タイトル: | 公開特許公報(A)_セラミド分散組成物 |
出願番号: | 2013161737 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 8/68,A61K 8/34,A61Q 5/00 |
北岡 弘行 森 幹永 荒河 純 JP 2015030705 公開特許公報(A) 20150216 2013161737 20130802 セラミド分散組成物 富士フイルム株式会社 306037311 中島 淳 100079049 加藤 和詳 100084995 福田 浩志 100099025 北岡 弘行 森 幹永 荒河 純 A61K 8/68 20060101AFI20150120BHJP A61K 8/34 20060101ALI20150120BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20150120BHJP JPA61K8/68A61K8/34A61Q5/00 12 OL 24 4C083 4C083AA032 4C083AA112 4C083AA122 4C083AB232 4C083AB242 4C083AB362 4C083AB432 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC111 4C083AC121 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC252 4C083AC302 4C083AC312 4C083AC352 4C083AC421 4C083AC422 4C083AC432 4C083AC442 4C083AC482 4C083AC532 4C083AC581 4C083AC582 4C083AC641 4C083AC642 4C083AC662 4C083AC691 4C083AC692 4C083AC712 4C083AC852 4C083AD042 4C083AD092 4C083AD162 4C083AD172 4C083AD222 4C083AD432 4C083AD532 4C083AD572 4C083AD622 4C083AD642 4C083AD662 4C083BB04 4C083BB06 4C083BB07 4C083CC31 4C083DD23 4C083DD27 4C083EE01 本発明は、セラミド分散組成物に関する。 セラミドは、皮膚の角質層に存在し、水分保持に必要な脂質バリアを構築し、水分を維持していくために重要な役割を果たしている。角質層にあるセラミドは、セレブロシドが、セレブロシダーゼという酵素により分解して生成したものである。人間の皮膚には、6種類の異なったタイプのセラミドが存在し、機能もそれぞれ異なっている。セラミドの機能の発現を期待して、セラミドを配合した種々の製品の開発が行われている。 しかしながら、セラミドは結晶性の高い物質であり、油剤への溶解性が低く、低温で結晶を析出する等の理由のため、安定性よく配合することが困難であった。 セラミドを、微細な粒径を有する分散粒子として安定に配合する技術として、特定の脂肪酸、特定の界面活性剤又はリン脂質等をセラミドと共に配合することが知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。特開2010−90092号公報国際公開第2009/145299号パンフレット特開2008−69108号公報特開2007−1950号公報 毛髪を構成しているタンパクは酸性であるため、ヘアーコンディショナー、ヘアトリートメント、リンス等は酸性に設計される場合があり、酸性条件下でのセラミドの使用が所望される。また皮膚等への浸透性等を考慮すると、分散粒子の粒径は小さいことが望まれることがある。しかしながら、酸性のpH条件下では、微細な粒子を長期にわたり安定して含むセラミド分散組成物を得ることが困難であることがわかった。 従って本発明は、酸性条件下において、微細な分散粒子を含み且つ優れた経時安定性を有するセラミド分散組成物を提供することにある。 本発明は以下のとおりである。 [1] 天然型セラミドと、多価アルコールと、ノニオン性界面活性剤である第一の界面活性剤と、両性界面活性剤(ただし、リン脂質を除く)及びカチオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種である第二の界面活性剤と、を含有し、pH6.5以下であるセラミド分散組成物。 [2] 第二の界面活性剤が、アミノ酸誘導体、4級アンモニウム塩及びアミドアミン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含む[1]に記載のセラミド分散組成物。 [3] 第二の界面活性剤が、アルギニン誘導体を含む[1]又は[2]に記載のセラミド分散組成物。 [4] 第一の界面活性剤が、脂肪酸ポリグリセリルを含む[1]〜[3]のいずれか1に記載のセラミド分散組成物。 [5] 分散粒子の平均粒径が100nm以下である[1]〜[4]のいずれか1に記載のセラミド分散組成物。 [6] 多価アルコールがグリセリンを含む[1]〜[5]のいずれか1に記載のセラミド分散組成物。 [7] 天然型セラミドがセラミド2を含む[1]〜[6]のいずれか1に記載のセラミド分散組成物。 [8] 第一の界面活性剤の含有量が0.2質量%以上2.5質量%以下である[1]〜[7]のいずれか1に記載のセラミド分散組成物。 [9] 多価アルコールの含有量が2.0質量%以上50.0質量%以下である[1]〜[7]のいずれか1に記載のセラミド分散組成物。 [10] 第二の界面活性剤の含有量が、0.05質量%以上8.0質量%以下である[1]〜[9]のいずれか1に記載のセラミド分散組成物。 [11] 第一の界面活性剤及び第二の界面活性剤の合計の含有量が、0.5質量%以上10.0質量%以下である[1]〜[10]のいずれか1に記載のセラミド分散組成物。 [12] [1]〜[11]のいずれか1に記載のセラミド分散組成物を含む頭髪用化粧料。 本発明によれば、酸性条件下において、微細な分散粒子を含み且つ優れた経時安定性を有するセラミド分散組成物を提供することができる。 本発明のセラミド分散組成物は、天然型セラミドと、多価アルコールと、ノニオン性界面活性剤である第一の界面活性剤と、両性界面活性剤(ただし、リン脂質を除く)及び又はカチオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種である第二の界面活性剤と、を含有し、pH6.5以下あるセラミド分散組成物である。 本発明のセラミド分散組成物は、上記構成とすることにより、酸性条件下において、微細な分散粒子を含み且つ優れた経時安定性を有する。即ち、天然型セラミドを含有するセラミド分散組成物を、多価アルコールと、特定の第一の界面活性剤及び第二の界面活性剤の組み合わせとを含有し、pH6.5以下の酸性条件下の分散組成物とすることにより、酸性条件下において、分散粒子の粒径の経時に伴う肥大化を抑制することができる。