タイトル: | 特許公報(B2)_揮発性環状シロキサン |
出願番号: | 2012541185 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C07F 7/18,A61K 8/25,A61Q 19/00 |
マーク デイヴィッド フィッシャー マイケル カン−ジェン リー ビ−シュン ツェン JP 5744046 特許公報(B2) 20150515 2012541185 20101124 揮発性環状シロキサン ダウ コーニング コーポレーション 590001418 DOW CORNING CORPORATION 杉村 憲司 100147485 吉田 憲悟 100165951 加藤 正樹 100179866 マーク デイヴィッド フィッシャー マイケル カン−ジェン リー ビ−シュン ツェン US 61/264,283 20091125 20150701 C07F 7/18 20060101AFI20150611BHJP A61K 8/25 20060101ALI20150611BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20150611BHJP JPC07F7/18 XA61K8/25A61Q19/00 C07F 7/18 A61K 8/25 A61Q 19/00 CAplus/REGISTRY(STN) 特開平09−241513(JP,A) 特開平03−264510(JP,A) 国際公開第96/016545(WO,A1) 国際公開第2008/085360(WO,A1) LEBEDEV E P,COALCOHOLYSIS OF ORGANOSILAZANES AND ORGANOCYCLOSILOXAZANES WITH CHLOROORGANOSILANES 以下備考,JOURNAL OF GENERAL CHEMISTRY OF THE USSR,1975年,V45 N12,P2606-2610,AND CHLOROORGANOSILOXANES NGUYEN V Q,FRANCK-CONDON DOMINATED CHEMISTRY. DISSOCIATIONS OF SILICON-CENTERED RADICALS 以下備考,JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY,1995年10月19日,V99 N42,P15454-15464,PREPARED BY FEMTOSECOND REDUCTION OF THEIR CATIONS IN THE GAS PHASE NEDOGREI E P,REACTION OF OCTAMETHYLTRISILOXANE WITH 2-ALKOXY-1,3-DIOXACYCLOALKANES,JOURNAL OF GENERAL CHEMISTRY OF THE USSR,1990年,V60 N11,P2231-2234 ZHURKINA I P,REACTION OF OCTAMETHYLCYCLOTETRASILOXANE WITH 2-ETHOXY-1,3-DIOXANES,DOKLADY CHEMISTRY,1989年,V304 N1-6,P49-50 Krieble, R. H.; Burkhard, C. A.,Cyclic dimethylpolymethylenedioxysilanes,Journal of the American Chemical Society,1947年,69,2689-92 RAZUVAEV G A,OXIDATION OF ORGANOPOLYSILANES WITH PI-AND N-DONOR SUBSTITUENTS WITH PEROXYBENZOIC ACID,JOURNAL OF GENERAL CHEMISTRY OF THE USSR,1987年,V57 N2,P323-330 SAAD S M,ZUR DARSTELLUNG VON 1,1,3,3-TETRAMETHYL-1,3-DISILA-2,4,7-TRIOXA-CYCLOHEPTAN(1) 以下備考,CHEMIKER ZEITUNG,1977年,V101 N5,P262,UND 1,1,3,3-TETRA-METHYL-1,3-DISILA-2,4,8-TRIOXA-CYCLOOCTAN(2) CALAS R,EFFECTS STERIQUES DANS LA CONDENSATION DE COMPOSES ALPHA-DIHYDROXYLES AVEC DES 以下備考,COMPTES RENDUS HEBDOMADAIRES DES SEANCES DE L'ACADEMIE DES SCIENCES,1959年,V249,P1011-1013,DERIVES DICHLOROSILICOES. GENERALISATION 8 US2010057962 20101124 WO2011071698 20110616 2013512253 20130411 21 20130730 高橋 直子関連出願の相互参照 本出願は、2009年11月25日に出願された米国特許出願第61/264283号明細書の利益を主張する。 