タイトル: | 公表特許公報(A)_微生物活性を調節するためのメチルスルホニルメタン(MSM)の使用 |
出願番号: | 2012537144 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C12N 1/00,C12C 11/00,C12G 1/00,A21D 8/04,A23C 9/13,A23C 9/152,A23G 1/00,A23G 1/30,A01N 41/10,A01P 1/00,A01P 3/00 |
ベンジャミン ロドニー エル. ベレルマン ジェフリー ケラー アンソニー エル. JP 2013509197 公表特許公報(A) 20130314 2012537144 20101029 微生物活性を調節するためのメチルスルホニルメタン(MSM)の使用 バイオジェニック イノベーションズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー 512111979 清水 初志 100102978 春名 雅夫 100102118 山口 裕孝 100160923 刑部 俊 100119507 井上 隆一 100142929 佐藤 利光 100148699 新見 浩一 100128048 小林 智彦 100129506 渡邉 伸一 100130845 大関 雅人 100114340 五十嵐 義弘 100114889 川本 和弥 100121072 ベンジャミン ロドニー エル. ベレルマン ジェフリー ケラー アンソニー エル. US 61/294,437 20100112 US 61/257,751 20091103 US 61/256,935 20091030 US 61/259,098 20091106 C12N 1/00 20060101AFI20130215BHJP C12C 11/00 20060101ALI20130215BHJP C12G 1/00 20060101ALI20130215BHJP A21D 8/04 20060101ALI20130215BHJP A23C 9/13 20060101ALI20130215BHJP A23C 9/152 20060101ALI20130215BHJP A23G 1/00 20060101ALI20130215BHJP A23G 1/30 20060101ALI20130215BHJP A01N 41/10 20060101ALI20130215BHJP A01P 1/00 20060101ALI20130215BHJP A01P 3/00 20060101ALI20130215BHJP JPC12N1/00 FC12N1/00 AC12C11/00C12G1/00A21D8/04A23C9/13A23C9/152A23G1/00A01N41/10 ZA01P1/00A01P3/00 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2010054845 20101029 WO2011053854 20110505 160 20120621 4B001 4B014 4B032 4B065 4H011 4B001AC30 4B001AC99 4B001BC14 4B001EC99 4B014GB01 4B014GG18 4B014GL03 4B014GP27 4B032DB01 4B032DK05 4B032DK54 4B032DK59 4B032DP33 4B065AA21X 4B065AA30X 4B065AC14 4B065AC20 4B065BB04 4B065CA42 4H011AA02 4H011AA04 4H011BA01 4H011BB07 4H011BC18 4H011DA13 4H011DC05 4H011DD07関連出願の相互参照 本願は、2009年11月3日に出願された米国特許仮出願第61/257,751号、2009年11月6日に出願された同第61/259,098号、2010年1月12日に出願された同第61/294,437号、および2009年10月30日に出願された同第61/256,935号に係る優先権を主張する。これらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。開示の分野 本開示は、メチルスルホニルメタン(MSM)の分野、具体的には、細菌増殖を含む微生物活性を増強または阻害するなど、生物学的活性を改変するためのMSMの使用方法に関する。背景 微生物(microorganism)(または微生物(microbe))は、細菌、真菌、古細菌、原生生物、植物(例えば、緑藻類)、ウイルス、プリオン、寄生生物、および動物、例えば、アメーバ、プランクトンを含む非常に小さな生物である。状況に応じて、微生物は有害な微生物または有益な微生物のいずれかとみなされることがある。場合によっては、微生物は有害であり、植物、動物、またはヒトにおいて病気および疾患を引き起こすことがある。さらに、感染または疾患の原因となることに加えて、望ましくない微生物増殖は食物汚染など家庭用製品においても起こることがある。他の場合では、微生物増殖は有益であり、バイオテクノロジー、最新の診断技術、化学プロセス(例えば、発酵)、食物および飲料の製造、環境分野および産業分野、ならびに人間の健康の維持および/または増進において日常的に利用されている。概要 MSMを用いて微生物活性を調節する方法が本明細書において開示される。MSMは、式(CH3) 2SO2を有する有機硫黄化合物である。特に、微生物に供給されるMSM濃度(例えば、生物が増殖する培地中のMSM濃度)に応じて、MSMが微生物の増殖または生存など微生物活性を増強または阻害するという驚くべき能力が本明細書において開示される。培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.5%〜約5%の濃度のMSMは微生物活性を増強するのに対して、培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約6%〜約17重量%の濃度のMSMは微生物活性を阻害する。 MSMがMSM濃度に応じて微生物活性を阻害および増強できるという驚くべき発見が本明細書において開示される。培地(または培地の含有水分)の重量あたり約6〜約17パーセントのMSM濃度は、微生物の成長、生存率(例えば、プログラム細胞死などの細胞の劣化もしくは死を引き起こすか、もしくは促進することによる)、代謝、複製(例えば、遺伝子発現、タンパク質発現、シグナル伝達、転写、翻訳、タンパク質フォールディングなど)、増殖、生命力、頑強さ、行動、および/または機能を低下させるか、あるいは他の方法でこれらに影響を及ぼすことによって微生物活性を阻害する。対照的に、約0.04重量%〜約5重量%のMSM濃度は、微生物の発酵効率、微生物の増殖、および/または培養効率の増強を含めて微生物活性を増強する。 従って、微生物活性を増強または阻害するなど微生物活性を調節するためのMSMの使用方法が本明細書において開示される。 ある態様において、微生物の発酵効率を増強する方法が開示される。例えば、前記方法は、発酵能を有する微生物を含有する培地をMSMと接触させる工程を含み、ここでMSMは、培地の重量あたり約0.5%〜約5%の濃度または培地の含有水分の重量あたり約0.5%〜約5%の濃度で提供され、MSMの非存在下での発酵効率と比較して微生物の発酵効率を増加させる。 ある態様において、1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を増強するためのインビトロ方法が開示される。ある例では、前記方法は、1種または複数種のプロバイオティック微生物を、1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程;および培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.4%〜約5%のMSMを培地に提供する工程であって、それによって、インビトロでMSMの非存在下での1種または複数種の微生物の増殖と比較して、インビトロで1種または複数種の微生物の増殖を増強する工程を含む。 診断検査試料中の微生物の増殖を増強するための方法も提供される。ある例では、前記方法は、1種または複数種の微生物を含む診断検査試料を、1種または複数種の微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程;培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.4%〜約5%の濃度のMSMを培地に提供する工程であって、それによって、MSMの非存在下での1種または複数種の微生物の増殖と比較して、診断検査試料中の1種または複数種の微生物の増殖を増強する工程を含む。 さらに、微生物活性を阻害する方法が開示される。ある例では、前記方法は、H1N1インフルエンザ汚染を受けやすい培地を選択する工程;および培地を、約10w/v%〜約16w/v%の濃度のMSMと接触させる工程であって、それによって、H1N1インフルエンザの微生物活性を阻害する工程を含む。 本開示の前述の特徴および他の特徴は、いくつかの態様の以下の詳細な説明からさらに明らかになるであろう。詳細な説明I.いくつかの態様の概略 MSMがMSM濃度に応じて微生物活性を阻害および増強できるという驚くべき発見が本明細書において開示される。例えば、培地(または培地の含有水分)の重量あたり約6〜約17パーセントのMSM濃度は、微生物の成長、生存率(例えば、プログラム細胞死などの細胞の劣化もしくは死を引き起こすか、もしくは促進することによる)、代謝、複製(例えば、遺伝子発現、タンパク質発現、シグナル伝達、転写、翻訳、タンパク質フォールディングなど)、増殖、生命力、頑強さ、行動、および/または機能を低下させるか、あるいは他の方法でこれらに影響を及ぼすことによって微生物活性を阻害する。対照的に、約0.04重量%〜約5重量%のMSM濃度は、微生物の発酵効率、微生物の増殖、および/または培養効率の増強を含めて微生物活性を増強する。 従って、微生物活性を増強または阻害するなど微生物活性を調節するためのMSMの使用方法が本明細書において開示される。 ある態様において、微生物の発酵効率を増強する方法が開示される。例えば、前記方法は、発酵能を有する微生物を含有する培地をMSMと接触させる工程を含み、ここでMSMは、培地の重量あたり約0.5%〜約5%の濃度または培地の含有水分の重量あたり約0.5%〜約5%の濃度で提供され、MSMの非存在下での発酵効率と比較して微生物の発酵効率を増加させる。ある例では、発酵効率の増強は、MSMの非存在下でのアルコールまたは酸の生産と比較して、MSMの存在下での微生物によるアルコール、二酸化炭素、または酸の生産の少なくとも50%の増加を含む。例えば、発酵効率の増強は、MSMの非存在下でのエタノール、メタノール、またはその組み合わせの生産と比較して、エタノール、メタノール、またはその組み合わせの生産の少なくとも50%の増加を含む。 ある例では、発酵効率の増強は、MSMの非存在下での二酸化炭素の生産と比較して、MSMの存在下での微生物による二酸化炭素の生産の少なくとも50%の増加を含み、微生物は酵母であり、発酵を増強する方法は、パンを生産するために発酵を増強する方法である。 ある例では、発酵効率の増強は、MSMの非存在下での乳酸の生産と比較して、MSMの存在下での微生物による乳酸の生産の少なくとも50%の増加を含み、発酵を増強する方法は、乳製品を生産するために発酵を増強する方法である。 ある態様において、発酵効率を増強する方法は、ビール、サイダー、ワイン、バイオ燃料、パン、乳製品、またはその任意の組み合わせを生産するために発酵効率を増強する方法である。ある例では、微生物は酵母であり、発酵を増強する方法は、ビールを生産するために発酵を増強する方法である。ある例では、微生物は藻類であり、発酵を増強する方法は、バイオ燃料を生産するために発酵を増強する方法である。 ある態様において、MSM濃度は約0.5%である。ある例では、培地は、総含有水分量の5%未満の塩化ナトリウム濃度を含む。 1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を増強するためのインビトロ方法も開示される。ある態様において、前記方法は、1種または複数種のプロバイオティック微生物を、1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程;および培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.4%〜約5%のMSMを培地に提供する工程であって、それによって、インビトロでMSMの非存在下での1種または複数種の微生物の増殖と比較して、インビトロで1種または複数種の微生物の増殖を増強する工程を含む。 ある例では、MSM濃度は、培地または培地の含有水分の重量の約1%〜約3%である。 ある例では、1種類または複数のプロバイオティック微生物は、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・デルブリュッキ(Lactobacillus delbrueckii)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacteruim bifidum)、またはその任意の組み合わせを含む。 ある例では、培地は、プロバイオティック含有製品、例えば、乳、ヨーグルト、ライスヨーグルト、フローズンヨーグルト、チョコレート、チーズ、ビール、ワイン、酢、ザウアークラウト、またはその任意の組み合わせを含む。 診断検査試料中の微生物の増殖を増強するための方法も開示される。ある例では、前記方法は、1種または複数種の微生物を含む診断検査試料を、1種または複数種の微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程;培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.4%〜約5%の濃度のMSMを培地に提供する工程であって、それによって、MSMの非存在下での1種または複数種の微生物の増殖と比較して、診断検査試料中の1種または複数種の微生物の増殖を増強する工程を含む。 さらに、微生物活性を阻害する方法が開示される。ある例では、前記方法は、H1N1インフルエンザ汚染を受けやすい培地を選択する工程;および培地を約10w/v%〜約16w/v%の濃度のMSMと接触させる工程であって、それによって、H1N1インフルエンザの微生物活性を阻害する工程を含む。ある例では、前記培地は体液、身体組織、または表面を含む。ある例では、培地を接触させる工程は、微生物汚染を受けやすい培地にMSMを噴霧する、または微生物汚染を受けやすい培地にMSMをこすりつける工程を含む。ある例では、表面は、家庭用の表面、寝具、カバー、産業用の機器もしくは表面、血液、皮膚、またはその組み合わせである。ある例では、MSMは組成物の中に提供され、組成物は漂白剤を含まない、またはアルコールを含まない、または本質的に水からなる。ある例では、前記方法は、MSMを添加した後に、培地を滅菌する工程をさらに含む。ある例では、培地は防腐剤を含まない。ある例では、MSMは、MSMの非存在下でのH1N1インフルエンザの増殖速度と比較して、H1N1インフルエンザの増殖速度を少なくとも50%低減させることによって微生物活性を阻害する。II.略語および用語DMEM:ダルベッコ改変イーグル培地DMSO:ジメチルスルホキシドDNA:デオキシリボ核酸ELISA:酵素結合免疫測定法IC50:阻害濃度50LAB:乳酸菌MIC:最小阻害濃度MSM:メチルスルホニルメタンPAGE:ポリアクリルアミド-ゲル電気泳動PBS:リン酸緩衝食塩水PDA:ポテトデキストロース寒天SDS:ドデシル硫酸ナトリウムTNTC:非常に多すぎて計数できないTSB:トリプティックソイブロス 以下の用語および方法の説明は、本開示をさらによく説明し、本開示の実施において当業者を教え導くために提供される。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、特に文脈によってはっきり規定されていない限り1つまたは複数を指す。例えば、「細菌細胞を含む」という用語は、1つまたは複数の細菌細胞を含み、「少なくとも1つの細菌細胞を含む」という句と同等であるとみなされる。「または(or)」という用語は、特に文脈によってはっきり規定されていない限り、述べられた複数の代替要素の中の1つの要素、または2つもしくはそれより多い要素の組み合わせを指す。本明細書で使用する「含む(comprises)」は「含む(includes)」を意味する。従って、「AまたはBを含む(comprising A or B)」は、さらなる要素を排除することなく「A、B、またはAおよびBを含む(including A, B, or A and B)」を意味する。 特に定めのない限り、本明細書中で使用する技術用語および科学用語は全て、本開示が属する当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様のまたは等価な方法および材料を本開示の実施または試験において使用することができるが、適切な方法および材料を以下で説明する。材料、方法、および実施例は例示にしかすぎず、限定することが意図されない。例えば、開示された発明が属する分野において周知の従来法は、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989; Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3d ed., Cold Spring Harbor Press, 2001 ; Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates, 1992 (and Supplements to 2000); Ausubel et al., Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, 4th ed., Wiley & Sons, 1999; Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1990;およびHarlow and Lane, Using Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999; Loudon, Organic Chemistry, Fourth Edition, New York: Oxford University Press, 2002, pp. 360-361, 1084-1085; Smith and March, March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, Fifth Edition, Wiley-Interscience, 2001 ;またはVogel, A Textbook of Practical Organic Chemistry, Including Qualitative Organic Analysis, Fourth Edition, New York: Longman, 1978を含む、様々な一般的な参考文献およびさらに具体的な参考文献に記載されている。 分子遺伝学において一般的に用いられる、さらなる用語は、Benjamin Lewin, Genes V, Oxford University Press発行, 1994 (ISBN 0-19-854287-9); Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd.発行, 1994 (ISBN 0-632-02182-9);およびRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, VCH Publishers, Inc.発行, 1995 (ISBN 1-56081-569-8)において見られる。 化学において一般的に用いられる、さらなる用語は、Loudon, Organic Chemistry, Fourth Edition, New York: Oxford University Press, 2002, pp. 360-361, 1084-1085; Smith and March, March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, Fifth Edition, Wiley-Interscience, 2001 ;またはVogel, A Textbook of Practical Organic Chemistry, Including Qualitative Organic Analysis, Fourth Edition, New York: Longman, 1978において見られる。投与: 任意の有効な経路によって、対象に化合物、例えば、MSMを提供すること、または与えること。例示的な投与経路には、注射(例えば、皮下注射、筋肉内注射、皮内注射、腹腔内注射、および静脈内注射)、経口経路、舌下経路、直腸経路、経皮経路(例えば、局所経路)、鼻腔内経路、腟経路、ならびに吸入経路が含まれるが、これに限定されない。ある特定のタイプの投与は局所投与である。細菌性病原体: 疾患を引き起こす細菌(病原性細菌)。MSMを用いて改変することができる病原性細菌の例には、特に、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumanii)、アクチノバチルス属(Actinobacillus)の種、放線菌類(Actinomycetes)、放線菌属の種(例えば、アクチノミセス・イスラエリ(Actinomyces israelii)およびアクチノミセス・ネスルンディ(Actinomyces naeslundii))、アエロモナス属(Aeromonas)の種(例えば、アエロモナス・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、アエロモナス・ベロニ・ビオバル・ソブリア(Aeromonas veronii biovar sobria)(アエロモナス・ソブリア(Aeromonas sobria))およびアエロモナス・カビアエ(Aeromonas caviae))、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)、アルカリゲネス・キシロソキシダンス(Alcaligenes xylosoxidans)、アシネトバクター・バウマニ、アクチノバチルス・アクチノミセタムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、バチルス属(Bacillus)の種(例えば、炭疽菌(Bacillus anthracis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、およびバチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus))、バクテロイデス属(Bacteroides)の種(例えば、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis))、バルトネラ属(Bartonella)の種(例えば、バルトネラ・バシリホルミス(Bartonella bacilliformis)およびバルトネラ・ヘンセラ(Bartonella henselae)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)の種、ボルデテラ属(Bordetella)の種(例えば、百日咳菌(Bordetella pertussis)、パラ百日咳菌(Bordetella parapertussis)、および気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica))、ボレリア属(Borrelia)の種(例えば、回帰熱ボレリア(Borrelia recurrentis)、およびボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi))、ブルセラ属(Brucella)の種(例えば、ウシ流産菌(Brucella abortus)、イヌ流産菌(Brucella canis)、ブルセラ・メリンテンシス(Brucella melintensis)、およびブタ流産菌(Brucella suis))、ブルクホルデリア属(Burkholderia)の種(例えば、類鼻疽菌(Burkholderia pseudomallei)およびブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia))、カンピロバクター属(Campylobacter)の種(例えば、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、カンピロバクター・ラリ(Campylobacter lari)、およびカンピロバクター・フェタス(Campylobacter fetus))、カプノシトファガ属(Capnocytophaga)の種、カルジオバクテリウム・ホミニス(Cardiobacterium hominis)、トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)、クラミドフィラ・ニューモニエ(Chlamydophila pneumoniae)、クラミドフィラ・シタッシ(Chlamydophila psittaci)、シトロバクター属(Citrobacter)の種、コクシエラ・ブルネッティ(Coxiella burnetii)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)の種(例えば、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウム・ジェイケウム(Corynebacterium jeikeum)、およびコリネバクテリウム属)、クロストリジウム属(Clostridium)の種(例えば、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、および破傷風菌(Clostridium tetani))、エイケネラ・コローデンス(Eikenella corrodens)、エンテロバクター属(Enterobacter)の種(例えば、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・アグロメランス(Enterobacter agglomerans)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、ならびに日和見大腸菌、例えば、毒素原性大腸菌、腸管組織侵入性大腸菌、腸管病原性大腸菌、腸管出血性大腸菌、腸管凝集性大腸菌、および尿路病原性大腸菌を含む大腸菌、エンテロコッカス属(Enterococcus)の種(例えば、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)およびエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium))、エーリキア属(Ehrlichia)の種(例えば、エーリキア・カフェンシア(Ehrlichia chafeensia)およびエーリキア・カニス(Ehrlichia canis))、ブタ丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ユーバクテリウム属(Eubacterium)の種、野兎病菌(Francisella tularensis)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、ガードネレラ・バギナリス(Gardnerella vaginalis)、ゲメラ・モルビロラム(Gemella morbillorum)、ヘモフィルス属(Haemophilus)の種(例えば、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi)、ヘモフィルス・エジプチウス(Haemophilus aegyptius)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルス・ヘモリティカス(Haemophilus haemolyticus)、およびヘモフィルス・パラヘモリティカス(Haemophilus parahaemolyticus)、ヘリコバクター属(Helicobacter)の種(例えば、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、ヘリコバクター・シネディ(Helicobacter cinaedi)、およびヘリコバクター・フェネリアエ(Helicobacter fennelliae))、キンゲラ・キンギイ(Kingella kingii)、クレブシエラ属(Klebsiella)の種(例えば、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・グラヌロマティス(Klebsiella granulomatis)、およびクレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca))、ラクトバチルス属(Lactobacillus)の種、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、レプトスピラ・インターロガンス(Leptospira interrogans)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、レプトスピラ・インターロガンス、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)の種、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、モルガネラ属(Morganella)の種、モビルンカス属(Mobiluncus)の種、ミクロコッカス属(Micrococcus)の種、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)の種(例えば、らい菌(Mycobacterium leprae)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)、およびマイコバクテリウム・マリヌム(Mycobacterium marinum))、マイコプラズマ属(Mycoplasm)の種(例えば、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、およびマイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium))、ノカルジア属(Nocardia)の種(例えば、ノカルジア・アステロイデス(Nocardia asteroides)、ノカルジア・シリアシゲオルジカ(Nocardia cyriacigeorgica)、およびノカルジア・ブラシリエンシス(Nocardia brasiliensis))、ナイセリア属(Neisseria)の種(例えば、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)および髄膜炎菌(Neisseria meningitidis))、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、プレジオモナス・シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、プレボテラ属(Prevotella)の種、ポルフィロモナス属(Porphyromonas)の種、プレボテラ・メラニノゲニカ(Prevotella melaninogenica)、プロテウス属(Proteus)の種(例えば、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)およびプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis))、プロビデンシア属(Providencia)の種(例えば、プロビデンシア・アルカリファシエンス(Providencia alcalifaciens)、プロビデンシア・レトゲリ(Providencia rettgeri)、およびプロビデンシア・スチュアーティイ(Providencia stuartii))、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、ロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi)、リケッチア属(Rickettsia)の種(例えば、リケッチア・リケッチイ(Rickettsia rickettsii)、リケッチア・アカリ(Rickettsia akari)、および発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekii)、オリエンティア・ツツガムシ(Orientia tsutsugamushi)(以前は、リケッチア・ツツガムシ(Rickettsia tsutsugamushi))、および発疹熱リケッチア(Rickettsia typhi))、ロドコッカス属(Rhodococcus)の種、霊菌(Serratia marcescens)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、サルモネラ属(Salmonella)の種(例えば、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)、チフス菌(Salmonella typhi)、パラチフス菌(Salmonella paratyphi)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、ブタコレラ菌(Salmonella cholerasuis)、およびネズミチフス菌(Salmonella typhimurium))、セラチア属(Serratia)の種(例えば、セラチア・マルセサンス(Serratia marcesans)およびセラチア・リクイファシエンス(Serratia liquifaciens))、赤痢菌属(Shigella)の種(例えば、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、シゲラ・フレックスネリ(Shigella flexneri)、シゲラ・ボイディ(Shigella boydii)、およびシゲラ・ソネイ(Shigella sonnei))、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)の種(例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・ヘモリティカス(Staphylococcus hemolyticus)、スタフィロコッカス・サプロフィティカス(Staphylococcus saprophyticus))、ストレプトコッカス属(Streptococcus)の種(例えば、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(例えば、クロラムフェニコール耐性血清型4肺炎連鎖球菌、スペクチノマイシン耐性血清型6B肺炎連鎖球菌、ストレプトマイシン耐性血清型9V肺炎連鎖球菌、エリスロマイシン耐性血清型14肺炎連鎖球菌、オプトヒン耐性血清型14肺炎連鎖球菌、リファンピシン耐性血清型18C肺炎連鎖球菌、テトラサイクリン耐性血清型19F肺炎連鎖球菌、ペニシリン耐性血清型19F肺炎連鎖球菌、およびトリメトプリム耐性血清型23F肺炎連鎖球菌、クロラムフェニコール耐性血清型4肺炎連鎖球菌、スペクチノマイシン耐性血清型6B肺炎連鎖球菌、ストレプトマイシン耐性血清型9V肺炎連鎖球菌、オプトヒン耐性血清型14肺炎連鎖球菌、リファンピシン耐性血清型18C肺炎連鎖球菌、ペニシリン耐性血清型19F肺炎連鎖球菌、またはトリメトプリム耐性血清型23F肺炎連鎖球菌)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、A群連鎖球菌、化膿性連鎖球菌、B群連鎖球菌、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、C群連鎖球菌、ストレプトコッカス・アンギノサス(Streptococcus anginosus)、ストレプトコッカス・エクイスミリス(Streptococcus equismilis)、D群連鎖球菌、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)、F群連鎖球菌、およびストレプトコッカス・アンギノサス(Streptococcus anginosus)G群連鎖球菌)、スピリルム・ミナス(Spirillum minus)、ストレプトバチルス・モニリフォルミ(Streptobacillus moniliformi)、トレポネーマ属(Treponema)の種(例えば、トレポネーマ・カラテウム(Treponema carateum)、トレポネーマ・ペテヌエ(Treponema petenue)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、およびトレポネーマ・エンデミカム(Treponema endemicum)、トロフェリマ・ウィペリ(Tropheryma whippelii)、ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)、ベイロネラ属(Veillonella)の種、ビブリオ属(Vibrio)の種(例えば、コレラ菌(Vibrio cholerae)、ビブリオ・パラヘモリチカス(Vibrio parahemolyticus)、ビブリオ・ブルニフィカス(Vibrio vulnificus)、ビブリオ・パラヘモリチカス(Vibrio parahaemolyticus)、ビブリオ・ブルニフィカス(Vibrio vulnificus)、ビブリオ・アルギノリチカス(Vibrio alginolyticus)、ビブリオ・ミミカス(Vibrio mimicus)、ビブリオ・ホリサエ(Vibrio hollisae)、ビブリオ・フルビアリス(Vibrio fluvialis)、ビブリオ・メトクニコビ(Vibrio metchnikovii)、ビブリオ・ダムセラ(Vibrio damsela)、およびビブリオ・フルニシ(Vibrio furnisii))、エルシニア属(Yersinia)の種(例えば、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)およびエルシニア・ペスティス(Yersinia pestis))、ならびにキサントモナス・マルトフィリア(Xanthomonas maltophilia)のいずれか1つもしくは複数(またはその任意の組み合わせ)が含まれるが、それに限定されるわけではない。 ある態様において、MSMは、前記で列挙した生物の1つまたは複数の生物学的活性を改変するために、例えば、増加または減少するために用いられる。βラクタム系抗生物質: 分子構造にβラクタム核を含有する抗生剤の一種。例には、ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、モノバクタム系抗生物質、およびカルバペネム系抗生物質が含まれる。メチシリンおよびオキサシリンはβラクタム系抗生物質である。生物学的活性: 生物に対する物質の有益作用または有害作用について述べている表現。剤が複合の化学混合物である場合、この活性は、物質の活性成分またはファーマコフォアによって生じているが、他の構成要素によって改変することができる。活性は一般的に投与量に依存し、ある物質が低用量から高用量に及ぶ時に、作用が有益作用から有害作用に及ぶことは珍しいことではない。一例では、MSMは、細菌などの微生物の生物学的活性を変える、例えば、増加または減少させる。バイオ燃料: 生物の代謝産物から得られた燃料。バイオ燃料は、石油、石炭、および核燃料などの他の天然資源とは異なる再生可能なエネルギー源である。バイオディーゼル燃料は、改造されていないディーゼルエンジン車において使用することができる、生物学的供給源から得られた、ディーゼル燃料と同等の加工燃料である。バイオディーゼルは、蒸気圧が低く、無毒で、安定しており、劣化せず、穏やかに加熱した時に爆発しないので、燃料および他のいくつかの用途にとって魅力的である。化学的に、バイオディーゼルは、再生可能な脂質源に由来する長鎖脂肪酸のモノアルキルエステルと一般に定義される。漂白剤: 約3〜6%の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、ならびに過酸化水素または過酸化物放出化合物、例えば、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、または過酸化尿素と触媒および活性剤、例えば、テトラアセチルエチレンジアミンおよび/またはノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを含有する酸素漂白剤の溶液。サラシ粉は次亜塩素酸カルシウムである。多くの漂白剤は強力な殺菌性を有し、消毒および滅菌に用いられる。生産が可能な条件: 微生物が増殖する、ならびに/またはアルコールおよび二酸化炭素もしくは有機酸などの望ましい産物を生産することができる任意の発酵条件または培養条件。このような条件には、通常、組み合わせると微生物が増殖することができる、温度範囲、通気レベル、および培地選択が含まれる。例示的な培地には、ブロスまたはゲルが含まれる。培養条件が産物の生産を可能にするかどうか確かめるために、微生物を、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間、36時間、48時間、または72時間培養し、試料を入手および分析することができる。例えば、望ましい産物が存在するかどうか、試料中の細胞または細胞が増殖した培地中の細胞を試験することができる。産物が存在するかどうか試験する時に、アッセイ、例えば、以下の実施例に示されたアッセイを含む、本明細書において提供されたアッセイを使用することができる。接触させる: 固体型、液体型、および気体型を含む直接的な物理関係におくこと。接触は、ある分子と別の分子を接触させることを含む。接触は、インビトロでは、単離された細胞、組織、または固体表面(例えば、家庭用表面または産業用表面)と行われてもよく、インビボでは対象に投与することによって行われてもよい。対照: 任意に設定される可能性があるが、正常値(例えば、試験されている変数の非存在下での代表的な活性または機能)ならびに実験値と考えられている試料。このような値は研究室ごとに異なる可能性があることを心に留めておくこと。対照群は、実際には、処理群にのみ適用される、作用が試験されている関心対象の1つの変数以外は処理群と同一である。培養する: 生物が生き続けることができる培地中で細胞を維持すること。例えば、培養は、発酵ブロスまたは発酵ゲルなどの発酵培地中で微生物をインキュベートする工程を含む。当業者であれば、時間、温度、および培養に関連した他の物理的条件が、培養されている生物および培養からの望ましい結果に左右されることを理解するであろう。例えば、炭水化物源、様々な無機質および微量元素、ならびにMSMおよび5%未満のNaClを含む、生産の誘導に有用な化合物を含有する発酵ブロスの中に、エタノールを生産するために培養される微生物を入れることができる。減少させる: 何かの質、量、または強度を低減させること。一例では、MSMの投与は、微生物の1つまたは複数の生物学的活性、例えば、成長、複製、増殖、生存率、代謝、生命力、頑強さ、行動、および/または機能を、10%〜95%、20%〜80%、30%〜70%、40%〜50%、例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%を含めて、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、またはさらに少なくとも90%減少または低減させる。例えば、MSMの投与は、対照(例えば、MSMの非存在下での細菌増殖、または細菌感染に罹患している対象における細菌増殖を代表することが知られている基準値)と比較して、細菌増殖を、例えば、少なくとも1/2に、例えば、少なくとも1/3、または少なくとも1/4に減少させる、または阻害する。このような減少は、本明細書において開示される方法ならびに当業者に公知の方法を用いて測定することができる。ある態様において、MSMは、特定の微生物の増殖を阻害するのに用いられる。他の態様において、MSMは、ある特定の培地または製品の中にある広範囲の微生物の増殖を阻害するのに用いられる。ある態様では、最初の24時間後に、対数スケールの低減が認められる。ジメチルスルホキシド(DMSO): ジメチルスルホキシド(DMSO)はメチルスルフィニルメタンまたはメチルスルホキシドとも知られ、式(CH3) 2SOを有する有機硫黄化合物である。この無色の液体は、極性化合物および無極性化合物を溶解する極性非プロトン溶媒であり、広範囲の有機溶媒ならびに水に混和する。DMSOには、皮膚に非常に容易に浸透するという際立った特徴があり、その結果、皮膚と接触した後にすぐにDMSOの味を感じることができる。DMSOは、栄養補助食品および薬剤として周知である。関連分野の当業者であれば、これらの用途をよく知っているだろう。様々な等級のDMSOが市販されており(例えば、Sigma-Aldrich, Corp., St. Louis,MOからの製品番号472301)、当業者であればDMSOの供給源をよく知っているだろう。増強する、または増加させる: 何かの質、量、または強度を増加させること。一例では、MSMは、微生物活性を、例えば、MSMの非存在下での活性と比べて増加させる、または増強する。ある特定の例において、MSMは、微生物活性を増加させる、例えば、微生物の成長、複製、増殖、生存率、代謝、生命力、頑強さ、行動、および/または機能を、10%〜95%、20%〜80%、30%〜70%、40%〜50%、例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%を含めて、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、またはさらには少なくとも90%増強する。活性および増殖という用語は、ある状況では同義に用いられる。ある例では、MSMは、特定の微生物の増殖を増強するのに用いられる。他の例において、MSMは、ある特定の培地または製品の中にある広範囲の微生物の増殖を増強するのに用いられる。ある例では、微生物活性の増強は、微生物産物または微生物代謝産物の増強を含む。例えば、MSMは、発酵効率または培養効率を、例えば、10%〜95%、20%〜80%、30%〜70%、40%〜50%、例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%を含めて、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、またはさらには少なくとも90%増加させる、または増強する。このような増加は、本明細書において開示された方法を用いて測定することができる。発酵: 炭水化物などの有機化合物の酸化から、および通常、有機化合物である内因性電子受容体を用いてエネルギーを得るプロセス。発酵の間に、ピルビン酸が様々な異なる化合物に代謝される。ホモ乳酸発酵ではピルビン酸から乳酸が生成される。アルコール発酵では、ピルビン酸からエタノールおよび二酸化炭素に変換される。ヘテロ乳酸発酵では、乳酸ならびに他の酸およびアルコールが生成される。発酵は必ずしも嫌気環境下で行われる必要はない。例えば、豊富な酸素の存在下でも、消費するための糖が容易に利用できる限り、酵母細胞は酸化的リン酸化より発酵を好む。糖は一般的な発酵基質であり、発酵製品の典型的な例は、エタノール、乳酸、および水素である。しかしながら、発酵によって、酪酸およびアセトンなどの毒性がさらに高い化合物が生成されることがある。酵母は、ビール、ワイン、および他のアルコール飲料の中にあるエタノールの生成において大量の二酸化炭素を生成すると共に発酵を行う。発酵ブロス: 微生物(例えば、炭素を活発に代謝する微生物)の命を支える任意の培地。発酵培地は、通常、炭素源を含有する。炭素源は、微生物がエネルギーを得るために、さらなる酵素を用いて、またはさらなる酵素を用いずに利用できるものであれば何でもよい。発酵効率: 対照(例えば、MSMの非存在下)または理論的に生産できる量と比較して、アルコール、乳酸、微生物などの発酵製品、または他の望ましい発酵製品をどのくらい生産したかという表現。発酵培地: 哺乳動物細胞および微生物などの細胞を培養するのに用いられる任意の培養基。発酵培地には、微生物(例えば、炭素を活発に代謝する微生物)の命を支える任意の増殖培地(例えば、ブロスまたはゲル)が含まれる。発酵培地は、通常、炭素源、例えば、グルコース、キシロース、セルロース材料などを含有する。炭素源は、微生物がエネルギーを得るために、さらなる酵素を用いて、またはさらなる酵素を用いずに利用できれば何でもよい。真菌病原体: 疾患を引き起こす真菌。MSMを用いて改変することができる真菌病原体の例には、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)、毛瘡白癬菌(T. mentagrophytes)、有毛表皮糸状菌(Epidermophyton floccosum)、イヌ小胞子菌(Microsporum canis)、ピチロスポルム・オルビクラーレ(Pityrosporum orbiculare)(でん風菌(Malassezia furfur))、カンジダ属(Candida)の種(例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans))、アスペルギルス属(Aspergillus)の種(例えば、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・グラックス(Aspergillus glaucus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、コウジカビ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、アスペルギルス・ウスタス(Aspergillus ustus)、アスペルギルス・ベルシコロル(Aspergillus versicolor)、およびアスペルギルス・クラバタス(Aspergillus clavatus))、クリプトコッカス属(Cryptococcus)の種(例えば、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、クリプトコッカス・ガッティ(Cryptococcus gattii)、クリプトコッカス・ラウレンチイ(Cryptococcus laurentii)、およびクリプトコッカス・アルビダス(Cryptococcus albidus))、コクシジオイデス属(Coccidioides)の種、ヒストプラズマ属(Histoplasma)の種(例えば、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum))、ニューモシスチス属(Pneumocystis)の種(例えば、ニューモシスチス・ジロベシ(Pneumocystis jirovecii))、スタキボトリス属(Stachybotrys)の種(例えば、スタキボトリス・カルタラム(Stachybotrys chartarum))、パラコクシジオイデス属(Paracoccidioides)、ブラストミセス属(Blastomyce)、フザリウム属(Fusarium)、スポロトリクス属(Sporothrix)、トリコスポロン属(Trichosporon)、リゾプス属(Rhizopus)、シュードアレシェリア属(Pseudallescheria)、ペシロミセス属(Paecilomyces)、アルテルナリア属(Alternaria)、クルブラリア属(Curvularia)、エクソフィアラ属(Exophiala)、ワンギエラ属(Wangiella)、ペニシリウム属(Penicillium)、およびセファロスポリウム属(Cephalosphorium)のいずれか1つもしくは複数(またはその任意の組み合わせ)が含まれるが、それに限定されるわけではない。ある態様において、MSMは、上述の真菌病原体の1つまたは複数に関連した感染または障害を阻害または阻止するために投与される。