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タイトル:公開特許公報(A)_水中油型睫用化粧料
出願番号:2013028294
年次:2013
IPC分類:A61K 8/81,A61Q 1/10,A61K 8/92


特許情報キャッシュ

柿沢 英美 JP 2013189430 公開特許公報(A) 20130926 2013028294 20130215 水中油型睫用化粧料 株式会社コーセー 000145862 柿沢 英美 JP 2012031095 20120215 A61K 8/81 20060101AFI20130830BHJP A61Q 1/10 20060101ALI20130830BHJP A61K 8/92 20060101ALI20130830BHJP JPA61K8/81A61Q1/10A61K8/92 4 OL 12 4C083 4C083AA082 4C083AA121 4C083AA122 4C083AB132 4C083AB232 4C083AB242 4C083AB372 4C083AB432 4C083AC011 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC112 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC242 4C083AC392 4C083AC422 4C083AC442 4C083AC542 4C083AC582 4C083AD072 4C083AD091 4C083AD092 4C083AD152 4C083AD222 4C083BB12 4C083CC14 4C083DD33 4C083EE05 本発明は、水中油型睫用化粧料に関し、更に詳しくは、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョンと、特定のガラス転移温度を有するアクリル酸アルキル共重合体エマルジョンと、高融点のワックスとを配合することにより、カール効果が高く、涙や汗などに対する耐水性はあるが、化粧落としの際には化粧塗膜がフィルム状のまま剥離することで、目の周りが黒ずむことなく、水でも簡便に除去できる易水洗性に優れ、さらに化粧塗膜の光沢感にも優れる水中油型睫用化粧料に関するものである。 睫用化粧料は、睫をカールすることや、睫を太く長く見せることで、目元を美しく際立たせるといった化粧効果を持つものである。さらに最近では、睫用化粧料市場の拡大や化粧表現の多様化に伴い、睫をつややかに見せることで、より魅力的な印象を演出するために必要な化粧塗膜の光沢感や、化粧落としの際に目の周りが黒ずむことなく簡便に除去することができる易洗性といった新たな付加価値が求められるようになっている。 水中油型睫用化粧料においては、カール効果を付与するために、ワックスや樹脂、種々の皮膜形成剤を多量に配合したり、ワックスの微小分散物を配合する技術(例えば、特許文献1参照)があった。しかし、ワックスや樹脂あるいは皮膜形成剤を多量に配合すると、カール効果や耐水性は向上するものの、化粧塗膜の光沢感が失われたり、化粧塗膜の除去も困難となり、睫用化粧料を落とす手間や、落とす際に目の周りが黒ずんでしまうことを煩わしく思う使用者も多く、また睫にも大きな負担がかかるというデメリットがあった。 一方、化粧塗膜の除去が簡便にできるものとしては、温水を使用して除去できるフィルム形成性化粧品(例えば、特許文献2参照)や、水により容易に落とすことができる易水洗型睫用化粧料(例えば、特許文献3、4参照)等が検討されてきた。特許第2988929号公報特開2003−137732号公報特開2006−257052号公報特開2011−184375号公報 しかしながら、易洗性の発現のために特定のイオン性界面活性剤を用いる技術では、化粧落としの際に温水の使用できない状況下や、化粧塗膜がフィルム状のまま剥離せずに崩壊するという点で、洗浄性に不便さがあった。また、ポリビニルアルコール等の水溶性皮膜形成剤を用いる技術では、それを配合しない水中油型睫用化粧料に比べて化粧塗膜の乾燥速度が遅くなるため、カール効果の点で充分に満足のいくものではなく、易水洗性とカール効果を両立する水中油型睫用化粧料の開発においては、さらに改良の余地があった。 そこで本発明では、乾燥速度が速いためにカール効果が高く、従来どうりの涙や汗などに対する耐水性を保ちつつも、化粧落としの際には化粧塗膜がフィルム状のまま剥離することで目の周りが黒ずむことなく、水でも簡便に除去できる易水洗性に優れ、さらに化粧塗膜の光沢感にも優れた水中油型睫用化粧料を提供することを目的とする。 かかる実情において、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、特定のエマルション型皮膜形成剤と、高融点ワックスとを配合し、かつ水溶性皮膜形成剤を実質的に配合しないことにより、上記課題を解決する水中油型睫用化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち本発明は、次の成分(A)〜(C);(A)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(B)ガラス転移温度が5〜15℃のアクリル酸アルキル共重合体エマルジョン(C)融点が80℃〜110℃のワックスを配合し、かつ水溶性皮膜形成剤の配合量が0.1質量%未満であることを特徴とする水中油型睫用化粧料である。 本発明の水中油型睫用化粧料は、カール効果が高く、涙や汗などに対する耐水性があるが、化粧落としの際には化粧塗膜がフィルム状のまま剥離することで、目の周りが黒ずむことなく水でも簡便に除去できる易水洗性に優れ、化粧塗膜の光沢感にも優れる水中油型睫用化粧料である。