生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_口腔用組成物
出願番号:2013132785
年次:2014
IPC分類:A61K 8/49,A61K 8/73,A61Q 11/00


特許情報キャッシュ

二階堂 亜紀子 JP 2014040408 公開特許公報(A) 20140306 2013132785 20130625 口腔用組成物 ライオン株式会社 000006769 酒井 宏明 100089118 寺崎 直 100113398 二階堂 亜紀子 JP 2012165525 20120726 A61K 8/49 20060101AFI20140207BHJP A61K 8/73 20060101ALI20140207BHJP A61Q 11/00 20060101ALI20140207BHJP JPA61K8/49A61K8/73A61Q11/00 3 OL 18 4C083 4C083AB172 4C083AB242 4C083AC122 4C083AC132 4C083AC302 4C083AC432 4C083AC442 4C083AC611 4C083AC612 4C083AC662 4C083AC692 4C083AC852 4C083AC862 4C083AD092 4C083AD131 4C083AD132 4C083AD352 4C083BB34 4C083BB48 4C083CC41 4C083DD22 4C083DD23 4C083EE06 4C083EE36 本発明は、口腔用組成物に関する。 歯周病やう蝕の予防には歯垢(プラーク)の抑制が重要であり、歯垢の抑制を目的として殺菌剤を配合した口腔用組成物が広く用いられている。これらの殺菌剤の中でカチオン性殺菌剤は、口腔細菌の殺菌効果、歯垢抑制効果、歯肉炎改善効果を有することから広く使用されている。また、カチオン化セルロース等のカチオン性高分子は、歯面に吸着しやすい性質を有しており、カチオン性殺菌剤との組合せにより歯面への歯垢の付着抑制効果が相乗的に向上することが知られている(特許文献1)。特開2011−148770号公報 近年、口腔用組成物には低刺激な使用感が求められているが、カチオン性殺菌剤とカチオン性高分子とを組合せて使用すると、カチオン性殺菌剤による粘膜の収斂感及び痺れ感等の刺激や苦味が増大されるなど、使用感に改善の余地があった。 従って、本発明の課題は、優れた歯垢付着抑制効果を有すると共に、使用感(苦味や口腔内への刺激の抑制)にも優れる口腔用組成物を提供することにある。 本発明は、以下の[1]〜[3]を提供する。[1] 成分(A):カチオン性殺菌剤と、 成分(B):カチオン性高分子と、 成分(C):γ−ラクタム骨格、δ−ラクタム骨格及びε−ラクタム骨格からなる群から選ばれる一種以上のラクタム骨格を有し、且つ酸性基を有する化合物又はその塩とを含有する口腔用組成物。[2] 成分(B)がカチオン化セルロースである、[1]に記載の口腔用組成物。[3] 成分(C)がピロリドンカルボン酸及び/又はその塩である、[1]又は[2]に記載の口腔用組成物。 本発明によれば、優れた歯垢付着抑制効果を有すると共に、使用感(苦味や口腔内への刺激の抑制)にも優れる口腔用組成物を提供することができる。 以下、本発明を詳細に説明する。 [口腔用組成物] 本発明の口腔用組成物は、 成分(A):カチオン性殺菌剤と、 成分(B):カチオン性高分子と、 成分(C):γ−ラクタム骨格、δ−ラクタム骨格及びε−ラクタム骨格からなる群から選ばれる一種以上のラクタム骨格を有し、且つ酸性基を有する化合物又はその塩とを含有することを特徴とする。 本発明の口腔用組成物に含有される成分(A)は、カチオン性殺菌剤である。カチオン性殺菌剤は、歯面への歯垢の付着を抑制する効果並びに歯垢中のミュータンス菌を殺菌する効果を奏する。 成分(A)として好適に用いることができるカチオン性殺菌剤としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム及びクロルヘキシジン等が挙げられる。中でも、殺菌力及び使用性の観点から、塩化セチルピリジニウムが好ましい。 本発明の口腔用組成物における成分(A)の含有量は、歯面への歯垢の付着抑制効果の観点から、口腔用組成物の全量に対し、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましい。 成分(A)の含有量の上限は、苦味や口腔内への刺激を抑えて良好な使用感を実現する観点から、口腔用組成物の全量に対し、0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましい。 一実施形態において、本発明の口腔用組成物における成分(A)の含有量は、口腔用組成物の全量に対し、0.01質量%〜0.1質量%が好ましく、0.02質量%〜0.05質量%がより好ましい。 なお、本発明において、口腔用組成物中の各成分の含有量は、組成物を製造する際の各成分の仕込み量を基準とするものである。 本発明の口腔用組成物において、成分(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 本発明の口腔用組成物に含有される成分(B)は、カチオン性高分子である。カチオン性高分子は、化粧料に配合される成分(例えば、ヘアスタイリング成分、コンディショニング成分等)として知られているが、本発明の口腔用組成物においては、歯面への歯垢の付着を抑制する効果を奏する。 