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タイトル:公開特許公報(A)_糖化タンパク質及びタンパク質の測定方法
出願番号:2013006933
年次:2013
IPC分類:C12Q 1/28,C12Q 1/37,G01N 33/68,G01N 21/78


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岡田 宏 竹廣 敦 柴田 善浩 JP 2013165708 公開特許公報(A) 20130829 2013006933 20130118 糖化タンパク質及びタンパク質の測定方法 株式会社三和化学研究所 000144577 岡田 宏 竹廣 敦 柴田 善浩 JP 2012009905 20120120 C12Q 1/28 20060101AFI20130802BHJP C12Q 1/37 20060101ALI20130802BHJP G01N 33/68 20060101ALI20130802BHJP G01N 21/78 20060101ALI20130802BHJP JPC12Q1/28C12Q1/37G01N33/68G01N21/78 Z 12 OL 18 2G045 2G054 4B063 2G045AA25 2G045CA25 2G045CA26 2G045CB03 2G045CB07 2G045DA36 2G045DA38 2G045DA44 2G045FB11 2G045GC10 2G054AA07 2G054BB10 2G054BB13 2G054CA23 2G054CE01 2G054CE08 2G054EA04 2G054EB03 2G054FA06 2G054GA03 2G054GB01 4B063QA01 4B063QA18 4B063QQ79 4B063QR02 4B063QR03 4B063QR16 4B063QR66 4B063QS36 4B063QX02 本発明は、一つの反応容器で生体試料などに含まれる糖化タンパク質及びタンパク質を一度に測定する方法に関するものである。糖化タンパク質及びタンパク質を測定することにより、試料中の糖化タンパク質のタンパク質に対する割合を求めることができる。 血液や尿などの生体試料に含まれる様々な物質を測定する目的で、検査センターや病院の検査室等では、多数試料、多項目の同時、連続測定が可能な自動分析装置が広く利用されている。一方、このような自動分析装置を持たない医療施設では、診療上迅速な検査結果が必要な場合に備えて、簡易分析装置や小型分析装置が利用されている。これらの装置の例として、自動分析装置をそのまま小型化したような装置や、測定用試薬が予めパッケージ化された反応カセットを専用装置にセットして簡単に測定できるようにしたものがある。これらには一回の操作で一項目しか測定できないものもあり、複数項目を測定しようとすると、それぞれに応じた反応容器、試薬類を準備し、複数回操作を繰り返す必要があり、結果が出るまでに長時間を要すため、一度の操作で迅速かつ簡便に複数項目の測定ができる方法の開発が望まれている。 糖化タンパク質には、ヘモグロビンA1c、糖化アルブミンなどがあり、糖化と非糖化の割合を求めることにより糖尿病の診断に用いられている。これらの糖化タンパク質は、免疫法や酵素法などで測定されているが、ヘモグロビンA1c以外の糖化タンパク質は測定原理上、糖化タンパク質と非糖化タンパク質2項目の測定が必要であり、一度の操作で迅速かつ簡便に複数項目の測定ができる方法の開発が望まれている。 その方法の一つとして、一つの反応容器でタンパク質と糖化タンパク質を一度に測定する方法が提案されている。例えば、第一工程でタンパク質を比色法により測定し、第二工程でプロテアーゼを作用させることにより発色体を退色させ、第三工程で糖化アミノ酸を比色法により測定する方法が報告されている(特許文献1)。しかし、この方法は、第三工程の測定を行う際に、第一工程で用いるタンパク定量色素、即ちブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーンなどが中性以上で着色し、ベースラインが安定しないという課題や、検体に含まれている内因性の糖化アミノ酸の影響を受けるという課題がある。 また、一つの反応容器で測定する別の方法として、アルブミンと糖化アルブミンを含む測定サンプルにプロテアーゼを作用させ、生じた糖化リジンを比色法により測定してから、更に、リジンを比色法により測定する方法が報告されている(特許文献2)。この方法においては、最初の糖化リジンの測定における発色体が、後のリジンの測定に影響を及ぼすことが問題である。 一方、2項目を一度に測定する方法としては、測定対象は限定されるが、LDLコレステロールと総コレステロールを一度に測定する方法(特許文献3)、ヘモグロビンと糖化ヘモグロビンを一度に測定する方法(特許文献4、非特許文献1)が報告されている。また、第一反応を経て第二反応開始初期に一つめの物質から生成する発色体を測定し、その後第二反応が進行するに従ってもう一つの物質から徐々に生成してくる発色体を最初に生成した発色体と合わせて測定する方法が報告されている(特許文献5)。さらに、アルブミンを免疫凝集法により測定した後、強アルカリ性に液性を変化させることにより凝集塊を溶解すると同時に、クレアチニンをJaffe反応により比色測定する、クレアチニンとアルブミンを一度に測定する方法が提示されている(特許文献6)。しかし、いずれも特定の物質を測定するために開発された方法であり、汎用性のある方法として、タンパク質及び糖化タンパク質の両者の測定に適用することはできない。