| タイトル: | 公開特許公報(A)_ヒト造血幹細胞を増幅させるための組成物及び方法 |
| 出願番号: | 2013053001 |
| 年次: | 2014 |
| IPC分類: | C12N 1/00,C12N 5/0789 |
戸所一雄 JP 2014176353 公開特許公報(A) 20140925 2013053001 20130315 ヒト造血幹細胞を増幅させるための組成物及び方法 戸所 一雄 506079009 下田 昭 100110249 赤尾 謙一郎 100113022 栗原 和彦 100116090 戸所一雄 C12N 1/00 20060101AFI20140829BHJP C12N 5/0789 20100101ALI20140829BHJP JPC12N1/00 FC12N5/00 202Q 6 OL 18 4B065 4B065AA93X 4B065AC20 4B065BB19 4B065BB32 4B065BB34 4B065BC03 4B065BC07 4B065CA44 この発明は、ヒト造血幹細胞を増幅させるための組成物及び方法に関する。 造血幹細胞を維持、未分化維持、自己複製又は増殖・増幅させる手法は長年にわたり研究されてきた。SCF(stem cell factor/幹細胞因子)は造血幹細胞を単独で増殖できる因子として知られているが、SCFは造血幹細胞の増殖と共に細胞分化も誘導するため、造血幹細胞の増幅はできない。そのため、種々のサイトカイン/増殖因子等の蛋白質因子を組み合わせて造血幹細胞を培養し増幅させる方法が考案されてきた(特許文献1〜6、非特許文献1、2)。しかし、今までに報告されて来たサイトカイン/増殖因子等はSCF非存在下では造血幹細胞を増幅できず、またSCF存在下で増幅させても細胞分化も促進され、現時点知られている因子を用いての造血幹細胞の増幅では実用化に不十分である。 そこで最近、低分子化合物を用いて造血幹細胞を増幅する方法が提案されてきた。例えば、(1)アリル炭化水素受容体のアンタゴニストであるStemRegenine 1(SR1)という化合物は、SCF、TPO(トロンボポエチン)、Flt3(Fms-related tyrosine kinase 3 ligand/Fms関連チロシンキナーゼ3リガンド)、IL6(インターロイキン6)の存在下でヒト造血幹細胞を増幅できる(非特許文献5)、(2)p38 MAPK(p38 mitogen-activated protein kinase)阻害剤であるSB203580はSCF、TPO、Flt3 ligand存在下でマウス造血幹細胞の増幅を促進する(非特許文献6)、(3)Wnt(wingless)シグナル活性化剤であるCHIR99021とmTOR(mammalian target of rapamycin/ほ乳動物ラパマイシン標的)阻害剤であるRapamycinを添加するとSCF等なしで造血幹細胞を生存維持できる(非特許文献7)、等と報告されて来た。しかし、造血幹細胞をSCF等蛋白質因子なしで自己複製(未分化維持しながら増幅)できる低分子化合物は未だ発見・発明されていない。特開平10-295369特開2004-222502特表2008-514230特表2009-521929特開2009-296889特開2012-165660Blood Rev. 15, 191-197, 2001Mol. BioSyst. 6, 1207-1215, 2010Blood 111, 3415-3423,2008Oncol. Res. 13, 359-371, 2003Science 329, 1345, 2010Stem Cells Dev. 20, 1143, 2011Nature Medicine 18, 1778, 2012 従って、臍帯血や少量の骨髄細胞又は人工的に作成した少量の造血幹細胞を用いて、白血病等の難治性血液疾患を移植・再生治療するため、新たな低分子化合物(ペプチドを含む)を用いた効率の良い造血幹細胞の増幅法の開発が求められている。 発明者は、細胞増殖に関わる細胞内シグナル経路を活性化又は阻害する化合物又はぺプチドが、造血幹細胞の増幅に影響するという仮説を立てて、造血幹細胞の増幅に対するこれらの化合物又はぺプチドの影響を調べた。 細胞増殖に関わる代表的な細胞内シグナル経路として、MAPK(mitogen-activated protein kinase)シグナル、PKC(protein kinase C)シグナル、Adenylate cyclase(アデニル酸シクラーゼ)-PKA(protein kinase A)シグナル、PI3K-Akt/PKB(phosphatidylinositol 3 kinase-AKR/J mouse thymoma kinase/protein kinsase B)シグナル、TGFβ-ALK(Transforming growth factor/腫瘍増殖因子β-activin receptor-like kinase/アクチビン受容体様キナーゼ)シグナル、AMPK(AMP-activated kinase)シグナル、Hedgehogシグナル等がある。 先ず、造血幹細胞を低濃度のSCF(10ng/ml;生存させ最低限の増幅ができる濃度)を含む無血清培地中に、これらの化合物やペプチドを添加して培養した。その結果、下記(a)〜(r)の化合物やペプチドがSCF存在下で造血幹細胞を増幅させる効果があることを見出した(実施例1)。(a) 2-Cl-C.OXT-A(2-Chloro-9-[2α,3β-bis(hydroxymethyl)cyclobutyl]-9H-purine-6-amine)、(b) DOPA(dioleoyl phosphatidic acid)、(c) アミノ酸配列RPKRPTTLNLFPQVPRSQDT(配列番号1)で表されるペプチド、(d) アミノ酸配列HPFFTLHESKGTDVASFVKLILGD(配列番号2)で表されるペプチド、(e) SB431542(4-[4-(1,3-benzodioxol-5-yl)-5-pyridin-2-yl-1H-imidazol-2-yl] bensamide)、(f) Bryostatin 1(7β-Acetoxy-5β,9β:11β,15β:19α,23α-triepoxy-3α,9α,19β-trihydroxy-25β-[1(R)-hydroxyethyl]-13,21-bis(methoxycarbonylmethylene)-8,8,18,18-tetramethyl-20α-[octa-2(E),4(E)-dienoyloxy]pentacosa-16(E)-enolide、(g) Bay K8644(Methyl 2,6-dimethyl-5-nitro-4-[2-(trifluoromethyl)phenyl]-1,4-dihydropyridine-3-carboxylate)、(h) アミノ酸配列RFARKGALRQKNV(配列番号3)で表されるペプチド、(i) Forskolin(colforsin)(7β-Acetoxy-8,13-epoxy-1α,6β,9α-trihydroxy-labd-14-en-11-one)、(j) Rolipram(4-[3-(cyclopentyloxy)-4-methoxyphenyl]-2-pyrrolidinone)、(k) Histamine dihydrochloride(ヒスタミン二塩酸塩)、(l) アミノ酸配列GRTGRRNAI(配列番号4)で表されるペプチド、(m) SQ22536(9-(Tetrahydro-2′-furyl)adenine)、(n) 740Y-P(RQIKIWFQNRRMKWKKSDGGYMDMS(配列番号5)なるアミノ酸配列のチロシン残基がリン酸化された膜透過性ペプチド)、(o) PS48((2Z)-5-(4-chlorophenyl)-3-phenyl-2-pentenoic acid)Forskolin(colforsin)(7β-Acetoxy-8,13-epoxy-1α,6β,9α-trihydroxy-labd-14-en-11-one)、(p) SMI-4a(Pim1/2 kinase inhibitor V)((Z)-5-(3-Trifluoromethylbenzylidene) thiazolidine-2,4-dione)、(q) SAG(N-Methyl-N'-(3-pyridinylbenzyl)-N'-(3-chlorobenzo[b]thiophene-2-carbonyl)-1,4-diaminocyclohexane)、(r) BIX-01294 (2-(Hexahydro-4-methyl-1H-1,4-diazepin-1-yl)-6,7-dimethoxy-N-[1-(phenylmethyl)-4-piperidinyl]-4-quinazolinamine trihydrochloride) これら(a)〜(r)の化合物やペプチドは、細胞増殖に関わる細胞内シグナル経路を活性化又は阻害するという共通する機能を持っている。 