生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ヘア及びボディ用オイル
出願番号:2013107438
年次:2014
IPC分類:A61K 8/37,A61K 8/31,A61K 8/97,A61K 8/89,A61Q 5/12,A61Q 19/00,A61K 8/81


特許情報キャッシュ

豊田 智規 田中 広美 JP 2014001206 公開特許公報(A) 20140109 2013107438 20130521 ヘア及びボディ用オイル 株式会社 資生堂 000001959 内田 直人 100149294 豊田 智規 田中 広美 JP 2012117004 20120522 A61K 8/37 20060101AFI20131206BHJP A61K 8/31 20060101ALI20131206BHJP A61K 8/97 20060101ALI20131206BHJP A61K 8/89 20060101ALI20131206BHJP A61Q 5/12 20060101ALI20131206BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20131206BHJP A61K 8/81 20060101ALI20131206BHJP JPA61K8/37A61K8/31A61K8/97A61K8/89A61Q5/12A61Q19/00A61K8/81 5 OL 11 4C083 4C083AA122 4C083AA161 4C083AA162 4C083AC011 4C083AC012 4C083AC021 4C083AC022 4C083AC212 4C083AC341 4C083AC342 4C083AC352 4C083AC371 4C083AC372 4C083AC391 4C083AC392 4C083AC421 4C083AC422 4C083AD021 4C083AD022 4C083AD052 4C083AD152 4C083AD662 4C083BB41 4C083CC02 4C083CC06 4C083CC33 4C083EE06 4C083EE07 本発明は、毛髪にも身体にも使用できるオイル化粧料に関する。より詳細には、ヘアオイル及びボディオイルの特長を併せ持ち、毛髪にも身体にも使用できるオイル化粧料に関する。 ボディオイルは、肌に塗布することによって、皮膚面からの水分の蒸散を抑制し肌感触を向上させるといった目的で使用されている。また、マッサージを行う際に手の滑りを良くする、あるいは良い香りを付与してアロマ効果により心身ともにリラックスさせるといった用途で使用されることもある。 従来のボディオイルは、ホホバ油等の植物油を代表とする不揮発性油分を主成分とし、肌のうるおいを肌内部にとじ込めて、乾燥から肌を守る働きがあり、特に乾燥してかたくなりやすいひじ・ひざ・かかとや指先などの角質をやわらかくして、白っぽく粉をふいたような状態からすべすべとしたなめらかな状態へ改善することができる。 例えば、特許文献1には、保湿成分としての液状動植物油、感触改善剤としてのシリコーン油、すすぎ流し成分としてのHLB=5〜8の非イオン界面活性剤を含有する液状油性ボディオイルが開示され、浴用剤やボディリンスと比較して保湿効果や感触に優れるとしている。 ヘアオイルは毛髪に油分を補い、光沢、滑らかさ、柔軟性を与えることを目的として使用される。我が国では古くから毛髪に植物油が使用され、椿油(つばきあぶら)や木蝋(もくろう)は「鬢付け油」として使用されてきた歴史がある。 従来のヘアオイルの構成成分は、比較的粘性が低くさっぱりとした植物油(ツバキ油、オリーブ油など)や鉱物油(ミネラルオイル)を主成分として、エステル油やスクワランなどが適宜配合されていた。最近では、仕上がり感や手触りの良さから、シリコーンを主成分とした製品が増加してきている(特許文献2)。これらのヘアオイルは高分子シリコーンを揮発性溶剤(イソパラフィン、低分子シリコーン)に溶解したものであり、溶剤が蒸散すると高分子シリコーンが均一な皮膜を形成して、植物油では得られない滑らかさと手触りを付与する効果があることから「洗い流さないトリートメント」として使用が増加している。 しかしながら、従来のボディオイルとヘアオイルは、その適用対象により身体用と毛髪用とに分けられており、身体と毛髪の両方に適用することを意図した製品はない。 