タイトル: | 公開特許公報(A)_ザクロ固形物から植生化学物質を抽出する方法およびその組成物並びに使用方法 |
出願番号: | 2013097508 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 36/18,A61P 35/00,A61P 9/12,A61P 9/00,A61P 15/10,A61P 11/06,A61P 29/00,A61P 1/16,A61P 3/10,A61P 25/18,A61P 27/02,A61P 27/12,A61P 25/28,A61P 39/06 |
バイロン ベイツ エリック エイ フリッツ イェアー スティーヴ ヘニッグ ハーリー アール ライカー JP 2013155192 公開特許公報(A) 20130815 2013097508 20130507 ザクロ固形物から植生化学物質を抽出する方法およびその組成物並びに使用方法 ポム ワンダフル エルエルシー 507388409 POM WONDERFUL, LLC 柳田 征史 100073184 佐久間 剛 100090468 バイロン ベイツ エリック エイ フリッツ イェアー スティーヴ ヘニッグ ハーリー アール ライカー US 11/137,248 20050524 A61K 36/18 20060101AFI20130719BHJP A61P 35/00 20060101ALI20130719BHJP A61P 9/12 20060101ALI20130719BHJP A61P 9/00 20060101ALI20130719BHJP A61P 15/10 20060101ALI20130719BHJP A61P 11/06 20060101ALI20130719BHJP A61P 29/00 20060101ALI20130719BHJP A61P 1/16 20060101ALI20130719BHJP A61P 3/10 20060101ALI20130719BHJP A61P 25/18 20060101ALI20130719BHJP A61P 27/02 20060101ALI20130719BHJP A61P 27/12 20060101ALI20130719BHJP A61P 25/28 20060101ALI20130719BHJP A61P 39/06 20060101ALI20130719BHJP JPA61K35/78 CA61P35/00A61P9/12A61P9/00A61P15/10A61P11/06A61P29/00A61P1/16A61P3/10A61P25/18A61P27/02A61P27/12A61P25/28A61P39/06 15 2008513680 20060524 OL 13 4C088 4C088AB12 4C088AC04 4C088BA11 4C088BA23 4C088CA02 4C088CA03 4C088CA11 4C088CA25 4C088NA05 4C088ZA16 4C088ZA33 4C088ZA36 4C088ZA42 4C088ZA59 4C088ZA81 4C088ZB11 4C088ZB26 4C088ZC35 4C088ZC37 本発明は、概して、ザクロ抽出物に関し、より詳細には、ザクロ固形物から抽出物を取得し使用する方法およびザクロ抽出物を含む組成物に関するものである。 果物および野菜が健康食の主要部分であることはよく知られている。理由の中で最も重要なものは、果物および野菜は、必須の栄養素を提供し、病気を予防し闘病する体の能力を向上させる重要な植生化学物質の豊富な供給源である、ということである。多くの植生化学物質が、固有の組合せで、異なる果物および野菜に存在し、それぞれが体内で異なる役割を果たす:抗酸化性、抗アレルギー性、抗発癌性、抗炎症性、抗ウィルス性、および/または抗増殖性。 ザクロは近年、健康に良いことおよび闘病する抗酸化力のために高く評価されている。抗酸化性は、フリーラジカル、心臓病を引き起こし得る有害分子、早期老化、アルツハイマー病、失明、および様々の癌に対して体を保護すると考えられているため重要である。 研究により、ザクロジュースが、赤ワイン、緑茶、ブルーベリージュース、クランベリージュースおよびオレンジジュースなどの任意の他の飲み物よりも多くのポリフェノール抗酸化物質を有することが示された。現在、ザクロを摂取する2つの一般的な方法は、ザクロの果肉質の種衣を食べることおよび種衣から得られるジュースを飲むことである。 多くの種類の抗酸化物質が存在し、体により産生されるものもあり我々が食べる食物に由来するものもある。