タイトル: | 公開特許公報(A)_肛門括約筋を処置するための装置および方法 |
出願番号: | 2013054544 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61M 31/00,A61K 9/02,A61K 9/06,A61K 36/00,A61K 38/00,A61K 47/34,A61J 3/08 |
バラク, ニル JP 2013172970 公開特許公報(A) 20130905 2013054544 20130318 肛門括約筋を処置するための装置および方法 モル リサーチ アプリケーションズ リミテッド 508029240 風早 信昭 100103816 浅野 典子 100120927 バラク, ニル US 60/754,612 20051230 A61M 31/00 20060101AFI20130809BHJP A61K 9/02 20060101ALI20130809BHJP A61K 9/06 20060101ALI20130809BHJP A61K 36/00 20060101ALI20130809BHJP A61K 38/00 20060101ALI20130809BHJP A61K 47/34 20060101ALI20130809BHJP A61J 3/08 20060101ALI20130809BHJP JPA61M31/00A61K9/02A61K9/06A61K35/78 XA61K37/02A61K47/34A61J3/08 A 19 2 2008548064 20061214 OL 21 4C047 4C066 4C076 4C084 4C088 4C047CC20 4C047LL03 4C047LL17 4C066AA02 4C066BB03 4C066BB04 4C066CC01 4C066CC04 4C066CC07 4C066DD03 4C066DD09 4C066EE06 4C076AA02 4C076AA95 4C076BB29 4C076CC16 4C076EE06M 4C076EE13M 4C076EE23 4C076EE32M 4C076EE36M 4C076FF31 4C076FF68 4C084AA02 4C084AA03 4C084BA44 4C084DA33 4C084MA31 4C084MA60 4C084NA06 4C084NA13 4C084ZA362 4C084ZA662 4C084ZC512 4C088AB12 4C088AC02 4C088BA08 4C088MA31 4C088MA60 4C088NA06 4C088NA13 4C088ZA36 4C088ZA66 4C088ZC51 本発明は、肛門直腸疾患の処置のための装置および方法に関し、より具体的には肛門括約筋への有効医薬成分の局所送達のための装置および方法に関する。 括約筋は、中空器官の開口部を制御する平滑筋の環状の群である。胃腸(GI)管全体にわたって存在する括約筋は、身体の胃腸系を通る物資の通過を制御する。収縮したとき、括約筋は、胃、腸および肛門のような中空器官に通じる開口部を閉じる。括約筋を開くためには筋肉が弛緩しなければならない。 直腸は、肛門管で終わる大腸の末端部分である。肛門管は、骨盤底筋を通る大腸の末端部分から始まり、肛門縁で終わる。肛門を閉じる括約筋(肛門括約筋)は2つの括約筋群からなる。内部肛門括約筋(IAS)は、直腸の下端を囲む平滑筋の環であり、不随意平滑筋線維の凝集によって形成される。内部肛門括約筋は、内因性の筋原性性質および外部からの神経支配のために、慢性的な収縮状態下にある。腸の神経系内の神経からの突起は、内部肛門括約筋を制御するのに役立つ。外部肛門括約筋(EAS)は、随意制御下にある横紋筋線維の薄くて平たい面であり、肛門の縁を囲む外皮に付着している。 肛門括約筋は、便が直腸内に集まるときに肛門を閉じたままに保つ。最終的には、直腸壁に対する圧力は、肛門括約筋を弛緩させ、便が肛門を通って身体の外に出ることを可能にする。内部肛門括約筋も外部肛門括約筋も、便を通すためには弛緩する必要がある。 肛門直腸疾患は、肛門括約筋痙攣、肛門裂傷、膿瘍、瘻、潰瘍、刺激およびかゆみ(肛門掻痒症)、痔核、失禁、便秘、炎症、感染症および癌を含む。 肛門括約筋痙攣は、内部肛門括約筋の筋肉が異常な緊張下にある状態である。肛門括約筋痙攣は、例えば局部炎症によって引き起こされうる。括約筋痙攣に伴う内部肛門括約筋の強い収縮はしばしば、粘膜虚血を起こし、末端の肛門管に痛みを伴う線状潰瘍または割れ目のような裂け目である肛門裂傷を生じる。肛門裂傷は通常、短期的には上皮のみに生じ、長期的には肛門粘膜の厚さ全体に生じる。肛門括約筋痙攣は、特に腸管を開くときに鋭い痛みを引き起こしうる。肛門括約筋痙攣はまた、直腸手術後または血栓性痔核後の痛みの原因でもある。 肛門裂傷はまた、特に硬い便の通過から、または特に便秘の結果としての痛みを伴う排便からの外傷によって引き起こされうる。裂傷の痛みのために、内部肛門括約筋は痙攣し、肛門内の圧力を上昇させうる。この過剰な圧力は、便を通過させることを困難にし、便秘を悪化させ、圧力を増大させて悪循環を形成する。内部肛門括約筋の痙攣はまた、肛門の皮膚への血液供給を制限し、その回復能力を低減させうる。 急性肛門裂傷は、短期間(1ヶ月未満)のものであり、通常自然に回復するか、あるいは十分な量の水の摂取を伴う高繊維質の食事または膨張性緩下剤の使用のような単純な処置の結果として回復する。温かい坐浴はさらなる症状の軽減をもたらすことができる(Jensen,1986)。熱さ、寒さ、ウィッチヘーゼル、局所麻酔(例えば、リドカイン)、局所ステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン)、便柔軟剤、およびベッドでの療養の適用もまた、直腸の痛みを処置するために処方された。 回復しない急性肛門裂傷は、慢性肛門裂傷または肛門潰瘍になる。慢性肛門裂傷の現在の処置は、拡張(麻酔下)を含む括約筋の痙攣を軽減することに向けられるか、または内部肛門括約筋の高緊張を低減するために括約筋の一部を切断すること(側方内部括約筋切開)に向けられる。米国直腸結腸外科学会議(The Standards Task Force of the American Society of Colon and Rectal Surgeons)は、「皮下または開放性の側方内部括約筋切開、前進弁を用いる後方内部括約筋切開、または手による拡張」による慢性肛門裂傷の処理を推薦する。回復は症例の95%において括約筋切開後に起こる。成功した括約筋切開(または手による拡張)は肛門内圧力の有意な減少に関連する。しかしながら、多くの患者は外科的処置の後に失禁を経験する。これらおよび他の合併症は、肛門内圧を低減する代替的な方法への探索を推進した。研究は、内部肛門括約筋の環を無傷で残しながら肛門内圧を非外科的に低減する手段を見つけることに向けられた。 肛門内圧を低減するための薬理学的な処置は、一酸化窒素供与体、ボツリヌス毒素、ムスカリン性薬剤、交感神経調節因子、およびカルシウムチャネルアンタゴニストの有効医薬成分(API)としての投与を含む。 一酸化窒素が内部肛門括約筋の弛緩を媒介する重要な非アドレナリン作用性・非コリン作用性の抑制性伝達物質であるという発見は、内部括約筋を薬理学的に操作するための一酸化窒素供給源として外因性有機硝酸塩を研究することに導いた。