生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_リキリチゲニンを含むヒト胃ガン・肺ガン細胞成長抑制剤
出願番号:2013040826
年次:2013
IPC分類:A61K 31/353,A61P 35/00


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肥後春男 蔡 雲清 JP 2013144693 公開特許公報(A) 20130725 2013040826 20130301 リキリチゲニンを含むヒト胃ガン・肺ガン細胞成長抑制剤 肥後 春男 510032210 石井 久夫 100091465 肥後春男 蔡 雲清 A61K 31/353 20060101AFI20130628BHJP A61P 35/00 20060101ALI20130628BHJP JPA61K31/353A61P35/00 1 2009531036 20070903 OL 7 4C086 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA08 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZB26本発明は天然植物甘草中の活性物質甘草リキリチゲニン(以下、L-geninと略称する)を必須成分とするヒト胃ガン・肺ガン細胞成長抑制剤に関する。甘草は漢方薬品の一成分または食品の添加成分として広く使用されており、近年、甘草中の各種成分について系統立てた研究が行われているが、甘草中の抗がん活性成分の研究については未だ不十分である。現在、甘草中の三テルペン類化合物とフラボン類化合物は抗腫瘍の主要な活性成分と考えられており、その内、三テルペン類化合物、特に甘草グリシリジン、甘草グリシリジン酸の抗腫瘍研究は比較的多く行われている。他方、甘草フラボン類化合物については甘草フラボン類化合物混合物に抗がん作用、抗突然変異と抗酸化作用があることが発表されている(傅乃武らは研究)に過ぎない。他方、甘草中のフラバノン類単量体に属する化合物リキリチゲニンについては、抗ウイルス作用、例えばHIV感染治療やC型肝炎ウイルスに対して有効であることが発表されている(Cranceらの研究)が、抗腫瘍作用およびそのメカニズムについては検討されていない。他方、リキリチゲニンがヒト急性前骨髄球性白血病細胞(HL−60)の成長を抑制すること(非特許文献1)、皮膚ガン細胞(B16)の成長を抑制すること(非特許文献2)及びヒト結腸ガン細胞(HCT116)の成長を抑制すること(非特許文献3)が発表されたが、アドリアマイシンという抗生物質系の抗癌剤が適用性の広い抗癌剤として汎用されるに至るに伴い、リキリチゲニンの高コストも原因してその後研究が行なわれていなかったが、近年アドリアマイシンの副作用の問題があり、副作用のないヒト胃ガン細胞(SCG−823)及び肺ガン細胞(A549)に対する促進抑制効果が注目されるに至った。Life Science, 1994, Vol. 55, No. 13, p.1061-1069J. Nat. Prod., 2005, Vol. 68, No. 3, p. 423-426J. Microbiol. Biotechnol., 2006, Vol. 19, No. 9, p. 1384-1391そこで、本発明者らは、甘草中のフラバノン類単量体:リキリチゲンニン(甘草素liquiritigenin)とリクイリチン(liquiri)に対して、鋭意研究を重ね、甘草素リキリチゲニンが人体外の腫瘍細胞実験により、人肺ガン細胞(A549)及び人胃ガン細胞(SGC7901)に対し、がん細胞の成長を著しく抑制する作用があることを発見した。式1で示されるリキリチゲニンを必須成分として含有することを特徴とする人肺ガン細胞(A549)及び人胃ガン細胞(SGC7901)に対し成長抑制効果を有する薬剤及びその組成物にある。式1で示されるフラバノン類単量体は以下の有意量の投与により、人肝臓ガン細胞(SMMC7721)、人肺ガン細胞(A549)、人胃ガン細胞(SGC7901)、人低分化胃腺ガン細胞(BGC−823)、人結腸ガン細胞(LOVO)及び人早幼粒細胞白血病細胞(HL−60)らの成長作用を抑制することができる。(実施例1)式1で示されるフラバノン類単量体について以下の実験結果を得た。一.細胞株及び選別方法細胞株:人肺がん細胞A549人低分化胃腺がん細胞 BGC−823人肝臓がん細胞SMMC−7721人早幼粒細胞白血病細胞HL−60方法:1.