生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_医薬品組成物
出願番号:2013036314
年次:2014
IPC分類:A61K 45/06,A61K 31/192,A61K 31/167,A61K 31/195,A61P 25/04,A61P 29/00,A61P 1/04,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

渡部 草太 JP 2014162771 公開特許公報(A) 20140908 2013036314 20130226 医薬品組成物 ライオン株式会社 000006769 渡部 草太 A61K 45/06 20060101AFI20140812BHJP A61K 31/192 20060101ALI20140812BHJP A61K 31/167 20060101ALI20140812BHJP A61K 31/195 20060101ALI20140812BHJP A61P 25/04 20060101ALI20140812BHJP A61P 29/00 20060101ALI20140812BHJP A61P 1/04 20060101ALI20140812BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140812BHJP JPA61K45/06A61K31/192A61K31/167A61K31/195A61P25/04A61P29/00A61P1/04A61P43/00 121 3 OL 9 4C084 4C206 4C084AA24 4C084MA02 4C084MA17 4C084MA23 4C084MA27 4C084MA35 4C084MA37 4C084MA41 4C084MA43 4C084MA52 4C084NA14 4C084ZA08 4C084ZA66 4C084ZB11 4C084ZC75 4C084ZC752 4C206AA01 4C206DA24 4C206FA14 4C206GA02 4C206GA31 4C206MA03 4C206MA04 4C206NA14 4C206ZA08 4C206ZA66 4C206ZB11 4C206ZC75 本発明は、プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬、非ピリン系解熱鎮痛薬、及び抗プラスミン薬を含有する医薬組成物に関する。特に、イブプロフェン、アセトアミノフェン及びトラネキサム酸を含有する抗炎症効果に優れたイブプロフェン含有医薬組成物に関する。プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬は、解熱鎮痛薬や消炎鎮痛薬の有効成分として広く用いられている。特にイブプロフェンは、優れた解熱、鎮痛、抗炎症作用を有し、様々な研究がなされている。例えば有効性に関しては、その効果向上を実現する手段として、他の有効成分との組合せが検討されており、イブプロフェンとアニリン誘導体系解熱鎮痛剤との組合せ(特許文献1、特許文献2、特許文献3)が知られている。しかしながら、イブプロフェンを経口投与した場合、胃部不快感、胃痛、吐き気などを生じることがあり、副作用として胃腸障害を起こすことが指摘されている。このために、イブプロフェンの経口投与による胃腸障害を軽減させることを目的として、イブプロフェンとアニリン誘導体系解熱鎮痛剤の組み合わせによって、有効性に優れかつ急性毒性の低減化を図った解熱鎮痛剤(特許文献1、特許文献4、特許文献5)や、サリチル酸系薬物と併用(特許文献6)、制酸剤及び/または粘膜被覆剤と併用(特許文献7)する技術が公開されている。さらに、イブプロフェンに対して任意の量のアセトアミノフェンを組み合わせることによって、有効性、安全性に優れた解熱鎮痛剤に関する技術が報告されている(非特許文献1)。本発明者らは、前記プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬、特にイブプロフェンに関する技術の有効性・安全性をさらに改良すべく、鋭意検討を行った。特開昭56-97224号公報特開平5-246845号公報特開平5-148139号公報特開昭56-154416号公報特開昭59-104315号公報特開昭61-134315号公報特開昭63-198620号公報平山豊ら, 医学と薬学, 62(5), 873-878, (2009).本発明は、従来よりも優れた鎮痛および抗炎症効果、胃腸障害軽減効果を有するプロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬、特にイブプロフェン含有医薬組成物を提供する。本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討の結果、(A)プロピオン酸誘導体系非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンなど)と(B)非ピリン系解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)とを特定の比率で含む配合剤に、(C)抗プラスミン薬(トラネキサム酸など)を特定比率で配合することにより、その抗炎症効果をさらに増強できることを見いだした。 