生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_電気化学測定電極及び電気化学測定装置
出願番号:2013085235
年次:2014
IPC分類:G01N 27/26,G01N 27/30


特許情報キャッシュ

伊藤 幹郎 齊藤 正弘 JP 2014206507 公開特許公報(A) 20141030 2013085235 20130415 電気化学測定電極及び電気化学測定装置 株式会社東芝 000003078 藤原 康高 100149803 寺脇 秀▲徳▼ 100118474 伊藤 幹郎 齊藤 正弘 G01N 27/26 20060101AFI20141003BHJP G01N 27/30 20060101ALI20141003BHJP JPG01N27/26 351BG01N27/30 F 10 1 OL 8本発明は、原子力プラントや火力プラント、化学プラント等の各種プラントにおける冷却水などに晒される系統、機器を対象とし、高温環境中や、放射線の影響する環境中において金属材料の腐食強度を電気化学的に測定するための電気化学測定電極及び電気化学測定装置に関する。一般に、各種水環境に晒される金属製構造物材料の耐食性を把握するために、実験室に調整した試験溶液中や、実際の機器が晒されている水環境において腐食電位測定、電位印加或いは電流印加のよる分極を伴う測定などの電気化学的測定が行なわれる。通常、腐食電位測定では、試験溶液を注入した試験槽内に照合電極と、対象材料製の試料電極を対向して設置し、それらの電極間の電位差を電位差計で測定する。また、電位印加や電流印加による分極を伴う電気化学測定では、試験溶液を注入した試験槽内に対象材料製の試料電極と対極(白金板など)を設置し、照合電極を設置した照合電極槽と試験槽の間には塩橋を設け、その間の液絡を取る。照合電極槽と試験槽の間には液絡を介して1個乃至2個の中間槽を設ける場合もある。試料電極は通常、短冊状の金属片に計測用の導線を半田付けやスポット溶接にて取り付けたものであり、取り付け部及び試料電極の所定領域をエポキシ樹脂などで被覆、シールし、所定の面積の対象金属面を露出させた状態にする。計測用の導線はビニールやエポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で被覆した銅線などである。対極については、白金板に導線(白金線など)を取り付けたものであり、導線部分は同様に、ビニールやエポキシポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などで被覆される。照合電極としては通常、銀塩化銀電極(Ag/AgCl)、甘汞電極(Hg/Hg2Cl2)などの金属/難溶性塩/水溶液系の電極が用いられる。内部溶液(水溶液)には一般的に、飽和や1規定などの所定濃度の塩化カリウム(KCl)水溶液などが用いられる。電極電位は測定温度と水溶液中の塩化物イオンの活量で一義的に決まるものであり、銀塩化銀電極を250℃程度以上の高温で使用する場合などで、内部溶液を純水とし、測定温度における銀塩化銀の溶解による塩化物イオン濃度に対する電極電位を基準電位としている例がある。また、白金電極は、水環境中で酸化還元電位を示すため、水素リッチな試験溶液中において一種の照合電極として利用される場合がある。特開2010−175416号公報特開2012−37364号公報上述のように、従来技術においては、測定系にエポキシ樹脂、ビニール、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが用いられており、測定環境の雰囲気温度や試験水温度が高くなると変質、劣化が生じ、シール性、絶縁性も悪化し、電極としての特性が損なわれてしまう。また、これらの素材は、耐放射線性を有しておらず、放射線雰囲気下や放射能を含む核種の存在する水中での測定には不向きである。本発明は、上述の事情を考慮してなされたもので、広範囲の温度条件や放射線の影響する環境中において、信頼性、健全性が高く、安定した電気化学測定を実施することが可能となる電気化学測定電極及び電気化学測定装置を提供することを目的とする。上述した課題を解決するために、本発明に係る電気化学測定電極は、試料水中に電極を配置して行なう材料の電気化学的測定に用いる電気化学測定電極において、この電気化学測定電極を構成する試料電極を、金属製シースを有する無機絶縁ケーブルの芯線を測定対象材料とし、この無機絶縁ケーブルの端末部にセラミックス被覆が施され、前記芯線の先端が測定対象材料製の試料電極部に接合され、前記金属製シースと前記芯線が電気的に絶縁したことを特徴とする。また、本発明に係る電気化学的測定装置は、試料水中に電極を配置して行なう材料の電気化学的測定装置において、上記電気化学測定電極と、照合電極とを測定環境中で対向配置し、それぞれの電極の芯線からの信号を電気化学測定器に接続し、電気化学的測定を行なうことを特徴とする。