タイトル: | 公開特許公報(A)_口腔内崩壊錠剤 |
出願番号: | 2013138823 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 9/20,A61K 47/38,A61K 47/02,A61K 45/00,A61K 31/609 |
今元 千絵子 豊田 智淳 友田 宜孝 JP 2013224321 公開特許公報(A) 20131031 2013138823 20130702 口腔内崩壊錠剤 塩野義製薬株式会社 000001926 高山 裕貢 100103230 杉田 健一 100113789 今元 千絵子 豊田 智淳 友田 宜孝 JP 2005232083 20050810 JP 2005367963 20051221 A61K 9/20 20060101AFI20131004BHJP A61K 47/38 20060101ALI20131004BHJP A61K 47/02 20060101ALI20131004BHJP A61K 45/00 20060101ALI20131004BHJP A61K 31/609 20060101ALI20131004BHJP JPA61K9/20A61K47/38A61K47/02A61K45/00A61K31/609 1 2007529583 20060808 OL 24 4C076 4C084 4C086 4C076AA36 4C076AA99 4C076BB01 4C076CC50 4C076DD27B 4C076DD41 4C076EE31 4C076EE32 4C076GG03 4C084AA17 4C084MA05 4C084MA35 4C084NA20 4C086AA01 4C086AA02 4C086DA17 4C086MA01 4C086MA05 4C086MA35 4C086MA52 4C086NA20 高齢者や小児は嚥下能力が低いため、錠剤の服用が困難である。このような高齢者や小児が容易に服用でき、嚥下の能力のある成人においても口腔内で速やかに崩壊し、苦味をほとんど感ずることなく服用可能な製剤の開発が望まれており、既に幾つかの製剤が知られている。 口腔内崩壊錠剤を製造するにあたっては、崩壊性を担保するため、一般的に糖類および/または崩壊剤が用いられる。糖類や崩壊剤を含有する口腔内崩壊錠剤等を開示する文献として、例えば、以下の文献が挙げられる。 特許文献1には、医薬成分、エリスリトール、結晶セルロース及び崩壊剤を含有する口腔内崩壊錠剤が記載されている。 特許文献2には、医薬成分、D−マンニトール、セルロース類及び崩壊剤を含有する口腔内崩壊錠剤が記載されている。本文献は、平均粒子径が30〜300μmのD−マンニトールが好ましいことを開示している文献である。 特許文献3には、成形性の低い糖類に成形性の高い糖類を結合剤として噴霧した造粒物を含有する口腔内崩壊錠剤の製造法が記載されている。 特許文献4には、無機物と糖類を均一に分散させた懸濁液を噴霧乾燥した粉体物を、結晶セルロースや崩壊剤と共に打錠することにより、口腔内崩壊錠剤を得ることができることが記載されている。一方、同様の組成からなる単純混合物を直接打錠した錠剤については、硬度が悪いことが記載されている。 特許文献5には、薬効成分に軽質無水ケイ酸等の表面改質基剤を混合し、高速攪拌造粒機等を用いて表面改質し、そのようにして得られた表面改質粉体に崩壊剤を加えて直接打錠することにより、口腔内崩壊錠剤を得ることができることが記載されている。崩壊剤は部分アルファー化デンプン及びクロスポピドンが最も適していることが記載されている。 特許文献6には、水易溶性薬物を含有する顆粒に崩壊剤を配合し、さらにセルロース粉末及び/又は無機系添加物を添加後、打錠して崩壊性の良好な錠剤を得ることができることが記載されている。 また、非特許文献1(協和化学工業株式会社のパンフレット(直打用賦形剤 無水リン酸水素カルシウムGS))には、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、カルメロース、ステアリン酸マグネシウム1重量%を配合した製剤のデータが記載されている。特開平10−182436特開2001−58944WO95/20380特開2000−86537WO00/54752特開2002−12540協和化学工業株式会社のパンフレット(直打用賦形剤 無水リン酸水素カルシウムGS) 特許文献1および2は、口腔内崩壊錠剤の処方で最もよく使用される添加剤である糖類と崩壊剤を配合し、崩壊時間を速くした処方例である。 特許文献3、4および5の製剤では、崩壊性および錠剤の硬度を向上させるために、製剤工程の追加を必要とし、生産効率が悪い。 また、特許文献6は、製剤の崩壊時間が3分を大きく超えるものであり、口腔内崩壊錠剤としての崩壊時間を満足していない。 非特許文献1の製剤は、上述したように、無水リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、カルメロースおよび滑沢剤であるステアリン酸マグネシウムを配合した錠剤について記載されているものの、ステアリン酸マグネシウムの配合量が1%であり、錠剤の崩壊性が加温及び加湿化において低下する恐れがある。 