インキュベートする: 剤、例えば、MSMが細胞または組織と相互作用するのに十分な時間を含む用語。吸入装置: 対象、例えば、対象の肺組織に組成物を送達することができる装置。例えば、吸入装置は、吸入器、ネブライザー、または人工呼吸器でもよい。本明細書に記載の吸入装置は、DMSOおよび/またはMSMと接触するように合わせられた材料から構築される。ある態様において、吸入装置は使い捨て可能または交換可能である。本明細書に記載の吸入装置は、対象の肺組織にある細菌性病原体と直接接触するように、DMSOまたはMSMを含有する組成物を送達するように構成される。吸入装置は、サイズに幅のある組成物の粒子を生じるように構成される。ある態様において、吸入装置は、約0.1μm〜約10μmまたは約0.5μm〜約5μmとサイズに幅のある組成物の粒子を生じるように構成される。微生物活性を阻害する、または感染もしくは疾患を阻害する: 「微生物活性を阻害する」という句は、微生物の成長、複製、増殖、生存率、代謝、生命力、頑強さ、行動、および/または機能の低減を指す。「感染、疾患、または状態を阻害または治療する」という句は、例えば、細菌感染などの感染が発症するリスクのある対象において、感染、疾患、または状態が完全に発生するのを阻止または低減することを指す。「治療」は、疾患または病的状態が発生し始めた後に、疾患または病的状態の徴候または症状を寛解させる治療的介入を指す。疾患、病的状態、または症状に関して本明細書で使用する「寛解させる」という用語は、治療の任意の観察可能で有益な作用を指す。有益な作用は、例えば、感受性のある対象における感染/疾患の臨床症状の発症の遅延、感染/疾患の一部もしくは全ての臨床症状の重篤度の低下、感染/疾患の進行の遅延、感染/疾患の再発数の減少、対象の全体的な健康もしくは幸福の改善、または特定の感染/疾患、例えば、特定の細菌感染に特有の当技術分野において周知の他のパラメータによって証明することができる。培地: ブロス、寒天、培養物、食物、飲料、細胞懸濁液、生物学的組織、生物学的液体、無機表面、有機表面、培養基、生細胞、宿主細胞、診断アッセイ、および他の固体、液体、マトリックス、ゼラチン状、または気体の環境を含むが、これに限定されない、微生物を含有する環境または微生物を支持するのに適した環境。メチルスルホニルメタン(MSM): 式(CH3) 2SO2を有する有機硫黄化合物。MSMは、主に、栄養補助食品として発売および販売されてきた。MSMはまた、DMSO2、ジメチルスルホン、およびメチルスルホンとも知られる。 MSMは、構造上、ジメチルスルホキシド(DMSO)と関連するが、これらの2つの挙動は異なる。DMSOは極性の高い溶媒であり、優れたリガンドであり、水に似た溶解特性を有するが、MSMは極性が低く、反応性が低い。MSMはまたDMSOの代謝産物でもある。MSMは、以下の化学構造:を有する。微生物: 古細菌ドメイン、細菌ドメイン、および真核生物ドメインに由来する原核微生物種または真核微生物種のメンバー。後者には、酵母および糸状菌、原生動物、藻類、または高等原核生物が含まれる。「微生物細胞」および「微生物(microbe)」という用語は、微生物(microorganism)という用語と同義に用いられる。微生物は、野生型、遺伝子操作または遺伝子組換えされた生物を含んでもよい。微生物には、ウイルス、プリオン、寄生生物、真菌、糸状菌、酵母、および細菌が含まれる。 ある態様において、MSMは、ウイルス、プリオン、寄生生物、真菌、糸状菌、酵母、藻類、および細菌を含むが、これに限定されない広範囲の微生物活性を増強するのに用いられる。他の態様において、MSMは、真菌、糸状菌、酵母、細菌、およびウイルスを含むが、これに限定されない微生物活性を阻害するのに用いられる。調節する、または調節: 分子の生物学的活性の増加または減少を含めて、活性、活性の程度または速度を整える、変える、加減すること。一例では、MSMは、細菌増殖などの微生物活性を、増加または減少のいずれかで調節するために投与される。寄生生物: ヒトまたは(寄生生物の)宿主として働く他の生物の中に住んでいる生物。寄生生物は、生活環の少なくとも一部について宿主に依存する。寄生生物は、必要とされる食物を摂取し、体組織および細胞を食べ、ヒトを病気にする有毒廃棄物を排泄するのでヒトにとって有害である。開示された方法および組成物に従って使用するための病原体の例には、マラリア(熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(P.vivax)、四日熱マラリア原虫(P.malariae))、シストソーマ属(Schistosomes)、トリパノソーマ属(Trypanosomes)、リーシュマニア属(Leishmania)、フィラリアル・ネマトデス(Filarial nematodes)、トリコモナス症(Trichomoniasis)、肉胞子虫症(Sarcosporidiasis)、テニア属(Taenia)(無鉤条虫(T.saginata)、有鉤条虫(T.solium))、リーシュマニア属(Leishmania)、トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii)、(トリキネロシス(Trichinelosis))(旋毛虫(Trichinella spiralis))、またはコクシジウム症(Coccidiosis)(エイメリア属(Eimeria)の種)のいずれか1つもしくは複数(またはその任意の組み合わせ)が含まれるが、それに限定されるわけではない。前記で列挙した生物の1つまたは複数の活性を阻害または阻止するために、MSMが用いられてもよい。薬学的組成物: 対象に適切に投与された時に、望ましい治療効果または予防効果を誘導することができる化合物または組成物。薬学的組成物は、治療剤、診断剤、または薬剤を含んでもよい。治療剤または薬剤は、単独でまたはさらなる化合物と共に望ましい応答を誘導する(例えば、対象に投与された時に治療効果または予防効果を誘導する)ものである。ある特定の例において、薬剤は、感染、例えば、細菌感染またはウイルス感染に関連した1つまたは複数の症状を有意に軽減する剤である。ある態様において、治療剤は、メチシリンまたはオキサシリンなどの抗生剤である。薬学的に許容される担体またはビヒクル: 本開示において有用な薬学的に許容される担体(ビヒクル)は従来のものである。Remington's Pharmaceutical Sciences, by E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th Edition (1995)は、1種または複数種の治療用化合物または分子、例えば、本明細書において提供された1種または複数種のペプチドの薬学的送達に適した組成物について述べている。一般的に、担体の種類は、使用されている特定の投与方法に左右されるだろう。例えば、非経口組成物は、通常、薬学的および生理学的に許容される液体、例えば、水、生理食塩水、平衡塩類溶液、デキストロース水溶液、グリセロールなどをビヒクルとして含む注射液を含む。特定の態様において、担体は、治療用化合物が血液脳関門を通過するのを可能にする担体である。固体組成物(例えば、散剤、丸剤、錠剤、またはカプセルの形をしている)の場合、従来の無毒の固体担体には、例えば、薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムが含まれ得る。生物学的に中性の担体に加えて、投与される薬学的組成物は、微量の無毒の補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、防腐剤、およびpH緩衝剤など、例えば、例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含有してもよい。プレバイオティック: 身体の健康に有益な、消化管内の細菌の増殖および/または活性を刺激する非消化性食物成分。典型的に、プレバイオティックは炭水化物(例えば、オリゴ糖)である。しかしながら、非炭水化物もまた、このような成分の供給源である。プレバイオティックは、短鎖、長鎖、および/またはフルスペクトラム(full-spectrum)プレバイオティックでもよい。短鎖プレバイオティック(例えば、オリゴフルクトース)は糖類1分子あたり2〜8個の結合を含有し、典型的には、結腸の右側において素速く発酵されて、その領域にいる細菌に栄養分を供給する。長鎖プレバイオティック(例えば、イヌリン)は糖類1分子あたり9〜64個の結合を含有し、ゆっくりと発酵される傾向があり、主に左側結腸にいる細菌に栄養を与える。フルスペクトラムプレバイオティックは、1分子あたり2〜64個の結合の全範囲の結合の長さを提供し、結腸全体にいる細菌に栄養を与える(例えば、オリゴフルクトース強化イヌリン、OEI)。ある例では、プレバイオティックは、ビフィドバクテリウム属および乳酸菌の数および/または活性を増加させる。ビフィドバクテリウム属および乳酸菌(ラクトバチルスすなわちLAB)は、消化を改善する(無機質吸収の増強を含む)、ならびに免疫系の有効性および本来備わっている強さを改善する細菌である。ビフィズス菌を刺激する産物、例えば、MSMは、ビフィズス菌生成因子(bifidogenic factor)とみなされる。プレバイオティックの伝統的な食事性供給源には、ダイズ、イヌリン供給源(例えば、キクイモ(Jerusalem artichoke)、クズイモ、およびチコリの根)、生のカラスムギ、未精製のコムギ、未精製のオオムギ、ニンニク、リーキ、タマネギ、アスパラガス、バナナ、ならびにヤーコンが含まれる。プレバイオティックオリゴ糖は、健康上の利益のためにますます食物に添加されている。このように用いされるオリゴ糖の中には、フラクトオリゴ糖(FOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ポリデキストロース、およびガラクトオリゴ糖(GOS)がある。一部の単糖、例えば、タガトースも時としてプレバイオティックとして用いられる。本明細書で使用するMSMはプレバイオティックである。プロバイオティック: 病気もしくは望ましくない作用からの保護または病気もしくは望ましくない作用の治療を含むが、これに限定されない、健康上の利益を宿主に付与する微生物。プロバイオティックは、食品の栄養の質の増加などの健康上の利益を製品に付与することができる。プロバイオティックには、有益な細菌、例えば、プロバイオティックとして用いられる最も一般的なタイプの微生物である乳酸菌(例えば、ブルガリア菌(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、およびラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii))、ならびにビフィズス菌(例えば、ラクトバチルス・ビフィダス(Lactobacillus bifidus))が含まれるが、ある特定の酵母および桿菌もプロバイオティックになることがある。プロバイオティックは、一般的に、発酵食物の一部として、例えば、ヨーグルト、ダイズ製品の中に入れられて、または栄養補助食品として消費される。発酵乳製品およびプロバイオティック強化食物において生きたプロバイオティック培養物を利用することができる。しかしながら、フリーズドライの形をした細菌を含有する錠剤、カプセル、散剤、およびサシェも利用することができる。例示的なプロバイオティック株には、バチルス・コアグランスGBI-30,6086(Ganeden Biotech)、ビフィドバクテリウム属LAFTI(登録商標)B94(Institut-Rosell-Lallemand)、ラクトバチルス・アシドフィルスLAFTI(登録商標)L10(Institut-Rosell-Lallemand)、ラクトバチルス・カゼイLAFTI(登録商標)L26(Institut-Rosell-Lallemand)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)亜種ラクティス(lactis)BB-12、ビフィドバクテリウム・ブレベ(Bifidobacterium breve)(ヤクルト)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)35624(Procter & Gamble)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスHN019(Danisco)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)BB536(森永乳業株式会社)、ラクトバチルス・アシドフィルスDDS-1(Nebraska Culture)、ラクトバチルス・アシドフィルスLA-5、ラクトバチルス・アシドフィルスNCFM(Danisco)、ラクトバチルス・カゼイDN114-001(Danone)、ラクトバチルス・カゼイ431、ラクトバチルス・カゼイF19(Arla Food)、ラクトバチルス・カゼイ(ヤクルト)、ラクトバチルス・パラカセイ(Lactobacillus paracasei)Stll(またはNCC2461, Nestle)、ラクトバチルス・ジョンソニLa1(Lactobacillus LC1)、ラクトバチルス・ジョンソニNCC533, Nestle)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)L1A(Norrmejerier)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)299v(Probi)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)ATTC 55730(ラクトバチルス・ロイテリSD2112, BioGaia Biologics)、ラクトバチルス・ラムノサスATCC 53013(Valio)、ラクトバチルス・ラムノサスLB21(Norrmejerier)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)PA16/8、ビフィドバクテリウム・ビフィダムMF20/5、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)SP07/3、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ビフィドバクテリウム・ロングムRosell-175、ラクトコッカス・ラクティスRosell-1058、ビフィドバクテリウム・ブレベRosell-70、ラクトバチルス・ラムノサスRosell-11、ラクトバチルス・アシドフィルスRosell-52、ビフィドバクテリウム・ビフィダムrosell-71、納豆菌(Bacillus subtilis var natto)、ラクトバチルス・パラカセイ、エンテロコッカス・フェシウム、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ラクトバチルス・デルブリュッキ、およびサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が含まれるが、これに限定されない。定量: 分子の量(例えば、相対量)または分子の活性、例えば、試料に存在する分析物の量を求めること、または測定すること。幹細胞: 無限に自己複製する能力を有し、適切な条件下で、または適切なシグナルが与えられたら、生物を構成する様々な細胞タイプの一部または全てに分化することができる、細胞。幹細胞は、心臓細胞、皮膚細胞、または神経細胞などの成熟した分化細胞に発生する能力を有する。受精卵は、胚を構成し、子宮内でその発生を支える全ての細胞および組織を生じる能力を有するので幹細胞である。成体の哺乳動物には、200種類を超える細胞、例えば、ニューロン、筋細胞、上皮細胞、赤血球、単球、リンパ球、骨細胞、および軟骨細胞が含まれる。胚発生に必須であるが、胚の体に組み込まれない他の細胞には、胚外組織、胎盤、および臍帯が含まれる。これらの細胞は全て1個の受精卵から作られる。 多能性細胞は、3種類全ての胚葉-中胚葉、内胚葉、および外胚葉に由来する細胞を生じることができる。従って、多能性細胞は、どの細胞タイプも生じる能力を有する。単能性幹細胞は1つの系列にしか分化することができない。胚性幹細胞は、胚盤胞に由来する多能性細胞である。成体幹細胞は、複製し、成体幹細胞が得られた組織の全ての特殊化した細胞タイプを生じるように特殊化することができる、分化組織において見られる未分化細胞である。成体幹細胞は、生物が生きている間に自己複製することができる。成人幹細胞源は、骨髄、血流、角膜、網膜、歯髄、肝臓、皮膚、胃腸管、および膵臓において発見されている。MSMは、幹細胞の培養効率、安定性、および/または生存率を高めるために本明細書において用いられる。滅菌: 表面に存在する、液体の中に含まれる、薬物療法における、または生物学的培養培地などの化合物の中にある、伝染性作用物質(例えば、真菌、細菌、ウイルス、胞子の形態など)を含む全て形態の生命を排除(除去)する、または死滅させるプロセス。滅菌は、加熱、化学物質、照射、高圧、および濾過の適切な組み合わせの適用を含む、当業者に公知の方法によって行うことができる。対象: ヒトおよび非ヒト哺乳動物を含むカテゴリーである、生きている多細胞脊椎生物。症状および徴候: 疾患または対象の状態の主観的な証拠、例えば、対象が感じる、このような証拠;身体状態または精神状態を示す対象の状態の顕著な変化。「徴候」は、対象を検査または評価すると発見することができる、疾患を示す任意の異常である。徴候は、一般的に、疾患を客観的に示すものである。徴候には、任意の測定可能なパラメータ、例えば、細菌感染またはウイルス感染などの障害または疾患を検出するための検査が含まれるが、これに限定されない。一例では、細菌感染またはウイルス感染に関連した1つまたは複数の症状または徴候の低減または阻害は、細菌増殖またはウイルス感染を、MSMの非存在下での細菌増殖またはウイルス感染性と比較して、望ましい量だけ、例えば、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、さらには少なくとも100%低減または阻害することを含む。治療的有効量または治療的有効濃度: 剤が単独で、またはさらなる治療剤と共に用いられた時に、その剤によって治療されている対象または細胞において望ましい作用を得るのに十分な組成物の量。剤の有効量は、治療されている対象または細胞および治療用組成物の投与方法を含むが、これに限定されない、いくつかの要因に左右されるだろう。一例では、治療的有効量または治療的有効濃度は、進行の阻止、進行の遅延、もしくは疾患の後退に十分なものであるか、状態または疾患によって引き起こされる症状を軽減することができるものである。 一例では、望ましい作用は、疾患に関連した1つまたは複数の症状の低減または阻害である。組成物が有効であるために、1つまたは複数の症状は完全に無くなる必要はない。例えば、組成物は、徴候または症状を、MSMの非存在下での徴候または症状と比較して、望ましい量だけ、例えば、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、さらには少なくとも100%減少することができる。特定の1つの例において、望ましい応答は、微生物活性(例えば、細菌増殖)を、MSMの非存在下での微生物活性と比較して、望ましい量だけ、例えば、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、さらには少なくとも100%低減または阻害することである。 治療中に、例えば、毎日、治療的有効量の開示された薬学的組成物を単回用量でまたはいくつかの用量に分けて投与することができる。しかしながら、治療的有効量は、治療されている対象、治療されている状態の重篤度およびタイプ、ならびに投与方法に左右されることがある。治療的有効量の剤は、望ましい作用を生じる血中(インビボ)または緩衝液中(インビトロ)の剤の濃度(mol/lすなわちモル濃度-M)として測定することができる。または、治療的有効量の剤は、対象の体重当たりの対象に投与される量、例えば、mg剤/kg体重として測定することができる。未処理細胞: MSMなどの望ましい剤と接触されたことのない細胞。一例では、未処理細胞は、MSMの送達に用いられたビヒクルが与えられた細胞である。ウイルス: 生細胞の中で複製する微小な感染性生物。ウイルスは、タンパク質外被によって囲まれた核酸コアから本質的になり、生細胞の中でしか複製することができない。「ウイルス複製」とは、少なくとも1回のウイルス生活環が現われることによって、さらなるウイルスが生成されることである。ウイルスは宿主細胞の正常機能を破壊し、それによって、細胞はウイルスの支配下で行動することがある。例えば、通常、非感染細胞がサイトカインを産生もサイトカインに応答もしない時に、ウイルス感染によって、サイトカインを産生する細胞またはサイトカインに応答する細胞が生じることがある。ある例では、ウイルスは病原体である。 開示される方法および組成物に従って治療され得るウイルス病原体の具体例には、特に、アレナウイルス(例えば、グアナリトウイルス、ラッサウイルス、フニンウイルス、マチュポウイルス、およびサビア(Sabia))、アルテリウイルス、ロニウイルス(Ronivirus)、アストロウイルス、ブニアウイルス(例えば、クリミア・コンゴ出血熱ウイルスおよびハンタウイルス)、バルナウイルス(Barnavirus)、ビルナウイルス、ボルナウイルス(例えば、ボルナ病ウイルス)、ブロモウイルス、カリシウイルス(Calicivirus)、クリソウイルス(Chrysovirus)、コロナウイルス(例えば、コロナウイルスおよびSARS)、シストウイルス、クロステロウイルス、コモウイルス、ディシストロウイルス(Dicistrovirus)、フラビウルス(Flavirus)(例えば、黄熱病ウイルス、西ナイルウイルス、C型肝炎ウイルス、およびデング熱ウイルス)、フィロウイルス(例えば、エボラウイルスおよびマールブルグウイルス)、フレキシウイルス(Flexivirus)、ヘペウイルス(例えば、E型肝炎ウイルス)、ヒトアデノウイルス(例えば、ヒトアデノウイルスA-F)、ヒトアストロウイルス、ヒトBKポリオーマウイルス、ヒトボカウイルス、ヒトコロナウイルス(例えば、ヒトコロナウイルスHKU1、NL63、およびOC43)、ヒトエンテロウイルス(例えば、ヒトエンテロウイルスA-D)、ヒトエリスロウイルスV9、ヒトフォーミーウイルス、ヒトヘルペスウイルス(例えば、ヒトヘルペスウイルス1(単純ヘルペスウイルス1型)、ヒトヘルペスウイルス2(単純ヘルペスウイルス2型)、ヒトヘルペスウイルス3(水痘帯状疱疹ウイルス)、ヒトヘルペスウイルス4 1型(エプスタイン-バーウイルス1型)、ヒトヘルペスウイルス4 2型(エプスタイン-バーウイルス2型)、ヒトヘルペスウイルス5 AD169株、ヒトヘルペスウイルス5 Merlin株、ヒトヘルペスウイルス6A、ヒトヘルペスウイルス6B、ヒトヘルペスウイルス7、ヒトヘルペスウイルス8 M型、ヒトヘルペスウイルス8 P型、およびヒトシオトメガロウイルス(Cyotmegalovirus))、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)(例えば、HIV1およびHIV2)、ヒトメタニューモウイルス、ヒトパピローマウイルス(例えば、ヒトパピローマウイルス-1、ヒトパピローマウイルス-18、ヒトパピローマウイルス-2、ヒトパピローマウイルス-54、ヒトパピローマウイルス-61、ヒトパピローマウイルス-cand90、ヒトパピローマウイルスRTRX7、ヒトパピローマウイルス10型、ヒトパピローマウイルス101型、ヒトパピローマウイルス103型、ヒトパピローマウイルス107型、ヒトパピローマウイルス16型、ヒトパピローマウイルス24型、ヒトパピローマウイルス26型、ヒトパピローマウイルス32型、ヒトパピローマウイルス34型、ヒトパピローマウイルス4型、ヒトパピローマウイルス41型、ヒトパピローマウイルス48型、ヒトパピローマウイルス49型、ヒトパピローマウイルス5型、ヒトパピローマウイルス50型、ヒトパピローマウイルス53型、ヒトパピローマウイルス60型、ヒトパピローマウイルス63型、ヒトパピローマウイルス6b型、ヒトパピローマウイルス7型、ヒトパピローマウイルス71型、ヒトパピローマウイルス9型、ヒトパピローマウイルス92型、およびヒトパピローマウイルス96型)、ヒトパラインフルエンザウイルス(例えば、ヒトパラインフルエンザウイルス1-3)、ヒトパレコウイルス、ヒトパルボウイルス(例えば、ヒトパルボウイルス4およびヒトパルボウイルスB19)、ヒト呼吸器合胞体ウイルス、ヒトライノウイルス(例えば、ヒトライノウイルスAおよびヒトライノウイルスB)、ヒトスプマレトロウイルス(spumaretrovirus)、ヒトTリンパ球向性ウイルス(例えば、ヒトTリンパ球向性ウイルス1およびヒトTリンパ球向性ウイルス2)、ヒトポリオーマウイルス、ハイポウイルス(Hypovirus)、レヴィウイルス、ルテオウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCM)、マルナウイルス(Marnavirus)、ナルナウイルス(Narnavirus)、ニドウイルス目(Nidovirales)、ノダウイルス、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、パルチチウイルス(Partitivirus)、パラミクソウイルス(例えば、麻疹ウイルスおよびおたふくかぜウイルス)、ピコルナウイルス(例えば、ポリオウイルス、風邪ウイルス、およびA型肝炎ウイルス)、ポティウイルス、ポックスウイルス(例えば、痘瘡および牛痘)、セキウイルス、レオウイルス(例えば、ロタウイルス)、ラブドウイルス(例えば、狂犬病ウイルス)、ラブドウイルス(例えば、水疱性口内炎ウイルス、テトラウイルス(Tetravirus)、トガウイルス(例えば、風疹ウイルスおよびロスリバーウイルス)、トムブスウイルス、トティウイルス、ティモウイルス、ならびにノロウイルスのいずれか1つもしくは複数(またはその任意の組み合わせ)が含まれるが、それに限定されるわけではない。 ある態様において、MSMは、前記で列挙したウイルスの1つまたは複数の生物学的活性を阻害するのに用いられる。酵母: 約1,500種が述べられている、真菌に分類される真核微生物。大部分が出芽によって無性生殖するが、いくつかは二分裂によって生殖する。酵母は一般的に単細胞であるが、いくつかの種は、仮性菌糸、すなわち仮の菌糸(false hyphae)と知られる一続きのつながった出芽細胞を形成することによって多細胞になることがある。開示された方法および組成物において使用することができる例示的な酵母には、サッカロマイセス・セレビシエ、カンジダ・アルビカンス、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、ピチア属(Pichia)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、ザイゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)、トルロプシス属(Torulopsis)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、およびデバリオマイセス属(Debaryomyces)が含まれるが、これに限定されない。III.MSM組成物 微生物活性の増強または減少など微生物活性の調節において使用するためのMSM組成物が本明細書において開示される。ある態様において、微生物活性の増強において使用するためのMSM組成物は、培地または培地の含有水分の重量の約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約3%、約0.5%、約1%、約2%、約2.5%、約3%、約4%、または約5%を含む、培地(例えば、培養培地)の重量または培地(例えば、培養培地)の含有水分の重量あたり約0.02%〜約5%のMSM、例えば、約0.04%〜約4%、約1%〜約3%のMSMを含む。ある例では、本明細書において提供されるMSMパーセントは、製品の中の極性溶媒、例えば、水の量から計算される。例として、培地の重量あたり5%のMSMを含む組成物は、培地100グラムあたり5グラムのMSMを含有し、培地の含有水分の重量あたり5%のMSMを含む組成物は、固体を除いた培地中の極性溶媒100グラムあたり5グラムのMSMを含有する。 ある態様において、開示された組成物は、微生物の増殖を支持することができる培地、微生物、およびMSMを含む。ある例では、培地は、以下:プロバイオティック含有製品、乳製品、乳、ヨーグルト、ライスヨーグルト、フローズンヨーグルト、チョコレート、チーズ、発酵飲料(例えば、ビール、サイダー、ワイン)、および水の1つまたは複数を含む。ある例では、培地は、微生物活性の増強から利益を得る他の食べられる製品または食べられない製品も含む。 ある態様において、微生物活性の増強は、微生物の発酵を増強することを含む。従って、いくつかの特定の例において、組成物は、発酵微生物の増殖を支持することができる培地、発酵微生物、およびMSMを含む。ある例では、培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.04%〜約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.3%、約0.5%、約0.7%、約1%、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3.0%、約4%、または約4.5%のMSMを含む、約0.04%〜約5%、例えば、約0.1%〜約4%、0.5%〜約3%、約1%〜約2%の濃度のMSMが提供される。ここで、MSMの濃度は、微生物の発酵を増強するのに有効である。ある態様において、開示された組成物は、発酵飲料、例えば、ビール、サイダー、および/またはワインを生産するのに用いられる。ある態様において、発酵効率を増強するための組成物は、家庭用または商業用の迅速または急速に活性化する酵母を作製するために酵母包装容器に添加されたMSMを含む。 ある態様において、微生物活性の増強は、プロバイオティックの増殖を増強することを含む。従って、ある例では、プロバイオティックの増殖を増強するための組成物は、プロバイオティックの増殖を支持することができる培地、および培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.04%〜約5%の濃度のMSMを含む。ここで、MSM濃度は、プロバイオティックの活性(例えば、増殖)を増強するのに有効である。さらに、プロバイオティックの増殖を増強するための組成物は、培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.04%〜約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.3%、約0.5%、約0.7%、約1%、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3.0%、約4%、または約4.5%のMSMを含む、約0.04%〜約5%、例えば、約0.1%〜約4%、0.5%〜約3%、約1%〜約2%のMSMを含む。 ある態様において、微生物活性の増強は、バイオ燃料の微生物生産を増強することを含む。従って、ある例では、バイオ燃料の微生物生産を増強するための組成物は、藻類の増殖を支持することができる培地、バイオ燃料を生産することができる藻類、および培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.04%〜約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.3%、約0.5%、約0.7%、約1%、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3.0%、約4%、または約4.5%のMSMを含む、約0.04%〜約5%、例えば、約0.1%〜約4%、0.5%〜約3%、約1%〜約2%の濃度のMSMを含む。ここで、MSM濃度は、藻類からのバイオ燃料の生産を増強するのに有効である。他の例において、組成物は藻類およびMSMを含み、任意で、藻類の増殖を増強するための他の成分を含む。いくつかの態様において、組成物は、バイオ燃料、藻類の養殖、水産養殖、医用薬剤などのために藻類の活性を増強するのに有用である。1つの態様において、前記方法は、MSM、例えば、培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.04%〜約5%の濃度のMSMに藻類を曝露する工程を含む。 微生物活性を阻害するためのMSM組成物が開示される。ある態様において、微生物活性を阻害するためのMSM組成物は、培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約6%〜約17%、例えば、約7%〜約15%、約10%〜約12%、例えば、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約13%、約14%、約15%、または約16%のMSMを含む。ここで、MSM濃度は、微生物増殖、感染率、またはその組み合わせを含むが、これに限定されない微生物活性を阻害するのに有効である。 微生物活性を調節するための、MSMを含む開示された組成物はいずれも、培地の総含有水分量の5%未満の塩化ナトリウム濃度、例えば、0%、0.1%、0.3%、0.5%、0.75%、1%、2%、2.5%、3%、または4%を含む、約1%〜約3%の塩化ナトリウムを有することが意図される。ある例では、開示されたMSM組成物は防腐剤を含まない。例えば、MSMは、全て天然の成分の表を必要とする、または求める食品、化粧製品、または飲料製品に添加される。ある態様において、MSM組成物は、MSMおよび全て天然の無毒成分からなる、またはMSMおよび全て天然の無毒成分から本質的になる。他の例において、開示されたMSM組成物は1種または複数種のさらなる防腐剤を含む。防腐剤には、以下:ホルムアルデヒド、ソルビン酸カリウム、メチルパラベン、メチルクロロイソチアゾリノン、フタル酸塩、コカミドプロピルベタイン、パラベン、デシルポリグルコース、ポリアミノプロピルビグアニド、フェノキシエタノール、ラウレス硫酸ナトリウム(sodium laureth sulfate)、EDTA四ナトリウム、デシルグルコシド、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールの1つまたは組み合わせが含まれるが、これに限定されない。 いくつかの態様において、MSMは製品の貯蔵寿命を延ばすために用いられ、微生物活性を、MSMを含まない製品と比較して、または有効でない抗菌剤を含む製品と比較して、少なくとも1/2、1/3、1/4、1/5、1/10、1/25、1/50、1/100、1/1000に低減することができる。他の態様において、MSMは、望ましくない副作用を生じる剤と比較して、同等のレベルの抗菌活性を実現することができる。従って、1つの態様において、MSMは望ましくない防腐剤の代わりに使用することができる。いくつかの態様において、組成物は、MSMを含み、防腐剤を含まない製剤、またはMSMを含み、防腐剤の少ない製剤を含む。 いくつかの態様において、MSMは、pHが酸性、塩基性、または中性の製品(例えば、化粧品)において用いられる。MSMは微生物活性を阻害することができるので、化粧品および他の製品はpH選択の融通性が高くなる。従って、製品に最適なpHを選択することができる。いくつかの態様において、MSMを含む製品は冷蔵を必要とせず、室温で保管することができる。他の態様において、MSMを含む製品は、化学薬品、加熱、照射、濾過、または紫外線を介した滅菌を含むが、これに限定されない滅菌を必要としない。 いくつかの態様において、開示された組成物は、1種または複数種の増粘剤、軟化薬、および/または芳香剤に加えてMSMを含む。ある態様では、例えば、MSMの阻害作用または刺激作用を延ばすために、製品または他の培地にはMSMが連続してまたは定期的に補われる。 ある特定の態様において、MSMの添加は有効な抗菌剤である。例えば、1つの態様において、MSMを含む組成物は、MSMを含まない製剤と比較して同じまたは強い抗菌作用を有する。他の態様において、MSMは抗菌剤として役立つ。ある特定の態様において、MSMは、化学的な食品防腐剤の代用品として用いられる。さらに他の態様において、MSMは防腐剤と併用されてもよい。このようなある特定の態様において、MSMの使用は従来の防腐剤の量を減らす、または従来の防腐剤の完全な代わりとなる。ある態様において、MSMは、従来より防腐剤を有さない製品を含む製品の貯蔵寿命を延ばすことができる。さらに他の態様では、MSMは、殺ウイルス剤、殺真菌剤、および/または殺菌剤(bacterioside)として役立つ。さらなる態様において、MSMは静菌剤である。ある態様において、MSMは、広域スペクトルの微生物活性阻害剤である。他の態様において、MSMは、ある特定の界、属、または種を選択的に殺傷する。ある態様において、MSMは好気性細菌を選択的に阻害する。他の態様において、MSMは嫌気性細菌を選択的に阻害する。ある態様において、MSMはグラム陽性細菌を選択的に阻害する。他の態様において、MSMはグラム陰性細菌を選択的に阻害する。 いくつかの態様において、化粧品、ヘルスエイド(health aid)およびビューティーエイド(beauty aid)、非経口製品、局所に用いられる製品、ならびに経口製品の中に見られる微生物を含む微生物の増殖を阻害するためにMSMが用いられる。いくつかの好ましい態様において、MSMは、単回用量容器または複数回用量容器に入れられた製品の中にいる微生物の増殖を阻害するために用いられる。本明細書に記載の態様のいくつかによるMSM製剤は、散剤、クリーム、液体、ペースト、固体、またはゲルの形を含むが、これに限定されない任意の適切な形をとる。 いくつかの態様において、MSMは、微生物に汚染されやすい化粧製品に添加される。化粧品には、口紅、リップグロス、リップライナー、リッププランパー、リップクリーム、リップコンディショナー、およびリップブースター、ファンデーション、パウダー、ルージュ、ブラシ、ブロンザー、マスカラ、アイライナー、アイシャドー、アイシマー、グリッターアイペンシル、アイブロウペンシル、マニキュア液、コンシーラー、スキンケア製品、クリーム、ローション、セラム、保湿剤、日焼け止め、皮膚修復製品(例えば、ざ瘡、日焼け、皺、目のくま用)、ならびに日焼け止めが含まれ得るが、これに限定されない。 いくつかの態様において、MSMは、微生物に汚染されやすい化粧品クリームマトリックスに添加される。このようないくつかの態様において、クリームは、ホホバ、アロエベラ、カカオ脂、シアバター、ヤシ油、またはその組み合わせを含む。 いくつかの態様において、MSMは、微生物に汚染されやすいパーソナルケア製品に添加される。このような製品には、毎日、保湿するために用いられる製品、乾癬または湿疹を治療するための製品、乾燥肌または痒みのある肌を治療するための製品、日焼けおよび風焼けを治療するための製品、毛を剃る前に用いられる製品および毛を剃った後に用いられる製品、マッサージオイルまたはクリーム、個人用潤滑剤、ざ瘡を治療するための製品、ならびに皮膚摩擦材または軟化薬が含まれる。他の態様によれば、MSMは、手または足の皮膚(例えば、胼胝)を柔らかくするための製品、泳いだ後のスキンケア製品、化粧落とし、小児用皮膚ローション、およびおむつかぶれクリームに添加される。ある態様において、MSMは汚染を阻害すると同時に、有益な美容効果または健康上の利益を付与する。 いくつかの態様において、MSMは、微生物に汚染されやすい医薬製品または機器に添加される。医薬製品には、感冒またはインフルエンザの予防剤および治療剤、アレルギーの予防剤および治療剤、鼻洗浄液、薬用点眼薬、点眼薬、吸入剤、汗疱状白癬の治療剤、ヘルペス薬および口唇ヘルペス薬、日焼け用クリーム、切り傷および感染用の軟膏、ならびに殺菌性、殺真菌性、および殺ウイルス性のスプレーまたはローションが含まれるが、これに限定されない。ある態様において、MSMは、吸入器、ネブライザー、人工呼吸器、カテーテル、注射器、挿管用チューブ、病室の機器、家具、および表面、診断機器、布地、寝具、ならびに患者用カバーにいる微生物活性を阻害するのに用いられる。いくつかの態様において、MSMは、身体組織および体液を滅菌消毒するのに用いられる。例えば、血中の微生物活性を阻害するために、MSMは透析装置の一部として用いられてもよい。これは、特に、敗血症患者への助けとなり得る。別の態様において、微生物活性を阻害するために、MSMは患者に局所注射または全身注射される。他の態様において、MSMを含む組成物は、皮膚表面にある微生物感染に局所適用される。 ある態様において、MSM製品は鼻に用いられる。他の態様において、このような製品は経口で、および/または蒸気として用いられる。さらに他の態様において、製品は、繰り返し用いられる点眼薬または他の眼用の医薬製品である。 いくつかの態様において、MSMは、真菌感染を予防または治療するのに用いられる医薬製品に添加される。このようないくつかの態様において、製品は、汗疱状白癬を予防または治療するのに用いられる。ある態様において、製品は局所に用いられる。このようないくつかの態様において、製品は、クリーム、軟膏、スプレー、ゲル、または散剤である。他の態様において、製品は経口で用いられる。 いくつかの態様において、MSMは、キノコ、糸状菌、および酵母を含む菌界の生物によって産生される毒性代謝産物であるマイコトキシンの活性を阻害する。MSMを含む製品はまた、このような生物および/または代謝産物に汚染されやすい表面および機器の汚染除去にも有用である。ある態様において、MSMは、菌界の生物(例えば、キノコ、糸状菌、および酵母)の活性を阻害する。さらに他の態様では、MSMは、微生物活性を阻害することによって、微生物に由来する毒素を直接的および/または間接的に阻害する。1つの態様において、MSMは微生物代謝産物の形成および/または放出を阻害する。 いくつかの態様において、MSMは、ウイルス感染を予防または治療するのに用いられる製品に添加される。1つの態様において、MSMを含む抗ウイルス点鼻薬が提供される。MSMを含む製品はまた、ウイルスに汚染されやすい表面および機器を汚染除去するのにも有用である。1つの態様において、MSMは、生物学的組織の中にいる、または外面にいる、H1N1を含むインフルエンザウイルスを阻害するために用いられる。ある態様において、MSMは、ヒト免疫不全症ウイルス、単純ヘルペスウイルス、パピローマウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザ、肝炎ウイルス、および他のウイルス阻害するために用いられる。 ある態様において、MSMは藻類を阻害する。1つの態様において、MSMは藻類の異常発生を阻害する。ある態様において、MSMは、望ましくない植物プランクトンの活性を阻害する。他の態様において、MSMは大型藻類種を阻害する。別の態様において、MSMは、アレキサンドリウム属(Alexandrium)およびカレニア属(Karenia)の渦鞭毛藻類を阻害する。いくつかの態様において、MSMは藻類の毒性代謝産物(副産物を含む)を阻害する。 ある態様において、MSMは、日焼け、切り傷、または創傷を治療するのに用いられる医薬製品に添加される。創傷には、裂傷、スプリット裂傷(split laceration)、過伸展、粉砕圧縮(grinding compression)、切創、引き裂き、切開、切創、擦過傷、刺創、貫通傷が含まれ得るが、これに限定されない。ある態様において、MSMは、創傷をカバーするのに用いられる包帯に組み込まれる。他の態様において、MSMはクリームまたは軟膏に添加される。このようないくつかの態様において、MSMと共に処方される製品は防腐剤として働く。 皮膚ミクロフロラ(細菌、真菌、ウイルス、ファージ、古細菌)は、アトピー性皮膚炎(よくみられる形の湿疹)などの、よくみられる皮膚科学的状態において重要な役割を果たしている。典型的には、ある特定の微生物が片利共生ミクロフロラの平衡を壊すように皮膚にコロニー形成するか、または微生物が毒性物質を放出するか、もしくは細胞に侵入して炎症応答を直接誘導する。従って、ある態様において、MSMは、このようなミクロフロラの増殖を阻害する局所用製品に組み込まれる。他の態様では、MSMの皮下投与が提供される。 他の態様において、MSMは、微生物に汚染されやすい眼用製品に添加される、および/または抗菌活性を増強するために眼用製品に添加される。眼用製品は、コンタクトレンズを洗浄または消毒するための溶液を含んでもよい。このようないくつかの態様において、MSMは、コンタクトレンズに適用される様々な製品、例えば、コンタクトレンズ保管液に組み込まれる。ある態様において、MSMは、コンタクトレンズと共に用いられる点眼薬に添加される。他の態様において、MSMは、眼診断法において用いられる化学溶液、例えば、多目的の瞳孔散大(pupillary dilation)溶液に添加される。 いくつかの態様において、MSMは、微生物に汚染されやすい経口製品に添加される、および/または抗菌活性を増強するために経口製品に添加される。ある態様において、このような製品は歯の洗浄に用いられる。ある態様において、MSMは練り歯磨きまたは歯用ゲルに組み込まれる。ある態様において、MSMは歯ブラシの毛の中に組み込まれる、または歯ブラシの毛の上にコーティングされる。他の態様において、MSM製剤はデンタルフロスの中に組み込まれる、またはデンタルフロスをコーティングするのに使用される。他の態様において、製品は舌を洗浄するの用いられる。他の態様において、製品は、家庭用またはプロ用の歯科使用のための口内洗浄剤、洗口液、または口腔洗浄液(mouth-irrigant)である。さらに他の態様では、製品はガムまたは菓子である。ある態様において、MSMは、歯科インプラント、義歯などの保管液または洗浄溶液に添加される。 ある態様において、MSMは、プロバイオティック生物を含有する食物、例えば、乳、ヨーグルト、ライスヨーグルト、フローズンヨーグルト、ケフィア、ジュース、ピクルス漬けにした野菜、発酵させたキャベツ、発酵させたビーンペースト(bean paste)、塩水で処理されたオリーブ、チョコレート、チーズおよび他の乳製品、ならびにある特定の穀類に添加される。ある態様において、MSMは、プロバイオティック丸剤、カプセル、および液体を含むが、これに限定されない、栄養補助食品である製品に添加される。このようないくつかの態様において、MSMは、ヒトが摂取するためのサプリメントに添加される。他の態様において、MSMは動物用サプリメントに添加される。ある態様において、MSMは、カプセルまたは錠剤として処方された製品に添加される。ある態様において、MSMは、固体または液体として処方された製品に添加される。他の態様において、MSMは製造プロセス中に食材に添加されるが、さらに他の態様では、MSMは完成した食物に添加される。 いくつかの態様において、MSMは、微生物に感染されやすい食物に添加される。ある態様において、MSMは混合されてもよく、混ぜられてもよく、調合されてもよく、他の方法で食べ物に組み込まれてもよい。他の態様において、MSMは食物の表面に適用される。例えば、ある態様において、MSMは食物に噴霧されてもよい。このような食物には、果実、野菜、魚、および肉製品が含まれ得るが、これに限定されない。ある態様において、MSMは、食物の貯蔵寿命を延ばすために加工施設または梱包施設において用いられる。いくつかの態様において、MSM(例えば、約5%〜約25%)を添加すると、摂取製品が腐敗するまでの時間が延びる。例えば、食品の貯蔵寿命を約10%〜100%(例えば、20%、30%、40%、50%、75%、150%、200%、またはそれより長く)延ばすために、MSMはパン、ペストリー、または生地の中に入れて焼かれてもよく、パン、ペストリー、または生地に添加されてもよい。例えば、1つの態様では、食品の貯蔵寿命が10日であれば、MSMを添加すると、ある態様では、貯蔵寿命は、少なくとも11日まで(例えば、11日、14日、15日、20日、または25日)延びる。さらなる例として、別の態様では、食品の貯蔵寿命が室温で14日および/または冷蔵庫の中で30日および/または冷凍庫の中で3ヶ月であれば、MSMを添加すると、貯蔵寿命は室温では30日まで、および/または冷蔵庫の中では60日まで、および/または冷凍庫の中では6ヶ月まで延びる。さらなる態様において、MSMを使用すると、食品を室温で発送および/または保管することが可能になる。MSMを使用しなければ、この製品は、さらに低い温度で発送および/または保管しなければならないであろう。さらに他の態様では、MSMを使用すると食品の滅菌が不要になる。 ある例では、開示されたMSM組成物はいずれも本質的に水からなる。例えば、MSMは、水または他の液体成分と組み合わされた時に特に有効である。ある例では、開示されたMSM組成物は漂白剤を含まない、アルコールを含まない、またはその組み合わせを含まない。いくつかの態様において、微生物活性を調節するための組成物は、MSMの代わりに、またはMSMに加えてMSM関連化合物を含む。関連化合物には、DMSOおよびジメチルスルフィド(DMS)が含まれるが、これに限定されない。 本明細書において提供される任意の態様に従って用いられるMSMは単離されてもよく、精製されてもよく、加工されてもよい。本明細書に記載のいくつかの態様には、GRAS(一般に安全と認められる(Generally Recognized As Safe))と指定されたMSMが用いられる。本明細書のいくつかの態様に従って、ヒト、飼い慣らされた動物、および家畜が摂取するため製剤が提供される。 