シロキサンのモノマー、ポリマー、およびエラストマーは、優れた高温および気候安定性、極度の低温柔軟性、高い圧縮率、高電気抵抗率、低誘電損失、高いガス透過率、無臭、無味、無毒等のような特性の固有の組み合わせを包含する。これらの固有の特性のために、シリコーンは、産業および消費製品用途において広く用いられる。具体的には、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)およびデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)は、パーソナルケア業界に対していくつかの魅力的な特性を示す。これらの環状シロキサンは、他のいくつかの低分子直鎖状シロキサンと同様に、秀でた揮発性と組み合わされた優れた湿潤性を示し、これが制汗剤からシャンプー、化粧水に至るまで様々なパーソナルケア製品の配送において環状シロキサンを非常に魅力的にする。 パーソナルケア製品の考案者は、消費製品に混入するための新しい化合物を継続的に探し求める。したがって、同様の物理的性質を有しながら、D4またはD5の代替としての新規な環状シロキサンを同定するニーズが存在する。 本発明者らは、同様の物理的な性質を有しながら、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)およびデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)と化学的に区別されたある環状シロキサンを見出した。 本発明は、以下の構造式を有する環状シロキサン化合物を提供する。 式中、a≧2かつb≧2であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基であり、R1は、独立して水素またはメチル基である。 本発明は、さらに、塩素末端ブロック化ポリジメチルシロキサンと、少なくとも2つの炭素原子を含むジオール官能化合物と、の反応による環状シロキサンの調製方法に関する。 本発明の環状シロキサンは、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)およびデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)と同様の物理的性質を有する。したがって、それらは、様々なパーソナルケア組成物において有用である。D5と比較した実施例2の環状シロキサンの官能検査の結果である。D5と比較した実施例3の環状シロキサンの官能検査の結果である。 本開示は、以下の構造式を含む環状シロキサン化合物に関する。 式中、a≧2かつb≧2であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、あるいはRはメチル基である。R1は、独立して水素またはメチル基である。 上記式において、[R2SiO]は、ジアルキルシロキシ単位を表す。本発明の環状シロキサンには、2以上の値を有する下付き文字「a」により表わされるように、少なくとも2つのジアルキルシロキシ単位があり、あるいはaは、2〜8でもよく、あるいは2〜6でもよく、あるいは2〜4でもよく、あるいは2〜3でもよい。 上記式において、(CR12)は、アルキレンまたはオキシアルキレン基を表す。アルキレン基は、下付き文字bにより表わされるように、少なくとも2つの炭素原子を有する。式中のR1は、水素原子またはメチル基であってもよい。したがって、(CR12)b部分は、例えば、以下のアルキレン基から選択される;−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH2C(CH3)2−、−C(CH3)2CH2C(CH3)2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH(CH3)−、−CH2CH2CH2C(CH3)2−、−CH(CH3)CH2C(CH3)2−、または−C(CH3)2CH2C(CH3)2−。