糖類などの可溶性の添加剤を配合しなくとも、適度な硬度、口腔内での速やかな崩壊および良好な服用感を有し、特殊な製剤機械を必要とすることなく、既存設備で生産可能である口腔内崩壊錠剤を提供する。 活性成分、結晶セルロース、無機賦形剤、崩壊剤として特にカルメロースおよび錠剤1錠あたり0.8重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下の滑沢剤を含む粉末を直接圧縮成形することにより、良好な崩壊性を示し、錠剤硬度が確保された、口腔内崩壊錠剤を得ることができることを見出した。上記の場合、無機賦形剤として無水リン酸水素カルシウム、滑沢剤としてステアリン酸金属塩の配合量を錠剤1錠あたり0.8重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下とすることにより、特に、活性成分、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、カルメロースおよび錠剤1錠あたり0.1重量%以下のステアリン酸マグネシウムを配合し、かつ外部滑沢法により圧縮成形することによって、良好な崩壊性を示し、錠剤硬度が確保された、口腔内崩壊錠剤を得ることができた。 すなわち、本発明は、(1)活性成分、結晶セルロース、無機賦形剤、カルメロースおよび0.8重量%以下の滑沢剤を含有し、滑沢剤を含有することを特徴とする口腔内崩壊錠剤、(2)無機賦形剤が、無水リン酸水素カルシウムである上記(1)記載の口腔内崩壊錠剤、(3)錠剤1錠あたり0.5重量%以下の滑沢剤を含有する上記(1)または(2)記載の口腔内崩壊錠剤、(4)錠剤1錠あたり0.1重量%以下の滑沢剤を含有する上記(3)記載の口腔内崩壊錠剤、(5)結晶セルロースの平均粒子径が10〜150μmである上記(1)から(4)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠剤、(6)無水リン酸水素カルシウムの嵩密度が0.3〜1.0g/mLである上記(2)から(5)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠剤、(7)錠剤1錠あたり1〜30重量%のカルメロースを含有する上記(1)から(6)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠剤、(8)滑沢剤がステアリン酸金属塩である上記(1)から(7)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠剤、(9)ステアリン酸金属塩がステアリン酸マグネシウムである上記(8)記載の口腔内崩壊錠剤、(10)甘味剤を含有する上記(1)から(9)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠剤、(11)甘味剤が、白糖の甘味を1とした場合、50倍以上の甘味度を有する甘味剤である上記(10)記載の口腔内崩壊錠剤、(12)甘味剤がアセスルファムカリウムまたはスクラロースである上記(11)記載の口腔内崩壊錠剤、(13)錠剤1錠あたり10重量%以下の甘味剤を含有する上記(10)から(12)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠剤、(14)滑沢剤の添加方法が外部滑沢法である上記(1)から(13)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠剤、(15)活性成分、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、カルメロースおよび錠剤1錠あたり0.1重量%以下のステアリン酸マグネシウムを含有し、かつ滑沢剤の添加方法が外部滑沢法である上記(14)記載の口腔内崩壊錠剤、に関する。 本発明の錠剤は、水なしでも容易に服用することができ、口腔内で速やかに崩壊、更に適度な硬度を有し、服用感が良好である。このため、口腔内崩壊錠剤として使用することができる。しかも当該錠剤は、製造法が簡便である。 「活性成分、結晶セルロース、無機賦形剤、カルメロースおよび錠剤1錠あたり0.8重量%以下の滑沢剤を含有することを特徴とする、口腔内崩壊錠剤」とは、活性成分、結晶セルロース、無機賦形剤、カルメロースおよび錠剤1錠あたり0.8重量%以下の滑沢剤を含有することにより、本発明の効果(錠剤の良好な崩壊性および適度な錠剤硬度の確保)を発揮する製剤を意味する。活性成分、結晶セルロース、無機賦形剤、カルメロースおよび錠剤1錠あたり0.8重量%以下の滑沢剤を必須の構成成分とし、本発明の効果に影響を与えない範囲で、他の添加剤を含んでいてもよい。 本発明の錠剤において使用される結晶セルロースとしては、セオラスPH101、セオラスPH102、セオラスPH301、セオラスPH302、アビセルPH−F20JP、セオラスKG802(旭化成工業(株)製)、VIVAPUR(グレード105、101、103、301、102、112)、ARBOCEL(グレードM80、P290、A300)、プロソルブSMCC50、プロソルブSMCC90(JRS PHARMA社製)等が挙げられる。これらの結晶セルロースは単独でもよいが、二種以上併用することもできる。