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明の水中油型睫用化粧料に使用される成分(A)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョンの皮膜は、塗膜の光沢に優れるとともに、水により一部が膨潤することで塗膜の連続性を保ったままフィルム状に剥離する性質を有することから、成分(A)は易水洗性と化粧塗膜の光沢感を向上させるために配合される。アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョンとは、アクリル酸アルキルモノマー及び/又はメタクリル酸アルキルモノマーの1種以上と、酢酸ビニルモノマーとを主成分とし、通常これらが乳化重合されて得られた樹脂と水とを含むエマルジョンの形態を有するものであり、これらのアルキル基については、炭素数1〜12の1種でも、また2種以上であっても良い。成分(A)として化粧料に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用することができるが、ポリマー分としては、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で、ACRYLATES/VA COPOLYMERとして収載されているものである。 本発明における成分(A)の配合量は、特に限定されないが、固形分換算で全化粧料中の2〜12質量%(以下、単に「%」とする)が好ましく、更に好ましくは4〜8%である。この範囲であれば、耐水性を損なうことなく、易水洗性と化粧塗膜の光沢感の点で満足のいくものが得られる。 本発明の水中油型睫用化粧料に使用される成分(B)のアクリル酸アルキル共重合体エマルジョンの皮膜は、十分な硬さを有することからカール効果を発揮し、膜強度の高さから耐水性に優れ、化粧塗膜の光沢感にも優れている。成分(B)のアクリル酸アルキル共重合体エマルジョンとは、アクリル酸、メタクリル酸、あるいはそれらのアルキルエステルのうち二種以上を主成分とし、通常これらが乳化重合されて得られた樹脂と水とを含むエマルジョンの形態を有するものであり、これらのアルキル基については、炭素数1〜12の1種でも、また2種以上であっても良い。ポリマー分としては、INCI名で、ACRYLATES COPOLYMER、AMMONIUM ACRYLATES COPOLYMERとして収載されているものである。中でも、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体のアンモニウム塩エマルジョンが、カール効果に優れる点で好ましい。市販品としては、ビニゾール1086WP(大同化成工業社製)等が好ましく例示できる。 また成分(B)として、上記化粧料に使用されるアクリル酸アルキル共重合体エマルジョンのうち、ガラス転移温度(Tg)が5〜15℃のものを用いることができる。ガラス転移温度が5℃より低いと、皮膜が軟らかくなりすぎ、十分なカール効果と耐水性が発揮されない。また、ガラス転移温度が15℃を超えると、皮膜がもろくなるため化粧塗膜の光沢感が低減する。 本明細書においてガラス転移温度(Tg)とは、共重合体のガラス転移温度を意味し、下記計算式に示したFoxの式より求め、摂氏換算することができる。 1/Tg=Σ(Wi/Tgi) 前記式中、Tgは求める共重合体のガラス転移温度(K)を示し、Wiは、各モノマーの質量分率を示し、Tgiは対応するモノマーの単独重合体のガラス転移温度(K)を示す。単独重合体のTgは、「POLYMER HANDBOOK」(第4版;John Wiley & Sons,Inc.発行)等の刊行物に記載されている数値を採用すればよい。 本発明における成分(B)の配合量は、特に限定されないが、固形分換算で全化粧料中の4〜16%が好ましく、更に好ましくは6〜12%である。この範囲であれば、易水洗性を損なうことなく、カール効果と耐水性と化粧塗膜の光沢感の点で満足のいくものが得られる。 また本発明においては、成分(A)と成分(B)の固形分換算での質量比率が、(A):(B)=3:1〜1:2であることが好ましい。この範囲であれば、耐水性と易水洗性をともに満たすことができ、本発明の効果を最大限発揮することができる。 本発明の水中油型睫用化粧料に使用される成分(C)のワックスは、硬さに優れる性質から高いカール効果を発揮するとともに、耐水性を向上させる目的で配合する。通常化粧料に配合されるワックス類のうち、融点が80℃〜110℃のものであれば、特に制限されず、例えば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、フィッシャートロプシュワックス、オゾケライトワックス、パラフィンワックスなどがあげられる。また、これらは必要に応じ、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。 本発明における成分(C)の配合量は、特に限定されないが、0.1〜10%が好ましく、更に3〜8%が好ましい。この範囲であれば、易水洗性と化粧塗膜の光沢感を損なうことなく、カール効果と耐水性の点で満足のいくものが得られる。 また本発明において、水溶性皮膜形成剤は、乾燥速度が遅く、睫用化粧料が乾ききる前にその重みで睫が下がってきてしまうめ、カール効果を損なうとともに、使用時及び使用後の化粧塗膜にべたつきが生じることから、その配合量が0.1%未満(0%も含む)であることが望ましい。