タイトル: | 公開特許公報(A)_スライドガラスおよびカバーガラスの処理方法 |
出願番号: | 2013024947 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | G01N 1/28,G02B 21/34 |
阿部真太郎 JP 2014153283 公開特許公報(A) 20140825 2013024947 20130212 スライドガラスおよびカバーガラスの処理方法 株式会社常光 000146445 北山 康彦 503052911 阿部真太郎 5449589 20140319 G01N 1/28 20060101AFI20140730BHJP G02B 21/34 20060101ALI20140730BHJP JPG01N1/28 UG02B21/34 1 3 OL 12 2G052 2H052 2G052DA07 2G052EB11 2G052FC06 2G052FC16 2G052JA07 2H052AE01 2H052AE06 本発明は、病理組織標本などに使用したスライドガラスおよびカバーガラスから検体、封入剤などを除去して再利用するための処理方法および処理装置に関する。 病理組織標本は、通常、スライドガラスとカバーガラスとを用いて作製されている。非特許文献1〜3には、病理組織標本の作成方法が記載されており、病理標本は、人体より採取した組織片についてホルマリン固定、アルコール脱水、中間剤浸透、パラフィン浸透の工程を経てパラフィンブロックを作製し、それをミクロトームにて薄切し、スライドガラスに載せてパラフィンを除去し、染色し、キシレンにて透徹し、封入剤にて封入する処理を経て病理組織標本とされる。このように作成された病理組織標本を、パラフィン包埋標本という。また、術中迅速診断では標本作製時間を短縮するために、固定からパラフィンブロック作製までの工程を凍結工程に換えて実施することもある(非特許文献4)。この他、病理組織を採取する方法としては、擦過や針により採取した細胞を染色し、細胞自体の変異の有無からがんか否かを診断する細胞診もあり、この場合にも同様に検体をスライドガラスに載せて固定、染色、封入して標本を作製する(非特許文献5)。このほか、パラフィン包埋標本の公知の作製方法が例えば特許文献1に、凍結標本の公知の作製方法が例えば特許文献2に、細胞診標本の公知の作製方法が例えば特許文献3に記載されている。 病理組織標本や細胞診標本は、通常は半永久的に保存し、病理学の研究や教育、統計等に役立てられる。しかしながら、保管場所の関係で再診断の必要がほぼないと判断された場合には処分されることがある。また、標本作製時、たとえば、薄切した組織をスライドガラスに載せるときに、気泡やゴミを一緒に拾うなどの失敗をしてスライドガラスを新しいものに交換することもある。疾病や診断方法により多くの種類の染色法を使い分けているが、複数の染色を用いることを見越して多めに薄切したり、最終的な仕上がりが不十分で、薄切からやりなおしたりする場合もある。このような病理組織標本の作成をやり直す必要が生じる場合、やり直しのために使用するスライドガラスは、患者一人当たりにすれば多くても何枚かであるが、一日に数百人分の標本を作製する検査室であれば、合計すると相当数に上ることになる。 スライドガラスおよびカバーガラスは、作成した病理組織標本に関しては通常永久的に保存することが前提とされているので、廃棄せずに洗って再使用することは考慮しないしまた、再利用するにしてもスライドガラスとカバーガラスとはパラフィンなどにより強固に付着されているので、これらを分離することが困難だからである。スライドガラスと、カバーガラスとを分離する処理も知られてはいるが、このような場合としては、破損したカバーガラスを修理したり、同一検体で別の染色法を用いて染色したりするなど、手間と費用がかかっても行う必要があるときに特別に適用される方法であり、具体的には、以下の様な方法が適用される。(1)キシレンに浸漬して自然にはがれるまで放置する(常温2〜3日、60〜70℃1晩)(非特許文献6)。(2)62〜65℃のキシレンに40分以上浸漬し、ガムテープで引き剥がす。(非特許文献7)。(3)炎で炙ってからヘラで引き剥がす(非特許文献8)。 なお、キシレンが多用されているのは、組織の透徹や封入剤の溶剤としてキシレンが用いられることが多いためである。