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タイトル:公開特許公報(A)_顔料の分離方法
出願番号:2013033736
年次:2014
IPC分類:G01N 9/36,G01N 9/30


特許情報キャッシュ

村山 浩一 JP 2014163756 公開特許公報(A) 20140908 2013033736 20130222 顔料の分離方法 セイコーエプソン株式会社 000002369 増田 達哉 100091292 朝比 一夫 100091627 村山 浩一 G01N 9/36 20060101AFI20140812BHJP G01N 9/30 20060101ALI20140812BHJP JPG01N9/36 AG01N9/30 9 OL 12 本発明は、顔料の分離方法に関するものである。 インクジェット用インクとして、顔料が分散した顔料インクが知られている。 このような顔料インク中に含まれる顔料を分離して分析する方法として、例えば、(1)塩析若しくは凝析、(2)沈澱物の洗浄、(3)乾固、(4)顔料を抽出、(5)乾燥という一連の手順によって、顔料を分離し、分析する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。 ところで、顔料インク中には、顔料以外に、溶剤、樹脂(樹脂エマルジョン)、界面活性剤等の種々の添加物が含まれている。従来の方法では、これら添加物(成分)が、塩析や凝析の過程において顔料粒子表面に吸着してしまい、顔料を分離することが困難であった。特開2004−83841号公報 本発明の目的は、顔料インクから顔料を容易に分離することが可能な顔料の分離方法を提供することにある。 このような目的は、下記の本発明により達成される。 本発明の顔料の分離方法は、顔料を含む顔料インクから顔料を分離する分離方法であって、 遠心管中に、当該遠心管の口部側から底部側に向かって密度が大きくなる密度勾配を有する密度勾配液を用意する第1の工程と、 前記顔料インク中の前記顔料以外の成分の比重よりも大きく、前記顔料の比重よりも小さい液体Aで、前記顔料インクを希釈し、希釈液を得る第2の工程と、 前記希釈液を前記密度勾配液の液面上に重層する第3の工程と、 前記希釈液と前記密度勾配液とを重層した前記遠心管を高速遠心する第4の工程と、を有することを特徴とする。 これにより、顔料インクから顔料を容易に分離することが可能な顔料の分離方法を提供することができる。 本発明の顔料の分離方法では、前記第2の工程において、前記顔料インクを100倍以上10000倍以下に希釈することが好ましい。 これにより、顔料と顔料以外の成分との不本意な凝集をより効果的に防止し、より確実に顔料を分離することができる。 本発明の顔料の分離方法では、前記液体Aは、ポリオール類であることが好ましい。 これにより、顔料と顔料以外の成分との不本意な凝集をより効果的に防止することができる。 本発明の顔料の分離方法では、前記ポリオール類は、グリセリンであることが好ましい。 これにより、顔料と顔料以外の成分との不本意な凝集をより効果的に防止することができる。 本発明の顔料の分離方法では、前記密度勾配液は、密度が1.3g/cm3以上1.8g/cm3以下の水溶液を高速遠心することにより得られたものであることが好ましい。 これにより、より短時間で密度勾配液を形成することができる。 本発明の顔料の分離方法では、前記密度勾配液は、塩化セシウムの水溶液であることが好ましい。 塩化セシウムは、水への溶解度が非常に高いため、高濃度の水溶液を容易に形成することができる。また、塩化セシウムを用いることにより、高速遠心により容易に密度勾配液を形成することができる。 本発明の顔料の分離方法では、前記第3の工程の前に、前記希釈液と前記密度勾配液との間に、前記希釈液と前記密度勾配液とが直接接触するのを防止する緩衝層を設ける工程を有することが好ましい。 これにより、希釈液を密度勾配液上に乗せたときに、希釈液が、高濃度の密度勾配液と直接接触することによって、希釈液中の顔料等が凝集してしまうのをより効果的に防止することができる。 本発明の顔料の分離方法では、前記緩衝層は、前記顔料インク中の前記顔料以外の成分の比重よりも大きく、前記顔料の比重よりも小さい液体Bで構成されていることが好ましい。 これにより、希釈液中の顔料等の凝集をより確実に防止することができる。その結果、より効率よく顔料インクから顔料を分離することができる。 本発明の顔料の分離方法では、前記液体Bは、ポリオール類であることが好ましい。 これにより、希釈液中の顔料等の凝集をさらに確実に防止することができる。 以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。 ≪顔料の分離方法≫ 本発明の顔料の分離方法は、顔料を含む顔料インクから顔料を分離する分離方法である。 本実施形態に係る顔料の分離方法は、遠心管中に、当該遠心管の口部側から底部側に向かって密度が大きくなる密度勾配を有する密度勾配液を用意する第1の工程と、顔料インク中の顔料以外の成分の比重よりも大きく、顔料の比重よりも小さい液体Aで、顔料インクを希釈し、希釈液を得る第2の工程と、密度勾配液の液面上に、希釈液と密度勾配液とが直接接触するのを防止する緩衝層を設ける緩衝層形成工程と、希釈液を密度勾配液の液面(緩衝層)上に重層する第3の工程と、希釈液と密度勾配液とを重層した遠心管を高速遠心(超遠心)する第4の工程とを有する。 