生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_シワ形成抑制剤及び/又は抗炎症剤のスクリーニング法
出願番号:2013047508
年次:2014
IPC分類:C12Q 1/02,A61Q 19/08,A61Q 19/00,A61K 8/96,C12Q 1/68


特許情報キャッシュ

五味 貴優 楊 一幸 宍戸 まゆみ JP 2014171441 公開特許公報(A) 20140922 2013047508 20130311 シワ形成抑制剤及び/又は抗炎症剤のスクリーニング法 ポーラ化成工業株式会社 000113470 川口 嘉之 100100549 佐貫 伸一 100126505 丹羽 武司 100131392 下田 俊明 100151596 五味 貴優 楊 一幸 宍戸 まゆみ C12Q 1/02 20060101AFI20140826BHJP A61Q 19/08 20060101ALI20140826BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20140826BHJP A61K 8/96 20060101ALI20140826BHJP C12Q 1/68 20060101ALI20140826BHJP JPC12Q1/02A61Q19/08A61Q19/00A61K8/96C12Q1/68 A 9 1 OL 9 4B063 4C083 4B063QA01 4B063QA05 4B063QA13 4B063QA18 4B063QQ08 4B063QQ42 4B063QQ52 4B063QQ79 4B063QR32 4B063QR35 4B063QR55 4B063QR62 4B063QS25 4B063QX01 4C083CC02 4C083EE12 本発明は、シワ形成抑制剤及び/又は抗炎症剤をスクリーニングする方法、及び該スクリーニングにより同定されたシワ形成抑制剤を含有する組成物及びその製造方法に関する。 真皮の構成成分であるエラスチンは、同じく皮膚の構造を維持するコラーゲンと共に肌の張りや弾力性を保つ働きを有する。しかしながら、加齢や紫外線など諸々の原因によって、エラスチン分解酵素(好中球エラスターゼ)や、エラスチンやコラーゲン等を分解するマトリックスメタロプロテアーゼといったタンパク質分解酵素が過剰に誘導されると、真皮においてエラスチンやコラーゲンの分解が進み、肌のシワやタルミの原因となる(非特許文献1〜3)。 近年解明されてきたこのシワ形成のメカニズムに基づいて、エラスターゼやマトリックスメタロプロテアーゼといったタンパク質分解酵素を阻害することによりシワ・タルミの形成を予防したり改善したりする研究がなされ、種々のエラスターゼ阻害剤を有効成分として配合したシワ・タルミの形成予防又は改善用の化粧料が開示されている(特許文献1〜11等)。 上記のように肌のシワやタルミを引き起こすタンパク質分解酵素は、好中球などの炎症性細胞から放出される酵素である。この好中球は表皮細胞や真皮線維芽細胞が放出する炎症性サイトカインやケモカイン等の炎症性因子により呼び寄せられ、血管から真皮へ集まることが知られている。 炎症性因子は、一般に炎症応答等で細胞から放出されることが知られているが、表皮細胞に上から頂底軸方向に圧力負荷を加えた場合や、表皮細胞を連続的に伸縮した場合にもIL1αやTNFα等のいくつかの炎症性因子が放出されることが報告されている(非特許文献4〜5)。また、CSF2、CXCL1、IL1α、TNFα等いくつかの炎症性因子については、シワ形成に関与するタンパク質発現機構の上流に位置することが知られている(特許文献11〜12等)。 しかしながら、表皮細胞に側面方向から圧力負荷を加えた場合に炎症性因子が放出されることは知られていない。特開2009−191043号公報特開2005−53873号公報特表2012−523436号公報特表2012−519656号公報特開2008−520588号公報特表2005−530812号公報再表99/43352号公報特開2013−006815号公報特開2012−240911号公報再表2010/058730号公報特開2012−250968号公報特開2005−089304号公報Takeuchi H. et al., J. Dermatol. Sci. (2010), 60, 151-158Tsuji N. et al., Photochem. Photobiol. (2001) 74(2), 283-290Matsuda M. et al., J. Invest Dermatol. (2012) online (doi: 10.1038/jid.2012.383)Takei T. et al., J. Cellular Biochemistry (1998), 69(2), 95-103Bronneberg D. et al., Experimental Dermatology (2007), 16, 567-573 消費者の間で抗老化への憧れが高まっている現代において、シワ・タルミの形成を予防したり改善したりするための化粧料の需要は高まっている。