体の自然な抗酸化性防御が低下する、または大量のフリーラジカルが産生されると、体は抗酸化物質の食物供給源により依存するようになる。 ザクロ固形物からの植生化学物質を含有する抽出物を産生する方法が提供される。果皮、内膜および種子からなる群より選択される任意の1つ以上のザクロ固形物が存在する。産生される抽出物は、市販のザクロジュースとは以下の点で異なる;抽出物はザクロ固形物から実質的に得られるのに対して、ザクロジュースは甘い、果肉質の種衣から実質的に得られる。 ある好ましい実施の形態において、本発明の方法は以下の工程を含む。果皮、内膜および種子の任意の1つ以上の組合せが選択され、ザクロ固形物および水溶液を含む混合物が形成される。次に混合物は約60°F(15.56℃)から210°F(98.89℃)、好ましくは85°F(29.44℃)から185°F(85℃)および最適には約110°F(43.33℃)から160°F(71.11℃)に加熱される。ザクロ固形物を少なくとも部分的に分解し植物組織および/または細胞からの植生化学物質を遊離させるのに十分な量で混合物に酵素を加える。一度遊離すると、植生化学物質は反応および/または重合して、新しい植生化学化合物または反応生成物を産生する。残存する不溶性の固形物質は混合物から除去され、植生化学物質を含有する抽出物が提供される。 別の好ましい実施の形態において、ザクロからの植生化学物質を含有する抽出物が提供される。そのような抽出物は、ザクロジュース中で見られるよりも非常に高い全ポリフェノール、特に高分子量のポリフェノール(例えばプニカラジン)含有量を特徴とする。そのような抽出物は、ここに開示される方法により得られるかもしれない。 さらに好ましい実施の形態において、ザクロからの植生化学物質を含有する抽出物を含む食物および飲料が提供される。 さらに好ましい実施の形態において、ザクロからの植生化学物質を含有する抽出物を含む組成物が提供される。そのような組成物は、錠剤、懸濁液、植込錠、溶液、乳濁液、カプセル、粉末、シロップ、液体組成物、軟膏、ローション、クリーム、ペースト、およびゲルの形態でもよい。そのような組成物はまた、医薬品、栄養剤、ビタミン補助剤、食品添加剤、および食品補助剤の形態でもよい。 さらに好ましい実施の形態において、抽出物およびザクロジュースを含有する組成物が提供される。抽出物およびザクロジュースの組合せは、ザクロジュースのみと比較して、より高いポリフェノール含有量を有する組成物を産生するだけでなく、ザクロジュースおよび抽出物を凌ぐ広範囲の異なるポリフェノールを提供する。 別の好ましい実施の形態において、医薬品または栄養剤としての使用に適切な組成物の有効量を被験者に投与することにより被験者中の病状を予防または改善するための方法が提供される。そのような病状は、ポリフェノール介在性疾患および癌を含む。ポリフェノール介在性疾患の例には、高血圧および冠動脈疾患のような循環器系統の疾患、勃起障害、喘息のような肺疾患、様々の種類の癌、炎症状態、特定の肝臓状態、糖尿病、気分障害、白内障のような眼の疾患、年齢による弱視、黄斑変性、およびアルツハイマー病および痴呆のような他の年齢に関連する疾患が含まれる。 さらに別の好ましい実施の形態においては、癌細胞の増殖および発達を調節する方法であって、癌細胞の増殖を有する被験者を選択しこの被験者に抽出物を含有する組成物の有効量を投与する工程を含む方法が提供される。 さらに別の好ましい実施の形態において、前立腺癌を有する被験者における前立腺特異抗原(PSA)の増加を防止または低下する方法が提供される。この方法は、前立腺癌を有する被験者を選択し、この被験者に抽出物を含む組成物の有効量を投与する工程を含む。 本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から当業者に明らかであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施の形態を示しているが、説明の目的で提供されるのであり本発明を制限することを意図するものではなないことを理解すべきである。本発明の範囲内の多くの変化および変更が、本発明の精神から逸脱せずになされ、本発明は、そのような本発明の変更および等価物をすべて含む。 ここで用いたように、「植生化学物質」という用語は、人間の健康に有益な効果を有すると考えられる、ザクロ中に天然発生する化合物およびこれらの化合物の反応生成物並びに代謝産物を集合的に称する。そのような植生化学物質の例は、ポリフェノール、エストロゲンおよび植物性エストロゲンを含むがこれに限定されない。 