タイトル: | 公開特許公報(A)_高流動性コンクリート評価方法 |
出願番号: | 2013111194 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | G01N 33/38,C04B 7/02 |
中里 剛 鳴瀬 浩康 佐藤 明大 中永 秀彦 JP 2013210381 公開特許公報(A) 20131010 2013111194 20130527 高流動性コンクリート評価方法 三菱マテリアル株式会社 000006264 宇部興産株式会社 000000206 安倍 逸郎 100094215 中里 剛 鳴瀬 浩康 佐藤 明大 中永 秀彦 G01N 33/38 20060101AFI20130913BHJP C04B 7/02 20060101ALI20130913BHJP JPG01N33/38C04B7/02 3 2010272000 20050627 OL 14 この発明は高流動性コンクリート評価方法、詳しくは、高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化を正確に評価する高流動性コンクリート評価方法に関する。 ポルトランドセメントの一種として、低熱ポルトランドセメントが開発されている。これを含むコンクリート組成物は、セメント分散剤である高性能減水剤または高性能AE減水剤と併用した場合、高強度および高流動性を有したコンクリートを得ることができる。また、前記コンクリート組成物と、別のセメント分散剤である減水剤、AE減水剤を添加することで、硬化時の発熱を抑制したコンクリートが得られる。 これらのコンクリートの使用時には、練り混ぜ後の施工性の確保が重要となる。そこで、従来、経時的な流動性の変化が小さいコンクリートを製造する方法として、特許文献1および特許文献2が知られている。両特許文献1,2では、このようなコンクリートを得るには、セメントのクリンカ組成物と、半水石膏および二水石膏からなる石膏の半水石膏量とを調整する方法が、最も効果的であると明記している。特開平11−130507号公報特許第3385884号公報 高流動性コンクリートは、練り混ぜ後の経時による変化は小さく、流動性に優れた性能を有する。経時による流動性の変化を小さくするには、高性能AE減水剤の添加量を増加させることが効果的である。そして、特許文献1および特許文献2には、高性能AE減水剤の添加量の増加には、半水石膏および二水石膏からなる石膏の半水石膏量を多くすることが好適であることが開示されていた。 しかしながら、半水石膏を増量した低熱ポルトランドセメントのコンクリート組成物によれば、練り混ぜ後、数分間で急激なスランプの低下現象(こわばり)が生じるおそれがあった。こわばりは、半水石膏と水とが反応し、急激に二水石膏を析出することで発生すると一般に言われる(改定2版セメントの材料化学、大日本図書株式会社)。 そこで、低熱ポルトランドセメントとセメント分散剤とを併用したコンクリートにおいて、練り混ぜ後の流動性に優れ、経時的な流動性の変化が小さく、かつこわばりも抑えたコンクリートを得るには、練り混ぜ時間を長く(練り殺し)する必要がある。しかしながら、これではコンクリートの生産性が低下してしまう。 また、近年では、セメントクリンカの焼成時の燃料として、SO3を高濃度に含む例えばオイルコークスなどを用いることが多くなってきた。その際には、セメントクリンカ中のSO3量が増加する。そのため、従来のようにセメント中の石膏量(総SO3量)により半水石膏量を管理するよりも、添加される石膏量によって管理する必要性が生じている。 ところで、現在、経時による高流動性コンクリートの流動性の変化を評価することができる方法は確立されていない。 そこで、この発明者は、鋭意研究の結果、低熱ポルトランドセメントとセメント分散剤とを併用した高流動性コンクリートにおいて、高流動性コンクリートの経時的な変化の指標を見い出した。 高流動性コンクリートの経時による流動性の変化については、後述するJIS A 1150「コンクリートのスランプフロー試験方法」に則ってスランプフローを測定し、その測定結果に基づき、評価が行われる。 また、低熱ポルトランドセメント組成物とセメント分散剤とを併用した高流動性コンクリートにおいて、経時による流動性の変化が小さく優れて高流動性コンクリートを得るために必要となる低熱ポルトランドセメントのクリンカ鉱物の組成と、このクリンカに添加される石膏の量と、石膏に含まれる半水石膏の量とを見い出し、この発明を完成させた。 