両性界面活性剤のうちリン脂質が存在すると、微細な分散粒子が得られず、且つ、分散粒子の肥大抑制効果も充分でない。これについては、酸性域でのリン脂質の疎水性が高く、分散剤としての機能が低いためと推測されるが、本発明はこの推測に限定されない。 本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。 また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。 さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。 本発明において「水相」とは、溶媒の種類にかかわらず「油相」に対する語として使用する。 以下、本発明について説明する。<天然型セラミド> 本発明のセラミド分散組成物は、天然型セラミドを少なくとも含有する。天然型セラミドは、油相(油滴)として水相に分散される分散粒子の形態でセラミド分散組成物中に含まれる。 本発明において、天然型セラミドとは、ヒトの皮膚の角質層に存在するものと同じ構造を有するセラミドのことを意味する。また、天然型セラミドのより好ましい態様は、スフィンゴ糖脂質を包含せず、且つその分子構造中に水酸基を3個以上有する態様である。 これら天然型と称される一般的な構造を有するセラミドは、天然物(抽出物)、微生物発酵法で得られたものであってもよく、合成物、動物由来のものであってもよい。 これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いるが、さらに必要に応じて非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。セラミドの相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの混合物によるものでもよい。 本発明に好適に用いうる天然型セラミドとしては、セラミド1、セラミド9、セラミド4、セラミド2、セラミド3、セラミド5、セラミド6、セラミド7、セラミド8、セラミド3B等を挙げることができる。なかでも、毛髪中セラミドの主成分であることが知られているセラミド2を含むことが好ましい。 このような天然型セラミドは、市販品としても入手可能であり、例えば、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、EVONIK社製)、Ceramide TIC-001(高砂香料社製)、CERAMIDE II(Quest International社製)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社製)、CERAMIDE2(セダーマ社製)等が挙げられる。 天然型セラミドは、1種であっても、2種以上を併用してもよい。 セラミド分散組成物における天然型セラミドとしては、溶解性を付与するために分子内に二重結合を導入すること、浸透性を付与するために疎水基を導入することなど、目的に応じて、修飾を加えたものを用いることもできる。 天然型セラミドの含有量としては、有効成分として高濃度配合すること、および分散安定性の観点からセラミド分散組成物の油相を構成する油相成分の全質量に対して1質量%〜100質量%であることが好ましく、3質量%〜80質量%であることがより好ましく、10質量%〜70質量%であることが更に好ましい。 また、セラミド分散組成物における天然型セラミドの含有量としては、有効成分として高濃度配合すること、および分散安定性の観点からセラミド分散組成物の全質量に対して0.02質量%〜10質量%であることが好ましく、0.1質量%〜5質量%であることがより好ましく、0.2質量%〜4質量%であることが更に好ましい。<多価アルコール> セラミド分散組成物は、多価アルコールを含む。これにより、セラミド分散組成物の分散粒子径をより微細化でき、且つ分散粒子を微細な粒子径の状態のまま長期に亘り安定して保持し得る。 多価アルコールとしては、二価以上のアルコールであれば特に限定されず用いることができる。例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール(1,3−BG)、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、マルチトール、還元水あめ、蔗糖、ラクチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、キシロース、グルコース、ラクトース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、イノシトール、ペンタエリスリトール、マルトトリオース、ソルビタン、トレハロース、澱粉分解糖、澱粉分解糖還元アルコール等が挙げられる。なかでも、多価アルコールとしては、経時安定性の点で、総炭素数が5以下の多価アルコールであることが好ましく、総炭素数3以下の多価アルコールであることがより好ましい。なかでも、経時安定性の観点から、グリセリン、プロパンジオール等であることが好ましく、グリセリンであることがより好ましい。 多価アルコールのセラミド分散組成物全質量に対する含有量は、分散性、経時安定性、の観点から、セラミド分散組成物全質量に対して2.0質量%〜50.0質量%であることが好ましく、5.0質量%〜45.0質量%であることがより好ましく、10.0質量%〜40.0質量%であることが更に好ましい。2.0質量%以上であれば、分散性に優れ微粒化する傾向があり、50.0質量%以下であれば、経時安定性が良好となる傾向がある。<第一の界面活性剤> セラミド分散組成物における第一の界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤である。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸モノグリセリル、有機酸モノグリセリル、脂肪酸ポリグリセリル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。 第一の界面活性剤の含有量は、分散粒子の微細化の観点からセラミド分散組成物の全質量に対して0.2質量%〜2.5質量%であることが好ましく、0.4質量%〜2.0質量%であることがより好ましく、0.7質量%〜1.5質量%であることが更に好ましい。0.4質量%以上であれば、セラミド分散組成物の分散性を向上させ、より微粒化させる傾向があり、2.0質量%以下であれば、経時安定性を向上させる傾向がある。 第一の界面活性剤は、中でも、分散安定性の観点から脂肪酸ポリグリセリルであることが好ましく、特にHLBが10以上16以下の脂肪酸ポリグリセリルであることがより好ましい。