量に対して、1.0〜15.0質量%が好ましく、2.0〜12.0質量%であることがより好ましい。下限値以下では良好な使用感が得られない場合があり好ましくない。また、上限値以上では、乳化状態の維持に悪影響を及ぼす場合があり好ましくない。また、本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料には上記必須成分以外に通常化粧料で使用される任意成分を発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。かかる任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面処理されていても良い、酸化コバルト、群青、紺青、酸化亜鉛の無機顔料類、表面処理されていても良い、酸化鉄二酸化チタン焼結体等の複合顔料、表面処理されていても良い、平均一次粒径が100μm以下の微粒子二酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、表面処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが例示できる。これら、任意成分の中では、紫外線防御効果の向上に貢献することから、表面処理されていても良い、平均一次粒径が100μm以下の微粒子二酸化チタン、微粒子酸化亜鉛がとくに好ましい。 本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料は、上記必須成分と任意成分を定法により処理することにより調製することができる。 また、本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料の乳化形態としてはみずみずしい感触に優れることから、O/Wタイプであることが好ましい。 以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明が実施例のみに限定されないことは言うまでもない。<実施例1〜7、比較例1〜3>表1に示す処方に従って、本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料及び比較例の乳化剤形の日焼け止め化粧料を調製した。すなわち、成分(ロ)を75℃に加熱し、攪拌混合した。次に、成分(ロ)に成分(ハ)を添加し、加熱を続けながら、ディスパーを用いて5000rpmで4分間攪拌し、成分(ロ)に成分(ハ)を均一に分散させた。さらに、成分(イ)を75℃に加熱、攪拌混合し、75℃を保ちながら、成分(ロ)と成分(ハ)の混合物に成分(イ)を攪拌下、添加し乳化を行った。その後、室温まで冷却し、乳化剤形の日焼け止め化粧料を得た。なお表1中の数字は質量%を表す。* 1)「チノソーブM」(Ciba社製)* 2)「パルソール1789」(DSM社製)* 3)「ユビナールAプラス グラニュラー」(BASF社製)* 4)「ユビナールMC80」(BASF社製)* 5)「パルソールSLX」(DSM社製)<試験例1>SPF値の測定ISO24444の方法により実施例1〜7、比較例1〜3の日焼け止め化粧料を塗布した場合のSPF値を測定した。結果を表2に示す。<試験例2>PFA値の測定JCIA1995PFAの試験方法により実施例1〜7、比較例1〜3の日焼け止め化粧料を塗布した場合のPFA値を評価した。結果を表2に示す。<保存安定性の評価>実施例1〜7、比較例1〜3の日焼け止め化粧料を50℃で3ヶ月保存した後、外観の変化を肉眼にて観察した。併せて、試験例1及び2の方法でSPF値及びPFA値を測定した。保存後の測定値の保存前の塗布直後の測定値対する割合、すなわち、維持率を算出した。維持率が100%に近いほど、保存により紫外線防御効果が低下していないことを意味する。結果を表2に示す。表2から明らかように、本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料がA領域、B領域の紫外線対する防御効果に優れ、長期の保存によってもその効果が維持される。また、A領域の紫外線吸収剤としては、より高い効果が得られることから、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシベンゾイルメタンがより好ましいこともわかる。<実施例8〜12>表3に示す処方に従って、本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料を調製した。すなわち、成分(ロ)を75℃に加熱し、攪拌混合した。次に、成分(ロ)に成分(ハ)を添加し、加熱を続けながら、ディスパーを用いて5000rpmで4分間攪拌し、成分(ロ)に成分(ハ)を均一に分散させた。さらに、成分(イ)を75℃に加熱、攪拌混合し、75℃を保ちながら、成分(ロ)と成分(ハ)の混合物に成分(イ)を攪拌下、添加し乳化を行った。その後、室温まで冷却し、乳化剤形の日焼け止め化粧料を得た。なお表3中の数字は質量%を表す。得られた日焼け止め化粧料に関して、試験例1及び2にしたがってSPF値、PFA値を求め、試験例3にしたがって保存安定性を評価した。また、下記、試験例4にしたがって、使用感を評価した。評価した。結果を表4に示す。* 1)「シリコーンKF56」(信越化学株式会社製)* 2)「シリコーンKF54」(信越化学株式会社製)* 3)「ユビナールAプラス グラニュラー」(BASF社製)* 4)ユビナールMC80」(BASF社製)<試験例4>熟練評価者5名により実施例8〜12の日焼け止め化粧料を塗布した場合の使用感についての官能評価を行った。さっぱり感を以下の評価基準に基づき評価した。評価では、5名の平均値を求めその日焼け止め化粧料の評点とした。さっぱり感が実施例8と比較して:かなりある 5点、ややある 4点同等 3点、ややない 2点、かなりない 1点 表4より明らかなように、油剤としてフェニル基を有するシリコーンを用いることにより、本発明の乳化剤形の日焼け止め化粧料は、使用時のさっぱり感が著しく向上する。 本発明は日焼け止め化粧料として利用できる。下記成分A及びBを含有することを特徴とする乳化剤形の日焼け止め化粧料。A)炭素数14から24の遊離の脂肪酸B)紫外線吸収剤9.0〜15.0質量%遊離の脂肪酸を0.7〜5.0質量%含有することを特徴とする請求項1記載の乳化剤形の日焼け止め化粧料。遊離の脂肪酸が1気圧25℃で固体であることを特徴とする請求項1又は2記載の乳化剤形の日焼け止め化粧料。さらにフェニル基を有するシリコーンを含有することを特徴とする請求項1〜3、いずれかに1項に記載の乳化剤形の日焼け止め化粧料。 【課題】本発明は、高い紫外線防御効果を有し、長期の保存によってもその効果が維持される、乳化剤形の日焼け止め化粧料を提供することを課題とする。【解決手段】下記成分A)及びB)を含有することを特徴とする乳化剤形の日焼け止め化粧料によって解決される。A)炭素数14から24の遊離の脂肪酸B)紫外線吸収剤9.0〜15.0質量%また、遊離の脂肪酸の含有量は0.7〜5質量%であることが好ましく、遊離の脂肪酸は、1気圧25℃で固体であることが好ましい。【選択図】なし。