あるいは、(CR12)b部分は、−CH(CH3)CH2CH2−、または−CH(CH3)CH2C(CH3)2−、−CH2CH2−O−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−O−CH2CH2CH2−である。 一の実施態様では、環状シロキサンは、以下の式を有する2,2,4,4,6,6,8−ヘプタメチル−1,3,5−トリオキサ−2,4−ジシラシクロオクタンである。 一の実施態様では、環状シロキサンは、以下の式を有する2,2,4,4,6,6,8−ヘプタメチル−1,3,5,7−テトラオキサ−2,4,6−トリシラシクロデカンである。 一の実施態様では、環状シロキサンは、以下の式を有する2,2,4,4,6−ペンタメチル−1,3,5−トリオキサ−2,4−ジシラシクロオクタンである。 一の実施態様では、環状シロキサンは、以下の式を有する2,2,4,4,6−ペンタメチル−1,3,5−トリオキサ−2,4−ジシラシクロヘプタンである。 本発明の環状シロキサンは、様々な方法により調製することができる。あるいは、本明細書に記述する方法により調製してもよい。 本開示は、塩素末端ブロック化ポリジアルキルシロキサン、あるいはポリジメチルシロキサンと、少なくとも2つの炭素原子を含むジオール官能化合物との反応による環状シロキサンの調製方法を提供する。 塩素末端ブロック化ポリジメチルシロキサンは、公知であり、以下の平均式により表わすこともできる。 式中、nは、通常、1または2である。 これらは、以下に示すように調製することができる。 少なくとも2つの炭素原子を含むジオール官能化合物は、少なくとも2つの水酸基を含む有機化合物から選択してもよい。典型的には、ジオール官能化合物は、炭素原子が3以上、あるいは炭素原子が4以上、あるいは炭素原子が5以上、あるいは炭素原子が6以上、のジオール官能基を含む炭化水素である。代表例としては、これらに限定されないが、以下のものを含む。1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,6−ヘプタンジオール、1,2−シクロペンタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、4−メチル−2,3−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、シクロペンタン−1,3−ジイルジメタノール、3−フルオロ−1,2−プロパンジオール 塩素末端ブロック化ポリジメチルシロキサンと、ジオール官能化合物との間の反応は、無溶媒または溶媒中で行ってもよい。通常、その反応は、溶媒中で行い、その溶媒は、非プロトン性極性有機溶媒から選ばれる。例えば、非プロトン性有機溶媒は、酢酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、フルオロ酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸プロピル、酪酸エチル、酢酸イソブチル、イソ酪酸エチル、酢酸sec−ブチルのような低分子量の有機エステル、およびテトラヒドロフラン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、酢酸2−ブトキシエチルのような他の溶媒を含む。 塩素末端ブロック化ポリジメチルシロキサンと、ジオール官能化合物との間の反応は、通常、有機アミン化合物の追加により高められる。その追加されるアミンは、その反応においてアミン塩を生成するために生じる塩化水素イオンと反応し、該アミン塩は、ろ過されるか、または環状シロキサン生成物から容易に分離できる。例えば、アミンは、以下のものを含む。ヘキシルアミン、ピリジン、ジエチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、エチルブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N−メチルジプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N−ジブチル−N−メチルアミン、1−メチルピロリジン、1−ブチルピロリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、ピロリドン、2−メチルピロリドン、2,5−ジメチルピロリジン 反応における追加の順序は異なってもよいが、通常は、塩素末端ブロック化ポリジメチルシロキサンおよびジオール官能化合物は、反応溶剤に同時に加えられる。通常は、それぞれの速度はほとんど同じに調整され、前記追加が1時間で終わったような速度で、いずれも追加される。 反応は、大気条件において、0〜200℃、あるいは30〜120℃、あるいは50〜80℃において行われる。 