生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_食用微生物を使用して生産し投与される経口ワクチン
出願番号:2012520712
年次:2012
IPC分類:A61K 39/12,C12N 1/21,C12N 5/10,A61K 39/02,A61K 39/145,A61P 31/04,A61P 31/12,A61P 31/16,A61K 9/50,A61K 48/00,A61K 35/74


特許情報キャッシュ

ラム,ドミニク,マン−キット スー,ユーホン JP 2012532933 公表特許公報(A) 20121220 2012520712 20100713 食用微生物を使用して生産し投与される経口ワクチン ヴァックスジーン コーポレーション 512009023 清原 義博 100082072 ラム,ドミニク,マン−キット スー,ユーホン US 61/224,973 20090713 US 61/263,215 20091120 A61K 39/12 20060101AFI20121122BHJP C12N 1/21 20060101ALI20121122BHJP C12N 5/10 20060101ALI20121122BHJP A61K 39/02 20060101ALI20121122BHJP A61K 39/145 20060101ALI20121122BHJP A61P 31/04 20060101ALI20121122BHJP A61P 31/12 20060101ALI20121122BHJP A61P 31/16 20060101ALI20121122BHJP A61K 9/50 20060101ALI20121122BHJP A61K 48/00 20060101ALI20121122BHJP A61K 35/74 20060101ALI20121122BHJP JPA61K39/12C12N1/21C12N5/00 103A61K39/02A61K39/145A61P31/04A61P31/12A61P31/16A61K9/50A61K48/00A61K35/74 D AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2010041792 20100713 WO2011008735 20110120 100 20120229 4B065 4C076 4C084 4C085 4C087 4B065AA01X 4B065AA88X 4B065AA95Y 4B065AB01 4B065BA02 4B065CA45 4C076AA61 4C076AA95 4C076BB01 4C076CC06 4C076CC32 4C076CC35 4C076EE23F 4C076EE23H 4C076EE36 4C076EE36H 4C076EE53 4C076EE53H 4C076FF25 4C076FF27 4C076FF68 4C084AA13 4C084MA05 4C084MA38 4C084MA52 4C084NA13 4C084NA14 4C084ZB05 4C084ZB09 4C084ZB33 4C084ZB35 4C085AA03 4C085BA07 4C085BA51 4C085BA55 4C085BB11 4C085CC07 4C085CC08 4C085CC21 4C085DD62 4C085EE01 4C085GG08 4C087AA01 4C087AA02 4C087BC30 4C087BC56 4C087CA12 4C087MA38 4C087MA52 4C087NA10 4C087ZB05 4C087ZB09 4C087ZB33 4C087ZB35 本出願は、2009年11月20日に出願された、米国特許出願第61/263,215号、および、2009年7月13日に出願された米国特許出願第61/224,973号の利益を主張し、これらの全内容および開示は、本出願に参照として組み入れられる。本発明は、動物のウイルス、細菌、他の病原体及び/又は抗原に対するワクチンに関する。 本発明は、また、そのようなワクチンを調製する方法に関する。特に、本発明は、外来性抗原を発現する食用植物、およびそのような植物のワクチンとしての使用に関する。本発明は、さらに、細菌のような微生物における外来性抗原の発現、およびそのような微生物のワクチンとしての使用に関する。1つの実施形態において、本発明は、H5N1ウイルス感染からの保護用の経口ワクチンとして、鳥インフルエンザHA遺伝子を発現する遺伝子組み換えの乳酸連鎖球菌株を使用する方法を提供する。本発明は、さらに、そのような植物または微生物に由来するワクチンを調製する方法および投与する方法に関する。 家畜の疾患は、毎年、かなりの割合の減少および商業上の影響を引き起こす。獣医の診察および注入されたワクチンがより容易に得られる先進国では、そのような疾患は、重大であるが、しばしば改善される。このことは、これらの国々における、より大規模な群(herd/floc)サイズおよび過剰な食物を生産する能力のために特に当てはまる。後進国において、獣医の診察およびそのような疾患のための薬の不足ならびに減じられた食物生産能力は、食糧不足およびヒト健康問題に繋がり、人口母集団にはるかにより本質的な影響を及ぼす。 有効に細菌性病原体を制御する抗生物質の有用性は、耐抗生物質性の病原体の発生が増加するために、ますます困難になっている。このために、飼料への抗生物質添加剤の自発的削減が、多くの生産者によって実行される。しかしながら、感染症の予防は、一旦感染症が生じたときのその疾病の究極の治療よりコスト効率が良いので、ワクチンの開発により多くの注目が集まっている。 ウイルス、細菌および他の病原体に対する抗体を産生するためのそれらの免疫システムを引き起こすために、ワクチンは動物に投与される。世界の経済先進国において、ワクチンは多くの疾患を制圧してきた。特に、多くのウイルス疾患が、今、ワクチン接種の開発により防がれる。 しかし、狂犬病、口蹄疫などのそのような疾患用の多くのワクチンは、まだ高価すぎるので、後進国は、大きな群の動物集団に提供することができない。動物集団のためのこれらの予防措置の不足は、これらの国々で食糧不足を生み出すことにより慣例的にヒトの境遇を悪化させる。 微生物病原体は、次のものによって宿主を感染させる:外傷によって引き起こされた外皮における裂け目を介して入ること;ベクター伝染によって誘発されること;または粘膜表面と相互に作用すること。 大多数の動物病原体は、最後の機構、すなわち、粘膜表面との以下の相互作用によって疾患を引き起こす。この機構を介して作用する細菌またはウイルスの病原体は、まず、それらが付着し得る粘膜表面に接触し、その後コロニーを作り、または、パイエル板および他のリンパ濾胞を覆う上皮において、特殊化した吸収細胞(M細胞)によって取り込まれる。リンパ組織に入る生物体は、リンパ濾胞内で直ちに殺され得、それによって、抗原が毛嚢内の免疫細胞に運ばれるとともに、潜在的に保護免疫反応を刺激する。あるいは、局所防御機構から残存することができる病原体は、毛嚢から広がり、続いて、局所性または全身性の疾患(例えばサルモネラ菌株)を引き起こし得る。 ほ昆虫媒介性の病原体または創傷を介して身体に入る病原体を除いて、ほとんどの病原体は、粘膜表面において、または粘膜表面を介して入る。粘膜表面を介して入る病原体は、限定されないが、アクチノミセス、エロモナス、かん菌、バクテロイデス、ボルデテラ、ブルセラ菌、カンピロバクター(Compylobacter)、キャプノサイトファガ(Capnbocylophaga)、Clanrdia、クロストリディウム、コルネバクテリウム(Corynebacteriurn)、エイケネラ 、エリジペロスリックス(Erysipelothriz)、エシェリキア(Escherichia)、紡錘形菌、ヘモフィルス、クレブシェラ、レジオネラ、レプトスピラ、リステリア(Lisleria)、ミコバクテリウム、マイコプラズマ(Mcoplasma)、ナイセリア、ノカルジア、パスツレラ、プロテウス、シュードモナス、リケッチア、サルモネラ菌、セレノモナス、シゲラ(Shigelia)、ぶどう状球菌、連鎖球菌、トレポネーマ、ビブロ(Bibro)、およびエルシニア、以下の群、Adetiovirus、コロナウイルス、疱疹ウイルス、オルトミクソウイルス、ピコルナウイルス(Picornovirus)、ポックスウイルス、レオウイルス、レトロウイルスおよびロタウイルス由来の病原性ウイルス株、一般的なアスペルギルス(Aspercillus)、ブラストミセス、カンジダ、コクシジオイデス(Coccoidiodes)、クリプトコックス・ヒストプラズマおよびヒゲカビ由来の病原体菌類、および一般的なエイメリ、エントアメーバおよびトリコモナス内における病原寄生虫を含む。 