ここで用いたように、「ポリフェノール」という用語は、概して、ザクロ中の天然発生化合物の群を称し、フェノールおよびポリフェノールを含む。フェノールは、その構造中に単一のフェノール単位で構成される化合物の種類である。アルコールと類似するが、フェノールは、酸素に強く結合する芳香環および酸素と水素との間の比較的弱い結合による比較的高い酸性を含む特性を有する。このグループのフェノール性化合物は、エラグ酸および没食子酸を含む。ポリフェノールは、1つ以上のフェノール基の存在により特徴づけられる化合物のグループである。ポリフェノールは、タンニン(例えばエラグタンニンおよびガロタンニン)、フラボノイド(例えばアントシアニンおよびイソフラボン)およびスチルベン(例えばリスベラトロール)を含む。 ここで用いたように、「ザクロジュース」という用語は、ザクロの種衣から実質的に得られるジュースを称する。 ここで用いたように、「ザクロ固形物」という用語は、ザクロの果皮、内膜および種子の任意の1つまたは組合せを称する。 ここに開示される方法によりザクロ固形物から得られる抽出物は、ザクロ種衣からのジュースに見られるよりも実質的に高い全ポリフェノール含有量を有するという驚くべき発見がされた。これは特に、高分子量ポリフェノール、特にプニカラジンに関して真実である。 プニカラジンは、強力な抗酸化物質であり、心血管機能および正確な細胞複製を保護する。したがって、プニカラジンは、ある程度、抽出物の抗酸化活性の原因である。抽出物の抗酸化性および他の有益な健康への影響は、ポリフェノールの存在によるものであるが、抽出物中の植生化学物質化合物の存在またはこれらの植生化学物質の相乗効果もまた、抽出物の抗酸化性および他の有益な健康への影響の原因かもしれない。 プニカラジンに加えて、他の高分子量ポリフェノールが、ザクロ固形物の抽出物で特徴付けられる。これらの高分子量ポリフェノールは、エラグタンニンおよび他の加水分解性のタンニン、例えば、プニカコルテインA(punicacortein A)、プニカリン(punicalin)、ペダンクラジン(pedunculagin)およびガロタンニン二量体および三量体を含む。 さらに、多くのアントシアニンが、ザクロ固形物の抽出物で特徴付けられる。アントシアニンの例には、ペラルゴニジン(pelargonidin)3-グルコシド、シアニジン3-グルコシド、デルフィニン3-グルコシド、ペラルゴニジン3,5-ジグルコシド、シアニジン3,5-ジグルコシド、およびデルフィニン3,5-ジグルコシドが含まれる。これらのアントシアニンはザクロジュースおよび抽出物の両方で特徴付けられるが、これらの低分子量ポリフェノールは、抽出物中よりもザクロジュース中でより高い割合の全ポリフェノール含有量を含む(約50%)。 したがって、ザクロ固形物から植生化学物質を含有する抽出物を産生する方法が提供される。ここに開示される方法から産生される抽出物はザクロ固形物から実質的に得られるのに対し、ザクロジュースはザクロ種子を囲む果肉質の種衣から実質的に得られるという点で、市販のザクロジュースと異なる。抽出物は、ポリフェノール、特にプニカラジンのような高分子量ポリフェノールを含有することを特徴とする。 ある好ましい実施の形態において、本発明の方法は、果皮、内膜および種子からなる群より選択されるザクロ固形物の任意の1つまたは組合せを提供する工程および水溶液中でザクロ固形物を含む混合物を作成する工程を含む。好ましい実施の形態において、ザクロ固形物の混合物は、ザクロ固形物の約20-80%w/v、およびより好ましくは約50%w/vの量で水を加えることによりザクロ固形物の混合物を作成する。混合物は好ましくは、粉砕または圧搾されて、水溶液中に分散するザクロ固形物の粗い粒を作成する。 混合物は次に、約60°F(15.56℃)から210°F(98.89℃)、好ましくは約85°F(29.44℃)から185°F(85℃)および最適には約110°F(43.33℃)から160°F(71.11℃)の温度に加熱される。混合物が加熱される温度は、混合物に加えられる酵素の選択、または酵素の組合せに依存する。好ましくは、混合物は、酵素または酵素の組合せの最大の触媒作用を可能にする温度に加熱される。 あるいは、混合物を加熱する前に酵素を加えてもよい。したがって、混合物を加熱する工程と酵素を加える工程の順序は、酵素が少なくとも部分的にザクロ固形物を分解することおよび植物組織および/または細胞からの植生化学物質を遊離させることを可能にする温度まで混合物が加熱される限り、重要なものではない。