反応に使用される塩素末端ブロック化ポリジメチルシロキサンと、ジオール官能化合物の量は、異なってもよいが、通常は、反応は、各反応物がおよそ1:1のモル比において行われる。あるいは、反応は、塩素末端ブロック化ポリジメチルシロキサンの完全な消費を確実にするため、ジオール化合物を10%モル過剰のようなわずかに過剰な条件において行われる。 環状シロキサンは、通常の蒸留技術により分離および/または精製される。 あるいは、ジオール官能化合物と反応させるために塩素末端ブロック化ポリジメチルシロキサンを用いる代わりに、その塩素基を縮合反応において反応する他の基に置き換えてもよい。そのような基は、アセトキシ、オキシム、シラノール、およびシラザン基を含む。 あるいは、本開示の環状シロキサンは、以下に示すような縮合反応により調製されてもよい。 環状シロキサンは、他のシリコーン組成物と組み合わせてもよい。例えば、そのようなシリコーンは、シリコーン溶液、ゴム、樹脂、エラストマー、シリコーン界面活性剤および、シリコーンポリエーテルのような乳化剤、アミノ官能シリコーンのような有機官能シリコーンならびにアルキルメチルシロキサンを含む。 アルキルメチルシロキサンは、本発明の環状シロキサンと組み合わせてもよい。そのアルキルメチルシロキサン シロキサンポリマーは、一般的に以下の式を有する。 Me3SiO[Me2SiO]y[MeRSiO]zSiMe3 式中、Rは、炭素数6〜30の炭化水素基であり、Meは、メチル基を表し、重合度(DP)、すなわち、yおよびzの合計は、3〜50である。組成物において、アルキルメチルシロキサンの揮発性および液体の種類のいずれも用いることができる。 シリコーンゴムは、本発明の環状シロキサンと組み合わせてもよい。本明細書において、シリコーンゴムは、ポリジオルガノシロキサンゴムを意味する。シリコーンゴムは、この技術分野では公知であり、市販されている。それらは、一般的に25℃において1,000,000センチストーク(mm2/s)超過の、あるいは25℃において5,000,000センチストーク(mm2/s)より大きい粘度を有する不溶性のポリジオルガノシロキサンを含む。これらのシリコーンゴムは、通常、取り扱いを容易にするために適切な溶媒中にすでに分散した組成物として販売されている。極超粘性シリコーンも、任意成分として含まれてもよい。これらの極超粘性シリコーンは、通常、25℃において5百万センチストーク(mm2/s)より大きく、25℃において2千万センチストーク(mm2/s)までの動粘性率を有する。 シリコーン樹脂は、本発明の環状シロキサンと組み合わせてもよい。これらの樹脂組成物は、一般的に、高度に架橋した高分子のシロキサンである。架橋は、製造において用いられる単官能シランおよび/または2官能シランモノマーと共に3官能および/または4官能シランを組み合わせることにより得られる。適当なシリコーン樹脂を得るために要求される架橋の程度は、そのシリコーン樹脂の製造において組み合わされるシランモノマー単位の特異性によって異なる。一般的には、十分な量の3官能および4官能シロキサンモノマー単位を有し、それ故に堅いまたは硬い膜となるために乾燥するのに十分な量の架橋結合を有するどのようなシリコーンでもシリコーン樹脂としての使用に適していると考えられる。本明細書用途に適した市販されているシリコーン樹脂は、一般的に、低粘性揮発性または不揮発性シリコーン溶液における未硬化の形態で供給される。シリコーン樹脂は、硬化した樹脂構造としてよりも、それらの未硬化の形態で本発明の組成物に組み込まれる方がよい。 水溶性または水分散性のシリコーンポリエーテル組成物は、本発明の環状シロキサンを含有する組成物に含まれてもよい。シリコーンポリエーテルは、ポリアルキレンオキサイドシリコーン共重合体、シリコーンポリ(オキシアルキレン)共重合体、シリコーングリコール共重合体、またはシリコーン界面活性剤としても公知である。これらは、線状の熊手または接ぎ木型の材料、またはBがシロキサンポリマーブロックであり、Aがポリ(オキシアルキレン)基であるABA型となり得る。ポリ(オキシアルキレン)基は、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、または混合ポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイド基を含み得る。ブチレンオキサイドまたはフェニレンオキサイドのような他のオキサイドも可能である。 本発明の環状シロキサンは、o/w、w/o、w/s、または有機もしくはシリコーン乳化剤を用いた複数相エマルションの油相に組み込まれてもよい。本明細書で用いる「乳化剤」は、エマルションを形成し得る何らかの化合物または物質を意味する。