生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ポリシラザンの処理用溶剤およびこれを用いたポリシラザンの処理方法
出願番号:2013076424
年次:2014
IPC分類:H01L 21/316,H01L 21/304,C07C 49/10,C07C 49/04,C07C 49/115,C07C 49/11,C07C 49/105,H01L 21/308


特許情報キャッシュ

森田 博 降幡 泰久 JP 2014203858 公開特許公報(A) 20141027 2013076424 20130401 ポリシラザンの処理用溶剤およびこれを用いたポリシラザンの処理方法 株式会社ADEKA 000000387 本多 一郎 100096714 杉本 由美子 100124121 篠田 淳郎 100161458 渡耒 巧 100176566 大田黒 隆 100180253 森田 博 降幡 泰久 H01L 21/316 20060101AFI20140930BHJP H01L 21/304 20060101ALI20140930BHJP C07C 49/10 20060101ALI20140930BHJP C07C 49/04 20060101ALI20140930BHJP C07C 49/115 20060101ALI20140930BHJP C07C 49/11 20060101ALI20140930BHJP C07C 49/105 20060101ALI20140930BHJP H01L 21/308 20060101ALI20140930BHJP JPH01L21/316 GH01L21/304 647AC07C49/10C07C49/04C07C49/115C07C49/11C07C49/105H01L21/308 E 2 OL 13 4H006 5F043 5F058 5F157 4H006AA03 4H006AB80 5F043AA37 5F043DD13 5F043EE07 5F043EE08 5F043GG10 5F058BA20 5F058BC02 5F058BC05 5F058BF46 5F058BH20 5F157AA12 5F157AA14 5F157AA76 5F157AB02 5F157AB90 5F157AC01 5F157BB22 5F157BF59 本発明は、ポリシラザンの処理用溶剤およびこれを用いたポリシラザンの処理方法(以下、それぞれ単に「処理用溶剤」および「処理方法」とも称する)に関し、詳しくは、廃液のゲル化が生じるまでの時間が長いポリシラザンの処理用溶剤およびこれを用いたポリシラザンの処理方法に関する。 従来、シリカ質の膜は絶縁膜、誘電体膜、保護膜または親水化膜等として利用することが広く知られている。このようなシリカ質の膜は、例えばLSI(Large Scale Integration)、TFT(Thin Film Transistor)液晶表示装置等の半導体素子の層間絶縁膜、平坦化膜、パッシベーション膜、素子間分離絶縁体等として広く利用されている。 このようなシリカ質膜の製造方法としては、PVD法(Physical Vapor Deposition)、CVD法(Chemical Vapor Deposition)、塗布法が知られている。これらの製造方法の中でも、低温焼成によりシリカ質膜を形成する方法として、ポリシラザン溶液を基材上に塗布し、その塗膜を焼成等の方法によりシリカ質の膜に転化する方法が知られている。ポリシラザンを用いた塗布法によって形成されたシリカ質被膜は、膜質が優れていることから、近年特に注目を集めている。 ポリシラザンを用いた塗布方法において、ポリシラザン溶液を基板上にスピンコートした際に、基板の周縁にビードが形成されるとともに、基板裏面に溶液が周り込むという問題が発生することが知られている。このビードによる基板周縁部での塗膜の膜厚の不均一化を防ぐため、通常ポリシラザン溶液を塗布した後、基板表側に形成されたポリシラザン塗膜周縁部に処理用溶剤を塗布または噴射して、周縁部のポリシラザン塗布膜を除去するエッジビードリムーブ処理(以下、EBR処理とも称する)が行われ、これとともに基板裏面に周り込んで付着したポリシラザンを除去し、裏面を清浄にするため、バックリンスが行われる。また、ポリシラザン被膜を基板から剥離することが必要とされる場合や、またスピンコーター等の塗布装置に付着したポリシラザンを洗浄、除去することも必要とされる場合もある。 このようなポリシラザンの処理用溶剤としては、従来、様々なものが知られている。例えば、特許文献1では、キシレン、アニソール、デカリン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、リモネン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、C8−C11アルカン混合物、C8−C11芳香族炭化水素混合物、C8以上の芳香族炭化水素を5質量%以上、25質量%以下含有する脂肪族/脂環式炭化水素混合物、およびジブチルエーテルからなる群から選ばれる一種または二種以上からなる単一または混合溶剤が提案されている。