一度遊離されると、植生化学物質は反応および/または重合し、新しい植生化合物または反応生成物を産生する。 この実施の形態による使用に適切な酵素は、少なくとも部分的に植物組織または細胞を分解してザクロ固形物からの植生化学物質を遊離することができるものを含む。そのような酵素には、例を挙げると、ペクチナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、アミラーゼ、アラバナーゼ、および他の加水分解酵素の任意の1つまたは組合せが含まれる。 混合物に加えられる酵素は、天然発生または合成でもよい。酵素は、動物、植物、真菌、および細菌供給源のような供給源の任意の1つまたは組合せから得られてもよい。混合物に加えられる酵素または酵素の組合せの量は、混合物の温度および混合物中に存在するザクロ固形物の量に依存する。 酵素が加えられた後、混合物は、少なくとも部分的にザクロ固形物の分解を可能にするのに十分な時間ある温度で維持される。必要な温度および時間の長さは、混合物に加えられる酵素の種類、酵素触媒作用の速度および混合物中に含有されるザクロ固形物の量に依存する。 したがって、ある好ましい実施の形態において、ペクチナーゼ、セルラーゼおよびヘミセルラーゼ酵素の組合せが混合物に加えられ、約60°F(15.56℃)から210°F(98.89℃)、好ましくは約85°F(29.44℃)から185°F(85℃)および最適には約110°F(43.33℃)から160°F(71.11℃)に加熱される。混合物は、約45-195分、好ましくは約45-75分、および最適には約60分、好ましくは揺らしながらまたは攪拌しながらこれらの温度に維持される。 酵素がザクロ固形物を少なくとも部分的に分解した後、残存する不溶性の固形物を混合物から除去する。必要に応じて、混合物から残存する不溶性の固形物を除去する工程の前に、例えばベントナイトのような清澄剤を加えてもよい。混合物からの残存する不溶性固形物の除去は、濾過、遠心分離、クロマトグラフィ技術、および他の技術により行ってもよい。ここに開示される方法の実施に適切な濾過技術は、少なくとも1000Da、好ましくは約4500Da、および最適には約5500Daの分子量カットオフ(cut-off)における精密濾過を含む。 生じる液体抽出物は、約50-90Brix(Bx)、好ましくは約60-80Bxおよび最適には約70Bxまで真空下で濃縮し、病気、損傷または所望でない発酵を引き起こし得る微生物を殺すのに十分な温度および時間で低温殺菌してもよい。ある好ましい実施の形態において、抽出物は、約140°F-280°F(60℃-137.8℃)、好ましくは約195°F-240°F(90.56℃-115.6℃)、および最適には約205°F(96.11℃)の温度で低温殺菌されてもよい。低温殺菌は、混合物に加えられた残存する酵素を変性させてもよい。 別の好ましい実施の形態において、ザクロから植生化学物質を含有する抽出物が提供される。そのような抽出物は、ザクロジュースにおけるよりも非常に高い全ポリフェノール、特に高分子量ポリフェノール(例えばプニカラジン)含有量を特徴とする。そのような抽出物は、ここに開示される方法により得られてもよい。さらなる実施の形態において、植生化学物質、ポリフェノール、プニカラジン、プニカリン、エラグ酸、およびそれらの代謝産物を含有する抽出物が提供される。 さらに別の好ましい実施の形態において、ザクロからの植生化学物質を含有する抽出物を含む食物および飲料が提供される。例えば、抽出物中の非常に高い全ポリフェノール含有量のために、0.33oz(0.01022kg)の抽出物を含有する8oz(0.2479kg)のスポーツ飲料を調製し、20oz(0.6197kg)の一強度(single-strength)のザクロジュースと同じ全ポリフェノールを提供してもよい。ザクロジュースのポリフェノール含有量は約1-2.25mg/mLであり、20oz(0.6197kg)のジュースに存在するポリフェノールの量は約567-1256mgである。一方、抽出物は、使用する方法に依存して、約60-120mg/mLのポリフェノール含有量を有する。したがって、70Bx抽出物のわずか0.33oz(0.01022kg)が、20oz(0.6197kg)のジュース中のポリフェノールの同量を提供するのに必要である。 さらなる好ましい実施の形態において、ザクロからの植生化学物質を含有する抽出物を含む組成物が提供される。組成物は、錠剤、懸濁液、植込錠、溶液、乳濁液、カプセル、粉末、シロップ、液体組成物、軟膏、ローション、クリーム、ペースト、およびゲル等の形態で調製されてもよい。 