乳化剤は、エマルションを安定化し得るイオン性、非イオン性、または両性イオン界面活性剤のいずれかから選択することができる。界面活性剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、または界面活性剤の混合物であってもよい。 好ましいアニオン界面活性剤の代表例は、高級脂肪酸のアルカリ金属石鹸、ベンゼンスルホン酸ドデシル・ナトリウム、長鎖脂肪アルコール硫酸塩、オレフィン硫酸塩およびオレフィンスルホン酸塩のようなアルキルアリールスルホン酸塩、硫酸化モノグリセリド、硫酸化エステル、スルホン酸化エトキシ化アルコール、スルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、リン酸化エステル、アルキルイセチオン酸塩、アルキルタウレート、およびアルキルサルコシネート、を含む。 好ましいアニオン界面活性剤の一例は、商品名Bio-Soft N-300で市販されている。それは、イリノイ州ノースフィールドのStephan Company社から市販されているトリエタノールアミン直鎖アルキレートスルホン酸塩組成物である。 好ましいカチオン界面活性剤の代表例は、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、スルホニウム塩、およびホスホニウム塩を含む。好ましい非イオン性界面活性剤の代表例は、エチレンオキサイドと、長鎖脂肪アルコールまたはC12〜C16アルコールのような脂肪酸との縮合物、エチレンオキサイドと、アミンまたはアミドとの縮合物、エチレンと、プロピレンオキサイドとの縮合生成物、グリセロールのエステル、スクロース、ソルビトール、脂肪酸アルキロールアミド、スクロースエステル、フッ素系界面活性剤、および脂肪族アミンオキサイドを含む。好ましい両性界面活性剤の代表例は、イミダゾリン化合物、アルキルアミノ酸塩、およびベタインを含む。 好ましい市販されている非イオン性界面活性剤の代表例は、デラウェア州ウィルミントンのUniqema社(ICI Surfactants社)から、商標名BRIJにおいて販売されているポリオキシエチレン脂肪族アルコールを含む。いくつかの例は、BRIJ 35 Liquid、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルとして公知のエトキシ化アルコール、およびBRIJ 30、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルとして公知の他のエトキシ化アルコールである。いくつかの追加の非イオン性界面活性剤は、ミシガン州ミッドランドのDow Chemical Company社により商標TERGITOL(登録商標)において販売されているエトキシ化アルコールを含む。いくつかの例は、TERGITOL(登録商標)TMN-6、エトキシ化トリメチルノナノールとして公知のエトキシ化アルコール;および様々なエトキシ化アルコール、すなわち、商標TERGITOL(登録商標)15-S-5、TERGITOL(登録商標)15-S-12、TERGITOL(登録商標)15-S-15、およびTERGITOL(登録商標)15-S-40として販売されているC12〜C14の第2級アルコールエトキシレートである。非イオン性界面活性剤を含む混合物を用いる場合は、非イオン性界面活性剤の1つは低い親水性・親油性バランス(HLB)を有するべきであり、他の非イオン性界面活性剤は、高いHLBを有するべきであり、その2つの非イオン性界面活性剤が、11〜15、あるいは、12.5〜14.5の組み合わせたHLBを有する。 シリコーンポリエーテル乳化剤のような、水/油または水/シリコーン乳化剤から乳化剤を選択してもよい。シリコーンポリエーテル(SPEs)は、通常、ポリエーテルまたはポリオキシアルキレン基を含むシリコーンを意味し、多くの異なった構造形態をとり得る。典型的には、そのような形態は、熊手型(rake-type)またはABA型SPEsであり、最も一般的には、SiH官能基を有するオルガノシロキサンとアリルオキシ官能基を有するポリエーテルとを、白金触媒の存在下において、ヒドロシリル化することにより誘導される。 米国特許第4,122,029号に開示されているシリコーンポリエーテルを、1以上のポリジオルガノシロキサンブロックと1以上のポロオキシアルキレンブロックとを含むポリジオルガノシロキサンポリオキシアルキレンブロック共重合体のその教示のために乳化剤として選択してもよい。 