ある態様において、MSMは、以下の成分(またはその誘導体、代謝産物、前駆体、油、エキス、エステル、酸、塩、および関連化合物):アビエチン酸、アラビアゴム、セネガルゴム、アカイ(acai)エキス、酢酸、アセトン、アセチルグリコサミン、アクメラ・オレラセア(acmella oleracea)エキス、アデノホラ・ストリクタ(adenophora stricta)、アラリア・マルギナタ(alaria marginata)(海草)、アルブミン、アルコール、アルデニン(aldenine)、アルファルファ、藻類エキス、アルキルグアニントランスフェラーゼ、アルキロアミド(alkyloamide)、アラントイン、水酸化アルミニウム、アーモンド、アロエベラ、αリポ酸、安息香酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アミノ酸、アミノプロパンスルホン酸3、グリコール酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、アネマルヘナエ・アスホデロイデス(anemarrhenae asphodeloides)根エキス、アニス油、抗酸化物質、アピゲニン、アンズ、アンズ核、アラキドン酸、アルブチン、アルガンオイル、アルガニア・スピノサ(argania spinosa)葉エキス、アルギニン、アルギレリン(argireline)、アルニカエキス、artemisia dracunculus(タラゴン)油、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスペルギルス・ファーメント(aspergillus ferment)、アスピドスペルマ・クエブラコ(aspidosperma quebracho)、アスタキサンチン、アテロコラーゲン、avena sativa(カラスムギ)核エキス、アボベンゾン(avobenzone)、アゼライン酸、小豆、バームミント(balm mint)エキス、バルサム・ペル(balsam peru)、タケ茎エキス、オオムギ(barely)(hordeum vulgare)エキス、硫酸バリウム、オオムギ、バジル、ミツバチ花粉、蜜ろう、ベントナイト、過酸化ベンゾイル、beta vulgaris根エキス(テンサイ)、ベータカロチン、ビルベリー、ビオチン、オキシ塩化ビスマス、ブラダーラック(bladder wrack)エキス、ボラージオイル、ホウ酸、ホウ酸酸化物、ウシ胎盤液体、ビール酵母、ブロノポール、酢酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチレングリコール、ブチルパラベン、ブチロスペルマム・パルキ(butyrospermum parkii)、c18-36酸トリグリセリド、カフェイン、カラミン、カルシウム、カレンデュラエキス、カマウバ(camauba)ろう、カメリア・オレイフェラ(camellia oleifera)葉エキス、カメリア・シネニス(camellia sinenis)葉エキス、ショウノウ、canaga odorata(イランイランノキ)花油、カンデリラ・セラ(candelilla cera)、カンデリラろう、キャノーラステロール、カプリル酸、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリリルグリコール、カプリリルグリコール、トウガラシオレオレジン、カラメル、カルミン、カロテノイド、カラゲナン、ニンジン油、ニンジン種油、carthamus tinctorius(ベニバナ)種子油、ヒマシ油、セルロース、センテラ・アシアティカ(centella asiatica)、キンセンカ(calendula officinalis)、白ろう、セラ・カルナウバ(cera carnauba)、セラミド、セレブロシド、セリックアンモニウムフェロシアニド(cerric ammonium ferrocyanide)、セテアレス-3、セテアリルアルコール、セテアリルグルコシド、オリーブ脂肪酸セテアリル、セチルアルコール、乳酸セチル、カモミール油、chamomilla recutita(マトリカリア)花エキス、クリ、クリエキス、クロロキシレノール、クロルフェネシン、コレステロール、コリン、chondrus crispus(アイリッシュモス)、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、シンナミルアルコール、クエン酸、シトロネロール、柑橘類、シトラス・ノビリス(citrus nobilis)(グリーンマンダリン(green mandarin))油、クローブ末、クローバーブロッサム(clover blossom)エキス、クリセリルココナート(clyceryl coconate)、コカミドプロピルベタイン、カカオ、カカオ脂、カプリレート/カプレート、ヤシ油、ココナツろう、タラ肝油、コエンザイムq10、コラーゲン、コンフリーエキス、ハンゴンソウエキス、copernica cerifera(カルナウバ)ろう、銅、コリアンダー、coriandrum sativum(コリアンダー葉)油、コーンスターチ、ヤグルマソウエキス、クレアチン、クリサマム・マリチマム(crithmum maritimum)エキス、キュウリ、シクロメチコン、シクロペンタシロキサン、ダントイン(dantoin)685、デシルグルコシド、脱イオン水、ジアゾリジニル尿素、リン酸二カルシウム脱水和物、炭酸ジカプリリル、ジエタノールアミン、ジラウレート、ジメチコーン、ジメチルアミノエタノール、dioscorea villosa(ワイルドヤム(wild yam))根エキス、グリチルリチン酸二カリウム、ジスチリルビフェニル二スルホン酸二ナトリウム、edta二ナトリウム、dmdmヒダントイン、echinacea angustifolia(ハンゴンソウ)エキス、edta、エイジツローズ(eijitsu rose)、エラエイス・オレイフェラ(elaeis oleifera)、エラスチン、ニワトコ、軟化薬、酵素、エピロビウム・フレイシェリ(epilobium fleischeri)エキス(グレイベルウイロー(gravel willow))、equisetum hiemale葉エキス(トクサ)、エルケート(erucate)、必須脂肪酸、精油、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、エチレン/アクリル酸コポリマー、パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキシルグリセリン、エチルパラベン、ユーカリエキス、ユーカリオン(eukarion)、ユーテルペ・オレラセア(euterpe oleracea)果実エキス、月見草油、皮膚摩擦材、脂肪酸、脂肪アルコール、ウイキョウ油、酸化第二鉄、フラバノイド、フラボノリグナン、魚油、アマ、フロラロゾン、フッ化物、ホルムアルデヒド、果実酸、果実エキス、果実エキス、gaba、γリノレン酸、ゼラチン、ゲラニオール、ゼラニウム油、ギガルティナ・パピラタ(gigartina papillata)(ワイルドクラフティッドシーウィード(wildcrafted seaweed))、ショウガ、ジンジャー油、イチョウ(ginko biloba)油、チョウセンニンジン、グルコサミン、グルコースオキシダーゼ、グルコース糖、グリセレス(glycereth)、グリセレス-26、グリセリン、グリセロール、ステアリン酸グリセロール、水添ロジン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリコール、グリコール酸、金、ヒドラスチスエキス、ブドウ種子、ブドウ種子油、グレープフルーツ、グレープフルーツ油、グレープフルーツ種子エキス、緑茶、ゴム、ヘーゼルナッツ油、hdi/トリメチロールヘキシルラクトンクロスポリマー、アサ種子油、ヘキサミジン、ヘキシレングリコール、ホモサラート、ハチミツ、ホルデウム・ジスチカム(hordeum distychum)エキス、ホルジヒドログアヤレト酸(hordihydroguaiaretic acid)、ホルモン、保湿剤、フムラス・ルプラス(humulus lupulus)エキス、ヒアルロン酸、hydrastis canadensisエキス(ヒドラスチス)、ヒドロコルチゾン、ヒドロコチル(hydrocotyl)エキス、ラウリン酸水添ヒマシ油、水添ポリイソブテン、水添ポリソブレン、加水分解動物タンパク質、加水分解ケラチン、加水分解リゾビアンゴム(rhizobian gum)、加水分解ダイズタンパク質、加水分解コムギタンパク質、ヒドロキシ酸、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチル-セルロース、ヒドロキシイソヘキシル3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、ヒドロキシプロピル-セルロース、ヒドロキシプロピルトリモニウムハニー、ヒドロキノン、ヒドロキシステアレート、オトギリソウエキス、イデベノン、イミダゾリジニル尿素、ヨウ素、アイリッシュモス、酸化鉄、イソブチルパラベン、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソノニルイソノナノエート、イソペンチルジオール、イソプロピルアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、リノール酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアレート、イソステアリン酸、セイヨウキズタエキス、ジャスミン油、ホホバ脂、ホホバ油、セイヨウネズエキス、セイヨウネズ油、カオリン、ケラチン、ケトン、キネラーゼ(kinerase)、カイネチン、コウジ酸、ククイナッツ油、乳酸、ラクトペルオキシダーゼ、ハゴロモグサ葉エキス、ラミナリア・ディギタータ(laminaria digitata)(ケルプ)エキス、ラノリン、シベリアカラマツ木エキス、ラウラミド、ラウレート、ラウレス、ラウリルアルコール、ラウリルグルコシド、ラベンダー、ラベンダー油、レシチン、レモン油、カンゾウ、ライム油、リモネン、リンデンエキス、リノール酸、リノレン酸、リポソーム、イナゴマメ、リシウム・バルバラム(lycium barbarum)果実エキス、リシウム・バルバラム果実エキス(ゴジベリー)、リコペン、マカダミアナッツ油、抹茶、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム(エプソム塩)、malpighia punicifolia(アセロラ)果実エキス、マンガンバイオレット、マンゴー脂、マリーゴールド、ウスベニタチアオイ(marshmallow)エキス、抹茶粉末、カミツレ油、mea、シモツケ、メラレウカ(melaleuca)油、メロンエキス、ペパーミント(mentha piperita)(オーガニックペパーミント)エキス、メントール、酢酸メチル、メチルエチルケトン、メチルジヒドロジャスモン酸、メチルパラベン、雲母、ミクロダーマブラージョン化合物、ミルクプロテイン、無機質、鉱油、mipa、モノエタノールアミン、モノステアレート、モンモリロナイト(グリーンクレー)、ヨモギ(artesemia vulgaris)エキス、クワ、クワ(morus nigra)根エキス、ムルムル、キノコ、ミリステート、ミリステート、ミリスチン酸、ミリスチン酸ミリスチル、myrtus communis(グリーンマートル(green myrtle))油、n-アセチルグルコサミン、軟玉粉末、ネロリ油、イラクサ葉、神経ペプチド、ナイアシン、ニトロサミン(nitrosamine)、ノニルノノキシノール-150、核酸、ナツメグ粉末、ナッツ類、カラスムギ、オートミール、カラスムギ、オシマム・バシリカム・リナロール(ocimum basilicum linalol)(バシル・リナロール(basil linalol))油、オクチノキセート、オクトサレート(octsalate)、オレエート、オレイン酸、オレイルアルコール、オリゴペプチド、オリゴ糖、オリーブ果実エキス、オリーブ油、omega-3、オレンジピール油、オルトホウ酸、オキシベンゾン、オゾケライト、パジナ・パボニカ・サラス(padina pavonica thallus)エキス、パーム油、パルミテート、パルミチン酸、パルミトイル、パンテチン、パンテノール、パラアミノ安息香酸、パラベン、パラフィン、パシフロラ・インカルナタ(passiflora incarnata)果実エキス、パッションフルーツ、パチョリ、モモの種、泥炭抽出物、ペクチン、peg、ペパーミント、ペパーミント油、ペプチド、ワセリン、フェロデンドロン・アムレンセ(phellodendron amurense)樹皮エキス、フェノキシエタノール、フェニルトリメチコン、フェニルエチルレゾルシノール、リン酸、フィトケミカル、マツエキス誘導体、パイナップルエキス、プランタゴ・ランセオラタ(plantago lanceolata)葉エキス、オオバコ葉エキス、花粉エキス、ポリゴナム・カスピダタム(polygonum cuspidatum)根エキス、ポリペプチド、多糖、ポリシリコーン、ポリソルベート、ポリソルベート、ポリビニルピロリドン、プロゲステロン、プロピレングリコール、カプリル酸プロピルヘプチル、プロピルパラベン、カボチャ種子エキス、punica granatum(ザクロ)エキス、ザクロエキス/ザクロ、ピクノジェノール(pycnogenol)、クアテルニウム(quaternium)-15、シャボンノキ(quillaja saponaria)(セッケン)樹皮エキス、クイリア(quillia)エキス、レセルベラトール(reserveratol)、レチノイン酸、レチノイド、レチノール、レチニルパルメート(retinyl palmate)、リベス・ルブラム(ribes rubrum)果実エキス、イネ、ライスブランワックス(rice bran wax)、リシノレート、ローズ油、ローズヒップ、ローズマリー、ローズマリー油、バラ香、ロイヤルゼリー、ルブス・ビロサス(rubus villosus)果実エキス、サトウキビ(saccharum officinarum)(ショ糖)、サリチル酸、サルビア、ビャクダン油、サポニン、サッサフラス、ノコギリヤシ、サキシフラガ・サルメントセ(saxifraga sarmentose)エキス、スクラレオリド(sclareolide)、コガネバナ(scutellaria baicalensis)エキス、海藻、セカレ・セレアレ(secale cereale)(ライムギ)種子エキス、selaginella tamariscina(イワヒバ)エキス、セレン、ゴマ油、セスキオレアテ(sesquioleate)、シェーバーグラスハーブ(shavegrass herb)、シアバター、シリビニン、シリカ、シリコーン、サーチュイン、アルギン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、エチルパラベンナトリウム、グリシルレチン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ラクトビオン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、メチルパラベンナトリウム、スルホン酸ポリスチレンナトリウム、プロピルパラベンナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ナトリウムアクリロジメチルタウレート(sodium acrylodimethyl taurate)、イソステアリン酸ソルビタン、オリーブ脂肪酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、ソルビトール、ソルビトール、ダイズ、ダイズろう、ダイズ油、スペアミント油、スクワラン、セントポールワート/セントジョンズワート、ステアレート、幹細胞、ステアリン酸スクロース、サトウキビエキス、サルフェート、ヒマワリ種子油、甘扁桃油、symphytum officinale(コンフリー)葉エキス、シムフィタム・オフィシナレ(symphytum officinale)葉エキス、合成フルオルフロロピテ(fluorphlolopite)、タマリンダス・インディカ(tamarindus indica)種子エキス、チャノキ油、タイムエキス、酸化スズ、二酸化チタン、二酸化チタン、トコフェロール、酢酸トコフェリル、酢酸トコフェリル、トルエン、トマト、トラガカントゴム、トレチノイン、トリベヘニン、トリクロサン、トリデシルトリメリテート、トリエタノールアミン、トリヒドロキシステアリン、クエン酸トリイソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリメチルシロキシシリケート、トリミリステート、トリペプチド、ウコン、チロシン、ユビキノン、ウルトラマリン、ウンデシレノイルフェニルアラニン、尿素、ウリジン、クランベリー(vaccinium macrocarpon)果実エキス、植物性グリセリン、ベチバー油、ビタミンA、ビタミンB1〜B12、ビタミンC、ビタミンCエステル、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミン、クルミ殻粉末、水、コムギ胚芽油、乳清タンパク質(ラクティス・プロテイナム(lactis proteinum))、ホワイトバーチ(white birch)樹皮エキス、ヤナギ樹皮、冬緑油、ウィッチヘーゼル、キサンタムガム、キサンタンガム、ノコギリソウエキス、酵母、マテ茶、イトラン、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛の1つまたは複数と組み合わされる。 ある態様において、組成物は、MSMと、前記で特定された成分の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくはそれより多い成分との組み合わせを含む、MSMと、前記で特定された成分の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくはそれより多い成分との組み合わせからなる、またはMSMと、前記で特定された成分の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくはそれより多い成分との組み合わせから本質的になる。いくつかの態様において、MSMは製剤の中の微生物活性を阻害する。他の態様において、MSMは、製剤の中の防腐剤(これらの一部は前記で特定されている)の代わりに用いられた時に同じ抗菌作用またはより優れた抗菌作用を提供する。ある特定の態様において、MSMは、少量の防腐剤と用いられた時に同じ抗菌作用またはより優れた抗菌作用を提供する。さらに他の態様では、MSMを、防腐剤を有する製剤に添加すると、防腐剤の作用が増強する。本明細書において特定された成分は、化粧品製剤(例えば、経口用、注射用、または局所用)の中でMSMと用いられてもよく、他のタイプの製剤(例えば、経口用、注射用、または局所用医用製剤)の中でMSMと用いられてもよい。 ある態様において、組成物はMSMを含むが、以下の化合物:硫酸塩、GMO、合成芳香剤、合成色素、ホルムアルデヒド、ソルビン酸カリウム、メチルパラベン、メチルクロロイソチアゾリノン、コカミドプロピルベタイン、パラベン、デシルポリグルコース、ポリアミノプロピルビグアニド、フェノキシエタノール、ラウレス硫酸ナトリウム、EDTA四ナトリウム、デシルグルコシド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、フタル酸塩、およびトリクロサンの1つまたは複数を含まない。ある態様において、MSMを使用すると、合成成分を全く含まない製剤を製造することが可能になる。さらに他の態様では、MSMを使用すると、アレルギーを引き起こす成分、免疫抑制成分、および/または炎症成分を全く含まない製剤を製造することが可能になる。 いくつかの態様において、MSMの抗菌性は、滅菌、低温、無菌環境、特殊な閉鎖、および/または特殊なパッケージングなどの必要を低減するか、または無くす。いくつかの態様によれば、MSMには二重または多目的の機能がある。例えば、MSMは望ましくない微生物の増殖を阻害するだけでなく、いくつかの態様では、MSMが添加された製品に有益な影響も及ぼす(例えば、MSMは、抗酸化物質、再生化合物、抗皺化合物、保湿剤、スキンブライトナー、軟化剤、循環刺激剤、中和剤、修復材、髪/爪の増強剤、治癒触媒、リサーフェシング(resurfacing)剤など、または2つ以上の組み合わせとして働く)。いくつかの態様において、MSMの抗菌性は、製剤(または本明細書において特定された特定の成分)の貯蔵寿命、半減期、効力、および/または安定性を増加させる。ある態様では、MSMの使用は、複数人が共用する化粧品製剤または他のタイプの製剤(例えば、メイクアップアーティストが使用する化粧品または化粧品カウンターにある化粧品)に特に有益であるかもしれない。 化粧品には、口紅、リップグロス、リップライナー、リッププランパー、リップクリーム、リップコンディショナー、およびリップブースター、ファンデーション、パウダー、ルージュ、ブラシ、ブロンザー、マスカラ、アイライナー、アイシャドー、アイシマー、グリッターアイペンシル、アイブロウペンシル、マニキュア液、コンシーラー、スキンケア製品(例えば、ミクロダーマブラージョン製品、スージングゲル(soothing gel))クリーム、ローション、セラム、保湿剤、日焼け止め、皮膚修復製品(例えば、ざ瘡、日焼け、皺、目のくま用)、ならびにスクラブが含まれ得るが、これに限定されない。いくつかの態様において、顔、髪、および体用の製剤(例えば、シャンプー、セッケン、コンディショナー、スプレー、ゲル、セラム、レストラティブトリートメント(restorative treatment)、デオドラントなど)が提供される。本発明のいくつかの態様において、薬用化粧品などの化粧品および栄養補助食品が提供される。いくつかの態様では、ダーマルフィラーおよび他の皮膚科学製品(例えば、ヒアルロン酸、ワグレリン(waglerin)1、アセチルヘキサペプチド-8、パルミトイルテトラペプチド-7、パルミトイルオリゴペプチド、リポソーム、コラーゲン、カルシウムヒドロキシル-アパタイト、ポリ乳酸、およびボツリヌス毒素)が提供される。いくつかの態様では、抗皺剤、抗挫瘡剤、抗加齢剤、剥脱剤、保湿剤、および抗伸展線剤、芳香剤、ミネラルメイクアップ、ならびにプライマーが提供される。ある態様では、化粧品用皮膚用ゲルならびに(例えば、微生物感染の阻害もしくは阻止および/または創傷治癒のための)医療用皮膚用ゲルが提供される。 いくつかの態様において、MSMを含有する製品は、微生物活性に好ましい高温および高湿度の条件で発送および/または保管することができる。 ある態様において、MSMを含む製品は、複数の用途、ならびに外部微生物への曝露、例えば、空気または身体部分(例えば、指)との接触に由来する外部微生物への曝露に合わせられた容器に入れて包装される。MSMの使用は、このような製品の貯蔵寿命を延ばすので、いくつかの態様において特に有益である。ある態様では、MSMを含む製品は使い捨て密封容器に入れて包装もされる。1つの態様では、使い捨て製品(例えば、香辛料の包み、調味料の包み、旅行用化粧品包装容器など)とMSMが用いられれば、これらの製品および/またはパッケージングの貯蔵寿命が長くなる、および/またはもはや冷蔵が不要になるだろう。 ある態様において、例えば、貯蔵寿命を延ばすために、MSMは包装材料に直接組み込まれる。例えば、微生物増殖を阻害するために、MSMは食物保管バックに組み込まれてもよい。他の態様において、望ましくない微生物増殖を阻害することによって食物、化粧品、および他の製品の貯蔵寿命を増強するために、MSMは容器および/または蓋に組み込まれてもよい。さらに他の態様では、MSMは、食品包装用フィルムおよび食品包装用ラップなどの直線状の製品に組み込まれてもよい。 いくつかの態様において、クリームまたは局所用軟膏の中にいる微生物活性を阻害するための組成物はMSMを含む。ここで、MSMは、微生物活性を阻害することによって微生物汚染に影響を及ぼすように構成される。MSMは、1つの態様によれば、少なくとも5%(例えば、5〜10%、10〜16%、16〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜75%またはそれより高い、およびその重複する範囲)の濃度で提供される。ある例では、組成物は、防腐剤を含まないクリームである。1つの態様において、MSMは、室温でクリームの中の微生物活性を少なくとも50%阻害する。 ある態様において、薬学的組成物は、MSM、DMSO、および/もしくは抗菌剤、またはその組み合わせを含み、これらはヒトまたは獣医学において使用するために処方される。 例えば、提供される薬学的組成物は、約0.01重量%MSM〜約20重量%のMSMを含む。ある態様において、薬学的組成物は、約0.01重量%〜約5重量%のMSMを含有する。他の態様は、約5%〜約10%のMSM、約10%〜約15%のMSM、または約15%〜約20%のMSM、例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%のMSMを含有する。ある態様は、約10〜16%のMSM、約10〜14%のMSM、または約10〜12%のMSMを含む。 開示された組成物に含めることができる例示的なさらなる抗菌剤には、ペニシリン誘導体、セファロスポリン、ペネム、モノバクタム、カルバペネム、βラクタマーゼ阻害剤、およびその組み合わせが含まれるが、これに限定されない。ペニシリン誘導体の例には、アミノペニシリン(例えば、アモキシシリン、アンピシリン、およびエピシリン);カルボキシペニシリン(例えば、カルベニシリン、チカルシリン、およびテモシリン);ウレイドペニシリン(例えば、アズロシリン、ピペラシリン、およびメズロシリン);メシリナム、スルベニシリン、ベンザチンペニシリン、ペニシリンG(ベンジルペニシリン)、ペニシリンV(フェノキシメチルペニシリン)、ペニシリンO(アリルメルカプトメチルペニシリン)、プロカインペニシリン、オキサシリン、メチシリン、ナフシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、ピバンピシリン、ヘタシリン、バカンピシリン、メタンピシリン、タランピシリン、コアモキシクラブ(アモキシシリン+クラブラン酸)、ならびにピペラシリンが含まれるが、これに限定されない。セファロスポリンの例には、セファレキシン、セファロチン、セファゾリン、セファクロル、セフロキシム、セファマンドール、セフォテタン、セフォキシチン、セフォラニド、セフトリアクソン、セフォタキシム、セフポドキシムプロキセチル、セフタジジム、セフェピム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、セフィキシム、およびセフピロムが含まれるが、これに限定されない。ペネムの例には、ファロペネムが含まれるがそれに限定されるわけではない。モノバクタムの例には、アズトレオナムおよびチゲモナムが含まれるがそれに限定されるわけではない。カルバペネムの例には、ビアペネム、ドリペネム、エルタペネム、イミペネム、メロペネム、およびパニペネムが含まれるが、これに限定されない。βラクタマーゼ阻害剤の例には、タゾバクタム([2S-(2α,3β,5α)]-3-メチル-7-オキソ-3-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルメチル)-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸4,4-ジオキシドナトリウム塩)、スルバクタム(2S,5R)-3,3-ジメチル-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸4,4-ジオキシドナトリウム)、およびクラブラン酸((2R,5R,Z)-3-(2-ヒドロキシエチリデン)-7-オキソ-4-オキサ-1-アザ-ビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸)、または他のβラクタム系抗生物質が含まれるが、これに限定されない。 多くの抗生物質には、ある特定の細菌を低減または死滅させるのに有効な所定の最小阻害濃度(MIC)がある。ある態様において、開示された薬学的組成物は、本明細書において開示された特定の細菌性病原体について約0.001〜100MICに等しい量のβラクタム系抗生物質を含む。ある態様において、薬学的組成物は、約1〜5MIC、5〜10MIC、10〜20MIC、20〜30MIC、30〜40MIC、40〜50MIC、50〜60MIC、60〜70MIC、70〜80MIC、80〜90MIC、または約90〜100MICのβラクタム系抗生物質を含む。ある態様において、薬学的組成物は、約0.001MIC、0.01MIC、0.1MIC、0.5MIC、または1MICのβラクタム系抗生物質を含む。 本明細書において提供される薬学的組成物はまた、MSMおよび抗菌化合物の組み合わせ、例えば、MSMおよびβラクタム系抗生物質の組み合わせも含む。ある態様において、本明細書において提供される薬学的組成物は、10〜16%MSM、および組成物と接触される細菌性病原体について1MICに等しい量のβラクタム系抗生物質を含む。 当業者であれば、特定の細菌性病原体に対する抗生物質のMICを知っているであろう。または、当業者であれば、特定の細菌性病原体に対する抗生物質のMICを求める方法を知っているであろう。本明細書において、特定の細菌性病原体に対する特定の抗生物質のMICを求める方法、例えば、Etest(登録商標)抗生物質試験システム(bioMerieux, Durham, NC)の使用が開示される。 薬学的組成物の剤形は、選択された投与方法の影響を受ける。例えば、注射液に加えて、吸入製剤、局所用製剤、眼製剤、腹腔製剤、および経口製剤を使用することができる。吸入調製物は、エアロゾル、粒子などを含んでもよい。一般的に、吸入用粒径の目標は、吸収のために薬が肺の肺胞領域に届くように約1μm以下である。 選択された特定の投与方法に応じて適切な固体担体または液体担体を用いて、MSM、DMSO、本明細書に記載の抗菌剤または治療用化合物、例えば、活性成分を含む薬学的組成物、または活性成分としてさらなる剤を含む、もしくはさらなる剤を含まない、これらの2種類以上の混合物を含む薬学的組成物を処方することができる。経口製剤は液体(例えば、シロップ、溶液、もしくは懸濁液)てもよく、固体(例えば、散剤、丸剤、錠剤、もしくはカプセル)でもよい。固体組成物の場合、従来の無毒の固体担体は、薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムを含んでもよい。このような剤形を調製する実際の方法は当業者に公知であるか、または明らかであろう。 経口投与の場合、薬学的組成物は、例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース);増量剤(例えば、ラクトース、結晶セルロース、もしくはリン酸水素カルシウム);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、もしくはシリカ);崩壊剤(例えば、バレイショデンプンもしくはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容される賦形剤を用いて従来手段によって調製された錠剤またはカプセルの形をとってもよい。錠剤は、当技術分野において周知の方法によってコーティングすることができる。経口投与用の液体調製物は、例えば、溶液、シロップ、もしくは懸濁液の形をとってもよく、または使用前に水もしくは他の適切なビヒクルを用いて構成するための乾燥製品として示されてもよい。このような液体調製物は、薬学的に許容される添加物、例えば、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または水添食用脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアラビアゴム);非水性ビヒクル(例えば、扁桃油、油性エステル、エチルアルコール、または分留した植物油);および防腐剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはp-ヒドロキシ安息香酸プロピルまたはソルビン酸)を用いて、従来手段によって調製することができる。調製物はまた、適宜、緩衝塩、着香剤、着色剤、および甘味剤を含有してもよい。 吸入による投与のために、本開示に従って使用するための化合物は、適切な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切な気体を用いて、加圧パックまたはネブライザーからエアロゾルスプレーの形で都合よく送達される。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、定量送達するように弁を設けることによって決めることができる。化合物およびラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤の粉末混合物を含有する、吸入器または注入器において使用するためのカプセルおよびカートリッジを処方することができる。 局所投与の場合、化合物は、例えば、経口投与するために液体送達剤と混合されてもよい。治療に用いられる剤(例えば、本明細書に記載のDMSO、MSMおよび/または他の治療用化合物)は水に容易に溶解または懸濁することができ、従って、これは送達に有用であろう。なぜなら、水は有害な生物学的組織作用を引き起こさないからである。これにより、送達ビヒクルからの二次的な毒性が無く、十分に高い用量を局所投与または全身投与することが可能になる。 活性成分として本明細書に記載の治療量のMSMを含む薬学的組成物は、通常、選択された特定の投与方法に応じて、適切な固体担体または液体担体を用いて処方される。本開示において有用な薬学的に許容される担体および賦形剤は従来のものである。例えば、非経口製剤は、通常、水、生理食塩水、他の平衡塩類溶液、デキストロース水溶液、グリセロールなどの薬学的および生理学的に許容される液体ビヒクルである注射液を含む。含むことができる賦形剤は、例えば、ヒト血清アルブミンまたは血漿調製物などのタンパク質である。所望であれば、投与しようとする薬学的組成物はまた、少量の無毒の補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、防腐剤、およびpH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含有してもよい。このような剤形を調製する実際の方法は当業者に公知であるか、または明らかであろう。 ある態様において、治療的有効量のMSMを含む薬学的組成物は、正確な投与量を1回1回投与するのに適した単位剤形で処方される。投与されるMSMの量は、治療を受けている対象、疾患の重篤度、および投与方法に左右され、処方をした医師の判断に任せるのが最善である。これらの制限内で、投与される製剤は、治療を受けている対象において望ましい効果を達成するのに有効な量の活性成分を含有する。 治療剤(例えば、DMSO、MSM、βラクタム系抗生物質など)が徐放されるように、投与用の調製物を適切に処方することができる。例えば、薬学的組成物は、生分解性ポリマーおよび/または多糖ゼリー化(polysaccharide jellifying)および/または生体接着性ポリマー、両親媒性ポリマー、粒子の界面特性を改変する剤、ならびに薬理学的に活性な物質を含む粒子の形をとってもよい。これらの組成物は、活性物質の徐放を可能にする、ある特定の生体適合性を示す。例えば、米国特許第5,700,486号を参照されたい。 徐放のためにポリマーを使用することができる。制御された薬物送達において使用するための様々な分解性ポリマーマトリックスおよび非分解性ポリマーマトリックスが当技術分野において公知である(Langer, Accounts Chem. Res. 26:537, 1993)。例えば、ブロック共重合体であるポラキサマー(polaxamer)407は、低温で粘度があるが可動性の液体として存在するが、体温では半固体ゲルを形成する。これは、組換えインターロイキン-2およびウレアーゼの処方用および持効性送達用の有効なビヒクルであることが示されている(Johnston et al., Pharm. Res. 9:425, 1992; Pec, J. Parent. Set Tech. 44(2):58, 1990)。または、タンパク質徐放用のマイクロキャリアとしてヒドロキシアパタイトが用いられている(Ijntema et al., Int. J. Pharm. 112:215, 1994)。さらに別の局面において、脂質でカプセル化された化合物の徐放ならびに薬物標的化のためにリポソームが用いられる(Betageri et al., Liposome Drug Delivery Systems, Technomic Publishing Co., Inc., Lancaster, PA, 1993)。治療用タンパク質を制御送達するための非常に多くのさらなる系が公知である(例えば、米国特許第5,055,303号;米国特許第5,188,837号;米国特許第4,235,871号;米国特許第4,501,728号;米国特許第4,837,028号;米国特許第4,957,735号;および米国特許第5,019,369号;米国特許第5,055,303号;米国特許第5,514,670号;米国特許第5,413,797号;米国特許第5,268,164号;米国特許第5,004,697号;米国特許第4,902,505号;米国特許第5,506,206号;米国特許第5,271,961号;米国特許第5,254,342号;および米国特許第5,534,496号)。 いくつかの態様において、薬学的組成物は、DMSOおよび/またはMSM、ならびにH1N1、単純ヘルペスウイルス、またはHIVなどの感染症を治療するための治療剤を含む。ある態様において、感染症を治療するための吸入剤として、DMSOおよび/またはMSMを含む組成物が提供される。ある態様において、感染症を治療するための薬学的組成物は、固体として処方されたDMSOおよび/またはMSMを含むが、いくつかの他の態様では、DMSOおよびMSMを含む組成物は液体として処方される。ある態様において、組成物は、感染症を治療するために経口摂取されるが、他のいくつかの態様では局所で適用される。特定の1つの態様において、組成物は、サイズが約0.5um〜約5umの製剤粒子を生じるように構成された吸入装置に入れて送達される。 ある態様において、DMSOおよび/またはMSMを含む薬学的組成物を用いると、抗生物質(または他の治療剤)は、感染症に感染した肺組織に浸透することが可能になる。1つの態様において、DMSOおよび/またはMSMを含む、このような組成物は、(i)抗生物質が感染組織の深部まで到達するのを可能にする;(ii)感染組織と直接接触するのを可能にする;(iii)感染組織に対する抗生物質の曝露時間を延ばす;および/または(iv)望ましい抗生物質作用を実現するための時間を短くする。1つの態様において、DMSOおよび/またはMSMは、吸入剤として用いられることによって、これらの望ましい作用の1つまたは複数を実現する。ここで、吸入剤は、1種または複数種の抗生物質または他の治療剤をさらに含む。 ある態様において、DMSOおよび/またはMSM製剤を含む薬学的組成物は、寄生生物、例えば、線虫、条虫、吸虫、原生動物、またはアメーバによって引き起こされる感染の治療において有効な抗寄生虫剤をさらに含む。 ある態様において、DMSOおよび/またはMSM製剤を含む薬学的組成物は、真菌感染、例えば、白癬、カンジダ症、およびクリプトコッカス属(例えば、クリプトコッカス髄膜炎)によって引き起こされる感染の治療において有効な抗真菌剤をさらに含む。 ある態様において、DMSOおよび/またはMSM製剤を含む薬学的組成物は、ウイルス感染の治療において有効な抗ウイルス剤をさらに含む。ある態様において、特定のタイプのウイルスによって引き起こされる感染を治療するために、特定のクラスの抗ウイルス剤が用いられる。ある態様において、HIV、ヘルペスウイルス、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルス、ならびにインフルエンザウイルス、例えば、H1N1を標的とする剤が用いられる。 いくつかの態様において、DMSOおよび/またはMSM組成物は、例えば、細菌の成長、代謝、増殖、活性、および/または機能の阻害による、細菌感染の治療において有効な抗生物質を含む。ある態様では、静菌性抗生物質が用いられるが、他の態様では、殺菌性抗生物質が用いられる。さらに他の態様において、静菌性抗生物質および殺菌性抗生物質の両方が、DMSOおよび/またはMSMを含む1つの製剤に組み込まれる。ある態様において、1つまたは複数のクラスの抗生物質が、DMSOおよび/またはMSMを含む組成物に組み込まれる。ある特定の態様において、組成物は、アミノグリコシド、アンサマイシン、カルバセフェム、カルバペネム、セファロスポリン(第1世代、第2世代、第3世代、第4世代、または第5世代)、グリコペプチド、マクロライド、モノバクタム、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、スルホンアミド、テトラサイクリンなどの1つまたは複数を含む。 ある態様において、DMSOおよび/またはMSMを含む開示された組成物に特定の抗生物質を組み込むことによって、特定の疾患が標的化される。例えば、呼吸器感染またはマイコプラズマ感染を治療するために用いられる、アジスロマイシンまたはエリスロマイシンなどのマクロライドが製剤に組み込まれる。同様に、広範囲のストレプトコッカス感染を治療するために用いられる、アモキシシリンまたはオキサシリンなどのペニシリンが製剤に組み込まれる。 さらに他の態様において、DMSOおよび/またはMSMを含む製剤に組み込まれた特定の抗生物質によって、疾患を引き起こす特定の微生物が標的化される。例えば、大腸菌感染を治療するために用いられる製剤には、ネオマイシンなどのアミノグリコシドが組み込まれる。いくつかの態様において、微生物感染と闘うために典型的に用いられる抗生物質が用いられる。ある特定の態様において、イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、およびエタンブトールを含むが、これに限定されない抗生物質が、DMSOおよびMSMの1つまたは複数を含む製剤に組み込まれ、薬剤抵抗性感染症を含む感染症を治療するために用いられる。 いくつかの態様において、DMSO、MSM、ならびに以下の治療剤:リファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、およびエタンブトールの1つまたは複数を含む組成物が提供される。他の態様において、DMSO、ならびにリファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、およびエタンブトールの少なくとも1つを含む組成物が提供される。さらなる態様において、MSM、ならびにリファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、およびエタンブトールの少なくとも1つを含む組成物が提供される。いくつかの態様において、薬剤耐性感染症を含む感染症を治療するために、DMSOおよび/またはMSMとリファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、およびエタンブトールとの組み合わせを含む組成物が提供される。 ある態様において、リファンピシンは約400mg〜約800mg/日の1日総量で提供される。ある態様において、リファンピシンは約500mg〜約700mg/日の1日総量で提供されるが、さらに他の態様では、560mg/日、570mg/日、580mg/日、590mg/日、600mg/日、610mg/日、620mg/日、630mg/日、および640mg/日を含む、約550〜約650mg/日の1日総量で提供される。 ある態様において、イソニアジドは約100mg〜約500mg/日の1日総量で提供される。ある態様において、イソニアジドは約200mg〜約400mg/日の1日総量で提供されるが、さらに他の態様では、260mg/日、270mg/日、280mg/日、290mg/日、300mg/日、310mg/日、320mg/日、330mg/日、および340mg/日を含む、約250mg〜約350mg/日の1日総量で提供される。 ある態様において、ピラジナミドは約1.0〜約4.0g/日の1日総量で提供される。ある態様において、ピラジナミドは約2.0〜約3.0g/日の1日総量で提供されるが、さらに他の態様では、2.1g、2.2g、2.3g、および2.4gを含む約2.0〜2.5g/日の1日総量で提供される。 ある態様において、エタンブトールは約0.5〜約2.5g/日の1日総量で提供される。ある態様において、エタンブトールは約1.0〜2.0g/日の1日総量で提供されるが、さらに他の態様では、1.1g、1.2g、1.3g、および1.4gを含む、約1.0〜約1.5g/日の1日総量で提供される。 ある態様において、DMSOおよび/またはMSMを含む薬学的組成物は、H1N1などの感染症に罹患している患者を前処置するために用いられる。ある態様において、患者を前処置するために用いられるDMSOおよび/またはMSMの用量は、約10w/v%〜50w/v%である。ある態様において、前処置DMSOおよび/またはMSMの用量は、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、および34%を含む、約20%〜約40%、約25%〜35%である。ある態様において、約50%〜約100%のDMSOおよび/またはMSMが用いられる。いくつかの態様において、DMSOおよび/またはMSMによる前処置は、抗生物質が細菌活性を阻害する能力を増強する、および/または以前は有効でなかった薬物に対する薬剤抵抗株の感受性を増加させる。 ある態様において、投与前に抗菌剤がDMSOおよび/またはMSMに溶解される薬学的組成物が調製される。抗菌剤およびDMSO(ならびに任意でMSM)を吸入によって対象に投与できるので、ある特定の態様では、これは特に有利である。ある態様によれば、抗生物質に対する細菌細胞の感受性を増加させるために、吸入剤は、DMSOおよび/またはMSMを感染肺組織に直接接触させる。 1つの態様において、吸入剤は、いくつかの感染症の感染部位(例えば、肺)を標的化するために提供される。このようないくつかの態様において、吸入装置はネブライザーを含む。他の態様において、吸入器が用いられる。ある態様において、加圧定量吸入器が用いられ、製剤は液体エアロゾルの形で吸入される。他の態様において、ドライパウダー吸入器が用いられ、製剤は散剤エアロゾルの形で吸入される。いくつかの態様では、吸入療法に加えて、または吸入療法の代わりに、経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、または皮下投与が用いられる。 DMSOおよび/またはMSMと共に抗菌剤を吸入剤として(例えば、粉末エアロゾルの形で)投与する能力は、ある態様では特に有利である。なぜなら、これによって、高い自己安定性および予め包装された投薬が可能になるからである。これは、医療施設に定期的に通えない低開発国または発展途上国の人にとって特に役立つ。入院することなく、または繰り返し訪問することなく、医療関係者に一回訪問するだけで、患者に全治療コースを提供することができる。いくつかの態様において、本明細書において開示される製剤は自己投与(例えば、吸入装置による自己投与)に適しており、従って、医療を受けることが限られている患者に特に適している。 ある特定の態様において、吸入されるDMSOおよび/またはMSMの総体積は約2〜8mLである。ある態様において、吸入されるDMSOおよび/またはMSMの総体積は約2mL〜約4mLである。ある態様において、吸入されるDMSOおよび/またはMSMの総体積は約6mL〜約8mLである。さらに他の態様において、吸入されるDMSOおよび/またはMSMの総体積は、4mL、5mL、および6mLを含む、約3mL〜約7mLである。従って、ある態様において、吸入を介して投与されるDMSOの濃度は、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、および94%を含む、約65%〜約95%である。 いくつかの態様において、MSMは、吸入されるDMSOおよび抗菌化合物と共に含まれる。ある特定の態様において、吸入されるMSMの量は、吸入剤の約0.01重量%〜約70重量%である。他の態様において、吸入される製剤は、約0.01重量%〜10重量%のMSMを含有する。他の態様は、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、および70%のMSMを含む、約10〜20%のMSM、約20〜30%のMSM、約30〜40%のMSM、約40〜50%のMSM、約50〜60%のMSM、または約60〜70%のMSMを含有する。さらに他の態様は、約7〜15%のMSM、約15〜25%のMSM、約25〜35%のMSM、約35〜45%のMSM、約55〜60%のMSM、約60〜65%のMSM、または約65〜70%のMSMを含有する製剤を含む。従って、MSMを含有する吸入される製剤のある態様において、投与されるDMSOの濃度は、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、および94%を含む、約50%〜約95%である。 いくつかの態様において、MSMの使用は、同等の作用を実現するのに必要なDMSOの量を、少なくとも10%、25%、50%、もしくは100%低減するか、あるいは少なくとも1/2、1/3、1/5、1/10、1/50、もしくは1/100に低減する、および/またはDMSOの効力を、少なくとも10%、25%、50%、もしくは100%増強するか、あるいは少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、50倍、もしくは100倍に増強する。他の態様において、MSMの使用は、同等の作用を実現するのに必要な治療剤の量を、少なくとも10%、25%、50%、もしくは100%低減するか、あるいは少なくとも1/2、1/3、1/5、1/10、1/50、もしくは1/100に低減する、および/または治療剤の効力を、少なくとも10%、25%、50%、もしくは100%増強するか、あるいは少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、50倍、もしくは100倍に増強する。さらなる態様において、DMSOの使用は、同等の作用を実現するのに必要な治療剤の量を、少なくとも10%、25%、50%、もしくは100%低減するか、あるいは少なくとも1/2、1/3、1/5、1/10、1/50、もしくは1/100に低減する、および/または治療剤の効力を、少なくとも10%、25%、50%、もしくは100%増強するか、あるいは少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、50倍、もしくは100倍に増強する。さらに他の態様において、DMSOおよびMSMの使用は、DMSOもしくはMSMのみおよび/または治療剤のみと比較して、同等の作用を実現するのに必要な治療剤の量を、少なくとも10%、25%、50%、もしくは100%低減するか、あるいは少なくとも1/2、1/3、1/5、1/10、1/50、もしくは1/100に低減する、および/または治療剤の効力を、少なくとも10%、25%、50%、もしくは100%増強するか、あるいは少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、50倍、もしくは100倍に増強する。 いくつかの態様において、DMSOおよび/またはMSMと抗生物質などの治療剤を含む吸入療法の作用を増強するために、DMSOのみを含む、またはDMSOをMSMと組み合わせて含む前処置製剤が対象に静脈内投与、筋肉内投与、局所投与、または経口投与される。DMSOのみによる、またはDMSOをMSMと組み合わせた前処置は、吸入剤の治療効果を少なくとも10%、25%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、50倍、または100倍増強する。 いくつかの態様では、感染症に罹患している対象は、DMSOのみを含む製剤、DMSOのみからなる製剤、またはDMSOのみから本質的になる製剤、あるいはDMSOとMSMおよび1種もしくは複数種の治療剤、例えば、抗生物質との組み合わせを含む製剤、DMSOとMSMおよび1種もしくは複数種の治療剤、例えば、抗生物質との組み合わせからなる製剤、またはDMSOとMSMおよび1種もしくは複数種の治療剤、例えば、抗生物質との組み合わせから本質的になる製剤を用いて治療される。ある態様において、製剤は、他の治療剤、担体、または賦形剤をさらに含む。1つの態様において、製剤は、アルギニン、ビタミンD、抗酸化物質、マクロライド、リネゾリド、チオアセタゾン、チオリダジン、またはその組み合わせをさらに含む。 DMSOは、多くの材料(特に、使い捨て医療機器の製造において用いられるプラスチックおよびポリマー)の完全性を容易に破壊する。従って、本発明のいくつかの態様は、DMSOの保管および投与を容易にする装置を含む。ある態様において、DMSOはガラス瓶の中に保管され、非反応性チューブを通して投与される。他の態様において、吸入装置は、DMSO耐性になるように特別に設計されている。ある態様において、吸入装置の一部は使い捨てであるか、または交換可能である。いくつかの態様によれば、DMSOを含む製剤は、2006年9月11日に出願された国際出願番号PCT/US06/35499が国内移行した米国特許出願第12/066,480号に開示される材料および装置を用いて、製造、保管、および/または投与される。米国特許出願第12/066,480号は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。 ある特定の態様において、送達装置は、患者の肺の細気管支に到達することができる大きさの吸入製剤の液滴または粒子を送達する。ある態様において、送達装置は、製剤を細気管支に運ぶために患者の呼吸リズムと同調される。1つの態様による吸入療法は、感染した肺標的組織への吸入製剤のさらに直接的な投与を可能にする。直接標的化は、感染性微生物に対する製剤の効力を維持または改善しながら、製剤に組み込まれる抗菌化合物の量を低減することができるので、ある態様では有利である。他の態様において、直接投与は、微生物の1種または複数種の薬剤耐性株に対する、ある特定の抗菌法の効力を高める。直接標的化は、他の態様によれば、非標的化組織との接触を最小限にすることによって副作用を最小限にする。 ある態様に従って提供される小さな液滴または粒径は、従来の人工呼吸療法と比較して、投与されるDMSOおよび/またはMSMの体積を低減する。例えば、1つの態様において、吸入装置(例えば、ネブライザー)の使用は、約6mg/日〜約25mg/日のDMSOおよび/またはMSMで有効であるのに対して、ある特定の他の経路を介して投与された時には50〜100mg/日で有効である。DMSOの低減は望ましくない副作用および臭気を低減するので、ある態様では有益である。他の態様において、さらに多量のDMSOが使用および許容される。 いくつかの態様において、予想外にも、MSMの添加によって、DMSO使用で通常遭遇する不快な臭気が低減する。例えば、ある特定の態様において、DMSOおよびMSM製剤は、使用後に感じ取れるほどの臭気を生じない。DMSO濃度が50%に近い、または50%を超える他のいくつかの態様では、製剤の中でMSMと組み合わせると、DMSOに基づく臭気が低減する、または無くなる。DMSOの使用が強い不快な臭気と通常関連していることを考えれば、このような結果は予想もしなかったことである。 ある態様において、DMSOおよび/またはMSMと治療剤(例えば、抗生物質)を使用すると、小さな液滴または粒径の製造および/または投与が可能になり、それによって、液滴または粒子が患者の肺にさらに深く移動するので、口および咽頭の粘膜の炎症が低減する。