この発明は、練り混ぜ後の高流動性コンクリートの経時的な変化を正確に評価することができる高流動性コンクリート評価方法を提供することを目的としている。 請求項1に記載の発明は、JIS A 1150のコンクリートのスランプフロー試験方法で、スランプフロー50〜70cmとなる高流動性コンクリートを評価の対象とし、添加された混和剤の分散が安定した高流動性コンクリートをミキサ内で5分間静置し、それから15秒間練り混ぜた後の高流動性コンクリートのスランプフローと、練り混ぜて60分が経過した高流動性コンクリートのスランプフローとを、前記スランプフロー試験方法によりそれぞれ測定し、得られた両測定結果に基づき、次式(6) から高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化を評価する高流動性コンクリート評価方法である。(6) 10>D−E(cm) ただし、Dはミキサ内で5分間静置し、15秒間練り混ぜた後の高流動性コンクリートのスランプフロー(cm)、Eは練り混ぜて60分が経時した高流動性コンクリートのスランプフロー(cm)で、D−Eが10cm未満であれば高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化が小さいと評価し、D−Eが10cm以上であれば高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化が大きいと評価する。 請求項1に記載の発明によれば、JIS A 1150のコンクリートのスランプフロー試験方法で、スランプフロー50〜70cmとなる高流動性コンクリートを評価の対象とし、添加された混和剤の分散が安定した高流動性コンクリートをミキサ内で5分間静置し、15秒間練り混ぜた後の高流動性コンクリートのスランプフローと、練り混ぜて60分が経過した高流動性コンクリートのスランプフローとを、スランプフロー試験方法によりそれぞれ測定し、得られた両測定結果に基づき、(6) 10>D−Eの式を使用して高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化を評価するので、正確に高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化を評価することができる。 式(6) 中のDを、ミキサ内で5分間静置し、15秒間練り混ぜた後の高流動性コンクリートのスランプフローとしたのは、高性能AE減水剤、高性能減水剤はセメントを分散する効果を有し、その効果が安定するには5分程度を要するからである。 式(6) 中のEを、練り混ぜて60分が経時した高流動性コンクリートのスランプフローとしたのは、高流動性コンクリートを現場で施工するには、高流動性コンクリートが自己充填性を有する必要があり、練り混ぜから施工までの平均的な経過時間として、60分程度を要するからである。 また、式(6) 10>D−Eの“10”は、現場でのコンクリートの荷下ろし(アジテータ車からの排出)・現場内での運搬並びにコンクリート打設に支障をきたすことがないという理由により定めた評価基準値である。D−Eが10以上では、現場でのコンクリートの荷下ろし(アジテータ車からの排出)・現場内での運搬並びにコンクリート打設に支障をきたすおそれがある。そのため、式(6) により、高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化を評価することができる。 請求項2に記載の発明は、前記高流動性コンクリートは、セメント成分が低熱ポルトランドセメント組成物である請求項1に記載の高流動性コンクリート評価方法である。 請求項3に記載の発明は、前記低熱ポルトランドセメント組成物は、クリンカ鉱物組成中のビーライト量が50〜70重量%、4CaO・Al2O3・Fe2O3が12重量%以下、3CaO・Al2O3が4重量%以下、残部が3CaO・SiO2からなるクリンカと、石膏とにより構成されるものである請求項2に記載の高流動性コンクリート評価方法である。 また、コンクリートとしては、請求項3の低熱ポルトランドセメント組成物またはこの低熱ポルトランドセメント組成物に、比表面積4000〜8000cm2/gの高炉スラグ微粉末を、30〜70重量%含有させた混合セメント組成物と、水と、細骨材と、粗骨材と、セメント分散剤とを含有し、かつスランプフローが50〜70cmである高流動性コンクリート組成物を使用したものを採用してもよい。 