好ましくは錠剤製造前の結晶セルロースの平均粒子径が10〜150μm、より好ましくは30〜130μm、特に好ましくは40〜120μmである。この平均粒子径より大きい場合や小さい場合は、錠剤の硬度が低下したり、崩壊時間が遅延する可能性がある。具体的には、セオラスPH102(旭化成工業(株)製、平均粒子径約100μm)が好ましい。 本発明の錠剤において使用される無機賦形剤としては、無水リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムであり、特に好ましくは無水リン酸水素カルシウムであり、無水リン酸水素カルシウムGS(協和化学工業株式会社製)、フジカリン(富士化学工業株式会社)、無水リン酸水素カルシウム軽質(協和化学工業株式会社製)、無水リン酸水素カルシウム重質(協和化学工業株式会社製)等が挙げられる。これらの無機賦形剤は単独でもよいが、二種以上併用することもできる。好ましくは、錠剤製造前の無機賦形剤の嵩密度が、0.30〜1.0g/mL、より好ましくは0.5〜1.0g/mL、特に好ましくは0.6〜1.0g/mLである。この嵩密度より低い場合や高い場合は、錠剤の硬度が低下したり、崩壊時間が遅延する可能性がある。具体的には、無水リン酸水素カルシウムGS(協和化学工業株式会社製、嵩密度0.71〜1.0g/mL)が好ましい。 本発明の錠剤において、結晶セルロースと無機賦形剤である無水リン酸水素カルシウムの含有量は、容易に決定することができる。例えば、所望の量の結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、カルメロースを活性成分と適宜混合したのち、圧縮成形を行い、硬度と崩壊性を確認することにより、その適否は容易に判別することができる。 結晶セルロースと無機賦形剤の含有量は、活性成分の物理的性質にも依存するため、上記のように適宜決めることが好ましい。特に、錠剤全重量に対し30〜99.9重量%の結晶セルロース及び無機賦形剤を用いるのが好ましい。特に、50〜99.9重量%の結晶セルロース及び無機賦形剤を用いるのが好ましい。これらの含有量においては、活性成分の物理的性質による影響を受け難く、本発明製剤は特に良好な崩壊速度及び錠剤硬度を示す。 また、結晶セルロースと無水リン酸水素カルシウムの配合比も、上記のように適宜決めることが好ましい。結晶セルロースと無水リン酸水素カルシウムの重量比が、8:2〜2:8の範囲であればよい。上記の範囲内で、良好な崩壊速度及び錠剤硬度を有する口腔内速崩壊錠を得ることができる。結晶セルロースの配合比率がこれより高いと結晶セルロースのざらつきにより食感が低下する可能性があり、また結晶セルロースの配合比率がこれより低いと錠剤硬度が低下する恐れがある。好ましくは、結晶セルロースと無水リン酸水素カルシウムを重量比5:5〜3:7の割合で配合した錠剤、より好ましくは、結晶セルロースと無水リン酸水素カルシウムを重量比約4:6の割合で配合した錠剤である。 活性成分の重量は、いかなる量でもよいが、錠剤全重量に対し0.1〜50重量%、好ましくは、0.1〜40重量%、より好ましくは、0.1〜30重量%である。この場合、活性成分の物理的性質による影響を受け難く、本発明製剤は特に良好な崩壊速度及び錠剤硬度を示す。 本発明の錠剤において、使用される崩壊剤としては、カルメロースが好ましい。カルメロースとは、別名カルボキシメチルセルロースである。カルメロースとしては、日本薬局方第14改正準拠のものであればよい。具体的には、NS−300(五徳薬品株式会社)である。 カルメロースの含有量としては、錠剤1錠あたり1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは7.5〜20重量%ある。この配合量よりも少なければ、錠剤の崩壊時間が長くなる恐れがあり、この含有量よりも多ければ、錠剤の硬度が低下する可能性がある。 本発明の錠剤において、使用される滑沢剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、含水二酸化ケイ素、ステアリン酸金属塩等があるが、好ましくはステアリン酸金属塩である。ステアリン酸金属塩としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられるがある。好ましくは、ステアリン酸マグネシウムである。 ステアリン酸金属塩の含有量としては、錠剤1錠あたり0.8重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは、0.1重量%以下である。具体的には、0.001〜0.8重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%、より好ましくは0.001〜0.1重量%である。この含有量よりも多ければ、錠剤の崩壊時間が長くなる可能性がある。 本発明の口腔内速崩壊錠において使用される活性成分は、いかなる活性成分も使用することができる。経口投与可能な活性成分であれば特に限定されない。