生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_酵母・細菌共通培養方法およびこれに用いる酵母・細菌共通培養培地
出願番号:2013047588
年次:2014
IPC分類:C12N 1/16,C12N 1/20,C12Q 1/04,C12N 1/00


特許情報キャッシュ

相良 貴子 東 竜太 JP 2014171443 公開特許公報(A) 20140922 2013047588 20130311 酵母・細菌共通培養方法およびこれに用いる酵母・細菌共通培養培地 株式会社コーセー 000145862 特許業務法人 小野国際特許事務所 110000590 相良 貴子 東 竜太 C12N 1/16 20060101AFI20140826BHJP C12N 1/20 20060101ALI20140826BHJP C12Q 1/04 20060101ALI20140826BHJP C12N 1/00 20060101ALI20140826BHJP JPC12N1/16 BC12N1/20 AC12Q1/04C12N1/00 F 11 OL 10 4B063 4B065 4B063QA01 4B063QQ07 4B063QR69 4B063QX01 4B063QX10 4B065AA26X 4B065AA42X 4B065AA53X 4B065AA73X 4B065BB02 4B065BB03 4B065BB06 4B065BB12 4B065BB15 4B065BB16 4B065BB17 4B065BC02 4B065BC03 4B065BD39 4B065BD43 4B065CA46 本発明は、酵母と細菌を同一培地中で増殖させることのできる培養方法に関し、更に詳細には、医薬品・化粧品等の酵母、細菌が存在することが問題となる検体について、これらの存在が極めて少ないか、あるいは存在しないことを保証するための試験における、酵母と細菌を同一培地中で一緒に増殖可能な培養方法およびそのために使用される共通培養培地に関する。 酵母は、真核生物であるのに対し、細菌は原核生物であるため、共に培地中での培養は可能であっても、従来、そのために使用する培地としては別のものが使用されていた。 例えば、日本薬局方に収載されている微生物限度試験は、医薬品・化粧品等の微生物汚染の有無を確認する検査法であり、製品の出荷判定として用いられることが多いが、近年の改訂(非特許文献1)により、検査対象菌株として、従来の細菌の他、酵母であるカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)が追加された。 そしてこの結果、同一検体について、酵母用培地と細菌用培地で別個にこれらを増殖させるための培養を行い、その後、各検査対象菌株の存在を個別に検出、確認することが実施されている。そして、この従来法では、原核生物であり、増殖速度の速い細菌では、増殖培養の時間が比較的短くてすむため、最終的な検査、判定までの時間は、2日程度と短いのに対し、真核生物に属する酵母であるカンジダ・アルビカンスは、増殖培養時間が長いため、判定終了までには、5日間程度かかっていた。 このように、同じ検体の判定であっても、細菌用と酵母用の別個の培地による培養が必要であるため、培養の終了時間が異なり、検査の手続が煩雑になると共に、最終的に検査が終了し、製品の出荷が行えるようになるまでに時間がかかるという問題があった。 このようなことから、酵母と細菌を同一培地中、同一時間で培養した培養物中から、次の微生物存在確認試験に使用できる試料を得ることが求められるが、現在に至るまで、そのような条件を満たすような培地は提供されていない。2009年第15改正日本薬局方第一追補 本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、仮に細菌・酵母が検体中に混入していた場合に、それらを共に検出可能にまで培養可能な、酵母・細菌共通培養方法およびこれに用いる酵母・細菌共通培養培地を提供するものである。 本発明者らは、上記課題を解決すべく、微生物の培養方法およびそのための培地に関し鋭意検討を行った。そしてその結果、細菌用培地において、細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を向上させることにより、同一の培地中で検体中の酵母と細菌を共に検出可能な数まで増殖でき、これらが検出可能であることを見出し、本発明を完成した。 すなわち本発明は、細菌培養用培地を用い、細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を向上させる条件下で、細菌および酵母を含有する可能性のある検体を培養することを特徴とする酵母・細菌共通培養方法である。 