更に、上記で造血幹細胞増幅能の高かったアミノ酸配列RQIKIWFQNRRMKWKKSDGGYMDMSで表されるチロシンリン酸化ペプチド(740Y-Pと呼称)とBryostatin 1と称される天然有機化合物は、SCFなしで単独で造血幹細胞を生存維持及び増幅ができることを見出した。更に、これらの化合物やペプチドを組み合せて添加することでSCF非存在下でも造血幹細胞を効率よく増幅することを見出した(実施例2)。 即ち、本発明は、下記(1)及び(2)の因子から成るヒト造血幹細胞を増幅させるための組成物である。(1)幹細胞因子(SCF)(2)上記(a)〜(r)のから成る群から選択される少なくとも1種の化合物又はペプチド また、本発明は、上記(f)又は(n)の因子から成るヒト造血幹細胞を増幅させるための組成物である。 更に、本発明は、下記(3)及び(4)の因子から成るヒト造血幹細胞を増幅させるための組成物である。(3)上記(f)及び(n)から成る群から選択される少なくとも1種の化合物又はペプチド(4)上記(a)、(c)、(d)、(e)、(h)、(i)、(j)、(l)、(p)及び(r)から成る群から選択される少なくとも1種の化合物又はペプチド また本発明は、これら組成物を添加した培地で、ヒト造血幹細胞を培養することから成る増幅したヒト造血幹細胞の製法である。 更に本発明は、これら組成物を含む、無血清又はヒト血清から成るヒト造血幹細胞培養用培地である。 本発明の組成物により造血幹細胞を体外で増幅することができるので、少量の骨髄細胞(又は臍帯血や動員された末梢血)由来の造血幹細胞、又は人工的に作成した少量の造血幹細胞などから移植治療に必要な造血幹細胞を調製することができ、今まで不可能だった移植治療ができるようになる。即ち、他家移植のみならず自家移植が可能となり、少量の造血幹細胞採取で移植に必要な幹細胞数が確保でき、拒絶反応問題が解決できる。他家移植においても、細胞数が少なく移植治療できなかった臍帯血や人工的に作成した造血幹細胞からでも、またドナーにリスクを与えない少量の骨髄採取からでも、成人の移植治療に必要な数の造血幹細胞の調達が可能となる。また、遺伝子治療に必要な造血幹細胞を容易に入手可能となり、リスクを伴う遺伝子導入法を使わずとも可能となり、また、遺伝子導入した造血幹細胞を増幅することにも利用できることで、遅れている遺伝子治療の実用化と普及が期待できる。増幅後の全細胞のフローサイトメーター(FACS)解析データを示す。横軸にFITC-CD34抗体で染色した陽性細胞の蛍光強度、縦軸に細胞数を示す。各ヒストグラムの下に添加した化合物名又はペプチド名を記す。増幅後の全細胞のフローサイトメーター(FACS)解析データを示す。横軸にFITC-CD34抗体で染色した陽性細胞の蛍光強度、縦軸に細胞数を示す。各ヒストグラムの下に添加した化合物名又はペプチド名を記す。 本発明のヒト造血幹細胞を増殖させるための組成物は、(a)〜(r)の少なくとも1個の化合物又はペプチドから成る。SCF等蛋白質因子と共に用いる場合は、(a)〜(r)の化合物又はペプチドの少なくとも1個、又は様々に複数組み合わせて用いてもよい。SCF等蛋白質因子なしで用いる場合は、Bryostatin 1又は740Y-Pを単独で、又はBryostatin 1又は740Y-Pに、その他の化合物やペプチドを様々に組み合わせて用いることが好ましい。(a) 2-Cl-C.OXT-A(2-Chloro-9-[2α,3β-bis(hydroxymethyl)cyclobutyl]-9H-purine-6-amine)は、VEGF(vascular endothelial growth factor/血管内皮細胞増殖因子)やNGF(nerve growth factor/神経成長因子)類似の生理活性、即ち血管新生促進作用や神経細胞分化促進活性を持つ核酸アナログ低分子化合物として見いだされた(Tsukamoto, I.ら Biochem. Biophys. Res. Commun.399, 699, 2010)。2-Cl-C.OXT-Aは、古典的MAPK(mitogen-activated protein kinase)であるERK(extracellular signal-regulated kinase)のERK1、ERK2(合わせてERK1/2と称す)や、その上流のMEK(MAPK/ERK kinase)のリン酸化/活性化を促進し、類似の誘導体にも同様の活性があることが知られている(Wako Bio Window 105, 11, 2010)。ERKを活性化する2-Cl-C.OXT-Aを添加すると、造血幹細胞を幾分か未分化維持しながら増幅を促進することができる(実施例1、2)。(b)DOPA(dioleoyl phosphatidic acid)は、2-Cl-C.OXT-Aと同様にERK1/2及びその上流のRafを活性化する作用がある(Kraft, C.A. et al. J. Biol. Chem. 283, 36636, 2008)。DOPAは、造血幹細胞を幾分か未分化維持しながら増幅促進できる(実施例1)。(c)アミノ酸配列RPKRPTTLNLFPQVPRSQDT(配列番号1)で表されるペプチドは、MAPKに属するJNK(c-Jun N-terminal kinase)/SAPK(Stress-activated protein kinase)のJNK1、JNK2、JNK3の全てを強力に阻害するペプチドである(Bonny,C et al., Daibetes 50, 77, 2001)。L-JNKi 1(L-JNK inhibitor I)は、このペプチドのN末端に、膜透過性を付与するために、ヒト免疫不全ウイルスHIV Tat由来ペプチド(GRKKRRQRRR)(配列番号6)をプロリン2残基(PP)で連結したものであって、能動的に細胞内に輸送され、JNK/SAPKの基質との相互作用を阻害しJNK/SAPKノックアウト(完全阻害)表現型を生じさせることができる(Bonny,C et al., Daibetes 50, 77, 2001)。このペプチドのN末端に、ヒト免疫不全ウイルスHIV Tat由来ペプチド(GRKKRRQRRR)(配列番号6)の替わりに、Ac-YGRKKRRQRRR(配列番号7)、アルギニン11個(RRRRRRRRRRR)(配列番号8)、フロックハウスウイルスFHV coat由来ペプチド(RRRRNRTRRNRRRVR)(配列番号9)、HIV Rev由来ペプチド(TRQARRNRRRRWRERQR)(配列番号10)、ミリスチン酸(C13H27C(=O)OH)、マレイン酸(C2H2(COOH)2)等を連結してもよい。これらのペプチド添加により造血幹細胞を幾分か未分化維持しながら増幅できる(実施例1、2)。 他に、JNK inhibitor III(HIV-TAT47-57-gaba-c-Junδ33-57)(アミノ酸配列Ac-YGRKKRRQRRR(配列番号7)-gaba-ILKQSMTLNLADPVGSLKPHLRAKN(配列番号11))なる膜透過性阻害ペプチド(Holzberg, D. et al., J. Biol. Chem. 278, 40213, 2003)、SP600125(JNK inhibitor II)(1,9-Pyrazoloanthrone)(Bennett, BL.et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 98, 13681, 2001)やAS-601245(JNK inhibitor V)(1,3-Benzothiazol-2-yl-(2-{[2-(3-pyridinyl)ethyl]amino}-4-pyrimidinyl) acetonitrile)(Carboni,S.et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 310, 25, 2004)等も、L-JNKi 1と同様にJNKを阻害する化合物であり、同様に造血幹細胞増幅作用があると考えられる。(d)アミノ酸配列HPFFTLHESKGTDVASFVKLILGD(配列番号2)で表されるペプチドは、JNK/SAPKの上流のキナーゼMAPKK(MAP kinase kinase)であるMKK4、MKK7と、もう一つのMAPKであるp38 MAPK(p38 MAP kinase)のMAPKKであるMKK3、MKK6に共通に保存されたキナーゼ結合部位のアミノ酸配列である為、JNK/SAPKとp38 MAPKを同時に阻害できるペプチドである(Takekawa M. et al., Mol Cell, 18, 295, 2005)。このペプチドのN末端に、膜透過性付与のためにペプチドや脂肪酸を付加してもよい。