前述のようなエラスターゼやマトリックスメタロプロテアーゼといったタンパク質分解酵素を阻害する機序による化粧料のみでなく、シワ・タルミの形成抑制に対して新たなアプローチも求められている。 そのため、より高い効果が得られる新しい機序によるシワ・タルミの形成抑制のための化粧料の開発を目指して、新規有効成分を探索するためのスクリーニング方法を確立することを本発明の課題とする。 本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、表皮細胞に側面方向から圧力を加えた場合に、好中球を呼び寄せ得る炎症性因子が放出されることを発見した。そして、このような炎症性因子の発現を抑制する物質がシワ形成抑制剤及び/又は抗炎症剤となり得ることを見出して、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は以下の通りである。[1]表皮細胞に側面方向から圧力負荷を加える工程を含み、該表皮細胞が放出する炎症性因子の活性を指標として、シワ形成抑制剤及び/又は抗炎症剤をスクリーニングする方法(以下、「本発明のスクリーニング方法」とも記す)。[2]前記炎症性因子の活性が、炎症性因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量であり、 被検物質を添加した細胞における前記遺伝子の発現量が、被検物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量と比較して小さい場合に、前記被検物質はシワ形成を抑制する作用及び/又は抗炎症作用を有すると判定する、[1]に記載の方法。[3]前記被検物質を添加した細胞における前記遺伝子の発現量が、被検物質を添加しなかった細胞における前記遺伝子の発現量の90%以下である場合に、前記被検物質はシワ形成を抑制する作用及び/又は抗炎症作用を有すると判定する、[1]又は[2]に記載の方法。[4]前記炎症性因子が、LTB、IL16、IL23A、CSF2、CXCL1、CXCL5、IL24、SPP1、IL1α、IL8、TNFα及びVEGFAから選択される、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。[5][1]〜[4]のいずれかに記載の方法によりシワ形成を抑制する作用を有すると判定された物質を含有する組成物。[6]皮膚外用剤である、[5]に記載の組成物。[7]化粧料(ただし、医薬部外品を含む)である、[5]又は[6]に記載の組成物。[8]シワ形成抑制用である、[5]〜[7]のいずれかに記載の組成物。[9][1]〜[4]のいずれかに記載の方法によりシワ形成を抑制する作用を有すると判定された物質を組成物に配合する工程を含むことを特徴とする組成物の製造方法。 本発明により、新たな作用機序に基づくシワ形成抑制剤及び/又は抗炎症剤として有効な成分を探索することができる、スクリーニング法が提供される。また、本発明により新たなアプローチによるシワ形成抑制用の化粧料が提供され得る。圧力負荷後6時間の各炎症性因子のmRNA発現量を表すグラフ。 本発明のスクリーニング方法は、表皮細胞に側面方向から圧力負荷を加える工程を含み、該表皮細胞が放出する炎症性因子の活性を指標として、シワ形成抑制剤及び/又は抗炎症剤をスクリーニングすることを特徴とする。 本発明における炎症性因子とは、炎症応答に関与し、好中球を呼び寄せ得る性質を有するタンパク質をいう。炎症性因子が呼び寄せた好中球が放出するタンパク質分解酵素はシワ・タルミ形成を引き起こすため、炎症性因子の活性を抑制する物質はシワ・タルミ形成抑制剤となり得るし、また抗炎症剤ともなり得る。従来のシワ・タルミの形成予防又は改善用の化粧料が好中球エラスターゼやマトリックスメタロプロテアーゼの阻害によるものであるのに対し、さらにシワ・タルミ形成の機序の上流段階でこれを抑制する点で、本発明により新たなアプローチによるシワ形成抑制用の化粧料が提供され得る。 本発明の好ましい態様において、前記炎症性因子の活性とは、炎症性因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量である。