本発明に係る電気化学測定電極及び電気化学測定装置によれば、広範囲の温度条件及び放射線の影響を受ける環境中において、信頼性、健全性が高く、安定した測定を実施することができる。本発明に係る第1の実施例における試料電極の断面構成を示し、各々(a)は側面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)のA−A矢視断面図。本発明に係る第2の実施例における白金製対極の断面構成を示し、各々(a)は側面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)のB−B矢視断面図。本発明に係る第3の実施例における電気化学測定電極の断面構成を示し、各々(a)は側面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)のC−C矢視断面図。本発明に係る第4の実施例における電気化学測定電極の断面構成を示し、各々(a)は縦断面図、(b)は(a)のD−D矢視断面図。本発明に係る第6の実施例における電気化学測定装置の構成を示す模式図。本発明の実施例を図面を参照して説明する。なお、各図面において同じ構成部分については同一符号を付してその構成部分の詳細な説明を省略する。(実施例1)図1は本発明の第1の実施例における電気化学測定電極を構成する試料電極の断面構成図である。なお、図1において(a)は側面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)のA−A矢視断面図である。図1において、試料電極部1は測定対象材料製の板状試験片である。信号取り出しケーブル20は金属製シース2を有する無機絶縁ケーブルであり、試料電極部1と同材料製の芯線3がMgOなどの無機材料4の中心部に配置されている。芯線3の先端は、試料電極部1の端部にスポット溶接等の方法で接合される。信号取り出しケーブル20の端末部には、図1(c)に示すように、セラミックス被覆層5のコーティングが施されている。被覆されるセラミックスはZrO2、Y2O3、Al2O3、Cr3C2、Cr2O3から選択された1種類以上のセラミックスであり、その厚みは、一例として約0.2mmとすることができるが、試験環境や試験時間に応じて適宜変更することができる。このセラミックス被覆層5のコーティングは、ガス溶射法、アーク溶射法、プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法、減圧プラズマ溶射法、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、スパッタリングのいずれかの手法を用いることができる。なお、2種以上のコーティング方法を複合的に用いてもよい。特に好適なコーティング方法は溶射法である。セラミックスのコーティング方法は以上の方法に限定されない。セラミックス被覆層5は、スラリー状のセラミックス粉末を、ガス溶射法、アーク溶射法、プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法、減圧プラズマ溶射法、物理蒸着法、化学蒸着法、スパッタリングのいずれかの手法、或は、これらのうちの2種以上の方法を複合したものを用いて形成することも可能である。このセラミックス被覆層5により、広範囲の温度条件、及び放射線の影響を受ける環境中においても電極構造の耐久性が高く、試料電極と芯線等の他金属との電気的絶縁が確保され、腐食電位測定や分極を伴う電気化学測定において信頼性、健全性の高い試料電極として使用することが可能となる。(実施例2)図2は本発明の第2の実施例における電気化学測定電極を構成する白金製対極の断面構成図である。なお、図2において(a)は側面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)のB−B矢視断面図である。図2において、白金製対極部6の信号取り出しケーブル21は、実施例1と同様に金属製シース2を有する無機絶縁ケーブルであり、白金製の芯線7がMgOなどの無機材料4の中心部に配置されている。図2(c)に示すように、信号取り出しケーブル21の端末部は、セラミックス被覆層5の被覆が施される。セラミックスの材質、被覆方法は実施例1のセラミックス被覆層5と同様である。芯線7の先端は、白金製対極部6の端部にスポット溶接等の方法で接合される。このセラミックス被覆層5により、広範囲の温度条件、及び放射線の影響を受ける環境中においても電極構造の耐久性が高く、白金製対極と芯線等の他金属との電気的絶縁が確保され、腐食電位測定や分極を伴う電気化学測定において信頼性、健全性の高い対極或は白金製対極として使用することが可能となる。(実施例3)図3は本発明の第3の実施例における電気化学測定電極を構成する試料電極、或は白金製対極の断面構成図である。なお、図3において(a)は側面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)のC−C矢視断面図である。