このペプチドや脂肪酸としては、アルギニン11個RRRRRRRRRRR(配列番号8)、TATキャリアーペプチドAc-YGRKKRRQRRR(配列番号7)又はGRKKRRQRRR(配列番号6)、フロックハウスウイルスFHV coat由来ペプチド(RRRRNRTRRNRRRVR)(配列番号9)、HIV Rev由来ペプチド(TRQARRNRRRRWRERQR)(配列番号10)、ミリスチン酸(C13H27C(=O)OH)、マレイン酸(C2H2(COOH)2)等が挙げられる。このペプチドにアルギニン11個を付加したものをArg11-p38/JNK inhibitor peptideと呼び、このペプチドにミリスチン酸を付加したものをMyr-p38/JNK inhibitor peptideと呼び、これら両者共、造血幹細胞に増幅効果がある(実施例1、2)。ミリスチン化ペプチドは溶解度が低く、アルギニン付加ペプチドより高濃度必要である。(e)SB43154(TGFβ RI kinase inhibitor VI)(4-[4-(1,3-benzodioxol-5-yl)-5-(2-pyridyl)-1H-imidazol-2-yl]bensamide)は、TGFβ(Transforming growth factor/腫瘍増殖因子β)、Activin(アクチビン)、Nodal(ノーダル)の受容体セリンスレオニンキナーゼALK(activin receptor-like kinase/アクチビン受容体様キナーゼ)4、ALK5又はALK7に対する強力な選択的阻害剤であり、下流の転写因子Smad2, Smad3の活性化を阻害する(Laping, N.J. et al., Mol. Pharmacol. 62, 58, 2002)。他のALK1、ALK2、ALK3、ALK6を用いるBMP(bone morphogenetic protein/骨形成蛋白質)シグナル伝達経路は阻害しない。SB43154は造血幹細胞を増幅できるが、細胞分化も亢進する(実施例1、2)。 他に、A-83-01(3-(6-Methylpyridin-2-yl)-1-phenylthiocarbamoyl-4-quinolin-4-ylpyrazole)(Tojo, M. et al., Cancer Sci. 96, 791, 2005)、D4476(4-[4-(2,3-Dihydro-1,4-benzodioxin-6-yl)-5-(2-pyridinyl)-1H-imidazol-2-yl]benzamide)(Callahan et al., J. Med. Chem. 45, 999, 2002)、LY364947([3-(Pyridin-2-yl)-4-(4-quinonyl)]-1H-pyrazole)(Sawyer et al., J. Med. Chem. 46, 3953, 2003)、SD208(2-(5-Chloro-2-fluorophenyl)-4-[(4-pyridyl)amino]pteridine)(Kapoun,A. et al., Mol. Pharmacol. 70, 518, 2006)、ALK5 inhibitor(TGFβRI kinase inhibitor II)(2-(3-(6-methylpyridine-2-yl)-1H-pyrazol-4-yl)-1,5-naphthyridine)(Gellibert, F. et al., J. Med. Chem. 47, 4494, 2004)なども、ALK4、ALK5、ALK7を阻害するため、同様に造血幹細胞の増幅作用があると考えられる。(f)Bryostatin 1(7β-Acetoxy-5β,9β:11β,15β:19α,23α-triepoxy-3α,9α,19β-trihydroxy-25β-[1(R)-hydroxyethyl]-13,21-bis(methoxycarbonylmethylene)-8,8,18,18-tetramethyl-20α-[octa-2(E),4(E)-dienoyloxy]pentacosa-16(E)-enolide)は、天然のマクロラクトン化合物である。短時間的にはほぼ全種類のPKC(protein kinase C)を活性化するが、長時間的にはPKC活性化を抑制する(Gschwend, J.E. et al., Mol. Pharmacol. 57, 1224, 2000)。同じくPKCを活性化する発がんプロモーターTPA(12-O-テトラデカノイルフォルボール13-アセテート)のアゴニストとして作用するため抗がん作用がある(Carcinogenesis 8, 1343, 1987)。SCF存在下で、Bryostatin 1は強力に造血幹細胞を増幅するが、細胞分化も進めてしまう(実施例1)。また、SCF等蛋白質因子なしで単独でも造血幹細胞を生存維持及び増幅できる(実施例2)。ただし、単独では造血幹細胞を十分に増幅できないため、他の化合物やペプチドと共に使用することが好ましい(実施例2)。Bryostatin 1によるPKC活性化の結果、細胞の一部はプラスチック培養皿への付着や細胞同士の接着によるコロニー形成が観察される。 天然のBryostatinはBryostatin 1からBryostatin 20まで類似体が発見されており、構造を単純化した類似アナログも合成されているが、全て同様の生理活性を持つことから、Bryostatin 1以外のBryostatinメンバーやその誘導体も造血幹細胞に対して同じ増幅効果があると考えられる。(g)Bay K8644(Methyl 2,6-dimethyl-5-nitro-4-[2-(trifluoromethyl)phenyl]-1,4-dihydropyridine-3-carboxylate)は、L型Caチャンネル活性化因子であり、PKCを活性化する(Sen N. et al. Biochem. Pharmacol. 53, 1307, 1997)。Bryostatin 1と同様の作用によって造血幹細胞を増幅させることができるが、Bryostatin 1ほど強力ではない(実施例1)。 他に、Indolactam V((2S,5S)-1,2,4,5,6, 8-Hexahydro-5-(hydroxymethyl)-1-methyl)-3H-pyrrolo[4,3,2-gh]-1,4-benzodiazonin-3-one)(Chen S. et al., Nature Chem. Biol. 5, 258, 2009)、Mezerein(12beta-[(E,E)-5-Phenyl-2,4-pentadienoyloxy]daphnetoxin)(Slaga, T.J. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 77, 3659, 1980)、SC-9(5-Chloro-N-(6-phenylhexyl)-1-naphthalenesulfonamide)(Ito et al, Biochem. 25, 4179, 1986)、Gnidimacrin(Yoshida, M. et al., Int. J. Cancer 77, 243, 1998)等も、PKCを活性化する化合物として知られており、同様に造血幹細胞増幅作用があると考えられる。(h)アミノ酸配列RFARKGALRQKNV(配列番号3)で表されるペプチドは、PKCα及びPKCβの偽基質領域アミノ酸配列であり、PKCγの配列とは1アミノ酸残基が異なるだけでありPKCα、PKCβ、PKCγ全てを阻害する(Eicholz, T. et al., J. Biol. Chem. 268, 1982, 1993)。このペプチドにミリスチン酸を結合させたぺプチド(Myr-PKC peptide inhibitorという。)は膜透過性が高められている。膜透過性付与のためミリスチン酸以外にRRRRRRRRRRR(配列番号8)、Ac-YGRKKRRQRRR(配列番号7)、GRKKRRQRRR(配列番号6)、フロックハウスウイルスFHV coat由来ペプチド(RRRRNRTRRNRRRVR)(配列番号9)、HIV Rev由来ペプチド(TRQARRNRRRRWRERQR)(配列番号10)、マレイン酸(C2H2(COOH)2)等を付加してもよい。Myr-PKC inhibitor peptideは、造血幹細胞を他の化合物やペプチドの存在下、又はSCF等蛋白質因子存在下において、強力に造血幹細胞を未分化維持しながら増幅させる効果がある(実施例1、2)。 他にStaurosporine([9S-(9α,10β,11β,13α)]-2,3,10,11,12,13-Hexahydro-10-methoxy-9-methyl-11-(methylamino)-9,13-epoxy-1H,9H-diindolo[1,2,3-gh:3',2',1'-lm]pyrrolo[3,4-j][1,7]benzodiazonin-1-one)(Tamaoki et al., Biochem. Biphys. Res. Commun. 