タイトル: | 特許公報(B1)_尿素水の製造方法、尿素水からトリウレットを除去する方法、及び、水溶液からトリウレットを回収する方法。 |
出願番号: | 2013137648 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C07C 273/14,C07C 275/00 |
猪野 栄一 JP 5409948 特許公報(B1) 20131115 2013137648 20130629 尿素水の製造方法、尿素水からトリウレットを除去する方法、及び、水溶液からトリウレットを回収する方法。 株式会社オプティ 513165665 高橋 昌義 100121658 猪野 栄一 20140205 C07C 273/14 20060101AFI20140116BHJP C07C 275/00 20060101ALI20140116BHJP JPC07C273/14C07C275/00 C07C273/14 C07C275/00,275/62 特開昭49−135924(JP,A) 特開2000−281638(JP,A) 特開2010−280596(JP,A) 特開2012−219040(JP,A) 7 12 20130702 斉藤 貴子本発明は、尿素水の製造方法、尿素水からトリウレットを除去する方法、及び、水溶液からトリウレットを回収する方法に関する。 尿素水は、NOx(窒素酸化物)を浄化する技術に使われ、大型乗用ディーゼル車の排気ガス浄化システム等に利用されている。この排気ガス浄化システムは、アンモニア(NH3)が窒素酸化物(NOx)と化学反応することで窒素(N2)と水(H2O)に還元される性質を利用したものであるが、アンモニアを直接車両に積むことは安全上の理由から困難であるため、一般に尿素水が使用されている。 上記、尿素水に関する技術としては、例えば、下記特許文献1及び下記特許文献2がある。下記特許文献1には、尿素水原液を酸性カチオン交換樹脂で処理した後に塩基性アニオン交換樹脂で処理する高純度尿素水の製造方法が開示されている。また、下記特許文献2には、グアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm 以下の尿素水及び脱硝装置が開示されている。特開2012−219040号公報特開2007−145796号公報 しかしながら、上記特許文献1及び上記特許文献2の技術を用いた場合であっても、低温状態になると尿素水が白濁するといった現象が発生することを発見した。 この白濁について、本発明者は鋭意検討を行ったところ、この白濁の原因は尿素そのものではなく、尿素の三量体であるトリウレットが析出したものであることを突き止めた。そして、この除去について更に鋭意検討を行ったところ、尿素水が白濁していない状況においては、イオン交換樹脂でトリウレットを除去することができず、仮にイオン交換樹脂を通したとしてもこの尿素水を低温状態に置くと再び白濁してしまうことを確認した。すなわち、尿素水を単にイオン交換樹脂を通すだけでは、高純度な尿素水を得るのが困難であることを発見した。 そこで、本発明は、上記課題に鑑み、尿素水からトリウレットをより効率的に除去する方法、高純度な尿素水を製造する方法、更には、水溶液からトリウレットを回収する方法を提供することを目的とする。 上記のとおり本発明者は、一度透明になるまで溶解したとしても低温状態において尿素水が白濁するといった現象が発生することを発見し、この白濁の原因は尿素そのものではなく尿素の三量体であるトリウレットが析出したものであることを突き止めた。そして、尿素水が白濁していない状況においては、イオン交換樹脂でトリウレットを除去することができず、仮にイオン交換樹脂を通したとしてもこの尿素水を低温状態に置くと再び白濁してしまうことを確認する一方、白濁した状態であればイオン交換樹脂により捕捉することができることを発見し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明の一観点に係る尿素水の製造方法は、尿素水を水に溶解させて尿素水とするステップ、尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲にして白濁させるステップ、前記尿素水が白濁した状態で尿素水をアニオン交換樹脂に通すステップ、を有する。 また、本発明の他の一観点に係る尿素水の製造方法は、不純物としてトリウレットを含む尿素を水に混合させて尿素水とするステップ、尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲にしてトリウレットを析出させて尿素水を白濁させるステップ、温度範囲において尿素水をイオン交換樹脂に通し、析出したトリウレットをイオン交換樹脂に捕捉させるステップと、を有する。 