すなわち、本発明の医薬製剤は、〔1〕(A)プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬、(B)非ピリン系解熱鎮痛薬、及び(C)抗プラスミン薬を含有し、(A)成分1重量部に対して、(B)成分0.7〜30重量部、かつ(C)成分が0.05〜10重量部であることを特徴とする医薬組成物。〔2〕(A)成分1重量部に対して、(B)成分0.75〜5重量部、かつ(C)成分が0.06〜6重量部であることを特徴とする、〔1〕に記載の医薬組成物。〔3〕(A)成分がイブプロフェン、(B)成分がアセトアミノフェン、(C)成分がトラネキサム酸であることを特徴とする、〔1〕又は〔2〕に記載の医薬組成物。を、提供する。 本発明により、鎮痛・抗炎症効果をさらに向上させることができ、鎮痛・抗炎症効果および安全性の両面において優れた医薬を提供することができる。 (A)成分であるプロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬としては、例えば、イブプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、アキセチル、オキサプロジン、フェノプロフェン、チアプロフェン酸、ナプロキセン、プラノプロフェン、ロキソプロフェン、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン又はこれらの塩などが例示できる。これらの薬効成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい(A)成分はイブプロフェンである。イブプロフェンは、2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸の化学名を有する物質であり、「第十六改正日本薬局方」(以下「局方」という) 等に収載されている薬効成分である。 (B)成分である非ピリン系(アニリン系)解熱鎮痛薬としては、例えば、アセトアミノフェン、メシル酸ジメトチアジン、それらの塩などが例示できる。これらの薬効成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい(B)成分はアセトアミノフェンである。アセトアミノフェンは、N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドの化学名を有する物質で、鎮痛作用等を有し、局方等に収載されている薬効成分である。 (C)成分である抗プラスミン薬としては、例えば、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、それらの塩などが例示できる。これらの薬効成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい(C)成分はトラネキサム酸及び/又はその塩である。トラネキサム酸は、トランス−4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸の化学名を有する物質で、抗出血作用、抗アレルギー作用および抗炎症作用等を有し、局方等に収載されている薬効成分である。 前記薬効成分(A)、(B)及び(C)の塩としては、生理的又は薬学的に許容される種々の塩が利用でき、塩を形成する酸又は塩基は、薬効成分の種類に応じて選択でき、例えば、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)、有機酸(有機カルボン酸、例えば、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、フマル酸などの有機カルボン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸などのヒドロキシカルボン酸;有機スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸などのアレーンスルホン酸など)、無機塩(アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルミニウム塩など)、有機塩基(アルキルアミン類、アルカノールアミン類、アルキレンジアミンなどのポリアミン類など)などが例示できる。また、薬効成分(A)(B)及び(C)は、ラセミ体、光学活性体((R)体,(S)体、ジアステレオマーなど)であってもよい。 本発明の医薬製剤において、(B)非ピリン系解熱鎮痛薬の配合量は、(A)プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬1重量部に対して、0.7〜30重量部、好ましくは0.75〜5重量部、さらに好ましくは0.8〜4重量部程度である。 また、(C)抗プラスミン薬の配合量は、(A)プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬1重量部に対して、0.05〜10重量部、好ましくは0.06〜6重量部である。 なお、(B)非ピリン系解熱鎮痛薬1重量部に対する(C)成分の割合は、0.01〜20重量部、好ましくは0.02〜15重量部である。 本発明の医薬製剤には、前記成分(A)、(B)及び(C)の他に、他の解熱鎮痛薬、風邪薬に配合可能な薬効成分を適宜配合できる。