成分(B)として好適に用いることができるカチオン性高分子としては、例えば、カチオン化セルロース、ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとエチレン性不飽和炭化水素基を有する重合可能な単量体とのコポリマー、カチオン化ポリビニルピロリドン、カチオン化ポリアミド、カチオン化ポリメタクリレート、カチオン化ポリアクリルアミド、カチオン化メタクリレートとアクリルアミドとのコポリマー、カチオン化メタクリレートとメタクリレートのコポリマー、ポリエチレンイミド、カチオン化デンプン、カチオン化アミロース、カチオン化グアーガム、カチオン化ローストビーンガム、カチオン化寒天、キチン、キトサン及びこれらの変性物等が挙げられる。中でも、歯面への歯垢の付着抑制効果の観点から、カチオン化セルロースが好ましい。 カチオン化セルロースとしては、カチオン基由来の窒素含有量が好ましくは0.1質量%〜3質量%、より好ましくは0.5質量%〜2.5質量%であるカチオン化セルロースが好ましい。 好適なカチオン化セルロースとしては、例えば、ヒドロキシエチルセルロースにジメチルジアリルアンモニウム塩をグラフト重合したヒドロキシエチルセルロース・ジメチルジアリルアンモニウム塩(好ましくはヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド)、ヒドロキシエチルセルロースに2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを結合した塩化O−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。 ヒドロキシエチルセルロース・ジメチルジアリルアンモニウム塩としては、2%水溶液の粘度(20℃)が好ましくは10mPa・s〜3,500mPa・s、より好ましくは20mPa・s〜3,000mPa・s、更に好ましくは30mPa・s〜2,500mPa・sであるヒドロキシエチルセルロース・ジメチルジアリルアンモニウム塩が好適に使用できる。ここで、2%水溶液の粘度(20℃)は、BH型ブルックフィールド粘度計(ローターNo.2、20rpm、測定時間1分)を用いて測定することができる。 ヒドロキシエチルセルロース・ジメチルジアリルアンモニウム塩としては、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドが好ましく、その好適な市販品としては、例えば、日本エヌエスシー(株)製の「セルコートL−200」(窒素含有量1.4質量%〜2.2質量%、20℃における2%水溶液粘度35mPa・s〜350mPa・s)、及び「セルコートH−100」(窒素含有量0.5質量%〜1.5質量%、20℃における2%水溶液粘度500mPa・s〜2,750mPa・s)等が挙げられる。 塩化O−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロースとしては、1%水溶液の粘度(20℃)が好ましくは100mPa・s〜3,000mPa・s、より好ましくは300mPa・s〜2,500mPa・s、更に好ましくは500mPa・s〜2,000mPa・sである塩化O−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロースが好適に使用できる。ここで、1%水溶液の粘度(20℃)は、BH型ブルックフィールド粘度計(ローターNo.2、20rpm、測定時間1分)を用いて測定することができる。 塩化O−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロースの市販品としては、例えば、ライオン(株)製の「レオガードMGP」、「レオガードHLP」、「レオガードGPS」、「レオガードKGP」、「レオガードG」、「レオガードGP」、及び「レオガードMLP」等が挙げられ、中でも「レオガードMGP」(窒素含有量1.8質量%、20℃における1%水溶液粘度500mPa・s〜1,200mPa・s)が好ましい。 本発明の口腔用組成物における成分(B)の含有量は、歯面への歯垢の付着抑制効果の観点から、口腔用組成物の全量に対し、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましい。 成分(B)の含有量の上限は、苦味や口腔内への刺激を抑えて良好な使用感を実現する観点並びに製剤安定性の観点から、口腔用組成物の全量に対し、0.5質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましい。 一実施形態において、本発明の口腔用組成物における成分(B)の含有量は、口腔用組成物の全量に対し、0.005質量%〜0.5質量%が好ましく、0.01質量%〜0.05質量%がより好ましい。 本発明の口腔用組成物において、成分(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 本発明の口腔用組成物に含有される成分(C)は、γ−ラクタム骨格、δ−ラクタム骨格及びε−ラクタム骨格からなる群から選ばれる一種以上のラクタム骨格を有し、且つ酸性基を有する化合物又はその塩である。 カチオン性殺菌剤(成分(A))とカチオン性高分子(成分(B))とを組合せて使用すると、歯面への歯垢の付着抑制効果が相乗的に向上する一方で、カチオン性殺菌剤による苦味や口腔内への刺激が増大されるなど、使用感が悪化していた。本発明では、更に成分(C)を含有させることによって、歯面への歯垢の付着抑制効果は保持しつつ、使用感(苦味や口腔内への刺激の抑制)が著しく改善された口腔用組成物を実現したものである。 成分(C)としては、上記特定の3種のラクタム骨格のいずれかを有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物又はその塩であれば、特に限定されず、分子中に二種以上のラクタム骨格及び/又は酸性基を有していてもよい。好適な一実施形態では、成分(C)は、ラクタム骨格としてγ−ラクタム骨格を有する。 成分(C)が有する酸性基としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、及びスルホン酸基等が挙げられる。