例えば、抗生物質、化学療法剤、催眠鎮静剤、抗精神病剤、抗不安剤、抗てんかん剤、解熱鎮痛消炎剤、抗パーキンソン剤、精神神経用剤、骨格筋弛緩剤、自律神経用剤、鎮けい剤、強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管補強剤、血管収縮剤、血管拡張剤、高脂血症用剤、鎮咳去たん剤、気管支拡張剤、止しゃ剤、整腸剤、消化性潰瘍剤、健胃消化剤、制酸剤、利胆剤、胃腸薬、ビタミン剤、滋養強壮薬、肝臓疾患用剤、痛風治療剤、糖尿病用剤、腫瘍用薬、抗ヒスタミン剤、生薬、骨粗鬆症用剤などが挙げられる。 本発明の錠剤は、さらに必要であれば錠剤の製造に一般に用いられる種々の添加剤を含んでいてもよい。例えば、錠剤全重量に対し、0.1〜30重量%(好ましくは、0.1〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5.0重量%)の添加剤を含んでいてもよい。またこれらの物質は、単独または任意の割合で混合して使用してもよい。添加剤としては、例えば、甘味剤、矯味剤、香料、滑沢剤、結合剤、流動化剤、着色剤、コーティング剤などが挙げられる。 甘味剤とは、糖類および糖アルコールを含む糖質およびそれ以外の非糖質を意味する。本発明製剤は賦形剤としての糖類および糖アルコールを含まないので、糖類および糖アルコールを使用して十分な甘みを出すことは困難である。そのため、本発明の錠剤、特に口腔内崩壊錠剤においては、糖類、糖アルコールと比較し少量で強い甘味を感じる物が好ましく、非糖質の天然甘味料や合成甘味料が好ましい。具体的には、白糖の甘味度を1とした場合、50倍以上の甘味度を有する甘味剤である。例えばアセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン又はその塩、グリチルリチン酸又はその塩、ステビア又はその塩、スクラロース、ソーマチンなどが挙げられる。甘味剤の含有量としては、錠剤1錠あたり10重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜7.5重量%である。 矯味剤としては、例えば、アスコルビン酸およびその塩、グリシン、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩酸、希塩酸、クエン酸およびその塩、無水クエン酸、L−グルタミン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、酢酸、酒石酸およびその塩、炭酸水素ナトリウム、フマル酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、氷酢酸、イノシン酸二ナトリウム、ハチミツが挙げられる。 香料とは、着香剤といわれるものを含み、例えばオレンジエッセンス、オレンジ油、カラメル、カンフル、ケイヒ油、スペアミント油、ストロベリーエッセンス、チョコレートエッセンス、チェリーフレーバー、トウヒ油、パインオイル、ハッカ油、バニラフレーバー、ビターエッセンス、フルーツフレーバー、ペパーミントエッセンス、ミックスフレーバー、ミントフレーバー、メントール、レモンパウダー、レモン油、ローズ油などが挙げられる。 結合剤としては、例えば、アラビアゴム、アラビアゴム末、部分アルファー化デンプン、ゼラチン、カンテン、デキストリン、プルラン、ポビドン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。 流動化剤としては、例えば含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、酸化チタンなどが挙げられる。 着色剤としては、例えば、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号などの食用色素、黄色三二化鉄、三二化鉄、褐色酸化鉄、黒酸化鉄、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、リボフラビン、抹茶末などが挙げられる。 コーティング剤としては、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、PVAコポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、オパドライ、カルナバロウ、カルボキシビニルポリマー、乾燥メタクリル酸コポリマー、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー、ステアリルアルコール、セラック、セタノール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、メタクリル酸コポリマー、2−メチル−5−ビニルピリジンメチルアクリレート・メタクリル酸コポリマーなどが挙げられる。 これらの成分は本発明の錠剤における崩壊性、成形性を損なわない範囲であれば、通常、任意の量を単独あるいは混合して使用することができる。好ましくは、結晶セルロース/無水リン酸水素カルシウム/カルメロース/ステアリン酸マグネシウム/アセスルファムカリウム、結晶セルロース/無水リン酸水素カルシウム/カルメロース/ステアリン酸マグネシウム/アセスルファムカリウム/ハッカ油/含水二酸化ケイ素、結晶セルロース/無水リン酸水素カルシウム/カルメロース/ステアリン酸マグネシウム/スクラロース、結晶セルロース/無水リン酸水素カルシウム/カルメロース/ステアリン酸マグネシウム/スクラロース/ハッカ油/含水二酸化ケイ素の組合せである。