ところで、従来から、顔料インク中に含まれる顔料を分離して分析する方法として、例えば、(1)塩析若しくは凝析、(2)沈澱物の洗浄、(3)乾固、(4)顔料を抽出、(5)乾燥という一連の手順によって、顔料を分離し、分析する方法が知られている。 しかしながら、顔料インク中には、顔料以外に、溶剤、樹脂(樹脂エマルジョン)、界面活性剤等の種々の添加物が含まれているため、従来の方法では、これら添加物(成分)が、塩析や凝析の過程において顔料粒子表面に吸着してしまい、顔料を確実に分離することが困難であった。 これに対して、本発明では、顔料インク中の顔料以外の成分の比重よりも大きく、顔料の比重よりも小さい液体Aで、顔料インクを希釈した希釈液を用い、密度勾配遠心法により顔料を分離する点に特徴を有している。このような特徴を有することにより、顔料インクから顔料を容易に分離することができる。これは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、希釈することにより、顔料インク中と比較して、希釈液中では顔料と顔料以外の成分との距離が遠くなり、顔料と顔料以外の成分とが凝集して分離不能になるのを防止することができる。また、上記のような比重の液体Aを用いることで、希釈液中において顔料は沈む方向に力が掛かり、他の成分は浮力が掛かることとなる。その結果、顔料と他の成分とが分離しやすくなる。 以下、各工程について詳細に説明する。 [第1の工程] 第1の工程では、遠心管中に、当該遠心管の口部側から底部側に向かって密度が大きくなる密度勾配を有する密度勾配液を用意する。 密度勾配液は、分子量の大きい水溶性の化合物を水に高濃度となるように溶解させ、この高濃度水溶液を遠心管に入れて高速遠心することにより、形成することができる。 分子量の大きい水溶性の化合物としては、特に限定されず、例えば、ショ糖、塩化ナトリウム、臭化カリウム、硫酸カリウム、塩化セシウム等が挙げられる。これらの中でも、塩化セシウムを用いるのが好ましい。塩化セシウムは、水への溶解度が非常に高いため、高濃度の水溶液を容易に形成することができる。また、塩化セシウムを用いることにより、高速遠心により容易に密度勾配液を形成することができる。 遠心をかける前の上記高濃度水溶液の密度は、1.3g/cm3以上1.8g/cm3以下であるのが好ましく、1.5g/cm3以上1.7g/cm3以下であるのがより好ましい。これにより、より短時間で密度勾配液を形成することができる。 また、高速遠心の速度は、10000rpm以上であるのが好ましい。これにより、より短時間で密度勾配液を形成することができる。 また、高速遠心は、アングルロータを用いてもよいし、スイングロータを用いてもよい。 また、遠心管としては、いずれのものも用いることができるが、内表面がフルオロサーフ処理されたものを用いるのが好ましい。これにより、顔料インクを分離する際に、顔料が遠心管内に吸着するのを防止することができる。また、分離した顔料の回収を容易にすることができる。 [第2の工程] 一方で、顔料インクを、顔料インク中の顔料以外の成分の比重よりも大きく、顔料の比重よりも小さい液体Aで希釈し、希釈液を得る(第2の工程)。 本発明では、このような比重の液体Aによって顔料インクを希釈した希釈液を用いることにより、顔料と顔料以外の成分との不本意な凝集を防止し、確実に顔料を分離することができる。 本工程では、顔料インクを100倍以上10000倍以下に希釈するのが好ましく、200倍以上2000倍以下に希釈するのがより好ましい。これにより、顔料と顔料以外の成分との不本意な凝集をより効果的に防止し、より確実に顔料を分離することができる。 液体Aは、顔料インクの各成分によって適宜選択されるものである。 液体Aとしては、例えば、ショ糖溶液、ポリオール類、グリコール類、グリコールエステル類、グリコールエーテル類等を挙げることができる。 上述した中でも、液体Aとして、ポリオール類を用いるのが好ましく、ポリオール類の中でもグリセリンを用いるのがさらに好ましい。これにより、顔料と顔料以外の成分との不本意な凝集をより効果的に防止することができる。また、一般に顔料インク中に樹脂エマルジョンが含まれていると凝集を生じやすい傾向があるが、ポリオール類(特にグリセリン)を用いることで、樹脂エマルジョンによる影響を低減することができる。 [緩衝層形成工程] 次に、密度勾配液の液面上に、希釈液と密度勾配液とが直接接触するのを防止する緩衝層を設ける(緩衝層形成工程)。 このような緩衝層を設けることにより、希釈液を密度勾配液上に乗せたときに、希釈液が、高濃度の密度勾配液と直接接触することによって、希釈液中の顔料等が凝集してしまうのをより効果的に防止することができる。 緩衝層は、顔料インク中の顔料以外の成分の比重よりも大きく、顔料の比重よりも小さい液体Bで構成されているのが好ましい。これにより、希釈液中の顔料等の凝集をより確実に防止することができる。その結果、より効率よく顔料インクから顔料を分離することができる。 