組成物は、医薬品、栄養剤、ビタミン補助剤、食品添加剤、および食品補助剤としての使用に適切な形態で調製されてもよい。そのようなものとして、組成物は、必要に応じて適切なキャリアまたは賦形剤を含んでもよい。 適切なキャリアまたは賦形剤は、不活性な成分であり、例として、充填剤、例えばラクトース、グルコースまたはスクロースのような糖、マンニトール、ソルビトールまたはキシリトールのような糖アルコール、小麦、トウモロコシまたは片栗粉のようなデンプン、加工デンプンまたはグリコール酸ナトリウムデンプン(sodium starch glycolate)、タルクのような潤滑剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、コロイダルシリカまたはステアリン酸、およびポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースまたはゼラチンのような結合剤を含む。適切にそのような組成物を調製する従来の方法は、投与形態の抽出物を使用してもよい。そのような組成物は、抽出物を含有する液体形態の製剤を使用して経口または非経口で投与されてもよい。 組成物は、薬学的に許容できるキャリアまたは賦形剤中で適切な投与単位の抽出物で経口投与されてもよい。したがって、組成物は、カプセル、ピル、錠剤、粉末、溶液、懸濁液または乳濁液のような固体または液体製剤に調製されてもよく、そのような組成物の使用のために当該技術において知られる方法により調製されてもよい。固体単位投与形態は、抽出物を含有する硬いまたは柔らかいゼラチンカプセルおよび適切なキャリアまたは賦形剤の形態でもよい。 組成物はまた、生理的に許容できるキャリア中の注射可能投与量として非経口投与されてもよい。非経口投与は、皮下、静脈内、筋肉内、または腹腔内でもよい。 組成物の有効量は、意図される有益な健康上の結果が達成されるのに十分な抽出物の量または投与単位である。したがって、投与される組成物の有効量は、使用される投与単位、投与の形態、治療期間、治療される人の年齢、性別および体重、および治療される状態の性質および程度のような事項に依存する。有効量は、標準の毒性試験および標準の薬理的アッセイにより、組成物の意図する効果が達成されるかを評価することが知られる標準的な技術に基づいて容易に決定できる。 さらに好ましい実施の形態において、抽出物を含有する組成物およびザクロジュースが提供される。抽出物およびザクロジュースの組合せは、ザクロジュースのみと比較して高い全ポリフェノール含有量を有する組成物を産生するだけでなく、ザクロジュースおよび抽出物を凌ぐ広範囲の異なるポリフェノール、例えばザクロジュース中により多く存在する低分子量ポリフェノール(例えばアントシアニン)および高分子量ポリフェノール(例えばプニカラジン、プニカリン、エラグ酸グリコシド、エラグ酸ポリフェノール、エラグタンニンおよび他の加水分解性タンニン、例えば、プニカコルテインA、プニカリン、ペダンクラジンおよびガロタンニン二量体および三量体)を提供する。 さらに好ましい実施の形態において、医薬品または栄養剤としての使用に適切な有効量の組成物を被験者に投与することにより被験者の病状を改善する方法が提供される。そのような病状は、ポリフェノール介在性疾患および癌を含む。 抽出物中のポリフェノールおよび無数の他の植生化学物質は、様々の器官および組織におよび人体の適当な作用に必要である。したがって、多くの病状が、ポリフェノール介在性疾患を有する患者へのポリフェノール投与により予防または改善される。これらのポリフェノール介在性疾患には、高血圧および冠動脈疾患のような循環器系統の疾患、勃起障害、喘息のような肺疾患、様々の種類の癌、炎症状態、特定の肝臓状態、糖尿病、気分障害、白内障のような眼の疾患、年齢による弱視、黄斑変性、およびアルツハイマー病および痴呆のような他の年齢に関連する疾患が含まれる。 したがって、ある好ましい実施の形態において、ザクロからの植生化学物質を含有する抽出物を得る工程および有効量の抽出物を適切なキャリアまたは賦形剤と混合する工程を含む被験者の健康を改善するための医薬品または栄養剤としての使用に適切な組成物を提供する方法が提供される。 別の好ましい実施の形態において、ポリフェノール介在性疾患を有する被験者を選択する工程およびこの被験者に抽出物を含む組成物の有効量を投与する工程を含む、被験者におけるポリフェノール介在性疾患を治療する方法が提供される。 