HLBが10以上16以下の脂肪酸ポリグリセリルは、油相/水相の界面張力を大きく下げることができ、その結果、分散粒子の粒径を微細化することができる点で好ましい。 ここで、HLBは、通常、界面活性剤の分野で使用される親水性−疎水性のバランスで、通常用いる計算式、例えば川上式等が使用できる。本発明においては、下記の川上式を採用する。 HLB=7+11.7log(Mw/Mo) ここで、Mwは親水基の分子量、Moは疎水基の分子量である。 また、カタログ等に記載されているHLBの数値を使用してもよい。また、上記の式からも分かるように、HLBの加成性を利用して、任意のHLB値の界面活性剤を得ることができる。 好ましい脂肪酸ポリグリセリルとしては、その少なくとも一つが、平均重合度が10のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、又はリノール酸とのエステルであることが特に好ましい。 このような脂肪酸ポリグリセリルの好ましい例としては、オレイン酸ヘキサグリセリル、パルミチン酸ヘキサグリセリル、ミリスチン酸ヘキサグリセリル、ラウリン酸ヘキサグリセリル、リノール酸デカグリセリル、オレイン酸デカグリセリル、ステアリン酸デカグリセリル、パルミチン酸デカグリセリル、ミリスチン酸デカグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル等が挙げられる。これらのHLBはいずれも10以上16以下である。 これらの中でも、より好ましくは、モノリノール酸デカグリセリル(HLB=12)、モノオレイン酸デカグリセリル(HLB=12)、モノステアリン酸デカグリセリル(HLB=12)、モノパルミチン酸デカグリセリル(HLB=13)、モノミリスチン酸デカグリセリル(HLB=14)、モノラウリン酸デカグリセリル(HLB=16)などである。これらの脂肪酸ポリグリセリルを、単独又は2種以上用いることができる。 本発明における第一の界面活性剤としては、HLBが10以上16以下の脂肪酸ポリグリセリルから選択される1種と、それとは分子構造の異なるHLBが5以上15以下の脂肪酸ポリグリセリルから選択される1種以上とを組み合わせてもよい。なお、HLBが5以上15以下の脂肪酸ポリグリセリルとしては、上述した脂肪酸ポリグリセリルに包含される脂肪酸ポリグリセリルあってもよいし、それ以外の脂肪酸ポリグリセリルであってもよい。<第二の界面活性剤> セラミド分散組成物における第二の界面活性剤は、両性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種である。ただし、第二の界面活性剤における両性界面活性剤に、リン脂質は含まれない。リン脂質を除く両性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種を、第一の界面活性剤であるノニオン性界面活性剤と組み合わせることにより、多価アルコールと共に、天然型セラミドを含有する分散粒子の粒径を微細に維持し得る。第二の界面活性剤における両性界面活性剤としてリン脂質を用いた場合には、第一の界面活性剤と組み合わせても、このような効果は得られない。 第二の界面活性剤としては、両性界面活性剤のみの形態、カチオン性界面活性剤のみの形態、両性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤の組み合わせである形態のいずれであってもよい。これらの形態において、両性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤はそれぞれ1種単独であってもよく、2種以上を組み合わせたものであってよい。両性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との組み合わせの形態の場合には、1種の両性界面活性剤と1種のカチオン性界面活性剤との組み合わせ、1種の両性界面活性剤と2種以上のカチオン性界面活性剤の組み合わせ、2種以上の両性界面活性剤と1種のカチオン性界面活性剤の組み合わせ、並びに、2種以上の両性界面活性剤と2種以上のカチオン性界面活性剤の組み合わせが含まれる。 第二の界面活性剤としての両性界面活性剤には、例えば、アミノ酸型、ベタイン型、硫酸エステル塩型、スルホン酸型が挙げられ、アミノ酸型及びベタイン型が分散粒子の微細化と経時安定性の点で好ましい。アミノ酸型及びベタイン型の両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキシド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン誘導体;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ココアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ココベタイン、オレイルベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、スルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン誘導体;アルキルオキシヒドロキシプロピルアミノ酸塩のアミノ酸誘導体が挙げられる。 第二の界面活性剤としてのカチオン性界面活性剤には、例えば、第4級アンモニウム塩型、アミン塩型、ピリジニウム塩型等が挙げられ、例えば、ベヘントリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、ラウリルトリモニウムクロリド等のアルキルトリメチルアンモニウムクロリド;ステアリルトリモニウムブロミド等のアルキルトリメチルアンモニウムブロミド;ジステアリルジモニウムクロリド、ジココジモニウムクロリド等のジアルキルジメチルアンモニウムクロリド;ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン等の脂肪酸アミドアミン及びその塩;ステアロキシプロピルジメチルアミン等のアルキルエーテルアミン及びその塩又は四級塩;エチル硫酸長鎖分岐脂肪酸(12〜31)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等の脂肪酸アミド型四級アンモニウム塩;ポリオキシエチレンアルキルアミン及びその塩又は四級塩;アルキルアミン塩;脂肪酸アミドグアニジウム塩;アルキルエーテルアミンモニウム塩;アルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩;ベンザルコニウム塩;ベンゼトニウム塩;塩化セチルピリジニウム等のピリジニウム塩;イミダゾリニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、カチオン変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性及びポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系陽イオン性界面活性剤が挙げられる。 