例えば、従来のボディオイルを毛髪に適用すると、油分によるべたつきを生じて重い仕上がりになり、従来のヘアオイルを身体(肌)に適用しても肌に馴染まずしっとり感が得られなかった。また、ボディオイル及びヘアオイルの各主成分を単に混合しただけでは均一に溶解せず透明なオイル化粧料を調製することはできなかった。特開2008−37792号公報特開2009−221143号公報 よって本発明における課題は、ヘアオイル及びボディオイルの特長を併せ持ち、毛髪にも身体にもそのまま使用できるオイル化粧料を提供することである。 上記の課題を解決すべく、本発明者等は鋭意研究を行った結果、配合する油分やシリコーンの組み合わせ及び配合量を特定することにより均一なオイルを調製することができ、毛髪及び身体の両方に適用しても優れた使用性を示すことができることを見出し、本発明を完成するに至った。 即ち本発明は、(A)粘度100mPa・s以下のエステル油を10〜50質量%、(B)揮発性炭化水素油を10〜30質量%、(C)植物油を1〜15質量%、(D)不揮発性油を10〜20質量%、及び(E)低粘度シリコーンを1〜10質量%含むことを特長とする、ヘア及びボディ用オイルを提供する。 本発明のヘア及びボディ用オイルは、ヘアオイル及びボディオイルの有効成分を単純に混合するのではなく、配合する成分の種類及び配合量を特定したことにより均一で透明なオイルとして提供することができる。本発明のヘア及びボディ用オイルは、毛髪に適用すれば傷んだ毛髪を補修し、指通りやつやを良好にするのみならず、身体(肌)に適用すれば馴染みが良く、肌を保湿してしっとりさせる効果を有する。 本発明のヘア及びボディ用オイル(以下、単に「オイル」と呼称することもある)は、(A)粘度100mPa・s以下のエステル油、(B)揮発性炭化水素油、(C)植物油、(D)不揮発性油、及び(E)低粘度シリコーンを必須成分として含有している。 本発明のオイルで用いられる粘度100mPa・s以下のエステル油(成分A:以下「低粘度エステル油」と呼称することもある)は、化粧料等に通常配合される常温(25℃)で液状のエステル油であって粘度100mPa・s以下のものであればよく、特に限定されない。また、粘度100mPa・sを超えるエステル油を一部含んでいても、エステル油全体としての粘度が100mPa・s以下であればよいが、均一溶解性の観点から、約10000mPa・sを超える高粘度のエステル油は含まないのが好ましい。 本発明で使用される粘度100mPa・s以下のエステル油の具体例としては、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(IOB=0.33)、トリエチルヘキサノイン(IOB=0.35)、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(IOB=0.35)、2−エチルヘキサン酸セチル(IOB=0.52)、イソデシルベンゾエート(IOB=0.23)、ジカプリル酸プロピレングリコール(IOB=0.32)、イソノナン酸イソノニル(IOB=0.2)、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(IOB=0.36)、コハク酸ジ2−エチルヘキシル(IOB=0.32)、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール(IOB=0.52)、コハク酸ジエチルヘキシル(IOB=0.32)、パルミチン酸エチルヘキシル(IOB=0.13)等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。これら粘度100mPa・s以下のエステル油は1種または2種以上を用いることができる。 本発明のオイルにおける粘度100mPa・s以下のエステル油の配合量は、オイル全量の10〜50質量%、好ましくは20〜45質量%である。配合量が10質量%未満では、肌に対するエモリエント効果が十分でなくなり、50質量%を超えて配合すると、特に毛髪に適用した際にべたつきや重さを感じるようになる。 本発明のオイルで用いられる揮発性炭化水素油(成分B)は、化粧料等に通常配合される揮発性油であってよく、例えば、沸点が60〜260℃の範囲にある比較的低分子量の炭化水素油が挙げられる。 具体例としては、水添ポリイソブテン(軽質流動性イソパラフィン)、イソドデカン、イソヘキサデカンなどを挙げることができる。これらは1種でも2種以上を組み合わせてもよい。 