特開2006-254918号公報特開2006-149230号公報国際公開第2004/055204号パンフレット国際公開第2002/027330号パンフレット国際公開第2007/037419号パンフレット特開平7-198719号公報機器・試薬 26(6)、2003 一つの反応容器で生体試料などに含まれる糖化タンパク質及びタンパク質を、一度に精度よく測定する方法を提供することを課題とする。糖化タンパク質及びタンパク質を測定することにより、試料中の糖化タンパク質のタンパク質に対する割合を求めることができる。 本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、試料中のタンパク質にプロテアーゼを作用させることによって生成する糖化アミノ酸を糖化アミノ酸オキシダーゼ、パーオキシダーゼ存在下で比色測定を行う第一工程で糖化タンパク質を測定した後、残存しているタンパク質に着目し、その残存しているタンパク質を第二工程で測定する方法を考案した。第一工程の測定後、生成した発色体を退色させる反応を開始及び持続させると同時に、残存しているタンパク質を、色素結合法により比色測定を行う第二工程で測定することにより、一つの反応容器で試料中の糖化タンパク質及びタンパク質を一度に測定する方法を完成させた。すなわち本発明は、次のようである。(1)一つの反応容器で試料中の糖化タンパク質及びタンパク質を一度に測定する方法であって、 反応容器内で試料中のタンパク質にプロテアーゼを作用させ、生成した糖化アミノ酸に糖化アミノ酸オキシダーゼ、パーオキシダーゼ、及び発色剤を作用させて過酸化水素の生成に基づく発色反応を行い、生成した発色体の測定をレート法で行うことにより、糖化アミノ酸を測定する第一工程、及び、 第一工程の測定後、前記発色体を退色させる還元反応を前記反応容器内で開始及び持続させるとともに、前記還元反応の開始と同時に又は前記還元反応の開始後に、残存している試料中のタンパク質にタンパク結合色素を結合させ、生成した発色体の測定をレート法で行うことにより、タンパク質の測定を行う第二工程 からなる測定方法。(2)前記試料中のタンパク質がアルブミンであり、前記プロテアーゼが、サーモリシン、ズブチリシン、及びプロテアーゼP「アマノ」3SD(商品名)から選択される、(1)に記載の測定方法。(3)前記タンパク結合色素がブロモクレゾールパープルである、(1)又は(2)に記載の測定方法。(4)前記還元反応が、NADH、NADPH、又はそれらの誘導体とジアホラーゼとによる反応であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の測定方法。(5)前記NADH、NADPH、又はそれらの誘導体が、基質と、NAD、NADP、又はそれらの誘導体とにデヒドロゲナーゼを作用させて生成されることを特徴とする、(4)に記載の測定方法。(6)前記還元反応が、NADH、NADPH、又はそれらの誘導体と電子伝達体とによる反応であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の測定方法。(7)前記電子伝達体が1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルスルフェートである、(6)に記載の測定方法。(8)前記NADH、NADPH、又はそれらの誘導体が、基質と、NAD、NADP、又はそれらの誘導体とにデヒドロゲナーゼを作用させて生成されることを特徴とする、(6)に記載の測定方法。(9)前記還元反応が、NAD(P)非依存性デヒドロゲナーゼ酵素、その基質、及び電子伝達体による反応であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の測定方法。(10)前記還元反応が、アスコルビン酸又はエリソルビン酸による反応であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の測定方法。(11)前記アスコルビン酸又はエリソルビン酸が、アスコルビン酸誘導体又はエリソルビン酸誘導体に酵素を作用させて生成されることを特徴とする、(10)に記載の測定方法。(12)前記第一工程の測定及び前記第二工程の測定を同一波長で行うことを特徴とする、(1)〜(11)のいずれかに記載の測定方法。 本発明の測定方法は、一つの反応容器で生体試料などに含まれる糖化タンパク質及びタンパク質を、測定対象が限定されることなく、一度に精度よく測定することができる。特に、簡易分析装置や小型分析装置などにおいて利用価値が高い。発色体の退色の有無による第二工程測定時のベースライン変動を示すグラフである。糖化アルブミンとアルブミンを一度に測定したときの反応タイムコースを示すグラフである。第一工程の糖化アルブミン測定の検量線である。第二工程のアルブミン測定の検量線である。対照法と本法の相関性を示すグラフである。 以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、測定対象物は、糖化タンパク質及びタンパク質である。本明細書においては、タンパク質という用語は、糖化タンパク質及び非糖化タンパク質の両者を含むものとして使用されている。また、本発明においては、特定の種類のタンパク質についての測定を行うことができるだけでなく、種々のタンパク質の総量としての測定を行うこともできる。このようなタンパク質を含む生体試料としては、ヒト又は動物の体液、例えば血漿、血清、尿、唾液、滲出液等が挙げられる。 本発明は、一つの反応容器に、試料、第一工程の測定試薬、第二工程の測定試薬を順次添加し、反応させて糖化タンパク質及びタンパク質を一連の操作で一度に測定する方法である。