外因性硝酸塩は、細胞代謝によって分解されて一酸化窒素を放出し、生体外での研究は、一酸化窒素供与体(例えば、ニトログリセリン、三硝酸グリセリン、または硝酸イソソルビド)を含有する軟膏またはペーストの局所適用が内部肛門括約筋の平滑筋の弛緩を引き起こし(Guillemot,1993;Loder,1994;Gorfine,1995;Schouten,1996;Carapeti,1999)、痛みの低減および増大した裂傷の回復を生じることを実証した。より最近の研究は、一酸化窒素前駆体であるL−アルギニンの適用が静止肛門内圧の低減を引き起こすことを示唆した。 ボツリヌス毒素は、シナプス前のコリン作用性神経末端に結合する強力な生物学的毒素である。ボツリヌス毒素は、取り込まれ、そしてアセチルコリンのカルシウム依存性エキソサイトーシスを阻害するように急速に作用し、数時間内に麻痺を引き起こす。神経筋の伝達は新しい軸索末端の成長後に再開するが、筋肉の臨床的な弱化は3〜4ヶ月持続する。外部肛門括約筋へのボツリヌス毒素注射で処置された患者は、随意の圧迫圧の低減および裂傷の回復を示した。しかしながら、一部の患者において肛門周囲の血栓症が報告された(Jost,1997)。肛門裂傷を有する患者の内部肛門括約筋へのボツリヌス毒素の注射は、痛みを低減し、かつ裂傷の回復を促進した(Gui,1994)。 局所クリームとして使用されるベタニコールのようなムスカリン性薬剤は、静止肛門内圧を低減し、かつ肛門裂傷の回復を促進することが見出された(Carapeti,2000)。 内部肛門括約筋の緊張を低減するための交感神経調節因子の使用もまた、試みられた。例えば、吸入によって投与されるβレセプターアゴニストであるサルブタモールや、経口投与されるα1アンタゴニストであるインドラミンは、ともに、健康な対照群および裂傷を有する患者において静止肛門内圧を低減することが示された。しかしながら、低減は比較的小さいことが見出されており、裂傷回復の促進を常に導くわけではなかった。 カルシウムは、内部肛門括約筋のアゴニスト誘導される収縮および筋原性の緊張の両方について重要であることが知られている。従って、ジルチアゼムのようなカルシウムチャネルアンタゴニストは、静止肛門内圧を調節するために使用された(JonardおよびEssamri)。経口ジルチアゼムは、静止肛門内圧の低減を引き起こしたが、多くの患者において体位性低血圧症を伴った。局所ジルチアゼムは、健康なボランティアにおいて静止肛門内圧を低減させ、肛門裂傷の回復を生じることが示された。局所用の製剤は、より少ない副作用でより大きな静止肛門内圧の低減とより多くの裂傷の回復をもたらした(Griffin,2002)。ゲルとして投与される、カルシウムチャネル遮断剤であるニフェジピンもまた、静止肛門内圧の低減に効果的であり、高緊張に伴う肛門の痛みを減少させることが示された(Bhardwaj,2000)。 肛門直腸の膿瘍は、細菌感染によって引き起こされる局在化された膿の袋である。膿瘍はそれらの解剖学的な位置に基づいて分類される。最も一般的に記載される位置は、肛門周囲、坐骨直腸、内括約筋、および上挙筋である。肛門周囲の膿瘍は、肛門管の皮膚の下に位置し、外部括約筋を横切らない;坐骨直腸の膿瘍は、化膿が外部括約筋を坐骨直腸空間へと横切るときに形成する;内括約筋の膿瘍は、内部肛門括約筋と外部肛門括約筋との間に含まれる化膿から生じる;そして上挙筋の膿瘍は、内括約筋空間の起点から直腸の縦の筋肉を通って頭方に延びて挙筋の上に到達する化膿から、または骨盤における原発性疾患(例えば、虫垂炎、憩室疾患、婦人科の敗血症)の結果としてのいずれかから生じる。特定の状態(例えば、クローン病)は、肛門管およびその周囲における膿瘍の危険を増大しうる。癌またはAIDSのような、身体の免疫を低減する状態を有する患者もまた肛門膿瘍を発症しやすい。膿瘍は、圧痛、腫大および疼痛を引き起こす。患者はまた、発熱、悪寒、および全身の衰弱または倦怠感を訴えうる。膿瘍は、ドレナージによって、または抗生物質(例えば、アンピシリン、セファゾリンおよびクリンダマイシン)の投与によって処置されることができる。メペリジンのような鎮痛剤もまた処方されることができる。 痔瘻は、炎症または感染症の存在下で発症する小さな管または路である。これらは膿瘍と関連するとも関連しないとも言えないが、膿瘍と同様にクローン病のような特定の疾患が瘻の発症を引き起こしうる。管は通常、直腸から肛門周囲の皮膚における開口部まで延びる。瘻に対する処置は、原因および瘻の程度によって異なるが、しばしば抗生物質治療を併用した外科的介入を含む。 肛門の周りのかゆい皮膚(肛門掻痒症)は、皮膚疾患(例えば、乾癬およびアトピー性皮膚炎)、糖尿病または肝臓病のような疾患、肛門疾患(例えば、懸垂線維腫または排液性瘻孔)、ボーエン病のような癌、アレルギー反応(例えば、皮膚に適用された麻酔製剤、種々の軟膏、または石鹸において使用される化学物質によって引き起こされる接触皮膚炎)、衛生の欠如、または真菌、細菌もしくは寄生生物による感染を含む多くの原因を有しうる。また、かゆみは抗生物質、特にテトラサイクリンの副作用でありうる。処置はコルチコステロイドクリーム、抗真菌クリームまたは単なる洗浄の適用を含むことができる。 痔核という用語は、肛門または下部直腸の周りの静脈が膨張しかつ炎症を起こしている状態を示す。痔核は便を動かすための緊張から生じうる。他の要因は、妊娠、加齢、慢性の便秘または下痢、および肛門性交を含む。痔核は、肛門の内側および肛門の上(内部)、および肛門の周りの皮膚の下(外部)の両方に現れる。痔核の処置のためのAPIは、硝酸イソソルビド(Briel,2000)のような硝酸塩、またはカルシウムチャネル遮断剤を含む。 痔核に対する天然処置は、APIとしての静脈壁を強化するハーブおよび栄養補助食品(例えば、ナギイカダ、トチノキ、ブロメライン、ビオフラボノイド、およびエンジュ抽出物)または天然の収斂剤および鎮静剤(例えば、ウィッチヘーゼル、ゼラニウム、およびバルバドスアロエ)の使用を含む(MacKay,2001)。 便秘および失禁はともに、括約筋、直腸および肛門の感覚、ならびに便の組成を含む相互に関連する要因の組合せによって引き起こされうる。失禁は肛門内圧の低減に関連し、それは主に肛門括約筋の活動から生じる。失禁は、肛門の緊張を高めるAPI(例えば、一酸化窒素合成酵素の阻害剤またはフェニレフリン)によって処置されることができる(Cook,2001)。便秘は、膨張性緩下剤、浸透性緩下剤、刺激性緩下剤、低吸収性糖類、便柔軟剤、浣腸剤、コリン作用性薬剤、または腸管運動促進剤のような緩下剤で処置されることができる。 抗生物質のような、肛門直腸疾患の処置のための特定のAPIは、例えば経口または注射によって全身に投与されうる。この方法は、患者に処方された他の医薬との薬物相互作用の可能性による、その使用を制限する高い発生率の全身性の副作用を伴う。経口経路は、高投与量または低可溶性のAPIの劣った生物学的利用能のために非効率であり、従って投与量のうち一部しか吸収されない。「初回通過(first-pass)」効果のために、経口的に吸収されるAPIは、肝臓を経由して全身循環に輸送される。従って、大量に代謝されるAPIは吸収時に肝臓において代謝される。さらに、食物および胃腸の運動性はAPI吸収に影響を与えることができる。テトラサイクリンおよびペニシリンについては、吸収は食物で遅くなる。経口的に投与された抗生物質は、正常な消化管叢を死なせ、真菌の変種を過剰に増殖させうる。従って、抗生物質に加えて抗真菌剤も必要とされうる。 直腸注入による投与は、医学的に資格を有する人によってのみ実施されるために、その高いコストによって制限されており、長い活性時間を有するAPI(例えば、ボツリヌス菌)のために残されている。 