米国特許第4,853,474号に開示されているシリコーンポリエーテルを、非極性液体エマルションにおける極性のためのオルガノポリシロキサン‐ポリオキシアルキレン乳化剤のその教示のために乳化剤として選択してもよく、そのオルガノポリシロキサン‐ポリオキシアルキレンポリマー分子は、非加水分解性結合によりそのポリマー分子に結合して、かつ内部の加水分解性結合から遊離している架橋剤を用いて意図的に架橋されている。 米国特許第5,811,487号に開示されているようなシリコーンポリエーテルエラストマーを、乳化剤として有用なエラストマーのシリコーンポリエーテルのその教示のために乳化剤として選択してもよい。 乳化剤は、例えば、上述したもののいずれかの様々な乳化剤の組み合わせまたは混合物であってもよい。乳化剤は、界面活性助剤を追加したものを含んでいてもよい。さらに、乳化剤または乳化剤の混合物は、無溶媒で用いてもよいし、または乳化剤を、本発明の環状シロキサンを含む、揮発性シリコーンのような疎水性溶媒に溶解してもよい。 これに限定されないが、乳化剤として好ましい市販品の実例としては、DC5225C、DC3225C、DC5200、DC9011、DC9040、DC9050、DC8822A(ミシガン州48686のミッドランドのDow Corning Corp.社)が挙げられる。 充填剤、泡制御剤;不凍剤および殺生物剤のような、他の追加の成分をエマルションに組み込むこともできる。 一の実施態様では、エマルションはクエン酸のような緩衝剤を含む。 環状シロキサン、または前述したシリコーン組成物のような本発明の環状シロキサンを含む組成物は、パーソナルケア製品、医療、および家事等の様々な市販品に用いることができる。したがって、それらは、制汗剤、脱臭剤、スキン・クリーム、スキン・ケア・ローション、保湿剤、ニキビまたはしわ除去、パーソナルおよび洗顔クレンザーのようなフェイシャル・トリートメント、バスオイル、香水、コロン、匂い袋、日焼け止め剤、プレシェーブおよびアフターシェーブ・ローション、液体せっけん、ボディーソープ、ひげそり用せっけん、ひげそり用泡剤、ヘア・シャンプー、ヘア・コンディショナー、ヘアスプレー、ムース、パーマネント、脱毛剤、キューティクルコート、化粧品、カラー化粧品、ファンデーション、頬紅、口紅、リップクリーム、アイライン、マスカラ、油除去剤、カラー化粧品除去剤、およびパウダーに用いることができる。さらに、本発明の環状シロキサンを、パーソナルケア製品を製造するために様々な他の成分と組み合わせることができることが見込まれる。これらの成分は、パーソナルケア製品に通常処方するために用いられる追加の界面活性剤、保湿剤、顔料、日焼け止め剤、香料、皮膚軟化剤を含む。本発明の環状シロキサン組成物は、噴霧可能なローション処方および様々な拭き取り処方にも用いることができる。 以下の実施例は、本発明の代表的な実施態様を示すために含まれる。当業者は、以下の実施例において開示され、発明者により発見された技術は、本発明の実施において機能することを表すものであり、したがって、その実施における好ましい態様に貢献することを理解する。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、開示された具体的な態様において多くの変更が可能であり、本発明の精神と範囲を逸脱せずに同様のまたは類似の結果が得られることを理解する。全ての百分率は重量%である。全ての測定は、特に断りのない限り、23℃において行った。(実施例1−環状シロキサンの合成−) 2,2,4,4,6−ペンタメチル−1,3,5−トリオキサ−2,4−ジシラシクロヘプタン マグネチック・スターラー、追加漏斗、コンデンサー、および窒素入口を具えた250mLの3口フラスコに、酢酸エチル(56.73g)、1,2−プロパンジオール(8.39g、0.110mol)、およびピリジン(20.67g、0.261mol)を投入した。その追加漏斗にジクロロテトラメチルジシロキサン(21.18g、0.104mol)および酢酸エチル(39.44g)を投入した。その追加漏斗内の混合物を、窒素パージ下、55℃において撹拌しながら、反応に追加した。その追加は約40分で終了した。その反応混合物は、この温度でさらに1時間30分間保持された。結果として得られた混合物を、加圧濾過し、減圧ストリップして揮発分と塩とを除去し、次いで減圧分留して、透明の低粘性の液体(6.20g、0.0301mol)を生成した。(実施例2−環状シロキサンの合成−) 2,2,4,4,6,6,8−ヘプタメチル−1,3,5−トリオキサ−2,4−ジシラシクロオクタン マグネチック・スターラー、2つの追加漏斗、コンデンサー、および窒素入口を具えた1Lの3口フラスコに、酢酸エチル(108.56g)およびn−ヘキシルアミン(2.02g)を投入した。