具体的には、第一工程として、まず反応容器内で試料中のタンパク質にプロテアーゼを作用させ、生成した糖化アミノ酸に糖化アミノ酸オキシダーゼ、パーオキシダーゼ、及び発色剤を作用させて過酸化水素の生成に基づく発色反応を行い、生成した発色体をレート法で測定することにより糖化アミノ酸を測定する。次に、第二工程として、第一工程の測定後、前記発色体を退色させる還元反応を前記反応容器内で開始及び持続させるとともに、前記還元反応の開始と同時に又は前記還元反応の開始後に、残存している試料中のタンパク質にタンパク結合色素を結合させ、生成した発色体の測定をレート法で行うことによりタンパク質を測定する。第一工程では、糖化タンパク質の濃度に依存して生成した発色体を測定することにより、糖化タンパク質を定量することができる。タンパク質は、第一工程でプロテアーゼによって分解されるが、第一工程終了時点ではプロテアーゼにより分解されていないタンパク質が残存しており、試料中のタンパク質の量は残存しているタンパク質の量と比例関係にある。第二工程では、この残存するタンパク質を色素結合法によって着色して測定するが、この着色したタンパク質に対して第一工程で使用したプロテアーゼが作用し退色させるため、その退色の割合から試料中のタンパク質を定量することができる。第二工程では、プロテアーゼを追加することにより退色反応を加速させることもできる。 すなわち本発明によれば、第一工程でパーオキシダーゼ存在下生成した発色体は、第二工程開始と共に還元反応により退色化され、さらにその還元反応を持続させることにより、第一工程の反応継続の有無に関係なく第二工程測定時のベースラインを安定化することができ、正確な測定が可能となる。例えば、第一工程の反応をレート法で測定し、その反応の途中から第二工程を開始する場合、従来の技術では、第二工程中も酵素反応が継続することにより発色体が生成しベースラインの変動をもたらすが、本発明の測定方法では、発色体を退色させる還元反応を第二工程中持続させることにより、ベースラインを継続して安定化することができるので、正確な測定が可能となり、その結果として、一つの反応容器で糖化タンパク質とタンパク質を一度に正確に測定することができるようになる。 また、本発明によれば、第一工程で生成した発色体の影響を受けずに、第二工程の発色体の測定が可能なため、第一工程及び第二工程を同一波長で測定することができる。このことは、小型装置のように測定波長を複数選択できない場合でも、一つの反応容器で2種類の物質を一度に測定することができる利点を有している。 以下、さらに本発明を具体的に説明する。 本発明で述べる一つの反応容器とは、試料、第一工程の測定試薬、及び第二工程の測定試薬を順次添加して混合させるための容器で、光学的に検出可能な部位を1箇所以上有する容器のことである。例えば、臨床検査で使用されている大型自動分析装置や小型分析装置においては、一つの反応セルが挙げられる。また、デバイス自体に試料、試薬の計量、移動、混合、光学的検出などの機能を持たせたマイクロチップやバイオチップのようなデバイスも挙げられる。 本発明の第一工程により測定される糖化タンパク質は、プロテアーゼを作用させることにより生成する糖化アミノ酸に、糖化アミノ酸オキシダーゼ及びパーオキシダーゼを作用させることにより過酸化水素を生成させることができ、パーオキシダーゼ−発色法により測定できる糖化タンパク質であれば特に限定されない。 本発明の第一工程の測定試薬は、プロテアーゼ、糖化アミノ酸オキシダーゼ、パーオキシダーゼ、及び発色剤を含み、場合によっては、更に、発色体を退色させるための構成試薬の一部を含む。プロテアーゼは、測定対象であるタンパク質に依存して選択されるが、特定のタンパク質及びその糖化タンパク質を測定する場合は、測定対象であるタンパク質に特異的なプロテアーゼを使用する。タンパク質がアルブミンの場合に、作用させるプロテアーゼとして、例えば、バチルス属、ストレプトマイセス属、又はアスペルギルス属等の微生物由来プロテアーゼが挙げられる。その中でも、バチルス属の微生物由来プロテアーゼであるサーモリシン若しくはズブチリシン、又はアスペルギルス属の微生物由来プロテアーゼであるプロテアーゼP「アマノ」3SD(天野エンザイム社製)が好ましい。尚、プロテアーゼP「アマノ」3SDは商品名であるが、適当な一般名が存在しないため、本明細書及び請求項において、そのまま商品名を使用する。特定のタンパク質ではなく、タンパク質総量及び糖化タンパク質の総量を測定したい場合は、特異性の低いプロテアーゼであるトリプシン、キモトリプシン、ペプシン、エラスターゼ、又はパパイン等を使用する。糖化アミノ酸オキシダーゼは、例えば、アスペルギルス属由来のものを、パーオキシダーゼは、例えば、ホースラディッシュ由来のものを用いることができ、発色剤としては、公知の発色剤、例えばフェノール若しくはその誘導体又はアニリン誘導体と4−アミノアンチピリンとの組み合わせ、ロイコ色素、ジフェニルアミン誘導体、及びトリアリルイミダゾール誘導体等が挙げられる。 前記フェノールの誘導体としては、例えば、4−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,4−ジブロモフェノール、及び2,4,6−トリクロロフェノール等を挙げることができる。 