API適用のための他の方法は、坐剤の使用によるものである。坐剤は、固形の、肛門への容易な挿入のために設計された弾丸型製剤である。APIは、基剤中に組み込まれ、基剤は、体温で溶解して直腸の内層全体に徐々に広がる。 米国特許第5413793号は、肛門直腸疾患に対処するための多相医薬組成物を教示し、そこでは、第1相は有効成分を含有し、そして第2相は処置領域を水性媒体による侵食から守るために処置領域を覆って処置領域から水を追い払うためのシリコーン油の層を与える。この組成物は、坐剤の形態であり、いかなる標準的な坐剤の基剤中にも与えることができる。 坐剤を用いて有効医薬成分を投与すると、APIは、制御されていない様式で坐剤から直腸内へと拡散する。直腸は豊富な血液供給を有するので、APIは、急速に血液中に吸収され、APIの局所送達よりもむしろ全身送達をもたらす。局所投与について、坐剤を介する投与は、高い割合の副作用、他のAPIとの相互作用の可能性、ならびに特定のAPI、特に広範な初回通過除去を受けたAPIの生物学的利用能の変動を伴う。 肛門括約筋の処置のために、直腸領域への直接的な局所用製剤の局所投与が好ましい。現在知られている製剤は、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲルまたは溶液の形態で提供される。例えば米国特許第6395736号は、肛門直腸疾患の処置のための組成物および方法を教示し、そこでは一酸化窒素供与体、ホスホジエステラーゼ阻害剤、超酸化物スカベンジャー、β−アドレナリン作用性アゴニスト、環状アデノシン一リン酸依存性タンパク質キナーゼ活性因子、α1アドレナリン作用性アンタゴニスト、L型カルシウムチャネル遮断剤、エストロゲン、アデノシン三リン酸感受性カルシウムチャネル活性因子および平滑筋弛緩薬の組合せが使用される。これらは、上に列挙される標準的な投薬形態のいずれかによって投与される。 粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲルおよび溶液のような、肛門直腸疾患の処置のための直接的な局所適用についての先行技術の投薬形態は面倒で使いにくい。1日数回の組成物の適用が必要とされ、それは不便で日常の活動を妨げ、かつ患者のコンプライアンスを低減するかもしれない。直接的な局所適用に伴う他の問題は、社会活動に影響を及ぼしうる衣服の汚れの可能性である。 先行技術は、肛門括約筋へのAPIの便利かつ高度な局所送達のための方法または装置を教示も示唆もしていない。 本発明は、肛門括約筋への有効医薬成分(API)の送達のための新規の装置および方法を提供することによって、肛門直腸疾患を処置する公知の方法の欠点に首尾良く対処する。 本発明の1つの態様によれば、対象の肛門括約筋へのAPIの局所送達のための直腸内に挿入可能な薬物送達装置が提供され、その装置はAPIを含有するための鞘部を含み、その鞘部は、APIに対して実質的に不透過性であり、鞘部からAPIを放出するように構成される下部分を有し、従って装置が対象の直腸内に挿入されたとき、鞘部の下部分は、APIが肛門括約筋に近接して放出されるように肛門括約筋に近接する。 本発明の別の態様によれば、対象の肛門括約筋にAPIを送達する方法が提供され、その方法は以下のことを含む:APIを含有するための鞘部を含む直腸内に挿入可能な薬物送達装置を提供すること、ただし、鞘部は、APIに対して実質的に不透過性であり、鞘部からAPIを放出するように構成される下部分を有する;および対象の直腸内に装置を挿入すること、ただし、鞘部の下部分は、APIが肛門括約筋に近接して放出されるように肛門括約筋に近接する。 以下に記載される本発明の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、APIは任意選択的に医薬組成物の一部を形成し、医薬的に許容可能な担体をさらに含む。担体は任意選択的に、液体または半固体(例えば、室温でペースト、ゲル、軟膏、または泡)であることができる。 あるいは、担体は、装置が直腸内に挿入されたときに担体が液体になるように、任意選択的に約23℃〜約37.5℃の範囲の融点を有することができる。この実施形態のさらなる特徴によれば、担体は例えば、ココナッツ油、カカオバター、ポリエチレングリコール、グリセリンゼラチン、硬化植物油、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、グリコール界面活性剤ポリエチレングリコール、およびソルビタンモノステアリン酸塩またはポリオキシル−40ステアリン酸塩のポリオキシエチレン誘導体、またはそれらの混合物であることができる。 記載される好ましい実施形態のいずれかにおけるさらなる特徴によれば、鞘部の下部分は任意選択的に、肛門括約筋に近接して配置される開口部を含む。あるいは、鞘部の下部分は任意選択的に、APIに対して不透過性でありかつ水に対して透過性である膜を含むことができる。 担体が液体であるかまたは挿入時に液化する、記載された実施形態におけるさらなる特徴によれば、鞘部の下部分は任意選択的に、装置が直腸内に挿入されたときに芯部が直腸括約筋に近接するように、担体と接する上端と鞘部の下部分から突出する下端を有する芯部を含むことができる。 本発明の特徴によれば、担体が液体であるかまたは挿入時に液化するとき、鞘部の下部分は任意選択的に、担体と接する上端と鞘部の下部分から突出する下端を有するスポンジ(または実質的に同様の構成要素)を含むことができる。 記載される好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、鞘部の下部分は取り外し可能なクロージャーをさらに含むことができる。 記載される好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、放出制御システムは、鞘部の下部分へのAPIの送達を制御するために、鞘部内に与えられることができる。 放出制御システムは、例えば鞘部の下部分へのAPIの送達を制御する出口を有するリザーバ区画を含むことができる。 あるいは、放出制御システムは、例えば線状重合体、破裂制御剤、またはアルギン酸ナトリウムのような徐放性マトリックスのような少なくとも1種の放出制御賦形剤を含む制御された放出配合物を含むことができる。 記載される好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、鞘部の外面は、任意選択的に局所麻酔剤を含みうる潤滑剤層を与えられることができる。 記載される好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、鞘部は任意選択的に、丸い先端を与えられることができる。 記載される好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、鞘部は任意選択的に、APIの放出時に崩壊可能であることができる。 記載される好ましい実施形態のいずれかにおけるさらなる特徴によれば、方法または装置は、肛門括約筋の疾患に関連する状態、例えば肛門括約筋痙攣、肛門裂傷、肛門膿瘍、痔瘻、肛門潰瘍、肛門掻痒症、痔核、失禁、便秘、炎症、感染症、癌またはこれらの組合せの処置において使用されることができる。 