指数成長期状態が良好な細胞1瓶、0.25%のトリポシン消化液を入れることで消化された貼壁細胞を剥離させる、数2〜4×104/mLを計り、細胞懸液を作成する。2.細胞懸液を96個孔のプレートと180個孔のプレートに其々摂取し、低温のCO2の培養器に置き、24時間培養する。3.液を換え、実験しようとする薬物を20/孔に入れて、72時間に培養する。4.MTTを96個孔のプレートに20/孔に入れ、培養器の中で4時間を培養する。5.上の清液を吸い去れ、DMSOを150/孔に入れ、プレートに5分間揺れ振動させる。6.酸素連鎖性免疫吸着測定器を用いて、波長570nmのとこ其々孔の吸光値を測定し、細胞の抑制率を計算する。細胞の抑制率%= 陰性対象組OD値−実験物組OD値 ×100%陰性対象組OD値表4.の結果は甘草リキリチゲニン(liquiritigenine) が濃度250μmol/L 、500μmol/L の時,胃がん細胞に対する抑制率はそれぞれ54.8%、58.1%であることを示している。表5.の結果は甘草リキリチゲニン(liquiritigenine) が濃度250μmol/L 、500μmol/L の時,胃がん細胞に対する抑制率はそれぞれ42.0%、89.9%であることを示している。表6.の結果は甘草リキリチゲニン(liquiritigenine) が濃度125μmol/L 、500μmol/L の時,胃がん細胞に対する抑制率はそれぞれ57.6%、91.9%であることを示している。以上の表を見ると、甘草リキリチゲニン(liquiritigenine) が濃度200μmol/L 、500μmol/L 、1500μmol/L である時,肝臓がん細胞に48時間作用し、それぞれの抑制率は23.5%、45.2%、84.0%、であることが分かった。肝臓がん細胞(SMMC7721)に著しい抑制作用を示している。その抑制作用は甘草三テルペン類の単量体(モノマー)グリシリジン酸よりずっと高い。(製造例)本発明のフラバノン類単量体(式1)は甘草から直接抽出して生成することができるが、式1で示されるリキリチゲニンはイソリキリチゲニンをイソメラーゼの作用で閉環して酸素複素環を形成して製造することができる。なお、イソリキリチゲニンは次のようにして合成することができる。1、合成の工程条件の選択(1)簡単にイソリキリチゲニン(isoliquiritigenin)を合成するには、2,4-ジヒドロキシアセトフェノン(dihydroxyacetophenone)とジヒドロキシベンズアルデヒド(Dihydroxybenzaldehyde)とを原料とし、ルイス塩基(Lewis base)の触媒作用の情況下、縮合反応(condensation reaction)でワンステップ合成できる。その化学反応式は:2,4-ジヒドロキシアセトフェノン(dihydroxyacetophenone)とジヒドロキシベンズアルデヒド(Dihydroxybenzaldehyde)のmol比は1:1.5〜1:3であり、好ましくは1:1.8〜1:2である。(2)溶剤の選択2,4-ジヒドロキシアセトフェノン(dihydroxyacetophenone)とジヒドロキシベンズアルデヒド(Dihydroxybenzaldehyde)を溶解可能な有機溶剤を選んで使用することができる。低級アルコール、例えば、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)、N−ブチルアルコール(n-butyl alcohol)、イソプロピルエーテル(isopropyl ether)、N,N−ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide)、ジメチルスルフォキシド(dimethyl sulphoxide)、ジオキサン(dioxane)、エチレングリコールモノメチルエーテル(ethylene glycol monomethyl ether)、エチレングリコールジメチルエーテル(ethylene glycol dimethyl ether)等の溶剤。イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)、N−ブチルアルコール(n-butyl alcohol)、ジオキサン(dioxane)などが好ましい。(3)触媒剤の選択比較的に強いアルカリ性試薬を用いて触媒反応をしなければならず、ナトリウム・アルコキシド(sodium alkoxide)、水酸化アルカリ或は水素化ナトリウム(sodium hydride)などを使用できる。