ここで、遺伝子の発現量とは、該遺伝子のmRNAの転写量と、該遺伝子がコードするタンパク質の翻訳量との何れかを指すものとする。 本発明のスクリーニング方法の好ましい態様においては、被検物質を添加した細胞における炎症性因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量が、被検物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量と比較して小さい場合に、前記被検物質はシワ形成を抑制する作用及び/又は抗炎症作用を有すると判定される。 なお、本発明において「シワ」は、皮膚表面に形成される溝状の形態であるいわゆる皺のほか、皮膚の重力方向の変形であるタルミなど、皮膚のハリや弾力が失われたことによる肌の変形を広く意味する語句である。 ここで、炎症性因子は、特に限定されるものではないが、例えばLTB、IL16、IL23A、CSF2(GM−CSF)、CXCL1(GRO−1)、CXCL5(ENA−78)、IL24、SPP1(Osteopontin)、IL1α、IL8、TNFα及びVEGFAが好ましく挙げられ、これらのうちLTB、IL16、IL23Aが好ましい。 炎症性因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量は、任意の方法を用いて測定することができる。例えば、当該遺伝子の配列に特異的に結合する配列を有するDNA断片をプライマーとして用いてPCRを行い、定量的な検出を行う。なお、上述した種々の因子をコードする遺伝子配列はそれぞれ公開されており、当業者は適宜プライマーを設計してPCRに供することができる。 また、例えば、当該タンパク質の細胞内存在量を、常法で定量的に測定して、遺伝子の発現量としてもよい。 スクリーニングに用いる細胞としては、表皮細胞を用いる。なお、表皮細胞は接着性であるため、培養系において極性(上下左右の向き)を有し、上下底面方向と側面方向とは区別される。 細胞の培養の条件としては、通常の培養条件の他、本発明のスクリーニング方法の実行を妨げない、具体的には炎症性因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量の測定を妨げない培養条件であれば、特段の限定なく適用することができる。 本発明のスクリーニング方法は、表皮細胞に側面方向から圧力負荷を加える工程を有する。ここで、側面方向とは、培養系において表皮細胞の頂底軸に直交する平面方向をいう。 加える圧力負荷は、表皮細胞の頂底軸に直交する平面方向の長径が好ましくは10〜50%、より好ましくは15〜33%減少するまで圧力負荷を加える。圧力負荷を加える時間は、好ましくは3〜48時間、より好ましくは6〜24時間である。 圧力負荷を加える手段は、特に限定されず任意の手段を採ることができる。例えば、伸縮性の培養容器を予め横方向に伸展させておき、そこに表皮細胞を播種した後、培養容器の伸展を解除することにより表皮細胞の側面方向に圧力負荷を加えることができる。 側面方向に圧力負荷が加えられた状態で、表皮細胞は炎症性因子を放出する。本発明のスクリーニング方法では、前述のようにこの炎症性因子の活性を測定して、指標として用いる。 本発明のスクリーニング方法が対象とする被験物質は、純物質、動植物由来の抽出物、又はそれらの混合物等のいずれであってもよい。 動植物由来の抽出物は、動物又は植物由来の抽出物自体のみならず、抽出物の画分、精製した画分、抽出物乃至は画分、精製物の溶媒除去物の総称を意味するものとし、植物由来の抽出物は、自生若しくは生育された植物、漢方生薬原料等として販売されるものを用いた抽出物、市販されている抽出物等が挙げられる。 抽出操作は、植物部位の全草を用いるほか、植物体、地上部、根茎部、木幹部、葉部、茎部、花穂、花蕾等の部位を使用することできるが、予めこれらを粉砕あるいは細切して抽出効率を向上させることが好ましい。抽出溶媒としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、1,3−ブタンジオール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類等の極性溶媒から選択される1種乃至は2種以上が好適なものとして例示することができる。具体的な抽出方法としては、例えば、植物体等の抽出に用いる部位乃至はその乾燥物1質量に対して、溶媒を1〜30質量部加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬し、室温まで冷却し後、所望により不溶物及び/又は溶媒除去し、カラムクロマトグラフィー等で分画精製する方法が挙げられる。 