また、前記アニリン誘導体としては、例えば、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(HDAOS)、N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン(HDAPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(DAOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン(ADOS)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン(ADPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン(ALOS)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)アニリン(ALPS)、N−(3−スルホプロピル)アニリン(HALPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAOS)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAPS)、及びN−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン(TOOS)等を挙げることができる。 前記ロイコ色素としては、例えば、ビス(p−ジエチルアミノフェノール)−2−スルホニルメタン、ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−3,4−ジスルホプロポキシフェニルメタン、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン、及び10−[3−(メトキシカルボニルアミノメチル)フェニルメチルアミノカルボニル]−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等が挙げられる。 前記ジフェニルアミン誘導体としては、例えば、ビス[4−ジ(2−ブトキシエチル)アミノ−2−メチルフェニル]アミン及びN,N−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−N’−p−トルエンスルホニル尿酸等が挙げられる。 また、前記トリアリルイミダゾール誘導体としては、例えば、2−(4−カルボキシフェニル)−3−N−メチルカルバモイル−4,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)イミダゾール及び2−(3−メトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−N−メチルカルバモイル−4,5−ビス(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)イミダゾール等が挙げられる。 上記第一工程の測定試薬は、緩衝液成分を含む構成とすることが好ましい。緩衝液の種類、濃度、pHは、酵素、発色剤、発色体を退色させるための構成試薬の一部等の各成分の安定性、酵素の特性等を考慮して選択される。緩衝液の種類としては、リン酸塩、トリス、グリシン、グッド緩衝液等が用いられ、緩衝液の濃度は1〜500mM程度、pHは通常5〜9が好ましい。 第一工程の測定試薬は、すべての成分を一つの試薬として調製して添加しても、または二つ以上の試薬として分割して調製して添加してもどちらでも構わない。また、これらの試薬には必要に応じて防腐剤、界面活性剤、アスコルビン酸オキシダーゼ等を加えてもよい。 第一工程の反応の吸光度測定は、プロテアーゼによるタンパク質の分解反応が持続している状態で行うため、任意の二点間の吸光度差又は吸光度変化率を求めることによるレート法によって測定する。糖化タンパク質の量は、前記吸光度測定により求められる糖化アミノ酸の量と平均糖結合数を用いて計算することにより求めることができる。平均糖結合数とはタンパク質の種類毎によって実験で確かめられている糖化タンパク質1分子中に含まれる糖結合数の平均値である。実用的にはキャリブレータ(標準品)の値を対照として、糖化タンパク質の濃度を測定する。 本発明で用いる第一工程で生成した発色体を退色させる方法は、発色体を還元することにより行われる。この還元反応は、第一工程の終了直後から、又は第二工程の反応開始と同時に効力を発揮することが好ましい。具体的には、還元作用を有する試薬を第二工程の測定試薬に添加するか、又は、還元作用を有する試薬が複数の成分から構成される場合は、あらかじめ第一工程の測定試薬と第二工程の測定試薬に分割して添加しておき、第一工程と第二工程の測定試薬が混合されることにより還元反応が始まるように設定することができる。 さらにこの還元反応には、第二工程の反応開始と同時に発色体を瞬時に退色させ、第二工程の測定が終了するまで持続することが求められる。具体的には数分間以上、好ましくは5分以上である。また、この還元反応又はそれに必要な試薬は、本発明による第一工程の測定試薬及び/又は第二工程の測定試薬中に長期間安定に存在できること、第二工程の色素結合反応に影響を与えないこと、他の成分、酵素等の安定性、活性に影響を与えないことなどがその性能として必要とされる。 発色体を退色させるための具体的方法としては、(1)NADH、NADPH、又はそれらの誘導体とジアホラーゼとを同時に作用させる方法、(2)NADH、NADPH、又はそれらの誘導体と電子伝達体とを同時に作用させる方法、(3)NAD(P)非依存性デヒドロゲナーゼ酵素、その基質、及び電子伝達体を同時に作用させる方法、(4)アスコルビン酸又はエリソルビン酸を作用させる方法等を利用することができる。その他に、システイン、システアミン塩酸塩、ジチオトレイトール等の還元性チオアルコール類等を使用することもできるが、これらは溶解後の安定性が良くないことが知られており、本発明の還元反応には適さない。