生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_3−アミノフェノールの製造方法
出願番号:2013041026
年次:2014
IPC分類:C07C 213/02,C07C 215/76,C07C 209/36,C07C 211/52,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

鳥津 誠二 樋田 幸三 宇野 英満 田原 寛之 中村 光則 JP 2014133730 公開特許公報(A) 20140724 2013041026 20130301 3−アミノフェノールの製造方法 帝人株式会社 000003001 国立大学法人愛媛大学 504147254 大島 正孝 100080609 白石 泰三 100109287 鳥津 誠二 樋田 幸三 宇野 英満 田原 寛之 中村 光則 JP 2012269498 20121210 C07C 213/02 20060101AFI20140627BHJP C07C 215/76 20060101ALI20140627BHJP C07C 209/36 20060101ALN20140627BHJP C07C 211/52 20060101ALN20140627BHJP C07B 61/00 20060101ALN20140627BHJP JPC07C213/02C07C215/76C07C209/36C07C211/52C07B61/00 300 1 OL 6 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC52 4H006BA25 4H006BA55 4H006BE20 4H006BJ50 4H006BN30 4H006BU46 4H039CA71 4H039CB40 本発明は、1,3−ジニトロベンゼンから3−アミノフェノールの製造方法に関する。 従来より、3−アミノフェノールを製造する方法としては、ニトロベンゼンを出発原料としてスルホン化・還元・アルカリ溶融による方法が古くから知られている。しかしながら、この方法では強酸や強塩基を大量に用いるため、排水や廃棄物による環境汚染や製造装置の腐食、さらには爆発の危険性さえあり、いくつかの環境問題を抱えている。また、スルホン化では微量の硫黄分が残留するため、次いで行う貴金属触媒を使用した水素化還元で硫黄分が触媒毒となることが知られている。3−ニトロアニリンの工業的製法としては1,3−ジニトロベンゼンを亜硫酸水素ナトリウムによる部分還元あるいは亜硝酸によるアニリンのニトロ化が知られているが、3−アミノフェノールを製造する方法と同様の問題がある。特開平08−092176号公報窒素酸化物の事典 鈴木 仁美 著 丸善株式会社 本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、1,3−ジニトロベンゼンから3−ニトロアニリンを工業的に有意に高収率で製造する方法を提供する。本発明は、さらに、水素による還元反応において水素消費量を抑制するとともに、3−ニトロアニリンから3−ニトロフェノールを経て、3−アミノフェノールを高収率で得る新規な方法を提供するものである。 本発明は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、パラジウム触媒の存在下、ジエチルアミンを添加し、3−ニトロアニリンが高収率で得て、その後、3−ニトロアニリンを亜硝酸ナトリウムの存在下ジアゾ化反応を行いその後加水分解反応を行うことにより3−ニトロフェノールを得て、その後3−ニトロフェノールを水素還元反応させ3−アミノフェノールを得ることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を解決するに至った。 本発明の3−アミノフェノールの製造方法により上記課題を解決できる。そして、上記工程における3−ニトロアニリンの製造工程においてジエチルアミンを添加することにより、水素消費量が抑制できることを見出した。 本発明によれば、還元反応における水素消費量を抑制するとともに、中間副生物の3−ヒドロキシアミノベンゼンの副生量も抑えて1,3−ジニトロベンゼンから3−ニトロアリニンを生成する還元反応工程を含むことにより、1,3−ジニトロベンゼンから3−アミノフェノールを高収率で製造する方法が提供される。 本発明の製造方法は上記のように、A)3−ニトロアニリンを製造する工程、B)3−ニトロフェノールを製造する工程、C)3−アミノフェノールを製造する工程の3つからなる。以下、純に説明する。A)3−ニトロアニリンを製造する工程 本発明の製造方法においては、まず、1,3−ジニトロベンゼンに水素添加反応(水素還元反応)を行うことにより3−ニトロアニリンを製造する。