病原体によって感染した哺乳動物宿主は、病原体を克服しようとして、免疫反応を開始する。免疫系は3つの部分(branch):粘膜、体液、および細胞から成る。粘膜性免疫は、呼吸器官、消化管および尿生殖路を含む粘膜表面をすべて浸す、分泌液およびすべての分泌腺からの分泌液中における分泌型(sigA)抗体の産生に起因する。分泌型IgA抗体は、粘膜表面上の病原体のコロニー形成を防ぎ、コロニー形成、および粘膜表面を介する病原体の侵入に対する第1の防衛線である。sIgAの産生は、分泌腺または組織の局所免疫によってか、または消化管関連リンパ系組織(GALTまたはパイエル板)または気管支関連リンパ組織(BALT)のいずれかへの抗原の提示によってかのいずれかによって、刺激することができる。 膜質のmicrofold細胞(または、M細胞としても知られている)は、GALTとBALTの表面を覆い、他の分泌性粘膜表面に関係し得る。M細胞は、粘膜表面に隣接している管腔間隙から抗原をサンプリングするように働き、抗原提示細胞(樹状細胞およびマクロファージ)へそのような抗原を移動させ、抗原提示細胞は、その次に、Tリンパ球(T依存性抗原の場合)を提示し、Tリンパ球は、関連する(committed)B細胞への提示用の抗原を処理する。その後、B細胞は、刺激され、増殖し、遊走し、および最終的には、提示された抗原に対するIgAを産生する、抗体分泌プラズマ細胞に転換される。 抗原がGALTおよびBALTを覆うM細胞によって取り込まれた場合、結果的に、全身性(generalized)粘膜性免疫は、身体へのすべての分泌組織によって作られている抗原に対するsIgAを生じる。ほとんどの病原体が粘膜表面を介して入り、そのような表面が、感染への第1防衛線を構築し、身体の免疫反応を促進するので、経口で投与することができるワクチンは、口腔と消化管中で分泌性免疫反応の局所的刺激につながる全身性粘膜性免疫反応の刺激に重要な経路を示す。 分泌型IgA抗体は、宿主の粘膜上皮細胞への、および歯への微生物の付着を直接阻害する。この阻害は、微生物の凝集、疎水性または陰電荷の減少、および微生物付着の阻害の結果かもしれない。これらの抗付着結果(anti-adherence effect)は、分泌性糖タンパク質、表面上皮の連続的な剥離、およびフローラル競争(floral competition)のような他の因子によって増幅される。 獣医学において適用された、ヒト経口ポリオウイルスワクチンおよびいくつかの経口または経鼻ウイルスワクチンでの臨床経験は、sIgAは、呼吸・腸のウイルス感染に対する粘膜性免疫系によって防護効果に決定的な役割を果たすことを示す。sIgAの効果は、付着の妨害ではなく宿主細胞へのウイルスの侵入を阻害する効果であるようである。 感染した微生物の特異的な毒性決定因子に対して向けられた分泌型IgA抗体は、全面的な粘膜性免疫(irmnunity)に重要な役割を果たす。多くの場合において、感染した微生物の適切な毒性決定因子に対して向けられた粘膜のslgAレベルの産生を刺激することによって、粘膜表面の初感染を防ぐことは可能である。分泌型IgAは、付着及び/又はコロニー形成を妨げ、表面で働く毒素を中和し、または宿主細胞の侵入を防ぐことによって、病原体が粘膜表面と最初に相互作用することを防ぐかもしれない。 非経口的に投与される不活性化細胞全体およびウイルス全体の調製剤は、保護血清IgG、およびそれらの病因(例えば、チフス菌およびB型肝炎のような、ヒトおよび動物の病原体)において重要な血清段階を有する生物体に対する遅延型過敏症反応の誘発において有効である。しかしながら、非経口ワクチンは、粘膜のsIgA反応を誘発するのに有効でなく、粘膜表面と相互作用し、侵入しない細菌(例えば、コレラ菌のようなヒトおよび動物病原体)に対して効果がない。 抗原が、優先の(preferential)IgA B細胞の分化(development)が始まるパイエル板内に含まれるT細胞とB細胞ならびに補助細胞に対して提示されると、経口免疫は特異的なsIgA反応の誘導に有効であり得る。パイエル板は、ヘルパーT細胞(TH)を包含しており、ヘルパーT細胞は、IgM細胞からIgA B細胞まで直接変化するB細胞アイソタイプを媒介し、その後、腸間膜(mesentric)リンパ節へ移動し分化し、胸線に入り、それから、全身を循環し、続いて、腸および呼吸器官の固有層を含む身体の分泌組織の全てを播種する。その後、IgA(膜結合型分泌成分との混合物)は、成熟したプラズマ細胞によって産生され、それが、侵入する病原体と相互作用するのに利用可能な粘膜表面上に運ばれる。この通常の粘膜性免疫系の存在は、まず粘膜表面と相互作用することによって感染を始める病原体からの防護のため生の経口ワクチンおよび経口免疫の可能性について部分的に説明する。 経口送達の簡便さのために、新しい経口ワクチン技術の発見に、現在大きな関心が集まっている。適切に送達された経口免疫原は、体液性免疫と細胞性免疫の両方を刺激し得、および、群または他の営利上生成された動物の大規模な非経口免疫が、実際的でなく、または実施するのが非常に困難な開発途上国において、コスト効率の良い、使用に安全なワクチンを提供する可能性を有し得る。そのようなワクチンは、種々の病原体から保護エピトープを発現する、細菌またはウイルスのベクター系に基づくかもしれないし(多価ワクチン)、または単独で若しくは適切な抗原または他の病原体と組み合わせて送達された精製された抗原に基づくかもしれない。 多くの方策は、経口免疫のために開発されてきて、異種抗原の担体としての細菌(例えばサルモネラ菌株)の弱毒変異株の使用、ポリ塩化ビニル−DL−ラクチド−グリコリド(PGL)からなる微粒子への抗原のカプセル化、タンパク様ポリマープロテイノイド、ゼラチンカプセル、リポソームの異なる製剤、ナノ粒子上への吸着、脂溶性免疫刺激複合体の使用、および既知のアジュバント特性を備えた細菌産物の追加を含む。 最も最近のワクチン開発の根底にあることは、多量に疾患を引き起こす因子を育てる能力である。現在、ワクチンは、通常、死滅させられたまたは生きた弱毒化された病原体から生産される。病原体がウイルスである場合、大量のウイルスが、動物宿主または培養動物細胞において育てられなければならない。生弱毒ウイルスが利用される場合、それは、感染を確立し、かつ体液および細胞性免疫を引き起こす能力を保持するが、毒性を欠くと明白に証明されなければならない。死滅ウイルスが利用される場合、ワクチンは、残存する抗原が免疫化を引き起こす能力を欠いていることを実証しなければならない。さらに、生弱毒ウイルスまたは死滅ウイルスの代わりに、表面抗原(免疫を引き起こす主なウイルス粒子)が、免疫を引き起こすために分離され投与され得る。 ワクチン製造は、そのワクチンの開発と生産の両方に高コストを課す複雑な技術をしばしば利用する。ワクチンが、細胞培養、全細菌、ウイルス、他の病原体またはそれらのサブユニットから作られようが、ワクチンの合成および精製は必要とされる。これらの注意事項のあとにも、問題が発生し得、実際に起こる。死滅させられた細菌細胞、ウイルスまたは他の病原体によると、病原体が生存するという可能性が常にあり、ワクチン接種はその疾病をまれに引き起こすことにつながり得る。さらに、ワクチンは、それが由来する培養物質から細胞物質で時々汚染され得る。これら汚染は、ワクチンのレシピエント動物への副作用を、および時には死さえ引き起こす場合がある。 プラスミドDNAの直接注入は、DNAプラスミドの筋肉注射後のマウスにおける、感染防御免疫および細胞傷害性リンパ球(CTL)誘導の報告によって、ワクチン方策として使用されてきた。前臨床試験でのDNAワクチンの使用は、多くの異なる研究の感染防御免疫の報告によって、よく確立されてきた。最近の研究において、1−2mgのDNAがこれらの研究の多数の場合に免疫力を与えたが、抗体およびCTL反応の両方がヒト以外の霊長動物に引き起こされた。しかしながら、DNAの非常に高用量の使用は、プロセス経済学の見地からあまり好ましくなく、従って、獣医学において、より低量で少量の用量のDNAで、有効な免疫を引き起こすのと同様、獲得された免疫反応の規模を増加させる必要性がある。 DNAワクチンの効能を改善する可能性を有する、多くの利用可能な方策は、抗原発現を増強するためにベクター改変、DNA送達における改善、またはアジュバントの封入を含む。モノホリル(monophoryl)脂質Aは、ヒト免疫不全ウイルス1型に対するDNAワクチン接種への体液性と細胞性の両方の免疫反応を増強することができることが報告された(Shin et al., 1997)。筋肉内および鼻腔内の経路を介してQS−21サポニンアジュバントと共に調剤されたDNAワクチンは、全身性免疫および粘膜性免疫反応を引き起し得る(Shin S, et al., 1998)。