また、特許文献2では、テトラリン、p−メンタン、p−シメン、α−ピネン、1,8−シネオール、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる溶剤からなる処理用溶剤が提案されている。特開2003−197611号公報特開2006−216704号公報 ポリシラザンの処理用溶剤に求められる性質としては、ポリシラザンの溶解、リンスまたは剥離が十分に行えること、および、ポリシラザン廃液(以下、廃液とも称する)のゲル化が発生するまでの時間が長いこと、が挙げられる。特に、廃液のゲル化が早期に起こるような場合には、塗布装置および廃液ラインの清浄作業を頻繁に行う必要があることから、生産性が著しく低下してしまうという問題が発生する。また、ポリシラザンは水分と速やかに反応しゲル化が発生するということが知られており、従来、処理用溶剤として非水溶性有機溶剤が用いられることが多かった。しかしながら、処理用溶剤または廃液中の水分量が増加した場合に、ゲル化が発生するまでの時間が著しく短くなる等の問題があり、これらの点で充分に満足し得るポリシラザンの処理用溶剤は知られていない。 そこで、本発明の目的は、廃液のゲル化が生じるまでの時間が長いポリシラザンの処理用溶剤およびこれを用いたポリシラザンの処理方法を提供することにある。 本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、特定の構造を有する化合物を含有してなるポリシラザンの処理用溶剤が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明のポリシラザンの処理用溶剤は、下記一般式(1)、で表される化合物(式中、Raは炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表し、Rbは炭素原子数2〜12のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表す。)を含有してなることを特徴とするものである。 また、本発明のポリシラザンの処理方法は、上記本発明のポリシラザンの処理用溶剤をポリシラザンと接触させることを特徴とするものである。 ここで、ポリシラザンの処理とは、基材上に形成されたポリシラザン塗膜または被膜を、リンス、溶解あるいは剥離することを意味し、ポリシラザンの処理用溶剤とは、基材上に形成されたポリシラザン塗膜または被膜を、リンス、溶解および剥離するために用いられる溶剤を意味する。 本発明によれば、廃液のゲル化が生じるまでの時間が長いポリシラザンの処理用溶剤およびこれを用いたポリシラザンの処理方法を提供することができる。 以下、本発明について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。 本発明のポリシラザンの処理用溶剤は、下記一般式(1)、で表される化合物を含有してなるものである。ここで、式中、Raは炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表し、Rbは炭素原子数2〜12のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表す。本発明の処理用溶剤は、廃液中の水分量が高い場合であっても廃液のゲル化が発生するまでの時間が長いことから、ポリシラザンの処理用溶剤として特に優れたものである。 本発明の上記一般式(1)で表される化合物において、Raで表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、第三ペンチル、シクロペンチルヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、アダマンチル、ウンデシル、ドデシル等を挙げることができる。 また、本発明の上記一般式(1)で表される化合物において、Rbで表される炭素原子数2〜10のアルキル基としては、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、第三ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、アダマンチル、ウンデシル、ドデシル等を挙げることができる。 さらに、本発明の上記一般式(1)で表される化合物において、RaおよびRbで表される炭素原子数6〜10のアリール基としてはフェニル、ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル等が挙げられ、RaおよびRbで表される炭素原子数7〜10のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等を挙げることができる。 本発明の上記一般式(1)で表される化合物において、RaおよびRbは、ポリシラザンのリンスあるいは剥離を十分に行うことができ、廃液のゲル化が発生するまでの時間が長く、例え処理用溶剤中の水分量が高い場合であっても、ゲル化が発生するまでの時間が長いものが好ましい。