液体Bとしては、上記比重のものであれば特に限定されず、上述した液体Aと同様に、ショ糖溶液、ポリオール類、グリコール類、グリコールエステル類、グリコールエーテル類等を挙げることができる。 上述した中でも、液体Bとして、ポリオール類を用いるのが好ましく、ポリオール類の中でもグリセリンを用いるのがさらに好ましい。これにより、希釈液中の顔料等の凝集をさらに確実に防止することができる。 [第3の工程] 次に、希釈液を密度勾配液の液面(緩衝層)上に重層する(第3の工程)。 本実施形態では、上述したように緩衝層が設けられているため、希釈液と密度勾配液とが直接接触するのが防止されている。このため、希釈液が、高濃度の密度勾配液と直接接触することによって、希釈液中の顔料等が不本意に凝集してしまうのをより効果的に防止することができる。 [第4の工程] 希釈液と密度勾配液とを重層した遠心管を高速遠心(超遠心)する(第4の工程)。高速遠心をすることで、顔料が密度勾配液の顔料の密度に該当する位置に留まり、他の成分はそれぞれの密度に該当する位置で止まる。その結果、顔料を分離することが可能となる。また、この方法によれば、顔料の止まった位置によって顔料の比重を測定することもできる。 高速遠心の速度は、10000rpm以上であるのが好ましい。これにより、より短時間で顔料を分離することができる。 また、高速遠心は、アングルロータを用いてもよいし、スイングロータを用いてもよい。 第4の工程において、遠心管内の液体の温度は、−20℃以上60℃以下であるのが好ましく、10℃以上30℃以下であるのがより好ましい。これにより、より効率よく顔料を分離することができる。遠心管内の液体の温度が前記下限値未満であると、密度勾配液中の水溶性化合物の溶解度によっては、水溶性化合物が析出する場合がある。また、遠心管内の液体の温度が前記上限値を超えると、密度勾配液中の水溶性化合物の種類によっては、密度勾配が破壊される場合がある。 ≪顔料インク≫ 次に、本発明に適用することができる顔料インクについて説明する。 [顔料] 顔料インクは、顔料を含んでいる。 本発明に適用することができる顔料インクに含まれる顔料としては、公知の無機顔料および有機顔料のいずれをも用いることができる。 このような顔料としては、例えば、カラーインデックスに記載されているピグメントイエロー、ピグメントレッド、ピグメントバイオレット、ピグメントブルー、ピグメントブラック等の顔料の他、フタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、縮合環系等の顔料が例示できる。また、黄色4号、5号、205号、401号;橙色228号、405号;青色1号、404号等の有機顔料や、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、群青、紺青、酸化クローム等の無機顔料が挙げられる。 顔料のカラーインデックスとしては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50等、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー4、60等、C.I.ピグメントグリーン7、10、C.I.ピグメントブラウン3、5、25、26、C.I.ピグメントオレンジ2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63等、C.I.ピグメントブラック1、7等が挙げられる。 また、顔料としては、樹脂分散型や自己分散型等を用いることができる。 樹脂分散型は、顔料を高分子分散剤や界面活性剤などの分散剤と共に、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速獲拝型分散機などを用いて水性媒体中に分散させることにより得られるものである。 また、自己分散型は、顔料表面に分散性付与基(親水性官能基および/またはその塩)を直接またはアルキル基、アルキルエーテル基、アリール基等を介して間接的に結合させ、分散剤なしで水性媒体中に分散および/または溶解するものである。 自己分散型顔料は、例えば、顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、分散性付与基または分散性付与基を有する活性種を顔料の表面に結合(グラフト)させることによって製造される。物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理が例示できる。また、化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により顔料表面を酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法が例示できる。 [樹脂エマルジョン] 顔料インクは、樹脂エマルジョンを含んでいてもよい。樹脂エマルジョンを含むことにより、顔料インクの記録媒体に対する定着性を向上させることができる。 樹脂エマルジョンを構成する樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。 樹脂粒子のエマルジョンは、公知の乳化重合法により得ることができる。