本発明のオイルにおける揮発性油の配合量は、オイル全量に対して10〜30質量%、好ましくは、20〜30質量%である。配合量が10質量%未満では、毛髪に使用した際、軽さが得られず、30質量%を超えて配合すると、肌に適用した際のしっとりさがなくなる傾向がある。 本発明のオイルで用いられる植物油(成分C)は、植物を起源とする油分であって、従来からヘアオイル等に使用されている植物油でよく、特に限定されるものではない。例えば、スクワラン(植物性)、ツバキ油、オリーブ油、アボガド油、米胚芽油、小麦胚芽油、紅花油、綿実油、アマニ油、マカデミアナッツ油、ホホバ油、パーム油、ヤシ油、大豆油、コムギ胚芽油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ゴマ油、茶実油、アルガニアスピノサ油等が挙げられる。これらは1種でも2種以上を組み合わせてもよい。 本発明のオイルにおける植物油の配合量は、1〜15質量%、好ましくは8〜13質量%である。配合量が1%未満では毛髪に適用した際のつやや毛髪の補修効果、肌に適用した際の保湿効果が十分でなくなり、15質量%を超えると均一な製剤を得るのが困難になる。 本発明で用いられる不揮発性油(成分D)は、常温(25℃)で液状の(揮発性を示さない)油分であって、前記粘度100mPa・s以下のエステル油(成分A)及び植物油(成分C)に該当しない油分をいう。特に非極性の炭化水素油であるのが好ましい。 具体的には、流動パラフィン、ミネラルオイル、オレフィンオリゴマー、ワセリン等の炭化水素油などが含まれる。これら不揮発性油は1種または2種以上を用いることができる。 本発明のオイルで用いられる低粘度シリコーン(成分E)は、特に限定されるものではないが、常温(25℃)における粘度が200mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以下の直鎖状ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンから選択するのが好ましい。中でも、Si原子数が2〜7の直鎖状ジメチルポリシロキサン、Si原子数が3〜7の環状ジメチルポリシロキサンが好適に使用できる。 本発明のオイルにおける低粘度シリコーンの配合量は、1〜10質量%、好ましくは3〜9質量%である。配合量が1質量%未満であると毛髪に適用した際のつやや指通りが不十分となり、10質量%を超えて配合すると均一な製剤の調製が困難になる。 本発明のオイルにおいては、均一なオイル製剤を得るという観点から、毛髪化粧料に広く用いられている高分子シリコーンを含まないのが好ましい。高分子シリコーンとは、シリコーンゴムとしても知られているシリコーン化合物であり、その粘度が約100万mPa・s以上のシリコーン化合物を意味する。 本発明のオイルには、必要に応じて他の添加剤を配合してもよく、その種類及び配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。 他の添加剤としては、保湿剤、紫外線吸収剤、粉末、分散剤、アルコール類、香料、防腐剤、抗酸化剤、各種薬剤等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものではない。 本発明のオイルは身体(及び顔)にも毛髪にも適用可能なオイル化粧料として提供される。本発明のオイルは、構成成分を混合、攪拌して溶解し、透明なオイルとすることにより製造することができる。本発明のオイルでは、配合成分及び配合量を特定することにより互いに溶解して透明オイルとなるので、特に界面活性剤を含んでいなくてもよい。また、水を含まない無水油性化粧料の形態で提供することもできる。 以下、具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。なお、以下の実施例、比較例及び処方例における配合量は全て質量%である。 下記の表1〜表3に掲げた処方でオイル化粧料を調製した。均一なオイルが得られた例は「溶解性:○」とし、毛髪及び身体に適用して使用性を評価した。均一に溶解できなかった例は「溶解性:×」として使用性の評価は実施しなかった。使用性の評価項目及び評価方法は次の通りである。 なお、表中の「ジメチコン(1)」は、シリコーンG−20−IP(高分子量シリコーン20%イソパラフィン溶液;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)であり、「ジメチコン(2)」は、粘度20mPa・sのジメチルポリシロキサンである。