ある態様において、液滴または粒子が移動する深さは、患者の肺における、溶解した抗生物質の濃度を上げる。 いくつかの態様において、DMSOおよび/またはMSM組成物は治療剤(例えば、抗生物質)と組み合わされ、局所活性のある薬物を呼吸器系に送達して呼吸器疾患を治療するためのエアロゾルとして提供される。1つの態様において、下気道が組成物と接触される(または組成物のみと接触される)。他の態様において、組成物は、病気を全身で治療するのに用いられる。全身活性のある薬物の場合、エアロゾル粒子は、肺の末梢領域にある肺胞表面に到達する大きさに作られる。 ある態様において、治療剤(例えば、抗生物質)を含むDMSOおよび/またはMSM組成物の使用は、作用開始を速めるので特に有利である。1つの態様において、吸入送達によって、大きな肺吸収面積が得られる。局所に作用する薬物の場合、ある態様では、作用開始はすぐに起こる。全身活性のある吸入製剤は、ある態様によれば、血流に素速く到達する。吸入療法を用いると、ある態様では、約1〜90分以内に治療効果が得られる。1つの態様において、DMSOおよび/またはMSMは治療剤のバイオアベイラビリティを増強する。さらなる態様において、DMSOおよび/またはMSMは治療剤の分解を低減する。別の態様において、本明細書において開示されるエアロゾル製剤は、経口治療または局所治療で起こり得る胃腸副作用または皮膚炎症を低減する。 いくつかの態様において、吸入粒子は、作用部位に到達することなく、上気道への慣性前進力(inertial impact)によって粒子が沈着するのを最小限にするような大きさである。いくつかの態様において、粒子は、口および咽頭における沈着を最小限にし、それによって、嚥下および望ましくない局所副作用または全身副作用を最小限にするような大きさである。いくつかの態様において、粒子は、2μm、5μm、または10μmより小さい。1つの態様において、粒子は約3〜5μmであり、気管支および細気管支の分岐部およびさらに小さな気道に輸送される。別の態様において、粒子は3μm未満であり、気流について肺胞の中に入る。いくつかの態様において、DMSOおよび/またはMSMを用いると、治療剤の粒径が最適化される。従って、感染症などの疾患をより効率的に治療することができる。さらに、いくつかの態様において、DMSOおよび/またはMSMを用いると、抗生物質に対する薬剤耐性微生物の感受性が増加する。 いくつかの態様において、DMSOおよび/またはMSMは、治療剤と共に溶液、混合物、エマルジョン、懸濁液、または他の適切な組み合わせを形成する。1つの態様において、治療剤をDMSOおよび/またはMSMと組み合わせるために、ホモジナイゼーション、超音波処理、高剪断液体処理、または他の機械的方法が用いられる。他の態様において、治療剤はDMSOに容易に溶解する。他の強力な溶媒と異なり、DMSOは肺組織への害はない。従って、DMSOは治療剤を溶解し、肺組織を傷つけることなく、この剤を送達することができるので、ある態様では特に有利である。ある態様において、DMSOは、治療剤の少なくとも50%、75%、90%、95%、または99%を溶解し、1つの態様では、治療剤の望ましくない沈殿を防ぐことができる。 ある態様において、感染症の蔓延を最小限にするために、医療機器、表面、および身体を衛生化するためのDMSOのみまたはDMSOとMSMとの組み合わせ、ならびに抗菌剤を含むスプレー、ゲル、またはふき取り用の布が提供される。 いくつかの態様において、感染症の治療剤として、DMSOおよび/またはMSMならびに抗菌剤を含む薬学的組成物が用いられる。 ある特定の態様において、本明細書において開示される組成物は、アシネトバクター感染症、放線菌症、アデノウイルス感染症、アフリカ睡眠病(アフリカトリパノソーマ症)、AIDS、アメーバ症、アナプラズマ症、炭疽菌、アルカノバクテリウム・ヘモリティクム(Arcanobacterium haemolyticum)感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症、アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、バベシア症、バチルス・セレウス感染症、細菌性肺炎、細菌性腟症(BV)、バクテロイデス感染症、バランチジウム症、ベイリスアスカリス感染症、BKウイルス感染症、黒色砂毛症、ブラストシスチス・ホミニス(Blastocystis hominis)感染症、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボレリア感染症、ボツリヌス症、ブラジル出血熱、ブルセラ症、バークホルデリア感染症、カリシウイルス感染症、カンピロバクター症、カンジダ症(モニリア症;鵞口瘡)、ネコひっかき病、蜂巣炎、シャーガス病、軟性下疳、水疱、クラミジア感染症、クラミジア・ニューモニエ感染症、コレラ、クロモブラストミコーシス、肝吸虫症、クロストリジウム・ディフィシル感染症、コクシジオイデス真菌症、コロラドダニ熱、感冒、クロイツフェルト・ヤコブ病、クリミア・コンゴ出血熱、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症(CLM)、シクロスポラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、メジナ虫症、エボラ出血熱、エキノコックス症、エールリヒア症、ぎょう虫症(ぎょう虫感染)、エンテロコッカス感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス、伝染性紅斑、突発性発疹、肥大吸虫症、肝蛭症、致死性家族性不眠症(FFI)、フィラリア症、食中毒、自由生活性アメーバ性感染症、フゾバクテリウム感染症、ガス壊疽(クロストリジウム性筋壊死)、ゲオトリクム症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、ジアルジア鞭毛虫症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼠径肉芽腫(ドノヴァン症)、A型連鎖球菌感染症、B型連鎖球菌感染症、インフルエンザ菌感染症、手足口病(HFMD)、ハンタウイルス、ヘリコバクター・ピロリ感染症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、腎症候性出血熱(HFRS)、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、またはE型肝炎、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒトエーリキア・エウィンギ症(Hhman ewingii ehrlichiosis)、ヒト顆粒球アナプラズマ症(human granulocytic anaplasmosis)(HGA)、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球エールリヒア症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、および膜様条虫症を含むが、これに限定されない様々な感染症を治療するのに有効である。 ある特定の態様において、本明細書において開示される製剤はまた、以下の感染症:エプスタイン-バーウイルス伝染性単核球症(Mono)、インフルエンザ(flu)、イソスポラ症、川崎病、角膜炎、キンゲラ・キンゲ(Kingella kingae)感染症、クールー、ラッサ熱、レジオネラ症、リーシュマニア症、らい病、レプトスピラ症、リステリア症、ライム病、リンパ管フィラリア、リンパ球性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱(MHF)、麻疹、類鼻疽(ウィットモア病)、髄膜炎、髄膜炎菌病、横川吸虫症、微胞子虫症、微胞子虫類、伝染性軟属腫(MC)、おたふくかぜ、発疹熱、マイコプラズマ肺炎、菌腫、ハエウジ病、新生児結膜炎、オンコセルカ症(河川盲目症)、パラコクシジオイドミコーシス(南アメリカブラストミセス症)、肺吸虫症、パスツレラ症、アタマジラミ寄生症(アタマジラミ)、コロモジラミ寄生症(コロモシラミ)、ケジラミ寄生症(プビックライス(Pubic lice)、クラブライス(Crab lice))、骨盤腹膜炎(PID)、百日咳(Pertussis)(百日咳(Whooping cough))、ペスト、肺炎球菌感染症、ニューモシスチス肺炎(PCP)、肺炎、ポリオ、ポリオウイルス、原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)、進行性多中心性白質脳症、オウム病、Q熱、狂犬病、鼠咬熱、呼吸器合胞体ウイルス、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘、リフトバレー熱(RVF)、ロッキー山紅斑熱(RMSF)、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラ症、SARS(重症急性呼吸器症候群)、疥癬、住血吸虫症、敗血症、細菌性赤痢、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、天然痘、スポロトリクス症、ブドウ球菌食中毒、ブドウ球菌感染症、糞線虫症、梅毒、条虫症、破傷風(開口障害)、須毛白癬(毛瘡)、頭部白癬(Tinea capitis)(頭部白癬(Ringworm of the Scalp))、体部白癬(Tinea corporis)(体部白癬(Ringworm of the Body))、股部白癬(たむし)、手白癬(Tinea manuum)(手白癬(Ringworm of the Hand))、黒癬、足白癬(汗疱状白癬)、爪白癬(爪真菌症)、黒なまず(癜風)、トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM))、トキソカラ症(内臓幼虫移行症(VLM))、トキソプラスマ症、旋毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症(鞭虫病感染症)、ツラレミア、ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)感染症、ベネズエラウマ脳炎、ベネズエラ出血熱、ウイルス性肺炎、西ナイル熱、白色砂毛、エルジニア症、黄熱病、および接合真菌症の1つまたは複数の治療においても有効である。 いくつかの態様において、本明細書において開示される組成物は、薬物療法に耐性のある1つまたは複数の感染症の治療において特に有効である。既に薬剤耐性になっている可能性のある、または将来、薬剤耐性になる可能性のある、前記で列挙した感染症に加えて、ある特定の態様は、麻疹、破傷風、マラリア、上気道感染症および下気道感染症、肝炎、腸チフス熱、バンコマイシン/グリコペプタイド低感受性黄色ブドウ球菌感染症、バンコマイシン耐性腸球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ならびに肺炎連鎖球菌の治療において、特に、薬剤耐性の治療において有効である。 ある態様において、感染症の治療は、患者をDMSOで前処置した後に、DMSOおよび抗菌剤を含む薬学的組成物を投与する工程を含む。他の態様において、感染症の治療は、患者をDMSOで前処置した後に、DMSO、MSM、および抗菌剤を含む製剤を投与する工程を含む。ある態様において、DMSO前処置は、ファーストドリップ(fast drip)IVカテーテルを介して静脈内投与される。他の態様において、DMSOはボーラスIV注射で与えられる。さらに他の態様では、DMSO前処置は行われない。ある態様では、前処置組成物は、MSM、治療剤、またはその組み合わせをさらに含む。 いくつかの態様において、DMSOおよび抗菌剤、またはDMSO、MSM、および抗菌剤を含む組成物が経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、または皮下投与される。しかしながら、いくつかの感染症の感染部位が肺であるので、ある態様では、製剤は吸入によって投与される。このようないくつかの態様において、吸入手段はネブライザーを含む。他の態様において、吸入器が用いられる。 いくつかの態様において、対象は、ファーストドリップによる静脈内DMSOを用いて、例えば、10分以内に、DMSOによって前処置される。1つの態様において、DMSOは、知的所有権によって保護されている非反応性チューブの付いたガラス瓶に入れて提供される。次いで、吸入器またはマウススプレーを介して、対象に、1日3回、食事と一緒に、3mL用量でDMSOに溶解した抗生物質を与える。1つの態様では、約25mg〜約75mg(例えば、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg)の範囲を5%デキストロースおよび水200mLに溶解して、DMSO前処置が提供される。1つの態様において、56mgのDMSOを5%デキストロースおよび水200mLに溶解して提供される。1つの態様において、以下の抗生物質:リファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、およびエタンブトールが提供される。1つの態様では、1日3回、3mL投与量で送達される吸入器/ネブライザーまたはマウススプレーを介して、1日に約600mgリファンピシン、300mgイソニアジド、2.4gピラジナミド、および1.2gエタンブトールが投与される。1つの態様において、DMSOで前処置して、またはDMSOで前処置せずに、吸入を介して送達するために抗生物質がDMSOと組み合わされる。いくつかの態様では、MSMによる前処置も提供される。ある態様では、DMSO、MDM、またはこれらの2つの組み合わせの静脈内前処置が提供される。ある例では、前処置製剤は治療剤を含む。 いくつかの態様において、治療をして2週間以内に、治療をして2ヶ月以内に、および/または治療をして6ヶ月以内に治療効果が得られる。他の治療可能時間域(therapeutic window)も設けられる。 ある態様において、DMSOによって前処置された患者は、静脈内DMSO前処置が無く吸入剤DMSOおよび抗生物質によって治療された人より改善を示す。ある態様において、DMSOと吸入剤DMSOおよび抗生物質によって治療された患者は、抗生物質だけで治療された患者より改善を示す。いくつかの態様において、製剤へのMSMの添加は治療効果を増強するか、または副作用を低減する。1つの態様において、前処置としてMSMのみが用いられる。 いくつかの態様において、本明細書において開示される組成物は、望ましくない症状および病気を治療するために用いられるだけでなく、予防剤として作用することもできる。例えば、病気の発症を予防するために、製剤を定期的に服用してもよい。1つの態様において、感染の発症を予防するために、リスクのある対象(例えば、感染症を有する患者に曝露された家族または対象)に、低用量のDMSOおよび/またはMSMならびに抗生物質が投与される。IV.MSMの使用方法 微生物活性を増強または阻害するなど微生物活性を調節するために、開示された任意のMSM組成物(セクションIIIに記載)を使用する方法が本明細書において開示される。例えば、微生物増殖、発酵効率、培養効率、微生物生存、またはその任意の組み合わせを増強する方法を含む、微生物活性を増強する方法が開示される。微生物の増殖(例えば、細菌増殖)または感染を阻害する方法を含む、微生物活性を阻害する方法も開示される。ある態様において、MSMは、ある微生物(例えば、プロバイオティック微生物)の活性(例えば、増殖)を選択的に増強し、望ましくない微生物活性(例えば、望ましくない細菌または真菌の活性)を阻害する。A.微生物活性を増強する方法 微生物活性を増強する方法が開示される。1つの態様において、微生物活性を増強するための方法は、微生物、微生物の増殖を支持することができる培地、および微生物活性(例えば、発酵効率、増殖、培養効率、および/または微生物生存)を増強するのに十分な量のMSMを準備する工程、ならびにMSMを培地と接触させる工程であって、それによって、培地中の微生物の増殖を増強する工程を含む。培地を微生物と接触する前、培地を微生物と接触すると同時に、または培地を微生物と接触させた後に、MSMを培地に添加できることが意図される。特定の1つの態様において、MSMは、培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.04%〜約5%の濃度で提供される。従って、ある例では、微生物増殖を増強するために、MSM(例えば、約0.5%〜約5%のMSMを含む組成物)が用いられる。例えば、発酵効率を増強するために、例えば、ビール、サイダー、ワイン、バイオ燃料、乳製品、またはその任意の組み合わせの生産に関連した発酵効率を増強するためにMSMが用いられる。いくつかの例にいて、MSMは、ビール醸造、ワイン醸造、ベーキング、ピックリング、乳製品の生産などの、微生物に頼る、ある特定の食物の生産または飲料製造プロセスを増強する。さらなる例では、診断検査試料中の1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を増強するためにMSMが用いられる。さらなる例では、微生物の培養効率および/または生存を増強するためにMSMが用いられる。i.MSMを用いて微生物の発酵効率を増強する方法 いくつかの態様において、エネルギー生産を容易にするためにMSMが用いられる。従って、微生物の発酵効率を増強する方法を含む、エネルギー生産を増強する方法が本明細書において開示される。例えば、エタノールを生産する発酵プロセスにおいて、およびメタンを生産するバイオガス反応器の中で、微生物が用いられることがある。発酵は、微生物の代謝によって有機分子または合成分子が分解されるエネルギー発生プロセスである。細菌または酵母などの、いくつかの種類の微生物は、様々な種類の農業廃棄物および都市廃棄物を使用可能な燃料に変換するのに使用することができる。微生物は、生きた微生物の燃料電池として使用することができる。ある態様において、MSMは細菌の増殖および代謝を増強する。ある態様において、MSMは細菌のエネルギー生産を増強する。ある態様において、MSMは酵母の増殖および代謝を増強する。ある態様において、MSMは酵母のエネルギー生産を増強する。 いくつかの態様において、以下:(i)正常な細胞呼吸に十分な量の酸素が存在しない時に、主に酵母が使用するエタノール発酵または他の嫌気性呼吸;(ii)発酵水素生産;(iii)産業発酵または産業用の生化学製品の他の破壊および再構築;(iv)食物の調理に用いられる、嫌気条件下での炭水化物からアルコールまたは酸への変換(例えば、パン、乳製品、豆、酢、ザウアークラウト、キムチ、魚、および豆腐);(v)ブランデー、ウイスキー、ウオッカ、ビール、ワイン、またはサイダーを作るための発酵、(vi)グルコサミンを作るための発酵;ならびに(vii)望ましくない化学物質を分解し、茶に影響を及ぼす他の化学物質、例えば、茶の香りおよび/または栄養分に影響を及ぼす他の化学物質を発生させるための、茶葉を好気的に処理するための発酵の1つまたは複数を活性化または増強するためにMSMが用いられる。 1つの態様において、微生物の発酵効率を増強する方法は、発酵能を有する微生物を含有する培地をMSMと接触させる工程を含み、ここでMSMは、培地の重量あたり約0.04%〜約5%の濃度または培地の含有水分の重量あたり約0.04%〜約5%の濃度で提供され、このMSM濃度は、MSMの非存在下での発酵効率と比較して微生物の発酵効率を増加させる。 1つの態様において、高い発酵効率は、MSMの非存在下でのアルコール生産、二酸化炭素の生産、または酸の生産と比較して、微生物によるMSMの存在下でのアルコール生産、二酸化炭素の生産、または酸の生産の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加によって示される。例えば、発酵効率を増強する方法は、ビール、サイダー、ワイン、バイオ燃料、パン、乳製品、またはその任意の組み合わせを生産するための方法である。ある例では、発酵効率の増強は、MSMの非存在下でのエタノール、メタノール、またはその組み合わせの生産と比較した、エタノール、メタノール、またはその組み合わせの生産の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加を含む。特定の1つの例において、微生物は酵母であり、発酵を増強する方法は、ビールを生産するための方法である。別の例において、微生物は藻類であり、発酵を増強する方法は、バイオ燃料を生産するための方法である。 ある態様において、発酵効率の増強は、MSMの非存在下での二酸化炭素の生産と比較して、微生物によるMSMの存在下での二酸化炭素の生産の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加を含む。ある特定の例において、微生物は酵母であり、発酵を増強する方法は、パンを生産するための方法である。 さらなる態様において、培養乳製品、例えば、ヨーグルト、乳、チーズなどの生産における発酵プロセスを制御するためにMSMが用いられる。例えば、発酵効率を増強する方法は、MSMの非存在下での乳酸生産と比較して、微生物によるMSMの存在下での乳酸生産の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加を含む。 ある態様において、発酵効率を増強するのに有効なMSM濃度は、培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.04%〜約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.3%、約0.5%、約0.7%、約1%、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3.0%、約4%、または約4.5%を含む、約0.04%〜約5%、例えば、約0.1%〜約4%、0.5%〜約3%、約1%〜約2%である。ある態様において、MSMは、家庭用または商業用の迅速または急速に活性化する酵母を作製するために、酵母包装容器に添加される。 ある例では、微生物の効率を増強する方法のための培地は、培地の総含有水分量の5%未満の塩化ナトリウム濃度、例えば、0%、0.1%、0.3%、0.5%、0.75%、1%、2%、2.5%、3%、または4%を含む約1%〜約3%の塩化ナトリウムを含む。 ある特定の1つの態様において、ビールを作るためにMSMが用いられる。ビールの生産には、発酵プロセスの間にエタノールおよび二酸化炭素を発生する酵母培養が関与する。ある例では、酵母培養の活性化を加速もしくは容易にするために、発酵を増強するために、潜在的な環境汚染(例えば、望ましくない空中浮遊微生物からの環境汚染)を低減するために、またはその組み合わせのためにMSMが用いられる。例えば、酵母を活性化する効率の増加(例えば、スタータープロセスの効率の増加)、発酵プロセスの効率の増加、またはその組み合わせは、対照(例えば、MSMの非存在下での、これらのプロセスの効率)と比較して、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加によって示される。 いくつかの態様において、藻類使用からのバイオ燃料の生成に関連した発酵プロセスを含む藻類の活性を増強するためにMSMが用いられる。1つの態様において、これは、植物油、バイオディーゼル、バイオエタノール、バイオガソリン、バイオメタノール、バイオブタノール、および/または他のバイオ燃料を作るための藻類養殖(algaculture)(藻類の養殖)に特に有益である。1つの態様において、MSMの添加は、藻類の増殖速度を、約25%、約30%、約40%、約50%、約100%、約200%、約300%、約400%、約500%、またはそれより高く増加させる。MSMは、藻類の活性(例えば、藻類の増殖)を増強することによって、バイオ燃料の生産が拡張可能になる、経済的な競争力が強くなる、および/または商業的に採算がとれる可能性があるので特に有利な場合がある。1つの態様において、MSMは、藻類製品が収穫され、バイオディーゼルに変換されるプロセスを増強する。他の態様において、MSMは、藻類の炭水化物内容物がバイオエタノールおよびバイオブタノールに発酵されるプロセスを増強する。ある態様において、MSMは、(i)藻類収量を増加させることによって、(ii)さらに頑丈な藻類コロニーを形成することによって、(iii)収穫までの時間を短縮することによって、(iv)発酵時間を短縮することによって、(v)発酵を増強することによって、ならびに/または藻類の成長、複製、増殖、生存率、代謝、生命力、頑強さ、行動、および/もしくは機能を他の方法で支持もしくは増強することによって藻類プロセスを増強する。いくつかの態様によれば、ボトリオコッカス・ブラウニ(Botryococcus braunii)、クロレラ属(Chlorella)、ドウナリエラ・テルチオレクタ(Dunaliella tertiolecta)、グラシラリア属(Gracilaria)、プレウロクリシス・カルテラエ(Pleurochrysis carterae)、およびホンダワラ属(Sargassum)を含むが、これに限定されない藻類がMSMによって増強される。ii.MSMを用いて微生物増殖を増強する方法 ある態様において、MSMがある特定の微生物(例えば、プロバイオティック)の増殖を促進するので、MSMの添加は特に有利である。ある態様において、MSMを含む培地組成物を用いて増殖させた微生物は、MSMを含まない比較可能な組成物と比較して速い増殖速度曲線を有する。ある態様において、MSMを含む組成物を用いて増殖させた微生物は、MSMを含まない比較可能な組成物と比較して高い全集団密度を有する。ある特定の態様において、MSMは、1種または複数種の微生物の同時増殖を大幅に増強する。ある態様において、微生物活性を増強するために、MSM組成物を添加した培地(例えば、セクションIIIにおいて示された微生物増殖を増強するための、約0.4%〜約5%の濃度範囲または任意のMSM組成物)は微生物の増殖を増強する。 微生物の中には嫌気性生物(嫌気菌)がある。嫌気菌は増殖のために酸素を必要としない。発酵および/または培養のために嫌気菌が用いられてもよい。ある態様において、MSMは、特に、ビフィドバクテリウム属などの嫌気菌に良い影響を及ぼす。このようないくつかの態様において、MSMは、他の微生物より嫌気菌の増殖に良い影響を及ぼす。他の態様において、MSMは、他の微生物と比較して好気性細菌の増殖に良い影響を及ぼす。さらに他の態様において、MSMの存在は好気菌および嫌気菌の両方に良い影響を及ぼす。 細菌は、一般的に、その細胞壁の構造に応じてグラム陽性またはグラム陰性と分類することができる。グラム陰性細菌には、大腸菌、シュードモナス属(Pseudomonas)、サルモネラ属、赤痢菌属、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、シュードモナス属、モラクセラ属(Moraxella)、ヘリコバクター属、ステノトロホモナス属(Stenotrophomonas)、ブデロビブリオ属(Bdellovibrio)、酢酸細菌、レジオネラ属、アルファプロテオバクテリア(alpha-proteobacteria)、ラン藻類、スピロヘータ、緑色硫黄細菌、および緑色非硫黄細菌が含まれるが、これに限定されない。腸内細菌は棒状のグラム陰性細菌である。大部分は、ヒトおよび他の動物の腸の中で正常にまたは病原性をもって発生する。ある態様において、MSMは、グラム陽性細菌の増殖に良い影響を及ぼす。他の態様において、MSMは、グラム陰性細菌の増殖に良い影響を及ぼす。このようないくつかの態様において、MSMは、グラム陰性細菌に対して、グラム陽性細菌より良い影響を及ぼす。他の態様において、MSMは、グラム陽性細菌に対して、グラム陰性細菌より良い影響を及ぼす。さらに他の態様では、MSMは、グラム陰性細菌およびグラム陽性細菌の両方に良い影響を及ぼす。 プロバイオティックは、宿主生物の健康によいと考えられている生きた微生物を含む。乳酸菌(LAB)およびビフィドバクテリウム属はプロバイオティックとして用いられる、よくみられるタイプの微生物である。ある特定の酵母および桿菌も用いられる。いくつかの態様において、少なくとも1種類のプロバイオティックの生存または増殖を増強するためにMSMが用いられる。プロバイオティック生物の生存に対する作用は、ある態様に従って、3つのポイント:生存能力、コロニー形成、および乳酸生産で測定することができる。胃腸管の健康の維持において効果を示すために、プロバイオティック細菌は生存できなければならない。多くの場合、到達した時に死んでいる細菌から利益が得られない。従って、ある態様において、MSMはプロバイオティックの生存に良い影響を及ぼす。ある特定の態様において、MSMは、細菌が新しい環境に曝露された時の初期生存を改善する。従って、このような態様において、プロバイオティックおよびMSMを含む製品は、消化管の中で、プロバイオティック製品のみと比較して大きなもしくは活性な(またはその両方)プロバイオティック細菌集団を確立する。ある特定の態様において、MSMはプロバイオティックの長期生存を改善する。従って、このような態様において、プロバイオティックおよびMSMを含む製品は、消化管の中で、プロバイオティック製品のみと比較して、長続きし、かつ増殖に基づいて大きなプロバイオティック細菌集団を確立する。生きたままで消化管に到達するプロバイオティック細菌のうち、一般的に、消化管の中でコロニー形成する(増殖する)プロバイオティック細菌から利益が得られる。従って、いくつかの態様において、MSMはプロバイオティック増殖の速度および頻度を改善する。さらに他の態様において、MSMは乳酸生産を増加させる。 ある態様において、MSMはプロバイオティック増殖に良い影響を及ぼす。ある態様において、MSMは胃腸管の微生物フローラに良い影響を及ぼす。このようないくつかの態様において、MSMは、腸の健康に良い影響を及ぼす。ある態様において、プロバイオティックを含有する食物にMSMを添加し、腸管の中で実現した、結果として生じたプロバイオティックレベルは、プロバイオティック含有食物のみを摂取した後より高い。このようないくつかの態様において、MSMを添加すると、プロバイオティック含有食物のみ摂取した時と比較して短い時間枠で高レベルのプロバイオティック生物が得られる。ある態様において、MSMがプロバイオティックの寿命を延ばすので、作用が観察される前に24〜48時間必要なプロバイオティックの効果がさらに高まる。 細菌増殖には、典型的に、細菌が環境に順応する初期誘導期があり、この後に、細胞が倍加する対数期に進む。対数期の後に、定常期がある。定常期の間、栄養枯渇および代謝副産物蓄積の結果として増殖速度は遅くなる。微生物が利用可能な資源を使い果たし始めた時に、この期に達する。微生物増殖速度が微生物死滅速度と等しくなるので、この期は比較的一定した値である。死滅期では、典型的には、細菌は栄養分を使い果たし、菌数は減少する。 ある態様において、MSMは、誘導期、対数期、定常期、死滅期、またはその任意の組み合わせに影響を及ぼす。ある特定の態様において、MSMは誘導期を短縮し、その結果、プロバイオティック細菌などの細菌はさらに早い時間で対数期を開始する。いくつかの態様において、MSMは定常期を延ばす。ある特定の態様において、MSMの存在下で死滅速度は遅くなる。本明細書に記載の開示の特定の態様は、プロバイオティック細菌の増殖の1つまたは複数の期に良い影響を及ぼし、ある特定の態様では、プロバイオティック細菌の増殖の全ての期に良い影響を及ぼす。 ある態様において、MSMは、誘導期にある微生物(例えば、プロバイオティック)の代謝に影響を及ぼす。誘導期の間、微生物は成熟しつつある(サイズが大きくなりつつある)が、分裂できない(従って、数が増えない)。微生物増殖サイクルの誘導期の間に、RNA、酵素、および他の分子の合成が起こる。ある態様において、MSMは、微生物の成熟(および環境ストレッサーへの微生物の適応)を促進することによって誘導期の期間を短くし、それによって、MSMを含まない培地より早く微生物分裂が起こる。 ある態様において、MSMが添加されると、微生物の増殖(例えば、プロバイオティック)の対数期が長くなる。増殖の指数増殖期(時として対数期と呼ばれる)は細胞倍加を特徴とする期間である。単位時間当たりに現われる新たな微生物の数は、存在する集団に比例する。増殖が制限されなければ、倍加は一定の速度で続き、それぞれの連続した期間に伴って細胞数および集団増加速度が倍加する。しかしながら、培地から栄養分がすぐに枯渇し、培地の中に廃棄物が増えるので、指数増殖は無限に続かない。ある態様において、MSMは指数増殖期の全期間を延ばす。他の態様において、増殖培地にMSMが存在すると、MSMを含まない培地の中の微生物より、微生物の指数増殖期への移行がさらに素速く促される。MSM添加培地を用いた初期増殖環境は細胞の増殖および生存を促すことができる。 いくつかの態様において、MSMは、微生物(例えば、プロバイオティック)増殖の定常期に影響を及ぼす。一例では、培地にMSMが添加されると、MSMを含まない培地と比較して微生物の定常期が延びる。 ある態様において、MSMはプロバイオティック増殖を増強し、その結果として、望ましくない微生物を締め出し、望ましくない微生物から栄養分を奪う。他の態様において、MSMはプロバイオティックの活性を増強し、その結果として、乳酸生産および酢酸生産を増強して環境pHを下げ、望ましくない細菌の活性を阻害する。さらなる態様において、MSMはプロバイオティックの活性を増強し、その結果として、免疫調節剤(例えば、サイトカイン)の生産を刺激し、それによって、免疫応答を増強する。ある特定の態様において、MSMはプロバイオティックの活性を増強し、その結果として、望ましくない微生物汚染に関する殺菌活性を増強する。1つの態様において、MSMは、望ましくない微生物より速い速度でプロバイオティック増殖を増強し、それによって、プロバイオティックは環境(例えば、食品、腸管)において優先的にコロニー形成することができる。 特定の理論に拘束されるものではないが、いくつかの態様において、MSMは、微生物代謝に対して生化学的な影響を及ぼす。例えば、ある態様において、MSMの添加は、ある特定の微生物が環境変化によく適応できるように、および/または環境変化からよく回復できるように、ある特定の微生物の代謝に良い影響を及ぼす。ある態様において、MSMは、微生物代謝および/またはアナプレロティック(anapleurotic)生化学経路の基質または補因子として役立つ。ある態様において、MSMは増殖の誘導期に良い影響を及ぼす。ある態様において、MSMは微生物増殖の対数期を延ばす。なおさらなる態様において、MSMは微生物増殖の定常期の期間を延ばす。ある態様において、MSMは、ある特定の微生物の集団減少速度を遅くする。ある特定の態様において、MSMは、選択的または半選択的な増殖環境を提供し、その結果、ある特定の微生物種は他の微生物種と比較して迅速に増殖する(もしくは大きな集団サイズに達する、またはその両方である)。ある特定の態様において、MSMは微生物の代謝活性に影響を及ぼすのに対して、他の態様では、MSMは、微生物増殖を促す環境を作り出す。 従って、微生物増殖を増強する方法が提供される。ある態様において、微生物増殖を増強する方法は、1種または複数種の微生物の増殖を増強するためのインビトロ方法を含む。一例では、1種または複数種の微生物の増殖を増強するためのインビトロ方法は、1種または複数種の微生物を、1種または複数種の微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程;および培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.4%〜約5%のMSMを培地に提供する工程であって、それによって、MSMの非存在下でのインビトロで1種または複数種の微生物の増殖と比較して、インビトロで1種または複数種の微生物の増殖を増強する工程を含む。インビボで望ましい微生物(例えば、プロバイオティック)の増殖を増強するために、類似の方法を使用できることが意図される。例えば、微生物増殖の増加は、微生物(microrganism)の重量または細胞数の増加、例えば、対照(例えば、MSMの非存在下での微生物の重量または細胞数)と比較して約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加によって示される。微生物増殖の増加は、実施例に記載の方法を含む、当業者に公知の方法によって検出することができる。a.プロバイオティック微生物の増殖を増強するための方法 1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を増強するための方法が開示される。例えば、1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を増強する方法は、1種または複数種のプロバイオティック微生物を、1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程;および培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.4%〜約5%のMSMを培地に提供する工程であって、それによって、MSMの非存在下での1種または複数種の微生物の増殖と比較して、1種または複数種の微生物の増殖を増強する工程を含む。一例では、MSM濃度は、培地または培地の含有水分の重量の約1%〜約3%である。プロバイオティック増殖の増加は、対照(例えば、MSMの非存在下での細胞増殖)と比較して、細胞増殖の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加によって示される。 ある例では、微生物の増殖、例えば、プロバイオティックの増殖を増強するための培地には、プロバイオティック含有製品、例えば、乳、ヨーグルト、ライスヨーグルト、フローズンヨーグルト、チョコレート、チーズ、ビール、ワイン、酢、ザウアークラウト、またはその任意の組み合わせが含まれる。 前記方法は、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・デルブリュッキ、バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・ラムノサス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、またはその任意の組み合わせを含むが、これに限定されない任意のプロバイオティック微生物の増殖を増強するために使用できることが意図される。1つの態様において、開示された方法は、細菌ラクトバチルス・ラムノサスの活性を増強するのに用いられる。他の態様において、開示された方法は、ラクトバチルス属の中の種の活性を増強するのに用いられる。例えば、ラクトバチルス・アシドフィルスの活性(例えば、増殖)を増強する方法は、ラクトバチルス・アシドフィルスを、ラクトバチルス・アシドフィルスの増殖を支持することができる培地と接触させる工程;培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約1%未満(例えば、約0.04%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.75%、0.8%、または0.9%)のMSMを培地に提供する工程であって、それによって、MSMの非存在下でのラクトバチルス・アシドフィルスの増殖と比較してラクトバチルス・アシドフィルスの増殖を増強する工程を含む。 他の態様において、開示された方法は、ビフィドバクテリウム・ビフィダムの活性を増強するのに用いられる。例えば、ビフィドバクテリウム・ビフィダムの活性(例えば、増殖)を増強する方法は、ビフィドバクテリウム・ビフィダムを、ビフィドバクテリウム・ビフィダムの増殖を支持することができる培地と接触させる工程;および培地または培地の含有水分の重量の約1%未満(例えば、約0.04%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.75%、0.8%、または0.9%)のMSMを培地に提供する工程であって、それによって、MSMの非存在下でのビフィドバクテリウム・ビフィダムの増殖と比較してビフィドバクテリウム・ビフィダムの増殖を増強する工程を含む。 プロバイオティック増殖の増加は、対照(例えば、MSMの非存在下でのプロバイオティック微生物の重量または細胞数)と比較して約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加を含む、プロバイオティック微生物の重量またはこのようなプロバイオティック微生物の細胞数の増加によって示される。プロバイオティック微生物の増殖の増加は、実施例に記載の方法を含む、当業者に公知の方法によって検出することができる。b.診断検査試料または産業用試験試料の中の微生物の増殖を増強するための方法 診断検査試料または産業用試験試料の中の微生物の増殖を増強するための方法が開示される。1つの態様において、診断検査試料の中の微生物の増殖を増強するための方法が提供される。一例では、前記方法は、1種または複数種の微生物を含む診断検査試料(例えば、血液、組織、擦過標本、体液、および代謝産物など)を、1種または複数種の微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程;ならびに微生物増殖を増強するのに十分な濃度のMSMを培地に提供する工程であって、それによって、MSMの非存在下での1種または複数種の微生物の増殖と比較して、診断検査試料の中の1種または複数種の微生物の増殖を増強する工程を含む。 ある態様において、産業用試験試料の中の微生物の増殖を増強するための方法が提供される。一例では、前記方法は、1種または複数種の微生物を含む産業用試験試料(例えば、水試料、家庭の糸状菌試料または細菌試料、および他の同様の試料)を、1種または複数種の微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程;ならびに微生物増殖を増強するのに十分な濃度のMSMを培地に提供する工程であって、それによって、MSMの非存在下での1種または複数種の微生物の増殖と比較して、産業用試験試料の中の1種または複数種の微生物の増殖を増強する工程を含む。 いくつかの態様において、MSMは、診断アッセイまたは産業用試験試料アッセイを容易にするために組成物の中に、例えば、試料の重量または試料の含有水分の重量あたり約0.04%〜約5%の濃度で提供される。ある態様において、MSMは、診断アッセイまたは産業用試験試料アッセイを容易にするために組成物の中に、例えば、セクションIIIに記載の微生物活性を増強することができる任意のMSM組成物の中に提供される。ある特定の態様において、MSMは、微生物を含む診断検査試料または産業用試験試料に直接添加される。 本明細書に記載のいくつかの態様によれば、MSMは、検出時間および/または分析時間を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%短縮することができる。本明細書に記載のいくつかの態様によれば、MSMは、微生物活性(例えば、増殖)を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、2倍、5倍、100倍、500倍、または1000倍増強することができる。例えば、微生物増殖の増加は、対照(例えば、MSMの非存在下での微生物の重量または細胞数)と比較して約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加を含む、微生物の重量またはこのような微生物の細胞数の増加によって示される。微生物増殖の増加は、実施例に記載の方法を含む、当業者に公知の方法によって検出することができる。 いくつかの態様では、尿または血液試料などの医療用スクリーニング試験および迅速な診断検査と共にMSMが用いられる。多くの場合、診断検査は、可能性のある微生物感染を特定するために行われる。細菌、ウイルス、糸状菌、および酵母を含む、いくつかの微生物グループが感染の原因となることがある。微生物が発見されたら、感染症の治療において、どの抗生物質が有効であり得るか確かめるために、さらなる試験が行われる。このような感染を可能な限り早期に診断するために、ある態様では、患者試料中の微生物の増殖速度を速め、それによって、検査の検出時間を改善するために、MSMを用いて、診断検査において用いられる増殖培地を補う。ある態様において、MSMは、診断検査の検出感度を増強することができる。ある態様において、診断検査は尿検査である。ある態様において、診断検査は血液検査である。他の態様において、痰、唾液、皮膚擦過標本、歯科スワブ、腟スワブまたは子宮頸部スワブなどの他の患者試料を診断目的に増殖することができる。1つの態様において、迅速なストレプトコッカス属(strep)検査を提供するためにMSMが用いられる。例えば、体液試料(診断検査試料)が試験管または培養ディッシュ(培地)に添加される。培地は、体液に存在する可能性のある全ての微生物の培養を支持する。MSMが予め加えられた培地を提供することによって、あるいは試験管もしくは培養ディッシュに体液を加える前、または試験管もしくは培養ディッシュに体液を加えた後にMSMを添加することによって、体液中の微生物(またはアッセイ可能な産物もしくは代謝産物)は増加し、アッセイがさらに簡単になるだろう。従って、診断は容易になる。 いくつかの態様において、MSMの使用は、診断アッセイ用のウイルス増殖を支持することによってウイルス感染の医療診断を容易にする。ウイルスには、ヒト免疫不全症ウイルス、単純ヘルペスウイルス、パピローマウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、および他のウイルスが含まれるが、これに限定されない。同様に、いくつかの態様によれば、細菌、真菌、酵母、および寄生生物によって引き起こされる感染などの他の感染の医療診断もMSMによって容易にされる。1つの態様において、MSMの使用はワクチン開発を容易になる。 いくつかの態様において、商業試験または産業試験における微生物の検出を増強するためにMSMが用いられる。微生物は、よくみられる水汚染物質である。多くの水安全性試験キットは、米環境保護局(EPA)試験法によって、特に、細菌の存在を試験することによって飲料水の質を評価する。家庭、オフィス、および学校の環境において発見される糸状菌は肺障害およびアレルギー症状と結び付けられてきた。しかしながら、細菌または糸状菌を検出するのに用いられる試験の中には分析に時間がかかるものもあり、さらに、生存可能な(生きている)生物しか検出しないものもある。従って、いくつかの態様において、商業的検出試験において用いられる増殖培地を補うためにMSMが用いられる。ある態様において、MSM添加培地は試験の検出時間を改善する。ある態様において、MSM添加培地は、このような試験の検出感度を改善する。ある特定の態様において、MSMは、以前では生存できなかった、環境ストレスを受けた細菌を回復させる。なおさらなる態様において、ある特定の微生物の検出に関する試験の検出時間または感度を増強するために、微生物特異的なMSM添加培地を含む診断検査キットが用いられる。他の態様において、様々な微生物が迅速に、または高感度で検出されるように、広域増殖培地を補うためにMSMが用いられる。iii.MSMを用いて微生物および細胞の生存能力を増強するための方法 微生物(プロバイオティック微生物を含むが、これに限定されない)または細胞(例えば、幹細胞もしくは組換え細胞)の生存能力を増強するための方法が開示される。例えば、微生物または細胞、例えば、培養中の細胞の生存能力を増強する方法は、1種または複数種の微生物または選択された細胞を、培地の重量または培地の含有水分の重量あたり約0.4%〜約5%のMSMと接触させる工程であって、それによって、MSMの非存在下での1種または複数種の微生物または細胞の集まりの生存能力と比較して、1種または複数種の微生物または細胞の集まりの生存能力を増強する工程を含む。一例では、MSM濃度は、培地または培地の含有水分の重量の約1%〜約3%である。生存能力の増加は、対照(例えば、MSMの非存在下でのコロニーまたは細胞数)と比較して、コロニーまたは細胞数の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加によって示される。 いくつかの態様によれば、MSMは、微生物(プロバイオティック微生物を含むが、これに限定されない)の初期生存を改善する。1つの態様において、MSMは微生物の長期生存を改善する。1つの態様において、MSMは微生物の増殖曲線の定常期を延ばす。 いくつかの態様において、MSMは、MSMを含まない製品と比較して、有益な細菌の寿命を延ばすことによって製品の貯蔵寿命を延ばす。例えば、プロバイオティックを含有する製品の貯蔵寿命は数週間の場合があり、この後に、プロバイオティック生物は活性状態および/または菌数が低下し始める。しかしながら、ある態様において、プロバイオティックを含有する製品にMSMを添加すると、製品パッケージングからプロバイオティックの活性状態および/または菌数が低下するまでの時間の長さが延びる。このような態様において、プロバイオティック製品は、パッケージング後、さらに長期間にわたって(活性でありかつ活動的なプロバイオティックの集団を消費者の胃腸管に送達する点で)機能する。 いくつかの態様において、MSMの添加は、有益な微生物活性を支持または増強することによって、摂取可能な製品が腐敗するまでの時間を延ばし、結果として、望ましくない微生物活性が減少する。例えば、MSMは、プロバイオティック製品などの食品の貯蔵寿命を約10%〜100%(例えば、20%、30%、40%、50%、75%、150%、200%、またはそれより長く)延ばすことができる。例えば、1つの態様において、食品の貯蔵寿命が10日であれば、MSMの添加によって、ある態様では、貯蔵寿命は少なくとも11日(例えば、11日、14日、15日、20日、または25日)延びる。さらなる例として、別の態様において、食品の貯蔵寿命が室温で14日、および/または冷蔵庫の中で30日、および/または冷凍庫の中で3ヶ月であれば、MSMの添加によって、貯蔵寿命は室温で30日、および/または冷蔵庫の中で60日、および/または冷凍庫の中で6ヶ月まで延びる。ある態様では、予想外にも、MSMの使用によって有益な微生物活性が増強し、望ましくない細菌の活性が(直接的または間接的に)阻害され、それによって、滅菌(例えば、照射、濾過、加熱、化学薬品などによる滅菌)の必要性が小さくなる、または滅菌の必要性が無くなる。 ある態様において、遺伝子ベクター、例えば、組換え細胞の中の組換えウイルスベクターの活性を増強するためにMSMが提供される。これは、診断剤ならびに治療剤、例えば、遺伝子療法に有益な場合がある。ある態様において、1つまたは複数のプラスミドベクター、バイナリーベクター、クローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、およびウイルスベクターの活性(例えば、増殖、培養、または生存率)を増強するためにMSMが用いられる。従って、遺伝子療法の1つまたは複数のプロセス(例えば、組換え細胞または微生物の発現、増殖、または生存能力)を増強し、それによって、遺伝子療法の有効性を増加することができる濃度(例えば、約0.04%〜約5%MSMの濃度)のMSMを用いて組換え細胞または微生物を処理することにより、遺伝子療法に関連した1つまたは複数のプロセスが増強または増大している、遺伝子療法を増強するための方法が開示される。iv.MSMを用いて培養効率を増強する方法 MSMを用いて培養効率を増強する方法が本明細書において開示される。1つの態様において、抗生物質、ステロイド、細胞(例えば、組換えおよび野生型)、微生物、ならびに肥料の培養効率の増強を含むが、これに限定されない様々なタイプの培養物を増強するための方法が提供される。例えば、いくつかの態様において、微生物生物の成長または増殖に用いられる培養培地を補うためにMSMが用いられる。いくつかの態様において、MSM添加培地は細胞増殖を増強することによって培養効率を増強する。 ある態様において、培養効率を増強する方法は、環境分野および産業分野において微生物活性を増強/促進する工程を含む。微生物は炭素サイクルおよび窒素サイクルなどの元素サイクルに関与し、分解によって廃棄物および/または他の生物の遺物を再利用するなど実質的に全ての生態系において他の重要な役割も果たす。従って、ある態様において、MSMの使用は廃棄物の分解および廃棄物の管理を増強することができる。産業用廃水を処理するための多くの生物学的酸化プロセスでは、酸素(または空気)および微生物作用が良く用いられる。下水および産業用廃棄流出液の生物学的処理では、特別に培養した微生物が用いられる。