図3において、電極部8は測定対象材料製の板状試験片、或は白金対極部である。信号取り出しケーブル22は実施例1と同様に金属製シース2を有する無機絶縁ケーブルであり、芯線9がMgOなどの無機材料4の中心部に配置されている。この場合の芯線9の材質は、試料電極の場合に測定対象材料、白金製対極の場合に白金を用いるのが一般的だが、それぞれに対して、異なる材料を使用することも可能である。芯線9の先端は、それぞれの電極部の端部にスポット溶接等の方法で接合される。本実施例では、信号取り出しケーブル22の端末部5a、露出した芯線9の全表面5b、試験対象面或は電極反応面となる露出面10以外の全領域5cにセラミックス被覆層5の被覆が施される。セラミックスの材質、被覆方法は実施例1と同様である。このセラミックス被覆層5により、広範囲の温度条件、及び放射線の影響を受ける環境中においても電極構造の耐久性が高く、電極と芯線等の他金属との電気的絶縁が確保され、電極面積を規定して実施する分極を伴う電気化学測定などにおいて信頼性、健全性の高い試料電極として使用することが可能となる。(実施例4)図4は本発明の第4の実施例における電気化学測定電極を構成する電気化学測定電極の断面構成図である。なお、図4において(a)は縦断面図、(b)は(a)のD−D矢視断面図である。図4において、信号取り出しケーブル23は、金属製シース2を有する2芯の無機絶縁ケーブルであり、その一方が試料電極と同一材料製の芯線3、もう片方が白金製の芯線7であり、MgOなどの無機材料4の内部に他と接触しないように配置されている。図4(b)に示すように、信号取り出しケーブル23の端末部は、セラミックス被覆層5の被覆が施される。セラミックスの材質、被覆方法は実施例1から実施例3と同様である。芯線3の先端は、測定対象材料製の試料電極部1の端部に、芯線7の先端は、白金製対極部6の端部に、それぞれスポット溶接等の方法で接合される。試料電極部1と白金製対極部6の配置は、電気化学測定で対向させる照合電極との位置関係により適切に調整する。本実施例4は、図示した電極に限定されない。実施例1から実施例3に示す電極のいずれでも構成することができる。また、無機絶縁ケーブルの芯線の数は2つに限定するものではない。芯線の数を3つ以上とし、その一つを白金製対極、それ以外を複数種の材料の試料電極で構成することも可能である。このセラミックス被覆層5により、広範囲の温度条件、及び放射線の影響を受ける環境中においても電極構造の耐久性が高く、両電極と芯線等の他金属との電気的絶縁が確保され、腐食電位測定や分極を伴う電気化学測定において信頼性、健全性の高い電極として使用することが可能となる。(実施例5)図5は本発明の第5の実施例における電気化学測定電極を構成する電気化学測定装置の構成を示す模式図である。図5において、測定対象部位となる電極取付座11は、プラントの系統、機器12の一部、或は、それらから分岐された系統に設けられており、電極信号を取り出す無機絶縁ケーブルである信号取り出しケーブル20,21,22,23は継手13を通過して外部に導かれる。継手13内では、信号取り出しケーブル20,21,22,23の金属製シース2をかしめ等の方法により締め付け、内部媒体である水環境14とのバウンダリーを構成する。電極取付座11には、上記実施例で示した1芯の信号取り出しケーブル20に接続した試料電極1と、1芯の信号取り出しケーブル21に接続した白金製対極6が設置され、試料電極1と対抗するように測定環境で動作する照合電極15が設置される。照合電極は、銀塩化銀電極などの金属/難溶融塩/水溶液系の電極やFe/Fe3O4、Cu/Cu2Oなどの金属酸化物系の電極が使用可能である。これらの電極を使用し、電極内の複数の電極を組み合わせ、その電極からのケーブルの芯線とポテンショスタット、ガルバノスタット、エレクトロメータなどの電気化学計測器16と接続することにより電気化学測定装置を構成する。これらの構成により、広範囲の温度条件、及び放射線の影響を受ける環境中において、信頼性の高い、高精度な分極曲線測定、腐食電位測定などの電気化学測定が可能となる。本発明は上記実施例のみに限定されない。1芯の無機絶縁ケーブルの試料電極及び白金製対極の代わりに、実施例4に示した複数の芯、例えば2芯の信号取り出しケーブル23に接続された電気化学測定電極を用いても、上記と同様の効果が得られる。1…試料電極部、2…金属製シース、3…芯線、4…無機材料、5…セラミックス被覆層、6…白金製対極部、7…芯線、8…電極部、9…芯線、10…露出面、11…電極取付座、12…プラントの系統・機器、13…継手、14…水環境、15…照合電極、16…電気化学計測器、20,21,22,23…信号取り出しケーブル。 試料水中に電極を配置して行なう材料の電気化学的測定に用いる電気化学測定電極において、この電気化学測定電極を構成する試料電極は、金属製シースを有する無機絶縁ケーブルの芯線を測定対象材料とし、この無機絶縁ケーブルの端末部にセラミックス被覆が施され、前記芯線の先端が測定対象材料製の試料電極部に接合され、前記金属製シースと前記芯線が電気的に絶縁されていることを特徴とする電気化学測定電極。