135, 397, 1986)、Go 6983(3-[1-[3-(Dimethylamino)propyl]-5-methoxy-1H-indol-3-yl]-4-(1H-indol-3-yl)-1H-pyrrole-2,5-dione)(Young et al, Cardiovasc. Drug Rev. 23, 255, 2005)、Bisindolylmaleimide II(3-(1H-Indol-3-yl)-4-[1-[2-(1-methyl-2-pyrrolidinyl)ethyl]-1H-indol-3-yl]-1H-pyrrole-2,5-dione)(Toullec et al., J. Biol. Chem. 266, 15771, 1991)、LY333531((S)-13-[(Dimethylamino)methyl-10,11,14,15-tetrahydro-4,9:16,21-dimetheno-1H-13H-dibenzo[e,k]pyrrolo[3,4-h][1,4,13]oxadiazacyclohexadecene-1,3(2H)dione](Jirousek et al., J. Med. Chem. 39, 2664, 1996)、Ro-31-8220(Bisindolylmaleimide IX)(3-[3-[2,5-Dihydro-4-(1-methyl-1H-indol-3-yl)-2,5-dioxo-1H-pyrrol-3-yl]-1H-indol-1-yl]propyl carbamimidothioic acid ester mesylate)(Davis et al., FEBS Lett. 259, 61, 1989)、Calphostin C((1R)-2-[12-[(2R)-2-(Benzoyloxy)propyl]-3,10-dihydro-4,9-dihydroxy-2,6,7,11-tetramethoxy-3,10-dioxo-1-perylenyl]-1-methylethylcarbonic acid 4-hydroxyphenyl ester)(Pollack et al., J. Neurooncol. 31, 255, 1997)、Chelerythrine chloride(1,2-Dimethoxy-12-methyl[1,3]benzodioxolo[5,6-c]phenanthridinium chloride)(Herbert et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 172, 993, 1990)、PKC412(CGP41251)([9S-(9α,10β,11β,13α)]-N-(2,3,10,11,12,13-Hexahydro-10-methoxy-9-methyl-1-oxo-9,13-epoxy-1H,9H-diindolo[1,2,3-gh:3',2',1'-lm]pyrrolo[3,4-j][1,7]benzodiazonin-11-yl)-N-methylbenzamide)(Fabbro et al., Anticancer Drug Des. 15, 17, 2000)等は、PKCを阻害する化合物(抗癌剤)であるため、同様に造血幹細胞の増幅作用があると考えられる。(i)Forskolin(Colforsin)(7β-Acetoxy-8,13-epoxy-1α,6β,9α-trihydroxy-labd-14-en-11-one)は、Adenylate cyclase(アデニル酸シクラーゼ)を活性化する膜透過性のジテルペノイドであり、細胞内cAMP濃度を上昇させる(Seamon et al., J. Med. Chem. 26, 436, 1983)。cAMP濃度の上昇により結果として下流のPKA(protein kinase A)やEpac(exchange protein activated by cAMP)、cAMP-GRF(camp-regulated guanine nucleotide exchabge factor)等を活性化する。Forskolinは細胞分化も亢進するが造血幹細胞の増幅効果がある(実施例1、2)。ForskolinとPKA阻害ペプチドを同時添加すると、Bryostatin 1添加によって生じる培養皿や細胞間接着の阻害効果がある。 他に, HSDGIFTDSYSRYRKQMAVKKYLAAVL又はHSDGIFTDSYSRYRKQMAVKKYLAAVLGKRYKQRVKNKなるアミノ酸配列のPituitary Adenylate Cyclase Activating Polypeptide(PACAP/下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド)(Kobayashi,H. et al., Brain Res. 647, 145, 1994)、NB001(5-[[2-(6-Amino-9H-purin-9-yl)ethyl]amino]-1-pentanol)(Wang, H. et al., Sci. Transl. Med. 3, 65ra3, 2011)、 種々のForskolin誘導体等も、adenylate cyclase活性化作用があり、造血幹細胞に増幅効果があると考えられる。(j)Rolipram(4-[3-(cyclopentyloxy)-4-methoxyphenyl]-2-pyrrolidinone)は、cAMPを分解してAMPを産生する酵素phosphodiesterase 4/PDE4の活性を阻害する(Blvalacqua, T.L. et al., J. Urol. 162, 1848, 1999)。Rolipram添加によって細胞内cAMP濃度が上昇するので、Florskolinと同様の生理活性がある。Rolipramを加えると造血幹細胞の増幅がやや促進される(実施例1、2)。 他に、GEBR-7b(PDE4Dinhibitor)((E)-3-(cyclopentyloxy)-4-methoxybenzaldehyde, O-2-(2,6-dimethylmorpholino)-2-oxoethyl oxime)(Bruno, O. et al., J. Med. Chem. 52, 6546, 2009)、IBMX(1-Methyl-3-Isobutylxanthine Isobutylmethylxanthine)(Beavo, J.A. et al., Mol. Pharmacol. 6, 597, 1970)などもPDEの阻害作用があり、同様に造血幹細胞の増幅を亢進すると考えられる。(k)Histamine dihydrochloride(Histamine2HCl)は、内在性ヒスタミン受容体H1、H2のアゴニストであり、H2活性化によりAdenylate cylaseを活性化し結果としてPKA等を活性化する。また、H1活性化によりカルシウムが動員され結果としてPKC等を活性化する。Histamine2HClはForskolinと同様に造血幹細胞の増幅作用がある(実施例1)。 他に、H1及びH2受容体のアゴニストとして、Amthamine dihydrobromide(2-Amino-5-(2-aminoethyl)-4-methylthiazole dihydrobromide)(Leurs et al., Br J. Pharmacol. 112, 847, 1994)、Dimaprit dihydrochloride((S)-(3-Dimethylaminopropyl)isothiourea dihydrochloride)(Parsons et al., Agents Actions 7, 31, 1977)、HTMT dimaleate(6-[2-(4-Imidazoyl)ethylamino]-N-(4-trifluoromethylphenyl)heptanecarboxiamide dimaleate)(Histamine trifluoromethyl toluidide)(Khan et al., I. Immunol. 137, 308, 1986)、等があり、造血幹細胞に対し同様の増幅活性があると考えられる。(l)アミノ酸配列GRTGRRNAI(配列番号4)で表されるペプチドは、特異性の高いPKA阻害ペプチドとして知られている(Mitchell RD., et al., biochemistry 34, 528, 1995)。このペプチドにミリスチン酸を結合させたぺプチド(Myr-PKA peptide inhibitorという。)は膜透過性が高い。