また本発明は、細菌培養用培地を用い、細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を向上させる条件下で検体を培養した後、当該培養物中の細菌および酵母をそれぞれ検出することを特徴とする検体中の細菌および酵母の検出方法である。 更に本発明は、レシチンおよび非イオン性界面活性剤が加えられたトリプトンソイ培地に、更に酸性成分または緩衝剤を加え、そのpHを、5ないし6.5としてなることを特徴とする酵母・細菌共通培養培地である。 更にまた本発明は、上記酵母・細菌共通培養培地に、追加糖成分として1〜8g/Lとなる量の、グルコース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、スクロースおよびデキストリンから選ばれる糖成分を添加してなる、酵母・細菌共通培養培地である。 本発明方法によれば、検体中に存在する可能性のある細菌と酵母とを同時に培養、増殖させることができるので、これらを別個の培地で、しかも異なる時間培養していた従来法と比べ、検査手続を簡素化することができる。また、酵母増殖のための培養が短縮するため、検査に要する全体の時間も短縮し、製品の検査、出荷のための時間も短くすることができる。 本発明は、主に日本薬局方に収載されている微生物限度試験の改良に関するものであり、医薬品や化粧品(以下、「製品」ということがある)中に存在する可能性のある細菌および酵母(以下、「検査微生物」と総称することがある)を増殖するための培養工程において、同一の培養培地を用い、同一時間で検査微生物の培養をおこなうものである。 本発明方法では、基本的には細菌用培養培地を用いるが、これを細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖が向上する条件で使用するか、当該培地を細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖が向上するように変性するか、あるいはこの双方の技術を採用する。 すなわち、従来提供されていた細菌培養用培地は、細菌の速やかな増殖を追求するものであったため、この中で細菌と共に酵母を培養した場合、酵母の培養が遅れ、その同定に必要な程度にまで増殖させることはできない。しかし、単に培養期間を延長すると、培養液中の栄養素が枯渇してしまうため、酵母が十分に増殖ができなくなり、また、細菌は増殖しすぎて増殖曲線上の死滅期に入ってしまい、いずれも正しく同定できないことがある。一方、微生物限度試験は製品検査に一般的に行われる試験方法であるが、製品製造日程の都合に応じて長時間の培養となる場合があるため、培養時間が長期に亘っても増殖曲線上の対数増殖期を維持することが必要である。そこで本発明では、培養終了時に細菌も酵母も、増殖曲線上で同じ対数増殖期に存在し、かつ酵母を同定可能な程度にまで増殖させるために、培地中での細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を高めるものである。 いいかえると、本発明の細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を向上させる条件下で、細菌および酵母を含有する可能性のある検体を培養するとは、培養終了時に細菌も酵母も、増殖曲線上で同じ対数増殖期に存在し、かつ酵母を同定可能な程度にまで増殖させることを意味する。 具体的に、本発明の培養方法を実施するには、次の手段の何れかを採用できる。(1)細菌用培養培地のpHを、5〜6.5程度、好ましくは、5〜6に調整し、温度を20〜30℃程度、好ましくは20〜25℃として培養する。(2)細菌用培養培地に、追加糖成分として1〜8g/Lの、グルコース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、スクロースおよびデキストリンから選ばれる糖成分を添加した培地を使用し、pHを、5〜6.8程度、好ましくは、5〜6.5、温度を20〜30℃程度、好ましくは20〜25℃として培養する。 本発明において使用される培地は、日本薬局方に収載されている微生物限度試験で用いられる細菌用培養培地であれば特段制約はないが、好ましいものとしては、レシチンおよび非イオン性界面活性剤が加えられたトリプトンソイ培地(SCDLP培地)が挙げられる。 このSCDLP培地は、ペプトン 20g/L、K2HPO42.5、グルコース 2.5g/L、NaCl 5g/Lの組成に、微生物の生長に影響を与えない量のレシチンおよび界面活性剤(ポリソルベート80等)を添加したもので、その使用時のpHは、7.1〜7.5である。この培地は、含まれているレシチンと界面活性剤(ポリソルベート80)により、医薬品や化粧品中に含まれる各種防腐剤や殺菌剤例えば四級アンモニウム化合物やパラオキシ安息香酸エステル類、ビスービグアニド類などを不活性化させるため、これら製品中の細菌や酵母を防腐剤等の影響なく培養することができ、正確にそれら菌を同定できる。