生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_二軸引張試験方法
出願番号:2013105779
年次:2014
IPC分類:G01N 3/00


特許情報キャッシュ

石渡 亮伸 澄川 智史 木谷 靖 JP 2014228290 公開特許公報(A) 20141208 2013105779 20130520 二軸引張試験方法 JFEスチール株式会社 000001258 井上 茂 100126701 森 和弘 100130834 石渡 亮伸 澄川 智史 木谷 靖 G01N 3/00 20060101AFI20141111BHJP JPG01N3/00 Z 2 1 OL 7 2G061 2G061AA01 2G061AB01 2G061AB09 2G061BA07 2G061CB01 2G061EA01 2G061EA02 本発明は、自動車等のプレス部品設計や金型設計の際に行うプレス成形解析に必要な材料データ(二軸応力下の応力−ひずみ関係)を取得するための二軸引張試験方法に関するものである。 通常、自動車等のプレス部品設計や金型設計の際にはプレス成形解析を行う。その際には、プレス成形される材料の二軸応力下の応力−ひずみ特性が必要となる。 これに対して、従来は、単軸引張試験の応力−ひずみ関係から二軸応力下の応力−ひずみ特性すなわち降伏曲面を推定したり、液圧バルジ試験より等二軸状態の応力−ひずみ関係を求め、これを用いて降伏曲面を推定したりしていた。 近年、図1に示すようなスリット付の十字型引張試験片10による二軸引張試験機が開発され、二軸応力下の応力−ひずみ関係を直接計測する二軸引張試験方法が開発されて、普及しつつある。ここで、十字の腕部12にスリット13を設けるのは、交差した中央の部分を評価する際に、腕部12における試験片幅方向の拘束がかからず、評価部(交差部)11が所望の二軸応力状態になるようにするためである。 しかしながら、この二軸引張試験方法では腕部が評価部よりも先に降伏し破断してしまうために、取得できるひずみの範囲はせいぜい5%程度であるという問題があった。 そこで、この問題を解決するために、非特許文献1では、腕部(スリット部)と評価部(交差部)を別の材料とし、腕部に強度の強い材料を用いて、評価部に溶接する方法が提案されている。 しかし、この非特許文献1に記載の方法は、比較的小さな範囲を精度よく溶接する必要があり、溶接精度の影響が実験精度に大きく影響することが問題である。 これに対して、評価部11を研削して板厚を薄くする方法も考えられるが、スリット部から評価部への板厚の変化状態などにより、板厚変化部での破断や評価部での応力の不均一性が問題となる。 また、非特許文献2に示されたように、十字引張試験片は、均一な変形となる試験評価部が単軸引張試験等に比べて狭く、ひずみ測定範囲が小さいとともに、試験片中央部から偏った位置で測定することが妥当であるために、一軸引張試験のような試験片幅全体に掛かる荷重をロードセル等で測定するのではなく、試験片に小型のひずみゲージを貼って荷重とひずみを測定する方法がこれまで適用されてきた。 しかし、ひずみゲージは、貼り方や湿度などの環境に影響されるという問題があり、比較的良好な場合でも8〜10%程度のひずみ、湿度の高い場合などは2〜3%程度でひずみゲージがはがれてしまうという問題や、ひずみゲージを貼る手間がかかるという問題があった。Mathiak,F.,Trautmann,K.H.,1990.Patentschrift DE 3914966 C1,Deutsches Patentamt,Munchen,12.July塑性と加工 52(601),282−287,2011−02−25 日本塑性加工学会 上述したように、これまでのスリット付十字型引張試験片を用いた二軸引張試験方法では、スリット部が破断しやすいことから、測定できるひずみ範囲が狭く、測定できるひずみ範囲を広げるために、スリット部に強度の強い材料を用いて評価部に溶接すると、測定精度が悪くなるという問題があった。また、測定にひずみゲージを用いることから、それによっても、測定できるひずみ範囲が狭くなるとともに、ひずみゲージを貼る手間がかかるという問題があった。 本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、スリット付十字型引張試験片を用いて二軸応力下の応力−ひずみ関係を求める二軸引張試験方法において、広いひずみ範囲で精度良く迅速に二軸応力下の応力−ひずみ関係を求めることができる二軸引張試験方法を提供することを目的とするものである。 上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。 [1]スリット付十字型引張試験片を用いて二軸応力下の応力−ひずみ関係を求める二軸引張試験方法において、前記スリット付十字型引張試験片のスリット部をレーザ加工によって焼入れ強化するとともに、前記スリット付十字型引張試験片の十字のそれぞれの方向の伸びを測定する2つの接触式伸び計を前記スリット付十字型引張試験片に設置して、試験を行うことを特徴とする二軸引張試験方法。 [2]前記接触式伸び計が前記スリット付十字型引張試験片の伸びに応じて移動できるようにするスライド機構と前記接触式伸び計の触針が前記スリット付十字型引張試験片から離れないようにする押し付け機構を備えた支持具で前記接触式伸び計を支持しながら試験を行うことを特徴とする前記[1]に記載の二軸引張試験方法。 本発明により、スリット付十字型引張試験片を用いた二軸引張試験方法において、広いひずみ範囲で精度良く迅速に二軸応力下の応力−ひずみ関係を求めることができる。その結果、プレス成形解析において高精度の割れ判定やスプリングバック解析が行えるようになり、プレス金型作成時のトライアルアンドエラーによる金型修正期間を削減することが可能になる。