さらに別の実施の形態において、癌細胞の増殖および発達を調節する方法であって、癌細胞の成長を有する被験者を選択する工程およびこの被験者に抽出物を含有する有効量の組成物を投与する工程を含む方法が提供される。 さらなる実施の形態において、前立腺癌を有する被験者における前立腺特異抗原(PSA)レベルの増加を防止または低下する方法が提供される。この方法は、前立腺癌を有する被験者を選択し、この被験者に抽出物を含有する有効量の組成物を投与する工程を含む。 前立腺癌は、米国で最も一般的に検出される癌であり、男性の6人に約1人を冒す。これは米国の男性において癌による死の2番目の主要原因である。臨床試験は、スクリーニング、診断、ステージング(staging)、予後、残存するまたは再発する病気の検出および治療的観察で補助できる。これらの目的に使用される主な試験はPSA試験である。 PSA試験は、前立腺癌の検出を助けることが1986年にFDAにより認められた。多くの前立腺の問題が、血流中を循環するPSAのレベルをテストおよび観察することにより特定できる。血流中のPSAのレベルは、PSAを作る細胞の数の増加、または多くのPSAが血流に入り込むことを防止する前立腺中の正常なバリアの破壊の原因となる方法により評価してもよい。 手術または放射線による局部的な前立腺癌の治療後の血流中のPSAのレベルの増加は、しばしば残存する癌および転移癌の存在を示す。さらに、PSA倍加時間は、診断腫瘍段階および程度に関連する。 以下の実施例は、ここに開示される実施の形態をさらに明らかにする。これらの実施例は、本発明の好ましい実施の形態を明らかにする目的でのみ提供され、いかなる意味においても本発明を制限するものではない。ザクロ固形物からの液体抽出物の産生 抽出物の産生のための開始物質は、通常はザクロの果皮、内膜および種子を含むザクロ固形物である。ザクロ固形物は、種衣からの最初のジュースが加圧、粉砕または他のザクロジュースを抽出するための当該技術に既知の方法によりザクロから実質的に放出あるいは除去された後に、取得され採集される。 次にザクロ固形物は3/8インチスクリーンを有する3つのReitz Millsに移された。物質は細かいピューレに粉砕され、約125°F(51.67℃)に加熱された。この段階は、続く酵素の追加と結びつき、残存するザクロ固形物のコロイド状構造の破壊を助け、それにより残存する不溶性固形物を放出する。 混合物を約125°F(51.67℃)の温度に2時間加熱した。3つの酵素を混合物に加えた:ペクチナーゼ(登録商標Rohapect DA6L)、セルラーゼ/ペクチナーゼ(登録商標Rohapect CL)、およびヘミ−セルラーゼ/ペクチナーゼ(登録商標Rohapect B1L)。これらの酵素を使用して、糖、無機化合物、アントシアニン、および残存するポリフェノールのような、残存するザクロ可溶性固形物を遊離させた。 次に、混合物を抽出プラントから加工プラントへ移動させ、加工プラントでは約1時間すりつぶし処理タンク中に保持された。1時間後、8000ガロンの混合物につき、125ガロンの水スラリー(water slurry)中50-100ポンドのベントナイトをタンパク質除去のために加えた。その後、処理された混合物を固形物の除去のためにWestphalia 755 Decanterに通した。残存する不溶性物質を廃棄物として捨てた。 残存する液体抽出物を、Schmidt蒸発器で処理した。この工程において、抽出物を分離し、精留した。さらに、液体抽出物を予め濃縮した後、45秒間205°F(96.11℃)に低温殺菌した。次に、液体抽出物を蒸発器にかけ、液体抽出物の可溶性固形物について4500Daの分子量のカットオフでKoch Micro-Filtration膜で濾過した。 次に、液体抽出物を再度蒸発器にかけ、最後の濃縮を行った。この工程における初期熱は約185-195°F(85-90.56℃)であった。約70Bxにおいて、液体抽出物を約45°F(7.222℃)以下に冷却し、濃縮物バッチルーム(batching room)に移し、混合および標準化した。ザクロ固形物の抽出物およびザクロジュース中のポリフェノール含有量の比較 ザクロジュースおよびザクロ抽出物中のプニカラジン、プニカリン、エラグ酸グリコシド、およびエラグ酸ポリフェノールの濃度を分析し、大学研究において比較した。 全てのサンプル(50mL注入量)を濾過し(0.22mm)、Novapak(Waters社)C-18カラム、150×3.9mm、内径(i.d.)5mmで分析した。移動相、溶媒A(2% CH3000H/H2O)および溶媒B(2% CH3000H/H2O)を、40分間、保持時間、1mL/分の流速で5分間、溶媒B中99%の溶媒Aで始まり溶媒B中40%の溶媒Aまでの直線勾配条件下で使用した。