膜透過性付与のためミリスチン酸以外に、RRRRRRRRRRR(配列番号8)、Ac-YGRKKRRQRRR(配列番号7)、GRKKRRQRRR(配列番号6)、フロックハウスウイルスFHV coat由来ペプチド(RRRRNRTRRNRRRVR)(配列番号9)、HIV Rev由来ペプチド(TRQARRNRRRRWRERQR)(配列番号10)、マレイン酸(C2H2(COOH)2)等を付加してもよい。Myristoylated PKA inhibitor 14-22 amideは、造血幹細胞を他の化合物やペプチドの存在下、又はSCF等蛋白質因子存在下において、造血幹細胞の細胞分化を抑制しながら増幅させる効果がある(実施例1、2)。 他に、アミノ酸配列TTYADFIASGRTGRRNAIHD(配列番号12)を持つPKA inhibitor 5-24 peptide、アミノ酸配列TYADFIASGRTGRRNAI(配列番号13)を持つPKA inhibitor 6-22 peptide等も、同様に特異性の高いPKA阻害活性があるため、同様に造血幹細胞増幅作用があると考えられる。(m)SQ22536(9-(Tetrahydro-2′-furyl)adenine)は、膜透過性のAdenylate cylaseの阻害剤として知られている(Fabbri,E. et al., J. Enzym. Inhib. 5, 87, 1991)。SQ22536を添加すると造血幹細胞を幾分か増幅促進する(実施例1)。 他に、2',5'-Dideoxyadenosine(Holgate S.T., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 77, 6800, 1980)、MDL-12330A/RMI12330(cis-N-(2-Phenylcyclopentyl)azacyclotridec-1-en-2-amine)(Guellaen, G. et al., Biochim. Biophys. Acta 484, 465, 1977)、NKY80(Adenylate cyclase type V inhibitor)(2-Amino-7-(furanyl)-7,8-dihydro-5(6H)-quinazolinone)(Onda, T. et al., J. Biol. Chem. 276, 47785, 2001)、MANT-GppNHp/mant-GMPPNP(2′/3′-O-(N-Methylanthraniloyl)-β,γ-imidoguanosine-5′-triphosphate)(Neal, S.E. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 87, 3562, 1990)等も、同様にadenylate cyclaseを阻害するので、造血幹細胞増幅作用があると考えられる。(n)740Y-P(RQIKIWFQNRRMKWKKSDGGYMDMS(配列番号5)なるアミノ酸配列のチロシン残基がリン酸化された膜透過性ペプチド)は、PI3K(phosphatidylinositol 3 kinase)を活性化する(Li, J. et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 107, 10280, 2010)。PI3Kの活性化によりPIP3(phosphatidylinositol-3,4,5-triphosphate)が産生され、PIP3はAkt(AKR/J mouse thymoma kinase)/PKB(protein kinsase B)を細胞膜近傍に誘導し、PDK1(3-phosphoinositide-dependent protein kinase 1)を活性化してAkt/PKB、PKC、S6K(ribosomal S6 kinase)をリン酸化活性化することで、下流の様々な細胞増殖・分化・生存・代謝・蛋白質合成等を制御する。 740Y-PをSCF存在下で添加すると、顕著に造血幹細胞を増幅させるが細胞分化も亢進する(実施例1)。また、SCF等の蛋白質因子なしで740Y-P単独でも造血幹細胞を無血清培地で生存及び増幅できる(実施例2)。更に他の化合物と組み合わせて添加することで、SCF等蛋白質因子なしで未分化維持しながら造血幹細胞を増幅させることができる(実施例2)。(o)PS48((2Z)-5-(4-chlorophenyl)-3-phenyl-2-pentenoic acid)は、上述のAkt/PKBをリン酸化するキナーゼPDK1を活性化する(Stroba et al., J. Med. Chem. 52, 4683, 2009)。PI3Kの下流に位置するPDK1を活性化するPS48は、740Y-Pと同様の生理機能を持つと考えられるが、単独では造血幹細胞を増幅できないが、造血幹細胞の増幅を亢進する(実施例1)。(p)SMI-4a(Pim1/2 kinase inhibitor V)((Z)-5-(3-Trifluoromethylbenzylidene) thiazolidine-2,4-dione)は、Pim1(proviral integration site for Moloney murine leukemia virus 1) kinase、Pim2 kinaseを阻害する(Xia, Z. et al., J. Med. Chem. 52, 74, 2009)。Pim1、Pim2は造血細胞に発現しているセリンスレオニンキナーゼであり、その阻害剤は白血病治療薬として使う(Ying-Wei, Y.W. et al., Blood 115, 824, 2010)。SMI-4aの添加によって造血幹細胞を幾分か未分化維持しながら増幅促進できる(実施例1、2)。 他に、SMI-16a (Pim1/2 kinase inhibitor VI)((Z)-5-(4-Propoxybenzylidene) thiazolidine-2,4-dione)(Xia, Z. et al., J. Med. Chem. 52, 74, 2009)、Pim-1 inhibitor 2(4-[3-(4-Chlorophenyl)-2,1-benzisoxazol-5-yl]-2-pyrimidinamine)(Pierce et al., J. Med. Chem. 51, 1972, 2008)、SGI-1776(Pim kinase inhibitor IX)( N-((1-Methylpiperidin-4-yl)methyl)-3-(3-(trifluoromethoxy)phenyl)imidazo[1,2-b]pyridazin-6-amine)(Chen L.S. et al., Blood 114, 4150, 2009)、CX-6258(Pim kinase inhibitor X)((E)-5-Chloro-3-((5-(3-(4-methyl-1,4-diazepane-1-carbonyl)phenyl)furan-2-yl)methylene)indolin-2-one) (Haddach, M. et al., ACS Med. Chem. Lett.3, 602, 2012)、R8-T198wt(アミノ酸配列GGGRRRRRRRRGCKKPGLRRRQTで表されるペプチド)(Morishita et al., J. Biol. Chem. 286, 2681, 1011)、TCS PIM-1 1(3-Cyano-4-phenyl-6-(3-bromo-6-hydroxxy)phenyl-2(1H)-pyridone )(Cheney et al., Bioorg. Med. Chem. Letts. 17, 1679, 2007)等も、Pim1、Pim2を阻害することから造血幹細胞の増幅作用が持つと考えられる。R8-T198wt(アミノ酸配列GGGRRRRRRRRGCKKPGLRRRQTで表されるペプチド)(Morishita et al., J. Biol. Chem. 286, 2681, 1011)、TCS PIM-1 1(3-Cyano-4-phenyl-6-(3-bromo-6-hydroxy)phenyl-2(1H)-pyridone )(Cheney et al., Bioorg. Med. Chem. Letts. 17, 1679, 2007)等も、Pim1/2を阻害することから造血幹細胞の増幅作用が持つと考えられる。(q)SAG(N-Methyl-N'-(3-pyridinylbenzyl)-N'-(3-chlorobenzo[b]thiophene-2-carbonyl)-1,4-diaminocyclohexane)は、ヘッジホッグ(Hedgehog)のアゴニストであり(Frank-Kamenetsky, M. et al., J. Biol. 1, 10, 2002)、Smoothened(SMO)に直接結合し、Hhシグナル伝達経路を活性化する。