水溶性皮膜形成剤とは、乾燥後に皮膜を形成する水溶性高分子であり、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニルコポリマー等が挙げられる。 本発明の水中油型睫用化粧料は、上記の成分(A)〜(C)の他に、水中油型化粧料の構成成分あるいは通常化粧料に使用される成分として、例えば成分(A)及び(B)以外のポリマーエマルジョン、成分(C)以外の油剤、粉体およびそれらのシリコーン処理物やフッ素化合物処理物、界面活性剤、繊維、多価アルコール、保湿剤等の水性成分、アルカリ剤、糖類、紫外線吸収剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を、本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。 成分(A)および成分(B)以外のポリマーエマルジョンとしては、Tgが5℃未満あるいは15℃以上のアクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、酢酸ビニル重合体エマルジョン、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルジョン、スチレン・アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、ウレタン系ポリマーエマルジョン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。 油剤としては、水中油型化粧料の油相を構成するものであり、成分(C)以外の、化粧料に一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、フィトステロール脂肪酸エステル、トリグリセライド、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、高重合度メチルフェニルポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性オルガノポリシロキサン、ステアリル変性オルガノポリシロキサン、オレイル変性オルガノポリシロキサン、ベヘニル変性オルガノポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。また、成分(C)を含む油剤の配合量は、全化粧料中の10〜30%であることが好ましい。この範囲であれば、化粧塗膜の光沢感を損なうことなく、耐水性の点で満足いくものが得られる。 粉体成分としては、化粧料に一般に使用される粉体として用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、体質粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等や、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられ、これら粉体はその一種又は二種以上を用いることができ、更に、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。 界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。 非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。 アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。 カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。 両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。 繊維としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に制限されず、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられる。これらの繊維は、必要に応じて表面処理を施して使用される。表面処理剤としてはフッ素化合物、シリコ−ン油、粉体、油剤、ゲル化剤、エマルションポリマー、界面活性剤等が挙げられる。 水性成分としては、水中油型化粧料の水相を構成するものであり、水の他に、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の他の保湿剤を含有する事もできる。また、水相の配合量としては、全化粧料中の50〜80%であることが好ましい。この範囲であれば、使用性と安定性の良い、水中油型睫用化粧料が得られる。 酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。 紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。 本発明の水中油型睫用化粧料としては、マスカラ、マスカラオーバーコート、マスカラ下地等が挙げられ、性状としては、クリーム状、ゲル状、液状等が挙げられるが、中でもクリーム状およびゲル状が好ましい。製造方法は、通常公知の方法で製造可能であり、例えば水性成分と油性成分をそれぞれ均一に加熱混合し、乳化することにより得ることができる。 以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。実施例1〜12および比較例比較例1〜8:水中油型睫用化粧料 下記表1に示す処方の水中油型睫用化粧料を調製し、カール効果、耐水性、易水洗性、化粧塗膜の光沢感について、下記の方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。