これらの組合せの添加剤を使用した場合、錠剤の崩壊時間が速く、錠剤の硬度が高く、しかも苦味を抑制することができる口腔内崩壊錠剤を製造することが可能である。 口腔内崩壊錠剤においては、一般的に、賦形剤として糖類、糖アルコールが使用されている。一方、本発明の口腔内崩壊錠剤は、実質的に、活性成分、結晶セルロース及び無機賦形剤からなる口腔内崩壊錠剤である。すなわち、口腔内崩壊錠剤においては一般的に使用されている賦形剤としての糖類を含まないことを特徴とする。本発明の口腔内崩壊錠剤において、ショ糖、ブドウ糖、果糖、水飴、乳糖等の糖類は、賦形剤として使用しない。 また、本発明の口腔内崩壊錠剤は、口腔内崩壊錠剤において一般的に使用されている賦形剤としての糖アルコールを含まないことを特徴とする。本発明の口腔内崩壊錠剤において、エリスリトール、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、マルチトール等の糖アルコールは、賦形剤として使用しない。 以下に本発明の口腔内崩壊錠剤の調製法を記載する。 具体的な製造方法としては、活性成分と製剤原料を量り取り、V型混合機などの適当な混合機で混合した錠剤用混合末を後述する打錠機を用いて直接圧縮打錠して製造する方法などが挙げられる。また、錠剤用混合末を得るために撹拌造粒機により強力に混合する方法や粉砕機により混合粉砕する方法、乾式造粒機により圧縮造粒する方法や、必要により結合剤を分散または溶解させた水、アセトン、エチルアルコール、プロピルアルコール又はこれらの混合液を用いて湿式造粒を行う方法、さらには2つ以上の別群に分けて錠剤用混合末を製造する方法などを用いてもよい。錠剤用混合末を製造する際には必要に応じ、結合剤、矯味剤、流動化剤、滑沢剤、香料、甘味剤、着色剤などを混合してもよい。 また、圧縮成形については、本発明の処方であれば、滑沢剤が少量(錠剤1錠あたり0.8重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下)であっても、通常の打錠法(内部混合法)や打錠機の臼杵に滑沢剤を付着させる外部滑沢法を用いることができる。外部滑沢法を行う装置としては(株)菊水製作所製のELSP1−タイプIIIなどがある。 滑沢剤の添加量を減少させた場合、さらに崩壊速度を早くし、かつ錠剤硬度を向上させ、しかも薬物の安定性を高めることができる。錠剤用混合末に滑沢剤を混合する通常の手法、処方では100mgの錠剤に対して1〜3mgの滑沢剤が必要であるが、本発明処方では錠剤1錠あたり0.8重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下という少量の滑沢剤での打錠が可能である。特に、活性成分、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、カルメロースおよび錠剤1錠あたり0.1重量%以下のステアリン酸マグネシウムを配合し、かつ滑沢剤の添加方法が外部滑沢法であれば、なお好ましい。 上記のうち、特に、実質的に、活性成分、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、カルメロース(甘味剤を添加する場合は、アセスルファムカリウムまたはスクラロース。香料を添加する場合は、ハッカ油)を含む粉末を内部混合法、外部滑沢法で成形するのが好ましい。なお、本発明において活性成分および添加物の粒子径は特に限定されない。 このようにして得られた錠剤用混合末を例えば、外部滑沢打錠を行う装置、単発打錠機、ロータリー式打錠機などを用いて打錠圧200kg〜1500kgで圧縮成形する。これより圧力が低いと錠剤硬度が不足し取扱上十分な硬度を確保できず、圧力が高いと崩壊が遅延するため好ましくない。 本発明の口腔内速崩壊錠の成形に関しては、どのような形状も採用することができ、例えば丸形、楕円形、球形、棒状型、ドーナツ型の形状および積層錠、有核錠などであってもよく、さらにはコーティングによって被膜することもできる。また、識別性向上のためのマーク、文字などの刻印さらには分割用の割線を付けても良い。 本発明において、前もって活性成分を含有し、苦味を抑制した製剤(例えば、粉・粒体)を製造した後、これら製剤とともに上記成分を混合し、錠剤を製造することも可能である。この場合、苦味を抑制した口腔内崩壊錠剤を製造することが可能である。 本発明の錠剤は、口腔内崩壊錠剤として有用であり、唾液により、口腔内で速やかに崩壊し、ざらつきを残さずに滑らかに服用可能である。本発明の口腔内崩壊錠剤の口溶けは、通常1〜60秒、好ましくは1〜40秒、さらに好ましくは1〜30秒程度である。 また硬度(錠剤硬度計による測定値)は、通常30〜70N程度であれば問題の無い値であることが知られているが、本発明の口腔内崩壊錠剤は10〜200N、好ましくは30〜150N程度である。 なお、この製剤は口腔内で崩壊させることなく服用することや水と一緒に服用することもできる。 