第二の界面活性剤としては、分散粒子の経時安定性の点で、アミノ酸誘導体;アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩;脂肪酸アミドアミン及びその塩であるアミドアミン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、分散粒子の微細性及び経時安定性の点でアミノ酸誘導体が好ましい。 好ましい第二の界面活性剤であるアミノ酸誘導体としては、アルキルオキシヒドロキシプロピルアミノ酸塩が挙げられる。アルキルオキシヒドロキシプロピルアミノ酸塩におけるアミノ酸としては、アルギニン、アラニン、ロイシン等が挙げられる。アルキルオキシヒドロキシプロピルアミノ酸塩におけるアルキル基としては、炭素数6〜22のアルキル基が挙げられ、分散粒子の微細化と経時安定性の点で好ましいアルキル基としては、炭素数8〜18のアルキル基が挙げられる。第二の界面活性剤であるアミノ酸誘導体としては、アルギニン誘導体であることが好ましく、具体的には、アルキルオキシヒドロキシプロピルアルギニン塩、例えば、N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩が挙げられる。 第二の界面活性剤の含有量は、分散粒子の微細化と経時安定性の観点からセラミド分散組成物の全質量に対して0.05質量%〜8.0質量%であることが好ましく、0.1質量%〜5.0質量%であることがより好ましく、0.2質量%〜3.0質量%であることが更に好ましい。0.05質量%以上であれば、分散粒子が微細化する傾向があり、8.0質量%以下であれば、経時安定性が良好となる傾向がある。 また、第一の界面活性剤と第二の界面活性剤の合計の含有量は、分散粒子の微細化と経時安定性の観点から、0.5質量%〜10.0質量%であることが好ましく、0.7質量%〜8.0質量%であることがより好ましく、1.0質量%〜5.0質量%であることが更に好ましい。0.5質量%以上であれば、分散粒子が微細化する傾向があり、10.0質量%以下であれば、経時安定性が良好となる傾向がある。 第二の界面活性剤となり得る両性界面活性剤から除外されるリン脂質とは、グリセリン骨格と脂肪酸残基及びリン酸残基を必須構成成分とし、これに、塩基又は多価アルコール等が結合した物質である。リン脂質の具体例としては、例えば、大豆、トウモロコシ、落花生、ナタネ、麦等の植物、卵黄、牛等の動物及び大腸菌等の微生物などに由来する各種レシチン;水素添加レシチン、酵素分解レシチン、酵素分解水素添加レシチン及びヒドロキシレシチン;ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルメチルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ビスホスファチジン酸、ジホスファチジルグリセリン(カルジオリピン)、スフィンゴミエリンなどが挙げられる。<その他の成分> セラミド分散組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上述した成分に加えて、乳化組成物又は分散組成物に通常添加され得るその他の成分を含有することができる。その他の成分は、セラミド分散組成物の水相組成物又は油相組成物として配合することができる。セラミド分散組成物の用途に応じて、例えば、種々の薬効成分、防腐剤、着色剤など、通常、その用途で使用される他の添加物を併用することができる。 そのような他の添加物としては、例えば、メントール、カンファー等の清涼剤の他、植物エキス、pH緩衝剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、防腐剤、香料、殺菌剤、色素等が挙げられる。 pH調整剤としては、有機酸、有機塩基、無機酸、無機塩基またはこれらの塩が挙げられる。有機酸又は塩基、無機酸又は無機塩基として具体的には、クエン酸、アスコルビン酸、グリコール酸、酒石酸、コハク酸、酢酸又はフタル酸、トリフルオロ酢酸、モルホリノエタンスルホン酸、2−(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル)エタンスルホン酸のような有機酸とその塩;トリス(ヒドロキシメチル)、アミノメタン、アンモニアのような有機塩基とその塩:塩酸、過塩素酸、炭酸、燐酸のような無機酸とその塩:燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムのような無機塩基とその塩;燐酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのような無機水素塩を挙げることができる。<pH> セラミド分散組成物のpHは6.5以下である。例えば、セラミド分散組成物をヘアーコンディショナーなどの毛髪化粧料化粧料として使用する場合、セラミド分散組成物のpHは5.5以下であることがより好ましく、4.5以下であることが更に好ましい。また、皮膚刺激性の観点から、セラミド分散組成物のpHは、1.0以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましく、3.0以上であることが更に好ましい。<粒径> 本発明において、セラミド分散組成物中に含まれる分散粒子(セラミド含有粒子)は、微細、例えば1μm未満であればよく、例えば、分散粒子の平均粒径は、長期経時における沈降抑制、セラミド含有粒子の生体の表皮又は毛髪等への浸透性、透明性の観点から、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。セラミド含有粒子の平均粒径の下限値としては、特に制限はないが、例えば、0.8nm以上とすることができる。 本発明におけるセラミド含有粒子の平均粒径とは、セラミド分散組成物中に存在する分散粒子の体積平均粒径を意味する。セラミド分散組成物に含まれる分散粒子の平均粒径は、精度と測定の簡便さから、動的光散乱法を用いて測定する。 動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))、ナノトラックUPA(日機装(株))、ナノサイザー(マルバーン社製)等が挙げられる。本発明における分散粒子の平均粒径は、ナノトラックUPA(日機装(株))を用いて23℃で測定した値を採用する。粒径の測定方法は、本発明のセラミド分散組成物から分取した試料に含まれるセラミドの濃度が0.04質量%になるように純水で希釈し、測定を行う。粒径は、試料屈折率として1.600、分散媒屈折率として1.333(純水)、分散媒の粘度として純水の粘度を設定した場合の体積平均粒径として求めることができる。 具体的には、測定試料となるセラミド分散組成物を、ミリQ水で10倍に希釈して測定し、体積平均粒子径(Mv)として求める。 