記載される好ましい実施形態のいずれかにおけるさらなる特徴によれば、方法または装置における使用のためのAPIは、ハーブ抽出物、ハチ花粉、筋肉弛緩剤、局所麻酔剤、抗生物質、抗炎症剤、一酸化窒素供与体、ボツリヌス毒素、ムスカリン性薬剤、交感神経調節因子、カルシウムチャネルアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、超酸化物スカベンジャー、環状アデノシン一リン酸依存性タンパク質キナーゼ活性因子、アデノシン三リン酸感受性カルシウムチャネル活性因子、およびこれらの混合物のいずれかであることができる。 本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施形態を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理や概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。図1は、直腸内に挿入された本発明の装置を示す。図2a−2bは、本発明の好ましい実施形態による、直腸括約筋へのAPIの送達のための装置を概略的に示す。図3は、本発明の好ましい実施形態による、直腸括約筋へのAPIの送達のための芯部を含む装置を概略的に示す。図4a−4bは、本発明の好ましい実施形態による、直腸括約筋へのAPIの送達のためのスポンジを含む装置を概略的に示す。図5は、本発明の好ましい実施形態による、直腸括約筋へのAPIの送達のための内部フランジを含む装置を概略的に示す。 本発明は、肛門括約筋への直接的なAPIの制御された投与のための装置および方法の発明である。 本発明による組成物および方法の原理および操作は、図面および付随する説明を参照してより良く理解することができる。 本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示される細部または実施例によって例示される細部に限定されないことを理解しなければならない。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施または実行される。また、本明細書中で用いられる表現および用語は説明のためであり、従って限定として見なされるべきではないことを理解しなければならない。 別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。加えて、説明、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができる。 本明細書中で使用される、用語「含む(comprising)」および「含む(including)」またはその文法上の変化形は、記述されている特徴、数値、工程または成分を特定しているとみなすべきであるが、1つ以上の追加の特徴、数値、工程、成分またはそれらの群を追加することを妨げない。この用語は、用語「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」を包含する。 語句「から本質的になる」またはその文法上の変化形は、本明細書中で使用する場合、記述された特徴、数値、工程または成分を特定しているとみなすべきであるが、1つ以上の追加の特徴、数値、工程、成分またはそれらの群を追加することを妨げない。しかし追加の特徴、数値、工程、成分またはそれらの群が、特許請求されている組成物、装置または方法の基本的な新規の特徴を著しく変えない場合だけである。 用語「方法」は、与えられたタスクを達成するための様式、手段、技術および手順を意味し、限定されないが、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の分野の当業者に知られているかまたはその当業者が既知の様式、手段、技術および手順から容易に開発する方式、手段、技術および手順を含んでいる。本発明の方法を実行するということは、選択されたタスクまたは工程を手動で、自動的にまたはこれらを組み合わせて実行または完了することを含む。 本開示を通して、本発明の様々な態様が範囲形式で提示されうる。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数または整数)を含むことが意味される。第1の示された数字および第2の示された数字「の範囲にある/の間の範囲」という表現、および、第1の示された数字「から」第2の示された数字「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、交換可能に使用され、第1の示された数字と、第2の示された数字と、その間のすべての分数および整数とを含むことが意味される。 本明細書中で使用される、単数形態(“a”、“an”および“the”)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」または用語「少なくとも1種の化合物」は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含し得る。 本発明をよりよく理解する目的のために、まず直腸の解剖学的構造とそこに挿入された本発明の装置20を示す図1を参照する。直腸10は大腸の10〜15cm下の方にある。直腸壁の内側の内臓平滑筋層の末端肥厚は内部肛門括約筋12を形成し、内部肛門括約筋12は外部肛門括約筋14によって囲まれ、外部肛門括約筋14は内部肛門括約筋12と一緒に肛門括約筋16を構成する。装置20は、装置20の下部分26が肛門括約筋16に近接するように直腸10内に挿入される。 図2を参照すると、本発明の好ましい実施形態による直腸内に挿入可能な装置20が示されている。装置20は、有効医薬成分(API)24を含有するための鞘部22を含む。鞘部22の上端および側面は好ましくは、滑らかに連続的であり、それらは、API 24が鞘部22を通って直腸内に入ることができないようにAPI 24に対して不透過性の材料から形成される。鞘部22は、API 24に対して不透過性でありかつ直腸内への挿入時に裂けないように十分に強固である、いかなる非刺激性材料の少なくとも1つの層から構成されることができる。少なくとも1つの層は、鞘部22が不必要な患者の不快感を避けるために十分に可撓性であるように十分に薄くすべきである。鞘部22はまた、装置20と併用される潤滑剤に適合すべきであり、その潤滑剤に実質的に反応して分解しないべきである。鞘部22を構成するのに使用するために好適な材料の非限定的な例は、ゴム、ラテックス、シリコーン、ポリ塩化ビニル、およびポリウレタンを含む。好ましくは、鞘部22は、挿入時の対象に対する不快感を最小にするために丸い先端27を与えられる。 鞘部22は下部分26を与えられ、そこを通ってAPI 24が放出される。装置20の寸法は、装置20が対象の直腸内に挿入されたとき、下部分26が肛門括約筋に近接して配置され、それによって肛門括約筋の付近に直接的にAPI 24を放出するようなものである。 API 24は好ましくは、医薬組成物の一部を形成し、医薬組成物は医薬的に許容可能な担体をさらに含む。 本発明の実施形態において、担体は室温で液体である。 本発明の実施形態において、担体は、約23℃〜約37.5℃の範囲の融点を有する物質であり、従って、担体は、通常の室温では固体であるが、直腸内への装置20の挿入時に対象の体温によって溶解する。好適な担体の非限定的な例は、ココナッツ油、カカオバター、ポリエチレングリコール、グリセリンゼラチン、硬化植物油、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、グリコール界面活性剤ポリエチレングリコール、およびソルビタンモノステアリン酸塩およびポリオキシル−40ステアリン酸塩のポリオキシエチレン誘導体のような非イオン性界面活性剤物質を含む。 