また、NADH、NADPH、又はそれらの誘導体は、単独でも還元作用を示し発色体の生成を抑制することが知られているが、第一工程で生成した発色体を速やかに退色することができないので、単独での使用は本発明の還元反応には適さない。 還元反応に用いる試薬については、反応液中に含まれる糖化タンパク質の測定上限の1〜1000倍、好ましくは5〜100倍程度の量から生成する発色体を退色できるように、用いる還元方法に応じて、基質、酵素、NADH、NADPH、又はそれらの誘導体、電子伝達体等の使用量を設定すれば良い。また、第二工程の吸光度測定を開始する前に第一工程で生成した発色体をすべて還元反応により退色させ、さらに第二工程中も持続的に生成する、第一工程の反応により生成する発色体を退色させ続けるために、第二工程の開始から測定が終了するまで還元反応を持続させる必要がある。還元反応を持続させる方法としては、(a)第二工程の試薬に過剰量の還元作用を有する物質を添加して、第二工程の測定が終了するまで反応液中に存在させる方法、(b)第二工程の開始直後に必要な量の還元作用を有する物質を一度に過剰量生成させて、第二工程の測定が終了するまで反応液中に存在させる方法、(c)持続的に酵素反応を行わせることにより、第二工程の測定が終了するまで還元作用を持続させる方法、等がある。これらの方法は必要に応じて組み合わせて使用しても構わない。 以下に、前記発色体を退色させるための具体的方法について、個々に説明する。 前述の、(1)NADH、NADPH、又はそれらの誘導体とジアホラーゼとを同時に作用させる方法においては、第一工程の測定試薬にジアホラーゼを含み、第二工程の測定試薬にNADH、NADPH、又はそれらの誘導体を含むように振り分けるのが好ましい。還元作用の持続は、NADH、NADPH、又はそれらの誘導体の十分量存在下、ジアホラーゼ量を増減させて酵素反応速度を調節することにより行うことが出来る。 ここで、NADH、NADPH、又はそれらの誘導体については、基質と、NAD、NADP、又はそれらの誘導体とに酵素を作用させることによって生成させることもできる。この場合は、使用する酵素に対する基質と、NAD、NADP、又はそれらの誘導体の十分量存在下、その酵素量を調節することによって還元作用を持続させることができる。具体的な基質と酵素の組み合わせとしては、グルコースとグルコースデヒドロゲナーゼ、グルコース−6−リン酸とグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、3ーヒドロキシ酪酸と3ーヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、グリセロールとグリセロールデヒドロゲナーゼなどが挙げられるが、糖化タンパク質の測定に影響を及ぼさない組み合わせが好ましいのは言うまでもない。これらは、第二工程開始と同時に、NADH、NADPH、又はそれらの誘導体が生成するように構成するのが好ましい。そのためには、例えば、第一工程の測定試薬に、NAD、NADP、又はそれらの誘導体、及び基質を含め、第二工程の測定試薬に、酵素及びジアホラーゼを含む構成とすることができる。具体的には、基質と酵素の組み合わせがグルコース−6−リン酸とグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼの場合は、第一工程の測定試薬にNADとグルコース−6−リン酸とを含め、第二工程の測定試薬にグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼとジアホラーゼとを含める構成とすることができる。 前述の、(2)NADH、NADPH、又はそれらの誘導体と電子伝達体とを同時に作用させる方法においては、電子伝達体には、フェナジンメトスルフェート、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルスルフェート、又は9−ジメチルアミノベンゾ−α−フェナゾキソニウムクロライド等が用いられ、中でも、安定性にすぐれた1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルスルフェート(以下、mPMSと称す)が好適に用いられる。この場合は、第一工程の測定試薬にmPMSを含み、第二工程の測定試薬にNADH、NADPH、又はそれらの誘導体を含むように振り分けるのが好ましい。この方法においては、NADH、NADPH、又はそれらの誘導体と電子伝達体との反応により、電子伝達体は速やかに還元型の電子伝達体に変換される。従って、その還元作用を持続させるためには、前述のように、NADH、NADPH、又はそれらの誘導体を、基質と、NAD、NADP、又はそれらの誘導体とに酵素を作用させることによって生成させる方法で生成し、基質と、NAD、NADP、又はそれらの誘導体の十分量存在下、酵素量を調節する方法を採用することが好ましい。測定試薬の構成としては、第一工程の測定試薬に、NAD、NADP、又はそれらの誘導体、及び、基質を含め、第二工程の測定試薬に、酵素及びmPMS等の電子伝達体を含める構成が例示される。 前述の、(3)NAD(P)非依存性デヒドロゲナーゼ酵素、その基質、及び電子伝達体を同時に作用させる方法においては、NAD(P)非依存性デヒドロゲナーゼ酵素としてFAD依存性グルコースデヒドロゲナーゼ、ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、メタノールデヒドロゲナーゼ、及びPQQ依存性グリセロールデヒドロゲナーゼ等が挙げられる。