タイトル: | 公開特許公報(A)_1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物及びその用途 |
出願番号: | 2013124674 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C07C 311/29,C07C 211/04,C07C 211/05,C07C 211/07,C07C 303/40,C07C 209/68 |
沼田 繁明 南 正純 山田 暁彦 JP 2015000849 公開特許公報(A) 20150105 2013124674 20130613 1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物及びその用途 川崎化成工業株式会社 000199795 草部 光司 100152928 沼田 繁明 南 正純 山田 暁彦 C07C 311/29 20060101AFI20141202BHJP C07C 211/04 20060101ALI20141202BHJP C07C 211/05 20060101ALI20141202BHJP C07C 211/07 20060101ALI20141202BHJP C07C 303/40 20060101ALI20141202BHJP C07C 209/68 20060101ALI20141202BHJP JPC07C311/29C07C211/04C07C211/05C07C211/07C07C303/40C07C209/68 8 OL 18 特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。 4H006 4H006AA01 4H006AA03 4H006AB83 4H006AC52 4H006AC61本発明は、ビニルモノマー用重合禁止剤として有用な1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物に関する。従来、ビニルモノマー用重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなどのフェノール類、フェノチアジン、メチレンブルー等のアミン類、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩、その他ニトロ化合物、ニトロソ化合物、N−オキシル化合物など種々のものが知られている。特に、メトキノン、ハイドロキノンがよく用いられる(例えば、特許文献1〜4)。また、各種ナフトキノン化合物も重合禁止剤としての効果があることが知られている。例えば、芳香族ビニル化合物向け重合禁止剤として、アルキル化されたナフトキノン化合物(例えば、特許文献5)や2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(例えば、特許文献6)等が知られており、前者の場合パラキノン化合物よりオルトキノン化合物のほうが優れているとされている。また、酢酸ビニル向け重合禁止剤として、1,4−ナフトキノン等が知られている(例えば、特許文献7)他、(メタ)アクリル酸及びエステル向け重合禁止剤として、1,2−ナフトキノンが知られている(例えば、特許文献8)。特開平09−255642号公報特開平07−316164号公報特公表2006−503159号公報特開平08−109155号公報特開昭63−235390号公報特開昭56−86123号公報特開2003−89706号公報特開平09−316022号公報しかしながらハイドロキノンやメトキノンは低分子量のため昇華性が高く、モノマーの蒸留時にモノマー中に混入する危険性があった。また、ハイドロキノンやメトキノンがベンゼン単環性であることが、高い昇華性をもたらす原因になると考えて、上記例のように二環性のナフタレン骨格を有する、1,4−ナフトヒドロキノンや4−アルコキシナフトールについても検討されている。しかしながら、それらはいずれも昇華性を完全に抑えるには至っておらず、さらに耐昇華性のある重合禁止剤が求められていた。また、1,4−ナフトヒドロキノンにスルホンアミド基が置換した化合物は、高い耐昇華性を示したが、重合禁止剤としての性能は乏しかった。そこで、本発明者は1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミド化合物の構造と反応性について鋭意検討した結果、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミド化合物とアミン化合物の付加物がビニルモノマーの重合禁止剤として効果があることを見いだし、本発明を完成させた。第一の発明は、下記一般式(1)で示される1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物に存する。(一般式(1)中、アミンは一級アミン化合物、二級アミン化合物、三級アミン化合物、アミジン化合物又はグアニジン化合物を表し、nは1又は2を示す。)第二の発明は、上記一般式(1)におけるアミンが三級アミン化合物又はアミジン化合物である、第一の発明に記載の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物に存する。第三の発明は、下記構造式(2)で示される1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドとアミンを反応させることによる、一般式(1)に示す1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物の製造法に存する。第四の発明は、第一又は第二の発明に記載の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物を含む重合禁止剤に存する。第五の発明は、ビニルモノマーと第四の発明に記載の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物を含む重合禁止剤を含有することを特徴とするビニルモノマー組成物に存する。第六の発明は、上記ビニルモノマーが、α、β−不飽和カルボン酸化合物、α、β−不飽和カルボン酸エステル化合物又は芳香族ビニル化合物であることを特徴とする第五の発明に記載のビニルモノマー組成物に存する。第七の発明は、第四の発明に記載の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物を含む重合禁止剤を使用することを特徴とするビニルモノマーの重合禁止方法に存する。第八の発明は、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物を含む重合禁止剤の使用量がビニルモノマーに対して1ppm以上1000ppm以下である第七の発明に記載のビニルモノマーの重合禁止方法に存する。本発明の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物は、ビニルモノマーに対して重合禁止剤として高い効果を有すると共に、従来のビニルモノマー用重合禁止剤に比べて昇華性が低い工業的に有用な化合物である。合成例1で得られた1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのIRスペクトルチャートである。合成例1で得られた1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドの1H−NMRスペクトルチャートである。