Manmohan Sは、DNAワクチンのための運搬システム、カチオンの微小粒子、を開発した。ビタミンD3は、また、DNAワクチンの免疫化に重要な役割を果たす。 免疫賦活性配列(imunostimulatory sequence)と呼ばれる細菌のDNA配列が有力なアジュバントになり得ることも報告されている。CpG−オリゴジヌクレオチド(CpG−ODN)を包含している、メチル化されていない回文DNA配列は、抗原非依存的な形式で、単球、NK細胞、樹状細胞およびB細胞を活性化することによって、「先天性の」免疫反応を活性化することができる(免疫賦活性DNA配列、ISS)。CpG−ODNのメチル化は、報告によれば、DNAワクチンの免疫原性を抑止する。免疫化のための大量のプラスミドの使用は、Th1型反応を働かせ、アジュバントとして役立つのみでなく、インビボでの低いトランスフェクション効率も克服し得る。 高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)H5N1ウイルスの繁殖は、世界的に主要な関心事のままである。世界中で様々な鳥の個体数中で毎年報告された多くの発生に加えて、H5N1感染の385を超えるヒトの症例も報告された[1]。従って、動物においてウイルスの感染を抑止するのを助け、および人類に対する主な脅威および健康危機へのさらなる進行を防止するワクチンを開発することは極めて重要である。 インフルエンザウイルスワクチンを作るために採られる多くの方法がある。最も一般に使用される方策は、孵化鶏卵中で育てられた、加熱不活性化全ウイルスを投与することである。しかし、致命的なH5N1ウイルスに対する鶏卵由来のワクチンの産生は、あまり有効であると分かっておらず、さらに、防護免疫反応は、この方法で産生された、不活性化された全ウイルスの大量の投与時に誘発されたのみであった。血清変換率および免疫反応の量は、鶏卵由来のワクチン投与後は最適以下であった[2−4]。他のより改善された方法は、バキュロウイルス発現系で産生される組み換えサブユニットワクチン[5]、プラスミドDNAワクチン[6−8]、および複製能力がないアデノウイルスベクターワクチン[9−12]を使用することを含む。各々は、致死のウイルス攻撃からマウスを保護することにおいて見込みを示した[6−7]。しかしながら、そのようなワクチンはすべて、動物の多くの個体数への投与に関する実際的な困難性を示し、筋肉内に投与されるように設計された。 従って、食物と共にワクチンを投与することができるならば、ヒトと動物に容易に適用することができる、実際的で有効なインフルエンザワクチンが非常に望ましい。この目的のために、本発明は、経口で安全に投与することができる乳酸連鎖球菌(L.lactis)ベクター系を使用する。乳酸連鎖球菌は、発酵乳製品の生産および保存に広く使用される、グラム陽性乳酸菌であり、それは一般的に安全である(GRAS)と見なされる。それは、細菌およびウイルス抗原を含む様々なタンパク質を発現するために操作することができる[13−17]。これらのベクターを与えられたマウスは、特異的全身性免疫反応のみでなく、抗原特異的粘膜性免疫反応を引き起こした[13、14、17]。しかしながら、ほとんどの生物体が、胃の過酷な酸性環境および消化管(GI track)内でのプロテアーゼ分解を生き残ることができないので、抗原接種効率は依然として低かった[20]。<植物遺伝子工学> 植物および植物組織の形質転換を達成するための様々な方法が、従来技術において周知であり、その結果、外来のDNAが安定したやり方(すなわち、外来DNAが植物の子孫に受け継がれることを可能にする方法)で植物の遺伝物質へ導入される。2つのそのような形質転換手順は、アグロバクテリウム媒介形質転換および遺伝子直接導入である。 アグロバクテリウム媒介形質転換は、A.tumefaciens、クラウンゴールの病原因子、感染の部位での植物組織の腫瘍の形成を引き起こす、双子葉植物と裸子植物の広範囲の疾患を利用する。アグロバクテリウム(それは創傷部位で通常植物を感染させる)は、Ti(腫瘍誘発(tumor-inducing))プラスミドと呼ばれる、大規模な染色体外要素を運ぶ。 Tiプラスミドは、腫瘍誘発に必要な2つの領域を包含している。1つの領域は、植物ゲノムDNAに安定して転写されたと最終的に分かったDNA配列であるT−DNA(転写(transferred)DNA)である。もう1つの領域は、転写機構に関係してきたvir(毒性)領域である。vir領域は安定した形質転換に絶対に必要であるが、virDNAは感染した植物に実際に転写されない。A.tutnefciensでの感染によって媒介された植物細胞の形質転換およびその後のT−DNAのみの転写が記録された。例えば、Bevan, M. W. et al,, Int. Rev. Genet. 16, 357 (1982)を参照。 多くの実験室における、何年もの情熱的な研究の後、アグロバクテリウム系は、様々な植物組織の慣用的な形質転換を可能にするために開発されてきた。この技術によって形質転換された代表的な組織は、限定されないが、タバコ、トマト、ヒマワリ、綿花、菜種、ジャガイモ、ポプラおよび大豆を含む。 A.rhizogenesも植物形質転換のためのベクターとして使用されてきた。多くの双子葉植物種内で根毛形成を刺激するその細菌は、A.tutnefciensのTiプラスミドと類似したやり方で機能するRi(root-inducing)プラスミドと呼ばれる多数の染色体外因子を運ぶ。A.rhizogenesを使用する形質転換は、A.tutnefciensの形質転換と同様に開発され、限定されないが、アルファルファとポプラを含む植物を形質転換するために上手く利用された。 遺伝子直接導入の場合には、外来の遺伝物質がアグロバクテリウムプラスミドの使用なしで植物組織に形質転換される。直接形質転換は、植物細胞またはプロトプラストの中への外来遺伝物質の取り込みを含む。そのような取り込みは、化学物質または電界の使用によって増強され得る。その後、外来物質は核ゲノムへ統合され得る。直接転写による初期の仕事は、双子葉植物Nicoliana lo&acum(タバコ)において行なわれ、外来のDNAは取り込まれ、子孫植物に遺伝されたことが示された。トウモロコシと米を含むいくつかの単子葉植物プロトプラストもこの手順によって形質転換された。 リポソーム融合も、植物細胞を形質転換する方法であることが示された。プロトプラストは所望遺伝子を運ぶリポソームと一緒にもたらされる。細胞膜が融合されると、外来の遺伝子はプロトプラストに移入される。 さらに、遺伝子直接導入は、ポリエチレングリコール(PEG)媒介形質転換によって達成することができる。PEG媒介形質転換は、タバコのような双子葉植物、およびlolium multWorumのような単子葉植物を形質転換するために上手く使用された。この方法は、プロトプラストによるDNA取り込みを媒介するための化学薬品に依存し、Mg+z、PEGおよび恐らくはCa+zの間の相乗的な相互作用に基づく。例えば、Negrutiu, R. et al., Plant Mal. Biol. 8, 363 (1987)を参照。 あるいは、外来のDNAは、細胞またはプロトプラストへの微量注入によって導入することができる。この技法において、プラスミドDNAまたはDNA断片の溶液は、精密に引かれた(finely pulled)ガラス針で細胞に直接注入される。この技法はアルファルファを形質転換するために使用された。 遺伝子直接導入のためのより最近高度に開発された手順は、DNAを運ぶ微粒子銃(micro-projectile)による細胞のボンバードメント(bombardment)を含む。この手順では、一般に粒子衝突と呼ばれ、外来のDNAでコーティングされたタングステンまたは金の粒子は、標的細胞に向かって加速される。粒子は、それらと共にコーティングされたDNAを運んで細胞に浸透する。微粒子加速は、限定されないが、玉ねぎ、トウモロコシ、大豆およびタバコを含む、植物の培養物、プロトプラスト、未熟な胚中に懸濁する細胞において、一時的な発現と安定した発現の両方を導くことが上手く実証された。 一旦植物細胞が形質転換されたならば、植物を再生する様々な方法がある。再生の特定の方法は、再生される出発(starting)植物組織および具体的な植物種に依存する。近年、植物外植片に由来するカルス組織から植物の多くの種を再生することが可能になった。カルスから再生することができる植物は、限定されないが、米、大麦、小麦およびライ麦のような単子葉植物、および限定されないがヒマワリ(sunfower)、大豆、綿花、菜種およびタバコのような双子葉植物を含む。 A.rumefciensで形質転換された組織からの植物の再生は、植物のいくつかの種に関して実証された。これらは、限定されないが、ヒマワリ、トマト、白花クローバー、菜種、綿花、タバコ、ジャガイモ、トウモロコシ、米および多数の野菜作物を含む。 