当該配合可能な薬効成分としては、本発明の医薬製剤の鎮痛・抗炎症活性および安全性に悪影響を及ぼさない薬効成分であればよく、例えば、一般用医薬品に関する「解熱鎮痛薬の製造(輸入)承認基準」[日本医薬品集 一般薬 2013-14、(株)じほう、付録10〜16ページ、平成24年9月10日発行]の別表1に記載の薬効成分および一般用医薬品に関する「かぜ薬の製造(輸入)承認基準」[日本医薬品集 一般薬 2013-14、(株)じほう、付録3〜9ページ、平成24年9月10日発行]の別表1に記載の薬効成分が挙げられる。 また、上記承認基準に基づくもの以外で、通常、解熱鎮痛薬およびかぜ薬の用途に適した薬効成分も、本発明の医薬製剤の鎮痛・抗炎症活性および安全性に悪影響を及ぼさないものであれば、適宜配合することができる。 このような他の薬効成分としては、例えば、各種ビタミン類(ビタミンA,D,E,K,Uなどの脂溶性ビタミン類;ビタミンB,C,Pなどの水溶性ビタミン類)、解熱・鎮痛・抗炎症薬(スルピリンなどのピリン系解熱鎮痛薬;サリチル酸ナトリウム、アスピリンなどのサリチル酸系薬剤、フルフェナム酸、メフェナム酸などのフェナム酸系薬剤、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシンなどのアリール酢酸系薬剤、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾンなどのピラゾリジン系薬剤、ブコロームなどのピリミジン系薬剤、ピロキシカムなどのオキシカム系薬剤、イソプロピルアンチピリンなど)、抗ヒスタミン薬(フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンなど)、鎮咳去痰薬(リン酸コディン、リン酸ジヒドロコディン、クロペラスチン、デキストロメトルファン、ベンゾナテートなどの鎮咳薬;去痰薬、例えば、塩酸ブロムヘキシン、塩酸L−システイン、塩酸L−メチルシステイン、アセチルシステインなどの粘膜溶解液、カルボシステインなどの粘液修復薬、塩酸アンブロキソールなどの粘液潤滑薬など)、気管支拡張薬又は喘息治療薬(シュードエフェドリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸テルブタリン、イソプロテレノール、サルブタモール、テルブタリンなどのβ2−アドレナリン受容体刺激薬、テオフィリン、アミノフィリン、プロキシフィリンなどのキサンチン系薬剤、クロモグリク酸など)、カフェイン、制酸剤、アミノ酸類、生薬などが例示できる。これらの薬効成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 これらの薬効成分は、本発明の医薬製剤の目的とする効能に応じて選択できる。例えば、薬効成分のうち、血管透過性亢進抑制作用などを有する成分、例えば、ビタミンPやその成分(ヘスペリジン、ヘスペレチンなど)は、本発明の医薬製剤をかぜ薬の用途に使用する成分として好ましい。このような成分の使用量は、(A)成分1重量部に対して、例えば、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜1重量部程度である。解熱鎮痛薬の用途に適した薬効成分としては、鎮痛解熱薬(イソプロピルアンチピリンなど)などが例示でき、かぜ薬の用途に適した有効成分としては、抗ヒスタミン薬(フマル酸クレマスチンなど)、鎮咳去痰薬(塩酸ブロムヘキシン、塩酸L−システイン誘導体など)、気管支拡張薬又は喘息治療薬(シュードエフェドリン、塩酸エフェドリンなど)などが挙げられる。 本発明の医薬組成物は、経口投与製剤として製剤化することができる。経口投与製剤は、固形製剤(錠剤、丸剤、細粒剤、顆粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、トローチ剤、ドライシロップ剤)であってもよく、液剤(シロップ剤、液剤および懸濁剤、ゼリー剤など)であってもよい。なお、経口投与製剤として、薬効成分の放出性をコントロールした製剤(例えば、速放性製剤、徐放性製剤)とすることも好ましい。 本発明の医薬製剤は、前記成分(A)、(B)、及び(C)成分と、必要に応じて任意の薬物、添加物とを、公知の方法を用いて製剤化することができる。すなわち、本発明の医薬製剤は、例えば、局方に記載の錠剤、顆粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、トローチ剤、ドライシロップ剤、シロップ剤、液剤および懸濁剤、ゼリー剤の製造法に従って製造することができる。なお、固形製剤は、通常、結合剤、賦形剤、崩壊剤から選択された少なくとも1つの添加物を用いて調製される。例えば、顆粒剤は、押出造粒、噴霧造粒などにより薬効成分を造粒し、必要により整粒することにより製造することができる。錠剤は、直打あるいは前記造粒物と添加剤とを混合して圧縮成形し、必要に応じて、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を付与する目的でフィルムコーティング或いは糖衣を施し、製造することができる。カプセル剤は、カプセルに顆粒剤を充填することにより製造することができる。液剤は、剤型に応じて、薬効成分と液体媒体(水など)と、必要により添加物成分(乳化剤、分散剤や懸濁剤、保存剤、安定剤、矯味剤、pH調整剤や緩衝剤など)とを混合して製造することができ、必要により滅菌処理を施す。 前記添加物としては、前記剤型の医薬品を製造する上で通常使用される添加剤が挙げられ、例えば、局方および「医薬品添加物事典」(薬事日報社、2007年7月25日発行)に収載されている賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤などが利用できる。 担体成分又は添加剤のうち賦形剤としては、トウモロコシデンプン(コーンスターチ)などのデンプン、結晶セルロースなどの多糖類;乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトールなどの糖類などが例示できる。結合剤としては、α化デンプン、寒天、アラビアゴム、デキストリンなどの多糖類;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリ乳酸などの合成高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースエーテル類などが例示できる。崩壊剤としては、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウム)、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが例示できる。滑沢剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000などが挙げられる。また、崩壊助剤、脂質類(水素添加植物油などの油脂、リン脂質など)、マクロゴール、矯味剤やマスキング剤、着色剤、芳香剤なども使用できる。 コーティング剤としては、例えば、糖類、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリオキシエチレングリコール、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびオイドラギット(メタアクリル酸・アクリル酸共重合体など)などが用いられる。コーティング剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの腸溶性成分であってもよく、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートなどの塩基性成分を含むポリマー(オイドラギットなど)で構成された胃溶性成分であってもよい。 本発明の医薬製剤は、通常、一日に1〜数回に分けて経口投与されるが、(A)プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬がイブプロフェンの場合は、イブプロフェンの投与量が、成人の場合、100〜1000mg/日、好ましくは200〜800mg/日、より好ましくは300〜600mg/日の範囲となるように配合するのがよい。(A)プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンなど)の投与量は、小児を含めて、患者の年齢、体重、症状により、適宜適切に設定することができる。以下に、試験例および実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例示に限定されない。試験例1:ラットにおけるカラゲニン誘発足蹠浮腫法を用いた抗炎症作用の検証(1)表1のサンプル1〜4に示す各成分(mg)を、IBP濃度を基準に1BP6.5mg/mL、アラビアゴムの最終濃度が5w/v%となるように用時懸濁し、被験薬とした。(サンプルNo.1)重量比でイブプロフェン:アセトアミノフェン:トラネキサム酸=1:1:1.92の配合剤、(サンプルNo.2)重量比でイブプロフェン:アセトアミノフェン:トラネキサム酸=1:1:1.08の配合剤、(サンプルNo.3)重量比でイブプロフェン:アセトアミノフェン=1:1の配合剤、(サンプルNo.4)トラネキサム酸単独の配合剤 抗炎症効果は、Pichatらの方法[Arzneim-Forsch./Drug Res. 48(1), 173-178(1998) ]に準じてラットカラゲニン足蹠浮腫法により評価した。すなわち、一夜絶食したラットを1群6匹として使用し、各サンプル(サンプル1〜3はイブプロフェン投与量として6.5mg/kgとなる配合剤量、サンプル4は12.5mg/kgの配合剤量)を、10mL/kgの投与量でそれぞれ経口投与した。1時間後に左後肢足蹠に1w/v%のλ−カラゲニンを0.1mL皮下投与し、3時間後に足蹠容積を測定して、下記式1により、浮腫抑制率を算出した。試験例2:ラットにおけるカラゲニン誘発足蹠浮腫法を用いた抗炎症作用の検証(2)表1のサンプル5〜8に示す各成分(mg)を、IBP濃度を基準にIBP7.5mg/mL、アラビアゴムの最終濃度が5w/v%となるように用時懸濁し、被験薬とした。(サンプルNo.5)重量比でイブプロフェン:アセトアミノフェン:トラネキサム酸=1:1:1.67の配合剤、(サンプルNo.6)重量比でイブプロフェン:アセトアミノフェン:トラネキサム酸=1:1:0.93の配合剤、(サンプルNo.7)重量比でイブプロフェン:アセトアミノフェン=1:1の配合剤、(サンプルNo.8)トラネキサム酸単独の配合剤 抗炎症効果は、Pichatらの方法[Arzneim-Forsch./Drug Res. 48(1), 173-178(1998) ]に準じてラットカラゲニン足蹠浮腫法により評価した。すなわち、一夜絶食したラットを1群6匹として使用し、各サンプル(サンプル1〜3はイブプロフェン投与量として7.5mg/kgとなる配合剤量、サンプル4は12.5mg/kgの配合剤量)を、10mL/kgの投与量でそれぞれ経口投与した。1時間後に左後肢足蹠に1w/v%λ−カラゲニン0.1mLを皮下投与し、3時間後に足蹠容積を測定して、浮腫抑制率を算出した。