なお、市販されているものとしては、「SCDLPブイヨン培地‘栄研’」(栄研化学株式会社製;レシチン1g/L、ポリソルベ−ト80 7g/L含有)が例示できる。 本発明方法の第一の態様は、上記のように細菌用培養培地のpHを、5〜6.5程度、好ましくは、5〜6に調整し、温度を20〜30℃程度、好ましくは20〜25℃として培養するというものであるが、このpHは、酵母(真菌)についての至適pHに近いものである。同様に、上記温度も酵母の至適温度に近い温度である。 このように、培地組成自体は、細菌用のものを使用しながらも、培養条件を酵母(真菌)に適したものとすることで、細菌と酵母の同時培養が可能となるのである。 なお、本発明の第一の態様の実施に有利に利用できる培地としては、SCDLP培地のような細菌用培養培地組成中に、そのpHを、5〜6.5程度とすることのできる塩酸、酢酸、乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素一カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素一ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなどの公知の無機酸あるいは有機酸等の酸性剤または緩衝剤を配合したものを使用すればよい。この中で、特に塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素一カリウムが好適に使用できる。 以上説明した、この方法では、製品から採取した検体を約24〜96時間培養することで、仮にこの製品中に検査微生物が存在した場合、十分に検出可能なレベルまで増殖させることができる。 本発明方法の第二の態様は、第一の態様で使用する細菌用培養培地に、更に追加成分として糖を加えるというものである。この培養培地に追加される糖成分としては、グルコース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、スクロース、デキストリンが挙げられ、その量は、培養時の培地中で1〜8g/Lとなる量である。このように糖が追加された培養培地では、酵母がこの糖を資化することでその増殖が盛んになる。 なお、この第二の態様では、追加等のみならず、更に酵母に好ましい条件で培養することもできる。具体的には、pHを、5〜6.8程度、好ましくは、5〜6.5、温度を20〜30℃程度、好ましくは20〜25℃として培養することができる。 この第二の態様を実施するために使用される培地としては、細菌培養培地中に、1〜8g/Lとなる量のグルコース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、スクロースまたはデキストリンを配合した培地が挙げられる。また、より好ましい結果を得るには、更にこの培地中に、そのpHを、5〜6.8程度とすることのできる公知の酸性剤や、緩衝剤を加えたものを挙げることができる。 この第二の態様でも、約24〜96時間培養することで、仮に製品中に検査微生物が存在した場合、十分に検出可能なレベルまで増殖させることができる。 上記本発明の酵母・細菌共通培養方法で培養された、検査微生物の検出方法について説明する。この検出方法は、従来公知の検査微生物を、医薬品、化粧品についての日本薬局方による微生物限度試験では、細菌である緑膿菌、黄色ブドウ状球菌、大腸菌と、酵母であるカンジダ・アルビカンスを、それぞれの検出に適した培地(以下、「選択培地」という)を用い、これら選択培地に培養物の所定量を個別に塗布、培養し、一定時間後に選択培地に検査微生物の特徴的コロニーが認められるか否かを判定する。 そして、この結果、特徴的コロニーが検出されなかった場合、製品中への微生物混入がないと判断され、製品として出荷が可能となるのである。 この検査微生物の検出方法は、上記医薬品や化粧品はもとより、それ以外の防腐剤や抗菌剤を含む製品について適用でき、製品の安全性を保証することができるものである。 次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。実 施 例 1 以下に示す試験培地を使用し、種々の条件で、細菌・酵母複合菌試料を培養して、細菌と酵母がそれぞれ検出可能な程度まで増殖するかどうかを確認した。増殖は、細菌および酵母について、試験培地と同じ培地を用い、pH6.8、温度32.5℃で培養(標準培養)した場合と比較し、下記増殖スコアを求め、このスコアを総合した増殖性判定基準により評価した。また、増殖時間は、酵母(カンジダ・アルビカンス)が、初期菌数(1〜9CFU/mL)から103CFU/mLにまでかかった時間により下記増殖時間判定基準で評価した。この結果を表1に示す。 [ 試験培地組成 ] ペプトン 20g/L リン酸一水素二カリウム 2.5g/L グルコース 2.5g/L 塩化ナトリウム 5g/L レシチン 1g/L ポリソルベート80 7g/L 脱イオン水 1000 mL [ 細菌・酵母複合菌試料 ] 緑膿菌として、シュードモナス・エルギノーザ(Psudomonas aeruginosa)IFO 13275株、黄色ブドウ球菌として、スタフィロコッカス・アウレウス(Stapyloccus aureus)IFO 13276株、大腸菌として、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)IFO 3972株、酵母として、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)IFO1594株を使用した。これらを、試験培地中に、それぞれ、1〜9CFU/mL、1〜9CFU/mL、1〜9CFU/mL、1〜9CFU/mLとなるように添加し、混合して細菌・酵母複合菌試料とした。 [ 増殖スコア ] 酵母(カンジダ・アルビカンス) 評 点 : 内 容 3 : 標準培養に比べ、培養菌数が2桁(100倍)以上多い。 2 : 標準培養に比べ、培養菌数が1桁(10倍)以上、2桁(100倍) 未満である。 1 : 標準培養に比べ、培養菌数がほぼ1桁(5〜10倍)多い。 0 : 標準培養とほぼ同じ培養菌数(0.7〜5倍)である。 −1 : 標準培養に比べ、培養菌数がほぼ1桁(0.7倍)少ない。 −2 : 培養菌が検出されない。 注)上記酵母の菌数は、クロモアガーカンジダ寒天培地(CHROMagar社製)を用い、混釈培養後、検出した緑青色コロニーをカンジダ・アルビカンスとして計測した。 細 菌(緑膿菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌) 評 点 : 内 容 3 : 細菌数が106CFU/mL以上である。 2 : 細菌数が105CFU/mL以上である。 1 : 細菌数が104CFU/mL以上である。 0 : 細菌数が103CFU/mL以上である。 −1 : 細菌数が102CFU/mL以上である。 −2 : 細菌数が102CFU/mL以下である。 注)上記細菌についての数は、緑膿菌はNAC寒天培地(栄研化学株式会社製)、黄色ブドウ球菌はMS寒天培地(栄研化学株式会社製)、大腸菌はEMB寒天培地(栄研化学株式会社製)をそれぞれ選択培地として用い、混釈培養後、NAC寒天培地では緑色〜青色、MS寒天培地では黄色、EMB寒天培地では黒色のコロニーを、各々の対象細菌数として計測した。緑膿菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌の菌数のうち、最も菌数が少ない菌種の評点を、その培養条件における評点とした。 [ 増殖性判定基準 ] 評 価 : 内 容 ◎ : 細菌の増殖スコアが0〜3で、酵母の増殖スコアが2〜3 ○ : 細菌の増殖スコアが0〜3で、酵母の増殖スコアが1 △ : 細菌の増殖スコアが0〜3で、酵母の増殖スコアが0 × : 細菌の増殖スコアおよび酵母の増殖スコアの少なくとも一方が、−2〜 −1 [ 増殖時間判定基準 ] 評 価 : 内 容 ◎ : 24時間以内 ○ : 24〜48時間 △ : 48〜96時間 × : 96時間以上 注)上記評価の「×」には、一旦増殖したが、その後96時間以内に減少が見 られた場合も含む。 [ 結 果 ] この結果、標準培養条件から温度を下げただけでも「菌増殖性」及び「増殖時間」の向上が認められたが、更にpHを低く調整した場合に顕著な「菌増殖性」及び「増殖時間」改善効果が得られ、培養温度20〜30℃、pH5.0〜6.5の組み合わせ範囲内であれば細菌と酵母の増殖が良好であることが明らかとなった。実 施 例 2 表2に示す、所定量のグルコースを更に加えた試験培地を用い、同表に示す条件下で、実施例1で使用した細菌・酵母複合菌試料を培養し、細菌と酵母がそれぞれ検出可能な程度まで増殖するかどうかを確認した。増殖に関する確認は、実施例1に記載の方法で行った。この結果も表2に示す。 [ 結 果 ] この結果から、グルコース追加添加により「菌増殖性」及び「増殖時間」が向上することが明らかとなった。その効果は標準培養条件でも一部傾向が認められたが、培養温度を20〜32.5℃、pHを5.0〜6.5とした場合に、より顕著な効果が得られた。なお、表1の結果でもpH5.0かつ温度25℃、及びpH6.0かつ温度25℃で良好な「菌増殖性」及び「増殖時間」が示されているが、更にグルコース1〜7.5g/Lを追加添加した表2の方が、より「菌増殖性」及び「増殖時間」に優れていた。しかし、グルコース追加添加量が10g/Lになると逆に酵母の増殖に悪影響が現れ、菌数が減少に転じて「増殖時間」が×となった。実 施 例 3 表3に示す種類および量の各種糖類を実施例1の試験培地に加え、これを用いて、同表に示す条件下で、実施例1で使用した細菌・酵母複合菌試料を培養し、細菌と酵母がそれぞれ検出可能な程度まで増殖するかどうかを確認した。