プロトプラストからの植物再生は時には有用な技法である。プロトプラストから植物種を再生することができる場合、遺伝子直接導入手順が利用することができ、形質転換はA.rwnefaciensの使用に依存しない。プロトプラストから植物の再生は、限定されないが、タバコ、ジャガイモ、ポプラ、穀物および大豆を含む植物に関して実証された。 遺伝子導入植物の生成のために開発された技術は、多くの研究者が、相違する植物種または非植物ゲノムに由来した遺伝子の発現を研究することに繋がった。多くの症例において、ウイルスまたは細菌に由来した遺伝子によってコード化された組み換え型タンパク質の発現を特徴づけることは望ましかった。植物の外来のコード化配列の発現のためのキメラ遺伝子の構造は、植物の5’において所望のタンパク質をコード化するDNA配列に対して機能する非コードの調節要素の連鎖反応、および植物細胞の3’において所望のタンパク質をコード化するDNA配列に対して活性であるポリアデニル化信号の連鎖反応を含む。 植物形質転換のためのキメラ遺伝子の作成においてしばしば使用される5’調節配列は、遺伝子導入植物のすべての細胞において名目上構成的発現か、または、特異的細胞または組織のみが導入遺伝子の発現を示す場合、調節遺伝子発現のいずれか、を引き起こし得る。植物病害を引き起こすカリフラワー(Caulifower)モザイクウイルスに由来したCaMV35−Sプロモーターは、植物において外来遺伝子の構成的発現を名目上御するために頻繁に使用されてきた。パタチンタンパク質の塊茎特異的発現を制御することが見出された調節DNA要素は、発生的に特異的な遺伝子発現の例であり;このパタチンプロモーター要素は、少なくとも幾つかの外来遺伝子の塊茎特異的発現を引き起こすことが知られている。例えば、H. C. Wenzler., et at, (1989) Plant Mot Biol. 12:41-50。 キメラ遺伝子構造は、また、遺伝子導入植物へ導入されている構造遺伝子のアミノ酸コード配列の修飾を含み得る。例えば、遺伝子導入植物の細胞において外来遺伝子産物の細胞局在に影響を及ぼす(infuence)ために、発現されるタンパク質へのアミノ酸の付加または削除は望ましいかもしれない。 少なくとも1つのタンパク質のカルボキシ末端のKDEL(配列番号1)およびHDEL(配列番号32)のアミノ酸配列の介在が、植物小胞体保持機構によってそのタンパク質に関する認識を高めたことが示された。S. Munro and H. R. B. Pelham, Cell 48, 988-997 (1987); J. Denecke, et al., EMBO-J 11, 2345 (1992); E. M. Herman, et al., Planta 182, 305 (1991); C. Wandelt, et al., The Plant Journal 2, 181 (1992)。しかしながら、形質転換細胞のタンパク質構造またはタンパク質折り畳みのような他の因子が、植物小胞体保持機構によって、このカルボキシ末端信号のアベイラビリティ(availability)に影響を与え得るから、そのような修飾は、いくら良く見ても問題である。S. M. Haugejorden, et at, J Biol Chem. 266, 6015 (1991)。<遺伝子導入植物を使用する経口ワクチン方法論> 化学または発酵作用に基づいたプロセスによって製造された合成ペプチドの産生、および精製は高コストのため、経口ワクチンとしてのそれらの大規模な使用が妨げられ得る。遺伝子導入植物における免疫原タンパク質の産生、および遺伝子導入植物におけるそのようなタンパク質のアジュバント効果(adjuvant efect)は、経済的代替案を提示する。 経口ワクチンが、人間を含む動物への分泌性免疫反応を引き起こすのに有効で安い手順かもしれないが、直接摂取される場合、著しい副作用を伴わない、所与の抗原に対する所望の免疫反応をもたらすことができる、遺伝子導入植物または植物組織を生み出す、証明された技法に対する必要性がある。 E.coli(E.colt)および連鎖球菌変異体(mutans)の細菌抗原を発現する遺伝子導入植物を作り出す試みがなされた。Curtiss and lhnen、WO 90/0248(特許文献1)、1990年3月22日公表。B型肝炎表面抗原(HBsAg)を発現する遺伝子導入植物も作られた(H. S. Mason, et at., Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 89:11745.749 (1992))。 米国において、少なくとも特定の本発明者に対して発行された一連の特許は、植物においてワクチンを作り出すことに向けられている。1996年1月16日に発行された米国特許第5,484,719号(特許文献2)(Lam, Arntzen)において、組み換え型のB型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質DNA、および植物においてクローン化されたタンパク質の合成に向けることができる植物機能プロモーターを含む、プラスミドベクターが記述された。その特許は、遺伝子導入タバコ植物細胞を構築するための開示されたプラスミドの使用も開示した。1997年3月18日に発行された米国特許第5,612,487号(特許文献3)(Lam, Arntzen)において、植物が抗原粒子へウイルス蛋白を合成することができる組み換え型B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質を含む、遺伝子導入タバコが記載された。その特許は、また、ワクチンとして使用されるために抗原粒子が回収される、形質転換されたタバコ植物を使用する抗原組成物を作成するための方法を開示した。これらの開示両方において、発明者は、組み換え型ワクチンのために宿主としてタバコ植物を使用することで課された制限を認識した。タバコアルカロイドおよび他の有害物質は、ワクチンの本質的な浄化を必要とする。 1999年6月22日に発行された米国特許第5,914,123号(特許文献4)(Amtzen, Lam)において、肝炎ウイルスまたは伝染性胃腸炎ウイルスからの組み換え型免疫原を発現している、その栄養的価値のために摂取することができる食物が開始された。その特許において、また、ワクチンと同様、伝染性胃腸炎ウイルスに対する医薬ワクチン組成物を製造するための方法も開示された。 2000年3月7日に発行された米国特許第6,034,298号(特許文献5)(Lam, Arntzen, Mason)において、伝染性胃腸炎ウイルスからの組み換え型のウイルスの抗原タンパク質を発現する、遺伝子導入植物と同様、プラスミドおよびそれを作製する方法も開示された。その特許において、また、ワクチンと同様、伝染性胃腸炎ウイルスに対する医薬ワクチン組成物のを作製するための方法も開示された。 2000年10月24日に発行された米国特許第6,136,320号(特許文献6)(Amtzen, Lam/Prodigene)において、経口的に許容可能な免疫原組成物は、植物中で発現される、精製されていない(unpurified)、または部分的に精製された組み換え型ウイルス免疫原を含み、その免疫原は、動物にその組成物が経口投与されると、免疫原性反応が観察されるようなレベルで植物において発現され、具体的には、そのウイルス免疫原は、伝染性胃腸炎ウイルスおよび肝炎ウイルスから成る群から選ばれるウイルスからの免疫原タンパク質であり、より具体的には、ワクチンは、植物中で発現された肝炎ウイルス免疫原を含み、その免疫原は、細胞膜粘膜細胞の表面上のグリコシル化された分子を結合させることができる。また、植物組成物は、抗体の産生を引き起こし、B型肝炎ウイルス表面抗原または伝染性胃腸炎ウイルススパイクタンパク質、および植物物質に由来するウイルス抗原を含み;その免疫原は、遺伝子導入植物においてその免疫原を発現する方法によって作製された生成物であり、その植物物質は、植物全体、植物の一部、または天然のままの植物抽出物から成る群から選択され形態であり、および抗伝染性胃腸炎治療ワクチンは、その抗原が伝染性胃腸炎ウイルススパイクタンパク質に由来する請求項8の組成物を含む。 米国特許第6,194,560号(特許文献7)(Atntzen, Mason, Haq/TAMU)(2001年2月27日)において、LT−Bをコード化する合成E.coli遺伝子が記載され、その遺伝子は植物コドン使用のために最適化されたDNA配列を含む。その特許において述べられているように、これらの研究は、経口的に免疫原植物物質を与えず、それらは、実際に、遺伝子導入植物中で作成された抗原で動物を経口的に免疫にすることが可能であることを実証していない。