例えば、不飽和単量体(不飽和ビニルモノマー等)を重合開始剤、および界面活性剤を存在させた水中において乳化重合することによって得ることができる。 不飽和単量体としては、一般に乳化重合で使用されるアクリル酸エステル単量体類、メタクリル酸エステル単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルエステル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、ハロゲン化単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類等が挙げられる。さらに、具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、および酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン化単量体類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、クロロプレン等のジエン類;ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン等のビニル単量体類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基含有単量体類等が挙げられ、これらを単独または二種以上混合して使用することができる。 また、重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体も使用することができる。重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体の例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジアクリレート化合物、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート等のトリアクリレート化合物、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合物、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のヘキサアクリレート化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジメタクリレート化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合物、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン等が挙げられ、これらを単独または二種以上混合して使用することができる。 また、乳化重合の際に使用される重合開始剤および界面活性剤の他に、連鎖移動剤、さらには中和剤等も常法に準じて使用してよい。特に中和剤としては、アンモニア、無機アルカリの水酸化物、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が好ましい。 [水、有機溶剤] 顔料インクは、安全性、取扱性および性能面(発色性、裏抜け適性、インク信頼性)の観点から水を含有していてもよい。また、水を含むことにより、顔料の分散性を向上させることができる。 また、顔料インクは、溶剤として、水以外に、有機溶剤を併用することもできる。 このような有機溶剤としては、水と相溶性を有し、記録媒体へのインク組成物の浸透性及びノズルの目詰まり防止性を向上させると共に、後述する浸透剤等のインク組成物中の成分の溶解性を向上させるものが好ましく、例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類、2−ピロリドン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられる。 [その他の成分] 顔料インクは、上記成分の他、アセチレングリコール系界面活性剤が含まれていてもよい。 アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、又はこれらの物質それぞれにおける複数の水酸基それぞれにエチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基を平均1〜30個付加してなる物質等が挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、「オルフィンE1010」及び「オルフィンSTG」(何れも、商品名、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。 また、顔料インクには、浸透剤が含まれていてもよい。 浸透剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(DEGmBE)、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル(DEGmtBE)、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(TEGmBE)、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(PGmBE)、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(DPGmBE)等が挙げられる。 