以下、実施例と比較例を挙げて本発明を詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。 実施例及び比較例で得られた錠剤は下記試験法によって、錠剤硬度及び崩壊時間、官能試験を行った。(1)硬度試験 硬度測定専用機(ERWEKA International AG製)を用いて測定した。試験は10錠で行い、その平均値を示す。(30N以上を基準とする)(2)崩壊試験 第十四改正日本薬局方崩壊試験法に準処し、6錠の崩壊時間を測定し、その最大値を示す。(30秒以内を基準とする)(3)口腔内崩壊試験 健康成人6名が錠剤を含み、口腔内の錠剤の崩壊時間を測定した。表中には崩壊時間の最大値を示す。(30秒以内を基準とする)(4)官能試験 健康成人6名が口腔内崩壊錠剤を含み、服用時の口腔内のぱさつき感を下記の評価基準に分類し、一番多かった評価を選択する。また、口腔内に含んだ錠剤は、試験後吐き出し、口腔内を水で洗浄する。 ○:ぱさつきを感じない。 △:ぱさつきを少し感じる。 ×:違和感を感じる。 表1の処方を基本処方とし、1)崩壊剤の種類、2)結晶セルロースの平均粒子径、3)無水リン酸水素カルシウムの嵩密度および4)甘味剤の種類を検討するために、錠剤を種々製造し、硬度試験、崩壊試験および口腔内崩壊試験をおこなった。(基本処方)(錠剤製造方法) エテンザミド、崩壊剤、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、甘味剤を表1記載の配合量にしたがって量りとり、ポリ袋で混合して錠剤用粉末を作製した。つぎに、外部滑沢装置ELSP1−タイプIII(菊水製作所製)を装備した実験用小型錠剤機VELA5(菊水製作所製)を用い、錠剤1錠あたり0.1mg以下のステアリン酸マグネシウムが付着する条件で1錠あたり100mgの錠剤を作製した。このときの杵の形状は丸型、直径は6.5mmを用いた。(崩壊剤の検討)(実施例1、比較例1〜5) 実施例1、比較例1〜5では、表2に示すように、崩壊剤の種類を変更した錠剤用粉末を打錠し、当該錠剤の硬度、崩壊時間、口腔内崩壊時間および口腔内のぱさつき感を評価した。なお、結晶セルロースとしてセオラスPH102(旭化成株式会社製)、無水リン酸水素カルシウムとして無水リン酸水素カルシウムGS(協和化学株式会社製)、甘味剤としてアセスルファムカリウム(ニュウトリノヴァジャパン社製)を使用した。打錠圧は、5〜7kNで打錠した。(実験結果) 実験結果を表2に示す。この結果より、カルメロースを使用した場合,錠剤の硬度が高く、崩壊時間および口腔内崩壊時間が速く、口腔内でのぱさつき感がなかった。(結晶セルロースの平均粒子径の検討)(実施例1〜3) 実施例1〜3では、表2に示すように、結晶セルロースの平均粒子径を変更した錠剤の粉末成分を打錠し、当該錠剤の硬度、崩壊時間および口腔内崩壊時間を測定した。なお、カルメロースとしてNS−300(五徳薬品株式会社製)、無水リン酸水素カルシウムとして無水リン酸水素カルシウムGS(協和化学株式会社製)、甘味剤としてアセスルファムカリウム(ニュウトリノヴァジャパン社製)を使用した。なお、錠剤の製造方法は、実施例1と同様である。(実験結果)実験結果を表3に示す.この結果より、いずれ粒子径の結晶セルロースを使用しても、硬度、崩壊時間および口腔内崩壊時間ともに目標値を満足していた。特に、平均粒子径100μmのセオラスPH−102で錠剤の硬度が高く、崩壊時間および口腔内崩壊時間ともに速かった。(無水リン酸水素カルシウムの嵩密度の検討)(実施例1、4、5) 実施例1、4、5では、表4に示すように、無水リン酸水素カルシウムの平均粒子径を変更した錠剤の粉末成分を打錠し、当該錠剤の硬度、崩壊時間および口腔内崩壊時間を測定した。なお、カルメロースとしてNS−300(五徳薬品株式会社製)、結晶セルロースとしてセオラスPH−102(旭化成株式会社製)、甘味剤としてアセスルファムカリウム(ニュウトリノヴァジャパン社製)を使用した。なお、錠剤の製造方法は、実施例1と同様である。(実験結果) 実験結果を表4に示す。この結果より、いずれの嵩密度の無水リン酸水素カルシウムを使用しても、硬度、崩壊時間および口腔内崩壊時間の目標値を満足していた。特に、嵩密度が0.85g/mLである無水リン酸水素カルシウムGSで錠剤の硬度が高く、崩壊時間および口腔内崩壊時間ともに速かった。(甘味剤の検討)(実施例1、6〜9、30) 実施例1、6〜9、実施例30では、表5に示すように、甘味剤の種類を変更した錠剤の粉末成分を打錠し、当該錠剤の硬度、崩壊時間および口腔内崩壊時間を測定した。なお、カルメロースとしてNS−300(五徳薬品株式会社製)、結晶セルロースとしてセオラスPH102(旭化成株式会社製)、無水リン酸水素カルシウムとして無水リン酸水素カルシウムGS(協和化学株式会社製)を使用した。なお、錠剤の製造方法は、実施例1と同様である。(実験結果) 実験結果を表5に示す。この結果より、これらの甘味剤の中で、実施例30のグリチルリチン酸ニカリウムを含有する錠剤の崩壊時間および口腔内崩壊時間が長く、崩壊性が悪かった。その他の甘味剤のアセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、スクラロース、およびソーマチンを配合した錠剤は、硬度が高く、崩壊時間および口腔内崩壊時間が速かった。