合成例1で得られた1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのマススペクトルチャートである。<化合物>本発明の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物は、下記一般式(1)に示す構造を有する化合物である。一般式(1)中、アミンは一級アミン化合物、二級アミン化合物、三級アミン化合物、アミジン化合物又はグアニジン化合物を表し、nは1又は2を示す。一級アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン等が挙げられる。二級アミン化合物としてはジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ピペリジン、ジベンジルアミン、ジフェネチルアミン等の脂肪族アミン類が挙げられる。また、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、モルホリン等の脂環式アミン類も用いることができる。が挙げられる。三級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリベンジルアミン、トリフェネチルアミン等の脂肪族アミン類が挙げられる。また、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−エチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリン、N−ブチルモルホリン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N’−ジエチルピペラジン等の脂環式アミン類も用いることができる。また、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンのようなアミジン化合物、メチルトリアザビシクロデセン、トリアザビシクロデセン、テトラメチルグアニジン等のグアニジン化合物も好適に用いられる。一般式(1)で表される代表的な化合物としては、次の化合物が挙げられる。すなわち、先ずアミンが一級アミン化合物の場合は、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのメチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのエチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのプロピルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのブチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのペンチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのヘキシルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのヘプチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのオクチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのデシルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのドデシルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのベンジルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのフェネチルアミン付加物等が挙げられる。アミンが二級アミン化合物の場合は、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジメチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジエチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジプロピルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジブチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジペンチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのヘキシルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジヘプチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジオクチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジデシルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジドデシルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジベンジルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジフェネチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのピペリジン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのモルホリン付加物等が挙げられる。アミンが三級アミン化合物の場合は、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリメチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリエチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリプロピルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリブチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリペンチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリヘキシルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリヘプチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリオクチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリデシルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリドデシルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリベンジルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリフェネチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのN−メチルピペリジン付加物等が挙げられる。