Hedgehog(Hh/ヘッジホッグ)シグナル伝達経路は、胎児発生の位置決定に重要な役割を担っているが、成体組織の維持や再生にも関わっている。癌幹細胞の産生にもHhが作用すると考えられており、抗腫瘍薬として様々なHh阻害剤が開発されている。Hhシグナルの標的はSMOである。SAG添加によって幾分か造血幹細胞の増幅が亢進する(実施例1)。 他に、Purmorphamine(9-cyclohexyl-N-[4-(morpholinyl)phenyl]-2-(1-naphthalenyloxy)-9H-purin-6-amine)(Sinha, S. et al., Nature Chem. Biol. 2, 29, 2006)、20(S)-Hydroxycholesterol((3β)-Cholest-5-ene-3,20-diol)(Dwyer et al., J. Biol. Chem. 282, 8959, 2007)等もHhシグナルを活性化するため、造血幹細胞の増幅作用があると考えられる。(r)BIX-01294 (2-(Hexahydro-4-methyl-1H-1,4-diazepin-1-yl)-6,7-dimethoxy-N-[1-(phenylmethyl)-4-piperidinyl]-4-quinazolinamine trihydrochloride)は、染色体に結合するヒストン蛋白質をメチル化する酵素の一つであるG9a histone methyltransferase(G9aヒストンメチル基転移酵素)を阻害する(Kubicek et al., Mol. Cell 25, 473, 2007)。BIX01294は造血幹細胞の増幅を促進する(実施例1、2)。 他に、UNC0224(histone methyltransferase inhibitor V)(7-(3-Dimethylaminopropoxy)-6-methoxy-2-(4-methyl-1,4-diazepan-1-yl)-N-(1-methylpiperidin-4-yl)quinazolin-4-amine)(Liu, F. et al., J. Med. Chem. 52, 7950)なども同様の活性を持つため、造血幹細胞の増幅を促進すると考えられる。 本発明の造血幹細胞を増殖させるためには、本発明の組成物を含む適当な培地、好ましくは無血清培地で造血幹細胞を培養する。 培地は、造血幹細胞の生存や増殖が阻害されない限り特に限定されないが、例えば、StemSpan(Stem Cell technologies)、STEMα(STEM ALPHA)、StemPro-34無血清培地(Gibco Invitrogen)、StemPro MSC無血清培地(Invitorogen)、HSC-CFU培地(Miltenyl Biotech)、S-Clone無血清培地(SF-02、SF-03、CM-B、SF-B)(三光純薬)、HPGM培地(三光純薬)、AIM V培地(Invitorogen)、Marrow MAX骨髄培地(Invitrogen)、KnockOut DMEM/F-12培地(Invtrogen)、Stemline造血幹細胞増殖培地(Sigma)、SYN無血清培地(SYN H、SYN B)(AbCys SA)、SPE IV培地(AbCys SA)、MyeloCult培地(StemCell Technologies)、HPG無血清培地(Lonza)、UltraCULTURE培地(Lonza)、Opti-MEM培地(Gibco Invitrogen他)、MEM培地(Gibco Invitrogen他)、MEMα(Gibco Invitrogen他)、DMEM培地(Gibco Invitrogen他)、IMDM培地(Gibco Invitrogen他)、PRMI1640培地(Gibco Invitrogen他)、Ham F-12培地(Gibco他)、RD培地等を用いることができる。 培地には更に、例えば、インスリン、トランスフェリン、ラクトフェリン、2−メルカプトエタノール、エタノールアミン、亜セレン酸ナトリウム、HEPES、モノチオグリセロール、ピルビン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、各種ビタミン、各種アミノ酸、各種増殖因子、各種抗生物質、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、LDLリポ蛋白質、プロスタグランジンE1ないしE2、StemRegenin 1(SR1、アリル炭化水素受容体アンタゴニスト)、5-AzaD(5-aza-2'-deocycitidine D)、TSA(trichostatin)、TEPA(銅キレート剤)、細胞外マトリックスとしてコラーゲン(タイプI、III、IV、V、VI、VII、VIII等)、フィブロネクチン、バイグリカン、デコリン、ラミニン、等を添加してもよい。なお、培地に動物由来の血清を添加してもよい。血清を使う場合はヒト血清が好ましく、移植予定患者の血清を用いることがより好ましい。 本発明の造血幹細胞を増殖させるためには、本発明の組成物を培地に添加し培養するが、骨髄ストローマ細胞など造血幹細胞を支持するフィーダー細胞等と共培養してもよいし、骨髄ストローマ細胞培養上清と共に培養してもよい。また、本発明の組成物を様々な担体を介して又は介さずにシャーレ等培養器(装置)に付着又は共有結合させて培養してもよいし、本発明の組成物の各因子を発現させたフィーダー細胞と共培養してもよい。 培地中のSCFの濃度は、0.1 ng/ml〜1 μg/ml、好ましくは1〜500 ng/ml、より好ましくは10〜200 ng/mlである。 培地中に添加する2-Cl-C.OXT-A、DOPA、SB203580、SB431542、Bay K8644、Forskolin等の濃度は、通常約 0.1μM〜1mM、好ましくは0.5〜500μM、より好ましくは1〜50μMである。 培地中に添加するL-JNKi 1、Arg11-p38/JNK inhibitor peptide、Myr-p38/JNK inhibitor peptide、Myr-PKA inhibitor peptide、Myr-PKC inhibitor peptide、740Y-P等の濃度は、通常0.1μg/ml〜1mg/ml、好ましくは0.5〜500μg/ml、より好ましくは2〜100μg/mlである。Bryostatinの濃度は、通常0.1nM〜1μM、好ましくは0.5〜200nM、より好ましくは1〜50nMである。SAG、SMI-4a(Pim1/2 kinase inhibitor V)、BIX01294等の濃度は、通常10nM〜100μM、好ましくは50nM〜10μM、より好ましくは0.1〜2μMである。PS48、Rolipramの濃度は、通常0.1μM〜500μM、好ましくは0.5μM〜200μM、より好ましくは1μM〜50μMである。SQ22536、Histamine dihydrochlorideは、通常1μM〜10mM、好ましくは10〜1000μM、より好ましくは50〜500μMである。 造血幹細胞(分画)は、培養用シャーレ、フラスコ、プレート、バッグ等、又は自動培養装置に、本発明の組成物やその他の因子や化合物を添加した上記記載の培地、好ましくは無血清培地に浮遊させ、5% CO2、37℃のインキュベーター内で、数日から1ヶ月ほど、好ましくは1週間から3週間程度、培地交換しながら培養することができる。 本発明の組成物は、造血幹細胞を増幅しうる他の因子(自己複製因子、サイトカイン、ケモカイン、増殖因子、増幅因子、分化因子、造血因子等)と共に培地に添加することにより、他の因子の増幅能を格段に増加させる効果がある。 このような他の因子は、培養容器に直接固定又は種々の蛋白質(ペプチド)等の担体を介して共有結合又は非共有結合で固定化して、無血清培地又はヒト血清を含む培地で造血幹細胞を体外で増幅することもできる。 このような他の因子は、造血細胞の生存維持、増殖、増幅、自己複製、未分化維持等を少なくとも促進させる活性のある因子である。