<評価項目>・身体への適用: 「肌馴染み」及び「肌のしっとり感」・毛髪への適用: 「髪の指通り」、「髪のべたつき」及び「髪のつや」<評価方法> 女性専門パネラー(10名)による官能試験にて、以下の評価点に従って評価し、その合計点を下記評価基準によりランク付けした。・評価点 5点:非常に良い 4点:良い 3点:普通(どちらともいえない) 2点:やや良くない 1点:良くない<評価基準> ◎:評価点合計が45点以上 ○:評価点合計が40点以上45点未満 △:評価点合計が20点以上40点未満 ×:評価点合計が20点未満 表1に示した結果から明らかなように、従来の代表的なボディオイルの組成に相当する比較例1を毛髪に適用すると指通りが悪くべたつきを生じてしまうのに対し、従来の代表的なヘアオイルの組成に相当する比較例2を身体(肌)に適用すると馴染みが悪くしっとりした感触が得られない。 一方、ボディオイルの主成分であるエステル油、植物油などとヘアオイルの有効成分である揮発性油、シリコーンとを単純に混合すると、均一に溶解せず透明なオイル化粧料が得られない(比較例3)。従来のヘアオイルに配合されている高分子シリコーンを抜去することにより、比較例4及び5において均一に溶解したオイルは得られたが、不揮発性油、揮発性油の配合量が本発明の範囲外であると十分な使用性を得ることはできなかった。 それに対して必須成分A〜Eの配合量を本発明で特定される範囲に調整することにより、毛髪及び身体の何れに適用した場合にも優れた使用性を得ることができた(実施例1)。 表2に示した結果によると、高分子シリコーンを配合しない場合であっても、揮発性油を含まず又は所定量に満たず、不揮発性油及び植物油の配合量が所定範囲より多い比較例6〜8は均一に溶解させることができなかった。揮発性油の配合量を所定範囲内とした比較例9では均一なオイルは得られるが、不揮発性油が多いため、毛髪に適用した際のべたつきが感じられた。 表3に示した結果では、(A)粘度100mPa・s以下の低粘度エステル油、(B)揮発性炭化水素油、(C)植物油、(D)不揮発性油、及び(E)低粘度シリコーンを本発明所定の範囲の配合量で混合することにより、各成分として用いる物質の種類を変えても均一なオイルが得られ、ボディオイル及びヘアオイルの両方として極めて優れた使用性を示した。(A)粘度100mPa・s以下の低粘度エステル油を10〜50質量%、(B)揮発性炭化水素油を10〜30質量%、(C)植物油を1〜15質量%、(D)不揮発性油を10〜20質量%、及び、(E)低粘度シリコーンを1〜10質量%含むことを特徴とする、ヘア及びボディ用オイル。前記(A)粘度100mPa・s以下の低粘度エステル油が、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソデシルベンゾエート、ジカプリル酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、及びパルミチン酸エチルヘキシルからなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載のヘア及びボディ用オイル。前記(B)揮発性炭化水素油が、水添ポリイソブテン、イソドデカン、及びイソヘキサデカンからなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載のヘア及びボディ用オイル。前記(D)不揮発性油が、流動パラフィン、ミネラルオイル、オレフィンオリゴマー、及びワセリンからなる群から選択される1種又は2種以上の非極性炭化水素油である、請求項1から3のいずれか一項に記載のヘア及びボディ用オイル。高分子シリコーンを含まない、請求項1から4のいずれか一項に記載のヘア及びボディ用オイル。 【課題】ヘアオイル及びボディオイルの特長を併せ持ち、なおかつ毛髪にも身体にも好適に使用できるオイル化粧料を提供する。【解決手段】(A)粘度100mPa・s以下の低粘度エステル油を10〜50質量%、(B)揮発性炭化水素油を10〜30質量%、(C)植物油を1〜15質量%、(D)不揮発性油を10〜20質量%、及び(E)低粘度シリコーンを1〜10質量%含むことを特徴とする、ヘア及びボディ用オイル。【選択図】なし


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