キシレンでスライドガラスとカバーガラスを分離しても、検体は除去されないため、検体除去機能のある理化学用または臨床検査用の洗剤に数時間〜数日浸漬することが一般的であり、しつこい汚れには、洗剤と共にブラシなどでこすり取るなどの処理を適用する。 なお、キシレンなどと共に界面活性剤を主成分とするアルカリ性洗剤などが使用される場合もある(特許文献4)。そのほか、理化学機器や医療機器から検体を除去するには、超音波を利用した小型の洗浄装置も使用されている。医療機器用の洗浄装置の場合は、装置構成が複雑であり(特許文献5)、一般に高価である。 また、上述した処理によりスライドガラスと、カバーガラスとを分離したとしても、薄切などで失敗した場合にスライドガラスには、パラフィンが付着している。パラフィンは、アルカリ性洗剤で除去できないわけではないものの、再付着しやすいため、キシレンやリモネンなど脱パラフィンに使用される溶剤で追加的に除去しなければならないといった問題もある。 この他、病理組織標本のためのスライドガラスには、その一端に、患者情報や標本番号を記載できるよう、フロスト加工されているものがある。フロスト加工とは、ガラスを削って粗面化する加工である。フロスト加工部は、標本作製に用いる溶剤に浸漬したとき透明化して見にくくなることがあるため、病理組織標本では、ウレタン印刷などでカラーフロスト処理を施したスライドガラスを使用することが一般的である。また患者情報や標本番号は、鉛筆で記載すると不明瞭になりがちであるし、標本作製に用いる溶剤や試薬で容易に消えては困るため、水性顔料を用いたペンや印字装置が用いられる。フロスト部分の記載についても、取り違えなどの間違いを防ぐため「消去する」ことは考慮されていないが、仮に消去するならば、キシレンなどの溶剤で溶解除去するなどの方法が適用される。ただし、ウレタン印刷は、先端が鋭利なもので引っかいたり、ウレタンを傷める薬品や熱条件で扱ったりすると、はげてしまうことがあるため、手間のかかる作業であった。 また、フロスト部分には目印を手書きしておき、標本が出来上がってから施設名の印刷された紙ラベルや、検査システムとリンクした印字装置で作製した紙や樹脂のラベルを貼りつけることもある。標本は永久保存が原則であるため、はがすことは考慮されていない。紙ラベルは標本作製に用いる溶剤に一晩から数日間程度浸漬すればはがれ落ちるが、糊が強力な樹脂ラベルは溶剤浸漬後手ではがす必要がある。この他、スライドガラスやカバーガラスの洗浄、乾燥を行うとすると、バケツや染色バット、染色バスケット、スライド立てが必要となり、また場合によっては、家庭用の洗いカゴや容器などが使用されるばあいもあり、手間のかかる作業として知られていた。 図4に、従来使用されているスライドガラスとカバーガラスの分離・再生方法のフローチャートを示す。処理は、工程400から開始し、工程401でスライドガラスおよびカバーガラスを分離する固定を適用する。この工程は、溶剤および洗剤を含む槽に病理組織標本を浸漬し、スライドガラスと、カバーガラスとが自然に分離するまで待つ工程であり、通常では、2〜3日を要する。工程401においてスライドガラスとカバーガラスとが分離されると、工程402〜工程404でスライドガラスが、また工程408〜工程412でカバーガラスがそれぞれ処理され、工程413で処理が終了した後、再利用可能なスライドガラスと、カバーガラスとが回収される。 図4に示す工程では、全処理時間が、概ね数日必要となり、再生利用の効率や工程数が現実的なものではなく、商業的な意味で病理組織標本からのスライドガラスおよびカバーガラス再生のための現実的な処理ということはできなかった。 以上の通り、再利用するには手間とコストがかかるため、不要なスライドガラスおよびカバーガラスは、通常は感染性廃棄物として廃棄されていた。この際、感染性廃棄物は、原則として、医療関係機関などの施設内で焼却、溶融、消毒しなければならない(非特許文献9)。このための処理には、例えば無臭・無煙のもとに滅菌・減量し、更に廃棄処理物の自動梱包を可能にする処理装置も開発されている(特許文献6)。しかしながら、この処理装置は、投入物(廃棄物)を破砕して減量することを目的とするので、スライドガラスやカバーガラスを再利用することを目的とすることができない。