好ましくは低級アルコールのナトリウム塩を使用する。(4)反応時間及び温度同じ温度下、反応時間が比較的に長いほうが生産率の向上に有利である。反応温度は80〜150℃であり、反応時間は24〜36時間である。(5)抗酸化剤(antioxidant)の選択反応に使用される原料は何れもフェノール類(phenols)であって、アルカリ性の環境下で酸化及び変質し易く、窒素ガスを入れると同時に反応系に抗酸化剤をいれなければならない。常用される抗酸化剤にはブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、その他の抗酸化剤が使用できる。2、汚染除去工程の選択(1)脱色剤の選択活性炭、活性白土、シリカゲル(silica gel)、活性酸化マグネシウム或は活性酸化アルミニウムを使用して脱色することができる。活性炭の脱色効果がもっとも優れている。(2)再結晶(recrystallization)溶剤の選択イソリキリチゲニンとその異性体の甘草グリシリジンが混在しているので、混合溶剤を用いて再結晶汚染除去を行う必要がある。その中、常用する混合溶剤には、ベンゼンーエチルアセテート(ethyl acetate)、クロロホルムーエチルアセテート(chloroform−ethyl acetate)、ベンゼンーメチルアルコールなどがあり、その中で、体積比はベンゼンとクロロホルムが100、エチルアセテート、メチルアルコール或はエチルアルコールは6〜10である。なお、ベンゼンーエチルアセテートの効果がもっとも良い。具体的実施方式窒素ガスが通る四口フラスコにおいて、140mlのN−ブチルアルコール、ジヒドロキシベンズアルデヒド20gを加え、室温下で金属ナトリウムのシート4.0g、1gの抗酸化剤を加え、ゆっくり攪拌しながら水浴させ、全部溶解するまで加熱する。105℃まで上昇すると、15gの2,4-ジヒドロキシアセトフェノンをゆっくり80mlのN−ブチルアルコール溶液に一滴ずつ加え、激しく攪拌し、この温度下で28時間反応させた後冷却する。氷水浴に18%の塩酸を中性になるまで加える。反応液は二層に分かれる。有機相を取って活性炭で脱色させ、遠心し、有機相を洗浄液が薄くなるまで水洗いする。減圧して溶剤を回収し、乾燥させると16.5gのサーモンピンク色のイソリキリチゲニンの粗品を得た。それはイソリキリチゲニンと甘草グリシリジンの混合物である。ベンゼン:エチルアセテートの体積比が100:80のベンゼンーエチルアセテートの混合溶剤200gを製造し、粗品のイソリキリチゲニンと甘草グリシリジンの混合物をこの溶液の中で加熱溶解させ、熱いうちにその中の不溶物を濾過し、温度を下げてイソリキリチゲニンを析出させ、濾過した後、ベンゼンだけで充分に洗浄し、乾燥させて8.2g(0.03mol)の黄色のイソリキリチゲニンを得る。そのHPLC分析含有量≧96%であり、その紫外、赤外、核磁気共鳴、マススペクトル分析は標準商品と同じであった。本発明に係るリキリチゲニンはそのまま又は付形剤とともに、液体、錠剤、顆粒、ゼリー等の形態で提供することもできるし、あるいは食品添加物として飲料、各種食品に添加され、所定の抗がん効果を発揮することができる。式1で示される甘草素リキリチゲニンを必須成分とし、100μg/mlでヒト肝臓ガン細胞(SMMC7721)に対する抑制作用が1×10―5モル/リットルで人肺がん細胞(A549)及びヒト胃がん細胞(SGC―7901)に対するアドレアマイシンの抑制作用と同等又はそれ以上であることを特徴とするがん細胞成長抑制剤。 【課題】ヒト胃ガン・肺ガン細胞成長抑制剤の提供。【解決手段】下式で示される甘草中のフラバノン類単量体:リキリチゲンニン(甘草素liquiritigenin)を必須成分とし、100μg/mlでヒト肝臓ガン細胞(SMMC7721)に対する抑制作用が1×10―5モル/リットルで人肺がん細胞(A549)及び人胃がん細胞(SGC―823)に対するアドレアマイシンの抑制作用と同等又はそれ以上であることを特徴とするがん細胞成長抑制剤。【選択図】なし


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特許公報(B2)_リキリチゲニンを含むヒト胃ガン・肺ガン細胞成長抑制剤

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_リキリチゲニンを含むヒト胃ガン・肺ガン細胞成長抑制剤
出願番号:2013040826
年次:2014