また、本発明の他の一観点に係る尿素水からトリウレットを除去する方法は、尿素と、不純物としてのトリウレットと、を含む尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲に冷却してトリウレットを析出させるステップと、温度範囲において尿素水をイオン交換樹脂に通し、析出したトリウレットをイオン交換樹脂に捕捉させるステップと、を有する。 また、本発明に係る水溶液からトリウレットを回収する方法は、トリウレットを含む水溶液を17度以下−5度以上の温度範囲に冷却してトリウレットを析出させるステップと、温度範囲において水溶液をイオン交換樹脂に通し、析出したトリウレットをイオン交換樹脂に捕捉させるステップと、を有する。 以上、本発明により、尿素水からトリウレットをより効率的に除去する方法、高純度な尿素水を製造する方法、更には、水溶液からトリウレットを回収する方法を提供することができる。実施形態にかかる尿素水の製造方法のフローを示す図である。実施形態にかかる尿素水中の析出物を回収する方法のフロー示す図である。トリウレット、シアヌル酸、ビウレット、尿素の赤外吸収スペクトルを示す図である。トリウレット、シアヌル酸、ビウレット、尿素のX線回折の結果を示す図である。 以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例の例示にのみ限定されるものではない。(尿素水の製造方法、トリウレット除去方法) 図1は、本実施形態に係る尿素水の製造方法(以下「本製造方法」という。)のフローを示す図である。本図で示すように、尿素水を水に溶解させて尿素水とするステップ、尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲にして白濁させるステップ、白濁した尿素水をアニオン交換樹脂に通すステップ、を有する。より具体的には、本製造方法は、(1)不純物としてトリウレットを含む尿素を水に混合させて尿素水とするステップ、(2)17度以下−5度以上の温度範囲にしてトリウレットを析出させるステップ、及び(3)上記の温度範囲において尿素水をイオン交換樹脂に通し、析出したトリウレットをイオン交換樹脂に捕捉させるステップ、を備える。 本製造方法においては、まず、尿素水を水に溶解させて尿素水とする、より具体的には、(1)不純物としてトリウレットを含む尿素を水に混合させて尿素水とする。ここで、尿素の濃度としては、尿素水としての機能、例えば上記のようにNOxを還元することができる限りにおいて限定されるわけではないが、30重量%以上50重量%以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは40重量%以下、更に好ましくは31重量%以上34重量%以下である。 また、本ステップにおいて、尿素には不純物としてトリウレットが含まれている。ここでトリウレットとは、尿素の三量体をいい、下記式で示される化合物をいい、尿素の製造過程において不可避的に混入してしまう不純物である。不純物であるため、含まれていないことが好ましいものであるが、本実施形態では、トリウレットが0.045重量%以上含まれていれば、本製造方法を適用することによって顕著な効果を得ることができ、トリウレットを0.005重量%以下に減ずることによって、低温化しても白濁しない尿素水を得ることができる。 また、本製造方法では、尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲にして白濁させる、より具体的には(2)17度以下−5度以上の温度範囲にしてトリウレットを析出させる。トリウレットは低温状態、より具体的には17度以下の場合、白濁の原因物質となる。白濁は尿素水自体の性能に大きな影響を与えるものではないが、低温状態で白濁することにより尿素水内に沈殿物が生じ、この沈殿物が尿素水を収納する容器や配管に残ることで容器内又は配管の詰まりの原因となる虞が生じうる。さらに、尿素SCRシステム中のフィルターや尿素を噴霧するノズルの詰まりの原因となる虞が生じうる。したがって、本製造方法では、低温の温度範囲としてトリウレットを析出させ、これを除去回収する方策を採る。また、ここで、17度以下とすることで白濁させることができるが、12度以下とすることで、この白濁をより顕著にすることが可能となるため、12度以下−5度以上の温度範囲にすることも好ましい。 また、本製造方法において、尿素水を水に溶解させて尿素水とするステップと尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲にして白濁させるステップ、より具体的には(1)不純物としてトリウレットを含む尿素を水に混合させて尿素水とするステップと(2)尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲にしてトリウレットを析出させるステップは同時に行ってもよい。