<動物の疾患> 古典的なブタ熱(classical swine fever)としても知られている豚コレラ(hogCholera)(HC)は、豚コレラウイルス(HCV)によって引き起こされる豚(swine)におけるひどい全身性、出血性疾患である。古典的なブタ熱またはブタコレラは、多くの世界中の国々でブタの経済的に重要な疾患を表わす。自然状態の下では、ブタ(pig)は,HCに弱いことが知られている唯一つの動物である。豚コレラは、毛細管の壁の悪化を引き起こす高い接触伝染病であり、内臓の出血および壊死を結果として引き起こす。まず、豚コレラは、熱、拒食症、嘔吐症状および下痢によって特徴付けられ、これらは、雌豚の不妊、流産および弱い子孫によって特徴付けられる疾患の慢性的な過程が続き得る。しかしながら、第1症状が現われた後、ほぼすべてのブタは2週以内に死ぬ。 HCは、感染した豚から健康な豚に直接接触によって伝染され得る。疾患はまた、感染動物からの体分泌および排泄物との接触を介して伝染され得る。ハエ、鳥およびヒトは、ウイルスを伝染させる際のベクターとして働き得る。 豚コレラは、人々の間で食物経由の病気を引き起こさないが、それは、ブタ内での広範囲の死を結果的にもたらし得るので、養豚業界に重大な経済的損失をもたらす。伝統的に、HC症候群は、高い罹患率および死亡率の急性疾患である。時には、ウイルスの進化は、亜急性型および慢性型のより高い発生につながった。 伝染力の強い菌株は、体温を華氏107度にも上げ得る持続性発熱を特徴とする急性疾患を引き起こす。急性型の他の徴候は、痙攣、神経性食欲不振、白血球減少症、扁桃腺の壊死および食欲減衰を含む。感染後3−4日目に、単核食細胞系の上皮細胞、内皮細胞および細胞中で複製するウイルスによる全身性ウイルス血症がある。内皮細胞の変性および壊死は、血管の障害(vascular compromise)、虚血および播種性血管内凝固症候群の誘発につながる。これらの血管の変化は、腎臓、膀胱および胃粘膜の点状出血、脾臓の梗塞およびリンパ節出血を結果として生じる。通常、病気の発症後5〜14日以内に、死ぬ。 豚コレラの慢性型は、発症した豚において同様の臨床的症状を引き起こすが、より少ない出血を伴い、腹部皮膚の変色、ならびに耳および四肢のまわりの赤い斑点がしばしば生じる。慢性豚コレラを患うブタは、感染の発症後100日間以上生きることができる。 軽症な、または臨床的に明らかでない型の豚コレラは、結果として、顕著な臨床的症状をめったに生じない。感染したブタは、短い期間病気を患い、その後回復期間がやってくる。軽度(mild)の菌株は、少ない一腹子数、死産および他の生殖障害を引き起こし得る。離乳中の高い罹患率は、また、豚コレラのこの軽度の菌株の存在を示し得る。 妊娠している雌豚がより低い毒性の菌株に感染する場合、経胎盤感染が生じ得る。妊娠の段階によって、先天性感染は、結果的に、流産、胎児のミイラ化、死産および胚の奇形をもたらし得る。低い伝染力の菌株による最も頻繁な結果は、免疫寛容の状態および大量のウイルスを放つ永続的に感染した子豚が生まれることである。 豚コレラウイルス(HCV)は、フラビウイルス科ファミリーのPeslivirus属のメンバーである(Francki, R.I.B. et al., 1991, Arch of Virol Supp 2:223-233; Horzinek, M., 1991, Arch of Virol Supp 3:1-5; Collett, M.S., 1992, Comparative Immunology, Microbiology and Infectious Diseases 15: 145-154)。それは、主にリンパ球と血管内皮中で複製される。ほとんどのHC菌株の複製は、細胞の細胞質に制限され、細胞変性効果を生じない。 豚コレラウイルスは、家畜の牛ウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)および羊のボーダー病ウイルス(BDV)と構造上および血清学的に関係することが示され、これらは、またトガウイルス科ファミリー内のペスチウイルス属に属する。HCVは、およそ12.3kbのゲノムを有する小さな単一のプラス鎖RNAウイルスである(Vanderhallen, H., et al., 1999, Arch Vii al 144: 1669-1677)。そのゲノムは、5’および3’の非翻訳領域(NTR)に隣接する、単一の長い読み取り枠(ORF)を包含する。一方、それは、任意のポリアデニル化を有するならば、両方の5’キャップおよび重要な3’ポリ(A)配列の両方を欠く。HCVは、そのうちの2つがおそらく糖鎖形成される3−5の構造タンパク質をコード化すると考えられる。非構造的なウイルス蛋白の数は知られていない。豚コレラ感染と戦うための修飾HCVワクチン(弱毒化または死滅ウイルスを含む)が開発されており、現在使用されている。しかしながら、修飾ウイルスワクチンにおいて、使用されるべきHCV材料を得るために組織培養細胞を感染させることは、低いウイルス収量(yield)につながり、ビリオンは、精製するのが非常に難しい。修飾生ウイルスワクチンは、部分的に弱毒化された病原性HCV(これは、依然として病原性があり、接種を受けた動物または子孫に疾患を引き起こし得る)を動物に接種する危険、およびワクチン内の他のウイルスによる汚染の危険を常に含む。さらに、弱毒化ウイルスは有毒な状態に戻るかもしれない。例えば、ウイルスの単に部分的な不活性化の危険性、低いレベルの免疫のみが達成され、さらなる免疫化が必要とされる問題、および抗原決定基が不活性化処理によって変更され、不活化ウイルスをそれほど免疫原でないままにしておく問題など、不活化ワクチンを使用する幾つかの不利な点もある。修飾HCVワクチンの使用は根絶計画に適していない。 病原体に対する免疫反応を誘発することができるのに必要で適切なHCVの免疫原材料のみを包含しているワクチンには、修飾ワクチンの不利な点がない。HCVの特定の免疫原の一部分のみを包含する、伝統的に由来する、投与される組み換え型HCVワクチンが開示されてきた。例えば、Meyers et al.に対して(1999年8月10日に発行された)米国特許第5,935,582号(特許文献8)、および(1999年7月20日に発行された)第5,925,360号(特許文献9)、および(1998年9月22日に発行された)第5,811,103号(特許文献10)を参照。 HCVのゲノムRNAに由来するcDNA配列は、全長で連続配列12,500のヌクレオチドである。それは、1つの長い読み取り枠(ORF)を包含し、位置364〜366でのATGコドンで始まり、位置12058〜12060での翻訳停止コドンとしてのTGAコドンで終わる。このORFは、435 kDaのタンパク質をコード化することができる3898のコドンから成る。 インビボで、感染細胞におけるHCV複製中に、このタンパク質は、ポリプロテイン前駆体分子として合成され、それは、続けて前駆体分子の(酵素)切断によってポリペプチド断片に処理される。これらの断片は、あり得る翻訳後の修飾の後に、ウイルスの構造タンパク質および非構造タンパク質を形成する。HCVに対する免疫特質またはHCVに特徴的な免疫学的性質を有するそのような断片に関する遺伝子情報を包含する配列、または、免疫特質またはHCVに特徴的な免疫学的性質を依然として有するそのような断片の一部に関する遺伝子情報を包含する配列を誘導することは可能である。 ポリペプチド断片は、およそ1−249、263−487、488−688または689−1067のアミノ酸位置にある。1−249の領域は本質的にコアタンパク質を表わし、一方、263−487、488−688および689−1067の領域は、本質的に、それぞれ、44/48 kD、33kDおよび55kDの糖タンパク質を表わす。 HCVは直径40−50nmである。それには約29nmのヌクレオチドカプシド(nueleocapsid)がある。ビリオンの表面上に6−8nmのフリンジ様(fringelike)突出部(projection)がある。ウイルスを繁殖させるために使用される勾配材料(gradient material)および細胞に依存して、浮遊密度は、1.12g/mlと1.17g/mlの間で報告された。 HCVは、pH 5−10で安定しているが;これらのpH値以上および以下では、感染力は急速に破壊される。HCVは、エーテル、クロロホルムおよびデオキシコール酸塩のような脂質溶剤によって急速に不活性化される。その感染力は、60℃の細胞培養液中で10分後に失われるが、ウイルスは、68℃の脱線維素血(defibranted blood)中で30分後に、依然として活発である。さらに、ウイルスは、凍った死骸において長期間生存することができ、それは、何か月も豚肉と豚肉製品において伝染性のままであることができ、従って、それは動物流行病学において非常に重要である。 