アミンがアミジン化合物の場合は、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドの1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドの1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5−ノネン付加物等が挙げられ、アミンがグアニジン化合物の場合は、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのメチルトリアザビシクロデセン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリアザビシクロデセン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのテトラメチルグアニジン付加物等が挙げられる。これら例示した化合物の中で、重合禁止剤としての効果が大きいという点で、アミンが三級アミンである1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリブチルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリヘキシルアミン付加物、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリオクチルアミン付加物、及び、アミンがアミジン化合物である1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドの1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン付加物が好ましい。本発明の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物は、これまで知られているナフタレン系の重合禁止剤である1,4−ナフトヒドロキノンや4−アルコキシナフトールとは異なり、その骨格にスルホンアミド基を持っており、昇華性が低い構造となっている。<製造法>次に、本発明の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物は、下記反応式に示されるように、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドをアミンと反応することにより得ることが出来る。(上記反応式及び一般式(1)中、アミンは一級アミン化合物、二級アミン化合物、三級アミン化合物、アミジン化合物又はグアニジン化合物を表し、nは1又は2を示す。)上記構造式(2)に示す1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドは、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸塩を重亜硫酸アンモニウムと反応させることにより得ることができる。1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸塩は、ナフトキノン化合物と亜硫酸水素塩との付加反応、例えば、特開昭60−146865号公報に記載のように、亜硫酸水素塩を含有する水溶液にナフトキノン化合物を常温で攪拌しながら添加することにより得ることができる。1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸塩は、当該付加反応に用いる亜硫酸水素塩の塩の種類によって異なる塩の形で得られる。例えば、亜硫酸水素ナトリウムを用いることにより1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸ナトリウムが得られ、亜硫酸水素カリウムを用いることにより1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸カリウムが得られ、亜硫酸水素アンモニウムを用いることにより1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸アンモニウムが得られる。いずれの塩においても、次に述べるアミド化反応によって1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドとすることができる。次に、当該1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸塩を重亜硫酸アンモニウムと反応させることにより、一般式(2)で示される1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドを得ることができる。1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸塩と重亜硫酸アンモニウムとの反応は、水溶液中で行われる。1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸塩を水に溶解し、当該水溶液に、重亜硫酸アンモニウム水溶液を加え、当該混合溶液を加熱することにより1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドの結晶を得ることができる。当該アミド化反応の温度は、40℃以上、90℃未満が好ましく、40℃未満だとほとんど反応が進行せず、一方90℃以上だと生成した1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドが分解して副生成物が増加するため、好ましくない。また、重亜硫酸アンモニウムは亜硫酸水素アンモニウムが脱水2量化した構造であるため、添加する重亜硫酸アンモニウム水溶液は高濃度であるほど1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドの生成に有利である。具体的には、重亜硫酸アンモニウム水溶液の濃度は、20重量%以上が好ましく、60重量%以上が特に好ましい。また、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸塩の水溶液の濃度は高濃度であるほど、生成する1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドが反応液中で結晶化しやすく、単離が容易となるため好ましい。具体的には、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸化塩の水溶液の濃度は20〜60重量%の範囲が好ましい。当該アミド化反応は、不活性ガス雰囲気下でも、空気存在下でも行うことができるが、原料である1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸塩及び/又は生成物である1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドが酸化されて不純物を生成する可能性があるので、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。このようにして得られる1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドは、結晶性が良好で高純度の白色固体として得ることができる。次に、得られた1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドにアミンを添加し、反応させることにより、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物を得ることができる。