なお、分散粒子の平均粒径は、組成物の成分以外に、製造方法における攪拌条件(せん断力、温度又は圧力)、油相と水相比率等の要因によって調整することができる。<セラミド分散組成物の製造方法> セラミド分散組成物は、少なくとも天然型セラミドを含む油相(分散相)成分と、水相成分と、を混合することを含む製造方法により得ることができる。 水相成分と油相成分との混合は、100MPa以上の剪断力を付加する高圧乳化法又は、水相成分に油相成分を直接注入するジェット注入法などを公知の方法を用いてもよい。 セラミド類含有粒子の粒子径、分散安定性、保存安定性の観点から、油相成分及び水相成分を各々独立に、最も狭い部分の断面積が1μm2〜1mm2であるマイクロ流路にそれぞれ独立して通過させた後に組み合わせて混合するマイクロミキサーを用いた方法を用いることが好ましい。このとき、水相の粘度は30mPa・s以下であることが、分散の微粒子化の観点から好ましい。 セラミド分散組成物の製造方法としては、例えば、多価アルコールを含む水相成分と、少なくとも天然型セラミドを含む油相成分とを、混合し、高圧ホモジナイザー等を用いて分散を行い、セラミド類含有粒子(分散粒子)を含むセラミド分散組成物(エマルション)を得ることを含む方法が挙げられる。第一の界面活性剤及び第二の界面活性剤は、水相成分又は油相成分のいずれとして配合してもよい。 分散における油相と水相との比率(質量)は、特に限定されるものではないが、油相/水相比率(質量%)として0.05/99.95〜50/50が好ましく、0.1/99.9〜30/70がより好ましく、0.5/99.5〜20/80が更に好ましい。油相/水相比率を上記範囲とすることにより、有効成分を充分に含み、実用上充分な分散安定性が得られるため好ましい。 油相成分と水相成分とを混合し、分散する際には、油相成分と水相成分とを混合して粗分散物を得て、その後、微細乳化手段を用いて微細化することが好ましい。 油相成分と水相成分とを混合して粗分散物を得る手段としては、市販のいずれの混合手段を用いてもよい。例えば、水性媒体をマグネチックスターラー、家庭用ミキサー、パドルミキサー、インペラーミキサーなどで混合撹拌することで、均一な粗分散物を調製できる。また、強い剪断力を有する撹拌手段、すなわち、ホモミキサー、ディスパーミキサー、ウルトラミキサーなどを用いて油相組成物と水相組成物とを混合する方がより好ましい。 さらに粗分散の効果を高める目的で、これらの撹拌手段に加えて、超音波を利用することも好ましい。超音波付与手段としては、超音波ホモジナイザーを用いることが好ましい。超音波ホモジナイザーの例としては、超音波ホモジナイザーUS−600、US−1200T、RUS−1200T、MUS−1200T(以上、(株)日本精機製作所製)、超音波プロセッサーUIP2000、UIP−4000、UIP−8000、UIP−16000(以上、ヒールッシャー社製)等が挙げられる。これらの高出力超音波照射装置は25kHz以下、好ましくは15kHz〜20kHzの周波数で使用することができる。 この粗分散処理における温度は、20℃以上90℃以下の任意の温度で実施可能であるが、好ましくは40℃以上80℃以下の温度で処理することが挙げられる。 次に、得られた粗分散物を、微細乳化手段を用いて微細化することが好ましい。 微細化の手段としては、高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。例えば、アルティマイザーHJP−25005(株式会社スギノマシン製)を挙げることができる。 セラミド分散組成物の製造においては、分散性(微細化)の観点から、圧力は100MPa以上とし、より好ましくは150MPa以上であることが好ましい。高圧側の限界は市販の装置では、温度上昇と耐圧性の観点から300MPa以下であることが好ましい。微細乳化手段を用いて微細化する場合の、高圧処理を行う回数は1回でもよいが、液全体の均一性を高めるためには、2回以上の高圧処理を行うことが好ましく、2回〜5回の高圧処理を行うことがより好ましい。 高圧分散処理前の温度は、20℃〜80℃に設定することが好ましいが、より好ましくは40℃〜70℃である。高圧分散処理直後に冷却手段を用いて迅速に冷却し、所定の温度に下げるのが好ましい。冷却装置としては、任意の市販の熱交換器を用いることができる。<経時安定性> 本発明のセラミド分散組成物は、優れた経時安定性を有し、調製直後の分散粒子の微細性が長期間にわたって維持される。本発明における「経時安定性」とは、調製直後のセラミド分散組成物に含まれる分散粒子の粒子径の経時的な変動が小さいことを意味する。セラミド分散組成物の経時安定性は、調製直後の分散粒子の粒子径と、所定期間後のセラミド分散組成物における分散粒子の粒子径とを比較することにより評価できる。好ましくは、セラミド分散組成物は、調製直後の分散粒子の粒子径と、50℃の恒温槽で2週間保管したときの分散粒子の粒子径との差が、20nm以下であり、より好ましくは10nm以下であり、更に好ましくは7nm以下である。<用途> 本発明のセラミド分散組成物は、天然型セラミドに起因するエモリエント効果に優れた微細な分散粒子を含む分散組成物として形成しうる。このため、天然型セラミドの機能に応じた種々の用途にそのまま又は成分材料として好ましく用いられる。 このような用途としては、例えば、医薬品(外用剤、皮膚製剤)、化粧料、洗浄剤等に広く使用することができる。ここで、医薬品としては、塗布剤等(皮膚外用剤)の非経口剤等、化粧料としては、化粧水、美容液、ジェル、乳液、ヘアーコンディショナー、ヘアトリートメント、リンス等、洗浄剤としては、洗顔料、ボディーソープ、シャンプー等が挙げられる。ただし、本発明は、これらに制限されるものではない。 本発明のセラミド分散組成物を、皮膚外用剤等の医薬品、又は化粧料に使用する場合、必要に応じて、医薬品又は化粧料に添加可能な成分を適宜添加することができる。 本発明のセラミド分散組成物の剤型としては、化粧水、美容液、ジェル、乳液、ヘアーコンディショナー、ヘアトリートメント、リンス等、化粧料として知られている一般的な剤形のいかなる態様であってよい。 本発明のセラミド分散組成物は、酸性条件下において、微細な分散粒子を含み且つ優れた経時安定性を有するため、頭皮用化粧料に用いられることが好ましい。即ち、本発明の頭皮用化粧料は、本発明のセラミド分散組成物を含有する。頭皮用化粧料は、本発明のセラミド分散組成物に加えて、通常、頭皮用化粧料に用いられる他の成分を含むことができる。 以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。[実施例1] 下記の成分を、70℃にて60分間攪拌し、粗分散物を調製した。 