本発明のスクリーニング方法における手順の一例を以下に挙げるが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。 まず、細胞に前述のような手段で側面方向に圧力負荷を加えた後、被検物質を添加し、6時間インキュベーションする。その後、該細胞からmRNAを抽出し、指標とする炎症性因子をコードする遺伝子の発現量を、該遺伝子を特異的に検出するプライマーを用いてRT−PCRを行い、定量的に測定する。コントロールとして被検物質を添加しなかった細胞においても該遺伝子の発現量を測定する。被検物質を添加した細胞における該遺伝子の発現量が、被検物質を添加しなかった細胞における該の発現量(コントロール)に対して小さくなった場合、好ましくはコントロールに対して90%以下、より好ましくは85%以下、さらに好ましくは80%以下となった場合に、前記被検物質はシワ形成を抑制する作用及び/又は抗炎症作用を有すると判定する。該判定された物質は、シワ形成抑制剤及び/又は抗炎症剤となり得る。 本発明のスクリーニング方法によりシワ形成を抑制する作用を有すると判定された物質(シワ形成抑制剤)は、任意の調製方法により組成物に含有させることができる。 組成物としては、化粧料、医薬部外品、医薬品などが好適に例示でき、日常的に使用できることから、化粧料、医薬部外品がより好ましい。その投与経路としては、特に限定されるものではないが、シワ形成抑制剤作用を発揮するために皮膚への貯留性、標的部位への到達効率等を考慮し、経皮投与を採用して皮膚外用剤とすることが好ましい。 本発明のシワ形成抑制剤を含有する組成物は、シワ形成抑制剤のために好適に用いることができる。 従来のシワ・タルミの形成予防又は改善用の化粧料が好中球エラスターゼやマトリックスメタロプロテアーゼを阻害し、それによりエラスチン等の真皮を構成するタンパク質が破壊されるのを抑えてシワ形成を抑制するものであった。これに対して、本発明のスクリーニングによりシワ形成を抑制する作用を有すると判定された物質(シワ形成抑制剤)は、シワ・タルミ形成の機序のさらに上流段階でこれを抑制する点で、本発明により新たなアプローチによるシワ形成抑制用の化粧料の有効成分となり得る。 本発明の組成物中における、シワ形成抑制剤の含有量(配合量)は、通常、0.00001質量%以上、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上であり、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%である。シワ形成抑制剤の含有量(配合量)が少なすぎると所望の効果が得られにくい場合があり、多すぎると効果が頭打ちになるばかりか組成物の処方の自由度を損なう場合があるからである。 また、組成物に含有させるシワ形成抑制剤の種類は、1種類のみでなく2種類以上であってもよい。 組成物の製造に際しては、化粧料、医薬部外品、医薬品などの製剤化で通常使用される任意成分を配合することができる。例えば、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス、オレイン酸オクチルドデシルなどのエステル類、オリ−ブ油、牛脂、椰子油などのトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、レチノイン酸などの脂肪酸、オレイルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、オクチルドデカノ−ル等の高級アルコ−ル、スルホコハク酸エステルやポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤類、アルキルベタイン塩等の両性界面活性剤類、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、これらのポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコ−ル、グリセリン、1,3−ブタンジオ−ル等の多価アルコ−ル類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体、香料等を任意に配合することができる。 また、本発明の組成物には、本発明のシワ形成抑制剤以外の、シワ形成抑制・改善用成分や皮膚の老化予防・改善用成分等も配合してもよい。 組成物の製造は、常法に従ってこれらの成分を処理・配合することにより、困難なく行うことができる。 