(錠剤の製造方法の検討) 実施例1および10の処方を表6に示す。ステアリン酸マグネシウムの添加方法を杵臼に付着させ、錠剤の表面のみにステアリン酸マグネシウムが存在する外部滑沢法とステアリン酸マグネシウムと粉末を混合し、錠剤全体にステアリン酸マグネシウムが存在する内部混合法の2つの方法を行った。この2つの方法で作製した錠剤の硬度、崩壊時間および口腔内崩壊時間を測定した。(錠剤の製造方法) ステアリン酸マグネシウムを錠剤内部に配合した(内部混合した)実施例10の錠剤の製造方法としては、エテンザミド、カルメロース、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、アセスルファムカリウム、ステアリン酸マグネシウムを表6記載の配合量にしたがって量りとり、ポリ袋で混合し、ステアリン酸マグネシウムを添加して混合後、錠剤用粉末を作製した。つぎに、実験用小型錠剤機VELA5(菊水製作所製)で1錠あたり100mgの錠剤を作製した。このときの杵の形状は丸型、直径は6.5mmを用い、打錠圧6kNで打錠した。(実験結果) 実験結果を表7に示す。この結果より、どちらのステアリン酸マグネシウムの添加方法も硬度、崩壊時間および口腔内崩壊時間の目標値を満足していた。特に、外部滑沢法で製造した錠剤の硬度が高く、崩壊時間および口腔内崩壊時間が速かった。(滑沢剤の添加量の検討) 実施例11〜14、比較例6の処方を表8に示す。滑沢剤であるステアリン酸マグネシウムの添加量を0.1mg、0.3mg、0.5mg、0.8mgおよび1.0mgに変化させた錠剤の硬度、崩壊時間および口腔内崩壊時間を測定した。なお、実施例11〜14および比較例7の錠剤の製造方法は、実施例10と同様とし、硬度が約60Nになるように打錠した。(実験結果) 実験結果を表9に示す。この結果より、ステアリン酸マグネシウムの添加量が0.1mg、0.3mg、0.5mg、0.8mg、1mgと多くなるに従い、崩壊時間および口腔内崩壊時間が遅延する傾向にあった。(滑沢剤の添加量を変更した錠剤の経時安定性試験) 上記表8の成分を打錠圧7kNで打錠し、その錠剤を40℃、相対湿度75%のオーブン中で9日間放置した後、錠剤硬度および錠剤の崩壊時間を測定した。(実験結果) 実験結果を表10に示す。この結果より、滑沢剤であるステアリン酸マグネシウムの添加量が0.1mg、0.3mg、0.5mg、0.8mgの場合、錠剤硬度は、30N以上であり、崩壊時間は30秒以下であり、ともに目標値を達成した。一方、1.0mgの場合、錠剤硬度が30N未満であり、しかも崩壊時間は、30秒以上であった。(滑沢剤の種類の検討) 実施例15〜18の処方を表11に示す。滑沢剤の種類を変更した錠剤の硬度、崩壊時間および口腔内崩壊時間を測定した。なお、実施例15〜18の錠剤の製造方法は、実施例1と同様、外部滑沢法であり、打錠圧6kNで製造した。(実験結果) 実験結果を表12に示す。この結果より、滑沢剤の種類を変更しても硬度が高く、崩壊時間および口腔内崩壊時間は速かった。(カルメロースの添加量の検討) カルメロースの添加量を1mg(1重量%)、5mg(5重量%)、10mg(10重量%)、30mg(30重量%)に変化させた実施例1、19〜21の処方を表13に示す。実施例1、19〜21の製造方法は、実施例1と同様、外部滑沢法であり、打錠圧6kNで製造した。(実験結果) 実験結果を表14に示す。この結果から、カルメロースを1mg、5mg、10mgおよび30mg添加した錠剤は、硬度や崩壊時間および口腔内崩壊時間は問題を認めず、ぱさつき感もなかった。(活性成分の添加量の検討) 活性成分であるエテンザミドの添加量を10mg(10重量%)、20mg(20重量%)、30mg(30重量%)、40mg(40重量%)および50mg(50重量%)に変化させた実施例1、22〜25の処方を表15に示す。実施例1、22〜25の製造方法は、実施例1と同様、外部滑沢法であり、打錠圧6kNで製造した。(実験結果) 実験結果を表16に示す。この結果より、活性成分であるエテンザミドの配合量を変更しても、いずれの錠剤の硬度も高く、崩壊時間が速かった。(活性成分を含む粉・粒体の製造方法) 本粉・粒体の処方を表17の顆粒剤に示す。2型ハイスピードミキサー(深江パウテック)に無水リン酸水素カルシウムおよびカルメロースカルシウムを添加し、別途20w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース2910の水溶液に薬物であるイソプロピルアンチピリンを所定量懸濁させた液を加え、攪拌造粒した。造粒物はFL−MINI流動層造粒機(フロイント産業)で乾燥させた。なお、薬物と苦味抑制基剤の配合比は、重量比(固形分)で1:3とした。薬物としては、イソプロピルアンチピリン(金剛化学社製)を、苦味抑制基剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース2910としては、TC−5EW(信越化学株式会社製)を、賦形剤としては、無水リン酸水素カルシウム(協和化学社製)を用いた。また、崩壊剤としては、カルメロースカルシウム(五徳薬品社製)を用いた。