5w/v%のアラビアゴム懸濁液および生理食塩水のみの投与群をカラゲニン非投与群とし、5w/v%のアラビアゴム懸濁液を経口投与後、1時間後に左後肢足蹠に1w/v%のλ-カラゲニンを皮下投与した群をコントロール群とした。試料の投与から3時間後に足蹠容積を測定して、抗炎症活性を測定し、得られた結果から、下記式にて浮腫抑制率を算出した。なお、(b)カラゲニン非投与群の足蹠容積は、サンプルとして5w/v%のアラビアゴム懸濁液を10mL/kgの投与量で経口投与し、1時間後にカラゲニンに換えて生理食塩水を皮下注射した場合の足蹠容積、(c)コントロール群の足蹠容積は、サンプルとして5w/v%のアラビアゴム懸濁液を10mL/kgの投与量で経口投与し、1時間後に1w/v%のλ−カラゲニン0.1mLを皮下投与した場合の足蹠容積である。浮腫抑制率(%)=100×(1−[a−b]/[c−b])・・・・・・(式1)a:サンプル投与群の足蹠容積b:カラゲニン非投与群の足蹠容積c:コントロール群の足蹠容積抗炎症効果は、各群(n=6)の浮腫抑制率の平均値を求め、以下の基準にて評価し、表1に示した。70%以上:◎、60%以上70%未満:○、50%以上60%未満:△、50%未満:× 表1から明らかなように、単独では抗炎症効果が低いトラネキサム酸(サンプル4,8参照)を配合したサンプル1,2,4,5は、いずれも配合しないサンプル3,4と比較し、優れた抗炎症活性を有するものであった。(実施例1) 錠剤1錠中の処方例(全量285mg):イブプロフェン65mg、アセトアミノフェン65mg、トラネキサム酸125mg、コーンスターチ23mgおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース7mg 上記処方について、局方製剤総則記載の公知の方法により、錠剤を製した。 (実施例2) 錠剤1錠中の処方(全量240mg):イブプロフェン65mg、アセトアミノフェン65mg、トラネキサム酸70mg、ヘスペリジン10mgおよびコーンスターチ23mgおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース7mg 上記処方について、局方製剤総則記載の公知の方法により、錠剤を製した。 (実施例3) カプセル剤1カプセル中の処方(全量295mg):イブプロフェン65mg、アセトアミノフェン65mg、トラネキサム酸125mg、コーンスターチ38mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg 上記処方について、局方製剤総則記載の公知の方法により、カプセル剤を製した。 (実施例4) カプセル剤1カプセル中の処方(全量250mg):イブプロフェン65mg、アセトアミノフェン65mg、トラネキサム酸70mg、ヘスペリジン10mg、コーンスターチ38mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg 上記処方について、局方製剤総則記載の公知の方法により、カプセル剤を製した。 (実施例5) 顆粒剤1包中の処方(全量755mg):イブプロフェン65mg、アセトアミノフェン65mg、トラネキサム酸125mg、乳糖200mg、結晶セルロース295mgおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5mg 上記処方について、局方製剤総則記載の公知の方法により、顆粒剤を製した。 (実施例6) 顆粒剤1包中の処方(全量710mg):イブプロフェン65mg、アセトアミノフェン65mg、トラネキサム酸70mg、ヘスペリジン10mg、乳糖200mg、結晶セルロース295mgおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5mg 上記処方について、局方製剤総則記載の公知の方法により、顆粒剤を製した。 (A)プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬、(B)非ピリン系解熱鎮痛薬、及び(C)抗プラスミン薬を含有し、(A)成分1重量部に対して、(B)成分0.7〜30重量部、かつ(C)成分が0.05〜10重量部であることを特徴とする医薬組成物。(A)成分1重量部に対して、(B)成分0.75〜5重量部、かつ(C)成分が0.06〜6重量部であることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。(A)成分がイブプロフェン、(B)成分がアセトアミノフェン、(C)成分がトラネキサム酸であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の医薬組成物。 【課題】鎮痛・抗炎症の効果と安全性の両面で優れており、一般用医薬品として患者が安心して使用できる医薬製剤の提供。【解決手段】(A)プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンなど)、(B)非ピリン系解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)、及び(C)抗プラスミン薬(トラネキサム酸)を含有し、(A)成分1重量部に対して、(B)成分0.7〜30重量部、かつ(C)成分が0.05〜10重量部であることを特徴とする医薬組成物。【選択図】なし


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