このように、請求項3の低熱ポルトランドセメント組成物またはこの低熱ポルトランドセメント組成物に、比表面積4000〜8000cm2/gの高炉スラグ微粉末を、30〜70重量%含有させた混合セメント組成物と、水と、細骨材と、粗骨材と、セメント分散剤とを含有し、かつスランプフローが50〜70cmとしたコンクリートを採用した場合には、コンクリートの練り混ぜ後のこわばりの発生が抑制されるとともに、経時的な流動性の変化を小さくすることができる。 ここで使用されるセメント分散剤としては、例えば高性能減水剤または高性能AE減水剤などを採用することができる。 ここでいうスランプフローとは、JIS A 1150「コンクリートのスランプフロー試験方法」に則ったスランプフロー試験である。 請求項1に記載の発明によれば、JIS A 1150のコンクリートのスランプフロー試験方法で、スランプフロー50〜70cmとなる高流動性コンクリートを評価の対象とし、高流動性コンクリートをミキサ内で5分間静置し、15秒間練り混ぜた後の高流動性コンクリートのスランプフロー(D)と、練り混ぜて60分が経過した高流動性コンクリートのスランプフロー(E)とを、スランプフロー試験方法によりそれぞれ測定し、得られた両測定結果に基づき、(6) 10>D−Eの式を使用して高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化を評価するので、正確に高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化を評価することができる。 特に、高流動性コンクリートのセメント成分として、クリンカ鉱物組成中のビーライト量が50〜70重量%、4CaO・Al2O3・Fe2O3が12重量%以下、3CaO・Al2O3が4重量%以下、残部が3CaO・SiO2からなるクリンカと、石膏とによって構成される低熱ポルトランドセメント組成物を採用したので、この低熱ポルトランドセメント組成物を含む高流動性コンクリートにおいて、経時的な流動性の変化を正確に評価することができる。 以下、実施例によりこの発明を詳細に説明する。ただし、この発明はこの実施例に限定されない。 まず、実施例1〜3において、1.使用材料と、2.試験項目および試験方法と、3.評価項目および評価方法とを、以下に示す。1.使用材料 1)低熱ポルトランドセメント組成物 三菱マテリアル株式会社九州工場製、比表面積3500cm2/g 2)細骨材;千葉県君津産山砂、粒度5mm 4)粗骨材;埼玉県両神産硬質砂岩、粒度5〜20mm 5)AE減水剤;株式会社NMB製、商品名ポゾリスNo.70 6)高性能AE減水剤;株式会社NMB製、商品名レオビルドSP−8SBS 7)高炉スラグ微粉末;比表面積6000cm2/g 7)水;上水道水2.試験項目および試験方法(1) スランプ JIS A 1101のコンクリートのスランプ試験方法に従って、スランプ値を測定した。(2) スランプフロー JIS A 1150のコンクリートのスランプフロー試験方法に従って、スランプフロー値を測定した。3.評価項目および評価方法(1) こわばり a)コンクリートのこわばり; 練り混ぜ直後のコンクリートのスランプ(A)と、スランプコーン内で5分間静置した後のコンクリートのスランプ(B)とを、JIS A 1101のコンクリートのスランプ試験方法に則ってそれぞれ測定し、得られた測定結果に基づき、(3) 式3.0>A−Bからコンクリートのこわばりを評価する。 A−Bが3.0cm未満であればコンクリートのこわばりが無い(こわばりが小さい)と評価し、A−Bが3.0cm以上であればコンクリートのこわばりを有する(こわばりが大きい)と評価する。 b)高流動性コンクリートのこわばり; ミキサ内で5分間静置し、15秒間練り混ぜた後の高流動性コンクリートのスランプフロー(D)と、スランプコーン内で5分間静置した後の高流動性コンクリートのスランプフロー(B)とを、JIS A 1150のコンクリートのスランプフロー試験方法に則ってそれぞれ測定し、得られた測定結果に基づき、(5) 式5.0>D−Bから高流動性コンクリートのこわばりを評価する。 D−Bが5.0cm未満であれば高流動性コンクリートのこわばりが無い(こわばりが小さい)と評価し、D−Bが5.0cm以上であれば高流動性コンクリートのこわばりを有する(こわばりが大きい)と評価する。