本発明の実施形態において、担体は例えば、ペースト、ゲル、軟膏または泡のような半固体の担体である。 API 24が装置20から放出される態様は、使用される担体の形態に少なくとも部分的に依存する。下部分26を通るAPI 24の放出は、例えば下部分26に与えられた開口部29を通して起こりうる。担体が(室温で、または直腸内への装置20の挿入後の融解時のいずれかで)液体である実施形態において、開口部29は任意選択的に、開口部29を通る担体の放出を遅く(例えば、滴状に)することができるサイズであることができる。このような実施形態において、下部分26は、API 24を必要とされるまで鞘部22中に保持して関連する医薬組成物を汚染から保護するために、取り外し可能なクロージャー28をさらに与えられる。任意選択的に、クロージャー28は、直腸内への装置20の挿入の前に取りはずされることができる形態(例えば、キャップ、穴あけ可能な膜、栓など)で与えられる。 担体が半固体である実施形態において、開口部29は好ましくは、液体の担体の放出のために使用されるよりも大きな寸法の開口部であり、従って、対象の直腸内への装置20の挿入時に、肛門括約筋の収縮によって鞘部22上に及ぼされる圧力は、担体を開口部29を通ってひねり出させる。 本発明の代替的な実施形態によれば、下部分26は、API 24に対して不透過性であるが直腸からの水に対して透過性である膜を含む。このような実施形態において、API 24は浸透圧を生ずることができるか、または浸透圧添加剤が医薬組成物に添加されるかのいずれかである。装置20が対象の直腸内に挿入されるとき、水は、膜を横切る浸透圧の差により鞘部22内に吸収されて鞘部22内に圧力を生じ、それは最終的には膜を破れさせる。装置20が直腸内に挿入される時間と膜が破れる時間との間の時間遅延は、例えば半透過性膜の厚み、面積、または組成の材料を、囲い内への水の透過速度を増減するように変化させることによって制御されることができる。 本発明のいずれの実施形態においても、鞘部22は任意選択的に、API 24の放出時に崩壊可能であるように構成される。すなわち、API 24を含む医薬組成物が鞘部22から放出されるにつれて、鞘部22が内側に崩壊する。このようにして、鞘部22からのAPI 24の放出を潜在的に妨げる副次的圧力の形成が避けられる。 API 24の放出後、装置20は任意選択的に、排便時に押し出される。あるいは、装置20は、肛門の外に突出する除去紐を与えられることができ、それは使用後に装置20を除去するために使用されることができる。また、あるいは、鞘部22の材料は、直腸内で可溶性または生物分解性であることもできる。 装置20の実施形態のさらなる特徴によれば、鞘部22は任意選択的に中空であり、API 24を含有する担体は鞘部22の中空内部に含有される。 装置20の実施形態のさらなる特徴によれば、放出制御システム30は任意選択的に、組成物を含有するための鞘部22内にさらに与えられる。担体が液体である実施形態において、放出制御システム30は、例えば、鞘部22の下部分26へのAPI 24の送達の速度を制御する速度制限出口32を備える実質的に閉じられたリザーバを含むことができる。出口32は、例えば、API 24が所望の速度で通過する好適な大きさの開口部またはAPI 24に対して透過性の膜を含むことができる。 あるいは、放出制御システムは、徐放性形態または遅延放出形態のような制御された放出形態でAPIを与えるための配合物を含むことができる。 徐放性形態は、患者の直腸内への装置20の挿入の後、APIをある持続した期間にわたって放出する。このような配合物の例は、API 24が鞘部22内のマトリックス中に埋め込まれ、そこからAPI 24が拡散または侵食によって放出される配合物;鞘部22内の組成物が半透過性膜のような放出速度制御膜で覆われ、APIが膜を横切って拡散するか、または膜内の液体が満たされた細孔を通して拡散することができる配合物を含む。 徐放性マトリックスの非限定的な例は、アルギン酸ナトリウムおよびカルシウム塩を含む。このようなマトリックスにおける使用のために好適なカルシウム塩は、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、塩化カルシウム、炭化カルシウム、酢酸カルシウム、およびグルコン酸カルシウムを含む。当該分野で知られている他の医薬的に許容可能なカルシウム塩もまた使用されることができる。マトリックス中のカルシウム塩の量は、ゲルマトリックスが形成されてそこからAPIがゆっくりと放出されるように、直腸の体液に曝されたときにアルギン酸塩と架橋するのに十分な量でなければならない。このようなマトリックスは、投与後約24時間までの期間の間、徐放を与えることができる。あるいは、マトリックスは、ポリエチレングリコールのような重合体を含むことができる。 あるいは、徐放性形態は、徐放性重合体を含むことができる。このような重合体は好ましくは、高分子量の線状重合体であって、水に対して親和性を有し、徐々に生物分解されるだけのものである。徐放のために使用されることができる線状重合体の例は、限定されないが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、および特定の加工デンプンを含む。 拍動性放出配合物は、患者の直腸内への装置の挿入後、特定の期間の後に有効化合物を放出する。放出は、即時放出の形態でも徐放性形態であってもよい。このような配合物の例は、組成物が侵食性の栓を含有するカプセルにおいて組成物が鞘部22内に存在する配合物、または破裂制御剤を含む組成物を含む。 破裂制御剤は好ましくは、コア内への水の透過速度を制御し、コア内の浸透圧を上昇させるために、架橋された水不溶性の重合体を含む。このような破裂制御剤は好ましくは、液体と接触すると膨張することができる。水不溶性の重合体は任意選択的に、架橋多糖(例えば、アルギン酸、ペクチン、キサンタンガム、グアールガム、トラガカントガム、およびイナゴマメガム、カラゲーニン、それらの金属塩の架橋誘導体または不溶性金属塩、およびそれらの共有結合架橋誘導体)、水不溶性のデンプン、微晶質セルロース、水不溶性の架橋ペプチド、水不溶性の架橋タンパク質、水不溶性の架橋ゼラチン、水不溶性の架橋加水分解ゼラチン、水不溶性の架橋コラーゲン変性セルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースの金属塩のうちのいずれかの架橋形態)、および架橋ポリアクリル酸からなる群から選択される。 組成物は任意選択的に、二重放出配合物として与えられることができ、その配合物では、即時放出形態のAPI 24は、同じAPIまたは追加のAPIのいずれかの制御された放出用量と組み合わせられる。例えば、二層の配合物が鞘部22内に与えられることができ、一つの層は即時放出APIを含有し、他の層はマトリックス中に埋められた同じAPIまたは異なるAPIを含有し、そのマトリックスからAPIが拡散または侵食によって放出される。あるいは、1つ以上の即時放出ビーズまたはペレットは、二重放出配合物を得るために鞘部22内で放出速度制御膜で覆われた1つ以上のビーズと組み合わせられることができる。 図3は本発明の一実施形態を示し、この実施形態において、装置40の下部分26は、下部分26の実質的に閉じられた下面44における開口部を通って延びる芯部42を含み、従って、室温で液体であるかまたは直腸内への挿入後に液体となる担体では、API 24は、毛管作用によって鞘部22から肛門括約筋の近くまで送達される。