IPC分類:A61K 31/353,A61P 35/00


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肥後春男 蔡 雲清 JP 5611394 特許公報(B2) 20140912 2013040826 20130301 リキリチゲニンを含むヒト胃ガン・肺ガン細胞成長抑制剤 肥後 春男 510032210 石井 久夫 100091465 肥後春男 蔡 雲清 20141022 A61K 31/353 20060101AFI20141002BHJP A61P 35/00 20060101ALI20141002BHJP JPA61K31/353A61P35/00 A61K 31/353 A61P 35/00 特許第5275241(JP,B2) Life Science, 1994, Vol. 55, No. 13, p. 1061-1069 J.Nat.Prod., 2005, Vol. 68, No. 3, p. 423-426 J.Microbiol.Biotechnol., 2006, Vol. 19, No. 9, p. 1384-1391 Anticancer Research, 2000, Vol. 20, No. 4, p. 2525-2536 2 2009531036 20070903 2013144693 20130725 8 20130325 原田 隆興本発明はリキリチゲニンの前駆物質であるイソリキリチゲニンを有効利用して天然植物甘草中の活性物質甘草リキリチゲニン(以下、L-geninと略称する)に転換し、必須成分とする人肝臓ガン・人低分化胃ガン細胞成長抑制剤に関する。甘草は漢方薬品の一成分または食品の添加成分として広く使用されており、近年、甘草中の各種成分について系統立てた研究が行われているが、甘草中の抗がん活性成分の研究については未だ不十分である。現在、甘草中の三テルペン類化合物とフラボン類化合物は抗腫瘍の主要な活性成分と考えられており、その内、三テルペン類化合物、特に甘草グリシリジン、甘草グリシリジン酸の抗腫瘍研究は比較的多く行われている。他方、甘草フラボン類化合物については甘草フラボン類化合物混合物に抗がん作用、抗突然変異と抗酸化作用があることが発表されている(傅乃武らは研究)に過ぎない。他方、甘草中のフラバノン類単量体に属する化合物リキリチゲニンについては、抗ウイルス作用、例えばHIV感染治療やC型肝炎ウイルスに対して有効であることが発表されている(Cranceらの研究)が、抗腫瘍作用およびそのメカニズムについては検討されていない。他方、リキリチゲニンがヒト急性前骨髄球性白血病細胞(HL−60)の成長を抑制すること(非特許文献1)、皮膚ガン細胞(B16)の成長を抑制すること(非特許文献2)及びヒト結腸ガン細胞(HCT116)の成長を抑制すること(非特許文献3)が発表されたが、アドレアマイシンという抗生物質系の抗癌剤が適用性の広い抗癌剤として汎用されるに至るに伴い、リキリチゲニンの高コストも原因してその後研究が行なわれていなかったが、近年アドレアマイシンの副作用の問題があり、副作用のないがん細胞に対する促進抑制効果が注目されるに至った。Life Science, 1994, Vol. 55, No. 13, p.1061-1069J. Nat. Prod., 2005, Vol. 68, No. 3, p. 423-426J. Microbiol. Biotechnol., 2006, Vol. 19, No. 9, p. 1384-1391そこで、本発明者らは、甘草中のフラバノン類単量体:リキリチゲニン(甘草素liquiritigenin)とリクイリチン(liquiri)に対して、鋭意研究を重ね、甘草素リキリチゲニンが人体外の腫瘍細胞実験により、特に人肝臓ガン細胞(SMMC7721)及び人低分化胃線ガン細胞(BGCー823)に対し、その他のがん細胞抑制に必要な濃度の約10分の1の濃度で、がん細胞の成長を著しく抑制する作用があることを発見した。式1で示されるリキリチゲニンを必須成分として含有することを特徴とする人肝臓ガン細胞(SMMC7721)及び人低分化胃線がん細胞(BOC―723)に対しアドレアマイシン1×10―5モル/リットルの投与量で得られる人肝臓がん細胞(SMMC7721)及び人低分化胃線がん細胞(BOC―723)に対する抑制作用以上の薬効を得ることを特徴とする薬剤及びその組成物にある。 