具体的には、Ra、Rbの炭素数の合計が10以下であるものはポリシラザンのリンスあるいは剥離が十分に行うことができ、廃液のゲル化が発生するまでの時間が長いことから好ましく、なかでも、Ra、Rbの炭素数の合計が8以下であるもの、またはRa、Rbのうち少なくとも一方が2級アルキル基であるものは、処理用溶剤または廃液中の水分量が高い場合であっても廃液のゲル化時間が長いことから、特に好ましい。本発明のポリシラザンの処理用溶剤には、上記一般式(1)で表される化合物を任意に2種以上混合して使用することもできる。この場合、混合する2種以上の化合物の混合割合は、任意であってよい。 本発明のポリシラザンの処理用溶剤における好ましい、上記一般式(1)で表される化合物の濃度は、所望とする被処理材であるポリシラザンの種類や厚みによって適宜調節すればよいが、25〜100質量%、好ましくは40〜100質量%である。上記一般式(1)で表される化合物の濃度が25質量%未満であると、十分な効果が得られない場合がある。 本発明の上記一般式(1)で表される化合物において、好ましい具体例としては、例えば、下記化合物No.1〜No.17を挙げることができる。 本発明のポリシラザンの処理用溶剤は、本発明の効果を損なわない範囲で周知一般の有機溶剤と混合することもできる。例えば、芳香族系炭化水素、酢酸エステル類、およびエーテル類はポリシラザンの溶解性を高める効果を有することが知られている。 芳香族系炭化水素の有機溶剤としては、芳香族炭化水素混合物(例えば、EM3000(ジャパンエナジー社製))、芳香族系炭化水素溶剤であるC8−C11芳香族炭化水素混合物(例えば、ソルベッソ100、ソルベッソ150(エクソン化学社製)、またはC8以上の芳香族炭化水素を5質量%以上、25質量%以下含有する脂肪族/脂環式炭化水素混合物(例えば、ペガソールAN45(エクソンモービル社製))等を挙げることができる。酢酸エステル類の有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等を挙げることができる。エーテル類の有機溶剤としては、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等を挙げることができる。これら溶剤の添加量は、本発明の処理用溶剤の1〜75質量%であることが好ましく、より好ましくは、1〜50質量%である。 また、本発明のポリシラザンの処理用溶剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、希釈溶剤として石油系溶剤を用いて希釈されてもよい。石油系有機溶剤としては、例えば、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンを含有した溶剤を挙げることができる。 また、本発明のポリシラザンの処理用溶剤は、一般に任意のポリシラザンに適用することができるが、ポリシラザンの種類に応じて、すなわち、処理対象となるポリシラザンがどのような構造、または組成のものであるかによって、最適な処理用溶剤は変化する。これは、ポリシラザンの溶解性は、処理用溶剤として同じものが用いられたとしても、ポリシラザンが無機のポリシラザンであるか、有機のポリシラザンであるか、単一重合体か共重合体か、共重合体であれば共重合されたものがなにか、重合体中に環状構造を有するか有しないか、ポリシラザンがさらに化学的に変性されているかどうか、添加剤として何が別途加えられているかどうか等種々の条件により異なるし、また、同じポリシラザンに対する溶解性も溶剤により異なるからである。したがって、処理されるポリシラザンの構造、または組成に応じ、上記溶剤から適宜最適のものを選択するようにすればよい。 本発明のポリシラザンの処理用溶剤が適用されるポリシラザンは、無機ポリシラザンまたは有機ポリシラザンのいずれであってもよい。これらポリシラザンのうち、無機ポリシラザンとしては、例えば、下記一般式(2)で示される構造単位を有する直鎖状構造を包含し、690〜2,000の分子量を有し、一分子中に3〜10個のSiH3基を有し、化学分析による元素比率がSi:59〜61、N:31〜34およびH:6.5〜7.5の各質量%であるペルヒドロポリシラザン、およびポリスチレン換算平均分子量が1,000〜20,000の範囲にあるペルヒドロポリシラザンを挙げることができる。 これらペルヒドロポリシラザンは、任意の方法により製造することができ、基本的には分子内に鎖状部分と環状部分を含むもので、下記一般式(3)で表すことができるものである。なお、下記一般式(3)中のa、b、cは、a+b+c=1の関係を満足する。 また、本発明のポリシラザンの処理用溶剤が適用されるペルヒドロポリシラザン構造としては、例えば、下記一般式(4)で表すユニットを有する構造を挙げることができる。 さらに、本発明のポリシラザンの処理用溶剤が適用される有機ポリシラザンの例として、例えば、主として下記一般式(5)で表される構造単位からなる骨格を有する数平均分子量が約100〜50,000のポリシラザンまたはその変性物を挙げることができる。