この場合、混合させる水の温度を上記範囲内の所望の温度から10度から25度程度高い範囲にしておくことで、水と尿素との吸熱反応によって上記範囲内に収めることができる。 また、本製造方法においては、白濁した尿素水をアニオン交換樹脂に通す、より具体的には(3)上記温度範囲において尿素水をイオン交換樹脂に通し、析出物すなわちトリウレットをイオン交換樹脂に捕捉させる。本製造方法において、トリウレットは白濁していない状態ではイオン交換樹脂を通じても除去することができないことが確認できており、本ステップでは、あえて白濁させた状態とすることではじめてイオン交換樹脂によってトリウレットを捕捉させることができる。低温においてトリウレットが白濁の原因になる理由については明確ではないが、低温状態になるとトリウレットが凝集することで光を散乱してしまう程度に大きくなっているのだと考えられる。また、白濁した状態で初めてイオン交換樹脂で除去できる原理については推測の域ではあるが、アニオン樹脂による補足は、アルカリによるトリウレットの凝集効果であると考えられる。カチオン樹脂による補足は、尿素水溶液が低温になることでトリウレットが凝集、物理的に補足できていると考えられる。 なお、上記のとおり、推測の域を含むが、カチオン交換樹脂は、アンモニアや、固結防止剤として使用されているスルホン酸カルシウムもしくはスルホン酸ナトリウムをはじめとした尿素に微量含まれるカチオンを効率的に交換することができ、アニオン交換樹脂は、OH基を触媒としてトリウレットを効率よく凝集させ、トリウレットをろ過することができる。 ここで、イオン交換樹脂としては、カチオン交換樹脂、イオン交換樹脂のいずれであってもよく、これらを組み合わせることが好ましいが、いずれか一方を用いるのであれば、アニオン交換樹脂の方がトリウレットを捕捉する量が3〜4倍程度高く好ましい。ここで「カチオン交換樹脂」は、水等の溶媒中に存在する陽イオンとイオン交換を行うことのできる樹脂であり、この限りにおいて限定されるわけではなく、一般に市販されているものを使用することができ、例えばオルガノ株式会社製のAMBEREX100、AMBERITE IR120B、AMBERJET 1020等を用いることができる。また、「アニオン交換樹脂」は、水等の溶媒中に存在する陰イオンとイオン交換を行うことのできる樹脂であり、この限りにおいて限定されるわけではなく、一般に市販されているものを使用することができ、例えばオルガノ株式会社製のAMBERLITE IRA410、AMBERLITE IRA402BL、AMBERJET 4010、AMBERJET 4002等を用いることができる。 以上、本製造方法によって、トリウレットを十分に除去し、低温であっても白濁せず、高純度な尿素水を製造する方法を実現することができる。(トリウレット回収方法) 以上のとおり、本実施形態では、トリウレットを十分に除去し、低温であっても白濁せず、高純度な尿素水を製造する方法を提供できるが、本実施形態ではさらに、イオン交換樹脂によって析出物を回収する、より具体的には(4)尿素水を通したイオン交換樹脂を洗浄してトリウレットを回収するステップを含ませることで、トリウレットを回収する方法(以下「本回収方法」という。)も実現できる。このフローを図2に示しておく。 本ステップでは、イオン交換樹脂を洗浄することで容易にイオン交換樹脂から捕捉したトリウレットを回収することができる。洗浄する方法としては、特に限定されるわけではないが液体で洗浄することが好ましく、より好ましくは水、更には水にアルコールを加えたもので洗浄することが洗浄効率、回収効率の観点からより好ましい。 なお、トリウレットを回収した洗浄後のイオン交換樹脂は、トリウレットが除去されているため再びトリウレット除去のステップにおいて繰り返し使用することができる。 以上、本実施形態により、尿素水からトリウレットを回収する方法を提供することができる。 以下、上記実施形態に係る尿素水製造方法、トリウレット除去方法、トリウレット回収方法を実際に行い、その効果を確認した。以下具体的に説明する。(トリウレットの確認) まず、内部に撹拌ポンプを備え付けた縦1000mm、横900mm、奥行1150mmのプラスチック製容器(以下「撹拌タンク」という。)に365kgの尿素を投入した。 次に、高さ900mm、直径200mmのカラム(以下単に「カラム」という。)に、NaOHでOH型に再生したアニオン樹脂66%、HClでH型に再生したカチオン樹脂34%(共にダウ・ケミカル製)を混合させたイオン交換樹脂を充填し、水道水758リットルを通水速度SV=20で通水し、90分間撹拌し1123kg(1030リットル)の32.5重量%濃度の尿素水を製造した。 