5’非翻訳領域のゲノム要素(Hofmann, M.A. et at, 1994, Arch Viral 139: 217-229)、E2遺伝子(Lowings, J.P. et at, 1994, J. Gen Viral 75: 3461-3468; Lowings, P. el al., 1996, J Gen Vral 77:1311-1321)またはNS5B遺伝子(Vilcek, S. et at, 1996, Virus Res 43: 137-147)が比較された時、これまで発見されたHC菌株はすべて、2つの主群および5つの部分群へと集まって一団となった(cluster)。 HCVの5’乃至3’のゲノム形成は、Nと呼ばれる非構造タンパク質、Cと呼ばれるコード化されたヌクレオカプシドタンパク質、E0、ElおよびE2と呼ばれる、構造エンベロープ関連糖タンパク質(E)、NS2、N83、NS4A、NS4B、NSSAおよびNSSBと呼ばれる非構造タンパク質(NS)を含む。 結果として生じる約3900のアミノ酸のポリタンパク質は、宿主細胞プロテアーゼのみでなくウイルスによって、翻訳によって共同処理または後処理され(co-and post translationally processed)、4の構造タンパク質および7−8の非構造ウイルスタンパク質を与える(Thiel, H-J. et at, 1996, Fundamental Virology, 3rd ed. Raven Press New York, 1059-1079)。 ヌクレオカプシドタンパク質C、および3のエンベロープ関連糖タンパク質E0(gp44/48)、El(gp33)およびE2(gp55)がHCVの構造成分である。それらは、ポリタンパク質のN末端の3番目内(within the N-terminal third of the polyprotein)に位置する(Stark, It, et al., 1990, Viral 174: 286-289)。ポリタンパク質において、非構造タンパク質(p23)は、ウイルス感染後の(pestiviral)カプシドタンパク質に先行する(precede)。 この非構造コアタンパク質は、自己タンパク質分解活性を示す推定上のプロテアーゼである(Thiel et at, 1991, J. Virol 65: 4705-4712; Wiskerchen, M.A., et at, 1991, J Vrol 65: 4508-4514)。 E0は典型的な膜アンカーを欠き、感染細胞から相当量で分泌される(Rumenapf, T. et al,, 1993, J Vrol, 67:3288-3294)。このタンパク質は、RNase活性を示すが、ウイルスのライフサイクルに関するその酵素作用は、依然として未知である。 E2、およびより少ない程度にE0は、ウイルスに対する中和抗体を始動させるための標的であることが見出された。他方で、Elは、ウイルスエンベロープに埋め込まれると考えられ(Weiland, E. et al., 1990, J Virol 64: 3563-3569)、ほとんど抗El抗体は記載されていない。ビリオンにおいて、および感染細胞において、糖タンパク質は、100 kDaのサイズを有するE0ホモダイマー、75 kDaのサイズを有するEl−E2ヘテロダイマー、および100 kDaのサイズを有するE2ホモダイマーのような、ジスルフィド結合複合体を形成する(Thiel, H-J, et al., 1991, J Vrol 65:4705-4712)。 伝染性気管支炎(IB)は、気管水泡音、咳、およびくしゃみによって特徴づけられたニワトリの急性の、非常に感染力の強いウイルス性の呼吸器疾患である。中国南部の養鶏業は、毎年、IBの厳しい発生を経験し、特にこの数年、他のウイルス性呼吸器疾患は、また、中国の珠江デルタ領域において高く発生しており、結果的に、正確で迅速な遺伝子型決定は、伝染性気管支炎を抑制する際に重要な因子である。IBの原因物質は、20を超える血清型が世界において同定された、コロナウイルス科ファミリー、コロナウイルス属に分類される、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)5である。大量型の(mass-typed)ワクチンによるワクチン接種は、中国で広く使用されるが、発生は毎年まだ報告されており、IBVは、通常呼吸器官を損傷するが、腎臓、卵管、腸管、および腺におけるIBV複製物の菌株は、中国で報告されてきた。 IBVは、3つの主要な構造タンパク質:ヌクレオカプシドタンパク質(N)、膜糖タンパク質およびSタンパク質、をコード化する。Sタンパク質は、翻訳後に切断され得、N末端のS−1およびC末端のS−2タンパク質を放出する。N末端サブユニット(S−I)は、細胞付着の原因であり、組織親和性およびウイルス中和抗体誘導を決定し、一方、C末端サブユニット(S−2)は、S−Iをウイルスエンベロープへ固定する。S−1タンパク質のN末端部分は、異なるセロタイプ間、および同じセロタイプの異なる菌株間で変化し得る。KeelerおよびKinghamは、大量の血清型IBV中のS−I遺伝子のN末端部分の2つの超可変領域(HVR)および2つの保存領域を同定した。中和エピトープを包含しているHVRは、アミノ酸領域56−69および117−137に位置し得る。2つの保存領域は、43−47および229−236に位置する。以前より、HIとVNは、IBVの診断においてしばしば採用されるが、これらの方法は、時間および労力がかかるというような多くの欠点があり、更に、HIはそれほど信頼できない。 Jungher et a1が、最初にMassとConnの間の抗原の差について記述して以来、IBVの広範囲な抗原的多様性がよく認識されている。強烈なTBVワクチン接種および他の貧弱なバイオセキュリティープラクティスに関連した免疫選択的な圧力により、20以上のウイルスのセロタイプが報告され、さらなる異なるセロタイプが出現し、疾患を引き起こし続けている。 飼育場方法により、大量型のワクチンは、近年、中国で広く使用される。近年、中国南部の養鶏業の集約農法は、ワクチン接種の免疫の選択する圧力を増加させ、同時にIBVワクチンの他の供給源(source)はまた、門戸開放政策により中国へもたらされる。フィールド株とワクチン株の間の再結合はまた、IBVの発生を引き起こす。 別の商業上お金がかかる疾患は、ガンボロ病として知られている伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)である。IBDは、伝染性ファルビキウス病ウイルス(IBDV)によって引き起こされる。感染した鳥との直接接触の他に、ネズミおよび蚊がその疾病を伝搬し得ることがあり得る。 国際獣疫事務局の第63回目の一般的なセッション(General Session)(OlE. Paris, 1995年5月15日から19日)に、IBDは、その疾病が加盟国の95%以上で存在するので、国際的レベルで相当な社会経済的な重要性を有していると推測された(Eterradossi, N. el al., 1995; Paris OIE.)。 IBDVは、ヒトには何の感染も起こさないが、それは厳しい経済的損失を引き起こし得る。その疾病の経済的重要性は、2つの主要な態様に分類することができる。第1に、幾つかウイルスの菌株は、3週齢以上のニワトリにおいて20%までの死亡率を引き起こし得る。第2に、ニワトリの延長された免疫抑制は、若年齢で感染する。 3から6週齢のニワトリは、IBDV感染にとても弱く、死亡率は高い。IBDの症候群は、臨床的かもしれないし、または不症状的かもしれない。年齢感受性は、非常に有毒なIBDV菌株の場合にはより広い(Van den Berg TP, at at., 1991. Avian Patho! 20:133-143; Nunoya T. et al,, 1992. Avian Drs. 36:597-609)。短時間後に(感染の後の24時間以内に)、ファブリキウス嚢が病変を示す。ゼラチン状の帯黄色の浸出物が、嚢のsemsalな表面を覆っている。 感染後の3日目で、浮腫と充血により、嚢はサイズと重量が増加する。感染後の4日目で、嚢のサイズは、通常、2倍になる。その後、嚢はサイズが小さくなり、浸出物は後日に消える。感染後の8日目で、嚢は、通常、元の重量の三分の一になる。粘膜表面上には、壊死巣および点状出血(petcchial hemorrhage)がある。 凝血機能の機能障害により、感染した被験体の胸筋は、黒ずんだ転移によって(with darken dislocation)脱水状態になる。他の主な器官(例えば、腎臓、脾臓、胸腺およびハーダー腺)の病変および出血も観察され得る。 