このような因子として、例えば、Flt3 ligand、NOV、JAG1細胞外ドメイン、Pleiotrophin、Timp3、Oncostatin M、BMP4、IL6(interleukin 6)とsIL6R(可溶性IL6レセプター)、IL1、IL2、IL3、IL5、IL7、IL8、IL10、IL11、IL16、IL27(C19orf10)、IL31、LIF、TPO(Thrombopoietin)、Notch ligand(Jaggedファミリー/Deltaファミリー)キメラ蛋白質、FGF1(fibroblast growth factor 1)、FGF2、FGF4、FGF8、FGF9、FGF10、FGF17, FGF19、FGF20、EGF、EFEMP1, Ang1(Angiopoietin 1/Tie2 ligand)、IGF1(insulin binding protein 1)、IGF2、IGFBP2(IGF binding protein 2)、IGFBP3、IGFBP6、IGFBP7/IGFBPrP1、Wisp2、NOV(IGFBP9)、LGALS1(Galectin)、Angpl(Angiopoietin-like protein)ファミリーのAngpl2、Angpl3、Angpl5、Angptl7やMfap4、PRG4(Hemangiopoietin/Lubricin)、GAS6、VEGFA(Vascular endothelial growth factor A)、VEGFB、VEGFC、VEGF-D、PGF/PLGF(placental growth factor)、GRN(Granulin)、PTN、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、Wnt5a、Wnt5b、Wnt7a、Wnt7b、Wnt10b、Wnt16、TGFβ、SDF1(stromal cell-derived factor 1)、G-CSF、EPO、GM-CSF、CTC、CT-1、PDGF、PrP(prion protein)、Sonic hedgehog、Indian hedgehog、Desert hedgehog、RANTES、種々のケモカイン、MIP-1α、EGF、等が挙げられる。 ヒト造血幹細胞は、臍帯血、胎児肝臓、骨髄、胎児骨髄、末梢血、G-CSF等のサイトカインや抗癌剤の投与によって幹細胞を動員した末梢血等から純化することができる。ヒトES細胞、ヒトiPS細胞より造血幹細胞や造血系プロジェニター細胞に誘導された細胞、更にはヒト体細胞から遺伝子操作等で直接作成された造血幹細胞やプロジェニター細胞を用いることもできる。これらから、抗体を用いて免疫学的に染色し、セルソーター、磁気ビーズ等を用いて分離するか、ロゼット形成による細胞分離法や各種自動分離装置等を用いて分離することにより造血幹細胞を濃縮した分画を取得できる。 ヒト造血幹細胞のマーカーとしてはCD34陽性、CD38弱陽性(陰性)、CD133陽性、KDR陽性、CD90(Thy-1)陽性、CD117(c-Kit)陽性等が知られており、細胞分化抗原陰性等と組み合わせて用いることができる。さらに、ヒト骨髄や臍帯血や末梢血由来等の造血幹細胞としてSP(side population)細胞(Hoechst33342陰性細胞)を用いてもよい。 また、造血幹細胞を純化(単離)又は濃縮することなく、ヒト骨髄、臍帯血、抹消血等から赤血球等を除いた有核(又は単核)細胞又は幹細胞分画をそのまま培養に用いることもできる。ヒトES細胞やiPS細胞、またヒト体細胞から直接造血幹細胞や造血系プロジェニター細胞に誘導した細胞を純化することなく用いることもできるし、上記方法で純化した造血幹細胞やプロジェニター細胞を用いることもできる。 以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。 以下の実施例において、全細胞数(即ち、造血幹細胞の培養後に存在する分化した細胞を含む総細胞数)はヘマサイトメーターで測定した。全細胞増幅倍率は、増幅前後の全細胞数の変化(倍率)として表す。ここでは、CD34陽性を造血幹細胞の指標とするが、CD34は幾らか分化系列決定した一部progenitor cells(前駆細胞)にも発現している。CD34陽性細胞割合は、増幅した全細胞を、FITCラベルCD34抗体とPEラベルCD133抗体で反応させ、フローサイトメーター(FACS)(Guava easyCyte5 Flow Cytometer)によって全細胞中のCD34陽性細胞の割合(%)を測定し表示した。CD34陽性細胞増幅率は、培養前のCD34陽性造血幹細胞数に対する増幅したCD34陽性細胞数の比(全細胞増幅倍率×CD34陽性細胞割合)を表す。実施例1 ヒト臍帯血CD34陽性細胞(Lonza)(CD34陽性細胞97%以上)を造血幹細胞として用いた。無血清培地StemSpan SFEM(StemCell Technologies)に、ヒトSCF(PeproTech)(20 ng/ml)を添加した。これに細胞内シグナル伝達経路を活性化又は阻害する下記化合物又はペプチドを表1及び2示す濃度で添加した培地を準備した。(1)2-Cl-C.OXT-A(上記(a)の化合物、和光純薬工業株式会社)、(2)DOPA(上記(b)の化合物、Santa Cruz Biotechnology)、(3)L-JNKi 1(Santa Cruz Biotechnology)(上記(c)のペプチド)、(4)Arg11-p38/JNK inhibitor peptide(上記(d)のペプチドのN末端にアルギニン11個を付加したペプチドをスクラム社にて合成したもの)、(5)Myr-p38/JNK inhibitor peptide(上記(d)のペプチドのN末端にミリスチン酸を有するペプチドをスクラム社にて合成したもの)、(6)SB431542 n-hydrate(上記(e)の化合物、和光純薬工業株式会社)、(7)Bryostatin 1(上記(f)の化合物、ENZO Life Sciences)、(8)Bay K8644(上記(g)の化合物、ENZO Life Sciences)、(9)Myr-PKC inhibitor peptide(上記(h)のペプチド、Promega)、(10)Forskolin(上記(i)の化合物、和光純薬工業株式会社)、(11)Rolipram(上記(j)の化合物、Cayman Chemical)、(12)Histamine2HCl(上記(k)の化合物、Alexis)、(13)Myr-PKA inhibitor peptide(上記(l)のN末端にミリスチン酸を有するペプチド、Calbiochem)、(14)SQ22536(上記(m)の化合物、Cayman Chemical)、(15)740Y-P(上記(n)のペプチド、Tocris Bioscience)、(16)PS48(上記(o)の化合物、Sigma-Aldrich)、(17)SMI-4a(上記(p)の化合物、Calbiochem)、(18)SAG(上記(q)の化合物、ENZO Life Sciences)、(19)XIB-01294(上記(r)の化合物、Cayman Chemical) 96穴プレート1穴に、上記各培地300μlにCD34陽性細胞を1.5〜3.0×104細胞(5〜10×104細胞/ml)を入れ、5%CO2、37℃で培養した。同じ成分を含む新鮮培地で4日おきに部分交換しながら12日間培養した。12日目に全細胞数を計測後、FITC-CD34抗体(Beckton Dickinson)及びPE-CD133抗体(Miltenyi)と反応させ、FACSを用いてCD34陽性細胞の割合(%)を測定し、全細胞数増幅率、CD34陽性細胞割合、及びCD34陽性細胞増幅率を算出した。 結果を表1に示し、増幅後の全細胞のフローサイトメーター(FACS)解析データの代表例を図1に示す。CD34は造血幹細胞の細胞表面マーカーであり、その抗体(FITCという蛍光物質を付けてある)が結合する細胞はCD34陽性細胞、つまり造血幹細胞と判断した。ヒストグラム中の蛍光強度10以上がCD34陽性細胞である。 表1の造血幹細胞増幅率を見ると、SCFのみ(20 ng/ml)では12日間で造血幹細胞(CD34陽性細胞)は2.6倍にしか増幅できないが(No.1)、本願発明の化合物又はペプチドを添加することで、CD34陽性細胞を約3.0〜6.6倍まで増幅できることが分かる。 SCF存在下では、SB431542(No.6)、Bryostatin 1(No.7)、Forskolin(No.10)、740Y-P(No.15)は、全細胞増幅倍率が高いが、CD34陽性細胞割合がSCF単独と比べ低下し、CD34陽性細胞の大幅な増幅と共に細胞分化もある程度進行してしまうことが分かる。しかし、それ以外の化合物やペプチドは多かれ少なかれSCF単独よりも増幅しているにも関わらずCD34陽性細胞割合はSCF単独と同等又は上昇することから、未分化維持しながら造血幹細胞を増幅させていることが分かる。実施例2 本実施例では、実施例1で示した化合物又はペプチドを、SCF等蛋白質因子なしで、単独又は様々に組み合わせて造血幹細胞を増幅させた例を示す。 各化合物又はペプチドは表記の濃度で添加した。培養方法及び測定方法は実施例1と同じ方法による。 結果を表2に示し、増幅後の全細胞のFACS解析データの代表例を図2に示す。 本願発明の化合物/ペプチドを添加しない場合(即ち、無血清培地StemSpan SFEM)には、細胞は成長できず死滅する(No.1)。 