1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドに対するアミンの添加モル比率は1以上2以下が好ましい。添加比率が1未満だと、付加物の単離収率が低くなり、また、添加比率が2を超えると塩基が反応液に多量に残留することによる生成物の溶解度増でこれまた単離収率が低下し、好ましくない。 アミンとの反応では通常溶媒を使用する。溶媒としては、特に種類は選ばないが、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒、n−ヘキサン、n−ヘプタン等のアルカン系溶媒が好適に用いられる。反応温度は、通常室温で行う。具体的には、10℃以上、50℃以下が好ましい。10℃未満だと、付加生成物の生成が遅く、一方、50℃を超えるとアミンが脱離する場合があり、好ましくない。アミド化反応溶媒としてトルエン等の芳香族溶媒やn−ヘキサン等のアルカン系溶媒を用いる場合は、原料として用いている1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドも、反応で得られた1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物も、どちらも溶媒に不溶であり、反応は終始スラリー状であるが、反応後スラリーを吸引濾過、乾燥することにより、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物の結晶を得ることができる。反応条件により異なるが、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物におけるアミンの付加割合は、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミド1分子に対して、主にアミンが1分子であるが、用いるアミンの種類によっては1分子付加物及び2分子付加物の混合物となることがある。その場合は、1分子付加物のものだけを精製単離して、本発明の用途に用いることもできるが、1分子付加物と2分子付加物の混合物であっても、本発明の用途に用いることができ、重合禁止剤としての効果を発現する。<重合禁止剤>本発明の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物はビニルモノマーの重合禁止剤として有効に作用する。本発明の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物をビニルモノマーに添加することにより、モノマーの製造時、精製時、変性時、保存時、輸送時等に意図しない重合を防止することができ、安定に取り扱うことが可能となる。使用可能なビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸化合物、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のα,β−不飽和カルボン酸エステル化合物、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等が挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。<組成物>本発明のビニルモノマー組成物は、少なくとも前記ビニルモノマーと重合禁止剤である本発明の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物を含有する。ビニルモノマーは、その形態やビニルモノマーの含有量は特に限定されない。例えばビニルモノマーそのものやモノマーの溶液等が挙げられる。また、本発明の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物を含む重合禁止剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、本発明の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物以外の他の重合禁止剤等の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、特に限定されないが、重合禁止剤として公知の化合物等が挙げられる。例えば、フェノール系重合禁止剤、チオエーテル系重合禁止剤、アミン系重合禁止剤、ニトロソ系重合禁止剤、N−オキシル系化合物、分子状酸素から選ばれる化合物の少なくとも一種を含有してもよい。フェノール系重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、4−メトキシフェノール、クレゾール、tert−ブチルカテコール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1−メトキシ−4−ナフトール等が挙げられる。チオエーテル系重合禁止剤としては、例えばフェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられる。アミン系重合禁止剤としては、例えばp−フェニレンジアミン、4−アミノジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、4,4’−ジクミルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン等が挙げられる。ニトロソ系重合禁止剤としては、例えばN−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソフェニルナフチルアミン、N−ニトロソジナフチルアミン、p−ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p−ニトロソジフェニルアミン、α−ニトロソ−β−ナフトール等が挙げられる。N−オキシル系化合物としては、例えばピペリジン−1−オキシル、ピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のニトロキシドが挙げられる。また、前記重合禁止剤の組成物は、銅塩化合物及び/又はマンガン塩化合物をさらに含有していてもよい。このような化合物としては、例えばジアルキルジチオカルバミン酸銅、酢酸銅、サリチル酸銅、チオシアン酸銅、硝酸銅、塩化銅、炭酸銅、水酸化銅、アクリル酸銅等の銅塩;ジアルキルジチオカルバミン酸マンガン、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン、蟻酸マンガン、酢酸マンガン、オクタン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、過マンガン酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸のマンガン塩等が挙げられる。これらの前記他の成分は、本発明の重合禁止剤に対して単独で、あるいは同時に二種類以上で用いることができる。これらの他の成分は、適用対象のモノマーの種類や用途等に応じて適宜選択することができる。<重合禁止方法>本発明の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物をビニルモノマーの重合禁止剤として用いる場合、重合方法としては、熱重合、光重合いずれの場合でもよく、重合開始剤を使用する場合でも使用しない場合でも効率よく重合を禁止することができる。