追加漏斗Aにヘキシレングリコール(47.28g、0.400 mol)、ピリジン(75.33g、0.952 mol)、および酢酸エチル(57.03g)を投入した。追加漏斗Bにジクロロテトラメチルジシロキサン(77.61g、0.382 mol)および酢酸エチル(53.42g)を投入した。漏斗AとB内の混合物を、窒素パージ下、70℃において撹拌しながら、反応に同時に追加した。そのグリコールとクロロシロキサンとが、約1時間後に、同時に完全に放出されるようにその追加速度を操作した。その反応混合物を、この温度でさらに1時間15分間保持した。結果として得られた混合物を、加圧濾過し、減圧ストリップして揮発分と塩とを除去し、次いで減圧分留して、透明の低粘性の液体(36.02g、0.145mol)を生成した。(実施例3−環状シロキサンの合成−) 2,2,4,4,6,6,8−ヘプタメチル−1,3,5,7−テトラオキサ−2,4,6−トリシラシクロデカン 機械式スターラー、コンデンサー、窒素入口、KOHバブラー、および2つの追加漏斗を具えた250mLの3口丸底フラスコに、酢酸エチル(50.30g)を投入した。追加漏斗Aに1,3−ブタンジオール(9.32g、0.103mol)およびピリジン(23.37g、0.295mol)を投入した。追加漏斗Bにジクロロヘキサメチルトリシロキサン(27.31g、0.098mol)および酢酸エチル(13.9g)を投入した。漏斗AとB内の混合物を、窒素パージ下、70℃において撹拌しながら、その反応フラスコに同時に追加した。そのジオールとクロロシロキサンとが、約1時間後に、同時に完全に放出されるようにその追加速度を操作した。その反応は、70℃においてさらに2時間30分間撹拌された。結果として得られた混合物を、加圧濾過し、減圧ストリップして揮発分と塩とを除去し、次いで減圧分留して、透明の低粘性の液体(10.57g、0.0359mol)を生成した。 実施例4−環状シロキサンの合成− 2,2,4,4,6−ペンタメチル−1,3,5−トリオキサ−2,4−ジシラシクロオクタン マグネチック・スターラー、追加漏斗、コンデンサー、および窒素入口を具えた500mLの3口フラスコに、酢酸エチル(104.31g)、1,3−ブタンジオール(19.10g、0.212mol)、およびピリジン(41.63g、0.526mol)を投入した。その追加漏斗にジクロロテトラメチルジシロキサン(40.93g、0.201mol)および酢酸エチル(60.92g)を投入した。その追加漏斗内の混合物を、窒素パージ下、55℃において撹拌しながら、反応に追加した。その追加は、約1時間で終了した。その反応混合物は、この温度においてさらに1時間45分間保持された。結果として得られた混合物を、加圧濾過し、減圧ストリップして揮発分と塩とを除去して、次いで減圧分留して、透明の低粘性の液体(15.57g、0.0707mol)を生成した。 表Iは、調製した環状シロキサンをまとめたものである。表I:調製した環状シロキサンの構造物理的性質 実施例2と実施例3の環状シロキサンの引火点について、セタ密閉式試験器法を用いて分析した。屈折率は、ボシュロム屈折計を用いて測定した。Anton Paar社のDMA48密度計を用いて試料の密度を測定した。粘度はCannon-Manning semi-micro viscometerのサイズナンバー75を用いて測定した。739mmHgにおける大気中の沸点を粗沸点法により測定し、小さなPyrex試験管中の1mLの試料を加熱することにより沸点を視覚的に観察した。D5、イソヘキサデカン、イソドデカン、およびネオペンタン酸イソデシルの物理的性質は、文献値から取得した。各試料の匂いは、パネルにより測定し、匂いなし、かすかに匂う、軽く匂う、強く匂うの4つの分類のうちの1つに格付けした。D5およびいくつかの有機溶媒と共に実施例2と実施例3の物理的性質を表IIおよび表IIIに示す。表II:揮発性環状シロキサンの沸点、引火点、および表面張力表III:揮発性環状シロキサンの屈折率、粘度、匂い、および密度揮発度 揮発度は、温度と湿度を制御した気候室(温度は20℃±1℃に、湿度は50%±5%に設定した)内において、試料の0.1gをアルミニウムカップ内に置いて調査した。揮発度は、6時間の間に予め定めた時間間隔において重量の損失を測定することにより評価した。表IV:22℃における揮発度の結果表V:37℃における揮発度の結果相溶性 実施例2と実施例3の環状シロキサンは、様々なライフサイエンス用途において一般的に使用される多くの溶媒に相溶性があることが見出された。各溶媒は、10%、50%および90%の3つの異なる濃度においてテストされた。透明な試料(C)は、3つ全ての溶媒配合において、その溶媒にその材料が溶解し得ることを示す。