このような処理が施設内で処理できない場合、法に定める委託基準に基づき事前に委託契約を締結し、外部委託することになる(非特許文献9)。以上説明したように、病理組織標本に使用したスライドガラスやカバーガラスを再生利用するための効率的な処理方法はこれまで知られておらず、また廃棄のためのコストも高くなっていた。 以上説明したように、病理組織標本においては、まで使用できそうな「きれいなガラス」が廃棄されており、省資源上の観点および省エネルギー的な観点からもったいないという問題があった。また、廃棄するにしても、感染性廃棄物の場合には、廃棄に多額の手間と費用がかるという問題点もあった。 さらに再利用するにしてもスライドガラスと、カバーガラスとを分離するには、時間や手間がかかり、手技の習熟が必要だった。可燃物を火であぶる方法は、やけどや火災を招く危険がある上、割ったり煤がついたりすると分離したカバーガラスの再利用ができなくなるという問題も発生し、また検体の処理のために使用する市販の超音波洗浄器で処理しようとしても、これまで十分な効率で分離することができず、さらに検体の除去、マーカー消去/除去、ラベル紙除去などの問題があり、スライドガラスと、カバーガラスとを分離するための再利用性と、処理効率を併せ持つ現実的な方法がなかった。特開2009−121906号公報特開2008−286694号公報特開平07−027682号公報特開2004−026989号公報特開2010−115223号公報特開平08−131531号公報篠田宏ほか「病理組織標本作製法I」Medical Technology 14巻 33−38頁,1986年篠田宏ほか「病理組織標本作製法II」Medical Technology 14巻 135−140頁,1986年篠田宏ほか「病理組織標本作製法III」Medical Technology 14巻 319−325頁,1986年鈴木悦ほか「凍結標本の作り方と各種染色方法」Medical Technology 18巻,379−384頁,1990年田中昇ほか分担執筆「細胞診教本−その基礎と実際−」宇宙堂八木書店,1983年,81−97頁細胞検査士会愛知県支部細胞診検査技術資料「細胞診標本での免疫染色の方法」(http://act.umin.ne.jp/imuno.pdf)原田英一、三浦克敏、堤寛「カバーガラスの迅速剥離法」病理と臨床 21巻 1306−1307,2003年引野利明「固定してとれないカバーグラスを素早くとりはがす方法」Medical Technology 20巻 359頁,1992年環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」2009年 本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、病理組織標本などとして使用されたスライドガラスおよびカバーガラスを分離するための処理方法および処理装置を提供することを目的とする。 本発明によれば、 スライドガラスと、当該スライドガラスに付着したカバーガラスとを、処理液中に浸漬する工程と、 前記スライドガラスに対して処理液中で熱および圧力を印加する工程と 前記スライドガラスおよび前記スライドガラスから剥離した前記カバーガラスを回収する工程と を含む処理方法が提供される。 前記加熱の温度は、121℃以上とすることができる。さらに、前記加圧の圧力は、2気圧以上とすることができる。 本発明の前記処理液は、水とすることができ、前記熱および圧力を印加する工程は殺菌工程を兼ねることが好ましい。 さらに、本発明によれば、 スライドガラスと、該スライドガラスに付着したカバーガラスを分離して回収するための処理装置であって、前記処理装置は、 カバーガラスが付着したスライドガラスを処理するための処理液を蓄積し、前記処理液に対して熱および圧力を印加する処理槽と、 前記処理液の中に浸漬され、かつカバーガラスが付着したスライドガラス収容する複数のポケット部材を備えた処理ラックと を含む、処理装置が提供される。 前記前記加熱の温度は、121℃以上とすることができる。さらに、前記加圧の圧力は、2気圧以上とすることができる。 