そして、尿素水の水温を12度以下にしたところ、尿素水が白濁していることを確認した。そしてこの白濁した尿素水を静置したところ白色の沈殿物が確認できたため、この沈殿物を純水で洗浄して尿素を除去し、ろ過後、室温で数日間自然乾燥させた。 そしてこの白色の沈殿物に対し、赤外吸収測定、X線回折測定を行ったところ、この白色の沈殿物がトリウレットであることが判明した。なお、図3にトリウレット、シアヌル酸、ビウレット、尿素の赤外吸収スペクトル、図4にこれらのX線回折の結果を示しておく。(トリウレットの除去回収、尿素水の製造方法) 再び、上記の撹拌タンクに365kgの尿素を投入し、上記カラムに上記と同じ構成のイオン交換樹脂を充填し、水道水758リットルを通水速度SV=20で通水し、90分間撹拌し1123kg(1030リットル)の32.5重量%濃度の尿素水を製造した。 次に、尿素水の水温を10度に調整し、尿素水を白濁させた。白濁の状態における濁度は、30度であった。なお濁度はデジタル濁度計((株)共立理化学研究所製、デジタル濁時計500G)を用いて行った。 そして、(1)ろ過精度25μ、直径60mm、高さ250mmのポリプロピレン製フィルター、(2)HClでH型に再生したカチオン樹脂20リットルを充填したフィルター、(3)NaOHでOH型に再生したアニオン樹脂20リットルを充填したフィルター、さらに、(4)ろ過精度1μ、直径60mm、高さ250mmのポリプロピレン製フィルター、に対し、白濁した尿素水を通水速度SV=20で通水しながら撹拌タンクと同じ大きさのサブタンクに移送した。 一方、この方法において使用した上記フィルターについては、それぞれ取り出し、純水40リットルで撹拌しながら洗浄した。イオン交換樹脂にはトリウレットが捕捉されている一方、確実なイオン交換が行われたわけではないと考えられ、その証拠として、純水を用いた洗浄操作によって簡単に洗い落とすことができた。下記表に、この洗浄によって回収された白濁すなわちトリウレットの量を示す。回収されたトリウレットは、純水で洗浄し、その後室温で数日間自然乾燥させた後の量となっている。なお、本例では、白濁させる温度を異ならせ(例として8〜14度)、複数回同様の操作を行っており、この結果も下記表に示しておく。 この結果、大量のトリウレット除去を行うことができることを確認した。特に、本例では、アニオン樹脂による効果が非常に大きく、カチオン樹脂よりも3〜4倍程度トリウレットを捕捉する能力があることを確認した。 また、本方法により得られた尿素水は、トリウレットが十分に除去されたことにより、尿素水温を17度以下−10度以上に低下させても尿素水の白濁はなくなった。なおこの場合において、濁度は20度であることを確認した。なお濁度はデジタル濁度計((株)共立理化学研究所製、デジタル濁時計500G)を用いて行い、この値は、白濁のない室温状態の尿素水の濁度と同等の値であることを確認した。 以上、本例によって、高純度の尿素水を得ることができると共に、トリウレットの除去、回収を行うことができることを確認した。(比較例) 本例では、尿素水作製の際に撹拌タンクに加える水の温度を25度とし、尿素水の温度を25〜33度以上となるように維持した以外は上記例と全く同じ条件で行った。この結果を下記表2に示す。なおこの場合において、尿素水は常時白濁していなかった。 この結果によると、尿素水の温度が25度程度(室温程度)である場合、トリウレットは尿素水に安定的に溶解しており、イオン交換樹脂によって殆どろ過できていないことが確認できた。(トリウレット除去の再確認) 上記比較例において、トリウレットが殆ど除去できなかった尿素水に対し、上記トリウレットを十分に除去することができた例と殆ど同じ条件で同様の操作を行った。この結果を下記表に示しておく。 この結果、12度以下の低温にしても白濁することなく濁度20を達成することができるのを確認した。本例により、やはり白濁させてイオン交換樹脂を通すことで、トリウレットを十分に除去することができるのを確認した。(イオン交換樹脂の洗浄) ここで、上記の例においてトリウレットを捕捉したイオン交換樹脂の洗浄方法について確認した。洗浄は水のみで洗浄する場合と、純水にアルコールとしてのメタノールを加えた洗浄を行った場合を比較した。この洗浄の具体的な量や時間を含め、この結果を下記表4に示しておく。 この結果、水のみで洗浄した場合は3回程度で白濁がなくなり再使用できる状態になったところ、水にアルコールを加えることで洗浄の回数を大幅に減らすことが可能となった。 すでに上述しているところではあるが、予めHClによってH型に再生されたカチオン交換樹脂はイオン交換された場合、再生して再使用する際、HClによってH型にする必要がある。しかし、トリウレットが付着しているものは水による洗浄だけでトリウレットを取り除くことができる。