全ての化合物を、定量化のために254nm、378nm(プニカラジン)および366(エラグ酸)で検出した。 表1は、ザクロ固形物およびザクロジュース中のポリフェノール、プニカラジン、プニカリン、エラグ酸グリコシド、およびエラグ酸の含有量の並行比較を示す。 他のポリフェノールはザクロ抽出物およびジュースの両方に存在するが、この実施例は、ザクロジュースよりもザクロ抽出物中に非常に高い濃度のポリフェノール、特にプニカラジンが存在するという意外な驚くべき結果を強調している。表1は、ザクロ抽出物についての全プニカラジン(αおよびβ異性体の両方)濃度が、ザクロジュースについての26倍以上高いことを示す。前立腺癌のための手術または放射線後にPSAが上昇する人におけるザクロジュースの効果 前立腺特異抗原(PSA)パラメータにおけるザクロジュースの積極的で重要な有益な効果が、インビトロの細胞の成長およびアポトーシスにおける前立腺癌での対応する特殊効果と共に、再発性の前立腺癌を有する患者における臨床試験で示された。 前立腺癌を有する患者におけるザクロジュースの臨床効果を特定するために、臨床試験を行った。手術または放射線治療後のPSAが上昇する人について、2年の、単一中心の(single center)、フェーズIIの、シモン(Simon)2段階臨床試験を、20%反応速度、5%のアルファおよび90%のパワーに基づいて設計した。適格患者は、0.2ng/mlより大きく5ng/mlより小さい検出可能なPSA、および7以下のグリーソンスコアを有した。連続的なPSA測定は、基準PSA倍加時間を特定した。 病気の進行まで、毎日口から8oz(0.2479kg)のザクロジュースを患者に与えた(ワンダフルバラエティ(Wonderful variety)1日に1.5mmolの全ポリフェノールと同量)。臨床的な終点は、安全、血清PSAにおける効果、および検査の実験室研究を含む。患者は血清PSAについて3ヶ月の間欠期(interval)に入り、血液および尿を実験室研究のために採集した。 有効性の基準が満たされた後に2つの段階で48人の患者に研究が完全に行われた。報告された重大な有害事象はなく、治療はよく容認された。平均PSA倍加時間は、14から26ヶ月の平均に(p<0.048)、治療と共に著しく増加した。平均logPSAの勾配は、治療において0.08から0.04に減少した(p<0.019)。LNCaPの成長における治療前および後の患者の血清を使用したインビトロアッセイにより、細胞増殖の減少およびアポトーシスの増加が示された(p<0.07)。ザクロポリフェノールは、液体クロマトグラフィ質量分析(LC-MS)により全ての患者の尿で検出された。前立腺癌を有する患者のPSAレベルの増加の防止または低下 ザクロジュースおよびザクロ固形抽出物の両方が様々の種類の抗酸化ポリフェノールを含有するが、ザクロ固形抽出物はザクロジュースよりも高い全ポリフェノール含有量を有する。したがって、前立腺癌を有する患者に8oz(0.2479kg)のザクロジュースを投与することにより前立腺癌を有する患者においてPSA倍加時間が増加することが示されたという程度まで、ザクロ固形抽出物の投与もまた、少なくとも同じ、および好ましくは改善された効果を達成した。 したがって、患者における前立腺特異抗原(PSA)レベルの増加を防止または低下する方法および組成物が提供される。この方法は、前立腺癌を有する被験者を選択する工程、およびこの被験者にザクロ固形物からの植生化学物質を含有する抽出物を含む組成物の有効量を投与する工程を含む。 好ましい実施の形態において、組成物は、抽出物およびザクロジュースを含む液体の形態でもよい。この液体により提供される全ポリフェノール含有量は、液体中に含まれるザクロ抽出物およびザクロジュースの量を変化させることにより変わり得る。表2は、液体組成物の製剤の実施例および標準のザクロジュース中の全ポリフェノール含有量と比較した製剤中の全ポリフェノール含有量を提供する。 この実施の形態のために、患者に投与される抽出物の有効量は1日に投与される抽出物の少なくとも0.13oz(0.004028kg)であり(または等量単位または測定)、抽出物は単独でまたは組成物中で提供される。8oz(0.2479kg)のザクロジュースの投与は前立腺癌を有する患者におけるPSAレベルの上昇の増加に有効であることが分かったので、少なくとも0.13oz(0.004028kg)のザクロ固形抽出物の投与は、改善されないとしても同じ結果を達成すると考えられる。