前記処理ラックは、前記処理槽内に自立させるための柱部材と、前記柱部材からステー部材によって円周方向に複数取付けられ、前記カバーガラスが付着したスライドガラスを立てた状態で収容する前記ポケット部材とを備え、前記ポケット部材の内部で前記処理液により加熱加圧下で処理されることができる。 本発明は、スライドガラスと、カバーガラスとが付着した顕微鏡標本に加熱・加圧することで、スライドガラスと、カバーガラスとの間に存在する封入剤の成分を変性させ、カバーガラスをスライドガラスから従来では数日かかっていたところを、約60分で剥離させることができ、また高温・高圧下にすることでスライドガラスに付着している組織に残りうる感染性細菌およびその芽胞を滅菌する処理方法および処理装置を提供することができる。また、本発明の処理装置は、スライドガラスからカバーガラスを剥離するために効率的に適用するように構成した処理ラックを用いて、複数枚同時処理や大量処理を可能とする。本実施形態の処理方法に使用する処理ラック100の斜視図。本実施形態の処理装置200の概略図。本実施形態の処理装置を使用した処理方法の概略図。従来使用されているスライドガラスとカバーガラスの分離・再生方法のフローチャート。 以下、本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本実施形態の処理方法に使用する処理ラック100の斜視図である。処理ラック100は、ステンレススチールやフッ素樹脂などの剛性を有する底板101と、柱部材102とを、ボルトやナットといった締結手段で連結し、後述するオートクレーブと言った処理装置の処理槽(不図示)内に自立して設置できるようにされている。 ポケット部材103と柱部材102間をステー部材104などにより互いに連結した樹状の形状を柱部材102には、先端にポケット部材103を備えるステー部材104が複数取り付けられている。ステー部材104は先端のポケット部材103が重合しないように周方向および高さ方向の位置が調節されている。 ポケット部材103は、カバーガラスが付着したスライドガラスなど、例えば病理標本を収容するためのポケット103aを備えている。またポケット103aの底部にはメッシュまたは編み目状の複数の開口が形成されていて、処理ラック100のポケット103aに処理水を効率的に導入でき、また処理水を切ることが容易にされている。ステー部材104の最大の長さは、処理槽内に処理ラック100が完全に収容される長さとして構成される。している。ステー部材104は、主軸を中心として、処理ラック100を上から見たときに、ポケット部材103が円周上に配置されるように取り付けられている。 柱部材102の上部には、円形の取付け部材を介して取手105が柱部材102配置されていて、処理槽内での処理ラック100の取扱性を向上させている。 図2は、本実施形態で使用する処理装置200の実施形態を示す。処理装置200は、オートクレーブとされており、筐体201には、処理槽203および操作パネル202が設けられている。処理槽203内には処理水(蒸留水など)が充填されている。処理槽203内の処理水内に、図1で示した処理ラック100を配置した後、蓋204を処理槽203の上に置き、レバーを回転させて蓋204を固定して、加熱加圧を可能とする。 その後、処理装置200を起動させて加熱加圧を開始し、スライドガラスと、カバーガラスの分離を開始させる。加熱加圧の時間は、カバーガラスの分離性を考慮して適宜設定できるが、通常の病理標本など、カバーガラスがパラフィンで固定されている場合には、約105〜140℃程度、約0.2MPa〜0.22MPa程度の圧力下、昇温・冷却時間を含めて、約60分で剥離させることができる。このとき、滅菌のために必要な温度である121℃以上の温度には、約20分保持させる程度とすることが好ましい。なお処理温度や処理圧力は、目的に応じて適宜設定することができる。 滅菌効果を期待する場合、概ね121℃以上の温度が可能な圧力条件とすることで、スライドガラスに付着している組織に残りうる感染性細菌およびその芽胞を滅菌する処理方法および処理装置を提供することができる。 図3は、本実施形態で、処理装置200の処理槽203内に処理ラック100を配置した様子を示す概略図である。図3に示すように、処理ラック100のポケット部材103は、処理槽203の内径に収まるように構成されていて、取手105により、使用者が容易に処理槽203に対して処理ラック100を設置および取出しが可能とされている。 