中でも、酸性基としてはカルボキシル基が好ましい。成分(C)が有する酸性基の数は1つでも2つ以上でもよく、2つ以上の場合2種以上の酸性基の組み合わせであってもよい。成分(C)が有する酸性基の数は通常は1つである。 上記ラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物又はその塩の酸性度は、酸解離定数(pKa)で表すことができる。上記ラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物又はその塩の第1解離定数(pKa1)は、通常は1〜5であり、好ましくは2〜4.5である。酸解離定数(pKa)は、以下の条件及び手順で測定することができる。 酸解離定数は、20℃における酸−塩基滴定曲線より求めることができ、後述する実施例では下記の条件で求めている。即ち、添加量が判明している有機酸溶液及び水酸化ナトリウム溶液を調製し、有機酸溶液中に水酸化ナトリウム溶液を添加する。この際、添加した水酸化ナトリウム量と、その際の有機酸溶液のpHを測定する。このようにして得られたデータを基に、理論曲線との最適化を行い、酸解離定数を求めることができる。 上記ラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物又はその塩の分子量は、通常は700以下であり、好ましくは500以下である。下限は通常100以上が好ましい。 γ−ラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物又はその塩(以下、「酸性基を有するγ−ラクタム化合物又はその塩」という。)としては、例えば、ピロリドンカルボン酸、4−(3−ヒドロキシフェニル)−4−Aza−tricyclo(5.2.1.0(2,6))Dec−8−エン−3,5−ジオン、2−(3,5−ジオキソ−4−Aza−tricyclo(5.2.1.0(2,6))Dec−8−エン−4−yl)benzoic acid、及びそれらの塩が挙げられる。 δ−ラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物又はその塩(以下、「酸性基を有するδ−ラクタム化合物又はその塩」という。)としては、例えば、6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸、4−(2−オキソ−1−ピペリジニル)ブタン酸、1−エチル−6−オキソ−3−ピペリジンカルボン酸、及びそれらの塩が挙げられる。 ε−ラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物又はその塩(以下、「酸性基を有するε−ラクタム化合物又はその塩」という。)としては、例えば、3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸、3−(2−ブロモ−5−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−2−アゼパノン、及びそれらの塩が挙げられる。 成分(C)が塩の形態である場合、斯かる塩としては、薬理学的に許容される塩であれば特に限定はされない。薬理学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩、塩基付加塩及びアミノ酸塩が挙げられる。その具体例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩が挙げられる。これらの塩の中でも、水溶性の塩が好ましく、なかでも無機塩基塩が好ましく、特にナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。 好適な一実施形態において、成分(C)は、酸性基を有するγ−ラクタム化合物又はその塩であり、詳細には、ピロリドンカルボン酸、4−(3−ヒドロキシフェニル)−4−Aza−tricyclo(5.2.1.0(2,6))Dec−8−エン−3,5−ジオン、2−(3,5−ジオキソ−4−Aza−tricyclo(5.2.1.0(2,6))Dec−8−エン−4−yl)benzoic acid、及びそれらの塩からなる群から選択される1種以上である。中でも、成分(C)は、ピロリドンカルボン酸及びその塩であることが特に好ましい。 成分(C)として用いられるラクタム化合物又はその塩は、公知のスキームに従って合成することができる。あるいは成分(C)として用いられるラクタム化合物又はその塩は市販品を用いてもよい。 酸性基を有するγ−ラクタム化合物であるピロリドンカルボン酸の市販品としては、例えば、味の素株式会社から発売されている「AJIDEW A−100(登録商標)」が挙げられる。 酸性基を有するδ−ラクタム化合物である6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸の市販品としては、例えば、シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社から発売されている「(S)-6-Oxo-2-piperidine carboxylic acid(商品名)」が挙げられる。 酸性基を有するε−ラクタム化合物である3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸の市販品としては、例えば、シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社から発売されている「3-(2-Oxoazepan-1-yl)propanoic acid(商品名)」が挙げられる。 