本発明の重合禁止剤のビニルモノマーに対する添加量は1ppm以上1000ppm以下、好ましくは30ppm以上200ppm以下である。添加方法は粉体のままビニルモノマーに添加しても良く、また溶剤に溶かしたのち添加しても良い。以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、生成物の確認は下記の機器による測定により行った。(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠) (2)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810(3)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式JNM ECS 400型 FT NMR Spectorometer(4)Massスペクトル:島津製作所社製、質量分析計、型式GCMS−QP5000(合成例1)1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドの合成容量が200mlの肉厚サンプル管に45重量%濃度の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸アンモニウム塩水溶液37gを仕込んだ。当該サンプル管に蒸発水冷却用空冷管、温度センサー及び窒素ガス吹き込み用ガラス管をセットしたシリコンゴム栓を装着し、窒素ガスを0.2ml/分の流量で通気しながら55℃まで加熱した。その後、サンプル管内に60重量%濃度の重亜硫酸アンモニウム原液(亜硫酸水素アンモニウムとして68重量%)を41g添加し、4時間加熱撹拌を行った。反応物の結晶スラリーは一夜室温で保管し、翌日、No.5Cのろ紙を使用して吸引濾過を行い、粗製の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドの結晶約4gを得た。該結晶は原料の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホン酸アンモニウムを含むので、イオン交換水100mlでリスラリー化後濾過して精製を行った。なおこの操作は2回繰り返した。水洗した結晶をアセトン100mlで洗浄した後、60℃で減圧乾燥を2時間行った。乾燥後の白色結晶はガラス製乳鉢で粉砕し、精製品1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドを2.5g得た。なお精製品の純度はHPLCのよるピーク面積百分率で評価した結果99.2%であった。(1)融点:260℃以上(2)IRスペクトル(KBr錠剤法):図1参照(3)1H−NMR(400MHz、溶媒DMSO−d6):図2参照(4)マススペクトル(LC/MS):図3参照 (合成実施例1) 1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのブチルアミン付加物の合成攪拌機、温度計付きの100ml三口フラスコに、窒素雰囲気下合成例1と同様の方法で得た1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミド2.39g(10ミリモル)を脱気したトルエン15g中でスラリー化し、ついでn−ブチルアミン0.87g(12ミリモル)を加えた。30分攪拌後、n−ヘキサン10gを加え、得られた白いスラリーを吸引濾過乾燥し、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのブチルアミン付加物2.30gの白色粉末を得た。原料1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドに対する単離収率は74モル%であった。(1)融点:266℃以上(2)IR(KBr、cm−1):3400,3340,3240,3160,3060,2970,2940,1635,1584,1522,1460,1408,1226,1160,1092,1020,862,760,662,623.(3)1H−NMR(400MHz、重アセトン):δ=0.82(t、J=8Hz,3H),1.30−1.40(m,2H),1.65−1.74(m,2H),1.75−1.78(m,1H),2.20−2.25(m,1H),2.50−2.57(m,1H),2.86(bs,2H),3.72(t,J=8H,2H),6.85(s,1H),7.40−7.48(m,2H),7.64(d,J=8Hz,1H),8.23(d,J=8Hz,1H).(合成実施例2)1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのメチルアミン付加物の合成n−ブチルアミンの代わりに40%メチルアミン水溶液930mg(メチルアミンとして12ミリモル)加えること以外は、合成実施例1と同様にして反応し、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのメチルアミン付加物2.08gの白色粉末を得た。原料1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドに対する単離収率は77モル%であった。(1)融点:250℃以上(2)IR(KBr、cm−1):3360,3250,3180,3080,3035,1630,1578,1510,1452,1400,1308,1225,1202,1186,1084,1030,1020,904,850,772,660,572,540.(3)1H−NMR(400MHz、重アセトン):δ=1.72−1.76(m,1H),2.19−2.25(m,1H),2.48−2.54(m,1H),2.80(bs,2H),3.38(s,3H),6.84(s,1H),7.40−7.46(m,2H),7.63(d,J=8Hz,1H),8.23(d,J=8Hz,1H).(合成実施例3)1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジエチルアミン付加物の合成n−ブチルアミンの代わりにジエチルアミン0.88g(12ミリモル)を加えること以外は、合成実施例1と同様にして反応し、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのジエチルアミン付加物2.50gの白色粉末を得た。原料1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドに対する単離収率は80モル%であった。(1)融点:250℃以上(2)IR(KBr、cm−1):3440,3360,3280,3040,2870,2830,1648,1583,1460,1412,1412,1326,1218,1180,1090,1021,753,668,620,570.(3)1H−NMR(400MHz、重アセトン):δ=1.33(t,J=8Hz,6H),1.71−1.76(m,1H),2.18−2.23(m,1H),2.88(bs,2H),3.20(q,J=8Hz,4H),6.83(s,1H),7.42−7.48(m,1H),7.64(d,J=8Hz,1H),8.24(d,J=8Hz,1H).(合成実施例4)1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのピペリジン付加物の合成n−ブチルアミンの代わりにピペリジン0.90g(12ミリモル)を加えること以外は、合成実施例1と同様にして反応し、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのピペリジン付加物2.14gの白色粉末を得た。