式1で示される甘草素リキリチゲニンは、イソリキリチゲニンをイソメラーゼの作用で閉環して酸素複素環を形成して、これを得、これを必須成分とし、その10μg/mlの投与量でヒト肝臓ガン細胞(SMMC7721)及び人低分化胃線がん細胞(BOC―723)に対しアドレアマイシン1×10―5モル/リットルの投与量で得られる人肝臓がん細胞(SMMC7721)及び人低分化胃線がん細胞(BOC―723)に対する抑制作用以上の薬効を得ることを特徴とする。式1で示されるフラバノン類単量体は以下の有意量の投与により、特に人肝臓ガン細胞(SMMC7721)、人低分化胃腺ガン細胞(BGC−823)の成長作用を抑制することができる。(実施例1)式1で示されるフラバノン類単量体について以下の実験結果を得た。一.細胞株及び選別方法細胞株:人肺がん細胞A549人低分化胃腺がん細胞 BGC−823人肝臓がん細胞SMMC−7721人早幼粒細胞白血病細胞HL−60方法:1.指数成長期状態が良好な細胞1瓶、0.25%のトリポシン消化液を入れることで消化された貼壁細胞を剥離させる、数2〜4×104/mLを計り、細胞懸液を作成する。2.細胞懸液を96個孔のプレートと180個孔のプレートに其々摂取し、低温のCO2の培養器に置き、24時間培養する。3.液を換え、実験しようとする薬物を20/孔に入れて、72時間に培養する。4.MTTを96個孔のプレートに20/孔に入れ、培養器の中で4時間を培養する。5.上の清液を吸い去れ、DMSOを150/孔に入れ、プレートに5分間揺れ振動させる。6.酸素連鎖性免疫吸着測定器を用いて、波長570nmのとこ其々孔の吸光値を測定し、細胞の抑制率を計算する。細胞の抑制率%= 陰性対象組OD値−実験物組OD値 ×100%陰性対象組OD値表4.の結果は甘草リキリチゲニン(liquiritigenine) が濃度250μmol/L 、500μmol/L の時,胃がん細胞に対する抑制率はそれぞれ54.8%、58.1%であることを示している。表5.の結果は甘草リキリチゲニン(liquiritigenine) が濃度250μmol/L 、500μmol/L の時,胃がん細胞に対する抑制率はそれぞれ42.0%、89.9%であることを示している。表6.の結果は甘草リキリチゲニン(liquiritigenine) が濃度125μmol/L 、500μmol/L の時,胃がん細胞に対する抑制率はそれぞれ57.6%、91.9%であることを示している。以上の表を見ると、甘草リキリチゲニン(liquiritigenine) が濃度200μmol/L 、500μmol/L 、1500μmol/L である時,肝臓がん細胞に48時間作用し、それぞれの抑制率は23.5%、45.2%、84.0%、であることが分かった。肝臓がん細胞(SMMC7721)に著しい抑制作用を示している。その抑制作用は甘草三テルペン類の単量体(モノマー)グリシリジン酸よりずっと高い。(製造例)本発明のフラバノン類単量体(式1)は甘草から直接抽出して生成することができるが、式1で示されるリキリチゲニンはイソリキリチゲニンをイソメラーゼの作用で閉環して酸素複素環を形成して製造することができる。なお、イソリキリチゲニンは次のようにして合成することができる。1、合成の工程条件の選択(1)簡単にイソリキリチゲニン(isoliquiritigenin)を合成するには、2,4-ジヒドロキシアセトフェノン(dihydroxyacetophenone)とジヒドロキシベンズアルデヒド(Dihydroxybenzaldehyde)とを原料とし、ルイス塩基(Lewis base)の触媒作用の情況下、縮合反応(condensation reaction)でワンステップ合成できる。その化学反応式は:2,4-ジヒドロキシアセトフェノン(dihydroxyacetophenone)とジヒドロキシベンズアルデヒド(Dihydroxybenzaldehyde)のmol比は1:1.5〜1:3であり、好ましくは1:1.8〜1:2である。(2)溶剤の選択2,4-ジヒドロキシアセトフェノン(dihydroxyacetophenone)とジヒドロキシベンズアルデヒド(Dihydroxybenzaldehyde)を溶解可能な有機溶剤を選んで使用することができる。