*1:融点70℃*2:融点82℃*3:融点81℃*4:ACULYN 33A(固形分28%)(ローム&ハース社製)*5:YODOSOL 810F(固形分46%)(アクゾノーベル社製)*6:YODOSOL 800F(固形分45%)(アクゾノーベル社製)*7:ヨドゾールGH256F(固形分29%)(アクゾノーベル社製)*8:ビニゾール1086WP(固形分40%)(大同化成工業社製)*9:ビニゾール2140L(固形分43%)(大同化成工業社製)*10:PVP/VAE−735(固形分50%)(ISPヴァンダイク社製)(製造方法)A.成分(1)〜(8)を90℃に加熱し、均一に混合する。B.成分(9)〜(19)を90℃で均一に加熱混合する。C.AにBを加え、乳化し、室温まで冷却する。D.Cを容器に充填して製品とする。(評価方法) 下記の評価項目について各々下記方法により評価を行った。(評価項目)a.カール効果b.耐水性c.易水洗性d.化粧塗膜の光沢感 評価項目a〜dについては、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価基準にて7段階に評価し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。また、評価項目bの耐水性については、各試料を睫に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後に涙や汗などでにじんでいないかどうかを評価した。評価項目cの易水洗性については、水道水を含浸したコットンを用いて、睫を水にぬらしながら除去する際に、簡便にかつ、目の周りが黒ずむことなく、コットン上に化粧塗膜がフィルム状を形成しながら剥離していることが確認できるかどうかを評価した。(絶対評価基準)(評点):(評価) 6 :非常に良い 5 :良い 4 :やや良い 3 :普通 2 :やや悪い 1 :悪い 0 :非常に悪い(4段階判定基準)(判定):(評点の平均点) ◎ :5点を超える :非常に良好 ○ :3点を超える5点以下:良好 △ :1点を超える3点以下:やや不良 × :1点以下 :不良 表1の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜12の水中油型睫用化粧料は、比較例1〜8の水中油型睫用化粧料に比べ、カール効果、耐水性、易水洗性、化粧塗膜の光沢感の全てにおいて優れたものであった。特に実施例1においては、カール効果が高く、通常の生活環境において涙や汗などでにじむことなく十分な耐水性を維持しながらも、落とす際には化粧塗膜はフィルム状に剥離し、簡便に除去することができる易水洗性に優れ、さらには化粧塗膜の光沢感にも富むものであった。 これに対して、成分(A)が配合されていない比較例1では、化粧塗膜がフィルム状にはがれないため、流水試験では化粧塗膜が指でこすっても落ちにくく、使用テストでは目の周りが黒ずんでしまうという欠点が生じるとともに、化粧塗膜の光沢感でも満足のいくものが得られなかった。また成分(A)のかわりに化粧塗膜の光沢感に優れる皮膜形成剤であるビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体エマルジョンを配合した比較例2では、化粧塗膜がフィルム状にはがれないため、流水試験では化粧塗膜がとけるようににじんでいくとともに、使用テストでは目の周りが黒ずんでしまうという欠点が生じ、易水洗性の面で満足いくものが得られなかった。 成分(B)が配合されていない比較例3では、化粧塗膜の硬さが不十分であることからカール効果が著しく低下するとともに、汗や涙でにじみ目の周りが黒ずんでしまい、耐水性の面で満足いくものが得られなかった。成分(B)のかわりにTgの異なるアクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョンが配合されている比較例4〜7では、カール効果、耐水性、易水洗性、化粧塗膜の光沢感の全てを満たすものは得られなかった。 成分(C)が配合されていない比較例8では、化粧塗膜の硬さが不十分であることからカール効果が劣るとともに、時間の経過とともに汗や涙でにじみがみられ、耐水性の面で満足いくものが得られなかった。実施例13:マスカラ(繊維入りタイプ)(成分) (%)(1)ステアリン酸 2.5(2)キャンデリラロウエステル *11 3(3)ライスワックス *12 4(4)軽質流動イソパラフィン 3(5)モノステアリン酸グリセリン 0.5(6)ショ糖脂肪酸エステル 5(7)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.3(8)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5(9)ベンガラ 3(10)酸化チタン被覆ガラスフレーク *13 3(11)マイカ 2(12)L−アルギニン 1.1(13)1,3−ブチレングリコール 7(14)スチレン・ビニルピロリドンポリマーエマルション *14 10(15)アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン *8 15(16)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン *9 5(17)ナイロン繊維 *15 4(18)1,2−ペンタンジオール 0.2(19)精製水 残量*11:融点85℃*12:融点81℃*13:メタシャイン1080(日本板硝子社製)(ジメチルポリシロキサン処理)*14:ANTARA 430(固形分40%)(アイエスピー・ジャパン社製)*15:7デニール、長さ1mm(製造方法)A.