これはバイオオーギュメンテーションとして知られるプロセスである。バイオオーギュメンテーションは、インサイチュー微生物が汚染物質を分解できるようにするために用いられる。ある態様において、MSMは、ある特定の微生物による汚染物質分解を増強する。ある態様において、MSMは、有益な微生物活性を増強するために、土、肥料、およびコンポスト容器などの園芸製品に添加される。従って、MSMは、肥料およびコンポスト反応の効率を高めるために用いられる。 1つの態様において、肥料の効率を増強するための方法は、肥料の活性を増強するのに十分な量のMSMを培地に添加する工程であって、それによって、肥料の活性を増強する工程を含む。特定の1つの態様では、MSMは、約0.04%〜約5%の最終濃度まで溶液に溶解される。次いで、肥料の前に、肥料の後に、または肥料と同時に、この溶液を植物表面に噴霧する。肥料効率の増加は、対照(例えば、MSMの非存在下での植物成長)と比較して、植物成長の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加によって示される。 別の態様において、コンポスト化の効率を増強するための方法が開示される。この方法は、コンポストに存在する1種または複数種の微生物または物質の活性を増強するのに十分な量のMSMをコンポストに適用する工程を含む。特定の1つの態様において、MSMは、約0.04%〜約5%の最終濃度まで溶液に溶解される。次いで、この溶液は、(例えば、溶液を注ぐことによって、または噴霧することによって)コンポストに適用され、コンポスト化の効率を増強するのに十分な時間がとられる。コンポスト効率の増加は、対照(例えば、MSMの非存在下での硝酸塩レベル)と比較して、硝酸塩レベルの約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の増加を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加によって示される。他の例において、コンポスト効率の増加は、対照(例えば、MSMの非存在下での分解速度)と比較して、有機物が分解される時間の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の減少を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の増加、約30%〜50%の増加によって示される。B.微生物活性を阻害する方法 微生物活性を阻害する方法が開示される。1つの態様において、微生物活性を阻害する方法は、汚染されやすい培地を選択する工程;および培地を、約6w/v%〜約16 w/v%の濃度のMSMと接触させる工程であって、それによって、対照における微生物活性(例えば、MSMの非存在下での微生物活性)と比較して微生物活性を阻害する工程を含む。対照(例えば、MSMの非存在下での微生物活性)と比較して、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の減少を含む、少なくとも10%、例えば、約20%〜80%の減少、約30%〜50%の減少である。 ある態様において、微生物活性を阻害する方法は、細菌に汚染されやすい培地を選択する工程;および培地を、約6w/v%〜約16w/v%の濃度のMSMと接触させる工程であって、それによって、細菌活性を阻害する工程を含む。ある態様において、微生物活性を阻害する方法は、ウイルスに汚染されやすい(例えば、ヒト免疫不全症ウイルス、H1N1、単純ヘルペスウイルス、パピローマウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または他の同様のウイルスに汚染されやすい)培地を選択する工程;および培地を、約6w/v%〜約16 w/v%の濃度のMSMと接触させる工程であって、それによって、ウイルス活性を阻害する工程を含む。 特定の1つの例において、微生物活性を阻害する方法は、H1N1インフルエンザによる汚染を受けやすい培地を選択する工程;および培地を、約10 w/v%〜約16w/v%の濃度のMSMと接触させる工程であって、それによって、H1N1インフルエンザの微生物活性を阻害する工程を含む。ある態様において、MSMは、H1N1インフルエンザの増殖速度を低減することによって微生物活性を阻害する。微生物活性の阻害は、対照(例えば、MSMの非存在下でのH1N1インフルエンザの活性または感染性)と比較して、H1N1インフルエンザの増殖または感染性の少なくとも10%、例えば、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約300%の減少によって示される。 いくつかの態様において、前記方法は、製品の総重量または総含有水分量の約8(重量)%またはそれより多いMSMを含む。ある特定の態様において、MSMは、約5%〜約16%の濃度で用いられた時に有効な抗菌剤である。ある特定の態様において、MSMは、(製品の総重量または総含有水分量に基づいて)約9%〜約16%、約10%〜約16%、約12%〜約16%、約9%〜約13%、および約10%〜約12%の濃度で用いられた時に有効な抗菌剤である。ある特定の態様において、MSMは、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、および15%を含む、約5%〜約16%の濃度で用いられた時に有効な抗菌剤である。本明細書において開示される、いくつかの態様において、MSMのパーセントは製品の含有水分量に基づく。ある態様において、MSMは、水または他の液体成分と組み合わされた時に特に有効である。いくつかの態様において、本明細書において提供されるMSMのパーセントは、製品または他の培地における極性溶媒の量に基づく。 ある態様において、微生物活性を阻害する開示された方法は、特定の微生物の増殖の阻害を含む。ある例では、前記方法は、ある特定の培地または製品にある広範囲の微生物の増殖を阻害する工程を含む。ある態様において、最初の24時間後に対数スケールの低減が認められる。他のある態様では、24〜48時間以内に大きな対数スケールの低減が明らかになる。ある態様において、開示された方法は、2週間以内に約0.5log〜約5logまたはそれより多い微生物(例えば、細菌)レベルを低減するMSM製剤を含む。ある態様において、微生物活性を阻害する開示された方法は、約1log低減〜約3log以上の低減の対数低減またはそれより多い低減をもたらす。他の態様において、微生物活性を阻害する開示された方法は、ある特定の微生物の増殖を致死的に阻害する。1つの態様において、約12%〜約16%のMSMの製剤を用いる方法は、約48時間以内に、ある特定の微生物(例えば、細菌)を致死的に死滅させる。別の態様において、約8%〜約12%のMSMを含む製剤は、約3〜7日以内に、ある特定の微生物(例えば、細菌)を致死的に死滅させる。他の態様において、前記方法は、少量の従来の防腐剤と組み合わせた約5%〜約8%のMSMの製剤を使用し、これは、約48時間以内に、ある特定の微生物(例えば、細菌)を致死的に死滅させる。高い防腐剤濃度を用いると、MSMレベルをさらに下げることができる。 ある態様において、開示された、MSM(例えば、約6%〜約16%のMSM)を用いて微生物活性を阻害する方法は誘導期の微生物に影響を及ぼす。例えば、開示された方法は誘導期の期間を延ばす。誘導期の延長などの変化は、実施例に記載の方法を含む、当業者に公知の方法によって検出することができる。 ある態様において、MSMが補われると、微生物の増殖の対数期が短くなる。増殖の指数増殖期(時として対数期と呼ばれる)は細胞倍加を特徴とする期間である。単位時間当たりに現われる新たな微生物の数は、現在ある集団に比例する。増殖が制限されなければ、倍加は一定の速度で続き、それぞれの連続した期間に伴って細胞数および集団増加速度が倍加する。しかしながら、培地から栄養分がすぐに枯渇し、培地の中に廃棄物が増えるので、指数増殖は無限に続かない。ある態様において、MSMは指数増殖期の全期間を短くする。他の態様において、増殖培地にMSMが存在すると、微生物の指数増殖期への移行が阻害される。 いくつかの態様において、微生物活性を阻害する開示された方法は、微生物増殖の定常期を調節する工程を含む。定常期の間、栄養枯渇および代謝副産物蓄積の結果として、増殖速度は遅くなる。微生物が利用可能な資源を使い果たし始める時に、この期に達する。微生物増殖速度が微生物死滅速度と等しくなるので、この期は比較的一定した値である。1つの態様において、ある特定の濃度のMSMを培地に補うと微生物の定常期が短くなる。 培地は、化粧品、ブロス、寒天、培養物、食物、飲料、細胞懸濁液、生物学的組織、生物学的液体、無機表面、有機表面、培養基、生細胞、宿主細胞、診断アッセイ、および他の固体環境、液体環境、マトリックス環境、ゼラチン状環境、または気体環境を含むが、これに限定されない、汚染を含有する、または汚染を支持するのに適した任意の培地または環境を含むことが意図される。ある例では、培地は体液、身体組織、または表面である。 ある態様において、培地と接触させる工程は、微生物に汚染されやすい培地へのMSMの局所投与、経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、または皮下投与を含む。他の態様において、培地と接触させる工程は、微生物に汚染されやすい培地に開示されたMSM組成物/製剤を噴霧する工程、または微生物に汚染されやすい培地を開示されたMSM組成物/製剤でぬぐう工程を含む。例えば、表面は、家庭用表面、産業用表面(例えば、公衆トイレ、ドアの取っ手、床、壁、手すり、ショッピングカートなどの表面)、寝具、カバー、産業用の機器もしくは表面、血液、皮膚、またはその組み合わせを含むが、これに限定されない、汚染されやすい任意の表面を含んでもよい。例えば、家庭用表面は、ドアの取っ手、ドアノブ、ごみ入れ、調理台、床、便座、または、よく手に触れられる、もしくは可能性のある汚染物質によく曝露される任意の表面を含んでもよい。 多くの化粧品、ヘルスエイドおよびビューティーエイド、局所用製品、ならびに経口製品において、意図されたものではない微生物増殖が起こることがある。微生物に汚染された製品を短時間または継続して使用すると、使用者に健康上の有害作用が生じることがある。汚染は、例えば、製造の間、包装の間、あるいは容器を繰り返し開閉すること、手、皮膚、もしくは粘膜と接触すること、または個々の用量を繰り返し中断/投与することを含めて消費者が繰り返して使用する間に起こることがある。抗菌性の非存在下では、これらの製品において、多くの異なる、かつ潜在的に有害な微生物が意図されずに増殖する可能性がある。 微生物が増殖しないようにするために、抗菌性防腐剤が製品に添加されてもよい。一般的に用いられる抗菌性防腐剤には、プロピオン酸カルシウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸塩(二酸化硫黄、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウムなど)、およびEDTA二ナトリウムが含まれる。化粧品用防腐剤には、ホルムアルデヒド、ソルビン酸カリウム、メチルパラベン、およびメチルクロロイソチアゾリノンが含まれる。 多くの場合、ある特定の濃度または用量で有害反応が起こることがあるので、防腐剤は最小有効濃度で添加しなければならない。従って、防腐剤は微生物増殖を阻害することができるが、化学熱傷を引き起こす可能性ならびに/または皮膚および粘膜を刺激する可能性も有する。現代の合成防腐剤の中には、呼吸器の問題または他の健康上の問題を引き起こすことが示されているので議論を呼ぶものもある。ある特定の防腐剤を商業製品に添加すると、溶解に関連した特有の厄介な問題、pHの制限、一部のポリエチレングリコール(PEG)化合物による不活性化、および製品の色、粘稠性、または芳香の変化が引き起こされることがある。一部の防腐剤は、特定のクラスの微生物に対する活性がごくわずかしかないものもある。 家庭用製品の中の微生物活性を阻害する方法も開示される。1つの態様において、前記方法は、家庭用製品などの、微生物に汚染されやすい培地を選択する工程、およびMSMを培地に添加して、微生物活性を阻害することによって微生物汚染に影響を及ぼす工程を含む。MSMは、1つの態様によれば少なくとも10%の濃度(例えば、10〜16%、16〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜75%、またはそれより高い濃度、およびその重複する範囲)で提供される。培地は、ある態様において防腐剤を含まない。 ある態様において、室温での化粧品クリームの中の微生物活性を阻害する方法が提供される。1つの態様において、前記方法は、微生物に汚染されやすい培地を選択する工程;およびMSMを培地に添加して、微生物活性を阻害することによって微生物汚染に影響を及ぼす工程を含む。MSMは、1つの態様によれば少なくとも5%の濃度(例えば、5〜10%、10〜16%、16〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜75%、またはそれより高い濃度、およびその重複する範囲)で添加される。培地は、ある態様において防腐剤を含まない。培地は、ある態様において化粧品クリームを含む。一例では、MSMは、室温での化粧品クリームの中の微生物活性を少なくとも50%阻害する。 ある例では、培地は、以下:化粧品、ブロス、寒天、培養物、食物、飲料、細胞懸濁液、生物学的組織、生物学的液体、無機表面、有機表面、培養基、生細胞、宿主細胞、診断アッセイ、および他の固体環境、液体環境、マトリックス環境、ゼラチン状環境、または気体環境の1つまたは複数を含む。例えば、1つの態様において、培地は、眼用製品または口の衛生もしくは健康のための製品を含む。培地はまた、血液などの体液または組織を含んでもよい。一例では、MSMを添加する前に、および/またはMSMを添加した後に、培地は滅菌される。他の例において、滅菌は必要とされない。ある例では、MSMの抗菌性によって滅菌の必要性が小さくなる、または滅菌の必要性が無くなる。 ある例では、微生物汚染は、グラム陽性細菌および/もしくはグラム陰性細菌などの細菌、真菌、寄生生物、酵母、糸状菌、ウイルス、またはその組み合わせ(例えば、細菌および糸状菌、または他の組み合わせ)によって引き起こされる。いくつかの態様において、微生物汚染は、以下の属:カンジダ属、アスペルギルス属、エシェリキア属(Escherichia)、シュードモナス属、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、およびストレプトコッカス属、またはその組み合わせの1つまたは複数によって引き起こされる。他の態様において、微生物汚染は、本明細書に記載の任意の感染症を含む感染症によって引き起こされる。 いくつかの態様において、H1N1、単純ヘルペスウイルス、またはHIVを含むが、これに限定されない感染症を治療するための方法が開示される。1つの態様において、前記方法は、治療的有効量の治療剤およびDMSOのみ、MSMのみ、またはDMSOおよびMSMの組み合わせを投与する工程を含む。組成物中のDMSOおよび/またはMSMの濃度は約6%〜約17%である。 ある態様において、MSMは、1種または複数種の微生物の増殖速度を50%超遅くすることによって微生物活性を阻害し、その結果として、培地の貯蔵寿命が延びる。MSMは、治療的利益および/または審美的利益を付与できることが意図される。ある態様において、治療的利益または審美的利益は微生物阻害と関係ない。 ある態様において、微生物活性を阻害する開示された方法は、20〜25℃、25〜30℃、30〜40℃、40〜50℃、およびそれより高い温度(ならびにその重複する範囲)を含む微生物活性を促す温度で微生物活性を阻害する。ある態様において、MSMは、50%〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜95%、それより高い温度(ならびにその重複する範囲)を含む、微生物活性に好ましい湿度で微生物活性を阻害する。 MSMは、低濃度でも使用すると副作用を引き起こすことがある他の防腐剤より高い濃度で使用することができるので、いくつかの態様では特に有利である。例えば、防腐剤は、アトピー性皮膚炎、発疹、潮紅、腹痛、悪心、喘息、鼻炎、筋肉痛、関節痛、疲労、しびれ、偏頭痛、注意欠陥および機能亢進障害、動悸および不整脈に結び付けられてきた。対照的に、MSMは、本明細書において好ましい態様に従って提供される濃度で、このような作用の原因となるとは知られていない。さらに、ある態様によれば、MSMには二重の機能がある。MSMは望ましくない微生物の増殖を阻害するだけでなく、いくつかの態様では、添加される製品に有益な影響も及ぼす。 ある態様において、微生物活性を阻害する開示された方法は微生物活性を阻害するだけでなく、筋痙攣、皮膚炎症の低減、疼痛の低減、関節潤滑、炎症、慢性関節リウマチの低減、および変形性関節症の治療、心血管の改善、皮膚の潤滑、創傷治癒の改善、ならびに頭皮、髪、小皮、および爪の改善を含むが、これに限定されない1つまたは複数の有益な効果を提供する。 ある態様において、微生物活性を阻害する開示された方法は、新たな微生物の形成を予防するために、または最小限にするために用いられる。他の態様において、前記方法は、既存の微生物を死滅または低減するために用いられる。1つの態様において、MSMは、MSMを用いなければ使用できない汚染製品を、使用可能な製品に変換することができる。 いくつかの態様によれば、前記方法は微生物活性を瞬時に阻害する。他の態様において、前記方法は、微生物活性を、1日、2日、3日、4日、5日、7日、10日、14日、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、およびそれより長く阻害する、ならびに1日まで、2日まで、3日まで、4日まで、5日まで、7日まで、10日まで、14日まで、1ヶ月まで、3ヶ月まで、6ヶ月まで、1年まで、2年まで、3年まで、4年まで、5年まで、およびそれより長く阻害する。 いくつかの態様において、抗菌活性を増強するために(例えば、微生物活性を阻害するために)、MSMは洗剤に添加される。ある態様において、MSMはセッケン製剤に添加される。ある態様では、製品は乾燥セッケンであるが、他の態様では、製品は液体セッケンである。ある態様において、清浄剤を得るためにMSMはゲル製剤に添加される。例えば、微生物活性を阻害する方法は、身体、機器、床、材料、壁などの表面を衛生化する方法を含む。ある特定の態様において、結果として得られる清浄剤は、即時清浄剤である。他の態様において、清浄剤は即時作用しない(例えば、だんだんと効果を示す)。ある態様において、清浄剤は身体に適用される。さらに他の態様では、製品は表面に適用される。表面には、商業用の表面、医療機器、医療用の表面、生産設備、生産フロア、および食物調理用の表面が含まれるが、これに限定されない。表面には、家庭用の表面、ビヒクル、コンピュータ、布、およびおもちゃが含まれ得るが、これに限定されない。 いくつかのさらなる態様において、微生物活性を阻害する方法は、MSMを噴霧する工程またはMSMを組み込む工程を含む(例えば、フェースマスクまたはフィルターに約5%〜約50%を噴霧する工程または組み込む工程を含む)。フィルターには、エアコンフィルター、空気フィルター、水フィルターが含まれ得るが、これに限定されない。飛行機などの空気が再利用される環境はMSM濾過システムから特に利益を得るかもしれない。廃棄物処理および水濾過プラントも、微生物活性を阻害するためにMSMを組み込むことができる。ある態様において、MSMは、フラワーアレンジメントならびに園芸製品(例えば、肥料および土)の中の微生物汚染を低減するために提供される。 ある態様において、微生物活性を阻害する方法は、動物用飼料に存在する微生物活性を阻害する工程、および飼料の保管または処理の間に微生物増殖を阻止する工程を含む。動物用飼料のタイプには、配合飼料、飼い葉、またはまぐさが含まれるが、これに限定されない。動物用飼料は原材料および/または添加物からなってもよい。未加工の飼料は乾草または穀物として提供されてもよい。または、原材料は、ミール、ペレット、またはクランブルとして製造および提供されてもよい。ある態様において、MSMは、糸状菌増殖を低減するために動物用飼料に適用される。他の態様において、MSMは、真菌増殖を低減するために動物用飼料に適用される。ある態様において、MSMは未加工の飼料材料に適用され、従って、最終飼料製品に組み込まれる。さらなる態様において、製品は、製造中または製造後に飼料に適用される。ある態様において、製品は長期保管のために飼料に適用される。V.MSMを含む製品を作る方法 MSMを含む製品を作る方法が本明細書において開示される。ある態様において、MSMは、MSMの結晶化を低減する段階で組み込まれる。1つの態様において、MSMは、前記製品を乳化する前に製品に組み込まれる。別の態様において、MSMは製品に添加される前にカプセル化される(例えば、脂質、ポリマー、または他の材料の中に入れてカプセル化される)。マイクロカプセルに閉じ込めたMSMは、ある態様によれば、MSMを時間放出または用量放出するように設計されてもよい。さらに他の態様では、湿った成分および乾燥した成分を混合する前に、MSMは製品の水性部分と組み合わされる。1つの態様において、乾燥粉末の形をしたMSMは、MSMを活性化するために水性液体または極性液体と共にマトリックスの中で混合される。 さらに別の態様において、MSMは、高温(例えば、25℃より高い温度、30℃、40℃、50℃、75℃、またはこれより高い温度)で製品に添加される。ある態様において、MSMは熱の影響を実質的に受けず、加熱前に添加することができる。約35℃より高い温度の溶液は、ある態様では、50%より高いMSM濃度を支える。いくつかの態様において、MSMは、MSMが添加される製品のpHに実質的な影響を及ぼさない。1つの態様において、吸湿性の固体製品および含有水分が少ない他の製品は、約15%またはそれより高い範囲のMSMを含む。 防腐剤濃度が低い製品を製造する方法も本明細書において開示される。1つの態様において、前記方法は、防腐剤を含む、微生物に汚染されやすい培地を準備する工程、およびMSMを培地に添加する工程を含む。ここで、MSMは、微生物増殖を阻害することによって微生物汚染に影響を及ぼす。MSMは、1つの態様によれば、少なくとも5%〜約20%の濃度(例えば、5〜8%、8〜12%、12〜15%、15〜20%、またはそれより高い濃度、およびその重複する範囲)で添加される。1つの態様において、MSMおよび防腐剤は、室温での培地の中の微生物増殖を少なくとも50%阻害する。MSMは、防腐剤が微生物増殖を阻害する能力を補うか、または増強し、それによって、微生物増殖を阻害するのに必要な防腐剤の濃度を下げる。1つの態様において、培地は乳化されるか、他の方法で混合される。1つの態様において、MSMは、乳化(または他の混合)の前に培地に添加される。 以下の実施例は、ある特定の特徴および/または態様を例示するために提供される。これらの実施例を、説明された特定の特徴または態様に本開示を限定するものと解釈してはならない。実施例1MSMに基づく、微生物活性の調節 本実施例は、MSMに基づく、微生物活性の調節、例えば、MSM濃度に応じた微生物増殖の増強または阻害について述べる。 0.1%〜10%の濃度のMSMおよび0%MSMを含有する対照試料を添加した培地の中で微生物増殖研究を並行して行った。評価した微生物は、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、カンジダ・アルビカンス、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、およびブタコレラ菌であった。全ての微生物をトリプティックソイブロス(TSB)の中で増殖させ、カンジダ属およびアスペルギルス属を除く全てを、指数増殖期にある生物を維持するために4日間連続して毎日連続して新鮮な培地に移した後に接種した。カンジタ属およびアスペルギルス属はTSBの中で48〜58時間増殖させた後に、試験培地に接種した。アスペルギルス属はまた、複数のポテトデキストロース寒天プレート(PDA)上で、48〜58時間、増殖させた。アスペルギルス属の菌塊のあるPDAプレートからTSBで表面リンスして採取することによって、アスペルギルス属の接種材料を調製し、次いで、混濁するまで48〜58時間培養物に添加した。それぞれの試験微生物について、10%MSMまたは0%MSMを用いて、90mLのTSBアリコートを調製した。それぞれの試験培地セットを無菌的にプレートしたら、それぞれの微生物を用いて、ブロス10mLにつき5μlの接種材料レベル(1:2000に接種材料を希釈した)で接種を行った。細菌生物は30℃±2℃でインキュベートし、真菌生物は25℃±2℃でインキュベートした。 真菌生物を、0日目〜7日目に24時間ごとにPDAに毎日プレートした。調製およびプレーティングを室温で行った。真菌プレートを25℃±2℃で少なくとも3日間インキュベートした。試験試料を各試験日に3回繰り返してプレートし、平均を報告した。データは、1ミリリットルあたりの回収されたコロニー形成単位(cfu/mL)として表した。 アスペルギルス・ニガー増殖およびカンジダ・アルビカンス増殖に対するMSMの作用を、それぞれ、表1-1(a)および表1-1(b)に示した。10パーセントMSMは、4日目の劇的なコロニー形成の低減によって示されるように、処理4日目までにアスペルギルス・ニガー増殖を阻害した。カンジダ・アルビカンスMSM処理試料でも増殖の低減が観察された。しかしながら、アスペルギルス・ニガーほど劇的には低減しなかった。例えば、10%MSM添加培地は低濃度のMSMと比較して2日目と早い段階で酵母生存率を低減させた(カンジタ属は2日目にプレートした)。カンジダ属の増殖は本研究において早期に低減し、4日目で真菌集団は大幅に低減した。これらの時点の後に、カンジダ属については本研究全体を通じて増殖曲線の相違が続いた。これらのデータから、10%MSMの濃度は様々な真菌生物の増殖に対して経時的に大きな悪影響を及ぼすことが分かる。 (表1-1(a))アスペルギルス・ニガー増殖に対するMSMの作用 (表1-1(b))カンジダ・アルビカンス増殖に対するMSMの作用 黄色ブドウ球菌増殖に対するMSMの作用を表1-2に示した。高濃度のMSMの存在下で生存率の違いが観察された。特に、10%MSMは、黄色ブドウ球菌の増殖速度および最大菌数になることを遅らせるように見えた。 (表1-2)黄色ブドウ球菌増殖に対するMSMの作用 緑膿菌増殖に対するMSMの作用を表1-3に示した。10パーセントMSM培地を添加すると、経時的に緑膿菌の生存率が大幅に開いた。例えば、10%MSM添加培地を用いると集団が低減した。これは本研究の最初の4日間続いたが、このような期間の後に続かなかった。 (表1-3)緑膿菌増殖に対する10%MSMの作用 緑膿菌増殖に対するMSMの作用を表1-4に示した。10パーセントMSM培地を添加すると、経時的に大腸菌の増殖がかなり少なくなった。 (表1-4)大腸菌増殖に対する10%MSMの作用 ブタコレラ菌増殖に対するMSMの作用を表1-5に示した。10%MSMを添加した培地は、本研究の時点の大半についてブタコレラ菌の増殖を低減させた。 (表1-5)ブタコレラ菌増殖に対する10%MSMの作用 これらの研究から、ある特定の濃度のMSMは、アスペルギルス・ニガー、カンジダ・アルビカンス、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、および大腸菌の増殖を含む増殖を阻害することが分かる。実施例2MSM添加培地の抗菌有効性試験 本実施例は、MSM添加培地の抗菌有効性試験の結果について述べる。 抗菌活性を有する化合物または処方製品は、米国薬局方(USP)抗菌有効性試験(AET)を用いて評価することができる。AETは、汚染をシミュレートするために比較的高い濃度の指定された微生物(カンジダ・アルビカンス、アスペルギルス・ニガー、大腸菌、緑膿菌、および黄色ブドウ球菌)を試験製品に直接添加することを伴う。製品を1ヶ月間保持し、微生物レベルを毎週分析した。製品の投与経路に応じて、AETに合格するには、一般的に、初期レベルから細菌が1〜3log低減することが必要とされる。これは1〜2週間で起こらなければならず、2週間後に細菌はさらに増加してはならない。酵母および糸状菌の場合、初回接種量レベルからの増加は許容されない。AETの基準を満たすことに成功したら、製品、任意で、評価されている抗菌化合物を添加した製品は汚染されることなく、製品1グラム当たり100万個の微生物までの接種に耐えることができると証明される。AETは製品における防腐システムの有効性を証明する、および/または防腐システムが製品の貯蔵寿命に影響を及ぼすかどうか確かめるための安定性研究の一部として用いられることもある。 AETは、微生物汚染をシミュレートする濃度の指定された微生物をMSM添加試験培地に直接添加することによって行った。100,000〜1,000,000細胞/mLの試験製品濃度に標準化された新鮮で活発な培養物をMSM添加培地に添加した。接種は、カンジダ・アルビカンス、アスペルギルス・ニガー、大腸菌、緑膿菌、および黄色ブドウ球菌を用いて行った。トリプティックソイブロス(TSB)を培養培地として使用した。MSMを1/1、1/5、1/10、1/100、および1/1000に希釈し、それぞれを用いて培地に添加した。接種された培地を1ヶ月間保持し、この間に、添加された微生物が増殖しているのか、死につつあるのか、または初回接種レベル付近のままであるのか確かめるために、添加された微生物の数を毎週数えた。48時間、3日、5日、14日、20日、28日、および30日のデータポイントを3回繰り返して測定した。これらの研究の結果を表2-1〜表2-8に示した。抗菌有効性の合格基準は、参照により本明細書に組み入れられるUSPに詳述されている。 (表2-1)MSMの1:1希釈液のAET試験結果 (表2-2)MSMの1:1希釈液を用いた初回微生物接種量からの対数低減 (表2-3)MSMの1:5希釈液のAET試験結果 (表2-4)MSMの1:5希釈液を用いた初回微生物接種量からの対数低減 (表2-5)MSMの1:10希釈液のAET試験結果 (表2-6)MSMの1:10希釈液を用いた初回微生物接種量からの対数低減 (表2-7)MSMの1:100希釈液のAET試験結果*-コロニーが非常に多すぎて計数できない(TNTC) (表2-8)MSMの1:1000希釈液のAET試験結果 MSMの1:1希釈液、1:5希釈液、および1:10希釈液(表2-1〜表2-6、前記)から、培地中のこれらのMSM濃度は微生物を死滅させ、単に、増殖に対して静的な作用があるだけではないことが分かる。5日目の培養集団に基づくと、培養集団は安定し、増殖を増加する徴候を示したので、殺菌作用は予想外であった。しかしながら、14日までに初回接種レベルの低減が観察され、20日までに、少なくとも10%MSMを用いて全ての微生物の完全な死滅が観察された。これらの結果は、90mLのTSBブランクに10mLの試験希釈マトリックス(例えば、生きている微生物をもはや含有しないと考えられている培地)を加えることによって確かめられた。どの微生物も培養することができず、汚染は観察されなかった。これらの結果から、ある特定の濃度のMSMには、これらの生物に対して殺菌性があることが証明される。実施例3大腸菌に対する滅菌MSMおよび非滅菌MSMの殺菌作用 本実施例は、大腸菌増殖に対する滅菌MSMおよび非滅菌MSMの殺菌作用について述べる。 TSBまたは食塩水に溶解した5〜16%の様々なMSM濃度の、大腸菌(ATCC 8739株)に対する致死性を評価する基礎として、実施例2に記載のUSP<51>AET試験法を使用した。USP<51>AETは、実証および検証された方法に基づいて防腐剤が有効かどうか確かめるための公定書(米国薬局方)抗菌有効性試験法である。AETのパラメータは前記で説明されている。本研究では、指定されたインキュベーション期間の後に培養物を目視で評価し、次いで、様々なMSM濃度の作用を定性分析するために選択マッコンキー寒天上に画線し、増殖させた。本研究では、培地調製の前に(121℃、15分間の蒸気加圧滅菌によって)MSMを予め滅菌する影響も評価した。適量のMSMを秤量し、25mLのTSB培地または食塩水に添加することによって、試験培地を調製した。表3-1に示したように培地組成物を略号にした。 (表3-1)大腸菌に対して試験した培地組成物 陰性対照を除く全てのチューブに1.2x108個の培養物250μlを加えた。これから、1.2x106/mLの初回大腸菌集団密度が得られる。チューブを25℃でインキュベートした。 24時間では、5〜9%MSMを含むTSB/TSBA培地の中で目に見える増殖徴候が観察された(以下の表3-2を参照されたい)。対照的に、10〜16%MSMを含むTSB/TSBA培地が入っているチューブの中で増殖徴候は見られなかった(以下の表3-2を参照されたい)。食塩水チューブは増殖徴候を全く示さなかった。マッコンキー培地に画線した時に、5〜9%MSMを含有する全ての培地において多量の増殖が示されたのに対して、10%MSMを含むTSB/TSBA培地からは、画線プレート上に観察されるコロニーは少なかった。11〜16%MSMを含むTSB/TSBA培地の画線からは、増殖は皆無かそれに近かった。陽性対照であるTSBおよび食塩水(MSMを含まないTSBまたは食塩水に大腸菌を加えた)では増殖が検出されたのに対して、加えていない培地から画線したプレート上では増殖は検出されなかった。 (表3-2)24時間後のMSM含有培地中の大腸菌の増殖プロファイル 表3-3に示したように、48時間で、5〜10%MSMが入っているTSB/TSBA培養チューブの中で多量の増殖の徴候が観察された。11%MSMが入っているTSB/TSBA培養チューブの中では明らかな増殖が観察された。24時間時点と同様に、12〜15%MSMが入っているTSB/TSBA培養チューブの中で観察された、観察可能な増殖徴候は皆無かそれに近かった。画線後、5〜10%MSMを含有する全て培地中で大量の細菌増殖が起こった。11%MSMを含むTSB/TSBAから中等度の増殖が起こったのに対して、食塩水に添加された同じMSM濃度から大量の増殖が起こった。TSB/TSBAに溶解した12〜16%MSMの濃度では、プレート上に検出された増殖は皆無かそれに近かった。食塩水培地に溶解したほぼ同じMSM濃度から中等度の増殖が観察された。 (表3-3)48時間後のMSM含有培地中の大腸菌の増殖プロファイル 72時間培養した後に、5〜10%MSMが入っているTSB/TSBA培養チューブの中で大量の増殖の徴候が観察された(表3-4)。11%MSMが入っているTSB/TSBA培養チューブの中で明らかな増殖が観察された。24時間時点と同様に、12〜15%MSMが入っているTSB/TSBA培養チューブの中で観察された、観察可能な増殖徴候は皆無かそれに近かった。画線後、5〜10%MSMを含有する全て培地中で大量の細菌増殖が起こった。11%MSMを含むTSB/TSBAから中等度の増殖が起こったのに対して、食塩水に添加された同じMSM濃度から大量の増殖が起こった。TSB/TSBAに溶解した12〜16%MSMからの濃度では、プレート上に検出された増殖は皆無かそれに近かった。食塩水培地に溶解したほぼ同じMSM濃度から中等度の増殖が観察された。 (表3-4)72時間後のMSM含有培地中の大腸菌の増殖プロファイル これらの結果から、約10〜16%のMSM濃度は、ある特定の時点での細菌の死滅に有効であることが分かる。24時間で、10%MSMは生存可能な細菌集団を低減させたのに対して、48〜72時間では、さらに高い濃度が細菌集団の大半を死滅させるのに有効であった。TSB/TSBAに溶解した10〜16%の濃度のMSMは、食塩水をベースとする培地に溶解した同じ濃度より有効であった。さらに、このデータから、蒸気滅菌はMSMの有効性に本質的な影響を及ぼさないことが示唆される。実施例4食塩水またはトリプティックソイブロス(TSB)をベースとする培地に溶解したMSMの殺菌有効性の比較 本実施例は、食塩水およびTSBをベースとする培地に溶解したMSMの殺菌有効性を比較する。 実施例2および実施例3に示したように、TSBまたは食塩水に溶解した5〜16%の様々なMSM濃度(フレーク(flaked)またはマイクロプリル(microprill))の、大腸菌に対する致死性を評価する基礎として、USP<51>AET試験法を使用した。それぞれの培地組成物に1.25x106/mLの大腸菌を接種し、次いで、35℃で7日間培養した。インキュベーション期間の終わりに、培養物を目視で評価し、次いで、定量可能な密度で細菌増殖(もしあれば)するように連続希釈濃度でトリプトソイ寒天上で増殖させた。分析の前に、プレートされた培養物を35℃で24時間増殖させた。表4-1に示したように培地組成物を略号にし、これらの研究の結果を表4-2に示した。 (表4-1)培地組成物 (表4-2)様々なMSM濃度を含む異なる培地中での大腸菌の対数増殖 11〜16%のMSM濃度は、7日間培養した大腸菌の増殖に悪影響を及ぼす。FTSBまたはPTSB培地の中でMSM濃度が10%を超えた時に、大腸菌増殖が低減した。どちらの種類のMSMも細菌増殖阻害において効力を示した。実施例5MSMの殺菌作用に対する、塩化ナトリウムを含まない培地の影響 本実施例は、MSMの殺菌作用に対する、塩化ナトリウムを含まない培地の影響を示す。 NaClを含有しないミュラーヒントンブロス培地を用いた研究を行った。標準的なミュラーヒントン培地を、実施例4の食塩水をベースとする培地と同レベルまでNaClを添加したミュラーヒントン培地と比較した。5〜16%の濃度のMSMを各培地に添加した。それぞれのMSM含有培地タイプに1.9x107cfu/mLの大腸菌を接種した後に、培養物を35℃で7日間インキュベートした。24時間および48時間ならびに7日で各培養物のアリコートを採取した。定量可能な密度で細菌増殖(もしあれば)をするように連続希釈濃度でトリプトソイ寒天上でアリコートを増殖させた。分析の前に、プレートされた培養物を35℃で24時間増殖させた。表5-1に示したように培地組成物を略号にした。これらの研究の結果を表5-2〜表5-4に示した。 (表5-1)培地組成物 培養して24時間後に、MSM濃度が13%を超える全ての培地において、初回接種量からの約1log低減が検出された(表5-2)。さらに、12%MSMでは、PMHS組成物を除く全ての培地組成物が大腸菌増殖を低減させた。11%MSMでは、FMH培地のみが大腸菌増殖を低減させた。 (表5-2)24時間後の、MSMを添加したミュラーヒントン培地またはミュラーヒントン(+NaCl)の中での大腸菌の対数増殖 培養して48時間後に、MSM濃度が13%を超える培地組成物は大腸菌増殖を1〜2log低減させた。ある特定のMSM濃度が細菌増殖の低減において有効である。これは、他のMSM濃度が細菌活性の増加の支持に有効であるので驚くべきことである。 (表5-3)48時間後の、MSMを添加したミュラーヒントン培地またはミュラーヒントン(+NaCl)の中での大腸菌の対数増殖 培養して7日後に、12%と低いMSMを含有する培地組成物が大腸菌増殖を実質的に阻害した(表5-4)。12%MSMではFMHS培地が最も有効であり、大腸菌は3log低減した。 (表5-4)7日後の、MSMを添加したミュラーヒントン培地またはミュラーヒントン(+NaCl)の中での大腸菌の対数増殖実施例6低タンパク質および塩化ナトリウムを含まない培地におけるMSMの殺菌作用 本実施例は、低タンパク質および塩化ナトリウムを含まない培地におけるMSMの殺菌作用を示す。 本実験では、NaClおよびタンパク質を両方とも含まないラクトースブロスを培地として使用した。5〜16%の濃度のMSMをラクトースブロスに添加した。同じ2組のMSM含有培地にDMSOを最終濃度1%まで添加した。最初に、それぞれの培地組成物に6.75x106cfu/mLの大腸菌を接種した。培養物を25℃で7日間インキュベートした。培養して24時間後に、および培養して7日目の終わりに、各培養物のアリコートを採取した。アリコートを(変法レセーン希釈液で)連続希釈し、トリプトソイ寒天プレート上にプレートした。プレートされた培養物を35℃で24時間増殖させ、次いで、分析した。表6-1に示したように培地組成物を略号にした。これらの研究の結果を表6-2および表6-3に示した。 (表6-1)培地組成物 表6-2に示したように、11〜16%MSMを含有するラクトースブロスは細菌増殖を約1log(16%MSM)から最大約2.2log(11%MSM)まで低減させた。9〜16%MSMからは、細菌増殖阻害は1log以上低減した。 (表6-2)DMSOを含むMSM-ラクトースブロスまたはDMSOを含まないMSM-ラクトースブロスの中での24時間大腸菌増殖のlog 培養して7日後には、さらに明確な細菌増殖阻害パターンが明らかになった(表6-3)。ラクトースブロスに溶解した10%MSMは大腸菌集団を初回接種量とほぼ同等に保った。 (表6-3)DMSOを含むMSM-ラクトースブロスまたはDMSOを含まないMSM-ラクトースブロスの中での7日間の大腸菌増殖のlog実施例7化粧品におけるMSMの殺菌作用の評価 本実施例は化粧品におけるMSMの殺菌作用を示す。 化粧品マトリックスに含まれるMSMの殺菌作用の初期評価を行った。化粧品マトリックスは、多くの化粧製品において用いられるクリーム基剤(ホホバ)であった。5〜16%MSMの濃度のMSMがクリームに組み込まれた。次いで、これらの各濃度に4.6x105cfu/mLのレベルの大腸菌を加え、25℃で48時間インキュベートした。48時間後に、それぞれの培養物のアリコートを希釈し、トリプティックソイ寒天上にプレートし、次いで、35℃で24時間インキュベートした後に、計数した。これらの研究の結果を表7-1に示した。 (表7-1)MSMを含有する化粧品マトリックスの中での48時間大腸菌増殖のlog これらのデータから、化粧品クリームの中で増殖している細菌はMSMに対して特に感受性が高いことが分かる。驚いたことに、本研究において、さらに低い濃度のMSM(例えば、5〜9%の濃度範囲)が細菌増殖を実質的に阻害した。従って、いくつかの態様では、微生物活性を阻害するために5%を超える濃度のMSMが用いられる。実施例8防腐剤を含む化粧品基剤または防腐剤を含まない化粧品基剤に含まれる10%MSMの殺菌活性の28日間にわたる評価 本実施例は、28日間にわたる、防腐剤を含む化粧品基剤または防腐剤を含まない化粧品基剤に含まれる10%MSMの殺菌活性を示す。 MSMが化粧品基剤の中で長期抗菌剤として機能する能力を評価するために、10%MSMを、大腸菌が加えられた化粧品クリームマトリックスに組み込み、USP<51>AETプロトコールを用いて28日間にわたって評価した。MSMが組み込まれた化粧品クリームマトリックスは防腐剤を含まなかった。防腐剤を含むさらなるクリームにも大腸菌を加え、評価した。これらの研究の結果を表8-1〜表8-4に示した。 (表8-1)防腐剤を含まない化粧品クリームにおける微生物増殖に対する10%MSMの作用 (表8-2)防腐剤を含まないホホバ化粧品クリームのMSM希釈剤の中に10%MSMを用いた初回微生物接種量からの対数低減 (表8-3)防腐剤を含有する化粧品クリームにおける微生物増殖 (表8-4)防腐剤を含有するホホバ化粧品クリームにおける初回微生物接種量からの対数低減 これらの研究から、MSMを含有する化粧品クリーム基剤は28日間にわたって微生物増殖を実質的に阻害するのに有効であることが分かる。さらに、これらの研究から、いくつかの条件下では、MSMは標準的な化粧品用防腐剤より有効な抗菌剤であることが示された。例えば、10%MSMは、48時間で、防腐剤含有クリームと比較して微生物量をさらに大きく低減させた。さらに、MSM含有クリームの中では、黄色ブドウ球菌は48時間でほぼ検出不可能なレベルまで低減した。対照的に、防腐剤含有クリームは、48時間後に、3x104個の細菌からなる中程度の細菌集団を示した。防腐剤含有クリームの細菌量は、勢いのなかった初期段階にもかかわらず研究の終わりまでに、防腐剤含有クリームと比較して同程度まで低減した。実施例9防腐剤を含まない2種類の化粧品組成物におけるMSM抗菌活性の効果 本実施例は、防腐剤を含まない2種類の化粧品組成物におけるMSM抗菌活性について述べる。 前記の実施例8に記載のように、10%MSMを化粧品マトリックスに組み込み、これに様々な初回接種微生物を加えた。USP<51>AET試験に従って、加えられたこれらの微生物培養物を28日間インキュベートし、プレーティングおよびその後のコロニー計数のために、48時間、7日、14日、および28日で試料を取り出した。これらの研究の結果を以下の表9-1〜表9-4に示した。 (表9-1)防腐剤を含まない化粧品組成物#1における微生物増殖に対する10%MSMの作用 (表9-2)防腐剤を含まない10%MSM化粧品組成物#1を用いた初回微生物接種量からの対数低減 (表9-3)防腐剤を含まない化粧品組成物#2における微生物増殖に対する10%MSMの作用 (表9-4)防腐剤を含まない10%MSM化粧品組成物#2を用いた初回微生物接種量からの対数低減 これらの研究から、防腐剤の非存在下でMSMは有効な抗菌性を示したことが分かる。実施例10選択された濃度のMSMは微生物活性を支持する。 本実施例は、選択されたMSM濃度が微生物活性を支持することを示す。 0%、0.04%、0.1%、0.2%、0.4%、および1%のMSM濃度のMSMを加えて強化された培地における増殖研究を並行して、0%MSM濃度対照試料に対する様々な微生物の増殖曲線と比較した。それぞれの生物(ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・アシドフィルス、およびビフィドバクテリウム・ビフィダム)をMRS細菌増殖培地(ブロス)の中で増殖させ、異なる時間間隔でMRS寒天上にプレートした。結果をコロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)で表した。 それぞれの試験生物について、概説したように、それぞれのMSM濃度を用いてMRSブロスの100mLアリコートを調製した。最初に、1%、0.4%、および0.2%MSM(+/-0.01%)試験溶液を、それぞれ、1gまたは0.45gのMSMを110gのMRSブロスに添加することによって、および0.20gのMSMを100gのMRSブロスに添加することによって調製した。1%試験溶液および0.4%試験溶液の1:10希釈液を作製することによって、0.1%試験濃度および0.04%試験濃度を調製した。各組の試験培地を無菌的にプレートしたら、それぞれの微生物を用いて、試験ブロス100gまたは100mLにつき100μlの接種材料レベル(1:1000の接種材料希釈度)で接種を行った。研究期間中、全ての細菌生物を35℃±2℃でインキュベートした。 時間0、12時間、36時間、48時間、60時間、および72時間(+/-45分)で全ての試料をMRS寒天上にプレートした。全ての調製およびプレーティングを室温で行った。ビフィドバクテリウム属については、全てのプレーティング事象を35℃+/-2℃で少なくとも2日間または3日間インキュベートした。各試験日に試験試料を3回繰り返してプレートし、平均を報告した。これらの研究の結果を表10-1〜表10-3に示した。 ラクトバチルス・ラムノサス試料(表10-1)については、最初の12時間以内で、全てのMSM試料が0%対照より少なくとも12%以上回復した。最初の12時間以内で、0.2%および1%濃度はそれぞれ41%および47%高かった。24時間で全ての試験値は並んでおり、その後に横這い状態になり、培養物は極めて混濁していた。このことは、生物が定常期に入ったことを示唆している。しかしながら、36時間でおよび48時間でわずかに横這い状態になった後、MSMを含む試料のカウントは上昇し続けたのに対して、0%対照は低下し始めた。 (表10-1)ラクトバチルス・ラムノサスの増殖 これらの研究から、約0.1%〜約1%のMSM濃度はラクトバチルス・ラムノサスの増殖/機能を増強することが示唆される。微生物レベルは72時間の終わりまでに11%〜41%高くなった。 ラクトバチルス・アシドフィルス試料(表10-2)については、0.04%および0.1%MSM濃度が最初に増殖を示し、その後に、36時間で0.2%および0.4%MSM、48時間までに1%MSM試料が増殖を示した。0%対照からは増殖は回復しなかった。このことは、MSMは回復に対して良い影響を及ぼしたことを示唆している。低いMSM濃度は高いMSM濃度より短い回復時間を示した。0.04%MSM試料および0.4%MSM試料はラクトバチルス・アシドフィルスの高レベル増殖をもたらした。これらの研究から、MSMは、微生物の適応性および回復を促進するように微生物代謝に影響を及ぼすことが示される。 (表10-2)ラクトバチルス・アシドフィルスの増殖 プロバイオティックにおいて用いられる、ありふれた微生物であるビフィドバクテリウム・ビフィダムも試験した。全てのビフィドバクテリウム属試料を嫌気条件下でインキュベートした。ビフィドバクテリウム属試験試料およびプレーティング事象のために、酸素インジケーターを用いてプレーティング間の嫌気条件を確かめた。 48時間までに、0.04%MSM試料および0.2%MSM試料は0%MSM対照より1log大きかった。0.2%MSM試料のビフィドバクテリウム・ビフィダムの増殖レベルが最も高く、これに0.04%MSM試料が続いた。 ラクトバチルス・ラムノサス(表10-2)を用いて観察されたように、0.1%〜1%MSM試料は増殖し続けたのに対して、対照は下向きの定常増殖期に入った(表10-3)。0.04%MSM試料および0.2%MSM濃度ではそれぞれビフィドバクテリウム属の1log増加および2log増加が観察された(表10-3)。 (表10-3)ビフィドバクテリウム・ビフィダムの増殖 MSM添加培地およびMSMを含まない培地におけるプロバイオティック生物の大まかな増殖特徴も観察によって試験した。0%培地および5%MSM含有培地上で増殖させたバチルス・コアグランスのコロニーサイズを比較した(詳細な説明については実施例13を参照されたい)。実施例11貯蔵寿命に対するMSMの影響の評価 本実施例は、乳の貯蔵寿命に対するMSMの作用について述べる。 添加物としてMSMは、製品の中にある有益な微生物の増殖および回復を増加させることが示されている。本実施例は、MSMが、微生物数に基づいて製品の貯蔵寿命安定性に影響を及ぼす微生物を改変するかどうか調べた。貯蔵寿命が比較的短い乳を、本研究において評価する製品として使用した。製品中の固体濃度がMSMに影響をどのように影響を及ぼし得るかどうか研究するために、ある脂肪濃度の乳を分析した。乳の標準的な貯蔵寿命は18〜21日であり、研究を28日まで行った。0.0%、0.5%、1.0%、2.5%、5.0%、および10%のMSMを加えて強化された乳製品に対して貯蔵寿命研究を行った。溶液をプレートするための時間間隔は、日単位で、0日目、7日目、14日目、21日目、24日目、および28日目であった。以下のパーセント:0.0%、1.0%、2%、10.5%、および40%のMSM濃度に及ぼすパーセント固体の影響を評価した。回復したコロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)の微生物の増殖曲線をMSM濃度間で比較した。0%MSM濃度は試料対照であった。MSMストック粉末は、分析証明書付きでBergstrom Nutritionによって供給された。粉末は、マイクロプリル調製法、ロット#0806809、使用期限10/31/13であった。研究の前に、全ての培地、水、およびストックMSM粉末の無菌性をチェックした。MSM作業濃度を1個の10.0%MSM溶液から調製し、それに応じて瓶入りの乳を用いて希釈して、望ましい最終MSM濃度を得た。この製品は、地元の乳加工プラントによって供給された。試料を収集し、加工日に研究を開始した。製品は、それぞれの分析日、それぞれのMSM濃度について、それぞれの製品タイプの2本の瓶を含めた。1種類の製品についての瓶の合計は実験全体で72本であった。同じ製品タイプの瓶は全て1つの製品ロットに由来した。 分析された微生物は、加工後に製品に見られる正常フローラであった。研究中、製品試料を4℃に保った。全ての調製およびプレーティングを室温で行った。それぞれのMSM濃度を2回繰り返して行った。サンプリングされたそれぞれの時間間隔について、それぞれの希釈液を2回繰り返してプレートした。適切なコロニー/ミリリットルを捕捉するために、それぞれの時間間隔で、それぞれの生物を3種類の希釈度でプレートした。全てのプレートを37℃±0.5℃で48時間インキュベートした後に、調べた。適切な希釈プレートを計数に使用し、報告のために平均した。計数用の適切なプレートには25〜250cfu/mLが含まれた。 トリプティックソイ寒天上での微生物バックグラウンドレベルを得るために、MSMストック試料およびMSMを用いて調製した全ての培地を試験した。MSMストックは<10cfu/gであり、全ての試験培地は接種前に全ての場合において陰性であった。