臨床的症状を示す代わりに、延長された免疫抑制は、IBDにかかった後に若年齢(通常、3週齢未満)でニワトリにおいて生じる。その結果、感染した被験体は、他の疾患にかかりやすい。このことによって、鳥は、大腸菌敗血コクシジウム症(colisepticaemia coccidiosis)、伝染性喉頭気管炎、伝染性気管支炎、およびサルモネラ症および大腸菌症のような他の疾患に感染する。さらに、他の病原体に対するワクチン接種への低い抗体反応が結果的に生じる。感染したニワトリの体液性免疫の支配的な抑制に加えて、細胞性免疫も一時的に抑止された。 IBDVは、ビルナウイルス科ファミリーのビルナウイルス属のメンバーである。それは、主としてリンパ球様細胞、特に前駆体B細胞、を感染させる。ウイルスの主要な標的器官、ファブリキウス嚢は、最もひどく影響を受ける。 IBDVは、32のカプソメアからなる正20面体対称の、単一殻の、非エンベロープビリオンであり、それは、直径60nm−70nmである。カプシド対称は斜めにある。塩化セシウム勾配における完全なIBDV粒子の浮遊密度は、1.31g/mlから1.34g/mlまでの範囲である。 1BDVは、エーテルとクロロホルムを有する処置に抵抗する。それは、pH2で影響を受けない。それは、56℃で5時間露出されてもまだ生存可能である。さらに、そのウイルスは、30℃で1時間、0.5%のフェノールおよび0.125%のチメロサールに曝されることで影響を受けない。他方で、それは、pH 12で不活性化される。その感染力は、0.5%のホルマリンに6時間曝されると相当減少する。70℃で30分間インキュベートされると、それは、死滅さえさせられる。 IBDVの2つのセロタイプが認識され、各セロタイプ内にいくつかの菌株があった。その存在は抗体を刺激するが、II型ウイルスは、臨床疾患を引き起こさない。従って、今日、IBDワクチンのみが、I型IBDVから作られている。II型抗体は、I型感染からの保護を与えず、また、I型ワクチンに対する反応に干渉しない。 IBDVのRNAポリメラーゼの高い突然変異率は、抗原変異(すなわち、異なる菌株)およびインビボでの毒性の変化(例えば、非常に伝染力の強い菌株)に繋がる。これらは、最大の防護のための特別のワクチンを必要とし得る。混線防護研究は、「古典的な」I型ウイルスから調製された不活化ワクチンは、これらの変異体のいくつかに対してよい防護を提供するには、高い抗原含有量を必要とすることを示した。 さらに、IBDVの非常に伝染力の強い菌株も出現しており、過去十年間の間多くの国々において重病を引き起こした。 IBDVは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって示される、二重鎖RNAの2つの部分(セグメントAおよびセグメントBと名付けれた)から成る。より大きなセグメントAは、2つの読み取り枠(ORF)を包含して、およそ3.4kbである。より大きなORFは、単シストロン性で、IBDVの構造タンパク質VP2(40kDa−45kDa)、VP3(30kDa−32kDa)およびプロテアーゼVP4(28kDa)へ後で自動処理されるポリタンパク質をコード化する(Muller & Becht, 1982 J. Virol. 1982 Ocr44(1):384-392; Azad, A.A. et at., 1985, Viral 143: 35-44; Azad A.A. at al., 1987, Virol 161: 145-152; Hudson, P.J., et al, 1986, Nucleic Acids Res 14: 5001-5012; Kibenge FS, et al., 1997. Arch Viral 142:2401-2419)。一方、より短い、部分的にVP2と重なるORFは、VP5タンパク質(17 kDa)をコード化する。より小さなセグメントB(およそ218kb)は、90kDaの機能タンパク質VP1をコード化する(Muller H, Nitschke R. 1987. Virology 159:174-177; Speis et al., 1987, Virus Res 8: 127-140)。IBDVのゲノムは、VP2の2つの制限部位、すなわち、Accl、Spelを包含する。重なり合いは、VP5とVP2の間に生じる。VPIは、ウイルスのインビボでの複製のために、RNA依存性RNAポリメラーゼとキャッピング酵素の両方として働く。それは、遊離ポリペプチド、およびゲノム結合タンパク質として現れる(Muller H, Nitschke R. 1987, Virology 159:174-177; Kibenge FS, Dhama V. 1997. Arch Virol 142:1227-1236)。 様々な菌株におけるVP2の配列は、超可変領域と呼ばれる中央のAccl−SpeI制限断片を除いて、高度に保存される(Bayliss et al., 1990, J. Gen Viral 71, 1303-1312)。毒性およびウイルスの弱毒化にとって重要な配列も、この領域において同定され(Yamaguchi T, et al., 1996. Virology 223:219-223)、VP2は、中和抗体の誘発に関与する抗原部位を包含するIBDVの主な宿主保護免疫原であり(Azad et al., 1987, Vral 161: 145-152)、一方、VP3タンパク質は、非中和性抗体によって認識される。 VP2とVP3は、ウイルスのカプシドを形成する。VP2は、カプシドの外側表面上で暴露されると見られ、一方、VP3は、内側にあり、ウイルスのRNAと相互作用する。 VP4プロテアーゼは、非構造ポリペプチドであり、それはセグメントAの上のポリタンパク質の切断に関与するが、それは、成熟したビリオンに含まれていない。セリン−リジン触媒二分子(dyade)の存在は、そのタンパク質分解活性の主な原因となる(Birghan et at, 2000, EMBO Journal 4: 114-123)。 VP5は、細胞培養におけるウイルス複製にとって不可欠ではないが、それは調節機能を有しており、ウイルスの放出および拡散において重要な役割を果たし得る(Mundt et al., 1997, J Viral 71:5647-51)。家畜に影響する別の疾患は、豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)であり、それは、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)によって引き起こされる。豚繁殖・呼吸障害症候群(PARS)は、ヨーロッパと北アメリカにおいて、集中的な豚飼育場の最も経済的に重要なウイルス疾患であると考えられる。その症候群は、初め、1980年代の終わりに米国で豚群問題を引き起こし始め、原因因子の分離前、しばしばミステリー豚疾患と呼ばれた。しかし、ウイルスが、1991年ヨーロッパで同定(Leiystadウイルス[LV])され(Wensvoort G., et at, (1991). Veterinary Quarterly 13, 121-130)、および1992年米国で同定(VR−2332)され(Bonfield A.A., et at, (1992). J Veterinary Diagnostic Investment 4, 127-133)て以来、PRRSVは、新しい疾病表現型が出現し続ける、世界的に豚群の重要な病原体になった。 PRRSは、呼吸器疾患による新生仔および飼育の損害、および種畜における生殖の損害を結果として生じ得る。結果として、それは、養豚産業に劇的な財政的影響を引き起こす。しかしながら、臨床的症状における固有の変化は、非常に変動的な経済的損失に形を変える。群ベースで、ほとんどの急性の発生は、年産5%−20%減少すると推測される。 豚の一般的な健康状態の差により、異なる飼育場の、異なる農場のウイルス菌株および管理方策、臨床的症状および生産損失は、群間で大きく異なる。さらに、多くの症例が、この疾患の重症度を増加させる2次感染によって、しばしば複雑になる(De Jong, M.F. et at, 1991, European Comm Seminar on the New Pig Disease, 4:29-30 #4; Bonfeld, D.W. et a1., 1992, J VetDiagn Invest. 4:127-133)。 PRRSV感染の急性型には、3段階:初期段階、極相段階、および最終段階、がある(Raymakers, J.M.L., 1991, European Comm Seminar on PRRS 11:4-5, Brussels, #16)。疾病の初期段階で、食欲不振(inappetance)、不活発状態、鬱病および発熱のような臨床的症状が、養豚場の飼育/懐胎、または分娩または成長/最終のエリアにおいて見られ得る。