また、顔料インクには、上記アセチレングリコール系界面活性剤以外の界面活性剤を含有させることもできる。そのような界面活性剤としては、例えば、両性界面活性剤として、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体等、非イオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のシリコン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。 また、顔料インクは、水溶性グリコール類を含んでいてもよい。このような水溶性グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、トリメチレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の二価のアルコールや、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等の三価以上のアルコール等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。 また、顔料インクは、糖類や、防黴剤・防腐剤、表面張力調整剤、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、酸素吸収剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。 以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。 前述した実施形態では、緩衝層を設ける場合について説明したが、緩衝層を形成する緩衝層形成工程は無くてもよい。 [1]顔料インクの製造 以下のようにして、インクジェット捺染用インク組成物を製造した。 (顔料インク1〜3) 表1に示す配合量(顔料インクの全重量に対する各成分の質量%)で、顔料、エマルジョン、有機溶剤、及びイオン交換水(残量、表1に示さず)を混合攪拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をして、顔料インク1〜3を得た。 表1中、顔料1は、自己分散型顔料である、オリエント化学工業(株)製の「マイクロジェットCW1」(商品名)〔平均粒径;110nm〕であり、顔料2は自己分散型顔料である、キャボット社製の「CAB−O−JET 300」(商品名)〔平均粒径;130nm〕である。また、表中、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを「TEGmBE」、グリセリンを「GL」、トリエチレングリコールを「TEG」、1,2−ヘキサンジオールを「1,2−HD」、2−ピロリドンを「2P」、トリプロパノールアミンを「TPA」、エチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウムを「EDTA」と示した。また、表中、オルフィンE1010およびオルフィンSTGはアセチレングリコール系界面活性剤(日信化学工業(株)製)である。また、プロキセルXL2(アビシア(株)製)は防黴剤である。 また、表1中のエマルジョンは、全て、分散媒が水で分散質が樹脂粒子である、樹脂粒子の水系分散液である。尚、表1中のエマルジョンの重量%は、樹脂粒子としての濃度を表す。 以下、エマルジョン1および2の製造法を示す。 (エマルジョン1の製造法) 撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム3gを仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450gに、ラウリル硫酸ナトリウム3g、アクリルアミド20g、スチレン130g、2−エチルヘキシルアクリレート780g、メタクリル酸30g、及びエチレングリコールジメタクリレート2gを撹拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行った。得られた水性エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水とアンモニア水とを添加して固形分40重量%、pH8に調整した。これにより、エマルジョン1が得られた。 (エマルジョン2の製造法) 撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450gに、ラウリル硫酸ナトリウム3g、アクリルアミド20g、スチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸30gを撹拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行った。得られた水性エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分40重量%、pH8に調整した。