これは、トリウレットがイオン交換によってカチオン交換樹脂に付着しているのではないことを表していると考えられる。 また、予めNaOHによってOH型に再生されたアニオン交換樹脂はイオン交換された場合、再生して再使用する際、NaOHによってOH型にする必要がある。しかし、トリウレットが付着しているものは水による洗浄だけでトリウレットを取り除くことができる。これは、トリウレットがイオン交換によってアニオン交換樹脂に付着しているのではないことを表している。 また、カチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂に付着しているトリウレットの比率は、1:3もしくは1:4の比率でろ過されており、カチオン交換樹脂よりもアニオン交換樹脂に濾過される量は多い。カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂に尿素水を通水する順番を入れ替えてもこの傾向は同じであることを確認した。 また、以上の結果より、水で洗浄するだけでトリウレットは洗浄することができるが、イオン交換樹脂は多孔質であるため、トリウレットが孔内に入り込み除去するのに時間がかかる。そこで、アルコールを水に混合させて使用することによって、トリウレットの洗浄が短時間で行うことができることを確認した。 本発明は、尿素水の製造方法、トリウレットの除去方法、トリウレットの回収方法として産業上の利用可能性がある。 尿素水を水に溶解させて尿素水とするステップ、 前記尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲にして白濁させるステップ、 前記尿素水が白濁した状態で前記尿素水をイオン交換樹脂に通すステップ、を有する尿素水の製造方法。 前記尿素水を水に溶解させて尿素水とするステップと、前記尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲にして白濁させるステップを同時に行う請求項1記載の尿素水の製造方法。 不純物としてのトリウレットを含む尿素を水に混合させて尿素水とするステップ、 前記尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲にして前記トリウレットを析出させて前記尿素水を白濁させるステップ、 前記温度範囲において前記尿素水が白濁した状態で前記尿素水をイオン交換樹脂に通し、析出した前記トリウレットを前記イオン交換樹脂に捕捉させるステップと、を有する尿素水の製造方法。 前記不純物としてのトリウレットを含む尿素を水に混合させて尿素水とするステップと、前記尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲にして前記トリウレットを析出させるステップを同時に行う請求項3記載の尿素水の製造方法。 尿素と、不純物としてのトリウレットと、を含む尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲に冷却して前記トリウレットを析出させて前記尿素水を白濁させるステップと、 前記温度範囲において前記尿素水が白濁した状態で前記尿素水をイオン交換樹脂に通し、析出した前記トリウレットを前記イオン交換樹脂に捕捉させるステップと、を有する尿素水からトリウレットを除去する方法。 前記尿素水を通したイオン交換樹脂を水で洗浄し、前記イオン交換樹脂から前記トリウレットを除去するステップと、を有する、請求項5記載の尿素水からトリウレットを除去する方法。 トリウレットを含む尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲に冷却して前記トリウレットを析出させるステップと、 前記温度範囲において前記尿素水をイオン交換樹脂に通し、析出した前記トリウレットを前記イオン交換樹脂に捕捉させるステップと、を有する尿素水からトリウレットを回収する方法。 尿素水からトリウレットをより効率的に除去する方法、高純度な尿素水を製造する方法、更には、水溶液からトリウレットを回収する方法を提供する。【解決課題】尿素水を水に溶解させて尿素水とするステップ、前記尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲にして白濁させるステップ、白濁した前記尿素水をアニオン交換樹脂に通すステップ、を有する尿素水の製造方法とする。また、尿素と、不純物としてのトリウレットと、を含む尿素水を17度以下−5度以上の温度範囲に冷却して前記トリウレットを析出させるステップと、前記温度範囲において前記尿素水をイオン交換樹脂に通し、析出した前記トリウレットを前記イオン交換樹脂に捕捉させるステップと、を有する尿素水からトリウレットを除去する方法とする。【選択図】図1