スリット付十字型引張試験片を示す図である。本発明の実施例を示す図である。 本発明の実施形態を述べる。 本発明の実施形態においては、スリット付十字型引張試験片(以下、単に「試験片」ともいう)を用いた二軸引張試験方法によって二軸応力下の応力−ひずみ関係を求めるに際して、以下の(a)〜(c)のことを行うようにしている。 (a)スリット付十字型引張試験片のスリット部(腕部)をレーザ照射によって加熱・急冷する(焼入れする)ことで強化し、スリット部での破断を防止する。 その際、レーザ照射によるスリット部の加熱・急冷を試験片の片面から行うと、条件によってはスリット部が曲がってしまうため、試験片の両面から行うのが好ましい。 (b)そして、試験片の十字のそれぞれの方向(X軸方向とY軸方向)の伸びを接触式伸び計によって測定する。 前述したように、ひずみゲージを貼り付けて試験片の伸びを測定するのは、測定できるひずみ範囲が狭くなるとともに、ひずみゲージを貼る手間がかかるという問題がある。また、測定できるひずみ範囲を広げるために、スリット部に強度の高い材料を用いて評価部に溶接すると、測定精度が悪くなるという問題がある。 これに対して、接触式伸び計を用いることで、広いひずみ範囲を精度良く測定することが可能になるとともに、設置も迅速にできるようになる。 なお、前記非特許文献2にあるように、ひずみの測定に好適である均一なひずみが生じる領域が比較的狭いので、例えば、0.001以上(0.1%以上)の高い分解能を求める場合は、初期長さが短い小型の接触式伸び計を用いるのが好ましい。ちなみに、光学式伸び計では、高い分解能を得ることが難しい。 (c)さらに、接触式伸び計が試験片の伸びに応じて移動できるようにするスライド機構と接触式伸び計の触針が試験片から離れないようにする押し付け機構を備えた支持具で接触式伸び計を支持しながら試験を行う。 伸びを測定する位置(接触式伸び計の触針の位置)が試験片の中央から離れているので、測定が進むにつれて、試験片の伸びに対応して、接触式伸び計の位置を移動する必要がある。これを実現するために、上記のようなスライド機構と押し付け機構を備えた支持具で接触式伸び計を支持しながら試験を行うようにする。 このようにして、この実施形態においては、スリット付十字型引張試験片を用いた二軸引張試験方法において、広いひずみ範囲で精度良く迅速に二軸応力下の応力−ひずみ関係を求めることができる。その結果、プレス成形解析において高精度の割れ判定やスプリングバック解析が行えるようになり、プレス金型作成時のトライアルアンドエラーによる金型修正期間を削減することが可能になる。 本発明の実施例として、材質が日本鉄鋼連盟の自動車規格JSC590Rで板厚1.2mmの材料について、スリット付十字型引張試験片を用いた二軸引張試験を行った。応力比2:1で引っ張り、ほぼ平面ひずみとなる試験であった。 その際に、本発明例として、上記の本発明の一実施形態に基づいて試験を行った。 一方、比較のために、比較例1として、レーザ加工によるスリット部の強化を行わないとともに、ひずみゲージにより試験片の伸びを測定した。また、比較例2として、スリット部に強度の高い材料(980MPa材)を用い、それを評価部に溶接した試験片を作製して試験を行った。 そして、それぞれの例において、伸び変形をする軸側のスリット部や評価部が破断した際の平均ひずみ(破断時の平均ひずみ)と、3%伸びのときに測定された応力の繰り返し精度(応力のばらつき)を求めた。 表1に、本発明例と比較例1、2における破断時の平均ひずみと応力のばらつきを示し、図2に、本発明例と比較例1で得られた応力−ひずみ関係を示す 表1と図2に示すように、本発明例は、低ひずみ域では比較例1と同等の試験結果が得られるとともに、さらに0.10(10%)を超える高いひずみ域まで測定可能となっていることが分かる。なお、比較例2は、0.10(10%)を超える高いひずみ域まで測定可能であるが、応力のばらつきが大きく測定精度が悪い。 これによって、本発明の有用性が確認された。 10 スリット付十字型引張試験片 11 評価部(交差部) 12 スリット部(腕部) 13 スリット スリット付十字型引張試験片を用いて二軸応力下の応力−ひずみ関係を求める二軸引張試験方法において、前記スリット付十字型引張試験片のスリット部をレーザ加工によって焼入れ強化するとともに、前記スリット付十字型引張試験片の十字のそれぞれの方向の伸びを測定する2つの接触式伸び計を前記スリット付十字型引張試験片に設置して、試験を行うことを特徴とする二軸引張試験方法。 前記接触式伸び計が前記スリット付十字型引張試験片の伸びに応じて移動できるようにするスライド機構と前記接触式伸び計の触針が前記スリット付十字型引張試験片から離れないようにする押し付け機構を備えた支持具で前記接触式伸び計を支持しながら試験を行うことを特徴とする請求項1に記載の二軸引張試験方法。 【課題】スリット付十字型引張試験片を用いて二軸応力下の応力−ひずみ関係を求める二軸引張試験方法において、広いひずみ範囲で精度良く迅速に二軸応力下の応力−ひずみ関係を求めることができる二軸引張試験方法を提供する。【解決手段】スリット付十字型引張試験片を用いて二軸応力下の応力−ひずみ関係を求める二軸引張試験方法において、前記スリット付十字型引張試験片のスリット部をレーザ加工によって焼入れ強化するとともに、前記スリット付十字型引張試験片の十字のそれぞれの方向の伸びを測定する2つの接触式伸び計を前記スリット付十字型引張試験片に設置して、試験を行うことを特徴とする二軸引張試験方法。【選択図】図1


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