本発明の口腔用組成物における成分(C)の含有量は、苦味や口腔内への刺激を抑制して良好な使用感を実現する観点から、口腔用組成物の全量に対し、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。 本発明の口腔用組成物における成分(C)の含有量の上限は特に制限されないが、成分(C)自体に由来する苦味や口腔内への刺激を抑制して良好な使用感を実現する観点から、口腔用組成物の全量に対し、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。 一実施形態において、本発明の口腔用組成物における成分(C)の含有量は、口腔用組成物の全量に対し、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましい。 本発明の口腔用組成物において、成分(C)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 先に述べたとおり、成分(A)及び成分(B)に加えて、成分(C)を使用することにより、歯面への歯垢の付着抑制効果は保持しつつ、使用感(苦味や口腔内への刺激の抑制)が著しく改善された口腔用組成物を実現することができる。歯面への歯垢の付着抑制効果は保持しつつ、使用感(苦味や口腔内への刺激の抑制)が著しく改善された口腔用組成物を実現するにあたり、成分(A)及び成分(B)の合計質量と、成分(C)の質量との比には、好ましい範囲がある。すなわち、本発明の口腔用組成物における、成分(A)及び成分(B)の合計質量に対する成分(C)の質量の比[成分(C)/(成分(A)+成分(B))]は、苦味や口腔内への刺激を抑制して良好な使用感を実現する観点から、0.1以上が好ましく、1以上がより好ましい。成分(A)及び成分(B)の合計質量に対する成分(C)の質量の比[成分(C)/(成分(A)+成分(B))]の上限は、成分(C)自体に由来する苦味や口腔内への刺激を抑制して良好な使用感を実現する観点から、150以下が好ましく、100以下がより好ましい。好適な一実施形態において、本発明の口腔用組成物における、成分(A)及び成分(B)の合計質量に対する成分(C)の質量の比[成分(C)/(成分(A)+成分(B))]は、0.1〜150が好ましく、1〜100がより好ましい。 本発明の口腔用組成物の形状、剤形は特に限定されない。例えば、液体系(液体、液状、ペースト状)、固体系(固体、固形状)などの各種形状に調製できる。剤形の例としては、練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、粉歯磨などの歯磨剤組成物、洗口剤組成物、塗布剤組成物、口腔用パスタ、口中清涼剤組成物、食品形態(例えば、チューインガム、錠菓、キャンディ、グミ、フィルム、トローチなど)が挙げられる。 本発明の口腔用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)〜成分(C)以外の添加成分を配合してもよい。斯かる添加成分としては、例えば、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、研磨剤、粘結剤、粘稠剤、甘味剤、防腐剤、香料、薬用成分、着色剤、光沢剤、pH調整剤、溶剤、賦形剤等が挙げられ、剤型に応じて適宜選択し得る。以下に添加成分の具体例を示すが、本発明の口腔用組成物に配合可能な成分はこれらに制限されるものではない。 ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリグリセリンモノ脂肪酸エステル等が挙げられる。中でも、歯面への歯垢の付着抑制効果及び製剤安定性(オリのなさ)の観点から、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルが好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましい。 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、エチレンオキサイド(EO)平均付加モル数が60〜100であることが好ましい。 ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、アルキル鎖の炭素数が16〜18であることが好ましく、EO平均付加モル数が20〜40であることが好ましい。 ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルは、炭素原子数12〜18(好ましくは12〜14)の脂肪酸のモノエステルが好ましく、グリセリンの重合度は8〜12が好ましく、10がより好ましい。 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)製の「NIKKOL HCO」、日本エマルジョン(株)製の「EMALEX HC」、日油(株)製の「ユニオックス(登録商標) HC」等が挙げられる。 ポリオキシエチレンアルキルエーテルの市販品としては、例えば、日本エマルジョン(株)製の「EMALEX 100」、「EMALEX 600」等が挙げられる。 ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)製の「NIKKOL Decagln」、三菱化学フーズ(株)製の「リョートー(登録商標)ポリグリエステルD」等が挙げられる。 ノニオン界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ノニオン界面活性剤の配合量は、組成物全体に対して0質量%〜2質量%であることが好ましく、0.5質量%〜1質量%であることがより好ましい。 