増殖に関する確認は、実施例1に記載の方法で行った。この結果も表3に示す。 [ 結 果 ] この結果から、培地に新たな糖成分としてマルトース、(D)−ガラクトース、(D)−フルクトース、スクロース、デキストリンを添加した場合にも、グルコース追加添加と同様に、「菌増殖性」及び「増殖時間」改善効果があることが明らかとなった。 本発明方法によれば、検体中に存在する可能性のある細菌と酵母とを同時に培養、増殖させることができ、別個の培地で、異なる時間培養していた従来法と比べ、検査手続を簡素化することができる。また、酵母増殖のための培養が短縮するため、検査に要する全体の時間も短縮し、製品の検査、出荷のための時間も短くすることができる。 従って本発明方法は、医薬品・化粧品等の微生物汚染の有無を簡便かつ早期に確認することが可能であり、これら製品の安全性確保のために有用である。 細菌培養用培地を用い、細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を向上させる条件下で、細菌および酵母を含有する可能性のある検体を培養することを特徴とする酵母・細菌共通培養方法。 細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を向上させる条件での培養が、細菌用培養培地のpHを、5〜6.5、培養温度を20〜30℃とする培養である請求項1記載の酵母・細菌共通培養方法。 細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を向上させる条件での培養が、細菌用培養培地に1〜8g/Lとなる量の、グルコース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、スクロースおよびデキストリンから選ばれる糖成分を追加で添加した培地を使用し、pHを、5〜6.8、培養温度を20〜30℃とする培養である請求項1記載の酵母・細菌共通培養方法。 細胞培養用培地が、レシチンおよび非イオン性界面活性剤が加えられたトリプトンソイ培地である請求項1ないし3の何れかの項記載の酵母・細菌共通培養方法。 細菌培養用培地を用い、細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を向上させる条件下で細菌および酵母を含有する可能性のある検体を培養した後、当該培養物中の細菌および酵母をそれぞれ検出することを特徴とする検体中の細菌および酵母の検出方法。 細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を向上させる条件での培養が、細菌用培養培地のpHを、5〜6.5、培養温度を20〜30℃とする培養である請求項5記載の検体中の細菌および酵母の検出方法。 細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を向上させる条件での培養が、細菌用培養培地に1〜8g/Lの、グルコース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、スクロースおよびデキストリンから選ばれる糖成分を追加で添加した培地を使用し、pHを、5〜6.8、培養温度を20〜30℃とする培養である請求項5記載の検体中の細菌および酵母の検出方法。 細胞培養用培地が、レシチンおよび非イオン性界面活性剤が加えられたトリプトンソイ培地である請求項5ないし7の何れかの項記載の検体中の細菌および酵母の検出方法。 検体が、防腐剤あるいは抗菌剤を含むものである請求項5ないし8の何れかの項記載の検体中の細菌および酵母の検出方法。 レシチンおよび非イオン性界面活性剤が加えられたとリプトンソイ培地に、更に酸性剤または緩衝剤を加え、そのpHを5ないし6.5としてなることを特徴とする酵母・細菌共通培養培地。 請求項10記載の酵母・細菌共通培養培地に、追加糖成分として、1ないし8g/Lとなる量の、グルコース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、スクロースおよびデキストリンよりなる群から選ばれる糖成分を添加してなる、酵母・細菌共通培養培地。 【課題】検体中に、細菌や、酵母が混入していた場合に、それらを同一培地中、同一時間の培養で共に検出可能にまで培養可能な、酵母・細菌共通培養方法およびこれに用いる酵母・細菌共通培養培地を提供すること。【解決手段】細菌培養用培地を用い、細菌の増殖を抑制し、かつ酵母の増殖を向上させる条件下で細菌および酵母を含有する可能性のある検体を培養する酵母・細菌共通培養方法並びに当該方法による培養物中から、細菌および酵母をそれぞれ検出する検体中の細菌および酵母の検出方法。【選択図】なし


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