セラミド4質量%分散液 10.00部 N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩60質量%溶液 0.50部 ミリスチン酸デカグリセリル(HLB=14) 0.20部 グリセリン 35.00部 クエン酸 0.39部 クエン酸2水和物 0.87部 純水 53.00部 なお、粗分散物の調製に用いた各成分の詳細は後述の通りである。 得られた粗分散物を、超音波ホモジナイザーUS−600(株式会社日本精機製作所製)を用いて4分間分散することで予備分散物を得た。 続いて、得られた予備分散物を約60℃まで冷却し、アルティマイザーHJP−25005(株式会社スギノマシン製)を用いて、245MPaの圧力で高圧乳化(分散)を行った。 その後、得られた分散組成物を平均孔径1μmのミクロフィルターでろ過し、セラミド分散組成物を得た。得られたセラミド分散組成物のpHは、3.8であった。[実施例2〜16、比較例1〜6] 表1〜表3に記載されたとおりに各成分を配合した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜16及び比較例1〜6の各セラミド分散組成物を得た。 表1〜表3中の各成分の配合に関する数値は、質量部を意味する。また、「−」は、該当成分を配合していないことを意味する。「1,3−BG」は1,3−ブチレングルコールを意味する。 表1〜表3に記載の各成分は、以下の通りである。 セラミド4質量%分散液は、セラミド2を含有するリキッドクリスタセラミド2(高砂香料工業株式会社)の4質量%分散液を用いた。 N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩60質量%溶液は、アミセーフLMA−60(味の素株式会社)を用いた。 ミリスチン酸デカグリセリルは、Decaglyn 1−M(HLB=14.0、日光ケミカルズ株式会社)を用いた。 ショ糖ステアリン酸は、リョートーシュガーエステルS−1570(HLB=15、三菱化学フーズ株式会社)を用いた。 グリセリンは、化粧用濃グリセリン(花王株式会社)を用いた。 1,3−ブチレングルコール、クエン酸及びクエン酸2水和物は、それぞれ和光純薬工業株式会社製を用いた。 ステアラミドプロピルジメチルアミン:アミドアミンMPS(日光ケミカルズ株式会社) ココベタイン:Genegen B 1566(クラリアントジャパン株式会社) ステアルトリモニウムクロリド:NIKKOL CA−2465(日光ケミカルズ株式会社) レシチン:レシオンP(理研ビタミン株式会社)[評価] 得られた実施例1〜実施例16及び比較例1〜比較例6の各分散組成物について、経時安定性を以下ように評価した。(1)セラミド分散組成物中の分散粒子の粒径 調製直後のセラミド分散組成物中におけるセラミド含有粒子(又はそれを含む油滴様の分散粒子)の粒径(体積平均粒径)を、ナノトラックUPA(日機装株式会社)を用いて測定した。体積平均粒径の測定は、セラミド分散組成物から分取した試料に含まれるセラミドの濃度が0.04質量%になるように純水で希釈して行った。体積平均粒径は、試料屈折率として1.600、分散媒屈折率として1.333(純水)、分散媒の粘度として純水の粘度を設定した場合の体積平均粒径(Mv)として求めた。結果を表1〜表3に示す。 さらに、各セラミド分散組成物を50℃の恒温槽に2週間保管した後、25℃に戻し、上記と同様に粒径を測定した。結果を表1〜表3に示す。(2)沈降性評価 ガラス瓶の中に分散物を密封し、50℃の恒温槽に2週間保管した後に、目視で沈降物の有無を評価した。 表1〜表3に示されるように、特定の第二の界面活性剤を第一の界面活性剤であるノニオン性界面活性剤に組み合わせて用いて得られた実施例1〜実施例16のセラミド分散組成物はいずれも、pH4.0以下の条件であっても、比較例1〜比較例6のセラミド分散組成物と比較して、粒子径が小さい分散粒子を長期にわたって安定性よく保持できることがわかった。 また、実施例1〜実施例16のセラミド分散組成物を含む頭皮用化粧料は、pH4.0以下の条件であっても、比較例1〜比較例6のセラミド分散組成物を含む頭皮用化粧料と比較して、粒子径が小さい分散粒子を長期にわたって安定性よく保持できることが期待される。 従って、本発明によれば、酸性条件下において、微細な分散粒子を含み且つ優れた経時安定性を有するセラミド分散組成物を提供することができる。 以下に、本発明のセラミド分散組成物を用いた頭皮用化粧料の実施例、及び皮膚外用剤の参考例を示す。≪トマト抽出物、オキアミ抽出物、ヘマトコッカス藻抽出物≫ 実施例及び参考例の各化粧料の調製に用いた、トマト抽出液、オキアミ抽出物、ヘマトコッカス藻抽出物の詳細は、以下の通りである。・トマト抽出物(リコピン含有率:0.1質量%、製品名:Lyc−O−Mato 6%〔サンブライト(株)製〕をグリセリンにて希釈した。)・オキアミ抽出物(アスタキサンチン含有率:0.6質量%)。・ヘマトコッカス藻抽出物(アスタキサンチン含有率:0.3質量%、製品名:ASTOTS−S〔武田紙器(株)製〕をグリセリンにて希釈した。)[実施例17] 下記組成を有するシャンプーを調製した(全量100質量%)。pHは3.8であった。(成分) (質量%)PEGヤシ油脂肪酸アミドMEA硫酸Na 3.0ココイルサルコシンNa 3.0安息香酸Na 0.4ヘマトコッカス藻抽出物 0.01オキアミ抽出物 0.01トマト抽出物 0.01コカミドプロピルベタイン 4.0ラウラミドDEA 3.0ジステアリン酸グリコール 1.5ポリクオタニウム−10 0.5クエン酸 0.3クエン酸Na 適量トコフェロール 0.05水溶性コラーゲン 1.0加水分解コラーゲン 1.0セラミド分散組成物(実施例3) 1.0精製水 残量[実施例18] 下記組成を有するヘアケアエッセンスを調製した(全量100質量%)。pHは3.7であった。(成分) (質量%)クエン酸 0.4PEG−60水添ヒマシ油 0.31,3−BG 2.0グリセリン 1.0パントテニルエチルエーテル 0.5ニコチン酸アミド 0.3グリチルレチン酸 0.15レシチン 0.5アセチルヒドロキシプロリン 1.0加水分解コラーゲン 1.0水溶性コラーゲン 1.0ヘマトコッカス藻抽出物 0.1ホップエキス 1.0ビワ葉エキス 1.0フェノキシエタノール 0.3メチルパラベン 0.1安息香酸ナトリウム 0.1セラミド分散組成物(実施例3) 1.0水 残量[実施例19] 下記組成を有するコンディショナーを調製した(全量100質量%)。pHは4.0であった。(成分) (質量%)ベヘニルアルコール(C22) 3.0ステアリルアルコール(C20) 3.0セタノール(C16) 1.5ステアルトリモニウムクロリド 2.0パルミチン酸エチルヘキシル 11.0ポリクオタニウム−10 0.5アスタキサンチン液 0.01アセチルヒドロキシプロリン 0.1ヒアルロン酸Na 0.1水溶性コラーゲン 0.1グリチルリチン酸2K 0.1クエン酸 0.1トコフェロール 0.1フェノキシエタノール 0.4セラミド分散組成物(実施例3) 1.0香料 適量精製水 残量[参考例1] 下記組成を有する化粧水を調製した(全量100質量%)。