原料1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドに対する単離収率は68モル%であった。(1)融点:250℃以上(2)IR(KBr、cm−1):3420,3350,3100,3060,2950,2860,1637,1584,1458,1405,1216,1220,1156,1085,1016,862,772,660,618.(3)1H−NMR(400MHz、重アセトン):δ=1.60−1.69(m,2H),1.73−1.78(m,1H),1.78−1.87(m,4H),2.20−2.26(m,1H),2.92(bs,2H),3.25−3.30(m,4H),6.86(s,1H),7.42−7.49(m,2H),7.65(d,J=8Hz,1H),8.25(d,J=8Hz,1H).(合成実施例5)1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリエチルアミン付加物の合成n−ブチルアミンの代わりにトリエチルアミン0.88g(12ミリモル)を加えること以外は、合成実施例1と同様にして反応し、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリエチルアミン付加物1.78g(5.7ミリモル)の白色粉末を得た。原料1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドに対する単離収率は57モル%であった。(1)融点:164−165℃(2)IR(KBr、cm−1):3445,3360,3260,3200,3020,2800,2720,1640,1460,1400,1236,1220,1174,1138,1084,1032,1003,860,772,660,620.(3)1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ=1.29(t,J=8Hz,9H),3.09(t,J=8Hz,6H),3.83(bs,2H),7.06(s,1H),7.44−7.53(m,2H),7.77(d,J=8Hz,1H),8.32(d.J=8Hz,1H),10.22(bs、1H).(合成実施例6)1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリブチルアミン付加物の合成n−ブチルアミンの代わりにトリブチルアミン2.22g(12ミリモル)を加えること以外は、合成実施例1と同様にして反応し、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリブチルアミン付加物3.8g(9.0ミリモル)の白色粉末を得た。原料1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドに対する単離収率は90モル%であった。(1)融点:112−113℃(2)IR(KBr、cm−1):3455,3355,3150,3030,2880,1642,1588,1460,1408,1226,1204,1140,1090,1020,860,772,716,663,622.(3)1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ=0.88(t,J=8Hz,9H),1.22−1.37(m,6H),1.52−1.67(m,6H),2.91(t,J=8Hz,6H),3.80(bs,2H),7.07(s,1H),7.47−7.56(m,2H),7.77(d,J=8Hz,1H),8.32(d,J=8Hz,1H),10.24(bs,1H).(合成実施例7)1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリオクチルアミン付加物の合成n−ブチルアミンの代わりにトリオクチルアミン4.24g(12ミリモル)を加えること以外は、合成実施例1と同様にして反応し、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのトリオクチルアミン付加物3.26g(5.5ミリモル)の白色粉末を得た。原料1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドに対する単離収率は55モル%であった。(1)融点:116−117℃(2)IR(KBr、cm−1):3450,3340,3140,3050,2970,2940,2870,1640,1590,1460,1408,1380,1325,1228,1208,1148,1090,1020,860,760,718,664,620.(3)1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ=0.85(t,J=8Hz,9H),1.08−1.30(m,30H),1.55−1.68(m,6H),2.96(t,J=8Hz,6H),3.79(bs,1H),7.06(s,1H),7.42−7.55(m,2H),7.76(d,J=8Hz,1H),8.32(d,J=8Hz,1H),9.80(bs,1H),10.24(s,1H).(合成実施例8)1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのDBU付加物の合成n−ブチルアミンの代わりに1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)1.82g(12ミリモル)を加えること以外は、合成実施例1と同様にして反応し、1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのDBU付加物3.6g(9.2ミリモル)の白色粉末を得た。原料1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドに対する単離収率は92モル%であった。(1)融点:185−186℃(2)IR(KBr、cm−1):3440,3360,3270,3140,2840,1655,1460,1402,1326,1230,1206,1162,1150,1088,1020,860,770,717,660,620.(3)1H−NMR(400MHz、重アセトン):δ=1.63−1.78(m,6H),3.40(t,J=8Hz,2H),3.58−3.69(m,4H),4.50(s,1H),7.00(s,1H),7.35−7.43(m,2H),7.91(d,J=8Hz,1H),8.20(d,J=8Hz,1H),11.09(s,1H).(評価実施例1)トリメチロールプロパントリアクリレート2gに光重合開始剤としてイルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンビーエーエスエフ社製、イルガキュアはビーエーエスエフ社の登録商標)を10mg加え、そこに合成実施例7と同様の方法で得た1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのトリオクチルアミン付加物2mg加え、均一な液状の組成物とした。このものを、10mlのサンプル管に入れて、窒素雰囲気下、365nmの光源(照射強度4mW/cm2)を用いて光照射した。3分間光照射したが、当該組成物は液状のままであった。