(2) 経時変化 a)コンクリートの経時変化; 練り混ぜ直後のコンクリートのスランプ(A)と、練り混ぜて30分が経過したコンクリートのスランプ(C)とを、JIS A 1101のコンクリートのスランプ試験方法に則ってそれぞれ測定し、得られた測定結果に基づき、(4) 50<C/A×100からコンクリートの経時的な流動性の変化を評価する。 C/A×100が50%を超えれば、コンクリートの経時的な流動性の変化が小さいと評価し、C/A×100が50%以下であれば、コンクリートの経時的な流動性の変化が大きいと評価する。 b)高流動性コンクリートの経時変化; ミキサ内で5分間静置し、15秒間練り混ぜた後の高流動性コンクリートのスランプフロー(D)と、練り混ぜて60分が経時した高流動性コンクリートのスランプフロー(E)とを、JIS A 1150のコンクリートのスランプフロー試験方法に則ってそれぞれ測定し、得られた測定結果に基づき、(6) 10>D−Eから高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化を評価する。 D−Eが10cm未満では、高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化が小さいと評価し、D−Eが10cm以上であれば、高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化が大きいと評価する。・実施例1(参考例1〜3) ここでは、半水石膏量がSO3量換算で1.0重量%、石膏の添加量がSO3量換算で1.4重量%(参考例1)、半水石膏量がSO3量換算で1.3重量%、石膏の添加量がSO3量換算で1.8重量%(参考例2)、半水石膏量がSO3量換算で1.5重量%、石膏の添加量がSO3量換算で2.2重量%(参考例3)に調整された低熱ポルトランドセメント組成物を用いた。低熱ポルトランドセメント組成物の残部は3CaO・SIO2である。 この低熱ポルトランドセメント組成物とともに、AE減水剤と、細骨材と、粗骨材と水とをそれぞれコンクリートミキサに投入し、注水から60秒間練り混ぜた。AE減水剤(混和剤)の添加量は低熱ポルトランドセメント重量の0.25重量%、水セメント比は55%、細骨材率は44%である。 練り混ぜ後、得られたコンクリートについてJIS A 1101「コンクリートのスランプ試験方法」によるスランプ試験を行い、コンクリートのこわばりと経時な流動性の変化とを評価した。その結果を表1に示す。表1中、C2Sはビーライト、C3Aは3CaO・Al2O3、C4AFは4CaO・Al2O3・Fe2O3である。(比較例1,2) ここでは、半水石膏量が、SO3量換算で0.8重量%(比較例1)、1.7重量%(比較例2)で、しかも石膏の添加量がSO3量換算で1.8重量%に調整された低熱ポルトランドセメント組成物を用いた。そして、参考例1〜3と同様の試験を実施した。その結果を表1に示す。(比較例3,4) ここでは、半水石膏量が、SO3量換算で1.3重量%で、石膏の添加量がSO3量換算で1.4重量%(比較例3)、2.2重量%(比較例4)に調整された低熱ポルトランドセメント組成物を用いた。そして、参考例1〜3と同様の試験を実施した。結果を表1に示す。 表1から明らかなように、参考例1〜3の場合には、コンクリートの練り混ぜ後のこわばりの発生が抑制され、しかもコンクリートの経時的な流動性の変化も小さかった。これに対して、比較例1〜4では、何れもこわばりと経時的な流動性の変化との少なくとも一方に不都合があった。・実施例2(試験例1〜3) ここでは、半水石膏量がSO3量換算で1.0重量%、石膏の添加量がSO3量換算で1.4重量%(試験例1)、半水石膏量がSO3量換算で1.3重量%、石膏の添加量がSO3量換算で1.8重量%(試験例2)、半水石膏量がSO3量換算で1.5重量%、石膏の添加量がSO3量換算で2.2重量%(試験例3)に調整された低熱ポルトランドセメント組成物を用いた。この低熱ポルトランドセメント組成物の他に、高性能AE減水剤と、細骨材と、粗骨材と、水とをそれぞれコンクリートミキサに投入し、注水から90秒間練り混ぜた。 水セメント比は30%、細骨材率は52%、高性能AE減水剤(混和剤)の添加量は低熱ポルトランドセメント重量の0.8〜1.4重量%とした。