試料水中に電極を配置して行なう材料の電気化学的測定に用いる電気化学測定電極において、この電気化学測定電極を構成する白金製対極は、金属製シースを有する無機絶縁ケーブルの芯線を白金線とし、この無機絶縁ケーブルの端末部にセラミックス被覆が施され、前記芯線の先端が白金製の白金製対極部に接合され、前記金属製シースと前記白金線が電気的に絶縁されていることを特徴とする電気化学測定電極。試料水中に電極を配置して行なう材料の電気化学的測定に用いる電気化学測定電極において、この電気化学測定電極を構成する試料電極は、金属製シースを有する無機絶縁ケーブルの芯線を測定対象材料とし、この無機絶縁ケーブルの端末部、露出した前記芯線の全表面、試験対象面となる露出面以外の全領域にセラミックス被覆が施され、前記芯線の先端が測定対象材料製の試料電極部に接合され、前記金属製シースと前記芯線が電気的に絶縁されていることを特徴とする電気化学測定電極。試料水中に電極を配置して行なう材料の電気化学的測定に用いる電気化学測定電極において、この電気化学測定電極を構成する試料電極は、金属製シースを有する無機絶縁ケーブルの芯線を測定対象材料以外の材料とし、この無機絶縁ケーブルの端末部、露出した前記芯線の全表面、試験対象面となる露出面以外の全領域にセラミックス被覆が施され、前記芯線の先端が測定対象材料製の試料電極部に接合され、前記金属製シースと前記芯線が電気的に絶縁されていることを特徴とする電気化学測定電極。試料水中に電極を配置して行なう材料の電気化学的測定に用いる電気化学測定電極において、この電気化学測定電極を構成する白金製対極は、金属製シースを有する無機絶縁ケーブルの芯線を白金以外の材料とし、この無機絶縁ケーブルの端末部、露出した前記芯線の全表面、電極反応面となる露出面以外の全領域にセラミックス被覆が施され、芯線の先端が白金製の板状試験片に接合され、金属製シースと芯線が電気的に絶縁されていることを特徴とする電気化学測定電極。試料水中に電極を配置して行なう材料の電気化学的測定に用いる電気化学測定電極において、金属製シースを有する無機絶縁ケーブルが2芯以上であり、その一つが白金製対極、その他は1種或は複数種の試料電極に接続しており、それぞれの無機絶縁ケーブルの端末部にセラミックス被覆が施され、前記金属製シースと全芯線が電気的に絶縁されていることを特徴とする電気化学測定電極。前記セラミックス被覆を構成するセラミックスは、ZrO2、Y2O3、Al2O3、Cr3C2、Cr2O3から選択された1種類以上のセラミックスであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の電気化学測定電極。前記セラミックス被覆は、ガス溶射法、アーク溶射法、プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法、減圧プラズマ溶射法、物理蒸着法、化学蒸着法、スパッタリングのいずれかの手法、或は、これらのうちの2種以上の方法を複合して用いて形成されたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の電気化学測定電極。前記セラミックス被覆を構成するセラミックス被覆層は、スラリー状のセラミックス粉末を、ガス溶射法、アーク溶射法、プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法、減圧プラズマ溶射法、物理蒸着法、化学蒸着法、スパッタリングのいずれかの手法、或は、これらのうちの2種以上の方法を複合したもので形成されたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の電気化学測定電極。試料水中に電極を配置して行なう材料の電気化学的測定装置において、少なくとも請求項1〜9のいずれか1項記載の電気化学測定電極と、照合電極とを測定環境中で対向配置し、それぞれの電極の芯線からの信号を電気化学測定器に接続し、電気化学的測定を行なうことを特徴とする電気化学測定装置。 【課題】広範囲の温度条件や放射線の影響する環境中において、信頼性、健全性が高く、安定した電気化学測定を実施する。【解決手段】本発明に係る電気化学測定電極は、試料水中に電極を配置して行なう材料の電気化学的測定に用いる電気化学測定電極において、この電気化学測定電極を構成する試料電極は、金属製シース2を有する無機絶縁ケーブル20の芯線7を測定対象材料とし、この無機絶縁ケーブル20の端末部にセラミックス被覆5が施され、前記芯線7の先端が測定対象材料製の試料電極部1に接合され、前記金属製シース2と前記芯線7が電気的に絶縁されていることを特徴とする。【選択図】図1


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る