プレーティングのための全ての時間間隔には、品質管理目的で注入間に陰性対照プレートが含まれた。陰性対照プレートには全て微生物増殖が無かった。これらの研究の結果を以下の表11.1〜表15.1に示した。 (表11.1)脱脂乳の対数増殖 (表12.1)1%乳脂肪の対数増殖 (表13.1)2%乳脂肪の対数増殖 (表14.1)10.5%乳脂肪の対数増殖 (表15.1)40%乳脂肪の対数増殖 MSMを含まない全ての乳を評価した時に、21日目に数の急激な上昇(spike)があった。これは、乳製品に典型的にある標準的な急激な上昇である。正常フローラの増加は2log点に達し、製品が分解し始める。4logでは、製品の貯蔵寿命は疑わしくなり、知覚因子が製品を望ましくないものにする。 この評価研究は、使用されている製品の種類を考慮に入れている。製品は、あるロット生産日から採取された。乳製品からのシングルロットの微生物数は0.5〜1.5log変化することがある。0日目の増殖に注目すると、それぞれの製品の範囲は互いの1.5logの中にある。 7日目から、対照およびMSM濃度の微生物数がわずかに増加したことが分かる。それぞれの試料について、10.5%乳脂肪製品を除き、他より多い微生物数が1個あった。10.5%製品の微生物数は全て互いの0.75logの中にある(対照およびMSM濃度)。対照試料において40%乳製品および無脂肪乳製品は増加を示した。1%乳製品は5%MSM試料において急激な上昇を示したのに対して、2%乳製品は1%MSM試料において急激な上昇を示した。 14日目に、製品は正常な微生物数および増殖速度を示す。製品において異常な増殖は見られない。低乳脂肪製品は、ブランクをMSM濃度と比較すると、予想された微生物量のばらつきの範囲内である。40%乳製品は、5.00%および2.50%のMSM濃度について少ない微生物数を証明したのに対して、ブランクおよび他のMSM濃度は全て微生物数が0.40logの中にある。10.5%乳製品からは、ブランクはMSM濃度より1log多く、1.00%および10.0%のMSMは、微生物数のある、ただ2つのものであった。 21日目に、ブランクおよびMSM濃度に関して製品の微生物数は分かれた。1%および無脂肪乳製品から、高濃度(5.0%および10.0%)のMSMは正常フローラの増殖を遅くしたことが分かった。それに対して、対照および低いMSM濃度の微生物数は4logまで増加した。2%乳製品では、10.0%MSM濃度および2.50%MSM濃度は正常フローラの増殖速度を遅くした。0.50%、1.00%、5.00%のMSM、およびブランク対照の微生物数は4logであった。10.5%乳製品は0.35logの5.00%MSMを示し、4.43logの対照と比較して増殖速度を遅くした。0.50%MSM濃度は4.36logであり、1.00%MSMは3.30logであり、2.50%MSMは2.34logであり、10.0%MSMは2.14logであった。5.00%MSMを除いて、MSM濃度が増加するにつれて微生物数は減少した。40%乳製品の微生物量は、対照、0.5%、1.0%、および10%MSMについてカウントが比較的等しかった。2.5%MSM濃度は2.16logの対照より2log低かったのに対して、5.0%MSMは3.22log低かった。 24日目に、無脂肪乳製品の対照および1.0%MSMは約1.3logまで低下したのに対して、0.50%MSMは微生物数を維持した。2.50%MSMの微生物数は低下したのに対して、5.0%MMSは増加した。10.0%MSMでは増殖は観察されなかった。1%乳製品は0.50%MSMにおいて微生物数が減少し、1.00%MSMにおいて増加し、対照および2.5%MSMにおいて変化しなかった。5.0%MSMは増加し、10.0%MSMは減少した。これらの2つの高いMSM濃度は少ない微生物数を維持した。2%乳製品については、全てのMSM濃度および対照は微生物量が増加し続けた。10%MSMは微生物数が減少し続けた。10.5%乳製品は、対照およびMSM濃度;0.5%、1.0%、および10.0%において減少を証明した。2.5%MSMおよび5.0%MSMは増殖し続けた。40%乳製品は、対照、5.0%MSM、および2つの低いMSM濃度について、わずかな増殖減少を示した。24時間で2.5%MSMの微生物数は増加したのに対して、10.0%MSMは微生物増殖が大幅に減少した。5.0%MSMおよび10.0%MSMは初期0日目の微生物量に近い数であった。 28日目に、無脂肪乳製品は2logを超える微生物量であった。0.5%MSM濃度は3.79logであった。これより高いMSM濃度である2.50%、5.0%、および10.0%は28日目に増殖はなかった。1%乳製品は、対照、0.5%MSM、および1.0%MSMについて増加を示す。2.5%MSM試料は微生物量が減少したのに対して、5.0%MSMおよび10.0%MSMは増殖を示さなかった。2%乳製品は1.0%MSMについては増加、対照、0.50%、および2.5%MSMについてはわずかな減少を示した。5.0%MSMおよび10.0%MSMはそれぞれ0.59logおよび1.66logまで減少した。これより高い脂肪乳製品である10.5%および40%では、対照は微生物数が増加し続けた。両製品とも1.0%MSMは増加したのに対して、10.5%製品では0.5%MSMは微生物数が増加し、40%製品では0.5%MSMは減少を示した。両製品とも2.5%MSMは微生物量が減少した。10.5%乳製品の5.0%および10%は増殖がなかった。40%製品では5.0%MSM濃度および10.0%MSM濃度の微生物数は0.35logであった。 これらの研究から、MSMを添加物として乳に用いても乳の貯蔵寿命に有害な影響を及ぼさないことが分かる。特に、21日目では、微生物数が対照より多いMSM濃度は無かった。さらに、これらの研究から、ある特定の乳製品では、実際に、5.0%MSMまたは10.0%MSMの濃度は微生物量を対照よりかなり少なく保ったことが分かる。これらの研究から、このような濃度のMSMを用いて、乳などの製品の貯蔵寿命を延ばすことができると示唆される。実施例12MSMを添加した人工胃酸(Simulated Gastric Acid)の中でのアシドフィルス乳およびバチルス・コアグランスの増殖 本実施例は、MSMを添加した人工胃酸の中でのアシドフィルス乳およびバチルス・コアグランスの増殖について述べる。 人工胃液の中でのMSMを加えて強化されたプロバイオティック微生物の増殖に対するメチルスルホニルメタン(MSM)の作用を分析する。以前の研究から、増殖培地へのMSMの添加は微生物の増殖速度の助けとなることが示されている。本研究では、人工胃液の中でのMSMを加えて強化されたプロバイオティック増殖の作用を測定する。 0%、0.25%、2.0%、および5%の存在下で微生物増殖研究を行った。プレーティングの時間間隔を15時間にわたって3時間ごと、次いで、24時間および48時間にした。回復したコロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)の微生物の増殖曲線をMSM濃度間で比較した。0%MSM濃度は、それぞれの微生物の試料対照であった。MSMストック粉末は、分析証明書付きでBergstrom Nutritionによって供給された。粉末は、マイクロプリル調製法、ロット#0806809、使用期限10/31/13であった。研究の前に、全ての培地およびストックMSM粉末の無菌性をチェックした。2週間にわたって2種類の生物に対して研究を行った。分析した微生物には、ラクトバチルス・アシドフィルス乳およびバチルス・コアグランス(Ganedenによって供給された15BBロット#90BC004A1MZ)が含まれた。 ラクトバチルス・アシドフィルス乳の場合、81,000cfu/mLのカウントの乳11mLを人工胃酸99mLに添加した。バチルス・コアグランスの場合、1グラムの粉末をトリプティックソイブロス(TSB)99mLに添加して、108,000cfu/mLのカウントのバチルス・コアグランスを得た。11ミリリットルのバチルス・コアグランスTSBを人工胃酸99mLに添加した。MSM作業濃度を1個の5.0%MSM溶液から調製し、それに応じて、乳またはTSBを用いて希釈して、望ましい最終MSM濃度を得た。本研究を進める前に、全ての溶液の無菌性を確かめた。研究中、作業用人工胃酸を35.0±0.2℃でインキュベートした。人工胃酸のpHは1.2であった。 前記で列挙した時間で、ラクトバチルス・アシドフィルス乳をMRS寒天に接種した。前記で列挙した時間で、バチルス・コアグランスをトリプティックソイ寒天(TSA)に接種した。全ての調製およびプレーティングを室温で行った。人工胃酸中のそれぞれのMSM濃度を2回繰り返して行った。サンプリングされたそれぞれの時間間隔について、それぞれの生物のそれぞれの希釈液を3回繰り返してプレートした。適切なコロニー/ミリリットルを捕捉するために、それぞれの時間間隔で、それぞれの生物を6つの異なる希釈度でプレートした。全てのプレートを、バチルス属を除く全ての生物について35℃±0.5℃で72時間インキュベートした後に、調べた。バチルス属は48時間インキュベートした。適切な希釈プレートを計数に使用し、報告のために平均した。計数用の適切なプレートには25〜250cfu/mLが含まれた。 MRS寒天およびTSA上での微生物バックグラウンドレベルを得るために、MSMストック試料およびMSMを用いて調製した全ての培地を試験した。MSMストックは<10cfu/gであり、全ての試験培地は接種前に全ての場合において<1cfu/mLであった(以下の表を参照されたい)。プレーティングのための全ての時間間隔には、品質管理目的で注入間に陰性対照プレートが含まれた。陰性対照プレートには全て微生物増殖が無かった。これらの研究の結果を以下の表16.1〜18.2に示した。 (表16.1)試験試料を接種する前のストック培養の数値管理 数値管理は、適切な培地上での特定の生物の増殖から得られた。計数のために、接種用液体を適切な培地上にプレートした。適切なコロニー/ミリリットルを捕捉するために、それぞれの液体を4つの異なる希釈度で3回繰り返してプレートした。適切な希釈プレートを計数に使用し、報告のために平均した。計数用の適切なプレートには25〜250cfu/mLが含まれた。 (表17.1)乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの対数増殖。2回の繰り返し。 (表17.2)乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの対数増殖。平均。 人工胃酸に入れられたアシドフィルス乳は、ラクトバチルス・アシドフィルスの回復がMSMによって助けられた。初期回復は、この方法の検出限界未満であった。5.0%MSMの初期対数回復は0.41であった。3時間は、2.5%MSMについて回復の急激な上昇を示し、5.0%MSMについては増殖logを維持している。6時間では、0.25%MSMは0.52logの回復を示し、5.0%MSMは0.91logの回復を示した。2.5%MSMは検出不可能な値まで増殖が減少した。9時間では、全てのMSM濃度について有意な検出があった。0%対照は検出限界未満のままであった。12時間では、対照は0.5logまで増殖し、これは0.25%MSMに匹敵する。2.5%MSM試料および5.0%MSM試料の増殖速度はそれぞれ1.02logおよび1.10logであった。15時間は、MSM濃度と共に1.43log、1.34log、および1.43logの連続増殖を証明した。0%MSM対照は0.48logから0.98logまで増加した。24時間では、0%MSMおよび0.25%MSMの増殖はそれぞれ0.31logおよび0.11log減少した。0.25%MSMは0.30log増加し、5.0%MSMは0.23log増加した。48時間では、0.25%MSMおよび0%MSM対照は検出限界未満まで減少した。2.5%MSMは0.38log減少し、5.0%MSMは0.33log減少した。 (表18.1)バチルス・コアグランスの対数増殖。2回の繰り返し。 (表18.2)バチルス・コアグランスの対数増殖。平均。 バチルス・コアグランスの初期回復は回復を示さなかった。しかしながら、0.25%MSM試料および5.0%MSM試料の平均は0.26logであった。弱い回復は、0.25%MSMについては研究全体を通じて、5.0%MSMについては15時間で見られた。回復が弱すぎて、バチルス・コアグランスを対象とした胃酸研究について結論を出すことができなかった。初期の3時間曝露によって生物が死滅した可能性がある。 これらの研究から、アシドフィルス乳に関して、MSM含有乳を用いると細菌増殖に対して良い影響があることは明らかである。最初の3〜6時間で、0.25%、2.5%、および5.0%MSM濃度における、それぞれのラクトバチルス・アシドフィルスの対数期増殖がわずかに増加する。9時間で、対照と比較してMSM濃度の乳からラクトバチルス・アシドフィルスが多量に回復する。12時間は、対照乳において最初にラクトバチルス・アシドフィルスの回復が0.5logで示された時間である。これは0.25%MSMに匹敵する。2.5%MSM濃度および5.0%MSM濃度の回復増殖速度は1logである。15時間で、対照はその増殖が0.98logと最大になる。0.25%MSM濃度は1.43logと最大になる。2.5%および5.0%MSMはそれぞれ24時間で1.64logおよび1.66logと最大になる。24時間では、対照および0.25%MSMについて激減を示す。48時間で、対照および0.25%MSMはこの方法の検出限界未満になり、2.5%MSMおよび5.0%MSMは依然として生物数は1logを上回る。MSMは、適応を加速することによって、このプロセスを助けるように見え、微生物が環境ストレッサーに素速く適応するのを可能にする。 MSMで処理された試料は増殖対数期の延長を示した。この対数期の延長は、5.0%MSM濃度において最も容易に見られた。5.0%MSMは、対照の最大増殖回復である15時間での対照より0.45log大きい。5.0%MSMは1.66logの最大値に達した、すなわち、対照より0.68log大きかった。これは、0%対照試料より高いパーセントの娘細胞の生存率を示している。従って、MSMを含む環境が細胞の増殖および生存を促すことが示唆される。 MSMはまた定常期および激減期にも影響を及ぼした。対照定常期は、2.5%MSMおよび5.0%MSMの定常期より短かった。15時間から24時間まで、試料は増殖速度を維持しただけでなく、最低0.24logだけlogが増加し続けた。これらの結果から、MSMを添加物として使用すると、ラクトバチルス・アシドフィルスはさらに長期間成長して、さらに良好な健康上の利益のために定着できることが分かる。対照は48時間で検出不可能であった。2.5%MSMおよび5.0%MSMの増殖は依然として1logを上回っていた。このことから、MSM添加物を用いることによって、乳の中のラクトバチルス・アシドフィルスの生存能力は大きくなったことが分かる。 バチルス・コアグランス研究は回復を示さなかった。これは、胃液中での曝露時間が原因である可能性があった。曝露時間が短い方がバチルス・コアグランスの生存能力に有益であろう。ラクトバチルス・アシドフィルス研究とバチルス・コアグランスとの違いはマトリックスであった。胃液中でラクトバチルス・アシドフィルスの生存を可能にするのに十分な緩衝液が乳から提供された。実施例13MSMを添加したバチルス・コアグランスの生存率の測定 本実施例は、バチルス・コアグランスの生存率およびコロニー形成に対するMSMの作用について述べる。 0%、1.0%、2.0%、および5%のMSMの存在下で、勢いのある微生物コロニー形成の研究を行った。30ミリリットルのトリプティックソイブロスの中で微生物を72時間増殖させた。72時間の終わりに、トリプティックソイ寒天上のコロニー形成を写真により文書化することによって、ブロスのコロニー形成を測定した。2枚の顕微鏡スライドの間に入れられた25mmx25mm面積のトリプティックソイ寒天に対する透過率(%)も分光光度計において測定した。 回復したコロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)の微生物の増殖曲線をMSM濃度間で比較した。0%MSM濃度は、それぞれの微生物の試料対照であった。MSMストック粉末は、分析証明書付きでBergstrom Nutritionによって供給された。粉末は、マイクロプリル調製法、ロット#0806809、使用期限10/31/13であった。研究の前に、全ての培地およびストックMSM粉末の無菌性をチェックした。分析した微生物には、バチルス・コアグランス、Ganedenによって供給された9BBロット番号0109E002が含まれた。 バチルス・コアグランスの場合、生物を単離し、24時間増殖させた後に、収集した。収集した微生物を、希釈Aと呼ばれる滅菌100mL瓶に入れた。210個のバチルス・コアグランス/1mLのカウントで、希釈Aをある作業溶液でさらに希釈した。これを希釈Bと呼ぶ。1ミリリットルの希釈Bを用いて、前記で述べたTSB濃度30mLに接種した。MSM作業濃度を1個の5.0%MSM溶液から調製し、それに応じてTSBで希釈して、望ましい最終MSM濃度を得た。本研究を進める前に、全ての溶液の無菌性を確かめた。 コロニーの確認および集団密度を得るために、バチルス・コアグランスをトリプティックソイ寒天(TSA)上に35℃±0.5℃で72時間接種した。全ての調製およびプレーティングを室温で行った。本研究における、それぞれのMSM濃度を2回繰り返して行った。それぞれの試料について、微生物のそれぞれの希釈液を3回繰り返してプレートした。適切なコロニー/ミリリットルを捕捉するために、微生物を6つの異なる希釈度でプレートした。全てのプレートを微生物について35℃±0.5℃で48時間インキュベートした。適切な希釈プレートを計数に使用し、報告のために平均した。計数用の適切なプレートには25〜250cfu/mLが含まれた。 MRS寒天およびTSA上での微生物バックグラウンドレベルを得るために、MSMストック試料およびMSMを用いて調製した全ての培地を試験した。MSMストックは<10cfu/gであり、全ての試験培地は接種前に全ての場合において<1cfu/mLであった。プレーティングのための全ての時間間隔には、品質管理目的で注入間に陰性対照プレートが含まれた。陰性対照プレートには全て微生物増殖が無かった。これらの研究の結果を以下に示した。 (表19.1)試験試料を接種する前のストック培養の数値管理 数値管理は、適切な培地上での特定の生物の増殖から得られた。計数のために、接種用液体を適切な培地上にプレートした。適切なコロニー/ミリリットルを捕捉するために、それぞれの液体を4つの異なる希釈度で3回繰り返してプレートした。適切な希釈プレートを計数に使用し、報告のために平均した。計数用の適切なプレートには25〜250cfu/mLが含まれた。 (表20.1)バチルス・コアグランス集団の表 この菌数は、72時間後にトリプティックソイブロスを希釈し、トリプティックソイ寒天プレート上に接種したものに基づいた。プレートを48時間インキュベートし、数を数えた。 (表21.1)バチルス・コアグランスの重量 72時間後のトリプティックソイブロスをコニカルバイアルに入れて遠心分離した。上清を取り出し、ペレットを洗浄した。遠心分離および洗浄を3回繰り返した。3回目の洗浄の終わりに、ペレットを含むバイアルを秤量した。それぞれのバイアルを空の状態で秤量し、記録した。次いで、対応するバイアルの重量をペレットおよびバイアルの最終重量から差し引いて、バチルス・コアグランス集団の重量を得た。72時間の終わりに、それぞれのプレートから25x25mmの寒天切片を切り出し、2枚の顕微鏡スライドの間に入れた。寒天の詰め物がずり落ちないように、スライドを密封した。波長を546nmに設定し、2枚の空のスライドをブランクとして使用した。プレートを調べた時に、0%MSM対照と比較して、5.0%MSMでは、1個のバチルス・コアグランスコロニーが大きく、かつ勢いがあるように観察された。重量から、バイオマスの重量を増やす、多量の増殖またはサイズの大きなコロニーが示された。 (表22.1)バチルス・コアグランスの透過率(%) バチルス・コアグランスのコロニーサイズを示すために、透過率(%)を使用した。ここで、寒天を通過する光をコロニーが遮るので、透過率の減少はコロニーサイズの増加を示している。1〜5%MSMを添加すると、透過率(%)が減少するように見えた。透過率(%)の結果は、試料サイズ、試料位置、および寒天変数の影響を受けることがあると観察された。 目視観察から、ブランク対照と比較して、MSM処理後にコロニーのサイズは大きくなることが認められた。コロニーはまた、MSM処理試料のバイオマスを測定した時にブランク対照と比較して総重量を重くした。これらの2つの結果と、測定された透過率(%)から、(ある特定の濃度の)MSMは添加物として、バチルス・コアグランスの生存率、健康状態、およびサイズに良い影響を及ぼすことが分かる。実施例14人工腸管環境(Simulated Intestinal Tract Environment)におけるラクトバチルス・アシドフィルスの増殖および回復に対するMSMの作用 本実施例は、人工腸管環境におけるラクトバチルス・アシドフィルスの増殖および回復に対するMSMの作用について述べる。 以下の濃度:0%、0.25%、2.0%、および5%のMSMを加えて強化された微生物増殖研究を行った。溶液をプレートする時間間隔は、時間単位で、0、3、8、24、30、36、48、54、60、および72であった。回復したコロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)の微生物の増殖曲線をMSM濃度間で比較した。0%MSM濃度は、それぞれの微生物の試料対照であった。MSMストック粉末は、分析証明書付きでBergstrom Nutritionによって供給された。粉末は、マイクロプリル調製法、ロット#0806809、使用期限10/31/13であった。研究の前に、全ての培地、水、およびストックMSM粉末の無菌性をチェックした。人工胃酸のpHは1.2であった。人工腸液のpHは6.8であった。分析した微生物には、ラクトバチルス・アシドフィルスATCC#4356が含まれた。 ラクトバチルス・アシドフィルスの場合、瓶入りの乳を製品として使用した。生物の9log溶液1ミリリットルを瓶入りの乳99mLに入れ、手で振盪することによって混合した。それぞれのMSM濃度について、これを繰り返した。それぞれのMSM濃度について懸濁液を計数し、出発接種材料と名付けた。それぞれのMSM濃度およびラクトバチルス・アシドフィルス乳10ミリリットルを人工胃酸90mLに20分間入れた。胃酸を35℃まで予め温め、35℃に20分間保った。20分の終わりに、人工胃酸、ラクトバチルス・アシドフィルス、および乳の混合物10mLを人工腸液90mLに入れた。人工腸液を35℃まで予め温め、研究中、35℃に保った。MSM作業濃度を1個の5.0%MSM溶液から調製し、それに応じて瓶入りの乳で希釈して、望ましい最終MSM濃度を得た。本研究を進める前に、全ての溶液の無菌性を確かめた。 前記で列挙した時間で、ラクトバチルス・アシドフィルス腸液をMRS寒天に接種した。全ての調製およびプレーティングを室温で行った。それぞれのMSM濃度を2回繰り返して行った。サンプリングされたそれぞれの時間間隔について、それぞれの生物のそれぞれの希釈液を3回繰り返してプレートした。適切なコロニー/ミリリットルを捕捉するために、それぞれの時間間隔で、それぞれの生物を4つの異なる希釈度でプレートした。全てのプレートを、CO2環境の中で、37℃±0.5℃で72時間インキュベートした後に、調べた。適切な希釈プレートを計数に使用し、報告のために平均した。計数用の適切なプレートには25〜250cfu/mLが含まれた。 MRS寒天およびトリプティックソイ寒天上での微生物バックグラウンドレベルを得るために、MSMストック試料およびMSMを用いて調製した全ての培地を試験した。MSMストックは<10cfu/gであり、全ての試験培地は接種前に全ての場合において陰性であった。プレーティングのための全ての時間間隔には、品質管理目的で注入間に陰性対照プレートが含まれた。陰性対照プレートには全て微生物増殖が無かった。これらの研究の結果を以下の表に示した。 (表23.1)ラクトバチルス・アシドフィルスの対数増殖 データを綿密に調べると、MSMを製品に添加することによって、ラクトバチルス・アシドフィルスの増殖および回復において利益がある。0%MSM対照と5.0%MSMを比較すると、ラクトバチルス・アシドフィルスの増殖対数期が大幅に延びた。最初の24時間以内で、5.0%MSMは対照より1.81log大きかった。次の12時間にわたって、対照、0.25%、および2.5%は減少した。5.0%MSMは同じ期間にわたって増加し続けた。この時間枠の終わりに、5.0%MSMは8.65logであり、対照より4.65log大きかった。36時間から48時間にわたって、MSM濃度はブランク対照より速い速度で増殖した。0.0%MSMの0.59logと比較して、0.25%MSMは3.65log増加し、2.5%MSMは5.85log増加した。この傾向は次の8時間で変化し、対照は4.38log増加した。0.25%MSMは減少したのに対して、2.5%および5.0%MSMは対照ほど増加せず、2.07logおよび3.16log増加した。60時間から72時間にわたって、ブランク対照は低下したのに対して、MSM濃度は増加した。 データを分析するのであれば、激減の段階をより良く予測するために、さらに24時間の試験期間が役に立ったであろう。72時間で、グラフから、ラクトバチルス・アシドフィルスは定常期に達したことが分かる。激減の段階は示されておらず、MSM濃度が対照より長く集団寿命を延ばしたかどうか予測することは難しい。本発明者らが見たものは2.5%MSMおよび5.0%MSMを用いて高い菌数となる、増殖速度の増加であった。MSMを添加物としてラクトバチルス・アシドフィルス製品に用いれば、生物が腸管内で定着する可能性が高まるだろう。生物が速くなれば、プロバイオティックを摂取する利益が高まるであろう。 MSMを添加すると、集団増殖が減少した後のラクトバチルス・アシドフィルスの回復において利益がある。24時間から36時間では、0.25%MSM、2.5%MSM、および0.0%MSMの増殖が減少する。0.25%MSMおよび2.5%MSMは、12時間で、大幅に増殖速度が増加して回復するのに対して、0.0%MSMは大幅な増殖速度を示すために、さらに12時間かかった。5.0%MSMについては、この時間枠の間に回復は減少せず、増殖速度はわずかに減少しただけだった。5.0%MSMは、24時間で増殖速度がわずかに減少した後に、実質的な増殖速度増加を生じるのに6時間しかかからなかった。これは、MSMがラクトバチルス・アシドフィルスの回復時間にどのように影響を及ぼすかを示している。ラクトバチルス・アシドフィルスの回復時間の延長は、腸コロニーをすぐに確立するのに役立ち、それによって、健康上の利益が増大するという利益であろう。 添加物としてMSMがラクトバチルス・アシドフィルス集団の寿命をさらに延ばすことができるかどうか観察するには、本研究を96時間までおよび96時間を超えて延長する必要がある。腸管内でさらに長期間定着することができる集団は、プロバイオティック製品およびこれを摂取する人への付加利益だろう。 ラクトバチルス・アシドフィルスにサプリメントとしてのMSMを用いると、この生物は速く確立し、速い速度で増殖し、高い菌数に達する。これらの特性は、プロバイオティックとしてラクトバチルス・アシドフィルスを摂取する人に利益を与えるだろう。実施例15草の成長および栄養価に対するMSMの作用 本実施例は、草の成長およびこのような草の栄養価に対するMSMの作用について述べる。 以下の条件下で草の成長をモニタリングすることによって、草の成長および栄養価に対するMSMの作用を評価した。(1)肥料のみ;(2)MSMのみ(OptiMSM(登録商標)GNC-ロット#0922904、1:500または2lb/1,000sq.ft.の割合);ならびに(3)肥料およびMSM(肥料の存在下で1:500または2lb/1,000sq.ft.の割合のMSM)を同じ農地だが、別々に適用した。試験した肥料は尿素(45-0-0)であり、牧草のタイプは、以下の草の混合(ヒロハノウシノケグサ、ライグラス、カモガヤ、オオアワガエリ、シロツメクサ、アカクローバー(medium red clover)、およびインターメディエートライグラス(intermediate rye grass);このような配合物の種子はワールドワイドウェブ上でウエブアドレスoregroseeds.com/allnatdairy.htmlにおいて市販されている)を含んだ。試験しようとする農地を測定し、異なるレベルのMSM適用および対照を表記するために印を付けた。コントロールドブロードキャストスプレッダー(controlled broadcast spreader)を用いて、MSMおよび/または肥料を適用した。通常通り、農地に水をまいた(4日ごとにスプリンクラーで水をまいた)。草を7週間と3日成長させた後に、試験のために切り取った。サンプリングされた草を土から1インチの場所で切断し、乾燥のためにプラスチックバックに入れた後、発送した。栄養価に関する、これらの試験の結果を、以下の表23.2に示した。 (表23.2)乾燥量基準で報告した1:500の結果 また、評価した草は全て同じ速度で成長したが、ライグラスはMSMで処理した場所では2〜3インチ高く成長したことにも注目した。さらに、MSMで処理した草とMSMで処理しなかった草との間で、目に見える色の変化はなかったことに注目した。さらに、ウマは、MSMで処理しなかった草よりMSMで処理した牧草を好んだことに注目した。 これらの研究から、MSMは草の栄養価を変えることができ(例えば、肥料のみと比較して相対的な飼料の価値を高めることができ)、草のタイプに応じて草の味ならびに草の高さを変える可能性があることが分かる。実施例16ビール(スコッチエール)の生産に関連した発酵効率に対する0.5%MSMの作用 本実施例は、ビール、特に、スコッチエールの生産に関連した発酵効率に対する0.5%MSMの作用について述べる。 ある特定の濃度のMSMは、微生物増殖を含めて微生物に良い影響を及ぼすことが本明細書において証明されている。この良い影響は、真菌、酵母、および細菌のような生物を含む。酵母培養は、発酵プロセスの間にエタノールおよび二酸化炭素を発生するビールの生産に関与する。本研究では、0.5重量%のMSMが醸造プロセス効率の向上などの良い影響を及ぼすかどうか確かめた。MSMを、酵母スターター(1000mL H2O、100gの乾燥麦芽エキス、小瓶1本のwhite labs Edinburgh Ale Yeast)、およびワートに添加した。ワートは、ビールまたはウイスキーの醸造中にマッシングプロセスから抽出される液体である。ワートは、醸造用酵母によって発酵されて、アルコールを生じる糖を含有する。 最初に、0.5%MSMを処理群に添加し、MSMを対照群に添加しなかった以外は、当業者に公知の標準的な方法に従って、酵母スターターを調製した。この手順を以下で詳述する。材料には、以下:2.64オンスガラスジャグ;漏斗;標準的な2種類の醸造用エアロック;5.0グラムのMSM;2000mLの水;200グラムの乾燥麦芽エキス(DME);小瓶2本のWhite Labs Edinburgh Ale WLP028酵母エキス;および醸造用殺菌剤(San Star)が含まれた。 処理用スターターバッチの調製は以下の工程を含んだ:(1)ガラスジャグ、エアロック、および漏斗を徹底的に洗浄し、次いで、ビール用殺菌剤でリンスした。(2)1000mLの水を煮沸し、次いで、100グラムのDMEを添加した。(3)試料を10分間煮沸した。(4)試料を熱から離し、5.0グラムのMSMを添加した。(5)溶液を72°Fまで冷却した。次いで、処理用スターターバッチを、殺菌した64オンスガラスジャグに入れ、これに、小瓶1本のWhite Labs Edinburgh Ale酵母を添加した。エアロックを付け、容器全体を暗い部屋の中に室温で48時間入れた。 対照スターターバッチの調製は以下の工程を含んだ。(1)ガラスジャグ、エアロック、および漏斗を徹底的に清掃し、次いで、ビール用殺菌剤でリンスした。(2)1000mLの水を煮沸し、次いで、100グラムのDMEを添加した。(3)試料を10分間煮沸した。(4)試料を熱から離した。(5)溶液を72°Fまで冷却した。次いで、処理用スターターバッチを、殺菌した64オンスガラスジャグに入れ、これに、小瓶1本のWhite Labs Edinburgh Ale酵母を添加した。エアロックを付け、容器全体を暗い部屋の中に室温で48時間入れた。 MSM処理用スターターは、酵母を投入して約2時間で活性の徴候を示した(トラップを介して泡が立っている)。対照スターターは、酵母を投入した後、約10時間まで活性の徴候を示さなかった。 醸造日(酵母スターターを作製して2日後)に、マッシュを調製した。マッシュを調製するための材料は、以下:18lbのAmerican 2-Rowベースグレイン;3lbのCrystal Malt 40Lスペシャルティグレイン;1lbのCara-Pils Maltスペシャルティグレイン;および水を含んだ。マシュタン(破砕したグレインの中にあるデンプンを、発酵のために糖に変換するマッシングプロセスにおいて用いられる容器)およびブリューケトル(Brew kettle)を粉末醸造用洗浄剤で清掃し、徹底的にリンスした。次いで、マシュタンを殺菌した(San Star醸造用殺菌剤)。マッシングのために、以下のグレイン:18lbのAmerican 2-Rowベースグレイン;3lbのCrystal Malt 40Lスペシャルティグレイン;および1lb Cara-Pils Maltスペシャルティグレインを破砕および粉砕した。7ガロンの水を163°Fまで加熱し、次いで、予め加熱したマシュタンと組み合わせた。次いで、粉砕したグレインを添加し、溶液を徹底的に混合した。蓋を取り付け、溶液を60分間混ぜた。60分後に、4.25ガロンの作業溶液をマシュタンからブリューケトルに排出した。ストライクウォーター(strike water)を168°Fまで予め加熱し、マシュタンに添加し、グレインと徹底的に混合した。混合物を10分間インキュベートした。ブリューケトルの中に12.75ガロンの煮沸前総体積が得られるまで、このプロセスをもう2回繰り返した。 マッシュを調製した後に、醸造プロセスを開始した。醸造プロセスには以下の材料:3.0オンスのCascadeホップ;2ティースプーンフルのアイリッシュモス;105グラムのMSM;12.75ガロンのワートを含有するブリューケトル;ワートチラー(wart chiller);2個の発酵容器;屈折計;醸造用殺菌剤;粉末醸造用洗浄剤(PBW);およびフィルター付エアストーン(filtered air stone)を使用した。機器をPBWで徹底的に清掃した。ワートチラーおよびフィルター付エアストーンを醸造用殺菌剤(San Star醸造用殺菌剤)で殺菌した。ブリューケトルの中でワート(12.75ガロン)を煮沸し、1番目の一定分量のCascadeホップ(1.5オンス)を溶液に添加した。30分間煮沸して、2番目の一定分量(0.5オンス)のCascadeホップを添加した。40分間煮沸して、3番目の一定分量(0.5オンス)のCascadeホップならびに2ティースプーンフルのアイリッシュモスを添加した。50分間煮沸して、第4アリコート(0.5オンス)のCascadeホップを添加した。ワートをブリューケトルからワートチラーに捨て、74°Fまで冷却した。次いで、ワートを2個のファーメンター(それぞれ体積21リットル)に分けた。0.5%MSM(105グラム)を処理用ファーメンターに添加した。両ファーメンターのブリックスを測定し、ベースポイントを記録した(処理用ファーメンター=15ブリックス;対照ファーメンター=14.75ブリックス)。それぞれのファーメンターのブリックスを21日間にわたって24時間ごとに試験した。殺菌したフィルター付エアストーンを用いて、両ファーメンターを25分間通気した。処理用ファーメンター容器には、MSMを注入した酵母を投入したのに対して、対照ファーメンター容器には、変化のない酵母を投入した。両ファーメンターにブローオフチューブを取り付け、発酵を21日間進めた。これらの研究の結果を以下の表23.3に示した。 (表23.3) 酵母スターターを作製する時に、酵母培養の活性化が速くなればなるほど、効率、および望ましくない空中浮遊微生物からの潜在的な環境汚染の最小化が良好になる。MSMで処理したスターターバッチは対照より80%速く活性を示した(2時間対10時間)。本研究から、MSMは発酵プロセスを助けることも分かった。酵母スターターと同様に、酵母発酵プロセスの活性化が速くなればなるほど、効率、および望ましくない空中浮遊微生物からの潜在的な環境汚染の最小化が良好になる。MSMで処理したファーメンターは対照より58%速く活性を示した(3.5時間対9時間)。MSM処理バッチはまた5日で最大発酵に達したのに対して、対照バッチは6日かかった(完了時間が17〜25%速い)。 これらの結果から、MSMはビール醸造プロセスにおいて有用であることが分かる。実施例17MSM添加アシドフィルス乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの増殖 本実施例は、MSM添加アシドフィルス乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの増殖について述べる。 微生物増殖研究を、0%、0.5%、2.5%、および5%のMSMを加えて強化されたアシドフィルス乳の中で行った。評価のための時間間隔は、計104時間にわたり8時間および16時間であった。次いで、試料を計28日にわたって7日ごとに評価した。回復したコロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)の微生物の増殖曲線を、MSM濃度を含むアシドフィルス乳と試料対照である0%MSM濃度のアシドフィルス乳との間で比較した。MSMストック粉末は、分析証明書付きでBergstrom Nutritionによって供給された。粉末は、マイクロプリル調製法、ロット#0806809、使用期限10/31/13であった。乳は地元の商店で購入した。アシドフィルス乳は低脂肪(Darigold)であった。アシドフィルス+ビフィダス(Acidophilus plus Bifidus)乳は2%乳脂肪(Lucerne)を含有した。2.5%および0%のMSM濃度を用いて、アシドフィルス+ビフィダス乳を、2種類の微生物を含有する製品として同時に測定した。研究中に、作業溶液を4℃に保った。MSM乳作業溶液を2回繰り返して測定した。 全ての調製およびプレーティングを室温で行った。サンプリングされた全ての時間間隔について、全ての溶液の全ての希釈液を3回繰り返してプレートした。適切なコロニー/ミリリットルを捕捉するために、全ての時間間隔で全ての生物を3種類の希釈度でプレートした。全てのプレートを、全ての溶液について、CO2中で、35℃±0.5℃で72時間インキュベートした。適切な希釈プレートを計数に使用し、報告のために平均した。計数用の適切なプレートには25〜250cfu/mLが含まれた。 MRS寒天およびTSA上でのバックグラウンドレベルを得るために、MSMストック試料およびMSMを用いて調製した全ての培地を試験した。MSMストックは<10cfu/gであり、全ての試験培地は接種前に全ての場合において<1cfu/mLであった。プレーティングのための全ての時間間隔には、品質管理目的で注入間に陰性対照プレートが含まれた。対照プレートには全て微生物増殖が無かった。72時間で、MSM濃度および陰性対照溶液は汚染されていないことが確かめられた。これらの研究の結果を以下の表24に示した。 (表24)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの対数増殖 時間0で、MSMを含まない乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの増殖は、MSMを加えて強化された乳と比較して少なくとも1log大きかった。8時間では、MSMを加えて強化された乳は最低1.73logの増殖増加を示したのに対して、MSMを含まない乳は0.26の増殖速度増加を示した。増殖して最初の8時間以内に、MSMは対照と比較して大幅な増加を示した。増殖の最大増加は、平均2.39log増加の5%MSMであるのに対して、2.5%MSMの増加平均は2.33logであった。24時間は、対照とMSM濃度との間で横這い状態の増殖速度を示す。32時間で、対照の増殖は0.32log減少した。32時間で、2.5%および5%のMSM濃度の増殖は0.04logおよび0.03log減少したのに対して、0.5%は0.22log減少した。48時間で、対照は0.31log減少したのに対して、MSM減少は0.5%については0.54log、2.5%については0.24log、5%については0.51logである。MSM濃度は対照と比較して速い回復速度を維持した。2.5%のMSM濃度は平均して0.31log高く、5%は0.21log大きかった。56時間は、増殖の増加または減少において有意な変化を示さなかった。72時間では、対照は0.19log増加したのに対して、MSM濃度は安定していた。80時間で、増殖は大幅に増加した。対照は1.44logの増加を示した。MSMで処理した試料は、0.5%(1.1log)、2.5%(1.09log)、および5%(1.1log)で増殖が増加した。96時間で、対照は安定化した。96時間で、全てのMSM濃度が平均して増加した(0.5%、0.38log;2.5%、0.51log;および5.0%、0.41log)。96時間で、2.5%MSM濃度は対照より0.23log大きかった。104時間で、対数増殖の減少は対照とMSM濃度との間で同等であった(対照は0.57log減少した;0.5%MSMは0.60log減少した;2.5%MSMは0.62log減少した;5.0%MSMは0.64log減少した)。対照とMSM濃度との間で最終的な増殖回復を比較すると、本研究から、0.5%MSMは対照より0.05log大きく、2.5%MSMは対照より0.18log大きく、5%MSMは対照より0.11log大きいことが分かった。 7日目は、全ての作業溶液について104時間からの増殖増加を示した。対照は0.84log増加し、0.5%MSMは1.19log増加し、2.5%MSMは0.87log増加し、5.0%MSMは1.15log増加した。0.5%MSMは対照より0.39log大きく、2.5%MSMは対照より0.21log大きく、5.0%MSMは対照より0.42log大きかった。14日目に増殖は大幅な減少を示した。最大の増殖減少は0.5%MSMの4.46logであった。次に、3.33log減少の対照であり、2.5%MSMは3.17log、5%MSMは2.67logであった。0.5%MSMは対照より0.74log小さかったのに対して、2.5%MSMは0.37log大きかった。5.0%MSM試料は、1.08logで対照より1log分(full log)大きかった。21日目では増殖は減少し続けた。対照は1.66log小さく、0.5%MSMは0.85log小さく、2.5%は1.87小さく、5.0%MSMは2.48log小さかった。0.5%MSMおよび対照の対数増殖は等しく、2.5%MSMは対照より0.17log大きく、5.0%MSMは対照より0.26log大きかった。28日目に、増殖は減少し続け、対照は1.3log減少し、0.5%MSMは2.37log減少し、2.5%MSMは2.14log減少し、5.0%MSMは3.04log減少した。28日目の陰性対照の増殖は、0.5%MSMより1.00log大きく、2.5%MSMより0.68log大きく、5.0%MSMより1.48log大きかった。 本研究の間、アシドフィルス+ビフィダス乳はほぼ同じ増殖速度を示した。0時間〜8時間まで、両方とも大幅な増殖増加を示した。24時間で、対照は0.17log減少したのに対して、2.5%MSMは0.49log増加し、2.5%MSMは対照より0.97logカウント大きかった。32時間で、2.5%MSMは0.29log減少し、対照は0.54log増加し、2.5%MSMは対照より0.14logカウント大きかった。48時間〜72時間まで、増殖の増加および減少の連続パターンがあり、2.5%MSMの増殖は対照より0.15logおよび0.5log増加した。72時間では、対照と2.5%MSMとの間の増殖は等しかった。80時間では、対照の増殖は1.21log増加し、2.5%MSMの増殖は1.37log増加し、2.5%MSMの増殖は0.16log増加した。96時間では、2.5%MSMは1.21logと大幅に増殖が減少した。対照は80時間から有意差を示さず、結果として対照の増殖は2.5%MSMと比較して1.07log大きかった。104時間では、対照の増殖は0.85log減少し、2.5%MSM試料は0.31log増加した。104時間では、2.5%MSM試料は対照より0.09log大きかった。7日目に乳は1.27log増加し、2.5%MSMは1.5log増加し、2.5%MSMは乳より0.32log大きかった。14日目に増殖は減少し、乳は3.27log減少し、2.5%MSMは4.72log減少した。乳の増殖は2.5%MSMと比較して1.13増加した。21日目に、減少は遅くなり、乳は1.23log減少し、2.5%MSMは0.33log減少し、乳の増殖はMSMより0.23log大きかった。28日目に、乳は1.78log減少し、2.5%MSMは1.43log減少し、MSMは、MSMを含まない乳より0.12log大きかった。表25は、2回繰り返した平均によるデータを示す。 (表25) MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの増殖。平均。 (表26)アシドフィルス乳の中での非プロバイオティック微生物の増殖。cfu/mL。 表26は、作業溶液に対して分析された標準的なプレートカウントのデータを示す。乳の中に見られる正常フローラにMSMがどのように影響を及ぼすかどうか調べるために、これを行った。0日目は、本研究を開始するために試料を準備した日であった。アシドフィルス+ビフィダス乳は、0日目に、典型的に予想されたものより高いカウントで開始した。このために最終値は大きくなった。0日目のアシドフィルス乳製品は予想された値であった。研究全体を通して、アシドフィルス乳は適切な増殖速度を維持し、乳製品において見られる典型的な増殖速度に等しかった。5.0%MSMは、研究全体を通して大幅な増殖を可能にしなかった。 本製品への添加物としてMSMは、製品の中にあるプロバイオティックであるラクトバチルス・アシドフィルスの集団の増加において大きな役割を果たしている。MSMを加えて製品を強化した最初の8時間の中で、製品の中のプロバイオティックは大きな影響を受けた。プロバイオティックの増殖速度は大幅に増加した。最初の8時間の中で、MSMを含まないアシドフィルス乳の増殖は0.26long増加した。これに対して、MSMを含むアシドフィルス乳は最低1.73log増加した。2.5%MSM乳試料は2.27logおよび2.39log増加した。5.0%MSM試料は2.17logおよび2.61log増加した。 研究全体を通して、アシドフィルス乳対照とMSMを加えて強化されたアシドフィルス乳を比較した時に増殖は連続的に増加した。増殖速度の増加は対照を上回る0.04〜1.08logであった。対照の増殖がMSM溶液より大きくなるデータは、2つの時点、80時間および28日目しかなかった。データを分析した時に、80時間で増殖が大きくなった理由はピーク増殖曲線によるものであった。MSMを含む乳の前に、MSMを含まないアシドフィルス乳はピークに達した。従って、MSMは依然として増殖期にあったのに対して、アシドフィルス乳はその増殖のピークに達していた。MSMのために増殖は増加し、研究終盤での激減の速度は大きかった。従って、28日目のMSM溶液の増殖は対照より小さかった。 5.0%MSMを加えて強化されたアシドフィルス乳は10.89logでピーク増殖に達した。アシドフィルス乳は10.29logのピーク増殖に達した。全てのMSM濃度がアシドフィルス乳の増殖より大きくなった。2.5%MSMのピーク増殖は10.59logであり、0.5%MSMのピーク増殖速度は10.72logであった。これは、プロバイオティックに及ぼすMSMの影響をさらに証明している。MSMを加えて強化された製品は、MSMを含まない製品の増殖より大きくなった。ピーク増殖が大きくなり、14日目に増殖増加が見られ、1週間にわたってピーク増殖速度となった。アシドフィルス乳の増殖は6.96logであった。MSMを加えて強化された乳は7.82logおよび8.26logであり、それぞれ、0.86logおよび1.3log増加した。 プロバイオティック有効性は、以下の3つの点;生存能力、コロニー形成、および乳酸の生産に基づいている。MSMは、プロバイオティック細菌の生存能力およびコロニー形成に影響を及ぼす能力を証明している。最初の8時間の中で、増殖速度の増加によって、コロニー形成する能力が見られた。14日目に、対数増殖の増加によって、生存能力が見られた。乳酸の生産を増加させる能力は、研究されるであろうプロバイオティック有効性の3番目の成分であった。本研究では、MSM溶液中の泡の発生を増加させる反応が観察された。 本研究によって、MSMが有益な栄養補助食品添加物であるという意見が裏付けられた。人間の食事にMSMを添加することによって、胃腸管の微生物フローラに良い方向に影響を与えることができる。プロバイオティック細菌増殖が増加し、生存能力が高まった。MSMはプロバイオティック製品の中に用いられた時に、消費者への利益を高める可能性が上がる。実施例18MSMを添加したアシドフィルス乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの回復 本実施例は、MSMを添加したアシドフィルス乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの回復を示す。 アシドフィルス乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの回復に対するMSMの作用を分析するために、指定されたインキュベーション時間の後に、最初の増殖溶液の希釈部分を適切なブロスに移し、回復速度を分析する時間間隔でサンプリングした。0%、0.5%、2.5%、および5%のMSMを加えて強化されたアシドフィルス乳の中の微生物増殖を測定した。7日目、14日目、21日目、および28日目に、MSMを加えて強化されたアシドフィルス乳試料を希釈し、回復研究のために、MSMを含まない適切なブロスに移した。プレーティングの時間間隔を72時間にわたって24時間ごとにした。回復したコロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)の微生物の増殖曲線を、MSM濃度を含むアシドフィルス乳と試料対照である0%MSM濃度のアシドフィルス乳との間で比較した。研究の前に、全ての培地およびストックMSM粉末の無菌性をチェックした。2週間にわたって4種類の生物に対して研究を行った。微生物を2つの測定に分け、それぞれ、2種類の微生物の1週間にわたる分析を毎週行った。 アシドフィルス乳は低脂肪(Darigold)であった。アシドフィルス+ビフィダス乳は2%乳脂肪(Lucerne)を含有した。2.5%および0%のMSM濃度を用いて、アシドフィルス+ビフィダス乳を、2種類の微生物を含有する製品として同時に測定した。研究中に、作業溶液を4℃に保った。MSM乳作業溶液を2回繰り返して測定した。全ての調製およびプレーティングを室温で行った。サンプリングされた全ての時間間隔について、全ての溶液の全ての希釈液を3回繰り返してプレートした。適切なコロニー/ミリリットルを捕捉するために、全ての時間間隔で全ての生物を3種類の希釈度でプレートした。全てのプレートを、全ての溶液について、CO2中で、35℃±0.5℃で72時間インキュベートした。適切な希釈プレートを計数に使用し、報告のために平均した。計数用の適切なプレートには25〜250cfu/mLが含まれた。 MRS寒天およびTSA上での微生物のバックグラウンドレベルを得るために、MSMストック試料およびMSMを用いて調製した全ての培地を試験した。MSMストックは<10cfu/gであり、全ての試験培地は接種前に全ての場合において<1cfu/mLであった。プレーティングのための全ての時間間隔には、品質管理目的で注入間に陰性対照プレートが含まれた。対照プレートには全て微生物増殖が無かった。72時間で、MSM濃度および陰性対照溶液は汚染されていないことが確かめられた。 本研究は、MSMを加えて強化されたアシドフィルス乳からのラクトバチルス・アシドフィルスの回復に対するMSMの作用に注目する。この回復研究は、MSMを加えて強化されたアシドフィルス乳の中のラクトバチルス・アシドフィルスの増殖に対するMSMの作用について行った研究と同時に行った。7日目、14日目、21日目、および28日目に回復増殖速度を分析した。