図3に示すように、処理ラックは、少なくとも6個のポケット部材103を備えており、少なくとも6枚のスライドガラスを一度に処理することができる。また、ポケット103aが複数のスライドガラスを収容できるサイズであれば、さらに多数のスライドガラスを同時に処理することができ、処理効率が著しく改善される。加えて、本実施形態では、スライドガラスとカバーガラスとを処理液中で加熱加圧することで、自動的に分離させるので、操作者や作業員がガラスに直接力をかけたりする処理が不要となり、この結果、スライドガラスからカバーガラスを非破壊で安全に分離することができる。 さらに、本実施形態では、スライドガラスが病理標本などの場合であっても分離処理の際に高温高圧の印加により殺菌できるので、スライドガラスを再利用する場合に改めで滅菌処理を行うなどの手間も省くことができ、効率的なスライドガラスの再生処理を提供することができる。 以上のように、本発明に依れば、スライドガラスと、カバーガラスとを分離するための時間や手間を軽減し、さらに手技の習熟の手間を無くし、さらにやけどや火災を招くことなく、さらに破損や煤がついたりすることによる汚損などによって分離したカバーガラスの再利用ができなくなるという問題を生じることなく、検体の除去、マーカー消去/除去、ラベル紙が付着していてもスライドガラスと、カバーガラスとを再利用可能に再生でき、高い処理効率を併せ持つ現実的な方法およびそのための装置を提供できる。 100 処理ラック 101 底板 102 柱部材 103 ポケット部材 103a ポケット 104 ステー部材 105 取手 200 処理装置 201 筐体 202 操作パネル 203 処理槽 204 蓋 スライドガラスと、当該スライドガラスに付着したカバーガラスとを、処理液中に浸漬する工程と、 前記スライドガラスに対して処理液中で熱および圧力を印加する工程と 前記スライドガラスおよび前記スライドガラスから剥離した前記カバーガラスを回収する工程と を含むスライドガラスの処理方法。 熱および圧力を印加する前記工程は、121℃以上および0.2MPa以上で適用される、請求項1に記載の処理方法。 本発明の前記処理液は、水とすることができ、熱および圧力を印加する前記工程は、殺菌工程を兼ねる、請求項1または2に記載の処理方法。 スライドガラスと、該スライドガラスに付着したカバーガラスを分離して回収するための処理装置であって、前記処理装置は、 カバーガラスが付着したスライドガラスを処理するための処理液を蓄積し、前記処理液に対して熱および圧力を印加する処理槽と、 前記処理液の中に浸漬され、かつカバーガラスが付着したスライドガラス収容する複数のポケット部材を備えた処理ラックと を含む、処理装置。 加熱の温度を121℃以上とし、加圧の圧力は、0.2MPa以上とする、請求項4に記載の処理装置。 前記処理ラックは、処理槽内に前記処理ラックを自立させるための柱部材と、前記柱部材からステー部材によって円周方向に複数取付けられ、前記カバーガラスが付着したスライドガラスを立てた状態で収容する前記ポケット部材とを備える、請求項4または5に記載の処理装置。 【課題】スライドガラスおよびカバーガラスの再利用を可能とするスライドガラスの処理方法および処理装置を提供する。【解決手段】スライドガラスと、該スライドガラスに付着したカバーガラスを分離して回収するための処理ラック100を収容する処理槽を備える処理装置200が提供される。処理装置200は、カバーガラスが付着したスライドガラスを処理するための処理液を蓄積し、処理液に対して熱および圧力を処理槽で印加する。処理ラック100は、処理液の中に浸漬され、かつカバーガラスが付着したスライドガラス収容する複数のポケット部材を備えており、ポケット部材のポケット内に置かれたカバーガラスが付着したスライドガラスを加熱加圧下で処理してスライドガラスとカバーガラスを非破壊で安全に分離する。【選択図】図320131127A16333全文3スライドガラスとカバーガラスが封入剤により付着した顕微鏡標本を、水中に浸漬する工程と、前記顕微鏡標本に対して、水中で、121℃〜140℃で加温する工程と、0.2MPa〜0.22MPaで圧力を印加する工程とを含む前記顕微鏡標本から、付着したカバーガラスを非破壊で剥離する方法。