低級アルコール、例えば、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)、N−ブチルアルコール(n-butyl alcohol)、イソプロピルエーテル(isopropyl ether)、N,N−ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide)、ジメチルスルフォキシド(dimethyl sulphoxide)、ジオキサン(dioxane)、エチレングリコールモノメチルエーテル(ethylene glycol monomethyl ether)、エチレングリコールジメチルエーテル(ethylene glycol dimethyl ether)等の溶剤。イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)、N−ブチルアルコール(n-butyl alcohol)、ジオキサン(dioxane)などが好ましい。(3)触媒剤の選択比較的に強いアルカリ性試薬を用いて触媒反応をしなければならず、ナトリウム・アルコキシド(sodium alkoxide)、水酸化アルカリ或は水素化ナトリウム(sodium hydride)などを使用できる。好ましくは低級アルコールのナトリウム塩を使用する。(4)反応時間及び温度同じ温度下、反応時間が比較的に長いほうが生産率の向上に有利である。反応温度は80〜150℃であり、反応時間は24〜36時間である。(5)抗酸化剤(antioxidant)の選択反応に使用される原料は何れもフェノール類(phenols)であって、アルカリ性の環境下で酸化及び変質し易く、窒素ガスを入れると同時に反応系に抗酸化剤をいれなければならない。常用される抗酸化剤にはブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、その他の抗酸化剤が使用できる。2、汚染除去工程の選択(1)脱色剤の選択活性炭、活性白土、シリカゲル(silica gel)、活性酸化マグネシウム或は活性酸化アルミニウムを使用して脱色することができる。活性炭の脱色効果がもっとも優れている。(2)再結晶(recrystallization)溶剤の選択イソリキリチゲニンとその異性体の甘草グリシリジンが混在しているので、混合溶剤を用いて再結晶汚染除去を行う必要がある。その中、常用する混合溶剤には、ベンゼンーエチルアセテート(ethyl acetate)、クロロホルムーエチルアセテート(chloroform−ethyl acetate)、ベンゼンーメチルアルコールなどがあり、その中で、体積比はベンゼンとクロロホルムが100、エチルアセテート、メチルアルコール或はエチルアルコールは6〜10である。なお、ベンゼンーエチルアセテートの効果がもっとも良い。具体的実施方式窒素ガスが通る四口フラスコにおいて、140mlのN−ブチルアルコール、ジヒドロキシベンズアルデヒド20gを加え、室温下で金属ナトリウムのシート4.0g、1gの抗酸化剤を加え、ゆっくり攪拌しながら水浴させ、全部溶解するまで加熱する。105℃まで上昇すると、15gの2,4-ジヒドロキシアセトフェノンをゆっくり80mlのN−ブチルアルコール溶液に一滴ずつ加え、激しく攪拌し、この温度下で28時間反応させた後冷却する。氷水浴に18%の塩酸を中性になるまで加える。反応液は二層に分かれる。有機相を取って活性炭で脱色させ、遠心し、有機相を洗浄液が薄くなるまで水洗いする。減圧して溶剤を回収し、乾燥させると16.5gのサーモンピンク色のイソリキリチゲニンの粗品を得た。それはイソリキリチゲニンと甘草グリシリジンの混合物である。ベンゼン:エチルアセテートの体積比が100:80のベンゼンーエチルアセテートの混合溶剤200gを製造し、粗品のイソリキリチゲニンと甘草グリシリジンの混合物をこの溶液の中で加熱溶解させ、熱いうちにその中の不溶物を濾過し、温度を下げてイソリキリチゲニンを析出させ、濾過した後、ベンゼンだけで充分に洗浄し、乾燥させて8.2g(0.03mol)の黄色のイソリキリチゲニンを得る。そのHPLC分析含有量≧96%であり、その紫外、赤外、核磁気共鳴、マススペクトル分析は標準商品と同じであった。本発明に係るリキリチゲニンはそのまま又は付形剤とともに、液体、錠剤、顆粒、ゼリー等の形態で提供することもできるし、あるいは食品添加物として飲料、各種食品に添加され、所定の抗がん効果を発揮することができる。 式1で示される甘草素リキリチゲニンを必須成分とする人低分化胃線がん細胞(BOC−723)成長抑制剤。[化1] 前記式1で示される甘草素リキリチゲニンがイソリキリチゲニンをイソメラーゼの作用で閉環して酸素複素環を形成したものである請求項1記載の人低分化胃線がん細胞(BOC−723)成長抑制剤。


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