表27については、時間のないx日目の増殖は、対数増殖にした希釈率を有する初回増殖研究から計算した。表28の増殖は、後の分析日の対数増殖(例えば、28日目の結果は4.00log)から差し引いた、時間のないx日目の対数増殖から計算した。希釈度を計算すると、28日目、時間0の値は、表27については2.00である。表28は出発値として2.00の値を採用している。分析した時間の後のデータはlog単位で数え、2.00の初期値を差し引く(例えば、28日目-24は11.29log)。2.00logを差し引くと、増殖速度の増加は9.29logである。 (表27)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの7日目の対数(lag)回復MSM濃度パーセント (表28)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの7日目の回復と、MSMパーセントによる平均回復と、初期開始データMSM濃度パーセント 7日目の回復から、全てのMSM濃度は、増殖の最初の24時間以内で対照より1log超増加し、0.5%MSMは1.65、2.5%MSMは1.87、5.0%MSMは1.42であることが分かる。48時間で、対照の増殖は、0.5%MSMと比較してわずかに0.03log大きく、2.5%MSMより0.36log大きかったが、5.0%MSMより0.46log小さかった。72時間で、MSM濃度は対照の増殖より大きかった。0.5%MSMは0.9log大きく、2.5%MSは0.43log大きく、5.0%は0.82log大きかった。 最初の24時間で、アシドフィルス+ビフィダス対照の増殖は12.88logであったのに対して、2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスの増殖は13.44logであった。2.5%MSM乳は対照より0.56log大きかった。次の2つの24時間期間で、アシドフィルス+ビフィダス対照の増殖は13.42logおよび13.47logであった。2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスの増殖は同じ期間にわたって12.50logおよび12.77logであった。2番目の24時間期間で、対照は2.5%MSMより0.92log大きく、3番目の24時間期間で0.7log大きかった。 (表29)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの7日目の回復開始時間0からの対数回復増殖速度の増加MSM濃度パーセント log単位での増殖速度の増加に基づく7日目の回復を分析すると、増殖の最初の24時間以内で大幅な増加があった。対照は初回接種量から3log増加したのに対して、MSM濃度は、0.5%MSMについては4.26log増加し、2.5%MSMについては4.66log増加し、5.0%MSMについては4.00log増加した。2番目の24時間で、0.5%MSMおよび2.5%MSMに関して増殖が減少した。対照増殖は1.42log増加し、5.0%MSM増殖は0.47log増加した。3番目の24時間期間で、対照増殖は0.54log減少し、5.0%MSM増殖は0.19log減少した。0.5%MSMおよび2.5%MSMは対数増殖が、それぞれ、0.39logおよび0.25log増加した。 最初の24時間で、アシドフィルス+ビフィダス乳対照は4.78logの増加を示したのに対して、2.5%MSMを加えて強化されたアシドフィルス+ビフィダス乳は5.02増加した。2番目の24時間期間で、アシドフィルス+ビフィダス対照は0.54log増加したのに対して、2.5%MSM乳は0.94log減少した。3番目の24時間期間で、アシドフィルス+ビフィダス対照は0.05log増加したのに対して、2.5%MSM乳は0.27log増加した。 (表30)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの14日目の対数回復MSM濃度パーセント (表31)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの14日目の回復と、MSMパーセントによる平均回復と、初期開始データMSM濃度パーセント 14日目に最初の24時間で、対照はMSM濃度の増殖より大きかった。対照は、0.5%MSMより0.48log大きく、2.5%MSMより0.75log大きく、5.0%MSMより1.02log大きかった。48時間で、対照溶液は2.5%MSMより0.05log大きかった。0.5%MSMは対照より0.47log大きく、5.0%MSMは対照より0.65log大きかった。72時間で、0.5%MSMは対照より0.43log大きく、2.5%MSMは対照より0.14log大きく、5.0%MSMは対照に等しかった。 24時間で、2.5%MSMを加えて強化されたアシドフィルス+ビフィダスは、アシドフィルス+ビフィダス対照より0.03log小さかった。48時間で、アシドフィルス+ビフィダス対照は、2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスより0.05log大きかった。72時間で、2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスはアシドフィルス+ビフィダス対照より0.12log大きかった。 (表32)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの14日目の回復開始時間0からの対数回復増殖速度の増加MSM濃度パーセント log単位での増殖速度の増加に基づく14日目の回復を分析すると、以下が観察された。対照は初回接種量から5.66log増加したのに対して、MSM濃度は、0.5%MSMについては5.93log増加し、2.5%MSMについては4.54log増加し、5.0%MSMについては3.56log増加した。2番目の24時間で、対照増殖は1.75log増加したのに対して、0.5%MSMは2.69log増加し、2.5%MSMは2.45log増加し、5.0%MSMは3.42log増加した。3番目の24時間期間で、対照増殖は0.06log増加し、5.0%MSM増殖は0.59log減少した。0.5%MSMおよび2.5%MSMの対数増殖はそれぞれ0.0.03logおよび0.26log増加した。 最初の24時間で、アシドフィルス+ビフィダス乳対照は8.55log増加を示したのに対して、2.5%MSMを加えて強化されたアシドフィルス+ビフィダス乳は9.65増加を示した。2番目の24時間期間で、アシドフィルス+ビフィダス対照は0.14log増加したのに対して、2.5%MSM乳は0.12log減少した。3番目の24時間期間で、アシドフィルス+ビフィダス対照は0.21log減少したのに対して、2.5%MSM乳は0.04log減少した。 (表33)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの21日目の対数回復MSM濃度パーセント (表34)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの21日目の回復と、MSMパーセントによる平均回復と、初期開始データMSM濃度パーセント 21日目に最初の24時間で、アシドフィルス対照の対数増殖は12.94であった。0.5%MSMの増殖は12.91logであり、2.5%MSMは10.79logであり、5.0%MSMは9.69であった。次の24時間期間で、対照の増殖は0.5%MSM乳に等しく、2.5%MSMより0.24log大きく、5.0%MSMより0.05log小さかった。最後の24時間期間は、MSM濃度において対照と比較して大幅な増加を示す。0.5%MSMは対照より0.98log大きく、2.5%MSMは対照より2.78log大きく、5.0%MSMは対照より2.83log大きかった。 2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスは、最初の24時間でアシドフィルス+ビフィダス対照より0.65log大きかった。48時間で、アシドフィルス+ビフィダス対照は0.08log大きかった。最後の24時間で、アシドフィルス+ビフィダス2.5%MSMは、アシドフィルス+ビフィダス対照より1.47log大きくなった。 (表35)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの21日目の回復開始時間0からの対数回復増殖速度の増加MSM濃度パーセント 21日目のlog増加を綿密に調べると、最初の24時間で、アシドフィルス乳対照は9.64log増加した。0.5%MSは9.54log増加し、2.5%MSMは7.32log増加し、5.0%MSMは6.13log増加した。2番目の24時間で、対照は0.08log増加した。0.5%MSMは0.11log増加し、2.5%MSMは2.00増加し、5.0%MSMは3.39log増加した。最後の24時間で、対照は2.70log減少した。0.5%MSMは1.72log減少した。2.5%MSMは0.32log増加し、5.0%MSMは0.08log増加した。 2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスは9.71log増加し、アシドフィルス+ビフィダス対照は8.83log増加した。最後の2つの24時間期間において、アシドフィルス+ビフィダス対照は0.27logおよび1.30log減少する。2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスは2番目の24時間期間で1.00log減少し、最後の24時間期間で0.25log増加した。 (表36)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの28日目の対数回復MSM濃度パーセント (表37)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの28日目の回復と、MSMパーセントによる平均回復と、初期開始データMSM濃度パーセント 28日目の回復データから、最初の24時間期間で、アシドフィルス乳対照の対数増殖は13.10であることが分かる。MSM濃度は、0.5%MSMについては6.29log、2.5%MSMについては6.37log、5.0%MSMについては5.56logであった。48時間で、0.5%MSMの対数増殖が13.33であり、2.5%MSMは12.57logであり、5.0%MSMは12.87logであった。48時間で、対照は12.71logであった。72時間で対照は12.17logまで減少した。0.5%MSMは13.00logまで減少し、5.0%MSMは12.48logまで減少した。2.5%MSMは12.66logまで改善した。これは、対照より0.53log大きかった。 アシドフィルス+ビフィダス対照は24時間で13.41logであり、2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスより0.74log大きかった。48時間で、この差は小さくなり、対照は、2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスより0.23log大きかった。72時間で、2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスは、10.31logの対照より1.69log大きかった。 (表38)MSMを加えて強化された乳の中でのラクトバチルス・アシドフィルスの28日目の回復開始時間0からの対数回復増殖速度の増加MSM濃度パーセント 28日目に増殖速度は増加した。最初の24時間期間で、アシドフィルス乳対照は11.10log増加し、0.5%MSMは5.29log増加し、2.5%MSMは5.04log増加し、5.0%MSMは5.04log増加した。2番目の24時間期間で、対照は2.06log減少しシフトしたのに対して、MSMを加えて強化された乳は、濃度が0.5%MSMでは7.04log増加し、2.5%MSMでは6.20log増加し、5.0%MSMでは7.31log増加した。最後の24時間期間で、対照は1.43増加し、2.5%MSMは0.09log増加し、0.5%MSMは0.32log減少し、5.0%MSMは0.39log減少した。 アシドフィルス+ビフィダス乳対照は最初の24時間で11.59log増加し、2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスは10.73log増加した。2番目の24時間期間で、アシドフィルス+ビフィダス対照は0.01log増加し、2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスは0.52log増加した。最後の24時間で、アシドフィルス+ビフィダス対照は3.11log減少したのに対して、2.5%MSMを含むアシドフィルス+ビフィダスは1.19log減少した。 これらの研究から、この製品への添加物としてのMSMは、プロバイオティックであるラクトバチルス・アシドフィルスの回復において大きな役割を果たしたことが分かる。回復の全ての例において、MSMを加えて強化された製品の中のラクトバチルス・アシドフィルスの増殖速度は、MSMを含まない製品と比べて大きかった。 7日目の回復データから、最初の24時間で、MSMは、対照と比較して0.99log〜1.66log増加したことが分かる。7日目の2番目の24時間期間で、MSM増殖速度は対照より小さかったが、5.0%MSMの場合、全体の増殖数は多く、0.46log大きかった。7日目の3番目の24時間期間で、MSM増殖速度は、対照より0.36log、0.79log、および0.93log大きかった。 14日目では最初の24時間で、0.5%MSMのみの増殖速度が対照より0.27log大きくなった。2.5%MSM試料および5.0%MSM試料はそれぞれ対照より1.13logおよび2.10log少なかった。これは、対照が最初の24時間でMSM濃度よりも速く増加し始めた点である。21日目および28日目の最初の24時間で、対照は全てのMSM濃度より大きかった。 7日目の後に収集した2番目の24時間の全てのデータポイントから、MSM濃度は対照より優れていることが分かった。14日目の2番目の期間のデータから、MSM増殖速度は対照より0.70log、0.94log、および1.67log大きいことが分かった。21日目の2番目の期間のデータから、MSM増殖速度は対照より0.03log、1.92log、および3.31log大きいことが分かった。28日目の2番目の期間のデータから、MSM増殖速度は対照より9.10log、8.26log、および9.37log大きいことが分かった。この増加増殖速度から、必ずしも、回復ブロス中のラクトバチルス・アシドフィルスの濃度が高くなるとは限らなかった。14日目には、0.5%および5.0%のMSM濃度は対照より大きかったのに対して、2.5%MSMは少なかった。21日目には5.0%MSMのみが大きくなった。28日目には、3種類全てのMSM濃度が対照より大幅に2.29log、1.53log、および1.83logと大きくなった。 14日目の3番目の期間データから、2.5%MSM濃度の増殖速度だけが0.20log大きいことが証明された。対照に等しい5.0%MSMを除くMSM濃度について、増殖速度は小さいが、大きな増殖logが見られた。21日目の3番目の期間データから、MSM濃度の増殖速度は対照より0.98log、3.02log、および2.78log大きいことが分かった。この増殖速度の増加から、MSMを加えて強化された試料のラクトバチルス・アシドフィルスの濃度が高くなった。増殖回復カウントは、対照より0.98log、2.78log、および2.83log大きかった。対照は、28日目の3番目の期間の増殖速度についてMSM濃度より大きかった。0.5%、2.5%、および5%のMSM濃度の増殖回復カウントはそれぞれ対照より0.53log、0.19log、および0.01log大きかった。 細菌の増殖曲線には、細菌が環境に適応する初期誘導期があり、その後に、細胞が倍加する指数増殖期または対数期に入る。対数期の後に、増殖速度が遅くなる定常期がある。この期では、増殖が遅くなるので、急激な上昇および谷(valley)が見られる。最後に、細菌が栄養分を使い切り、死滅する死滅期がある。 本研究から、MSMは誘導期、対数期、定常期、および死滅期をどのように助けるかが示された。MSMは様々な段階で誘導期を短縮し、その結果、プロバイオティック細菌は早期に対数期を開始する。本研究において対数期は対照より長くなり、その結果、MSM添加物を含む製品のピーク値はさらに大きくなった。定常期は、長期間にわたって高い値が続いたのでMSMによる影響を受けた。MSMによって死滅速度は遅くなった。様々な点で、増殖低下速度が遅くなった。これらの様々な観察から、MSMは添加物としてプロバイオティック細菌に良い影響を及ぼすことが分かる。MSMを加えて強化されたプロバイオティック製品を摂取する利益は、反応時間が速く、作用が長期間持続することであろう。消費者は、プロバイオティック細菌の付加利益に対する身体の応答を高める製品を得るであろう。 MSMは、首尾一貫して、研究された製品の中にあるプロバイオティック細菌の回復および増殖を助けた。増殖の最初の24時間以内で回復速度が増加した。このことは、MSMを添加物として用いると、ストレスを受けた微生物が新たな環境に良好に反応することを示している。実施例19MSMを加えて強化された培地中のビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)増殖 本実施例は、MSMを加えて強化された微生物増殖培地中のビフィドバクテリウム・ビフィダムの増殖に対するMSMの作用を示す。 0%、0.125%、0.25%、0.5%、1.0%、2.5%、および5%のMSMを加えて強化された培地中で微生物増殖研究を行った。プレーティングの時間間隔を計96時間にわたって8時間ごとにした。回復したコロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)の微生物の増殖曲線を、それぞれの微生物について、MSM濃度と試料対照である0%MSM濃度との間で比較した。MSMストック粉末は、分析証明書付きでBergstrom Nutritionによって供給された。粉末は、マイクロプリル調製法、ロット#0806809、使用期限10/31/13であった。研究の前に全ての培地およびストックMSM粉末の無菌性をチェックした。分析した微生物はビフィドバクテリウム・ビフィダムATCC#29521であった。 それぞれのMSM濃度を用いて、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(0.05%L-システインを添加したMRSブロス99mL)を調製した。MSM作業濃度を1個の5%MSMからMRSブロス溶液に溶解して調製し、それに応じて、MRSブロスで希釈して、望ましい最終濃度のMSMを得た。本研究を進める前に溶液の無菌性を確かめた。 1.5〜2logの微生物/100mLブロスのレベルの作業溶液を接種した。ビフィドバクテリウム・ビフィダムを、嫌気条件下、35℃±0.5℃で72時間インキュベートした。ビフィドバクテリウム属試験試料のために、酸素インジケーターを用いてプレーティング間の嫌気条件を確かめた。 前記で列挙した時間で、培地の酸化低減能力を弱めるためにL-システインを添加したMRS寒天上にビフィドバクテリウム属を接種した。全ての調製およびプレーティングを室温で行った。サンプリングされた全ての時間間隔について、全ての生物の全ての希釈液を3回繰り返してプレートした。適切なコロニー/ミリリットルを捕捉するために、全ての時間間隔で全ての生物を6つの異なる希釈度でプレートした。全てのプレートを35℃±0.5℃で72時間インキュベートした。適切な希釈プレートを計数に使用し、報告のために平均した。計数用の適切なプレートには25〜250cfu/mLが含まれた。MRS寒天およびTSA上での微生物のバックグラウンドレベルを得るために、MSMストック試料およびMSMを用いて調製した全ての培地を試験した。MSMストックは<10cfu/gであり、全ての試験培地は接種前に全ての場合において<1cfu/mLであった。プレーティングのための全ての時間間隔には、品質管理目的で注入間に陰性対照プレートが含まれた。陰性対照プレートには全て微生物増殖が無かった。72時間で、MSM濃度および対照溶液は、株で汚染されていないことが確かめられた。この株はオリジナルの種であることが確かめられた。 (表39)試験試料接種前のストック培養の数値管理 数値管理は、適切な培地上での特定の生物の増殖から得られた。インキュベーション後に、コロニーを培地で洗浄し、滅菌バイアルの中に捕捉した。バイアルを数値管理の出発溶液(ストック)として使用した。次いで、分光光度計において420の波長を用いて光透過率(%)の適切な測定値を得るように、ストック液を希釈した。AOAC法960.09、表960.09Aに従って細菌濃度を求めた。分光光度計の測定値またはマックファーランド基準との比較によって、ストック培養からの培養懸濁液の調製を確かめた。 (表40)MSMを加えて強化された培地中のビフィドバクテリウム・ビフィダムの対数増殖MSM濃度パーセント ビフィドバクテリウム・ビフィダムを用いて観察された増殖は、8時間では、0.125%〜2.5%のMSM濃度について0.2〜0.4logの増殖速度増加を示す。16時間では、0.125%〜2.5%のMSM濃度は0.3〜0.7logまで増加した。24時間では、0.125%〜2.5%のMSM濃度は遅くなり、対照に等しいか、または対照より少なかった。濃度5%のMSMは、最初の24時間、対照と比較して遅い増殖速度を示した。32時間では、全てのMSM濃度の増殖速度は対照と比較して0.3〜0.75log増加した。40時間では、0.125%および0.25%のMSM濃度は、40時間〜96時間の対照より低い程度まで一定の増殖速度低下を示した。40時間では、0.5%MSM試料は対照より増殖が1log分大きかった。48時間〜96時間で、0.5%MSMの増殖速度は、対照の増殖速度より2〜3log分少ない点まで低下した。1%の濃度のMSMは、1log分少ない48時間および80時間を除いて、40時間〜96時間の増殖の増殖速度と一致した。40時間では2.5%MSMの増殖速度は対照と比較して0.7log大きかった。48時間では対照と比較して増殖速度は0.7log減少した。56時間〜72時間では、2.5%MSMの増殖速度は、対照より0.7〜2.29log大きかった。80時間では、2.5%MSM試料の増殖速度は対照と比較して1log少なく、88時間および96時間では増殖速度は等しかった。40時間では5%MSMの増殖速度は対照より0.7log大きかった。48時間では、これは対照より0.7log低く低下し、56時間では増殖速度は対照に等しかった。64時間では5%MSMの増殖速度は対照を上回り4.35log増加した。72時間では増殖速度は減少し、80時間および88時間では増殖速度は1.6log増加して回復した。96時間では5%MSMの増殖速度は対照より約3.6log大きかった。 ビフィドバクテリウム・ビフィダムは、MSMが添加物として増殖に影響を及ぼすという大きな利益を示した。全てのMSM濃度は、対照の前に、ビフィドバクテリウム・ビフィダムが最大16時間で到達する点まで増殖速度を増加させた。対照は48時間で最大11.54logの増殖に達した。全てのMSM濃度は、32時間で、この最大増殖に達した。0.125%および0.25%のMSM濃度は40時間から96時間まで増殖低下を示し、再び最大増殖に達しなかった。0.5%MSMは対照の最大より0.5log高く、増殖を増加させた。0.5%MSMは48時間〜96時間まで増殖減少を遅らせた。0.5%MSMは、96時間で、8.82logの増殖があった点まで激減の段階を遅らせた。これは、対照より約2log大きかった。1%MSMは、対照と比較して細菌増殖を増加させなかったが、激減の段階を減少させた。40時間〜64時間まで、1%MSMは増殖の大きな低下を示さず、48時間で0.5logのゆっくりとした低下があったが、56時間および64時間で減少はなかった。72時間で、増殖は2log低下したが、80時間では、増殖は1log増加し、88時間では、増殖はさらに1log増加する。96時間で、増殖はカウント可能な範囲から外れ、6log未満の増殖と見積もられた。さらに8時間続けたら、6log超までの増殖のさらなる急激な上昇があったのかもしれない。40時間で2.5%MSMは11.73log増殖に達し、48時間で1log低下した。56時間および64時間では増殖は一定に増加し、対照より0.72log大きい最大12.26logに達した。2.5%MSMについては、72時間で2log低下し、80時間で0.7log低下した。88時間で、2.5%MSMは増殖が1log増加した後に、96時間でカウント可能な範囲から外れた。5%濃度のMSMは他のMSM濃度と比較して増殖速度の増加がゆっくりであった。32時間で増殖は11.13logであり、40時間で増殖は11.78logであった。48時間で増殖は1log低下し、56時間で0.1log低下した。64時間で増殖は、全てのMSM濃度の最大値である5%MSMの14.32logに達した。72時間で6log低下したが、80時間で増殖は4log増加し12.20になった。88時間で0.1log増加が観察された後、96時間で9.60logの増殖まで低下した。5%MSMは死滅速度をかなり遅らせ、定常期を40時間延ばした。定常期に達したら、増殖は連続して増加および減少し、弱い増殖パターンに向かう動きがあった。これらの研究から、MSMは全ての濃度について定常期に速く進み、0.5%MSMを超える濃度については定常期を延ばし、2.5%MSMおよび5%MSMの濃度については最大増殖を高めることが分かる。実施例20MSMがマトリックスに添加された時の、大腸菌に対するブロムクレゾールパープルの作用 本実施例は、MSMがマトリックスに添加された時の、大腸菌に対するブロムクレゾールパープルの作用を示す。 MSMが担体/輸送体として機能するかどうか調べるために、MSMがブロムクレゾールを大腸菌に輸送する能力を評価した。ブロムクレゾールパープルは、大腸菌細菌の存在下で黄色に変わる指示薬色素である。これは生物に無毒である。潜在的なイオン干渉を最小限にするために、本研究に好ましい培地としてラクトースブロスを選択した。なぜなら、ラクトースブロスはNaClおよびタンパク質を含まないからである。LC100 (致死濃度)を示すために、USP<51>抗菌有効性を試験のテンプレートとして使用した。5%〜16%のMSM濃度を1%刻みで使用した。対数低減を突き止めるために、全ての濃度を10-7希釈液にプレートした。 材料は、以下:ロット番号0604751のOptiMSM Flake;ATCC 8739株 大腸菌ロット:57762704;全てのOptiMSM材料について30mLホウケイ酸ガラス培養チューブを使用した;Accumediaマッコンキーブロス(MB)ロット:100,974A;使用した希釈剤は、Alpha Biosciences変法レセーンブロス(MLB)ロット:I08-09であった;レシチンを含むAlpha Biosciences Trypto Soy Agar;およびTween 80(TSA)ロット:F08-42を含んだ。 Flake OptiMSMを、証明書付きのMettler Toledo AG245天秤SN:1115210833を用いて秤量し、それぞれの濃度を得るために分注した。材料を30mLホウケイ酸ガラス培養チューブに入れた。10mL体積で材料を計算した。以下の通りに:5%(0.5g)、6%(0.6g)、7%(0.7g)、8%(0.8g)、9%(0.9g)、10%(1.0g)、11%(1.1g)、12%(1.2g)、13%(1.3g)、14%(1.4g)、15%(1.5g)、および16%(1.6g)の材料を各チューブに添加した。10mLのマッコンキーブロスを、それぞれのチューブに分注し、次いで、121℃で20分間滅菌した。チューブを約20℃の室温まで冷却した。次いで、全てのチューブに、6.0x106/mL(6.8)のコロニー形成単位レベルを生じる同じ希釈度の大腸菌を加えた。次いで、チューブを25℃でインキュベートした。最初の7日間、色の変化を毎日観察した。全ての時間でOptiMSMがよく平衡化するように、チューブを定期的に混合した。陽性対照および陰性対照を突き止めた。 これらの研究の結果は以下の通りである:(1)1日目:濃度5〜7%についてはブロスの色が黄色に変化した。8%については色はわずかに透明になった。9〜16%については変化の徴候はなかった。(2)2日目:1日目と同じ徴候を示した。(3)3日目:8%濃度では、典型的な黄色に変わる変化を示した。(4)4日目〜6日目:変化の大きな徴候はなかった。(5)7日目:9%については黄色に変化した。10%〜16%については色は変化しなかった。(6)14日目:10%〜16%の濃度範囲については徴候を示さなかった。 生物が回復できるかどうか見るために、濃度チューブをマッコンキー寒天上に画線した。72時間インキュベーション後には、生物は観察されなかった。30日目は、10〜16%の濃度範囲について変化の徴候を示さなかった。画線したそれぞれの時点について陽性対照を画線した。陽性対照は、古典的な単離画線によって証明された生物の徴候を示した。 この定性試験から、ある種の担体を有するOptiMSMは生物に影響を及ぼし、生物を低減または死滅させることが分かる。これは、増殖培地を用いた以前の研究において証明されたMSM濃度より低いMSM濃度において黄色が無くなることによって証明された。色は、増殖培地研究における11%に対して、8%と低い濃度での低減を示した。実施例21ストレプトコッカス属生物に対するMSMおよびDMSOの抗菌研究 本実施例は、ストレプトコッカス属生物の増殖に対するMSMおよびDMSOの作用を示す。 特定の濃度のMSM (例えば、10%〜16%のMSM)が微生物を死滅させることが本明細書において証明されている。ジメチルスルホキシドも30〜50%の濃度で微生物を死滅させることが観察されている。本研究は、両化合物の殺菌性を単独でおよび組み合わせて評価し、低レベルのペニシリンと併用した時のこれらの効力も評価した。 化膿性連鎖球菌(ランスフィールドA群)にはヒアルロン酸莢膜があり、肺炎連鎖球菌(Streptococcus Pneumonia)(現在までランスフィールド群は特定されていない)には特異な多糖莢膜がある。これらの2つの生物は多くのタイプのヒト連鎖球菌感染の原因であり、2つの異なる莢膜化タイプを示す。これらの生物を両方とも、このインビトロ研究において使用した。特に、本研究から、化膿性連鎖球菌および肺炎連鎖球菌に対するMSMおよびDMSOの抗菌作用が個々におよび組み合わせて確かめられた。本研究からまた、両化合物および組み合わせの抗菌性の最も有効な濃度が確かめられ、MSMおよびDMSOの組み合わせが、微生物を低減するのに必要ないずれかの化合物の濃度を低減するかどうかが確かめられた。さらに、MSM、DMSO、およびの2つの組み合わせと抗生剤を併用する有効性を評価した。 肺炎連鎖球菌(#10341(商標))および化膿性連鎖球菌(ランスフィールドA群、#10096(商標))はATCCから購入した。MSM(#41631)およびDMSO(#D8418)はSigma-Aldrichから購入した。ペニシリンはHenry Scheinから購入した。細菌培地は、Becton-Dickinson and company(#297963)から購入した。生物発光ATPアッセイキットはPromega(#G8230)から購入した。化膿性連鎖球菌を、ブレイン・ハートインフュージョンブロス(BD 237500、#44 booth)の中で一晩培養した。等量の細菌含有ブロスを研究に使用した。肺炎連鎖球菌もブレイン・ハートインフュージョンブロスの中で培養した。細菌生存率の評価: 以下の反応:ATP+D-ルシフェリン+O2→オキシルシフェリン+AMP+ピロリン酸+CO2+光(560nm)に基づく、生物発光ATPアッセイキットを用いて細菌生存率を評価した。 細菌ATPは、適切な界面活性剤を用いて細菌を直接溶解することによって測定することができる。次いで、放出されたATPはルシフェリン/ルシフェラーゼと自由に反応し、発光が生じる。発光強度はATP濃度に比例する。ルミノメーターを用いて光強度を測定すると、ATPが直接定量される。ATPは、生きている微生物の生存の普遍的な指標である。 MSM、DMSO、および/またはペニシリンを評価する最適条件を確かめるために、化膿性連鎖球菌および肺炎連鎖球菌の両方を様々な条件下で培養した。表45-1に従って、MSM、DMSO、およびペニシリンを培地で希釈した。細菌を、肺炎連鎖球菌については7時間、化膿性連鎖球菌については18時間培養した。次いで、生物発光ATPアッセイキットによって細菌生存率を評価した。試験を3回繰り返して行った。 (表41)評価したMSM、DMSO、およびペニシリンの濃度 表42(肺炎連鎖球菌については、以下の左)および表43(化膿性連鎖球菌、以下の右)に従って、MSMおよびDMSOを培養培地で希釈した。 MSM、DMSOとペニシリンを使用する有効性を確かめるために、44-1(肺炎連鎖球菌)および表44-2(化膿性連鎖球菌)に従って、MSM、DMSO、およびペニシリンを培養培地で希釈した。 (表44-1) (表44-2) 肺炎連鎖球菌におけるDMSO、MSM、およびペニシリンのIC50はそれぞれ12.86%、15.97%、および68.54g/Lであった。DMSOおよびMSMには、5%〜20%の用量(両薬物)の中で肺炎連鎖球菌増殖の阻害において相乗効果があった。DMSOおよびペニシリンにも、10%〜20%(DMSO)および25μg/L(ペニシリン)の用量の中で肺炎連鎖球菌増殖の阻害において相乗効果があった。さらに、MSMおよびペニシリンには、5%(MSM)および25μg/L(ペニシリン)の用量の中で肺炎連鎖球菌増殖の阻害において相乗効果があった。ペニシリン、DMSO、およびMSMを一緒に使用した時に、最大の相乗効果はペニシリン+DMSO+MSMではなくDMSO+MSMのみから生じた。 化膿性連鎖球菌におけるDMSO、MSM、およびペニシリンのIC50はそれぞれ9.07%、10.26%、および15.25μg/Lであった。DMSOおよびMSMには、2.5%〜5%(両薬物)の用量の中で化膿性連鎖球菌増殖の阻害において相乗効果があった。DMSOおよびペニシリンには、5%(DMSO)および6.25μg/L(ペニシリン)の用量の中で化膿性連鎖球菌増殖の阻害において相乗効果があった。MSMおよびペニシリンには、2.5%〜5%(MSM)および3.125〜6.25μg/L(ペニシリン)の用量の中で化膿性連鎖球菌増殖の阻害において相乗効果があった。ペニシリン、DMSO、およびMSMを一緒に使用した時に、相乗効果はペニシリン+DMSO+MSMではなくDMSO+MSMのみから生じた。 (表45-1)DMSO曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 (表45-2)MSM曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 (表45-3)5%DMSOに溶解した様々なMSM濃度への曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 (表45-4)10%DMSOに溶解した様々なMSM濃度への曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 (表45-5)20%DMSOに溶解した様々なMSM濃度への曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 (表45-6)様々な濃度のペニシリンへの曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 (表45-7)25μg/Lのペニシリンと様々な濃度のDMSOへの曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 (表45-8)50μg/Lのペニシリンと様々な濃度のDMSOへの曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 (表45-9)100μg/Lのペニシリンと様々な濃度のDMSOへの曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 5%MSMと25μg/Lのペニシリンの組み合わせは肺炎連鎖球菌の生存率を相乗的に低減し、生存率は41%しかなかった(表10を参照されたい)。MSMのみおよびペニシリンのみに基づく予想された結果と比較した時の相乗作用を「*」によって表に含めた。対照的に、5%MSMのみは生存率を約5%低減させたのに対して、25μg/Lペニシリンのみは生存率を約21%低減させた。従って、5%MSM/25μg/Lペニシリンの組み合わせは、予想外にも、MSMのみまたはペニシリンのみを用いて得られた結果に基づいて予想されたものより有効であった。 さらに、DMSOと同様に、ある特定の濃度のMSMを用いると、低濃度のペニシリンが、高濃度の有効性とほぼ同じ程度で細菌生存率を低減できるようになった。例えば、20%MSMと100μg/Lペニシリンは、肺炎連鎖球菌の生存率を21.37%まで低減し、20%MSMと50μg/Lペニシリンは肺炎連鎖球菌の生存率を20.75%まで低減させた。従って、20%MSMを用いると、必要とされるペニシリン濃度が半分になる。20%MSMと25μg/Lペニシリンの組み合わせが肺炎連鎖球菌の生存率を約25%まで低減し、この傾向が続く。同様に、細菌生存率の低減に勢いはないが、5%MSMを用いると、25μg/Lペニシリンが100μg/Lペニシリンとほぼ同じように機能することができた(25μg/Lペニシリンについては、表45-10と45-12を比較のこと)。 (表45-10)25μg/Lのペニシリンと様々な濃度のMSMへの曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 (表45-11)50μg/Lのペニシリンと様々な濃度のMSMへの曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 (表45-12)100μg/Lのペニシリンと様々な濃度のMSMへの曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 MSMまたはDMSOとペニシリンのある特定の組み合わせにおいて見られる相乗結果に基づいて、細菌生存率に対するDMSO、MSM、およびペニシリンの組み合わせの作用の組み合わせと比較して、細菌生存率の相乗的低減を生じるMSM、DMSO、およびペニシリンの様々な組み合わせを特定するために、本研究を行った。本研究はまた、これらの化合物の1つまたは複数を有利に低減するが、それでもなお細菌生存率を有効に低減する3つの化合物の組み合わせを特定するようにデザインされた。 5%、10%、および20%のDMSOを個々に、5%、10%、または20%の1つのMSMおよび25μg/L、50μg/L、または100μg/Lの1つのペニシリンと組み合わせた。前記のように生存率を評価した。生存率データを表45-13に示した。「*」の記号は、DMSOおよびペニシリンの対応する組み合わせと比較した時の相乗結果を表す。「ψ」の記号は、MSMおよびペニシリンの対応する組み合わせと比較した相乗結果を表す。相乗作用の低減閾値を求めるために、細菌生存率低減の値を合算した。例えば、5%DMSOは生存率を約25%低減し、25μg/Lペニシリンは生存率を約21%低減し、組み合わせた低減の合計は約46%と予想される。これは64%の生存率に相当する。従って、5%MSM、5%DMSO、および25μg/Lペニシリンの組み合わせから64%未満の生存率が得られれば、化合物間の相乗作用が特定されている。 MSM、DMSO、およびペニシリンのいくつかの組み合わせから細菌低減の相乗的改善が得られた。例えば、5%DMSO、5%MSM、および25μg/Lペニシリンの組み合わせは細菌生存率を約52%まで低減させた(表45-13を参照されたい)。5パーセントDMSOと25μg/Lペニシリンの組み合わせは細菌生存率を約64%まで低減させた(例えば、5%DMSOを用いて見られる個々の低減に基づく約46%の低減。表45-1を参照されたい。25μg/Lペニシリンを用いて見られる個々の低減)。従って、3つ全ての化合物の組み合わせは細菌生存率をさらに約12%低減させた。同様に、5%MSMと25μg/Lペニシリンの組み合わせは約74%の細菌生存率をもたらしたのに対して、3つ全ての化合物の組み合わせは生存率をさらに約22%低減させた。 ある組み合わせでは、DMSOおよびペニシリンならびにMSM+ペニシリンの両方に関して相乗結果が検出された。例えば、10%DMSOと20%MSMおよび25μg/Lペニシリンの組み合わせは、参照の組み合わせと比較して抗菌活性を相乗的に改善した。他の組み合わせにおいては、DMSO+ペニシリンまたはMSM+ペニシリンに関してのみ相乗作用が検出された。例えば、5%MSMと10%DMSOおよび25μg/Lペニシリンの組み合わせはMSM+ペニシリンに関して相乗的であったが、DMSO+ペニシリンに関して相乗的でなかった。 前記の相乗効果に加えて、DMSO、MSMおよびペニシリンのある特定の組み合わせがペニシリンの有効濃度の低減を可能にする、いくつかの例がある。例えば、表45-13に示したように、5%DMSOと20%MSMの組み合わせから、試験したペニシリン濃度の範囲にわたって非常に似た全細菌生存率が得られた(25μg/Lペニシリンでは約25%生存率から100μg/Lペニシリンでは約18%生存率まで)。さらに、10%DMSOと20%MSMからペニシリン濃度範囲全体にわたってほぼ同じ細菌生存率が得られた。 20%DMSOと5%、10%、または20%MSMおよび任意の濃度のペニシリンの組み合わせを用いて同様の結果が見られた。これらの結果から、異なるペニシリン濃度全体にわたって、わずかに広い範囲の細菌生存率が明らかになった。しかしながら、全ての場合において低減が約90〜95%に近いことを考えると、これらの組み合わせは全て依然として有効である。 (表45-13)DMSO、MSM、およびペニシリンの様々な組み合わせへの曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 前記で議論したように、化膿性連鎖球菌の構造は肺炎連鎖球菌の構造と異なり、従って、様々な濃度のDMSOおよびMSM、ならびにDMSO、MSM、およびペニシリンの組み合わせの相乗効果を評価するために追加実験を行った。 DMSOを、0.31、0.63、1.25、2.50、5.00、10.0、または20.0の最終濃度まで化膿性連鎖球菌培養物に添加した。これらの濃度で、DMSOは用量依存的に細菌生存率を低減させた。表45-14を参照されたい。MSMのみを、0.31、0.63、1.25、2.50、5.00、10.0、または20.0の最終濃度まで化膿性連鎖球菌培養物に添加した。これらの濃度のMSMも用量依存的に細菌生存率を低減させた。表45-15を参照されたい。 (表45-14)DMSO曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 (表45-15)MSM曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 MSMおよびDMSOの組み合わせを、化膿性連鎖球菌に対する抗菌作用について評価した。2.5%、5%、および8%のDMSOを、0%(DMSOのみの対照)、2.5%、5%、および10%のMSMと組み合わせた。表16、表17、および表18に示したように、MSMとDMSOのある特定の組み合わせは、DMSOのみまたはMSMのみの作用と比較して相乗的である。DMSOのみまたはMSMのみと比較した時の相乗結果は「*」によって示した。例えば、2.5%MSMを2.5%DMSOに添加すると細菌生存率は約65%まで低減したのに対して(表16を参照されたい)、いずれの化合物も個々に細菌生存率を低減しなかったので、これらの濃度のMSMおよびDMSOの作用は予想外のものであった。2.5%DMSOおよび5%MSMでも相乗効果が見られた。この場合、細菌生存率は約83%低減した(化合物単独の作用に基づいて予想された4%の低減と比較)。5%DMSOと任意の濃度のMSMの組み合わせでも相乗作用が見られた。従って、ある態様において、5%DMSOと2.5%〜10%の任意の濃度のMSMと組み合わせは細菌生存率を相乗的に低減する。ある態様において、2.5%DMSOおよび2.5%〜5%の濃度のMSMは、有利にかつ予想外に、細菌生存率の低減において相乗的である。 (表45-16)2.5 DMSOに溶解した様々な濃度のMSMへの曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 (表45-17)5 DMSOに溶解した様々な濃度のMSMへの曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 (表45-18)8 DMSOに溶解した様々な濃度のMSMへの曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 様々な濃度のペニシリンのみを、化膿性連鎖球菌の生存率を低減する能力について評価した。表45-19に示したように、ペニシリンは細菌生存率を用量依存的に減少させた。 (表45-19)様々な濃度のペニシリンへの曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 25μg/Lまたは25μg/L超のペニシリン濃度の極めて有効な特性のために、DMSOを、有効でない濃度(3.125〜12.5μg/L)のペニシリンと組み合わせた。従って、DMSOとペニシリンとの相乗作用の特定が数値的に不明瞭になる可能性は低かった。 表45-20、表45-21、および表45-22に示したように(「*」で示した)、DMSOおよびペニシリンのいくつかの組み合わせから相乗結果が得られた。例えば、5%DMSOと3.125μg/Lペニシリンの組み合わせは、2つの化合物のみの効力に基づくと、細菌生存率を約4%しか低減しないと予想された。しかしながら、組み合わせると、実際の低減は約10倍大きかった(生存率は約61%まで低減した。表45-20を参照されたい)。5%DMSOを6.25μg/Lまたは12.5μg/Lのペニシリンと組み合わせた時に、同様の相乗効果が見られた(それぞれ、表45-21および表45-22を参照されたい)。 (表45-20)3.13μg/Lのペニシリンと様々な濃度のDMSOへの曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 (表45-21) 6.25μg/Lのペニシリンと様々な濃度のDMSOへの曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 (表45-22)12.5μg/Lのペニシリンと様々な濃度のDMSOへの曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 DMSOを用いた研究と同様の研究を、MSMと3.125〜12.5μg/Lのペニシリンを組み合わせることによって行った。結果を、表45-23、表45-24、および表45-25に示した。相乗作用を「*」によって示した。DMSOと同様に、以前に有効でなかった濃度のMSMおよびペニシリンの組み合わせが細菌生存率の低減において有効であった。単独で使用した時に、3.13μg/Lペニシリンと2.5%MSMから効果は予想されなかったが、8%の生存率低減が検出された(表45-23を参照されたい)。これらの作用は、6.25μg/LペニシリンとMSMの組み合わせで顕著であった。例えば、5%MSMと6.25μg/Lペニシリンは96%の生存可能な細菌集団を生じると予想された(表45-24を参照されたい)。しかしながら、データから、生存率は約17%に低減し、予想された結果からほぼ80%低減したことが分かる。12.5μg/Lペニシリンを使用した時には、この濃度のペニシリンのみの効力のために相乗作用は検出されなかった。 (表45-23)3.13μg/Lのペニシリンと様々な濃度のMSMへの曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 (表45-24)6.25μg/Lのペニシリンと様々な濃度のMSMへの曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 (表45-25)12.5μg/Lのペニシリンと様々な濃度のMSMへの曝露後の化膿性連鎖球菌の生存率 肺炎連鎖球菌と同様に、様々な濃度のDMSO、MSM、およびペニシリンの組み合わせの細菌生存率に対する効果および可能性のある相乗的活性を、MSMとペニシリンまたはDMSOとペニシリンと比較して評価した。結果を表45-26に示した。DMSOおよびペニシリンと比較した時の相乗作用は「*」によって示されたのに対して、MSMおよびペニシリンと比較した時の相乗作用「ψ」によって示される。表45-26のデータから分かるように、化合物の様々な濃度にわたって、かなりの相乗作用が検出された。DMSOおよびMSMのほとんどの組み合わせが、使用されたペニシリンの濃度に基づく用量反応曲線を示した。12.5μg/Lのみの効力に基づくと、この濃度のペニシリンとDMSOおよびMSMの組み合わせが有効であるとは思いもよらないことである。DMSOおよびMSMを組み合わせることによって、以前は有効でなかった濃度のペニシリンが用量依存的に有効になるのは興味深い。例えば、2.5%DMSOおよび5%MSMと3.125μg/Lペニシリンは(それぞれ、DMSO+ペニシリンおよびMSM+ペニシリンと比較した時に)細菌生存率を100%〜96%まで低減すると予想された。しかしながら、3つ全てを組み合わせると細菌生存率が約19%まで低減した。6.25μg/Lペニシリンとの組み合わせについて予想された結果は似ていたが、実際の組み合わせは細菌生存率をさらにいっそう約13%まで低減した。漸増濃度の様々な化合物は細菌生存率をさらに低減しない。例えば、8%DMSOと2.5%MSMおよび3.125μg/Lペニシリンの組み合わせは、8%DMSOと2.5%MSMおよび12.5μg/Lペニシリンより有効であるように見える。 (表45-26)DMSO、MSM、およびペニシリンの様々な組み合わせへの曝露後の肺炎連鎖球菌の生存率 これらの研究から、ある特定の濃度のMSM、DMSO、またはその組み合わせは化膿性連鎖球菌および肺炎連鎖球菌を阻害できることが分かる。このことは、化膿性連鎖球菌および肺炎連鎖球菌の増殖を阻止または阻害するために、このような物質が用いられる可能性があることを裏付けている。実施例22MSM添加培地におけるプロバイオティック増殖 本実施例は、MSM添加培地におけるプロバイオティック増殖について述べる。 ラクトバチルス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ラクトバチルス・デルブリュッキ、およびバチルス・コアグランスの増殖培地に、0%、0.125%、0.25%、0.5%、1.0%、2.5%、および5%のMSMを添加した。それぞれの培地組成物を作製するために、MRSブロスの1個の5%MSMストックを調製および使用した。適量のMSMを99mLのMRSブロスに添加して、ラクトバチルス属生物用の培地を調製した。ビフィドバクテリウム・ビフィダムについては、それぞれのMSM濃度および0.05%L-システインを用いて、99mLのMRSブロスを調製した。バチルス・コアグランスについては、99mLのトリプティックソイブロスに適量のMSMを添加した。 これらの培地溶液に、それぞれのプロバイオティック生物を接種し、ビフィドバクテリウム・ビフィダムを除く全ての溶液について、CO2の中、35℃±0.5℃で計72時間インキュベートした。ビフィドバクテリウム・ビフィダムは嫌気条件で増殖させた。0時間、8時間、16時間、24時間、32時間、40時間、48時間、56時間、64時間、および72時間で、それぞれの培地の試料を収集した。ラクトバチルス属試料をMRS寒天上にプレートし、ビフィドバクテリウム・ビフィダム試料をMRS+L-システイン寒天上にプレートし、バチルス・コアグランス試料をトリプティックソイ寒天上にプレートした。プレートを、バチルス・コアグランスを除く全ての溶液について、CO2の中、35℃±0.5℃で計72時間インキュベートした。バチルス・コアグランスは48時間増殖させた。次いで、プレートを計数した。陰性対照(ストック培地およびプレーティング対照)には微生物増殖が無かった。データをCfu/mLで示した。これらの研究の結果を以下の表に示した。 (表46)MSMを加えて強化された培地におけるラクトバチルス・アシドフィルスの増殖 (表47)MSMを加えて強化された培地におけるブルガリア菌の増殖 (表48)MSMを加えて強化された培地におけるバチルス・コアグランスの増殖 (表49)MSMを加えて強化された培地におけるビフィドバクテリウム・ビフィダムの増殖 これらの研究から、MSMは、使用されたMSM濃度に応じてプロバイオティック生物の増殖を増強できることが分かる。実施例23H1N1および単純ヘルペスウイルスに対するMSMの作用 本実施例は、MSMが、ブタ様H1N1インフルエンザAウイルスA/California/04/2009株(CDC ID#2009712047)、ライノウイルス14型(ATCC#VR-284)、および単純ヘルペスウイルス1型(ATCC#VR-260)の感染性を増強または低減する能力を示す。本研究は、8種類のMSM濃度の処置前試験として行った。ウイルス収量低減/増強試験およびその後のウイルス力価測定を3回繰り返して行った。本研究では、MSM阻害濃度(IC50またはIC90--増殖または活性の50%または90%が阻害される濃度)も求めた。 試験の前にMSMの細胞傷害性を求めた。8種類のMSM濃度(16%、14%、12%、10%、8.0%、6.0%、1.0%、および0.5%)をMDCK細胞(ATCC#CCL-34)に対して試験した。MSM濃度16%〜8%はMDCK細胞に対して毒性であり、細胞単層を完全に破壊した。濃度6%〜0.5%は、目に見える細胞傷害作用を生じなかった。TC50 (その化合物のみによって非感染細胞の50%が死滅する濃度)は約7%と求められた。従って、この濃度は、試験において使用した最初の最低の非細胞傷害性希釈度であった。 計8種類のMSM濃度:7%(約74.365mM);6%(約63.742mM);5%(約53.118mM);4%(約42.494mM);3%(約31.871mM);2%(約21.247mM);1%(約10.624mM);および0.5%(約5.312mM)を試験に含めた。材料および方法の詳細な説明を以下に提供する。宿主細胞 メイディン・ダービー・イヌ腎臓(MDCK[ATCC#CCL-34])細胞、MRC-5(ヒト肺線維芽細胞;[ATCC#CCL-171])細胞、およびVero(アフリカミドリザル腎臓[ATCC#CCL-81])細胞を使い捨て細胞培養実験器具の中で単層として維持し、それぞれ、ブタ様H1N1インフルエンザAウイルスA/California/04/2009株、ライノウイルス14型(ATCC#VR-284)、およびHSV-1(ATCC#VR-260)の処置前抗ウイルス試験に使用した。試験前に、宿主細胞培養物を適切な細胞培養プレートに播種した。ウイルスを接種する前に、細胞単層は80〜90%コンフルエント、48時間齢未満であった。増殖培地(GM)および維持培地(MM)は、1X EMEMおよび/または適切なサプリメントを含むAdvanced MEMであった。試験製品の細胞傷害性の測定 試験の前に、試験製品の最も高い非細胞傷害性濃度を求めた。MDCK細胞培養物をリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄し、以下の製品希釈液:16%、14%、12%、10%、8.0%、6.0%、1.0%、および0.5%とインキュベートした。インキュベーションは、CO2インキュベーターの中で、37℃±2℃、1時間であった。インキュベーション後、処理細胞にMMをかぶせた。プレートを、CO2インキュベーターの中で、37℃±2℃で3日間インキュベートした。Inverted Compound Microscopeを用いて、毒性をモニタリングした。研究プロトコールにおいて概説したように行った細胞傷害性試験から、製品濃度16%〜8%はMDCK細胞に対して毒性であり、細胞単層を完全に破壊することが分かった。製品濃度6%〜0.5%は、目に見える細胞傷害作用を生じなかった。TC50 (その化合物のみによって非感染細胞の50%が死滅する濃度)は約7%と求められた。A.処置前試験 以下の通りに、試験製品ストック液を調製した。35.0グラムの製品を100mL PBSで希釈し、溶解するまで40℃で加熱した。高希釈液を調製するまで、35%溶液を40℃に保った(この最終報告の追記VIにあるプロジェクトノート[書式番号95-G-001]を参照されたい)。MDCK、MRC-5、およびVero細胞培養物をPBSで洗浄し、以下の製品希釈液:7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、および0.5%とインキュベートした。インキュベーションは、CO2インキュベーターの中で、37℃±2℃、1時間であった。インキュベーションが完了した後に、約300〜1000IU(感染単位)のそれぞれの試験ウイルスを適切な処理細胞に添加した。この試験を3回繰り返して行った。プレートを、CO2インキュベーターの中、それぞれのウイルスに適した温度で6日間インキュベートした。Inverted Compound Microscopeを用いてCPEをモニタリングした。試験から得られた全てのデータを、この最終報告の追記IV(書式番号:95-G-001、91-L-002、および07-L-002)に収録した。B.処置前試験の毒性対照 MDCK、MRC-5、およびVero細胞培養物をPBSで洗浄し、製品希釈液7%〜0.5%とインキュベートした。インキュベーションは、CO2インキュベーターの中で、37℃±2℃、1時間であった。インキュベーション後、処理細胞にMMをかぶせた。プレートを、CO2インキュベーターの中、それぞれのウイルスに適した温度で6日間インキュベートした。Inverted Compound Microscopeを用いて毒性をモニタリングした。細胞傷害性試験の結果を表50に示した。C.ウイルス対照 MDCK、MRC-5、およびVero細胞培養物をPBSで洗浄し、MMとインキュベートした。インキュベーションは、CO2インキュベーターの中で、37℃±2℃、1時間であった。インキュベーションが完了した後に、約300〜1000IU(感染単位)のそれぞれの試験ウイルスを細胞に添加した。ウイルス対照を3回繰り返して行った。プレートを、CO2インキュベーターの中、それぞれのウイルスに適した温度で6日間インキュベートした。Inverted Compound Microscopeを用いてCPEをモニタリングした。D.陰性対照 インタクトな細胞培養単層は陰性対照として役立った。全ての陰性対照ウェルにおいてGMをMMと交換した。E.ウイルス収量の低減および/または増強の測定 ウイルス対照が最大細胞変性効果に達した(単層が完全に破壊された)後に、力価測定のために、試験ウェルおよびウイルス対照ウェルから試料を採取した。10倍希釈液をMMに溶解して作製し、感受性のある細胞の上に4回繰り返してプレートした。ウイルス収量低減/増強試験の結果を表51〜91に示した。データ分析 細胞培養内のウイルス集団の力価は、感染性についての50%力価測定エンドポイントの-log10として表した。ウイルス力価を計算するために、50%組織培養感染量(TCID50)計算--Quantalテスト(Spearman-Karber Method)を適用した。logTCID50=l-d(s-0.5)式中:l=最低希釈液の-log10;d=希釈段階の差;s=ポジティブウェルの割合の合計1.1 細胞傷害作用を生じる化合物の最高濃度を50%化合物毒性濃度 (TC50)として求めた。1.2 低減の割合(%)は以下の通りに計算した:1.3 試験およびウイルス対照から回収したウイルス集団のTCID50を用いて、ウイルス感染性の低減または増強を計算した。GraphPad Prism 5, Inc.ソフトウェアを用いてIC50を求めた。IC90は、存在する時に実験的に求めた。試験合格基準 有効な試験には、1)陰性対照ウェルの中に細胞が生存し、ウェルの底に付着していること;2)プレートの全てのウェルにおいて培地が汚染されていないこと;および3)ウイルス対照がウイルス特異的CPEの存在を示すことが必要である。 3種類全ての試験ウイルスについてウイルス数の低減が観察された。7%濃度のMSMは、以下の低減平均:ブタ様H1N1インフルエンザAウイルスの1.16log10低減(93.08%低減);単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の2.50log10低減(99.68%低減);ライノウイルス14型の1.25log10低減(94.38%低減)を生じた。6%濃度のMSMは、以下の低減平均:ブタ様H1N1インフルエンザAウイルスの1.00log10低減(90.00%低減);HSV-1の1.00log10低減(90.00%低減);ライノウイルス14型の0.67log10低減(78.62%低減)を生じた。 5%濃度のMSMは、以下の低減平均:ブタ様H1N1インフルエンザAウイルスの0.41log10低減(61.10%低減);HSV-1の1.34log10低減(95.43%低減);ライノウイルス14型の0.09log10低減(18.72%低減)を生じた。4%濃度のMSMは、以下の低減平均:ブタ様H1N1インフルエンザAウイルスの0.16log10低減(30.82%低減);HSV-1の1.59log10低減(97.43%低減);ライノウイルス14型の0.28log10低減(47.52%低減)を生じた。3%濃度のMSMは、以下の低減平均:ブタ様H1N1インフルエンザAウイルスの0.00log10低減(00.00%低減);HSV-1の1.00log10低減(90.00%低減);ライノウイルス14型の0.11log10低減(22.38%低減)を生じた。2%濃度のMSMは、以下の低減平均:ブタ様H1N1インフルエンザAウイルスの0.41log10低減(61.10%低減);HSV-1の0.84log10低減(85.55%低減);ライノウイルス14型の0.42log10低減(61.98%低減)を生じた。1%濃度のMSMは、以下の低減平均:ブタ様H1N1インフルエンザAウイルスの0.25log10低減(43.77%低減);HSV-1の0.67log10低減(78.62%低減);ライノウイルス14型の0.14log10低減(27.56%低減)を生じた。0.5%濃度のMSMは、以下の低減平均:ブタ様H1N1インフルエンザAウイルスの0.66log10低減(78.12%低減);HSV-1の0.25log10低減(43.77%低減);ライノウイルス14型の0.40log10低減(60.19%低減)を生じた。 3%MSMで処理されたブタ様H1N1インフルエンザAウイルスについてウイルス感染性の増強/刺激が観察された。ウイルス数の平均増強は0.17log10 (32.39%)であった。計3種類のMSM濃度がライノウイルス14型の感染性を増強した。5%濃度のMSMから、0.053log10増強平均(11.49%)が得られた。3パーセントMSMから、0.11log10増強平均(22.38%)が得られた。1%MSMから、0.11log10増強平均(22.38%)が得られた。本研究において求められたウイルス感染性増強/刺激は全てウイルス集団の正常なばらつきの範囲内にあり、有意でなかった。非線形回帰用量反応(GraphPad Prism5、ソフトウェア)を用いて、増殖または活性の50%が阻害されるMSM阻害濃度(IC50)を計算した。それぞれの試験ウイルスについて、ベストフィットMSM IC50およびIC50(95%信頼区間)値を計算した。ブタ様H1N1インフルエンザAウイルスの場合、MSM IC50のベストフィット値は5.114mMであった。IC50(95%信頼区間)は0.008038mM〜3253mMであった。HSV-1の場合、MSM IC50のベストフィット値は10.13mMと求められ、IC50(95%信頼区間)は7.144mM〜14.37mMであった。ライノウイルス14型の場合、MSM IC50のベストフィット値は38.16mMであった。IC50値(95%信頼区間)は13.07mM〜111.4mMの範囲であった。HSV-1およびブタ様インフルエンザA H1N1のIC90 (1.0log10低減)が実験的に確かめられた。しかしながら、複数のMSM濃度の中断と90%低減軸(reduction axis)のために、IC90実験値は正確だとみなすことができない。 HSV-1、ブタ様インフルエンザA H1N1、およびライノウイルスに対して8つの異なる濃度で試験したMSMからU字形の用量反応曲線が得られた。例えば、HSV-1に対して、4%MSM(1.00log10低減)は6%MSM(1.59log10低減)より有効であった。ブタ様インフルエンザA H1N1に対して、0.5%MSM(0.66log10低減)は5%MSM(0.41log10低減)より有効であったか、または等しく有効であった。ライノウイルスに対して、濃度4%〜0.5%は5%MSMより有効であったか、または等しく有効であった。さらなる研究において確かめられれば、U字形のMSM作用は安定した事象である可能性がある。 本研究から、MSMを抗ウイルス製品として使用できることが分かる。7%および6%の非細胞傷害性濃度が、HSV-1およびブタ様インフルエンザA H1N1などのエンベロープのあるウイルスの数を1.0log10超、低減した。表50〜91は上述の研究の結果を含む。 表50は、MDCK、MRC-5、およびVero細胞培養物を用いた処置前試験と同時に行わった8種類の製品濃度の細胞傷害性試験を示す。 (表50)試験製品:メチルスルホニルメタン、ロット#0902951+=CPEあり0=CPE検出なし 表2〜9は、試験製品メチルスルホニルメタン(ロット番号0902951)およびブタ様H1N1インフルエンザAウイルスA/California/04/2009株(CDC ID#2009712047)の処置前試験において観察された、ウイルス対照感染性(TCID50)、平均感染性(TCID50)、ならびにlog10および低減の割合(%)を示す。 (表51)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、7%(ロット#0902951)ウイルス:ブタ様インフルエンザA H1N1 A/California/04/2009株CDC ID#2009712047宿主細胞株:MDCK 宿主細胞株 ATCC#CCL-34+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表52)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、6%(ロット#0902951)ウイルス:ブタ様インフルエンザA H1N1 A/California/04/2009株CDC ID#2009712047宿主細胞株:MDCK 宿主細胞株 ATCC#CCL-34+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表53)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、5%(ロット#0902951)ウイルス:ブタ様インフルエンザA H1N1 A/California/04/2009株CDC ID#2009712047宿主細胞株:MDCK 宿主細胞株 ATCC#CCL-34+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表54)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、4%(ロット#0902951)ウイルス:ブタ様インフルエンザA H1N1 A/California/04/2009株CDC ID#2009712047宿主細胞株:MDCK 宿主細胞株 ATCC#CCL-34+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表55)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、3%(ロット#0902951)ウイルス:ブタ様インフルエンザA H1N1 A/California/04/2009株CDC ID#2009712047宿主細胞株:MDCK 宿主細胞株 ATCC#CCL-34+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表56)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、2%(ロット#0902951)ウイルス:ブタ様インフルエンザA H1N1 A/California/04/2009株CDC ID#2009712047宿主細胞株:MDCK 宿主細胞株 ATCC#CCL-34+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表57)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、1%(ロット#0902951)ウイルス:ブタ様インフルエンザA H1N1 A/California/04/2009株CDC ID#2009712047宿主細胞株:MDCK 宿主細胞株 ATCC#CCL-34+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表58)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、0.5%(ロット#0902951)ウイルス:ブタ様インフルエンザA H1N1 A/California/04/2009株CDC ID#2009712047宿主細胞株:MDCK 宿主細胞株 ATCC#CCL-34+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 表59〜67は、試験製品メチルスルホニルメタン(ロット番号0902951)および単純ヘルペスウイルスI型(ATCC#VR-260)の処置前試験において観察された、ウイルス対照感染性(TCID50)、平均感染性(TCID50)、ならびにlog10および低減の割合(%)を示す。 (表59)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、7%(ロット#0902951)ウイルス:単純ヘルペスウイルスHF株ATCC#VR-260宿主細胞株:Vero 宿主細胞株 ATCC#CCL-81+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表60)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、6%(ロット#0902951)ウイルス:単純ヘルペスウイルスHF株ATCC#VR-260宿主細胞株:Vero 宿主細胞株 ATCC#CCL-81+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表61)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、5%(ロット#0902951)ウイルス:単純ヘルペスウイルスHF株ATCC#VR-260宿主細胞株:Vero 宿主細胞株 ATCC#CCL-81+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表62)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、4%(ロット#0902951)ウイルス:単純ヘルペスウイルスHF株ATCC#VR-260宿主細胞株:Vero 宿主細胞株 ATCC#CCL-81+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表63)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、3%(ロット#0902951)ウイルス:単純ヘルペスウイルスHF株ATCC#VR-260宿主細胞株:Vero 宿主細胞株 ATCC#CCL-81+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表64)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、2%(ロット#0902951)ウイルス:単純ヘルペスウイルスHF株ATCC#VR-260宿主細胞株:Vero 宿主細胞株 ATCC#CCL-81+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表65)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、1%(ロット#0902951)ウイルス:単純ヘルペスウイルスHF株ATCC#VR-260宿主細胞株:Vero 宿主細胞株 ATCC#CCL-81+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表66)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、0.5%(ロット#0902951)ウイルス:単純ヘルペスウイルスHF株ATCC#VR-260宿主細胞株:Vero 宿主細胞株 ATCC#CCL-81+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表67)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、7%(ロット#0902951)ウイルス:ライノウイルス14型1059株ATCC#VR-284宿主細胞株:MRC-5 宿主細胞株 ATCC#CCL-171+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 表68〜74は、試験製品メチルスルホニルメタン(ロット番号0902951)およびライノウイルス14型(ATCC#VR-284)の処置前試験において観察された、ウイルス対照感染性(TCID50)、平均感染性(TCID50)、ならびにlog10および低減の割合(%)を示す。 (表68)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、6%(ロット#0902951)ウイルス:ライノウイルス14型1059株ATCC#VR-284宿主細胞株:MRC-5 宿主細胞株 ATCC#CCL-171+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表69)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、5%(ロット#0902951)ウイルス:ライノウイルス14型1059株ATCC#VR-284宿主細胞株:MRC-5 宿主細胞株 ATCC#CCL-171+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表70)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、4%(ロット#0902951)ウイルス:ライノウイルス14型1059株ATCC#VR-284宿主細胞株:MRC-5 宿主細胞株 ATCC#CCL-171+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表71)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、3%(ロット#0902951)ウイルス:ライノウイルス14型1059株ATCC#VR-284宿主細胞株:MRC-5 宿主細胞株 ATCC#CCL-171+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表72)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、2%(ロット#0902951)ウイルス:ライノウイルス14型1059株ATCC#VR-284宿主細胞株:MRC-5 宿主細胞株 ATCC#CCL-171+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表73)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、1%(ロット#0902951)ウイルス:ライノウイルス14型1059株ATCC#VR-284宿主細胞株:MRC-5 宿主細胞株 ATCC#CCL-171+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 (表74)感染性の低減試験製品:メチルスルホニルメタン、0.5%(ロット#0902951)ウイルス:ライノウイルス14型1059株ATCC#VR-284宿主細胞株:MRC-5 宿主細胞株 ATCC#CCL-171+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log低減=ウイルス対照の平均TCID50-試験繰り返しのTCID50**-平均%低減(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50低減) *100 表75は、試験製品メチルスルホニルメタン(ロット番号0902951)およびブタ様H1N1インフルエンザAウイルス A/California/04/2009株(CDC ID #2009712047)の処置前試験において観察された、ウイルス対照感染性(TCID50)、平均感染性(TCID50)、ならびにlog10および増強の割合(%)を示す。 (表75)感染性の増強試験製品:メチルスルホニルメタン、3%(ロット#0902951)ウイルス:ブタ様インフルエンザA H1N1 A/California/04/2009株CDC ID#2009712047宿主細胞株:MDCK 宿主細胞株 ATCC#CCL-34+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log刺激=試験の平均TCID50-ウイルス対照の繰り返しのTCID50**-平均%刺激(平均log10刺激から計算した)=100-(1/TCID50刺激) *100 表76〜78は、試験製品メチルスルホニルメタン(ロット番号0902951)およびライノウイルス14型(ATCC#VR-284)の処置前試験において観察された、ウイルス対照感染性(TCID50)、平均感染性(TCID50)、ならびにlog10および増強の割合(%)を示す。 (表76)感染性の増強試験製品:メチルスルホニルメタン、5%(ロット#0902951)ウイルス:ライノウイルス14型1059株ATCC#VR-284宿主細胞株:MRC-5 宿主細胞株 ATCC#CCL-171+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log刺激=試験の平均TCID50-ウイルス対照の繰り返しのTCID50**-平均%刺激(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50刺激) *100 (表77)感染性の増強試験製品:メチルスルホニルメタン、3%(ロット#0902951)ウイルス:ライノウイルス14型1059株ATCC#VR-284宿主細胞株:MRC-5 宿主細胞株 ATCC#CCL-171+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log刺激=試験の平均TCID50-ウイルス対照の繰り返しのTCID50**-平均%刺激(平均log10低減から計算した)=100-(1/TCID50刺激) *100 (表78)感染性の増強試験製品:メチルスルホニルメタン、1%(ロット#0902951)ウイルス:ライノウイルス14型1059株ATCC#VR-284宿主細胞株:MRC-5 宿主細胞株 ATCC#CCL-171+=CPEあり0=CPE検出なしNT=試験せずRep=繰り返し*-Log刺激=試験の平均TCID50-ウイルス対照の繰り返しのTCID50**-平均%刺激(平均log10刺激から計算した)=100-(1/TCID50刺激) *100非線形回帰、用量対反応: mM(試験製品分子量=94.13)に変換した試験製品濃度に対して用量反応(阻害)分析を行った。非線形回帰分析は以下の通りであった:log(阻害剤)対正規化された反応(normalized response)-可変勾配(Variable slope)。濃度を表79に示した。 (表79) 表80は、単純ヘルペスウイルスのデータ入力を示す。 (表80) 表81は、単純ヘルペスウイルスのデータの変換(用量のlog=X=Log(X))を示す。 (表81) 表82は、単純ヘルペスウイルスのデータの正規化変換を示す。低減の割合(%)を以下の通り正規化した。32.39%は、全てのデータセットについて0%になる。99.79%は、全てのデータセットについて100%になる。 (表82) 単純ヘルペスウイルスのIC50計算値を表83に示した。単純ヘルペスウイルスIC50のベストフィット値は10.13mMと求められた。しかしながら、ウイルス低減に大きなばらつきがあるために、7.144mM〜14.37mMのIC50値は、一見信頼できそうな近似値とみなすことができる。 (表83) 表84は、ブタ様インフルエンザウイルスA H1N1のデータ入力を示す。 (表84) 表85は、ブタ様インフルエンザウイルスA H1N1のデータの変換(用量のlog=X=Log(X))を示す。 (表85) 表86は、ブタ様インフルエンザウイルスA H1N1のデータの正規化変換を示す。低減の割合(%)を以下の通り正規化した。0%は、全てのデータセットについて0%になる。91.68%は、全てのデータセットについて100%になる。 (表86) ブタ様インフルエンザウイルスA H1N1のIC50計算値を表87に示した。ブタ様インフルエンザウイルスA H1N1のIC50のベストフィット値は5.114mMと求められた。IC50値(95%信頼区間)は0.008038mM〜3253mMであった。ウイルス低減の矛盾(U字形曲線)を考えると、MSM IC50は有意な近似値を伴って求められた。このデータセットからIC90値を結論付けることはできない。 (表87) 表88は、ライノウイルス14型のデータ入力を示す。 (表88) 表89は、ライノウイルス14型のデータの変換(用量のlog=X=Log(X))を示す。 (表89) 表90は、ライノウイルス14型のデータの正規化変換を示す。低減の割合(%)を以下の通り正規化した。0%は、全てのデータセットについて0%になる。96.20%は、全てのデータセットについて100%になる。 (表90) ライノウイルス14型のIC50計算値を表91に示した。ライノウイルス14型のIC50のベストフィット値は38.16mMと求められた。IC50値(95%信頼区間)は13.07mM〜111.4mMであった。ウイルス低減の矛盾(U字形曲線)を考えると、MSM IC50は大きな近似値を伴って求められた。このデータセットからIC90値を結論付けることはできない。 (表91)実施例24藻類に対するMSMの作用 本実施例は、藻類活性に対するMSMの作用を示す。 2種類のクロレラ属の種-クロレラ・ソロキニアナ(Chlorella sorokiniana)淡水種およびクロレラ・ミヌチシマ(Chlorella minutissima)海洋種の増殖を調べた。本研究では、MSMを添加した淡水および海水環境における藻類増殖の作用を測定した。ここでは、以下の濃度:0%、0.25%、2%、5%、10%、および20%のMSMを添加した。増殖を0日目、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、および10日目に測定した。MSM濃度間で藻類の透過率(%)の増殖曲線を比較した。0%MSM濃度は、それぞれの微生物の試料対照であった。MSMストック粉末は、分析証明書付きでBergstrom Nutritionによって供給された。粉末は、マイクロプリル調製法、ロット番号0806809であった。研究の前に、全ての培地、水、およびストックMSM粉末の無菌性をチェックした。以下の培地: Enriched Salt Water MediumおよびVolvox Dextrose MediumをUTEX Culture Collection of Algaeから購入した。 藻類を適切な培地の中で48時間増殖させた。それぞれの藻類について初回懸濁液を計数し、出発接種材料と名付けた。クロレラ・ソロキニアナは381x106細胞/ミリリットルであり、クロレラ・ミヌチシマは19x106細胞/ミリリットルであった。1ミリリットルの藻類溶液を9mLの培地に入れ、ボルテックスすることによって混合した。それぞれのMSM濃度の培地混合物を得るために、これを繰り返した。藻類およびMSMのチューブを太陽光に曝露して室温でインキュベートした。MSM作業濃度を1個の20.0%MSM溶液から調製し、それに応じて培地で希釈して、望ましい最終濃度のMSMを得た。本研究を進める前に、全ての溶液の無菌性を確かめた。それぞれの生物について、それぞれのMSM希釈液を準備し、測定したそれぞれの時間間隔について3回繰り返して分析した。UV/VIS分光光度計によって波長750nmの透過率(%)によって試料を測定した。全ての時間間隔での透過率(%)バックグラウンドレベルを得るために、培地ストックを試験した。これらの研究からの結果を以下の表92および93に示した。低い透過率(%)は高い増殖率を示した。これらの研究から、MSM処理は藻類の増殖を増加できることが証明される。 (表92)クロレラ・ソロキニアナの増殖 (表93)クロレラ・ミヌチシマの増殖実施例25局所用製剤の中にあるMSMの吸収は、認められている安全性レベルの範囲内である 本実施例は、局所用製剤の中にあるMSMの吸収が、認められている安全性レベルの範囲内であることを示す。 ニュージーランド白ウサギは、皮膚吸収研究のための一般に認められている動物モデルであり、吸収およびその結果として起こる血中MSM濃度を評価するために用いられた。ウサギは、Charles River Canada(Saint-Constant, Quebec)から入手した。皮膚吸収研究のために、5匹の雄ウサギ、12〜13週齢、体重2.6kg〜2.7kgを使用した。ラット、ブタ、またはヒトと比較して皮膚透過性が大きいために、ウサギを使用した。従って、ウサギにおける試験はヒト用局所用製品安全性の保守的なアプローチである。ウサギのサイズは、6mL/kg体重超の血液を2週間以内に収集するという倫理上の制限に基づいた。本研究の間に取り出される血液の総量は1日に10mLであった。必要とされる動物の数を最小限にするために、1匹の動物/群を使用した。動物を1匹1匹ステンレス鋼ケージに収容し、12時間の明/暗周期にした。動物室の環境を毎日モニタリングした(目標範囲:18〜26℃および相対湿度25〜50%)。1時間につき部屋の空気を約15〜17回交換するのに十分な割合で、新鮮な空気を部屋に供給した。投与前に動物が良好な健康状態にあることを確実にするために、全ての動物に対して臨床観察を行った。研究期間中に、罹患および死亡の観察も行った。 処置群を表94に示した。 (表94)研究1デザイン 研究の1日前に、バリカンを用いて、それぞれのウサギの臀部をしっかりと刈り込んだ。6cm2の面積を測定し、様々な組成物の適用における同等性を確実にするために印を付けた。0.5mLのそれぞれの組成物を試験部位の中心にピペッティングすることによって、それぞれの製品を適用し、試験部位全体を覆うように広げた。5分間の曝露期間後に、試験部位をぬぐい、リンスし、および乾燥させることによって、組成物を除去した。 採血の前に、アセプロマジン(1mg/kg)を用いて右後脚の筋肉に筋肉内注射することによって動物を鎮静化し、この後に、EMLAクリーム(リドカイン/プリロカイン)を両耳に耳動脈に沿って適用した。21G針(ハブを除去した)を耳動脈に挿入することによって採血した。約2mLの全血を、K2EDTAを含有する4mLバキュテイナー(vacuutainer)チューブ(Becton Dickinson, Mississauga, ON)に入れて収集した。チューブを逆さにして抗凝血薬と混合し、血漿を遠心分離によって分離するまで冷蔵保管した。3000xgで10分間、遠心分離することによって、全血から血漿を分離した。MSM分析のためにさらに処理するまで、血漿をクリオバイアルに入れて-70℃で収集、移動、および保管した。 様々な試験製品(表1を参照されたい)への5分間の曝露期間後に、10分後、30分後、2時間後、および8時間後に採血を行った。EMLAクリームの麻酔作用が約1〜2時間続くので、2時間および8時間の採血の前に、EMLAクリームを耳に適用した(これらの採血のそれぞれの約30分前)。EMLAクリームおよびアセプロマジンは、倫理的な配慮のために、かつ本研究において用いられた動物の健康を提供するために使用した。 血漿中のMSM濃度を、確立した方法に基づいてガスクロマトグラフィー-質量分析(GC/MS)によって定量した。簡単に述べると、450μLの血漿試料を50μLの生理食塩水と混合し、30秒間ボルテックスした。この後に、1mLのアセトニトリル(Fisher, HPLC等級)を混合物に添加した。溶液を勢いよく60秒間ボルテックスし、2000rpmで5分間、遠心分離した。1マイクロリットルの透明な上清をGC/MS装置(GC/MS QP20108 EI, Shimadzu, Kyoto, Japan)に導入した。8himadzu SHR5XLBカラム(0.25mm ID X 長さ30m,フィルム 0.25um, Kyoto, Japan)において分析を行った。MSMの保持時間は6.1〜6.3分であった。MSを用いてMSMを検出し、MSMイオンSIMプロファイルをモニタリングするためにm/z79(M+-15)を使用した。キャリアガスとしてヘリウムガスを使用し、ヘッド圧は0.25kg/cm2であり、メイクアップガスは30mL/minであり、カラム温度は80℃であり、イジェクター温度は120℃であり、セパレーター温度は200℃であり、イオン源温度は250℃であった。イオン化エネルギーは70eVであった。アセトニトリルに溶解した以下の濃度:62.5μg/ml、31.3μg/ml、15.6μg/ml、7.8μg/ml、3.9μg/ml、1.9μg/ml、0.98μg/ml、および0.49μg/mlのMSMを用いて、外部標準グラフを作成した。検量線の傾きから血漿試料中のMSM濃度を計算した。ベストフィットしたグラフは直線であり、R2値は0.998であった。 研究を開始する前に全ての動物を観察した。全ての動物が良好な健康状態を示した。研究中および研究後に、全ての動物が良好な健康状態を示した。罹患、死亡、および外傷を1日2回評価した。罹患、死亡、および外傷のある動物はいなかった。 吸収研究の結果を表95にまとめた。ベースライン血漿中MSM濃度(試験物品への曝露前)は4.2μg/mL〜104.2μg/mLであった。ベースラインの変動は、以前の研究において証明された天然MSM濃度の変動の正常範囲内である。様々な試験物品への曝露後に測定された最も高い血漿中MSM濃度は、約140μg/mL未満または約140μg/mLに等しかった。このピーク濃度は、10%MSM+70%DMSO+20%水への曝露から得られた。ベースラインMSM濃度の天然変動に合わせて補正すると、70%DMSO+30%水の群において血漿中MSMの最大変化が検出された。これらのデータから、吸収またはDMSO代謝によるMSMの変動はMSM濃度の天然の範囲内であることが示唆される。 (表95)MSMおよびDMSOへの曝露後の血漿中MSM濃度 開示された本発明の原理を適用し得る多くの可能性のある態様を考慮すれば、示された態様は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の範囲を限定するものとみなされてはならないと認められるはずである。さらに正確に言うと、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によって定義される。従って、本発明者らは、本発明者らの発明として、これらの特許請求の範囲の範囲および精神の中にある全てを主張する。 発酵能を有する微生物を含有する培地をメチルスルホニルメタン(MSM)と接触させる工程であって、MSMが、該培地の重量あたり約0.5%〜約5%の濃度または該培地の含有水分の重量あたり約0.5%〜約5%の濃度で提供され、MSMの非存在下での発酵効率と比較して微生物の発酵効率を増加させる、工程を含む、微生物の発酵効率を増強する方法。 MSMの非存在下でのアルコールまたは酸の生産と比較して、発酵効率の増強が、MSMの存在下での微生物によるアルコール、二酸化炭素、または酸の生産の少なくとも50%の増加を含む、請求項1記載の方法。 発酵効率を増強する方法が、ビール、サイダー、ワイン、バイオ燃料、パン、乳製品、またはその任意の組み合わせを生産するためである、請求項1または2記載の方法。 MSMの非存在下でのエタノール、メタノール、またはその組み合わせの生産と比較して、発酵効率の増強が、エタノール、メタノール、またはその組み合わせの生産の少なくとも50%の増加を含む、請求項2記載の方法。 微生物が酵母であり、かつ発酵を増強する方法が、ビールを生産するためである、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。 微生物が藻類であり、かつ発酵を増強する方法が、バイオ燃料を生産するためである、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。 MSMの非存在下での二酸化炭素の生産と比較して、発酵効率の増強が、MSMの存在下での微生物による二酸化炭素の生産の少なくとも50%の増加を含み、微生物が酵母であり、かつ発酵を増強する方法が、パンを生産するためである、請求項2記載の方法。 MSMの非存在下での乳酸の生産と比較して、発酵効率の増強が、MSMの存在下での微生物による乳酸の生産の少なくとも50%の増加を含み、かつ発酵を増強する方法が、乳製品を生産するためである、請求項2記載の方法。 MSM濃度が約0.5%である、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。 前記培地が、総含有水分量の5%未満の塩化ナトリウム濃度を含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。 1種または複数種のプロバイオティック微生物を、1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程;および 該培地の重量または該培地の含有水分の重量あたり約0.4%〜約5%のメチルスルホニルメタン(MSM)を該培地に提供する工程であって、それによって、インビトロでMSMの非存在下での1種または複数種の微生物の増殖と比較して、インビトロで1種または複数種の微生物の増殖を増強する、工程を含む、1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を増強するためのインビトロ方法。 MSM濃度が、前記培地または前記培地の含有水分の重量の約1%〜約3%である、請求項11記載の方法。 1種または複数種のプロバイオティック微生物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・デルブリュッキ(Lactobacillus delbrueckii)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacteruim bifidum)、またはその任意の組み合わせを含む、請求項11または12記載の方法。 前記培地が、プロバイオティック含有製品、例えば、乳、ヨーグルト、ライスヨーグルト、フローズンヨーグルト、チョコレート、チーズ、ビール、ワイン、酢、ザウアークラウト、またはその任意の組み合わせを含む、請求項11〜13のいずれか一項記載の方法。 1種または複数種の微生物を含む診断検査試料を、1種または複数種の微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程; 該培地の重量または該培地の含有水分の重量あたり約0.4%〜約5%の濃度のメチルスルホニルメタン(MSM)を該培地に提供する工程であって、それによって、MSMの非存在下での1種または複数種の微生物の増殖と比較して、診断検査試料中の1種または複数種の微生物の増殖を増強する、工程を含む、診断検査試料中の微生物の増殖を増強するための方法。 H1N1インフルエンザの汚染を受けやすい培地を選択する工程;および 該培地を、約10w/v%〜約16w/v%の濃度のメチルスルホニルメタン(MSM)と接触させる工程であって、それによって、H1N1インフルエンザの微生物活性を阻害する、工程を含む、微生物活性を阻害する方法。 前記培地が体液、身体組織、または表面を含む、請求項16記載の方法。 前記培地を接触させる工程が、微生物汚染を受けやすい培地にMSMを噴霧する、または微生物汚染を受けやすい培地にMSMをこすりつける工程を含む、請求項16または17記載の方法。 表面が、家庭用の表面、寝具、カバー、産業用の機器もしくは表面、血液、皮膚、またはその組み合わせである、請求項18記載の方法。 MSMが組成物の中に提供され、該組成物が漂白剤を含まない、またはアルコールを含まない、または本質的に水からなる、請求項16〜19のいずれか一項記載の方法。 MSMを添加した後に、前記培地を滅菌する工程をさらに含む、請求項16〜20のいずれか一項記載の方法。 前記培地が防腐剤を含まない、請求項16〜21のいずれか一項記載の方法。 MSMが、MSMの非存在下でのH1N1インフルエンザの増殖速度と比較して、H1N1インフルエンザの増殖速度を少なくとも50%低減させることによって微生物活性を阻害する、請求項16〜22のいずれか一項記載の方法。 微生物活性を増強または阻害するなど、微生物活性を調節するためのメチルスルホニルメタン(MSM)の使用方法が本明細書において開示される。一例では、発酵効率を増強するために、例えば、ビール、サイダー、ワイン、バイオ燃料、乳製品、またはその任意の組み合わせの生産に関連した発酵効率を増強するために、MSM(例えば、約0.5%〜5%のMSM)が用いられる。1種もしくは複数種のプロバイオティック微生物の増殖を増強するためのインビトロ方法、および診断検査試料中の微生物の増殖を増強する方法も開示される。微生物活性を阻害する方法も開示される。特定の1つの例において、微生物活性を阻害する方法は、H1N1インフルエンザ汚染を受けやすい培地を選択する工程;および培地を、約10w/v%〜約16w/v%の濃度のMSMと接触させる工程であって、それによって、H1N1インフルエンザの微生物活性を阻害する工程を含む。20120705A1633000113 本開示の前述の特徴および他の特徴は、いくつかの態様の以下の詳細な説明からさらに明らかになるであろう。[本発明1001] 発酵能を有する微生物を含有する培地をメチルスルホニルメタン(MSM)と接触させる工程であって、MSMが、該培地の重量あたり約0.5%〜約5%の濃度または該培地の含有水分の重量あたり約0.5%〜約5%の濃度で提供され、MSMの非存在下での発酵効率と比較して微生物の発酵効率を増加させる、工程を含む、微生物の発酵効率を増強する方法。[本発明1002] MSMの非存在下でのアルコールまたは酸の生産と比較して、発酵効率の増強が、MSMの存在下での微生物によるアルコール、二酸化炭素、または酸の生産の少なくとも50%の増加を含む、本発明1001の方法。[本発明1003] 発酵効率を増強する方法が、ビール、サイダー、ワイン、バイオ燃料、パン、乳製品、またはその任意の組み合わせを生産するためである、本発明1001または1002の方法。[本発明1004] MSMの非存在下でのエタノール、メタノール、またはその組み合わせの生産と比較して、発酵効率の増強が、エタノール、メタノール、またはその組み合わせの生産の少なくとも50%の増加を含む、本発明1002の方法。[本発明1005] 微生物が酵母であり、かつ発酵を増強する方法が、ビールを生産するためである、本発明1001〜1004のいずれかの方法。[本発明1006] 微生物が藻類であり、かつ発酵を増強する方法が、バイオ燃料を生産するためである、本発明1001〜1004のいずれかの方法。[本発明1007] MSMの非存在下での二酸化炭素の生産と比較して、発酵効率の増強が、MSMの存在下での微生物による二酸化炭素の生産の少なくとも50%の増加を含み、微生物が酵母であり、かつ発酵を増強する方法が、パンを生産するためである、本発明1002の方法。[本発明1008] MSMの非存在下での乳酸の生産と比較して、発酵効率の増強が、MSMの存在下での微生物による乳酸の生産の少なくとも50%の増加を含み、かつ発酵を増強する方法が、乳製品を生産するためである、本発明1002の方法。[本発明1009] MSM濃度が約0.5%である、本発明1001〜1008のいずれかの方法。[本発明1010] 前記培地が、総含有水分量の5%未満の塩化ナトリウム濃度を含む、本発明1001〜1009のいずれかの方法。[本発明1011] 1種または複数種のプロバイオティック微生物を、1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程;および 該培地の重量または該培地の含有水分の重量あたり約0.4%〜約5%のメチルスルホニルメタン(MSM)を該培地に提供する工程であって、それによって、インビトロでMSMの非存在下での1種または複数種の微生物の増殖と比較して、インビトロで1種または複数種の微生物の増殖を増強する、工程を含む、1種または複数種のプロバイオティック微生物の増殖を増強するためのインビトロ方法。[本発明1012] MSM濃度が、前記培地または前記培地の含有水分の重量の約1%〜約3%である、本発明1011の方法。[本発明1013] 1種または複数種のプロバイオティック微生物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・デルブリュッキ(Lactobacillus delbrueckii)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacteruim bifidum)、またはその任意の組み合わせを含む、本発明1011または1012の方法。[本発明1014] 前記培地が、プロバイオティック含有製品、例えば、乳、ヨーグルト、ライスヨーグルト、フローズンヨーグルト、チョコレート、チーズ、ビール、ワイン、酢、ザウアークラウト、またはその任意の組み合わせを含む、本発明1011〜1013のいずれかの方法。[本発明1015] 1種または複数種の微生物を含む診断検査試料を、1種または複数種の微生物の増殖を支持することができる培地と接触させる工程; 該培地の重量または該培地の含有水分の重量あたり約0.4%〜約5%の濃度のメチルスルホニルメタン(MSM)を該培地に提供する工程であって、それによって、MSMの非存在下での1種または複数種の微生物の増殖と比較して、診断検査試料中の1種または複数種の微生物の増殖を増強する、工程を含む、診断検査試料中の微生物の増殖を増強するための方法。[本発明1016] H1N1インフルエンザの汚染を受けやすい培地を選択する工程;および 該培地を、約10w/v%〜約16w/v%の濃度のメチルスルホニルメタン(MSM)と接触させる工程であって、それによって、H1N1インフルエンザの微生物活性を阻害する、工程を含む、微生物活性を阻害する方法。[本発明1017] 前記培地が体液、身体組織、または表面を含む、本発明1016の方法。[本発明1018] 前記培地を接触させる工程が、微生物汚染を受けやすい培地にMSMを噴霧する、または微生物汚染を受けやすい培地にMSMをこすりつける工程を含む、本発明1016または1017の方法。[本発明1019] 表面が、家庭用の表面、寝具、カバー、産業用の機器もしくは表面、血液、皮膚、またはその組み合わせである、本発明1018の方法。[本発明1020] MSMが組成物の中に提供され、該組成物が漂白剤を含まない、またはアルコールを含まない、または本質的に水からなる、本発明1016〜1019のいずれかの方法。[本発明1021] MSMを添加した後に、前記培地を滅菌する工程をさらに含む、本発明1016〜1020のいずれかの方法。[本発明1022] 前記培地が防腐剤を含まない、本発明1016〜1021のいずれかの方法。[本発明1023] MSMが、MSMの非存在下でのH1N1インフルエンザの増殖速度と比較して、H1N1インフルエンザの増殖速度を少なくとも50%低減させることによって微生物活性を阻害する、本発明1016〜1022のいずれかの方法。A1633005793 表51〜58は、試験製品メチルスルホニルメタン(ロット番号0902951)およびブタ様H1N1インフルエンザAウイルスA/California/04/2009株(CDC ID#2009712047)の処置前試験において観察された、ウイルス対照感染性(TCID50)、平均感染性(TCID50)、ならびにlog10および低減の割合(%)を示す。