(成分) (質量%)グリセリン 5.01,3−ブチレングリコール 6.5ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル 1.2ヘマトコッカス藻抽出物 0.01トマト抽出物 0.01エタノール 6.0酢酸トコフェロール 0.001ビタミンE 0.002リン酸アスコルビルマグネシウム 0.5キサンタンガム 0.2グライシカル2000(※1) 0.1エチルヘキシルグリセリン 0.2ペンチレングリコール 1.0加水分解コラーゲン 1.0N−アセチルヒドロキシプロリン 1.0水溶性コラーゲン 1.0ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2モノオレイン酸デカグリセリル 0.05セラミド分散組成物(実施例3) 1.0香料 適量精製水 残量※1:グライカシル2000(ロンザ株式会社製)はブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルとシクロデキストリンを含有する。[参考例2] 下記組成を有する乳液を調製した(全量100質量%)。(成分) (質量%)トマト抽出物 0.1ヘマトコッカス藻抽出物 0.5ルテイン 0.01スクワラン 8.0ホホバ油 7.0パラアミノ安息香酸グリセリル 1.0セチルアルコール 1.5グリセリンモノステアレート 2.0ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0ポリオキシエチレンソオルビタンモノオレート 2.01,3−ブチレングリコール 1.0グリセリン 2.0メチルパラベン 0.04ステアリン酸スクロース 0.1オレイン酸ポリグリセリル−10 0.1酢酸トコフェロール 0.01フェノキシエタノール 0.2コラーゲン 1.0クエン酸ナトリウム 1.0セラミド分散組成物(実施例3) 1.0香料 適量精製水 残量 なお、上記組成において、ルテインに代えてフコキサンチンを用いた場合にも、同様に乳液を調製できること確認した。[参考例3] 下記組成を有するクリームを調製した(全量100質量%)。(成分) (質量%)トマト抽出物 0.4オキアミ抽出物 0.2セトステアリルアルコール 3.0グリセリン脂肪酸エステル 2.0モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.0モノステアリン酸ソルビタン 1.0N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム 0.5ワセリン 5.0レシチン 0.5ジメチルポリシロキサン(100mPa・s) 3.0トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 20.0乳酸 1.0アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.5ジプロピレングリコール 10.0クエン酸ナトリウム 0.5酸化チタン 0.1香料 適量エデト酸2ナトリウム 0.03パラオキシ安息香酸エチル 0.05セラミド分散組成物(実施例3) 1.0精製水 残量[参考例4] 下記組成を有するジェリー様美容液を常法により調製した(全量100質量%)(成分) (質量%)トマト抽出物 0.01ヘマトコッカス藻抽出物 0.02トコフェロール 0.01セラミドIII、VI 0.01(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 0.5加水分解コラーゲン 1.0アセチルヒドロキシプロリン 1.0エチルヘキシルグリセリン 0.05オレイン酸 0.051,3−ブチレングリコール 1.0グリセリン 2.0メチルパラベン 0.2ステアリン酸スクロース 0.01オレイン酸ポリグリセリル−2 0.01ステアリン酸ポリグリセリル−2 0.01フェノキシエタノール 0.2コラーゲン 1.0クエン酸ナトリウム 1.0セラミド分散組成物(実施例3) 1.0ダマスクバラ花油 適量香料 適量精製水 残量[参考例5] 下記組成を有するUVプロテクター(油中水型乳化物)を調製した(全量100質量%)。(成分) (質量%)ヘマトコッカス藻抽出物 0.025トマト抽出物 0.025プテロスチルベン 0.1シクロペンタシロキサン 35.0t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン修飾酸化チタン(※1) 12.0PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(※2) 7.5エタノール 5.0(アクリル酸ブチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー 2.0セスキオレイン酸ソルビタン 2.0硫酸Mg 0.1(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー 1.0マイカ 0.5フェノキシエタノール 0.5(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 0.2(メタクリル酸メチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー 0.1酸化鉄 0.1ヒアルロン酸Na 1.0ダマスクバラ花油 適量加水分解コラーゲン 1.0アセチルヒドロキシプロリン 1.0ステアロイルグルタミン酸2Na 1.0水溶性コラーゲン 1.0トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 0.1オレイン酸ポリグリセリル−10 0.1ステアリン酸スクロース 0.1レシチン 0.1トコフェロール 0.2グリチルリチン酸ジカリウム 0.1セラミド分散組成物(実施例3) 1.0精製水 残量※1:酸化チタン、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、水酸化Al、イソステアリン酸からなる疎水化処理粉体 HXMT−100/テイカ株式会社※2:KF−6028/信越化学工業製[参考例6] 下記組成を有するリキッドオイルを調製した(全量100質量%)。(成分) (質量%)パルミチン酸エチルヘキシル 35.0トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 25.0トリラウリン酸ポリグリセリル−10 25.0リンゴ酸ジイソステアリル 10.0トコフェロール 0.02ヘマトコッカス藻抽出物 0.01トマト抽出物 0.01ダマスクバラ花油 適量N−アセチルヒドロキシプロリン 1.0香料 適量フェノキシエタノール 0.4セラミド分散組成物(実施例3) 0.1水添ポリイソブテン 残量[参考例7] 下記組成を有するモイスチャーフォームを調製した(全量100質量%)。