不溶性の試料(I)は、3つ全ての溶媒配合において、その材料が不溶であることを示す。実施例3は、ひまし油に一部のみ溶解し得る。表VI:ライフサイエンスにおいて一般的に使用される溶媒との相溶性表VII:ライフサイエンスにおいてより一般的に使用される溶媒との相溶性エマルションの調製 実施例2または実施例3の環状シロキサン(29.82g)および8.946gのDow Corning(登録商標)5329 Performance Modifier(シリコーンポリエーテル官能基を有する乳化剤)を、歯科用混合カップに加えた。その容器の内容物を、Speed Mixer DAC 150 FVZにより1分間混合した。第2級アルカンスルホン酸塩のHostapur SAS-30(0.497g)を、結果として得られた混合物に加え、前記Speed Mixer上でさらに1分間回転させた。DI H2O(60.137g)をNaHCO3(0.200g)と共に予め混合して、その油/界面活性剤混合物に加えて、5g増加させて、希釈水の全量を加えるまで1分間混合して、粗いエマルションを生成した。次いで、これらのエマルション粒子を、粒子サイズ0.1〜0.2μmを与えるのに適した条件下でマイクロフルーダイザーを通した。その乳化した実施例2を40℃において4週間熱老化したところ、そのエマルションは均一を保っていた。その乳化した実施例3を40℃において6週間熱老化したところ、そのエマルションは均一を保っていた。エマルション安定性 実施例2およびD5の両方を以下の成分と共に乳化した:Dow Corning(登録商標)5200 Formulation Aid、クエン酸緩衝溶液、NaCl、およびグリセロール。エマルションは、45℃のオーブン内で1ヶ月間熱老化され、または冷凍/解凍工程を5サイクル(各サイクルは、−15℃を18時間保持し、次いで25℃を6時間保持)行った。表VIII:エマルション配合 実施例2およびD5の両方は、その熱老化または冷凍/解凍処理されたエマルションから抽出後も損傷がなく、標準的なライフサイエンス配合における安定性に関する実施例2のD5への類似性を証明した。表IX:エマルションの熱老化および冷凍/解凍安定性シリコーンゴムブレンド ポリジメチルシロキサンゴム(Dow Corning SGM-36)とブレンドした際、実施例2および実施例3の環状シロキサンは、3cSt DC 200 Fluidのような溶媒およびIHDのような有機溶媒と比べて粘性に小さな変化を示した。典型的なゴムブレンドは、2.01gの高分子量ポリジメチルシロキサン(Dow Corning SGM-36)と、8.01gの実施例2または実施例3とを、滑らかになるまで歯科用のミキサー内においてブレンドすることにより調製した。粘性は、Brookfieldコーンプレート レオメータ(DV-IIIモデル)を用いて25℃において測定した。表X:揮発性環状シロキサンとブレンドしたSGM−36の粘性*25℃における粘性を測定するために試料0.5gを用いた。コーンプレート レオメータは、直径25mmのコーンプレートmeasugin(CP-52)を有し、10〜90%の間のトルク値を得るために、通常、10〜50RPMで運転した。官能検査結果 いくつかの代表的な環状シロキサンについて、その官能特性を、訓練を受けた官能識者によって評価した。図1および図2は、実施例2および実施例3が、その調査した官能特性においてD5に非常に類似していることを示す。 構造式;を有する2,2,4,4,6,6,8−ヘプタメチル−1,3,5−トリオキサ−2,4−ジシラシクロオクタン、 構造式;を有する2,2,4,4,6,6,8−ヘプタメチル−1,3,5,7−テトラオキサ−2,4,6−トリシラシクロデカン、または 構造式;を有する2,2,4,4,6−ペンタメチル−1,3,5−トリオキサ−2,4−ジシラシクロオクタンから選択される、環状シロキサン化合物。 請求項1に係る環状シロキサンのいずれかと、追加のシリコーンとを含む、組成物。 前記追加のシリコーンが、シリコーンゴムである、請求項2に記載の組成物。 請求項1に係る環状シロキサンのいずれかを含む、エマルション組成物。 請求項2または3に係る組成物を含む、エマルション組成物。 塩素末端ブロック化ポリジメチルシロキサンと、少なくとも3つの炭素原子を含むジオール官能化合物と、を反応させる工程を具える、請求項1に記載の環状シロキサン化合物の調製方法。 前記塩素末端ブロック化ポリジメチルシロキサンが、ジクロロテトラメチルジシロキサンまたはジクロロヘキサメチルトリシロキサンである、請求項6に記載の調製方法。 前記ジオール官能化合物が、1,3−ブタンジオール、またはヘキシレングリコールである、請求項6に記載の調製方法。