アニオン界面活性剤としては、例えば、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、グリセリン脂肪酸エステルの硫酸塩などが挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩などが好ましく、発泡性及び/又は耐硬水性の観点から、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキル鎖の炭素鎖長として炭素数が10〜16のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどがより好ましい。 アニオン界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。アニオン界面活性剤の配合量は、組成物全体に対して0質量%〜2質量%であることが好ましく、0.5質量%〜1.5質量%であることがより好ましい。 研磨剤としては、例えば、無水ケイ酸、結晶性シリカ、非晶性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、ゼオライト、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム2水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、第4リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。 研磨剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。研磨剤を配合する場合、その配合量は、歯磨剤においては組成物全体の2質量%〜40質量%であることが好ましく、5質量%〜20質量%であることがより好ましい。洗口剤においては、組成物全体の0質量%〜10質量%であることが好ましく、0質量%〜5質量%であることがより好ましい。 粘結剤としては、例えば、プルラン、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。粘結剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。粘結剤を用いる場合、その配合量は、通常、組成物全体に対して0.01質量%〜3質量%である。 粘稠剤(湿潤剤)としては、例えば、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。粘稠剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。粘稠剤を用いる場合、その配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で定めることができ、通常、組成物全体に対して1質量%〜60質量%である。 甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、パラチノース、マルチトール、キシリトール、アラビトール等が挙げられる。甘味剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。甘味剤を用いる場合、その配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。 防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸塩が挙げられる。防腐剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。防腐剤を用いる場合、その配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。 香料としては、例えば、天然香料、合成香料(単品香料)、調合香料(油脂香料(油性香料)、粉末香料など)が挙げられる。香料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 天然香料としては、例えば、マスティック油、パセリ油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、コリアンダー油、オレンジ油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローレル油、カモミール油、カルダモン油、キャラウェイ油、ベイ油、レモングラス油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー、シトラス油、ミックスフルーツ油、ストロベリー油、シナモン油、クローブ油、グレープ油、クローブ油、タイム油、セージ油、ハッカ油、ローズマリー油、マジョラム油、オリガナム油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油等が挙げられる。 単品香料としては、例えば、メントール、カルボン、アネトール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルアンスラニレート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチノンアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルフェイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルリオアセテート、シネオール、オイゲノール等が挙げられる。 調合香料とは、単品香料及び/又は天然香料を調合して作られる香料である。例えば、メントールミクロン、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、ヨーグルトフレーバー、フルーツミックスフレーバー、ハーブミントフレーバー等が挙げられる。 香料の形態は限定されず、精油、抽出物、固形物、及びこれらのいずれかを噴霧乾燥した粉体のいずれでも構わない。