出発原料に用いられる1,3−ジニトロベンゼンは、ニトロベンゼンのニトロ化反応で、有利な位置選択性で容易に1,3位がニトロ化された化合物を製造することができ、安価に入手することができる。ニトロ化反応は、公知のように、濃硝酸と濃硫酸の混合物とニトロベンゼンを反応させることにより行うことができる。 3−ニトロアニリンを製造する水素添加反応の工程では、パラジウム触媒が用いられる。 パラジウム触媒は、パラジウム金属の状態でも使用できるが、通常はアルミナ、シリカゲル、カーボン、硫酸バリウム等の坦体に坦持されたものが用いられる。好ましいパラジウム触媒としては、例えば活性炭などのカーボンにパラジウムを担持させたパラジウム−炭素(Pd/C)や、アルミナに担持させたパラジウム−アルミナ(Pd/アルミナ)をあげることができる。パラジウム触媒を用いる量としては、1,3−ジニトロベンゼン1重量部に対してパラジウム金属自体の重量として1×10−4〜5×10−3重量部とするのが好ましく、1×10−3〜3×10−3重量部とするのが最も好ましい。 この工程で用いられる反応溶媒としては水素添加反応に供される1,3−ジニトロベンゼンの全量あるいは一部を溶解するものを用いることができる。具体的には、メタノール,エタノール,イソプロパノール,イソブタノール,メチルセロソルブ,エチルセロソルブ,エチレングリコール,プロピレングリコール,ジクライム,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのアルコール類,グリコール類,エーテル類およびN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類が好ましく用いられるが、ヘキサン,シクロヘキサン,ベンゼン,トルエン,酢酸エチル,酢酸ブチル,ジクロロメタン,クロロホルム,1,1,2−トリクロロエタン等の脂肪族あるいは芳香族,炭化水素,エステル類,ハロゲン化炭化水素も使用することができる。これらの溶媒は単独で用いても2種類以上混合して用いてもよい。これらのうち、更に生産性をよくする観点からは、溶解度の高い溶媒を選ぶのが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類をさらに好ましいものとして挙げることができる。この工程における反応温度は、0℃〜100℃とするのが好ましく、20℃〜85℃がさらに好ましい。反応温度が10℃未満では中間体の3−ヒドロキシアミノニトロベンゼンで反応が停止することがあり好ましくない。 この工程における反応は、常圧下でも加圧下でも行うことができるが、好ましくは常圧〜50kg/cm2、より好ましくは2〜10kg/cm2の下で行うのがさらに好ましい。本発明のこの工程においては、水素添加反応の際の添加物としてジエチルアミンを加えることで、1,3−ジニトロベンゼンからm−フェニレンジアミンの生成を抑制することができる。m-フェニレンジアミンの生成が抑制され、3−ニトロアニリンの生成を増やすことで、水素添加反応における水素消費量を抑制することができる。ジエチルアミンを用いる量としては水素添加反応に供される1,3−ジニトロベンゼン1重量部に対して0.1〜4.0重量部が好ましく、0.5〜2.5重量部がさらに好ましい。B)3−ニトロフェノールを製造する工程 次に、本発明の製造方法においては3−ニトロアニリンに対して、亜硝酸ナトリウムによるジアゾ化反応を行い、その後のジアゾ化物を加水分解反応することにより、3−ニトロフェノールを製造する。ジアゾ化反応は通常行われる方法で実施することができる。より具体的には、塩酸または硫酸存在下、3−ニトロアニリンを水に溶解させ、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム水溶液と反応させることによりジアゾニウム塩を得ることができる。得られた3−ニトロアニリンのジアゾニウム塩の水溶液を、生成物に対して硫酸存在下、常圧では60℃以上、加圧下では120〜180℃の温度で水により加水分解を行うことにより、3−ニトロフェノールを得ることができる。C)3−アミノフェノールを製造する工程 最後に本発明の製造方法においては、3−ニトロフェノールを再び水素還元反応を行うことで、ニトロ基を還元し、3−アミノフェノールを得ることができる。本発明のこの工程における水素還元反応は、ジエチルアミンを用いないこと以外は、上述したA)3−ニトロアニリンを製造する工程と同様の種手法にて水素還元反応を行い、3−アミノフェノールを製造することができる。 以下、実施例により本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定を受けるものではない。 