表2から、Bryostatin 1(No.1)又は740Y-P(No.2)は、SCF等蛋白質因子なしで単独でも造血幹細胞を生存維持できることが分かる。また、Bryostatin 1はSCF存在時(表1)と比べCD34陽性細胞割合が高い(No.2)。 しかし、Bryostatin 1又は740Y-Pに今回見出した様々な化合物やペプチドを同時に添加することで、蛋白質因子なしでもCD34陽性細胞を約2.7倍から7.3倍まで増幅できる(No.4〜No.17)。組み合わせは、これらに限らず様々な組み合わせが可能であり、SCFを始めとした蛋白質因子を添加してもよい。下記(1)及び(2)の因子から成るヒト造血幹細胞を増幅させるための組成物。(1)幹細胞因子(SCF)(2)下記(a)〜(r)のから成る群から選択される少なくとも1種の化合物又はペプチド(a) 2-Cl-C.OXT-A(2-Chloro-9-[2α,3β-bis(hydroxymethyl)cyclobutyl]-9H-purine-6-amine)、(b) DOPA(dioleoyl phosphatidic acid)、(c) アミノ酸配列RPKRPTTLNLFPQVPRSQDT(配列番号1)で表されるペプチド、(d) アミノ酸配列HPFFTLHESKGTDVASFVKLILGD(配列番号2)で表されるペプチド、(e) SB431542(4-[4-(1,3-benzodioxol-5-yl)-5-pyridin-2-yl-1H-imidazol-2-yl] bensamide)、(f) Bryostatin 1(7β-Acetoxy-5β,9β:11β,15β:19α,23α-triepoxy-3α,9α,19β-trihydroxy-25β-[1(R)-hydroxyethyl]-13,21-bis(methoxycarbonylmethylene)-8,8,18,18-tetramethyl-20α-[octa-2(E),4(E)-dienoyloxy]pentacosa-16(E)-enolide、(g) Bay K8644(Methyl 2,6-dimethyl-5-nitro-4-[2-(trifluoromethyl)phenyl]-1,4-dihydropyridine-3-carboxylate)、(h) アミノ酸配列RFARKGALRQKNV(配列番号3)で表されるペプチド、(i) Forskolin(colforsin)(7β-Acetoxy-8,13-epoxy-1α,6β,9α-trihydroxy-labd-14-en-11-one)、(j) Rolipram(4-[3-(cyclopentyloxy)-4-methoxyphenyl]-2-pyrrolidinone)、(k) Histamine dihydrochloride(ヒスタミン二塩酸塩)、(l) アミノ酸配列GRTGRRNAI(配列番号4)で表されるペプチド、(m) SQ22536(9-(Tetrahydro-2′-furyl)adenine)、(n) 740Y-P(RQIKIWFQNRRMKWKKSDGGYMDMS(配列番号5)なるアミノ酸配列のチロシン残基がリン酸化された膜透過性ペプチド)、(o) PS48((2Z)-5-(4-chlorophenyl)-3-phenyl-2-pentenoic acid)Forskolin(colforsin)(7β-Acetoxy-8,13-epoxy-1α,6β,9α-trihydroxy-labd-14-en-11-one)、(p) SMI-4a(Pim1/2 kinase inhibitor V)((Z)-5-(3-Trifluoromethylbenzylidene) thiazolidine-2,4-dione)、(q) SAG(N-Methyl-N'-(3-pyridinylbenzyl)-N'-(3-chlorobenzo[b]thiophene-2-carbonyl)-1,4-diaminocyclohexane)、(r) BIX-01294 (2-(Hexahydro-4-methyl-1H-1,4-diazepin-1-yl)-6,7-dimethoxy-N-[1-(phenylmethyl)-4-piperidinyl]-4-quinazolinamine trihydrochloride)下記(f)又は(n)の因子から成るヒト造血幹細胞を増幅させるための組成物。(f) Bryostatin 1(7β-Acetoxy-5β,9β:11β,15β:19α,23α-triepoxy-3α,9α,19β-trihydroxy-25β-[1(R)-hydroxyethyl]-13,21-bis(methoxycarbonylmethylene)-8,8,18,18-tetramethyl-20α-[octa-2(E),4(E)-dienoyloxy]pentacosa-16(E)-enolide、(n) 740Y-P(RQIKIWFQNRRMKWKKSDGGYMDMS(配列番号5)なるアミノ酸配列のチロシン残基がリン酸化された膜透過性ペプチド)下記(3)及び(4)の因子から成るヒト造血幹細胞を増幅させるための組成物。(3)下記(f)及び(n)から成る群から選択される少なくとも1種の化合物又はペプチド(f) Bryostatin 1(7β-Acetoxy-5β,9β:11β,15β:19α,23α-triepoxy-3α,9α,19β-trihydroxy-25β-[1(R)-hydroxyethyl]-13,21-bis(methoxycarbonylmethylene)-8,8,18,18-tetramethyl-20α-[octa-2(E),4(E)-dienoyloxy]pentacosa-16(E)-enolide、(n) 740Y-P(RQIKIWFQNRRMKWKKSDGGYMDMS(配列番号5)なるアミノ酸配列のチロシン残基がリン酸化された膜透過性ペプチド)(4)下記(a)、(c)、(d)、(e)、(h)、(i)、(j)、(l)、(p)及び(r)から成る群から選択される少なくとも1種の化合物又はペプチド(a) 2-Cl-C.OXT-A(2-Chloro-9-[2α,3β-bis(hydroxymethyl)cyclobutyl]-9H-purine-6-amine)、(c) アミノ酸配列RPKRPTTLNLFPQVPRSQDT(配列番号1)で表されるペプチド、(d) アミノ酸配列HPFFTLHESKGTDVASFVKLILGD(配列番号2)で表されるペプチド、(e) SB431542(4-[4-(1,3-benzodioxol-5-yl)-5-pyridin-2-yl-1H-imidazol-2-yl] bensamide)、(h) アミノ酸配列RFARKGALRQKNV(配列番号3)で表されるペプチド、(i) Forskolin(colforsin)(7β-Acetoxy-8,13-epoxy-1α,6β,9α-trihydroxy-labd-14-en-11-one)、(j) Rolipram(4-[3-(cyclopentyloxy)-4-methoxyphenyl]-2-pyrrolidinone)、(l) アミノ酸配列GRTGRRNAI(配列番号4)で表されるペプチド、(p) SMI-4a(Pim1/2 kinase inhibitor V)((Z)-5-(3-Trifluoromethylbenzylidene) thiazolidine-2,4-dione)、(r) BIX-01294 (2-(Hexahydro-4-methyl-1H-1,4-diazepin-1-yl)-6,7-dimethoxy-N-[1-(phenylmethyl)-4-piperidinyl]-4-quinazolinamine trihydrochloride)請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を添加した培地で、ヒト造血幹細胞を培養することから成る増幅したヒト造血幹細胞の製法。前記培地が、無血清培地、又はヒト血清を含む培地である請求項4に記載の製法。請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を含む、無血清又はヒト血清から成るヒト造血幹細胞培養用培地。 【課題】ヒト造血幹細胞を増幅する低分子化合物又はペプチド組成物及び方法を提供する。【解決手段】細胞増殖に関わる細胞内シグナル経路を活性化又は阻害するDOPA&Bryostatin 1等の低分子化合物又は特定配列のぺプチドを単独又は組み合せて培地に添加することでSCF(幹細胞因子)存在下及びSCF非存在下で造血幹細胞を効率よく増幅することができる組成物。前記組成物を添加した培地で、ヒト造血幹細胞を培養することから成る増幅したヒト造血幹細胞の製法。前記組成物を含む、無血清又はヒト血清から成るヒト造血幹細胞培養用培地。【選択図】なし配列表