NAD(P)非依存性デヒドロゲナーゼ酵素とは、その酵素反応にNAD又はNADP類の補酵素を電子伝達体として使用せず、フラビンやキノン等の酸化還元部位を分子内に有しており、フェナジンメトスルフェート、mPMS、9−ジメチルアミノベンゾ−α−フェナゾキソニウムクロライド、ピロロキノリンキノン、ユビキノン類、又は2, 6−ジクロロフェノールインドフェノール等を電子伝達体として使用する酵素である。測定試薬の構成としては、第一工程の測定試薬に基質及びmPMSを含み、第二工程の測定試薬にNAD(P)非依存性デヒドロゲナーゼ酵素を含む構成が例示され、還元作用の持続は、NAD(P)非依存性デヒドロゲナーゼ酵素の量を増減させて酵素反応速度を調節することにより行うことが出来る。さらに、NAD(P)非依存性デヒドロゲナーゼ酵素の種類によっては、第一工程で生成した発色体をそのまま電子伝達体として使用することもでき、その例としてピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼが挙げられる。より速く持続的に退色させたい場合は、適切な酵素量下でmPMS又はピロロキノリンキノン等の電子伝達体をどちらかの測定試薬に添加して使用するか、或いは使用する酵素量を増やすとさらに効果的である。 前述の、(4)アスコルビン酸又はエリソルビン酸を作用させる方法においては、アスコルビン酸又はエリソルビン酸は、その誘導体であるアスコルビン酸誘導体又はエリソルビン酸誘導体から酵素反応により生成させることができる。アスコルビン酸又はエリソルビン酸は一般に溶液中での安定性が良くないことが知られており、反応液中でアスコルビン酸又はエリソルビン酸をその誘導体から酵素反応により生成させる方法が好適である。アスコルビン酸誘導体又はエリソルビン酸誘導体としては、L−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム塩、アスコルビン酸2−グルコシドなどが挙げられる。酵素として、前者の場合はアルカリフォスファターゼ、後者の場合はαグルコシダーゼを作用させることにより、アスコルビン酸又はエリソルビン酸を生成させることができる。測定試薬の構成としては、第一工程の測定試薬にL−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム塩を含め、第二工程の測定試薬にアルカリフォスファターゼを含める構成が例示される。還元作用の持続は、アスコルビン酸誘導体又はエリソルビン酸誘導体の十分量存在下、これら誘導体を基質とする酵素の使用量を調節することにより行うことができる。 本発明の第二工程の測定試薬はタンパク結合色素を含む。タンパク結合色素としては、クマシーブリリアントブルー、ブロモクレゾールパープル(BCP)等が挙げられる。タンパク質がアルブミンの場合には、ブロモクレゾールパープル(BCP)が好ましい。 本発明の第二工程で行われる色素結合法は、プロテアーゼによって分解されずに残存している正電荷タンパク質に解離して陰イオンとなるタンパク結合色素を結合させて、残存しているタンパク質の濃度に応じた量の発色体を形成させる方法を用いることができる。ここでもやはり、プロテアーゼによるタンパク質の分解反応が進行していることから、第二工程の反応の吸光度測定は、任意の二点間の吸光度差又は吸光度変化率を求めることによるレート法によって測定する。タンパク質の分解反応を早く進行させたい場合は、プロテアーゼを追加しても良い。 第二工程の測定試薬は緩衝液成分を含ませることが好ましい。緩衝液の種類、濃度、pHは、酵素、タンパク質に結合する色素、発色体を退色させるための構成試薬の一部等の各成分の安定性、酵素の特性等を考慮して選択される。緩衝液の種類としては、リン酸塩、トリス、グリシン、又はグッド緩衝液等が用いられ、緩衝液の濃度は1〜500mM程度、pHは通常4.5〜7.5が好ましい。さらに、安定化剤、防腐剤、界面活性剤などを添加しても良い。 タンパク質の糖化割合、即ち試料中の糖化タンパク質のタンパク質に対する割合は、本発明の第一工程の測定から求められる糖化タンパク質の量を第二工程の測定から求められるタンパク質の量で除することによって求めることができる。 本発明の測定方法において、測定波長は使用する発色剤の吸収スペクトル、試料中に含まれる測定対象の濃度などにより適宜設定されるが、一般に550〜630nmの範囲で、好ましくは600nm付近である。第一工程の測定と第二工程の測定は異なる波長を設定しても、或いは同一波長を設定してもどちらでも構わない。特に、同一波長で2成分が一度に測定できることは、単一波長しか搭載していない分析装置であっても2成分が一度に測定可能になることであり、利便性の向上、装置コストの低下などの優れた点をもたらす効果がある。 以下に実施例を示し本発明の詳細な説明を行うが、本発明の技術的範囲は、これにより限定されるものではない。[試験例1]還元反応による第二工程測定時のベースラインの安定化効果<R−1> 糖化アミノ酸オキシダーゼ(50u/ml キッコーマン社製)、パーオキシダーゼ(30u/ml シグマ社製)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(0.5mg/ml 同人化学研究所製)を50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解してR−1とした。<R−2> 4−アミノアンチピリン(1mg/ml 和光純薬社製)、プロテアーゼP「アマノ」3SD(5000PU/ml 天野エンザイム社製)を50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解した液を調製し、さらに、この溶液に表1に示した成分を添加してR−2とした。