1H−NMRは日本電子製AL400で測定した。各化合物の1H−NMRシフトは次に示す。1,3−ジニトロベンゼン 1H NMR (CDCl3,δ in ppm);9.08(t,J=2.2Hz 1H),8.59(dd,J=2.2 and 7.9Hz 2H),7.83(t,J=8.3Hz 1H)。3−ニトロアニリン 1H NMR (CDCl3,δ in ppm);7.56(m,1H)7.48(m,1H)7.26(m,1H)6.94(m,1H)。3−ヒドロキシアミノニトロベンゼン 1H NMR(CDCl3,δ in ppm);7.87(m,1H),7.80(m,1H)7.41(m,1H),6.95(m,1H)。1,3−ジアミノベンゼン 1H NMR(CDCl3,δ in ppm)6.89(t,J=7.9Hz 1H),6.06(dd J=2.2 and 7.8Hz 2H)5.89(t,J=2.2Hz 1H)。3−ニトロフェノール 1H NMR(CDCl3,δ in ppm);7.79(m,1H),7.69(m 1H)7.40(m,1H),7.17(m,1H)。3−アミノフェノール 1H NMR(CDCl3,δ in ppm);7.00(m,1H),6.26(m 1H)6.22(m,1H),6.18(m,1H)。 実施例1 10%Pd/C 5mgを反応容器に加えアルゴン置換した後、脱水したTHF10mlを加え、常圧下で水素ガスを導入し1時間撹拌した。その後、ジエチルアミン1mlを加え、次いで脱水したTHF10mlに溶解させた1,3−ジニトロベンゼン0.42g(2.5mmol)を加え、常圧下で水素を導入しながら還元を行った。水素ガスは目盛付のガラス容器に水封し、消費量を計測した。反応は1H−NMRでモニターした。反応液に1M塩酸を加え、1H−NMRスペクトル解析を行った。反応時間100分で水素消費量65.5ml(2.65mmol)であり、目的とする3−ニトロアニリンの転化率は69%であった。 3−ニトロアニリン0.350g(2.53mmol)と濃硫酸13mlを反応容器に加え、氷浴で冷やしながら亜硝酸ナトリウム0.304g(4.41mmol)を加え、室温(24℃)で3.5時間撹拌した。その後、反応液を氷水に注入し、室温に戻した後に溶液を30分還流した。反応後、固形物を濾別し、水で洗浄することで3−ニトロフェノール276mgを3−ニトロアニリンに対し収率79%で得られた。これらの合成の操作においては、日本化学会編「第4版実験化学講座20巻、112頁」を参考にした。 10%Pd/C 100mgを反応容器に入れ、窒素置換した後、脱水したTHF 50mlを加え、常圧下で水素ガスを導入し1時間撹拌した。脱水したTHF10mlに溶解させた3−ニトロフェノール0.276g(1.99mmol)を加え、室温(24℃)で17時間撹拌した。Pd/Cを濾別して濃縮し、ヘキサンで洗浄することで3−アミノフェノール217mgを3−ニトロフェノールに対し収率81%で得られた。 比較例1 ジエチルアミンの代わりにトリエチルアミン1.5mlを加える以外は実験例1と同様に操作を行った。反応時間50分で水素消費量128.8ml(5.22mmol)で、目的とする3−ニトロアニリンの転化率は40.8%であった。 比較例2 ジエチルアミンを添加しない以外は実施例1と同様にした。反応時間130分で水素消費量は127.2ml(5.15mmol)で、目的とする3-ニトロアニリンの転化率は19.7%であった。 上記の実施例1、比較例1〜2における1,3−ジニトロベンゼンから3−ニトロアニリンを製造する工程における、3−ニトロアニリンと副生成物の組成の結果(生成率、重量%)を表1に示した。 1,3−ジニトロベンゼンを、パラジウム触媒およびジエチルアミンの存在下、水素により還元して3−ニトロアニリンを生成し、該3−ニトロアニリンを亜硝酸ナトリウムにてジアゾ化した後加水分解せしめて3−ニトロフェノールを生成し、次いで該3−ニトロフェノールを水素還元せしめることを特徴とする3−アミノフェノールの製造方法。 【課題】1,3−ジニトロベンゼンから3−ニトロアニリンを還元反応における水素消費量を抑制して工業的に有利に高収率で製造し、次いで、3−ニトロアニリンから3−ニトロフェノールを経て、3−アミノフェノールを高収率で得る新規な方法を提供する。【解決手段】1,3−ジニトロベンゼンを、パラジウム触媒とジエチルアミンの存在下、水素還元反応させ3−ニトロアニリンを生成し、ジアゾ化し加水分解してする3−アミノフェノールの製造方法。【選択図】なし


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