成分(1)〜(11)を90℃まで加熱し、均一に混合する。B.成分(12)〜(19)を90℃で加熱し、均一に混合する。C.AにBを加え、乳化し、室温まで冷却する。D.Cを容器に充填して製品とする。 本発明のマスカラ(繊維入りタイプ)は、カール効果が高く、涙や汗などに対する耐水性があるが、化粧落としの際には化粧塗膜がフィルム状に剥離することで、目の周りが黒ずむことなく簡便に除去できる易水洗性に優れ、化粧塗膜の光沢感にも優れたものであった。実施例14:マスカラ下地(成分) (%)(1)ステアリン酸 1(2)フィッシャートロプシュワックス *16 5(3)ワセリン 5(4)セタノール 3(5)モノステアリン酸グリセリン 3(6)ロジン酸ペンタエリスリット *17 2.5(7)タルク 5(8)ポリエチレンテレフタレート粉末 10(9)酸化チタン 3(10)トリエタノールアミン 0.5(11)水性アルカリ増粘型ポリマーエマルション *18 5(12)フェノキシエタノール 0.5(13)ポリ酢酸ビニルポリマーエマルション *19 3(14)アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン *8 30(15)アクリル酸アルキル・酢酸ビニルポリマーエマルション*9 20(16)精製水 残量*16:融点93℃*17:エステルガムHP (荒川化学工業社製)*18:プライマルASE−60(日本アクリル化学社製)*19:ビニブランGV−5651(固形分40%)(日信化学工業株製)(製造方法)A.成分(1)〜(9)を90℃まで加熱し、均一に混合する。B.成分(10)〜(16)を90℃で加熱し、均一に混合する。C.AにBを加え、乳化し、室温まで冷却する。D.Cを容器に充填して製品とする。 本発明のマスカラ下地は、カール効果が高く、涙や汗などに対する耐水性があるが、化粧落としの際には化粧塗膜がフィルム状に剥離することで、易水洗性に優れ、化粧塗膜の光沢感にも優れたものであった。実施例15:マスカラオーバーコート(成分) (%)(1)カルナウバワックス *1 2(2)ポリエチレンワックス *20 5(3)ミツロウ *21 3(4)酸化鉄 2(5)チタン・酸化チタン焼結物 1(6)シリコーン樹脂粉末 *22 1.5(7)アルカリ増粘性ポリマーエマルション *3 2(8)精製水 残量(9)カーボンブラック 2(10)エタノール 5(11)1,3−ブチレングリコール 5(12)ポリオキシエチレンセチルエーテル 0.5(13)トリエタノールアミン 2(14)アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン *5 5(15)アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン *8 20(16)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン *9 20*20:融点90℃*21:融点71℃*22:トスパール150KA(GE東芝シリコーン社製)(製造方法)A.成分(1)〜(6)を均一に加熱溶解し、90℃にする。B.成分(7)〜(16)を均一に混合し、90まで加熱する。C.BにAを加え乳化する。D.Cを容器に充填して製品とする。 本発明のマスカラオーバーコートは、該マスカラオーバーコートのみを塗布した時および通常のマスカラを塗布した後に塗布した時においても、カール効果が高く、涙や汗などに対する耐水性があるが、化粧落としの際には化粧塗膜がフィルム状に剥離することで、目の周りが黒ずむことなく簡便に除去できる易水洗性に優れ、化粧塗膜の光沢感にも優れたものであった。 次の成分(A)〜(C):(A)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(B)ガラス転移温度が5〜15℃のアクリル酸アルキル共重合体エマルジョン(C)融点が80℃〜110℃のワックスを配合し、かつ水溶性皮膜形成剤の配合量が0.1質量%未満であることを特徴とする水中油型睫用化粧料。 油相の配合量が化粧料総量に対して10〜30質量%であることを特徴とする請求項1記載の水中油型睫用化粧料。 成分(A)の配合量が固形分換算で2〜12質量%、成分(B)の配合量が固形分換算で4〜16質量%、成分(C)の配合量が0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の水中油型睫用化粧料。成分(A)と(B)の固形分換算での配合質量比率が、(A):(B)=3:1〜1:2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水中油型睫用化粧料。 【課題】カール効果が高く、涙や汗などに対する耐水性があるが、化粧落としの際には化粧塗膜がフィルム状に剥離することで、目の周りが黒ずむことなく簡便に除去できる易水洗性に優れ、化粧塗膜の光沢感にも優れる水中油型睫用化粧料に関するものである。【解決手段】次の成分(A)〜(C):(A)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン、(B)ガラス転移温度が5〜15℃のアクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、(C)融点が80℃〜110℃のワックス、を配合し、かつ水溶性皮膜形成剤の配合量が0.1質量%未満であることを特徴とする水中油型睫用化粧料。【選択図】なし


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