(評価実施例2)1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのトリオクチルアミン付加物を合成実施例6と同様の方法で得た1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのトリブチルアミン付加物に替えたこと以外は、評価実施例1と全く同様にして液状の組成物を調製した。このものを、10mlのサンプル管に入れて、窒素雰囲気下、365nmの光源(照射強度4mW/cm2)を用いて光照射した。3分間光照射したが、当該組成物は液状のままであった。(評価実施例3)1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのトリオクチルアミン付加物を合成実施例5と同様の方法で得た1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのトリエチルアミン付加物に替えたこと以外は、評価実施例1と全く同様にして液状の組成物を調製した。このものを、10mlのサンプル管に入れて、窒素雰囲気下、365nmの光源(照射強度4mW/cm2)を用いて光照射した。3分間光照射したが、当該組成物は液状のままであった。(評価実施例4)1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのトリオクチルアミン付加物を合成実施例3と同様の方法で得た1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのジエチルアミン付加物に替えたこと以外は、評価実施例1と全く同様にして液状の組成物を調製した。このものを、10mlのサンプル管に入れて、窒素雰囲気下、365nmの光源(照射強度4mW/cm2)を用いて光照射した。3分間光照射したが、当該組成物は液状のままであった。(評価実施例5)1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのトリオクチルアミン付加物を合成実施例4と同様の方法で得た1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのピペリジン付加物に替えたこと以外は、評価実施例1と全く同様にして液状の組成物を調製した。このものを、10mlのサンプル管に入れて、窒素雰囲気下、365nmの光源(照射強度4mW/cm2)を用いて光照射した。3分間光照射したが、当該組成物は液状のままであった。(評価実施例6)1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのトリオクチルアミン付加物を合成実施例1と同様の方法で得た1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのブチルアミン付加物に替えたこと以外は、評価実施例1と全く同様にして液状の組成物を調製した。このものを、10mlのサンプル管に入れて、窒素雰囲気下、365nmの光源(照射強度4mW/cm2)を用いて光照射した。3分間光照射したが、当該組成物は液状のままであった。(評価比較例1)1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのトリオクチルアミン付加物を加えないこと以外は評価実施例1と同様にして液状の組成物を調製し、このものを、10mlのサンプル管に入れて、窒素雰囲気下、365nmの光源(照射強度4mW/cm2)を用いて光照射した。30秒後には当該組成物は完全に硬化していた。(評価比較例2)1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのトリオクチルアミン付加物を合成例1と同様の方法で得た1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドに変えたこと以外は評価実施例1と同様にして液状の組成物を調製し、このものを、10mlのサンプル管に入れて、窒素雰囲気下、365nmの光源(照射強度4mW/cm2)を用いて光照射した。30秒後には当該組成物は完全に硬化していた。(評価比較例3)1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのトリオクチルアミン付加物を1,4−ナフトヒドロキノンに替えたこと以外は評価例1と同様にして液状の組成物を調製し、このものを、10mlのサンプル管に入れて、窒素雰囲気下、365nmの光源(照射強度4mW/cm2)を用いて光照射した。2分後には当該組成物は完全に硬化していた。以上の評価実施例1〜6及び評価比較例1〜3の結果から次のことが明らかである。すなわち、本発明の1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドのアミン付加物は、ビニルモノマーであるトリメチロールプロパントリアクリレートに対して重合禁止効果を有し、重合禁止剤として1,4−ナフトヒドロキノンスルホンアミドに比べて高い重合禁止性能を有し、またこれまで知られているナフタレン系の重合禁止剤1,4−ナフトヒドロキノンと比較しても、高い重合禁止性能を示していることがわかる。下記一般式(1)で示される1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物。(一般式(1)中、アミンは一級アミン化合物、二級アミン化合物、三級アミン化合物、アミジン化合物又はグアニジン化合物を表し、nは1又は2を示す。)アミンが、三級アミン化合物又はアミジン化合物である請求項1に記載の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物。下記構造式(2)で示される1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドとアミンを反応させることによる、請求項1又は2に記載の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物の製造法。請求項1又は2に記載の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物を含む重合禁止剤。ビニルモノマーと請求項4に記載の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物を含む重合禁止剤を含有することを特徴とするビニルモノマー組成物。 ビニルモノマーが、α、β−不飽和カルボン酸化合物、α、β−不飽和カルボン酸エステル化合物又は芳香族ビニル化合物であることを特徴とする請求項5に記載のビニルモノマー組成物。請求項4に記載の1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物を含む重合禁止剤を使用することを特徴とするビニルモノマーの重合禁止方法。1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物を含む重合禁止剤の使用量がビニルモノマーに対して1ppm以上1000ppm以下である請求項7に記載のビニルモノマーの重合禁止方法。 【課題】昇華性が低く、ビニルモノマーの重合禁止剤として有用なアミン付加物の提供。【解決手段】下記一般式(1)で示される1,4−ナフトヒドロキノン−2−スルホンアミドのアミン付加物および当該付加物を含む重合禁止剤。(一般式(1)中、アミンは一級アミン化合物、二級アミン化合物、三級アミン化合物、アミジン化合物又はグアニジン化合物を表し、nは1又は2を示す。)【選択図】なし