ここで、下記一般式(5)中の、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、もしくはこれらの基以外でフルオロアルキル基等のケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表す。ただし、R1、R2およびR3の少なくとも1つは水素原子である。 本発明によるポリシラザン処理用溶剤を適用できるポリシラザンの例としては、上記一般式(5)でR1およびR2に水素原子、R3に有機基を有するポリオルガノ(ヒドロ)シラザン、−(R2SiHNH)−を繰り返し単位として、主として重合度が3〜5の環状構造を有するもの、(R3SiHNH)x〔(R2SiH)1.5N〕1−X(0.4<X<1)の化学式で示される分子内に鎖状構造と環状構造を同時に有するもの、上記一般式(5)でR1に水素原子、R2、R3に有機基を有するポリシラザン、またR1およびR2に有機基、R3に水素原子を有し−(R1R2SiNR3)−を繰り返し単位として、主に重合度が3〜5の環状構造を有しているものもある。 また、上記一般式(5)以外の有機ポリシラザンとしては、例えば、下記一般式(6)で表わされる架橋構造を分子内に有するポリオルガノ(ヒドロ)シラザン(式中のRはメチル基を示す)、R1SiX3(X:ハロゲン)のアンモニア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラザンR1Si(NH)x、あるいはR1SiX3およびR22SiX2の共アンモニア分解によって得られる、下記一般式(7)の構造を有するポリシラザンを挙げることができる。 その他、繰り返し単位が〔(SiH2)n(NH)m〕および〔(SiH2)rO〕(これら式中、n、m、rはそれぞれ1、2または3である)で表されるポリシロキサザン、ペルヒドロポリシラザンにメタノールのようなアルコール、またはヘキサメチルジシラザンを末端N原子に付加して得られた変性ポリシラザン、金属、例えばアルミニウム、を含有する金属含有ポリシラザン等を挙げることができる。 なお、上記一般式(7)中の、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、もしくはこれらの基以外でフルオロアルキル基等のケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表す。 その他にも、ポリボロシラザン、無機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、共重合シラザン、ポリシラザンにセラミックス化を促進するための触媒的化合物を付加または添加した低温セラミックス化ポリシラザン、ケイ素アルコキシド付加ポリシラザン、グリシドール付加ポリシラザン、アセチルアセトナト錯体付加ポリシラザン、金属カルボン酸塩付加ポリシラザンのようなポリシラザン、ならびに上記のごとき種々のポリシラザンまたは変性物に、アミン類または/および酸類を添加してなるポリシラザン組成物を挙げることができる。 本発明の処理用溶剤が適用されるポリシラザンの形態は、被膜状のものであることが通常であるが、被膜状のものに限られるものではない。また、ポリシラザンを基材上に被覆する方法としては、例えば、スピンコート、スプレーコート、フローコート、ローラーコート、ディップコート、布拭き法、スポンジ拭き法等従来知られた方法のうち何れの方法であってもよく、何ら限定されるものではない。また基材の形状も板状、フィルム状等いずれの形状でもよく、表面状態も平坦でも凹凸状であっても、曲面であってもよい。基材の材質も半導体、ガラス、金属、金属酸化物、プラスチック等いずれのものでもよい。 また、本発明の処理用溶剤をポリシラザンと接触させる方法も何等限定されるものではなく、基材上のポリシラザンへのノズルからの処理用溶剤の噴射あるいは噴霧、ポリシラザンが被覆された基材の処理用溶剤中への浸漬、溶剤によるポリシラザンの洗い流し等任意の方法であってよい。 例えば、半導体基板(シリコンウエハ)にポリシラザン溶液を被覆し、半導体基板上に層間絶縁膜、平坦化膜、パシベーション膜あるいは素子間分離膜等を形成する場合を例として、本発明の溶剤を用いてEBR処理を行う方法を説明すると、スピンコーターに、必要に応じ半導体、配線等が形成された8インチシリコンウエハを取り付け、例えば500〜4,000rpmの回転速度で回転するシリコンウエハにポリシラザン溶液をスピンコート法により塗布し、次いでこのポリシラザンが塗布されたシリコンウエハを回転させた状態で塗膜のエッジ部分にノズルから本発明の溶剤を洗浄液(リンス液)として噴射することにより、溶剤とポリシラザンの接触が図られ、シリコンウエハのエッジ部のビードの除去がなされる。一般的なスピンコーターを用いてシリコンウエハに塗布を行った後に引き続いてEBR処理を行う場合には、以下のような条件で行うことが好ましい。 EBR処理時のコーター回転数:1,000〜6,000rpm 処理用溶剤をノズルから噴射するときの流量:2〜100mL/分 処理用溶剤をノズルから噴射するときの圧力:0.01〜1MPa 処理用溶剤を噴射する時間:0.01〜60秒 また、このときに同時に基板の裏面にポリシラザン処理用溶剤を噴射してバックリンスを同時に行うこともできる。