これにより、エマルジョン2が得られた。 [2]顔料分離試験 (実施例1) まず、濃度:80g/100mL、密度:1.59g/cm3の塩化セシウム水溶液を用意した。 内面をフルオロサーフ処理した遠心管に、上記塩化セシウム水溶液を4.5mL投入した。 次に、この遠心管を、アングルロータにより80000rpm、4時間、遠心し、密度勾配液を得た。 次に、遠心管内の密度勾配液の上にグリセリン(液体B)を0.2mL乗せ、緩衝層を形成した。 一方、上記顔料インク1をグリセリン(液体A)で1000倍に希釈し、希釈液を得た。 得られた希釈液0.5mLを、前記緩衝層の上に乗せた。 その後、遠心管をアングルロータにより80000rpm、4時間、遠心した。 その結果、遠心管内に顔料で構成された層ができたことが確認された。 (実施例2) 顔料インク1の希釈率を100倍にした以外は、前記実施例1と同様にして顔料分離を行ったところ、遠心管内に顔料で構成された層ができたことが確認された。 (実施例3) 顔料インク1の希釈率を10000倍にした以外は、前記実施例1と同様にして顔料分離を行ったところ、遠心管内に顔料で構成された層ができたことが確認された。 (実施例4) 顔料インク1の代わりに、顔料インク2を用いた以外は、前記実施例1と同様にして顔料分離を行ったところ、遠心管内に顔料で構成された層ができたことが確認された。 (実施例5) 顔料インク1の代わりに、顔料インク3を用いた以外は、前記実施例1と同様にして顔料分離を行ったところ、遠心管内に顔料で構成された層ができたことが確認された。 (比較例) まず、顔料インク1:10mLに塩化ナトリウム水溶液(20%濃度):10mLを加えて、塩析させ、限外濾過等を行って、固形分を分離した。 次に、得られた固形分を純水で十分に洗浄した。 次に、得られる洗浄後の固形分は、オーブン等で60℃で2時間程乾燥し、乾固物として取り出た。 乾固物について赤外分光分析を行ったところ、顔料以外のインク成分が含まれていることが確認された。 [3]結論 上記各実施例から、本発明の顔料の分離方法によれば、顔料を効率よく分離することが可能であることが解った。これに対して、比較例では満足行く結果が得られなかった。 顔料を含む顔料インクから顔料を分離する分離方法であって、 遠心管中に、当該遠心管の口部側から底部側に向かって密度が大きくなる密度勾配を有する密度勾配液を用意する第1の工程と、 前記顔料インク中の前記顔料以外の成分の比重よりも大きく、前記顔料の比重よりも小さい液体Aで、前記顔料インクを希釈し、希釈液を得る第2の工程と、 前記希釈液を前記密度勾配液の液面上に重層する第3の工程と、 前記希釈液と前記密度勾配液とを重層した前記遠心管を高速遠心する第4の工程と、を有することを特徴とする顔料の分離方法。 前記第2の工程において、前記顔料インクを100倍以上10000倍以下に希釈する請求項1に記載の顔料の分離方法。 前記液体Aは、ポリオール類である請求項1または2に記載の顔料の分離方法。 前記ポリオール類は、グリセリンである請求項3に記載の顔料の分離方法。 前記密度勾配液は、密度が1.3g/cm3以上1.8g/cm3以下の水溶液を高速遠心することにより得られたものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の顔料の分離方法。 前記密度勾配液は、塩化セシウムの水溶液である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の顔料の分離方法。 前記第3の工程の前に、前記希釈液と前記密度勾配液との間に、前記希釈液と前記密度勾配液とが直接接触するのを防止する緩衝層を設ける工程を有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の顔料の分離方法。 前記緩衝層は、前記顔料インク中の前記顔料以外の成分の比重よりも大きく、前記顔料の比重よりも小さい液体Bで構成されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の顔料の分離方法。 前記液体Bは、ポリオール類である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の顔料の分離方法。 【課題】顔料インクから顔料を容易に分離することが可能な顔料の分離方法を提供すること。【解決手段】本発明の顔料の分離方法は、顔料を含む顔料インクから顔料を分離する分離方法であって、遠心管中に、当該遠心管の口部側から底部側に向かって密度が大きくなる密度勾配を有する密度勾配液を用意する第1の工程と、前記顔料インク中の前記顔料以外の成分の比重よりも大きく、前記顔料の比重よりも小さい液体Aで、前記顔料インクを希釈し、希釈液を得る第2の工程と、前記希釈液を前記密度勾配液の液面に重層する第3の工程と、前記希釈液と前記密度勾配液とを重層した前記遠心管を高速遠心する第4の工程と、を有することを特徴とする。前記第2の工程において、前記顔料インクを100倍以上10000倍以下に希釈することが好ましい。【選択図】なし


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