練り混ぜ後、得られたコンクリートについて、JIS A 1150「コンクリートのスランプフロー試験方法」によるスランプフロー試験を行い、高流動性コンクリートのこわばりと経時な流動性の変化とを評価した。その結果を表2に示す。(比較例5,6) ここでは、半水石膏量がSO3量換算で0.8重量%(比較例5)、1.7重量%(比較例6)であり、石膏の添加量がSO3量換算で1.8重量%に調整した低熱ポルトランドセメント組成物を用いて、試験例1〜3と同様の試験を実施した。結果を表2に示す。(比較例7,8) ここでは、半水石膏量がSO3量換算で1.3重量%であり、石膏の添加量がSO3量換算1.4重量%(比較例7)、2.2重量%(比較例8)に調整された低熱ポルトランドセメント組成物を用いて、試験例1〜3と同様の試験を行った。結果を表2に示す。 表2から明らかなように、試験例1〜3の場合には、高流動性コンクリートの練り混ぜ後のこわばりの発生が抑制され、しかも高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化も小さかった。これに対して、比較例5〜8では、何れも高流動性コンクリートのこわばりと経時的な流動性の変化との少なくとも一方に不都合があった。・実施例3(参考例4) ここでは、残部が二水石膏となる石膏中の半水石膏量が、SO3量換算で1.3重量%、石膏の添加量がSO3量換算で1.8重量%に調整された低熱ポルトランドセメント組成物と、高炉スラグ微粉末とを混合した混合セメント組成物を用いた。低熱ポルトランドセメント組成物の残部は3CaO・SiO2である。 この混合セメント組成物を使用し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表3に示す。 表3から明らかなように、参考例4の場合には、コンクリートの練り混ぜ後のこわばりの発生が抑制され、しかもコンクリートの経時的な流動性の変化も小さかった。 JIS A 1150のコンクリートのスランプフロー試験方法で、スランプフロー50〜70cmとなる高流動性コンクリートを評価の対象とし、添加された混和剤の分散が安定した高流動性コンクリートをミキサ内で5分間静置し、それから15秒間練り混ぜた後の高流動性コンクリートのスランプフローと、練り混ぜて60分が経過した高流動性コンクリートのスランプフローとを、前記スランプフロー試験方法によりそれぞれ測定し、得られた両測定結果に基づき、次式(6) から高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化を評価する高流動性コンクリート評価方法。(6) 10>D−E(cm) ただし、Dはミキサ内で5分間静置し、15秒間練り混ぜた後の高流動性コンクリートのスランプフロー(cm)、Eは練り混ぜて60分が経時した高流動性コンクリートのスランプフロー(cm)で、D−Eが10cm未満であれば高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化が小さいと評価し、D−Eが10cm以上であれば高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化が大きいと評価する。 前記高流動性コンクリートは、セメント成分が低熱ポルトランドセメント組成物である請求項1に記載の高流動性コンクリート評価方法。 前記低熱ポルトランドセメント組成物は、 クリンカ鉱物組成中のビーライト量が50〜70重量%、4CaO・Al2O3・Fe2O3が12重量%以下、3CaO・Al2O3が4重量%以下、残部が3CaO・SiO2からなるクリンカと、 石膏とにより構成されるものである請求項2に記載の高流動性コンクリート評価方法。 【課題】高流動性コンクリートの経時的な流動性を評価可能な高流動性コンクリート評価方法を提供する。【解決手段】高流動性コンクリートの経時変化の評価は、JIS A 1150の試験方法でスランプフロー50〜70cmのものを対象とし、10>D−Eの式で経時変化を評価する。Dはミキサ内で5分間静置し15秒間練り混ぜ後のスランプフロー値、Eは練り混ぜ60分後のスランプフロー値である。D−Eが10cm未満であれば、高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化が小さいと評価し、D−Eが10cm以上であれば高流動性コンクリートの経時的な流動性の変化が大きいと評価する。【選択図】なし