上記の香料素材は、組成物中に0.000001質量%〜1質量%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料は、組成物中に0.1質量%〜2.0質量%使用するのが好ましい。 薬用成分としては、例えば以下の成分が挙げられる:トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛等の成分(A)以外の殺菌又は抗菌剤;縮合リン酸塩、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;トラネキサム酸、グリチルリチン酸2カリウム塩、ε−アミノカプロン酸、オウバクエキス等の抗炎症剤;アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ビタミンC、塩化リゾチーム、グリチルレチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム、アラントイン等の収斂剤;塩化ストロンチウム等の知覚過敏抑制剤など。薬用成分を使用する場合の配合量は、それぞれの薬用成分について薬剤学的に許容できる範囲で適宜設定することができる。 着色剤としては、例えば、ベニバナ赤色素、クチナシ黄色素、クチナシ青色素、シソ色素、紅麹色素、赤キャベツ色素、ニンジン色素、ハイビスカス色素、カカオ色素、スピルリナ青色素、クマリンド色素等の天然色素や、赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の法定色素、リボフラビン、銅クロロフィンナトリウム、二酸化チタン等が挙げられる。着色剤を配合する場合、その配合量は、組成物全体に対して0.00001質量%〜3質量%であることが好ましい。 光沢剤としては、例えば、シェラック、カルナウバロウ、キャンデリラロウなどのワックス類、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。光沢剤を配合する場合、その配合量は、組成物全体に対して0.01質量%〜5質量%が好ましい。 本発明の口腔用組成物のpH(25℃)は、通常、6〜9であり、好ましくは6〜8である。pH調整剤としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタミン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の酸やアルカリ、緩衝剤が挙げられる。pH調整剤を配合する場合、その配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。 溶剤としては、例えば、水等が挙げられる。溶剤は、液体系の口腔用組成物には通常配合される。溶剤として水を配合する場合、その配合量は、組成物全体に対して20質量%〜95質量%であることが好ましい。 本発明の口腔用組成物は、口腔内への刺激を抑えて使用感を更に改善する観点から、実質的にエタノールを含まないことが好ましい。ここで、「実質的にエタノールを含まない」とは、口腔用組成物におけるエタノールの含有量が、組成物全体に対して、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは10ppm以下のものをいい、口腔用組成物におけるエタノールの含有量の下限値は0ppmである。なお、本発明の口腔用組成物は、エタノール無配合であることが好ましいが、組成物中に配合される香料中に原料由来のエタノールが微量含有される場合があるため、これらを考慮したうえで、香料中に微量含有されるエタノール以外にエタノールを含まないことが好ましい。 本発明の口腔用組成物の製造方法は特に限定されず、剤形に応じて、それぞれの通常の方法で調製してよい。 例えば、液体口腔用組成物とする場合の製造方法としては、水溶性成分と油溶性成分をそれぞれ別の容器で調製した後、これらの成分を混合し、必要に応じてろ過を行う方法が挙げられる。 また、歯磨剤組成物とする場合の製造方法としては、水溶性成分を調製した後、それ以外の成分を混合し、必要に応じて脱泡(例えば、減圧等)を行う方法が挙げられる。得られる液体口腔用組成物及び歯磨剤組成物は、容器に収容して製品とすることができる。容器は、形状、材質は特に制限されず、通常の液体口腔用組成物及び歯磨剤組成物に使用される容器を使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどのプラスチック容器等が挙げられる。 以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、表中の「%」は特に断らない限り「質量%」を示す。 [実施例及び比較例に使用した主な原料] 実施例及び処方例において用いた主な原料を下記にまとめて記載する。 <成分(A)>・(A−1):塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業(株)製)・(A−2):塩化ベンゼトニウム(ロンザジャパン製、商品名「ハイアミン1622」) <成分(B)>・(B−1):ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド1 窒素含有量1.4〜2.2質量%、20℃における2%水溶液粘度35〜350mPa・s 日本エヌエスシー(株)製、商品名「セルコートL−200」・(B−2):ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド2 窒素含有量0.5〜1.5質量%、20℃における2%水溶液粘度500〜2,750mPa・s 日本エヌエスシー(株)製、商品名「セルコートH−100」・(B−3):塩化O−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロース 窒素含有量1.8質量%、20℃における1%水溶液粘度500〜1,200mPa・s ライオン(株)製、商品名「レオガードMGP」 <成分(C)>・(C−1):ピロリドンカルボン酸 味の素(株)製、商品名「AJIDEW A−100(登録商標)」(分子量:129.12、酸性度pKa1=3.5)・(C−2):6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸 シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製、商品名「(S)−6−Oxo−2−piperidine carboxylic acid」(分子量:143.14)・(C−3):3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸 シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製、商品名「3−(2−Oxoazepan−1−yl)propanoic acid」(分子量:185.22) <添加成分>・ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数60)硬化ヒマシ油(ノニオン界面活性剤;日本エマルジョン(株)製、商品名「EMALEX HC−60」)・ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数100)硬化ヒマシ油(ノニオン界面活性剤;日本エマルジョン(株)製、商品名「EMALEX HC−100」)・プロピレングリコール(粘稠剤;旭硝子(株)製)・グリセリン(粘稠剤;阪本薬品工業(株)製、85%品)・キシリトール(甘味剤;ロケット・フルーレ社製)・サッカリンナトリウム(甘味剤;大東化学(株)製)・クエン酸(pH調整剤;扶桑化学工業(株)製)・クエン酸ナトリウム(pH調整剤;扶桑化学工業(株)製)・香料(ライオン株式会社製)・その他の成分については医薬部外品原料規格2006に適合するものを使用した 実施例1〜19及び比較例1〜3 上述の成分を用いて、表1〜3に示す配合組成(質量%)を有する液体口腔用組成物を調製した。得られた液体口腔用組成物の各々について、下記の評価方法に従って、歯垢の付着抑制効果、及び使用感(苦味や口腔内への刺激の抑制)を評価した。評価結果を表1〜3に示す。 [評価1:歯垢の付着抑制効果の評価](1)緩衝液の調製 塩化カリウム(KCl;和光純薬工業(株)製、試薬特級)3.37g、リン酸2水素カリウム(KH2PO4;和光純薬工業(株)製、試薬特級)0.14g、塩化カルシウム(CaCl2;和光純薬工業(株)製、試薬特級)0.11g、及び塩化マグネシウム(MgCl2;和光純薬工業(株)製、試薬特級)0.02gを精製水800mLに溶解させ、水酸化カリウム(KOH;和光純薬工業(株)製、試薬特級)によりpHを7.0に調整した。次いで、得られた溶液に精製水を加えて全量が1Lになるようにメスアップし、滅菌することにより緩衝液を調製した。(2)液体培地の調製 トリプティック ソイ ブロス(Tryptic Soy Broth:日本BD社製)3g、スクロース(Sucrose;和光純薬工業(株)製、試薬特級)0.5gを精製水100mLに溶解させ、滅菌することにより液体培地を調製した。(3)歯垢の付着抑制効果の評価手順 (i)24ウェルマルチプレートの各ウェルに、実施例及び比較例で調製した液体口腔用組成物をそれぞれ2mLずつ入れた。次いで、各ウェルに、鏡面研磨したペンタックス社製ハイドロキシアパタイト板(半径0.35cm×高さ0.35cm;以下、「HAP板」と記す。)を30秒間浸漬した。 (ii)他の24ウェルマルチプレートの各ウェルに、上記(1)で得た緩衝液にストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)10449株を波長660nmでの濁度が0.35になるように分散させた分散液を2mLずつ入れた。次いで、各ウェルに、各液体口腔用組成物で処理したHAP板を浸漬し、37℃で2時間静置して菌を付着させた。 (iii)HAP板を取り出して滅菌水で洗浄した後、上記(2)で得た液体培地2mLに洗浄したHAP板を37℃で8時間浸漬し、付着菌を培養した。 (iv)HAP板を取り出して蒸留水で洗浄した後、歯垢染色液(ライオン(株)製、「プラークテスターAR」)で染色した。得られたHAP板について、色差計(日本電色工業(株)製、「SE2000」)を用いて下記色差測定法に従ってa値を測定した。 色差測定法:付属の標準用白色板にて校正した後、測定位置にHAP板を載せてa値を測定した。測定は、HAP板を120度ずつ回転させて各HAP板について3回行い、その平均値を各HAP板の測定値とした。 なお、本評価においては、各液体口腔用組成物についてHAP板を3枚ずつ使用し、3枚のHAP板についてa値の平均値を算出した。算出したa値の平均値から下記評価基準に基づき歯垢の付着抑制効果の程度を評価した。本評価において、○又は◎を合格とする。 (歯垢の付着抑制効果の評価基準) ◎:a値の平均値が5未満 ○:a値の平均値が5以上7.5未満 △:a値の平均値が7.5以上10未満 ×:a値の平均値が10以上 [評価2:使用感の評価] 実施例及び比較例で調製した各液体口腔用組成物について、熟練した10名のパネラーが液体口腔用組成物約10mlを口に含み、30秒間すすいだ。洗口後の使用感(苦味や口腔内への刺激の抑制)について、下記スコア基準に基づきスコア(1点〜5点)をつけてパネラー10名の平均値を算出した。 算出したスコアの平均値から下記評価基準に基づき使用感を評価した。本評価においては、○又は◎を合格とした。 (使用感のスコア基準) 5点:苦味や刺激を全く感じなかった 4点:苦味や刺激をほとんど感じなかった 3点:苦味や刺激をわずかに感じたが問題ないレベルであった 2点:苦味や刺激を感じた 1点:苦味や刺激を強く感じた (使用感の評価基準) ◎:平均点4.0点以上5.0点以下 ○:平均点3.0点以上4.0点未満 △:平均点2.0点以上3.0点未満 ×:平均点2.0点未満 表1〜3から明らかなように、実施例1〜19の液体口腔用組成物は、比較例1〜3の組成物と比較して、歯垢付着抑制効果と使用感を同時に高いレベルにて満足させることが確認された。これらの結果は、成分(C)を、成分(A)成分及び成分(B)と組み合わせて含有する本発明の口腔用組成物が、歯垢付着抑制効果に優れると共に、使用感(苦味や口腔内への刺激の抑制)にも優れることを示すものである。 下記にさらなる処方例を示す。かかる処方例においても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。処方例1(洗口剤)(A)塩化セチルピリジニウム 0.05%(B)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウム クロリド 0.01%(C)ピロリドンカルボン酸 1.0%ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数100)硬化ヒマシ油 0.5%プロピレングリコール 3.0%グリセリン 7.0%キシリトール 3.0%クエン酸 0.03%クエン酸ナトリウム 0.5%サッカリンナトリウム 0.004%香料 0.2%精製水 残 計 100.0% (C)/[(A)+(B)]=16.7処方例2(洗口剤)(A)塩化セチルピリジニウム 0.05%(B)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウム クロリド 0.02%(C)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 3.0%ラウロイルサルコシンナトリウム 0.08%ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数100)硬化ヒマシ油 0.5%プロピレングリコール 3.0%グリセリン 7.0%キシリトール 3.0%クエン酸 0.03%クエン酸ナトリウム 0.5%サッカリンナトリウム 0.004%香料 0.2%精製水 残 計 100.0% (C)/[(A)+(B)]=42.9処方例3(歯磨剤)(A)塩化セチルピリジニウム 0.05%(B)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウム クロリド 0.01%(C)ピロリドンカルボン酸カリウム 3.0%70%ソルビトール 40.0%プロピレングリコール 3.0%キサンタンガム 0.7%ポリアクリル酸ナトリウム 0.4%サッカリンナトリウム 0.2%酸化チタン 0.3%ラウリル硫酸ナトリウム 1.2%香料 0.8%無水ケイ酸 18.0%精製水 残 計 100.0% (C)/[(A)+(B)]=50処方例4(洗口剤)(A)塩化セチルピリジニウム 0.05%(A)塩化ベンゼトニウム 0.01%(B)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウム クロリド 0.01%(C)6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸 1.0%ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数60)硬化ヒマシ油 0.3%プロピレングリコール 2.0%グリセリン 4.0%キシリトール 1.0%クエン酸 0.03%クエン酸ナトリウム 0.5%サッカリンナトリウム 0.004%香料 0.2%精製水 残 計 100.0% (C)/[(A)+(B)]=14.3処方例5(洗口剤)(A)塩化セチルピリジニウム 0.05%(B)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウム クロリド 0.02%(C)3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸 2.0%ラウロイルサルコシンナトリウム 0.08%ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数60)硬化ヒマシ油 0.4%プロピレングリコール 3.0%グリセリン 5.0%キシリトール 1.0%クエン酸 0.05%クエン酸ナトリウム 0.5%サッカリンナトリウム 0.004%香料 0.2%精製水 残 計 100.0% (C)/[(A)+(B)]=28.6 成分(A):カチオン性殺菌剤と、 成分(B):カチオン性高分子と、 成分(C):γ−ラクタム骨格、δ−ラクタム骨格及びε−ラクタム骨格からなる群から選ばれる一種以上のラクタム骨格を有し、且つ酸性基を有する化合物又はその塩とを含有する口腔用組成物。 成分(B)がカチオン化セルロースである、請求項1に記載の口腔用組成物。 成分(C)がピロリドンカルボン酸及び/又はその塩である、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。 【課題】優れた歯垢付着抑制効果を有すると共に、使用感(苦味や口腔内への刺激の抑制)にも優れる口腔用組成物の提供。【解決手段】成分(A):カチオン性殺菌剤と、成分(B):カチオン性高分子と、成分(C):γ−ラクタム骨格、δ−ラクタム骨格及びε−ラクタム骨格からなる群から選ばれる一種以上のラクタム骨格を有し、且つ酸性基を有する化合物又はその塩とを含有する口腔用組成物。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る