<R−3> 50mM リン酸緩衝液(pH7.0)に、表2に示したR−2の添加物に応じた成分を添加してR−3とした。<試料> ヒトアルブミン(HSA)基質溶液;8g/dl(表示値)、糖化アルブミン率15.8%〔シグマ社製;基質溶液中の糖化アルブミン率は、グリコアルブミン測定キット(ルシカ GA−L;旭化成ファーマ社製)を用いて測定した。〕<操作> 上記R−1(糖化アルブミン定量試薬[1])100μl及び試料5μlをセルにとり、37℃にインキュベートし反応を開始した。反応開始85秒後に、上記R−2(糖化アルブミン定量試薬[2])を100μl添加、撹拌し、引き続き37℃にて糖化アルブミン定量反応を継続した。反応開始280秒後に、上記R−3を80μl添加、撹拌し、反応を903秒まで継続した。測定波長は、主波長600nm、副波長800nmに設定した。<測定装置> 測定は、7180型自動分析装置(HITACHI社製)を用いて実施した。<結果> 図1に各処方で測定を行った結果得られた反応タイムコースを、表3に反応開始341秒後の吸光度及び反応開始341秒後と903秒後の吸光度差を示した。 本試験例では、試液R−1及びR−2による反応が第一工程に、試液R−3添加後の反応が第二工程の還元反応に相当し、第二工程における色素結合反応時のベースラインの変動を示している。この第一工程に相当する反応では、糖化アルブミン測定の発色反応により吸光度が上昇する。試液R−3添加後の反応では、比較例は試液R−3添加により希釈されて吸光度が一旦下がり、その後持続的に吸光度が上昇しているのに対し、処方A〜Fは、第一工程で生成した発色体による吸光度が反応開始287秒後〜341秒後の間に消失し、さらに、反応開始341秒後〜903秒後の間で吸光度上昇が認められなかった。このことから、反応終了時まで還元反応が維持されていることが確認できた。尚、反応開始341秒後以降は、処方A〜Fの吸光度がほぼゼロを示したため、図1の処方A〜Fのプロットは重複して示されている。この結果から、本発明では、第一工程の反応開始以降に生成した発色体が、還元反応により持続的に退色されることにより、第二工程のベースラインが安定化されることが判明した。[試験例2]アルブミンの糖化割合の測定<R−1> 糖化アミノ酸オキシダーゼ(50u/ml キッコーマン社製)、パーオキシダーゼ(30u/ml シグマ社製)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(0.5mg/ml 同人化学研究所製)を50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解してR−1とした。<R−2> 4−アミノアンチピリン(1mg/ml 和光純薬社製)、プロテアーゼP「アマノ」3SD(5000PU/ml 天野エンザイム社製)を50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解してR−2とした。<R−3> 0.002%ブロモクレゾールパープル(和光純薬社製)、1%ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(Brij35 和光純薬社製)、アスコルビン酸(2mg/ml)を50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解してR−3とした。<試料> 試験例1記載のHSA基質溶液(HSA濃度:8g/dl、表示値)を水で希釈して調製した、HSA濃度7、6、5、4、3g/dl及び水(ブランク)を試料とした。<操作> 上記R−1(糖化アルブミン定量試薬[1])100μl及び試料5μlをセルにとり、37℃にインキュベートし反応を開始した。反応開始85秒後に上記R−2(糖化アルブミン定量試薬[2])を100μl添加、撹拌し、反応開始111秒後に吸光度(A1)を測定し、引き続き37℃にて糖化アルブミン定量反応を継続した。反応開始236秒後に吸光度(A2)を測定し、反応開始280秒後に上記R−3(アルブミン定量試薬)を80μl添加、撹拌し、アルブミン定量反応を継続した。反応開始463秒後と587秒後に吸光度(A3及びA4)を測定した。同様にブランク試料の吸光度測定を行い、A1ブランク、A2ブランク、A3ブランク及びA4ブランクを測定した。測定波長は、主波長600nm、副波長800nmに設定した。糖化アルブミン定量の吸光度変化(ΔA(GA))は、(A2−A1)−(A2ブランク−A1ブランク)、アルブミン定量の吸光度変化(ΔA(Alb))は、(A3−A4)−(A3ブランク−A4ブランク)により計算した。<測定装置> 測定は、7180型自動分析装置(HITACHI社製)を用いて実施した。<結果> 図2に各試料で測定を行った結果得られた反応タイムコースを示した。測定開始111秒後から236秒後までが第一工程の糖化アルブミン測定による発色反応のタイムコース、測定開始287秒後以降が第二工程のアルブミン測定による発色反応の反応タイムコースである。 図3に糖化アルブミンの濃度と反応開始236秒後と111秒後の間の吸光度差の関係を示した。この結果から、糖化アルブミンの濃度に比例した吸光度差が得られることが確認できた。 図4にアルブミンの濃度と反応開始463秒後と587秒後の間の吸光度差の関係を示した。この結果からアルブミンの濃度に比例した吸光度差が得られることが確認できた。 以上の結果は、試料中の糖化アルブミン及びアルブミンを一度に測定できること、すなわち、糖化割合の測定が可能であることを示している。 