(成分) (質量%)ミリスチン酸 12.0BG 8.0水酸化K 4.0グリセリン 5.0ステアリン酸 8.0ソルビトール 1.0ステアリン酸グリセリル 5.0ラウロイルグルタミン酸Na 8.0(ラウラミド/ミリスタミド)DEA 8.0トコフェロール 0.1水溶性コラーゲン 1.0ヘマトコッカス藻抽出物 0.1トマト抽出物 0.1ダマスクバラ花油 適量シア脂 2.0ホホバ種子油 2.0ポリクオタニウム−39 0.5脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル) 3.0香料 適量フェノキシエタノール 0.4セラミド分散組成物(実施例3) 1.0精製水 残量[参考例8] 下記組成を有するマスカラを調製した(全量100質量%)。(成分) (質量%)マイクロクリスタリンワックス 5.0カルナウバロウ 5.0ミツロウ 5.0パラフィンワックス 5.0イソステアリン酸 5.0セタノール 1.0トリエタノールアミン 2.0精製水 残量1,3−BG 3.0エタノール 3.0PVA 1.0ヒドロキシエチルセルロース 0.5ポリアクリル酸Na 0.1黒酸化鉄 2.0カーボンブラック 2.0ナイロン末 3.0フェノキシエタノール 0.5セラミド分散組成物(実施例3) 0.1[参考例9] 下記組成を有するマスカラを調製した(全量100質量%)。(成分) (質量%)シクロペンタシロキサン 5.0イソパラフィン 残量トリメチルシロキシケイ酸 5.0セスキオレイン酸ソルビタン 2.0ポリエチレンワックス 5.0カルナウバロウ 5.0ミツロウ 7.0イソステアリン酸 3.0メチルフェニルポリシロキサン 3.0パルミチン酸デキストリン 3.0精製水 3.0アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体エマルジョン(固型分30%) 15.0酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体 0.5DPG 1.01,3−BG 2.0PVA 0.5ヒドロキシエチルセルロース 0.5黒酸化鉄 6.0セラミド分散組成物(実施例3) 0.1[参考例10] 下記組成を有するリップを調製した(全量100質量%)。(成分) (質量%)水添ポリイソブテン 35.0流動パラフィン 25.0リンゴ酸ジイソステアリル 20.0パルミチン酸デキストリン 5.0トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2 3.0ワセリン 2.0トコフェロール 0.5パール顔料 5.0セラミド分散組成物(実施例3) 0.1酸化チタン 適量香料 適量防腐剤 適量[参考例11] 下記組成を有する乳化型ファンデーションを調製した(全量100質量%)。(成分) (質量%)シクロヘキサシロキサン 24.0スクワラン 2.0イソノナン酸イソトリデシル 5.0ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2 2.0PEG−10ジメチコン 5.0トコフェロール 0.5フェノキシエタノール 0.4クオタニウム−18ベントナイト 2.0酸化チタン 18.0EDTA−2Na 0.21,3−BG 5.0セラミド分散組成物(実施例3) 0.1黒酸化鉄 適量ベンガラ 適量黄酸化鉄 適量精製水 残量[参考例12] 下記組成を有する乳化型ファンデーションを調製した(全量100質量%)。(成分) (質量%)セスキイソステアリン酸ポリグリセリル−2 2.5酸化チタン 8.0ミツロウ 2.5シクロペンタシロキサン 7.0ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキエシエチルジメチコン 5.0黒酸化鉄 0.2ベンガラ 0.3黄酸化鉄 0.9タルク 6.0NaCl 2.0セラミド分散組成物(実施例3) 0.1精製水 残量(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 0.5(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー 0.5 天然型セラミドと、 多価アルコールと、 ノニオン性界面活性剤である第一の界面活性剤と、 両性界面活性剤(ただし、リン脂質を除く)及びカチオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種である第二の界面活性剤と、 を含有し、pH6.5以下であるセラミド分散組成物。 第二の界面活性剤が、アミノ酸誘導体、4級アンモニウム塩及びアミドアミン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1記載のセラミド分散組成物。 第二の界面活性剤が、アルギニン誘導体を含む請求項1又は請求項2記載のセラミド分散組成物。 第一の界面活性剤が、脂肪酸ポリグリセリルを含む請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のセラミド分散組成物。 分散粒子の平均粒径が100nm以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のセラミド分散組成物。 多価アルコールがグリセリンを含む請求項1〜請求項5のいずれか1項記載のセラミド分散組成物。 天然型セラミドがセラミド2を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項記載のセラミド分散組成物。 第一の界面活性剤の含有量が0.2質量%以上2.5質量%以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項記載のセラミド分散組成物。 多価アルコールの含有量が2.0質量%以上50.0質量%以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項記載のセラミド分散組成物。 第二の界面活性剤の含有量が、0.05質量%以上8.0質量%以下である請求項1〜請求項9のいずれか1項記載のセラミド分散組成物。 第一の界面活性剤及び第二の界面活性剤の合計の含有量が、0.5質量%以上10.0質量%以下である請求項1〜請求項10のいずれか1項記載のセラミド分散組成物。 請求項1〜請求項11のいずれか1項記載のセラミド分散組成物を含む頭髪用化粧料。 【課題】酸性条件下において、微細な分散粒子を含み且つ優れた経時安定性を有するセラミド分散組成物を提供する。【解決手段】天然型セラミドと、多価アルコールと、ノニオン性界面活性剤である第一の界面活性剤と、両性界面活性剤(ただし、リン脂質を除く)及びカチオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種である第二の界面活性剤と、を含有し、pH6.5以下であるセラミド分散組成物。【選択図】なし