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。<圧力負荷時に表皮細胞において発現する炎症性因子の検討> シリコン製のストレッチチャンバー(STB−CH−4W、ストレックス株式会社)を水平方向の一方向に約1.5倍伸展させ、チャンバースタンドで伸展状態を保持しながら、IAC−50, Atelocell Native Collagen, Bovine Dermis(株式会社高研)にてチャンバー表面をコラーゲンでコートした。そこに、ヒト表皮細胞を、270000個/ウェルとなるように播種した後、1昼夜培養した。その後、チャンバーの伸展状態を解除した後(約33%収縮)、細胞を培養した。6時間後、細胞を回収してRNeasyMiniKit(QIAGEN社)のRLT bufferを添加してmRNAを抽出し、Superscript VILO cDNA Synthesis Kit(Life Technologies社)によりcDNAとした後、RT2 Profiler PCR Arrays −Human Cytokines & Chemokines(QIAGEN社)に付属のプライマーを用いてリアルタイムPCRを行いCSF2、CXCL1、CXCL5、IL16、IL23A、IL24、LTB、SPP1、IL1α、IL8、TNFα及びVEGFAのmRNA量をそれぞれ測定した。比較のため、伸展・収縮を行わなかったチャンバーで培養した表皮細胞における上記因子のmRNA量(コントロール)も測定した。 コントロールのmRNA発現量を「1」としたときの相対発現量を図1に示す。各因子において、圧力負荷時にコントロールに対して有意に大きいmRNA発現量が認められ、これらの因子の活性がスクリーニングの指標となり得ることが示された。 本発明により、新たな作用機序に基づくシワ形成抑制剤及び/又は抗炎症剤として有効な成分を探索することができる、スクリーニング法が提供され、また、本発明により新たなアプローチによるシワ形成抑制用の化粧料が提供され得るため、産業上非常に有用である。 表皮細胞に側面方向から圧力負荷を加える工程を含み、該表皮細胞が放出する炎症性因子の活性を指標として、シワ形成抑制剤及び/又は抗炎症剤をスクリーニングする方法。 前記炎症性因子の活性が、炎症性因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量であり、 被検物質を添加した細胞における前記遺伝子の発現量が、被検物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量と比較して小さい場合に、前記被検物質はシワ形成を抑制する作用及び/又は抗炎症作用を有すると判定する、請求項1に記載の方法。 前記被検物質を添加した細胞における前記遺伝子の発現量が、被検物質を添加しなかった細胞における前記遺伝子の発現量の90%以下である場合に、前記被検物質はシワ形成を抑制する作用及び/又は抗炎症作用を有すると判定する、請求項1又は2に記載の方法。 前記炎症性因子が、LTB、IL16、IL23A、CSF2、CXCL1、CXCL5、IL24、SPP1、IL1α、IL8、TNFα及びVEGFAから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法によりシワ形成を抑制する作用を有すると判定された物質を含有する組成物。 皮膚外用剤である、請求項5に記載の組成物。 化粧料(ただし、医薬部外品を含む)である、請求項5又は6に記載の組成物。 シワ形成抑制用である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の組成物。 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法によりシワ形成を抑制する作用を有すると判定された物質を組成物に配合する工程を含むことを特徴とする組成物の製造方法。 【課題】高い効果が得られる新しい機序によるシワ・タルミの形成抑制のための化粧料の開発を目指して、新規有効成分を探索するためのスクリーニング方法を提供する。【解決手段】表皮細胞に側面方向から圧力負荷を加える工程を含み、該表皮細胞が放出する炎症性因子の活性を指標として、シワ形成抑制剤及び/又は抗炎症剤をスクリーニングする方法。前記炎症性因子の活性が被検物質を添加した細胞における炎症性因子を構成する蛋白質をコードする発現量で現わされ、被検物質を添加しなかった細胞におけるものと比較する。【選択図】図1


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