尚、図3の糖化アルブミン(GA)濃度及び図4のアルブミン(ALB)濃度は、グリコアルブミン測定キット(ルシカ GA−L;旭化成ファーマ社製)を使用して求めた実測値を用いた。HSA基質溶液(HSA濃度:8g/dl)のアルブミン濃度及び糖化アルブミン濃度の実測値は、6.3及び0.95g/dlであった。そのHSA基質溶液を水で希釈して調製したHSA濃度7、6、5、4、3g/dlのアルブミン濃度(糖化アルブミン濃度)の実測値は、5.5(0.83)、4.8(0.71)、4.0(0.60)、3.2(0.48)、2.5(0.37)であった。[試験例3]アルブミンと糖化アルブミンを別々に測定して糖化アルブミンの割合を求める方法と、アルブミンと糖化アルブミンを一度に測定して糖化アルブミンの割合を求める本発明方法の比較<R−1> 試験例2に同じ。<R−2> 試験例2に同じ。<R−3> 試験例2に同じ。<試料> 糖尿病患者血清10検体 健常者血清 5検体<操作> アルブミンと糖化アルブミンを別々に測定して糖化アルブミンの割合を求める方法(対照法)は、グリコアルブミン測定キット(ルシカ GA−L;旭化成ファーマ社製)を用いて行った。アルブミンと糖化アルブミンを一度に測定して糖化アルブミンの割合を求める本発明方法(本法)は、試験例2と同じ方法で行った。各々の測定系で測定される糖化アルブミンの割合(%)は、測定した糖化アルブミン濃度を測定したアルブミン濃度で除することによって求めた。<結果> 対照法と本発明方法で測定した糖化アルブミンの割合(%)の相関結果を図5に示した。本発明方法で求めた糖化アルブミンの割合と、対照法で求めた糖化アルブミンの割合との間に、良好な相関関係が見られた。この結果から、本発明方法によってアルブミンに対する糖化アルブミンの割合を正確に求めることができることが確認できた。 一つの反応容器で試料中の糖化タンパク質及びタンパク質を一度に測定する方法であって、 反応容器内で試料中のタンパク質にプロテアーゼを作用させ、生成した糖化アミノ酸に糖化アミノ酸オキシダーゼ、パーオキシダーゼ、及び発色剤を作用させて過酸化水素の生成に基づく発色反応を行い、生成した発色体の測定をレート法で行うことにより、糖化アミノ酸を測定する第一工程、及び、 第一工程の測定後、前記発色体を退色させる還元反応を前記反応容器内で開始及び持続させるとともに、前記還元反応の開始と同時に又は前記還元反応の開始後に、残存している試料中のタンパク質にタンパク結合色素を結合させ、生成した発色体の測定をレート法で行うことにより、タンパク質の測定を行う第二工程を含む測定方法。 前記試料中のタンパク質がアルブミンであり、前記プロテアーゼが、サーモリシン、ズブチリシン、及びプロテアーゼP「アマノ」3SD(商品名)から選択される、請求項1に記載の測定方法。 前記タンパク結合色素がブロモクレゾールパープルである、請求項1又は2に記載の測定方法。 前記還元反応が、NADH、NADPH、又はそれらの誘導体とジアホラーゼとによる反応であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の測定方法。 前記NADH、NADPH、又はそれらの誘導体が、基質と、NAD、NADP、又はそれらの誘導体とにデヒドロゲナーゼを作用させて生成されることを特徴とする、請求項4に記載の測定方法。 前記還元反応が、NADH、NADPH、又はそれらの誘導体と電子伝達体とによる反応であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の測定方法。 前記電子伝達体が1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルスルフェートである、請求項6に記載の測定方法。 前記NADH、NADPH、又はそれらの誘導体が、基質と、NAD、NADP、又はそれらの誘導体とにデヒドロゲナーゼを作用させて生成されることを特徴とする、請求項6に記載の測定方法。 前記還元反応が、NAD(P)非依存性デヒドロゲナーゼ酵素、その基質、及び電子伝達体による反応であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の測定方法。 前記還元反応が、アスコルビン酸又はエリソルビン酸による反応であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の測定方法。 前記アスコルビン酸又はエリソルビン酸が、アスコルビン酸誘導体又はエリソルビン酸誘導体に酵素を作用させて生成されることを特徴とする、請求項10に記載の測定方法。 前記第一工程の測定及び前記第二工程の測定を同一波長で行うことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の測定方法。 【課題】 一つの反応容器内で試料中の糖化タンパク質及びタンパク質を一度に測定する方法を提供することを目的とする。【解決手段】 反応容器内で試料中のタンパク質にプロテアーゼを作用させ、生成した糖化アミノ酸に糖化アミノ酸オキシダーゼ、パーオキシダーゼ、及び発色剤を作用させて過酸化水素の生成に基づく発色反応を行い、生成した発色体の測定をレート法で行うことにより、糖化アミノ酸を測定する第一工程、及び、第一工程の測定後、前記発色体を退色させる還元反応を前記反応容器内で開始及び持続させるとともに、前記還元反応の開始と同時に又は前記還元反応の開始後に、残存している試料中のタンパク質にタンパク結合色素を結合させ、生成した発色体の測定をレート法で行うことにより、タンパク質の測定を行う第二工程、からなる測定方法。【選択図】 なし


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