20w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース2910水溶液の20℃における粘度は、50〜14000mPa・sである。(錠剤製造方法) 上記粉・粒体、崩壊剤、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、甘味剤を表17記載の配合量にしたがって量りとり、V型混合機(株式会社ダルトン製)で混合して錠剤用粉末を作製した。つぎに、外部滑沢装置ELSP1−タイプIII(菊水製作所製)を装備した実験用小型打錠機ロータリー打錠機(菊水製作所製)を用い、錠剤1錠あたり0.1mg以下のステアリン酸マグネシウムが付着する条件で1錠あたり100mgの錠剤を作製した。このときの杵の形状は丸型、直径は6.5mmを用い、打錠圧は5〜7kNであった。(活性成分にコーティングを施した粉・粒体を使用した処方の検討)(崩壊剤の検討) 活性成分にコーティングを施した粉・粒体を使用して打錠する場合、錠剤の硬度の低下や崩壊時間および口腔内崩壊時間が遅延することが考えられることから再度、崩壊剤の検討を行った。(実施例26、比較例8〜12) 実施例26、比較例8〜12では、表17の処方を基本処方とし、崩壊剤の種類を変更した錠剤用粉末を打錠し、当該錠剤の硬度、崩壊時間、口腔内崩壊時間、および口腔内のぱさつき感を評価した。(実験結果) 実験結果を表18に示す。この結果より、表2と同様にカルメロースを使用すると、錠剤の硬度は高く、崩壊時間および口腔内崩壊時間が速く、口腔内のぱさつき感がなかった。他の崩壊剤は、口腔内での崩壊時間は長く、しかもぱさつき感があった。(活性成分にコーティングを施した粉・粒体の添加量の検討)(錠剤製造方法) 実施例27の錠剤の処方を表19に示す。イソプロピルアンチピリンの添加量を2mgにした以外は、実施例26と同様であるが、杵径は7.0mmを使用した。(実験結果) 実験結果を表20に示す。この結果から、活性成分の配合量を増しても、実施例26の1mg錠と同様に、錠剤の硬度は高く、崩壊時間および口腔内崩壊時間も速かった。(香料の添加の検討)(錠剤製造方法) 実施例28、29の錠剤の処方を表21に示す。香料であるハッカ油および含水ニ酸化ケイ素を配合した以外は、実施例26および27と同様である。(実験結果) 実験結果を表22に示す。この結果より、香料を配合しても錠剤の硬度は高く、崩壊時間および口腔内崩壊時間も速かった。(活性成分にコーティングを施した粉・粒体の薬物、添加剤の量の検討)(錠剤製造方法)実施例31、32および33の錠剤の処方を表23に示す。薬物および添加物の添加量を変更した以外は、実施例28および29と同様である。 なお、実施例31、32および33の打錠機の杵径および打錠圧は、表24にある通りである。(実験結果) 実験結果を表25に示す。この結果より、実施例28および29と同様、いずれの錠剤も硬度が30N以上であり、崩壊時間が30秒以内であった。(薬物の種類および添加量の検討)(粉末の直接打錠法による錠剤の製造方法) 錠剤の処方を表26、27および28に示す。なお、薬物としては、アセトアミノフェン、塩酸セフカペンピボキシルおよび塩酸リルマザホンを用いた。錠剤の製造方法としては、薬物、カルメロース、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、アセスルファムカリウム、ステアリン酸マグネシウムを表26、27および28記載の配合量に従って量りとり、ポリ袋で混合し、錠剤用粉末を作製した。つぎに、外部滑沢装置ELSP1−タイプIII(菊水製作所製)を装備した実験用小型錠剤機VELA5(菊水製作所製)を用い、錠剤1錠あたり0.1mg以下のステアリン酸マグネシウムが付着する条件で1錠あたり100mgの錠剤を作製した。このときの杵の形状は丸型、直径は6.5mmを用い、打錠圧6kNで打錠した。(実験結果) それぞれの薬物について実験結果を表29、30、31に示す。この結果より、薬物量が増加するほど、錠剤の硬度が低下し、崩壊時間が長くなる傾向があったものの、いずれの錠剤も錠剤の硬度が30N以上であり、崩壊時間が30秒以内であった。 本発明の錠剤は製造工程が容易で、かつ製造時および保存時の強度を兼ね備えており、しかも長期間の保存、安定性に優れている。また、口腔内で速やかに崩壊することから、高齢者、小児用の服用し易い製剤として、また一般人用の安全な製剤として、同一の薬物を含有する従来の経口剤と同様に種々の病気の治療、予防に用いることができる。活性成分、結晶セルロース、無機賦形剤、カルメロースおよび0.8重量%以下の滑沢剤を含有し、滑沢剤を含有することを特徴とする口腔内崩壊錠剤。 【課題】嚥下能力が低いため、錠剤の服用が困難な高齢者や小児用に、糖類などの可溶性の添加剤を配合しなくとも、適度な硬度、口腔内での速やかな崩壊および良好な服用感を有し、特殊な製剤機械を必要とすることなく、既存設備で生産可能である口腔内崩壊錠剤の提供。【解決手段】活性成分、結晶セルロース、無機賦形剤として無水リン酸カルシウム、カルメロースおよび錠剤1錠あたり0.8重量%以下の滑沢剤としてステアリン酸金属塩を混合して打錠、あるいは外部滑沢法により打錠することにより、錠剤硬度が確保され、しかも良好な崩壊性を示す口当たりのよい口腔内崩壊錠剤を得る。【選択図】なし