芯部42は、上端46が肛門括約筋へのAPI 24の送達時にAPI 24と接触し、下端48が直腸内への装置40の挿入時に肛門括約筋の近くに配置されるように構成される。芯部42の上端46は、例えば、鞘部22の中空内部内、または(リザーバ30を含む実施形態では)リザーバ内のいずれかで、液体担体と直接接触するように配置されることができる。あるいは、リザーバ30が与えられる場合、芯部42は任意選択的に、API 24がリザーバ出口32を通って芯部42の上端46まで送達されるように配置されることができる。芯部42は、当該分野において知られているいかなる好適な材料(例えば、織布、不織布、繊維、ガーゼ、綿、麻、または羊毛)からも構成されることができる。 図4aは装置50を示し、装置50において、下部分26は、(液体または液体担体中の)API 24を吸収または吸着しかつ膨張することができるスポンジ52またはそれと類似の材料を含む。好ましくは、API 24は、リザーバ30内に与えられ、そしてリザーバ出口32を通って適当な速度でスポンジ52に送達される。API 24は、スポンジ52に浸透し、スポンジ52内に保持される。直腸内への装置20の挿入時に、図4bに示されるように、スポンジ52は、肛門括約筋によって及ぼされる圧力によって圧迫され、API 24は、圧力点54の近くのスポンジ52から放出される。 あるいは、担体が半固体である実施形態において、装置50のスポンジ52は、開口部(図示せず)によって置き換えられる。組成物は、直腸内への装置50の挿入後、収縮した肛門括約筋によって鞘部22上に及ぼされた圧力のために、この開口部を通って押し出される。 図5は、さらに代替的な装置60を示し、装置60において、API 24に対して透過性の材料から構成される下部分26は、一連の対向する内部フランジ62a、62bを与えられ、それらは各々下部分26の片側に取り付けられ、そして装置60の縦軸に垂直に配置され、従って、下部分26の内部は部分的に遮断される。フランジ62a、62bは、API 24に対して不透過性の材料から構成される。直腸内への装置60の挿入時に、肛門括約筋によって及ぼされる圧力は、対向するフランジ62aおよび62bを互いに接触させ、それによって下部分26の内部の完全な閉鎖を与える。従って、API 24はクロージャーの上の鞘部22だけから放出される。 本明細書中に記載される実施形態を含む本発明の実施形態のいずれにおいても、鞘部22の外面は、挿入を容易にするための潤滑剤の層を与えられることができる。さらに任意選択的に、そのような潤滑剤は、特に痔核または炎症状態を罹患する患者において、痛みを緩和するために塩酸リドカインのような局所麻酔剤を含む。 本発明のさらなる実施形態において、対象の肛門括約筋にAPIを送達する方法が提供され、この方法は、APIが肛門括約筋の近くに放出されるように、APIを含有する上に記載される実施形態のいずれかによる装置を、それを必要とする対象の直腸内に挿入することを含む。 本発明の装置または方法は、肛門括約筋の疾患に伴う状態の処置のために使用されることができる。そのような状態は、限定されないが、肛門括約筋痙攣、肛門裂傷、肛門膿瘍、痔瘻、肛門潰瘍、肛門掻痒症、痔核、失禁および便秘、癌、感染症、炎症またはこれらの組合せを含む。 本発明の実施形態のいずれにおいても、API24は、肛門括約筋の疾患の処置のために使用される任意のAPIの治療効果的な量である。本発明の教示に従って使用されることができるAPIの例は、限定されないが、ハーブ抽出物、ハチ花粉、筋肉弛緩剤、局所麻酔剤、抗生物質、抗炎症剤、一酸化窒素供与体、ボツリヌス毒素、ムスカリン性薬剤、交感神経調節因子、カルシウムチャネルアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、超酸化物スカベンジャー、環状アデノシン一リン酸依存性タンパク質キナーゼ活性因子、アデノシン三リン酸感受性カルシウムチャネル活性因子、およびこれらの混合物を含む。 用語「治療効果的な量」または「医薬的に効果的な量」は、APIが示す治療効果をもたらす、APIまたはAPIを含有する組成物の用量を意味する。 本発明の装置または方法における使用のために好適なハーブ抽出物の例は、限定されないが、バルバドスアロエ、アメリカンゼラニウム(ゼラニウム・マクラツム)、ペルーバルサム(マイロキシロン・ペレイラエ)、ビルベリー(バシニウム・ミルチルス)、ビオフラボノイド、イブキトラノオ(ポリゴナム・ビストルタ)、ブロメライン(アナナス・コモサス)、ゴボウ(アークチウム・ラッパ)、ナギイカダ(ラスカス・アキュレアトス)、ローマカミツレ(アンテミス・ノビリス)、ゼラニウム(ゼラニアセアエ)、トチノキ(アエスクルス・ヒポカスタニウム)、インジゴ(バプチシア・チンクロリア)、エンジュ(ソフォラ・ジャポニカ)、オーク(クェルセアエ)、ツルニチニチソウ(ビンカ・メジャー、ビンカ・マイナー)、オトギリソウ(ヒペリカム・ペルフォラツム)、ストーンルート(コリンソニア・カナデンシス)、クマツヅラ(ベルベナ・オフィシナリス)、ウィッチヘーゼル(ハマメリス・バージニアナ)、ヤーバサンタ(エリオディクション・グルチノスム)、ならびにタンニンおよび没食子酸を含む列挙されていない植物の抽出物を含む。 本発明の装置または方法における使用のために好適な筋弛緩剤の例は、限定されないが、マグネシウムおよびその塩、シクロベンザプリン、バクロフェン、ケトカム(ketocam)、メトカルバモル、およびカリソプロドールを含む。 本発明の装置または方法における使用のために好適な局所麻酔剤の例は、限定されないが、メプリカイン、プロパラカイン、プリロカイン、ロピバカイン、ベンゾカイン、ブピバカイン、ブタンベンピクレート、クロロプロカイン、コカイン、ジブカイン、ジメチソキン、ジクロナイン、エチドカイン、ヘキシルカイン、ケタミン、リドカイン、メピバカイン、プラモキシン、プロカイン、テトラカイン、サリチル酸塩、およびこれらの誘導体、エステル、塩および混合物を含む。 本発明の装置または方法における使用のために好適な抗炎症剤の例は、限定されないが、非ステロイド系抗炎症剤(例えば、ピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム、スドキシカム、CP−14,304、アスピリン、ジサルシド、ベノリラート、トリリサート、サファプリン、ソルプリン、ジフルニサール、フェンドサール、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イソキセパク、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセマタシン、フェンチアザク、ゾメピラク、クリンダナク、オキセピナク、フェルビナクおよびケトロラク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロプフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾン、トリメタゾンおよびこれらの混合物)またはステロイド系抗炎症剤(例えば、ヒドロコルチゾン、ヒドロキシトリアムシノロン、α−メチルデキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、酢酸デスオキシコルチコステロン、デキサメタゾン、ジクロリゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルアドレノロン、フルクロロロンアセトニド、フルドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルランドレノロン、ハルシノニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフルオロゾン、フルラドレノロン、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフルロゾン、フルラドレノロンアセトニド、メドリゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ベタメタゾン、クロロプレドニゾン、酢酸クロルプレドニゾン、クロコルテロン、クレシノロン、ジクロリゾン、ジフルプレドナート、フルクロロニド、フルニソリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニゾロン、吉草酸ヒドロコルチゾン、シクロペンチルプロピオン酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルタマート、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ならびに、その混合物)を含む。 好適な抗生物質の例は、塩酸アマンファジン、硫酸アマンファジン、アミカシン、硫酸アミカシン、アミノグリコシド、アモキシシリン、アンピシリン、アンサマイシン、バシトラシン、β−ラクタム、カンジシジン、カプレオマイシン、カルベニシリン、セファレキシン、セファロリジン、セファロチン、セファゾリン、セファピリン、セファラジン、セファログリシン、クロラムフェニコール、クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、クロロキシン(chloroxine)、クロルキナルドール、クロルテトラサイクリン、塩酸クロルテトラサイクリン、シプロフロキサシン、サークリン、クリンダマイシン、塩酸クリンダマイシン、クロトリマゾール、クロキサシリン、デメクロサイクリン、ジクロキサシリン、ジヨードヒドロキシキン、ドキシサイクリン、エタムブトール、塩酸エタムブトール、エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、ステアリン酸エリスロマイシン、ファルネソール、フロキサシリン、ゲンタマイシン、硫酸ゲンタマイシン、グラミシジン、グリセオフルビン、ハロプロギン、ハロキノール(haloquinol)、ヘキサクロロフェン、イミノサイクリン(iminocycline)、ヨードクロルヒドロキシキン(iodochlorhydroxyquin)、カナマイシン、硫酸カナマイシン、リンコマイシン、リネオマイシン、塩酸リネオマイシン、マクロライド、メクロサイクリン、メタサイクリン、塩酸メタサイクリン、メタナミン、馬尿酸メタナミン、マンデル酸メタナミン、メチシリン、メトロニダゾール、ミコナゾール、塩酸ミコナゾール、ミノサイクリン、塩酸ミノサイクリン、ムピロシン、ナフシリン、ネオマイシン、硫酸ネオマイシン、ネチルマイシン、硫酸ネチルマイシン、ニトロフラゾン、ノルフロキサシン、ナイスタチン、オクトピロックス、オレアンドマイシン、オルセファロスポリン(orcephalosporin)、オキサシリン、オキシテトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、パラクロロメタキシレノール、パロモマイシン、硫酸パロモマイシン、ペニシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ペンタミジン、塩酸ペンタミジン、フェネチシリン、ポリミキシン、キノロン、硫酸ストレプトマイシン、テトラサイクリン、トブラマイシン、トルナフタート、トリクロサン、トリファムピン(trifampin)、リファマイシン、ロリテトラサイクリン、スペクチノマイシン、スピラマイシン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン類、テトラサイクリン、トブラマイシン、硫酸トブラマイシン、トリクロカルバン、トリクロサン、トリメトプリムスルファメトキサゾール、チロシン、バンコマイシン、イロスリシン(yrothricin)およびそれらの誘導体、エステル、塩および混合物を含む。 一酸化窒素供与体の非限定的な例は、ニトログリセリン、三硝酸グリセリン、硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、L−アルギニン、亜硝酸アミル、およびそれらの混合物を含む。 好適な交感神経調節因子の例は、限定されないが、アルブテノール、ビトルテノール、ホルモテノール、サルブタモール、メタプロテレノール、テルブタリン、フェンテレノール(fenterenol)、サルメファモール、カルブテロール、セテロノール(seteronol)、キンプレナリン、ナイリドリン、およびオキシフェドリンのようなβレセプターアドレナリン作用性アゴニスト;およびインドラミン、プラゾシン、テラゾシン、ドキサゾシンのようなαアドレナリン作用性アンタゴニスト、およびそれらの混合物を含む。 カルシウムチャネルアンタゴニストの非限定的な例は、ジルチアゼム、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミル、ニモジピン、レルカニジピン、フェロジピン、ニソリジピン、アムロジピン、ベプリジル、およびそれらの混合物を含む。 好適なホスホジエステラーゼ阻害剤の例は、テオフィリン、イブジラスト、ペントキシフィリン、パパベリン、ジピリダモール、アムリノン、シルデナフィル、タドルフィル(tadolfil)、バルデナフィル、およびミルリノンを含む。 好適なムスカリン性薬剤の例は、ベタニコール、オキソトレモリン、アレコリン、ピロカルピン、およびメタコリンおよびRS−86を含む。 上に記載される本発明の実施形態のいずれにおいても、APIは任意選択的に、かつ好ましくは、医薬組成物の一部を形成する。医薬組成物は、APIに加えて、医薬的に許容可能な担体を含み、そして任意選択的に、結合剤、安定剤、希釈剤、賦形剤、浸透性添加剤、界面活性剤、香味料、および臭気剤から選択される1つ以上の成分をさらに含むことができる。さらに任意選択的に、組成物は、少なくとも1種のさらなるAPIを含むことができる。 本明細書中で使用される「医薬組成物」は、1つ以上の有効成分の製剤を意味し、医薬組成物は、化合物またはその生理学的に許容可能な塩のいずれかの本明細書中に明示される有効成分を、他のAPI、生理学的に好適な担体および賦形剤のような他の化学的成分とともに含む。 本明細書中で使用される、用語「医薬的に許容可能な」は、動物(より具体的にはヒト)における使用について、連邦政府または州政府の規制当局によって承認されているか、あるいは、米国薬局方または他の一般的に認められている薬局方に収載されていることを意味する。本明細書中で、表現「生理学的に好適な担体」および表現「医薬的に許容可能な担体」は交換可能に使用され、著しい刺激を生物に対して生じさせず、かつ、投与されたコンジュゲートの生物学的な活性および性質を阻害しない承認された担体または希釈剤を示す。 本明細書中で使用される、用語「担体」は、治療剤が一緒に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤またはビヒクルを意味する。 本明細書中で使用される、用語「賦形剤」は、有効成分の加工および投与をさらに容易にするために医薬組成物に添加される不活性な物質を意味する。 