より多くの投与量を投与することによりまたは抽出物が投与される回数を増加することにより、抽出物の投与量を増やしてもよい。 抽出物を含有する液体組成物に加えて、抽出物を含む医薬品または栄養剤のような固体形態および薬学的に許容できるキャリアまたは賦形剤で抽出物を投与してもよい。 ここに記載および請求される本発明は、ここに開示される特定の実施の形態は本発明のいくつかの態様を説明することを意図するものであるため、これらの実施の形態により範囲を制限されるものではない。任意の同等の実施の形態が本発明の範囲内であることが意図される。実際に、ここに示され記載されるものに加えて様々の本発明の変更が、以上の記載から当業者に明らかであろう。そのような変更もまた特許請求の範囲内であることが意図される。 ザクロから植生化学物質を含有する抽出物を産生する方法であって、該方法が、 種衣から最初のジュースが実質的に放出または除去された後に得られるザクロ固形物であって、果皮、内膜および種子の1つ以上を含むザクロ固形物を提供し; 水溶液中で前記ザクロ固形物を含む混合物を作成し; 約15℃(60°F)から99℃(210°F)の温度に前記混合物を加熱し; 前記ザクロ固形物を少なくとも部分的に分解するのに十分な量で前記混合物に酵素を加え; 前記混合物から残存する不溶性の固形物を除去して植生化学物質を含有する結果抽出物を提供し; 前記結果抽出物を濃縮する、各工程を含み、 前記結果抽出物が、種衣から実質的に得られるザクロジュース中に見られるよりも多くのポリフェノール、特に高分子量ポリフェノールを含有することを特徴とする方法。 少なくとも1000Daの分子量カットオフにおいて前記結果抽出物を精密濾過する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。 前記ザクロ固形物を含む混合物を、該ザクロ固形物の約20-80% w/vの量で該ザクロ固形物に水を加えることにより作成することを特徴とする請求項2記載の方法。 前記混合物を、前記ザクロ固形物の約50% w/vの量で該ザクロ固形物に水を加えることにより作成することを特徴とする請求項3記載の方法。 前記混合物を粉砕する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3記載の方法。 前記混合物を粉砕する工程により、前記水溶液中に分散するザクロ固形物の粗い粒が生じることを特徴とする請求項5記載の方法。 前記混合物を、約29℃(85°F)から85℃(185°F)の温度に加熱することを特徴とする請求項5記載の方法。 前記混合物を、約43℃(110°F)から71℃(160°F)の温度に加熱することを特徴とする請求項7記載の方法。 前記混合物を、約49℃(120°F)の温度に加熱することを特徴とする請求項8記載の方法。 前記酵素が、セルラーゼ、ヘミセルラーゼおよびペクチナーゼからなる群より選択される任意の1つ以上の酵素であることを特徴とする請求項7記載の方法。 前記混合物を約15℃(60°F)から99℃(210°F)の温度に維持する工程をさらに含むことを特徴とする請求項10記載の方法。 前記混合物を、約29℃(85°F)から85℃(185°F)の温度に維持することを特徴とする請求項11記載の方法。 前記混合物を、約43℃(110°F)から71℃(160°F)の温度に維持することを特徴とする請求項12記載の方法。 前記混合物を約15℃(60°F)から99℃(210°F)の温度に維持する工程が、前記酵素を前記混合物に加える工程の後に行われることを特徴とする請求項11記載の方法。 前記混合物を約15℃(60°F)から99℃(210°F)の温度に約45-195分間維持することを特徴とする請求項11記載の方法。 【課題】ザクロから植生化学物質を含有する抽出物を産生する方法を提供する。【解決手段】この方法は、概して以下の工程を含む;果皮、内膜および種子のようなザクロ固形物を提供し;水溶液中でザクロ固形物を含む混合物を作成し;ザクロ固形物を少なくとも部分的に分解するのに十分な量で混合物に酵素を加え;酵素の触媒作用の最大速度を可能にする温度に混合物を加熱し;ザクロ固形物を少なくとも部分的に分解するのに十分な時間加熱された混合物の温度を維持し;混合物から残存する不溶性の固形物を除去する。抽出物を含有する組成物は、食物、飲料、薬剤、栄養剤、ビタミン補助剤、食品添加剤、および食品補助剤として使用してもよい。組成物はまた、それを必要とする被験者に有効量の組成物を投与することにより病状を防止または改善するために使用してもよい。【選択図】なし