EBR処理とバックリンスはそれぞれ独立に行うこともできるが、同時に行うことにより工程の省略ができるので好ましい。 以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。<実施例1〜21および比較例1〜6> 表1および2に示す配合で各処理用溶剤を調製し、実施例1〜21および比較例1〜6に用いる処理用溶剤を得た。得られた各処理用溶剤を用いて、下記手順に従って製造したポリシラザン溶液を用いて、ゲル化時間の評価を行った。なお、得られたポリシラザン溶液の含水率は、表1および2に示すとおりである。<ポリシラザン溶液の製造> 内容積3,000mLのガラス製四つ口フラスコにガス吹き込み管、メカニカルスターラー、ジュワーコンデンサーを装着した。反応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口フラスコに脱気した乾燥ピリジン1646g(20.8モル)を仕込み、撹拌しながら、ジクロロシラン310g(3.1モル)を反応温度0〜5℃で1時間かけて導入管からフィードし、ジクロロシランのピリジンアダクツを生成させた。次に、アンモニア180g(10.6モル)を反応温度0〜5℃で1時間かけて導入管からフィードし、さらに10℃で1.5時間撹拌を行い、反応を完結させた。その後、反応液を10℃に加熱した後、窒素雰囲気中、生成した塩化アンモニウムを濾過し、過剰のアンモニアを減圧除去してから、溶媒をピリジンからジ−n−ブチルエーテルに交換をした。得られた溶液を窒素雰囲気下、濾過径0.1μmのPTFE製カートリッジフィルターにて濾過を行い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる質量平均分子量が4000となる、無機ポリシラザン含量が20.0質量%のポリシラザン溶液を得た。<ゲル化時間の評価> 100mLのガラス瓶に、得られた各処理用溶剤30gと、上記手順で製造したポリシラザン溶液1gと、入れて混合し、5mmの穴を開けた蓋で閉めた後、大気中、21〜22℃、相対湿度43〜48%で放置し、ゲル化が発生するまでの時間を目視にて観察した。結果を表1および2に併記する。なお、全ての試験結果について、脱ガスに起因する発泡は目視で認められなかった。※1 ジャパンエナジー社製 芳香族炭化水素99%以上 炭素数10〜13のアルキルベンゼン(50〜60%) メチルナフタレン(25〜30%) ナフタレン(5〜15%)※2 水層と油層に2相分離した。 表1より、水分含有量の少ない比較例1〜3は108時間以内にゲル化が発生し、実施例1〜9は、200時間経過してもゲル化が発生しないことがわかった。中でも、実施例1〜5および実施例7は300時間経過してもゲル化が発生しないこともわかった。また、実施例10と比較例2を比べた場合、実施例10のほうが、ゲル化が発生するまでの時間が長いことがわかった。以上より、本発明の処理用溶剤はポリシラザン塗膜または被膜のリンスまたは剥離用処理用溶剤として、廃液のゲル化時間が長い処理用溶剤であることがわかった。 さらに、表2の結果より、水分含有量の多い比較例4〜6は60時間以内にゲル化が発生することがわかった。実施例11〜21により、処理用溶剤中の水分量が増えた場合であっても、ゲル化が発生する時間は長いまま保たれるということがわかった。また、実施例11〜18は、84時間経過してもゲル化が発生しないことがわかった。また、実施例19と比較例4、実施例20と比較例5および実施例21と比較例6を比べると、実施例19、20、21のほうが、ゲル化時間が長いことがわかった。 以上より、本発明の処理用溶剤は、処理用溶剤中の水分量が高い場合であっても廃液のゲル化時間が長いことから、ポリシラザン塗膜または被膜のリンスまたは剥離用処理用溶剤として特に優れた処理用溶剤であることがわかった。 下記一般式(1)、で表される化合物(式中、Raは炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表し、Rbは炭素原子数2〜12のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表す。)を含有してなることを特徴とするポリシラザンの処理用溶剤。 請求項1に記載のポリシラザンの処理用溶剤をポリシラザンと接触させることを特徴とするポリシラザンの処理方法。 【課題】廃液のゲル化が生じるまでの時間が長いポリシラザンの処理用溶剤およびこれを用いたポリシラザンの処理方法を提供する。【解決手段】下記一般式(1)、で表される化合物(式中、Raは炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表し、Rbは炭素原子数2〜12のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表す。)を含有してなるポリシラザンの処理用溶剤である。【選択図】なし


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