本発明に関連して使用される医薬組成物は、当該分野で周知の方法によって、例えば、通常の混合、溶解、または乳化工程によって製造されることができる。 本発明の文脈において好適な医薬的担体は、好ましくは無菌の液体であることができ、例えば水および油であり、前記油は、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱物油、ゴマ油などを含む。 有効医薬成分の配合および投与のための技術は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Mack Publishing Co.、Easton、PA、最新版)(これは参考として本明細書中に組み込まれる)に見出されうる。 本発明の装置は、所望される場合には、有効成分を含有する1つ以上の個々の装置を含有しうるFDA承認キットなどのパック中に含まれることができる。パックは、例えば、ブリスターパックのような金属箔またはプラスチック箔を含むことができる。パックは、投与のための説明書が添付されることができる。パックにまた、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府当局により定められた形式で容器に付けられた通知が伴いうる。その通知は、組成物の形態またはヒトもしくは動物への投与の当局による承認を反映する。そのような通知は、例えば、処方APIについての米国食品医薬品局により承認されたラベル書きであり得るか、または承認された製品添付文書であり得る。本明細書中に記載されるAPIを含む装置は、以下に詳述されるように、適切な容器中に配置されて、および/または表示される状態の処置についてのラベルを貼られることができる。 明確にするため別個の実施形態で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて提供することもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施形態で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで提供することもできる。 本発明はその特定の実施形態によって説明してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更および変形すべてを包含するものである。 本明細書で言及した刊行物、特許および特許願はすべて、個々の刊行物、特許および特許願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用または確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。 対象の肛門括約筋への局所薬物送達のための直腸内に挿入可能な薬物送達装置の作動方法であって、 有効医薬成分が含まれている装置の外側鞘部からの圧力を前記有効医薬成分によって受け取り、そして 外側鞘部の下部分の開口部を通して前記有効医薬成分を滴状に放出することを含む、方法。 前記放出することは、前記有効医薬成分をその長さに沿って分配する細長い医薬分配要素を通して放出することを含む、請求項1に記載の方法。 前記圧力を受け取ることは、前記鞘部が外部源からの流体を吸収することなしに、外側鞘部から圧力を受け取ることを含む、請求項1に記載の方法。 前記鞘部内に含まれている有効医薬成分を開口部を通して放出することは、前記有効医薬成分のみを前記開口部を通して放出することを含む、請求項1に記載の方法。 有効医薬成分を放出することは、前記鞘部を変形させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。 前記滴状に放出することは、約23℃〜約37.5℃の範囲の温度で前記有効医薬成分を溶融させた後に放出することを含む、請求項1に記載の方法。 前記滴状に放出することの前に前記有効医薬成分を即時放出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。 前記即時放出する前記有効医薬成分と、前記滴状に放出する前記有効医薬成分とは同一である、請求項7に記載の方法。 前記即時放出する前記有効医薬成分と、前記滴状に放出する前記有効医薬成分とは同一でない、請求項7に記載の方法。 前記有効医薬成分は医薬組成物の一部を形成し、前記医薬組成物は医薬的に許容可能な担体をさらに含む、請求項1に記載の方法。 前記担体は室温で半固体である、請求項10に記載の方法。 前記半固体は、ペースト、ゲル、軟膏、および泡からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。 前記圧力を受け取る前に、前記鞘部の下部分の表面の取り外し可能なクロージャーを開放することをさらに含む、請求項1に記載の方法。 前記有効医薬成分の前記放出時に前記鞘部を崩壊させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。 前記有効医薬成分は、ハーブ抽出物、ハチ花粉、筋肉弛緩剤、局所麻酔剤、抗生物質、抗炎症剤、一酸化窒素供与体、ボツリヌス毒素、ムスカリン性薬剤、交感神経調節因子、カルシウムチャネルアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、超酸化物スカベンジャー、環状アデノシン一リン酸依存性タンパク質キナーゼ活性因子、アデノシン三リン酸感受性カルシウムチャネル活性因子、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。 対象の肛門括約筋への局所薬物送達のための直腸内に挿入可能な薬物送達装置であって、その装置は、直腸内挿入のためのサイズにされた鞘部を含み、前記鞘部の内側が、前記鞘部の内部に含まれた有効医薬成分(API)に接触し、前記鞘部の外側が身体部分に接触するようになっており、前記鞘部全体が水および前記有効医薬成分に対して実質的に不透過性であり、 前記鞘部は小さな開口部を有し、そのサイズは前記開口部を通って前記鞘部から前記有効医薬成分の遅い放出を可能にするものであり、 装置が対象の直腸内に挿入されたとき、前記鞘部の下部分は、前記有効医薬成分が肛門括約筋に近接して放出されるように肛門括約筋に近接する、装置。 前記鞘部は溶解性材料および生物分解性材料から選択される材料を含む、請求項16に記載の装置。 前記開口部は、それを通る流体の滴状の流出を可能にするようなサイズにされる、請求項16に記載の装置。 前記鞘部はシリコーンから作られる、請求項16に記載の装置。 【課題】肛門括約筋への有効医薬成分(API)の送達のための装置および方法を提供する。【解決手段】対象の肛門括約筋への局所薬物送達のための直腸内に挿入可能な薬物送達装置20は、有効医薬成分(API)24を含有するための鞘部22を含む。鞘部の上端および側面は、滑らかに連続的であり、APIが鞘部を通って直腸内に入ることができないようにAPIに対して不透過性の材料から形成され、かつ直腸内への挿入時に裂けないように十分に強固である、非刺激性材料の少なくとも1つの層から構成される。層は、鞘部が不必要な患者の不快感を避けるために十分に可撓性であるように十分に薄く、装置と併用される潤滑剤に適合する。鞘部を構成するのに使用するために好適な材料の例は、ゴム、ラテックス、シリコーン、ポリ塩化ビニル、およびポリウレタンを含む。鞘部は、挿入時の対象に対する不快感を最小にするために丸い先端27を含む。【選択図】図2