この段階の間、呼吸困難および多呼吸のような呼吸器疾患は、成熟したブタにおいて観察されるかもしれないし、観察されないかもしれないが、これらの症候群は、より若い動物において、通常顕著である。それは、典型的に、1−3週続く。 極相段階の間、時期尚早の分娩、増加した死産、ミイラ化(mummifed)、および生まれながら弱いブタ、および離乳前の死亡率の増加が観察し得る。同時に、ほとんどの成長減退および死亡率は、2次感染による。増加した2次感染が、ブタを育てる際に、特に保育時(nursery)に生じる(De Jong, M.F. et al, 1991, European Comm Seminar on the New Pig Disease 4:29-30 #4; Benfeld, D.A., et al., 1992, Diseases of Swine 7i6 Ed, Ames, IA: Iowa State University Press: 756-762)。それは、典型的には、8−12週間続く。 最終段階において、生殖パラメーターは、ほぼ正常な前PRRSレベルに戻り、保育時または成長後(grow-finish)のブタにおいて可変性の呼吸器疾患がある。この段階は、慢性病への前兆であるか、または正常な前PRRS産生レベルへの回帰かもしれない。 慢性のPRRSの間に、生きて生まれるブタの数の長期な減少が見られ得(Dial, D., et at, 1990, MSD Corn Mtg. Denver: Livestock Conservation Institute, 3.6)、および減少した分娩率の拡張的な持続も観察された(Benfeld, D.A., at at, 1992, Diseases of Swine 7th Ed. Ames, IA: Iowa State University Press: 756-762; Benfield, D.W., et at, 1992, J Vet Diagn Invest. 4: 127-133)。慢性のPRRS群内のブタは、より低い成長に加えて、より高い飼料利得比を有する。一方、増大した数の2次感染は、恐らく、慢性的に影響を受けた群において観察される継続的な鼻炎および肺炎が関与する。 生殖障害の機構は依然として未知であるが、豚の胎仔の経胎盤感染は、妊娠後期において一般的である。さらに、成熟したボード(mature board)の睾丸または副性腺からウイルスは分離することはできないが、精液は、PRRSVを伝搬し得る(Oblinger, V., 1992, Pig Dis Info Centre)。 豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)は、アルテリウイルス科ファミリーの属アルテリウイルスのメンバーである(Cavanagh, D. 1997, Arch of Virol. 142: 629-633)。肺胞マクロファージは、インビボでのPRRSVの標的細胞である。 PRRSVは、サイズ45nm−70nmの、球状のエンベロープウイルスであり(Benfeld, D.A., et at, 1992, Diseases of Swine 7'h Ed. Ames, IA: Iowa State University Press: 756-762; Benfeld, D.W., et at, 1992, J Vet Diagn Invest. 4: 127-133)、それは、20nm−30nmの20面体のヌクレオカプシド(nucelocapsid)コアを包含する。ヌクレオカプシドを囲む脂質二重層は、2つの主要なエンベロープ成分、GP5およびM、および2つの微量なエンベロープ成分、GP2とON、を包含する。また、小さな表面突起物も見られる。PRRSVは、CsCl内で1.18g/ml−1.19g/ml、およびスクロース中で1.13g/ml−1.14g/mlの浮遊密度を有する。ピーク感染力は、スクロース製剤におけるより、CsCl精製調製物においてより大きい(Benfeld, D.A., et al:, 1992, Diseases of Swine 7`h Ed. Ames, IA: Iowa State University Press: 756-762; Benfeld, D.W., et al., 1992, J Yet Diagn Invest. 4: 127-133)。 ウイルスの感染価は、70℃で4か月を超える間安定しているが、56℃で15−20分間、または37℃で10−24時間保持されると、ウイルスの感染価は10分の1に減る(Bonfield, D.A., et at, 1992, Diseases of Swine 74 Ed. Ames, IA: Iowa State University Press: 756-762; Benfield, D.W., et at, 1992, J Vet Diagn Invest. 4: 127-133)。ウイルス感染価は、pH5より低いレベル、またはpH7を超えるpHレベルで、90%を超えて減少される。さらに、ウイルス複製は、クロロホルムまたはエーテルでの処理の後に不活性化される。PRRSVは、15.1kbのポリアデニル化された単鎖のプラス鎖RNA分子から構成され(Meulenberg, J.7,M, at al., 1993, Viral 192: 62-72)、これは、8つの読み取り枠(ORF)からなり、Is、Ib、2、3、4、5、6および7と呼ばれる(Conzelmann, K.K. et al., 1993, Viral 193: 329-339; Meulenberg, et al., 1995. Virology 206:155-163)。PRRSV感染細胞において、ウイルスのORFは、性別メッセンジャーRNAの3’入れ子セット(nested set)へ転写される。6つのmRNAにはすべて、3'ポリAテイル、およびゲノムRNAの5’末端から得られた共通リーダ配列を有する。 ORP 1aおよびlbは、5’末端でゲノムの75%を含み、明白なレプリカーゼおよびRNAポリメラーゼ活性でタンパク質についてコード化する。ORF 2−6は、ウイルス膜関連タンパク質をコード化する。さらに、ORF 2−5によってコード化されたポリペプチドは、糖鎖形成し、GP2(29kD)、GP3(43kD)、GP4(31 kD)およびGPS(25kD)と呼ばれてきた。 GP2は、ウイルスエンベロープにおける微量成分のうちの1つである。その一部は、他のウイルス蛋白とホモダイマーまたはヘテロマルチマーを形成せず、ジスルフィド結合によってそれ自体の上で折り畳まれる(Mculenberg, J.J.M., et al., 1996, Viral 225: 44-51)。 北アメリカおよびヨーロッパの菌株において実証されるように、GP3は、顕著な中和体液性反応の不存在下で、PRRSV感染に対する子豚に関する防護を提供することができる。GP4のN−およびC−末端領域に、高度に疎水性の配列がある。抗GP5抗体は、PRRSV感染を中和することができるが、それは抗GP5抗体ほど有効ではない(Weiland, E., at al., 1999, Vet Microbiol 66: 171-186)。 ウイルスエンベロープへ組み込まれたGP5は、高マンノースおよび複合型のN結合オリゴ糖を包含する。特異的抗GP5抗体は感受性細胞のPRRSV感染を中和することができるので、GP5はPRRSVの感染性にとって重要である(Pirzadeh, B. et at, 1997, Viral, 78:1867-1873)。 ORF6によってコードされたポリペプチド(19 kD)(Mタンパク質と呼ばれる)は、非グルコシル化されたIII型膜貫通タンパク質である。それは、GPS糖タンパク質と共にジスルフィド結合ヘテロダイマーを形成する。PRRSV感染細胞において、ジスルフィド結合Mタンパク質ホモダイマーも観察されたが、これらは、ビリオンへ組み込まれなかった(Mardassi, H. et at, 1996, Vrol221:98-112)。 ORF7は、ヌクレオカプシドを形成する非グリコシル化ポリペプチド(151cD)(Nと呼ばれる)をコード化する。Nは、ジスルフィド結合ホモダイマーとして主に存在する非常に塩基性なタンパク質である(Mardassi, H. et at, 1996, Viral 221: 98-112; Meulenberg , et at, 1995. Virology 206:155-163)。<HCV、IBDVおよびPRRSVに対するワクチン> HCの広大な経済的重要性のため、その疾病を消滅させる様々な努力が始められた。弱毒化生ワクチン菌株(例えば中国株)(それらは最も広範囲に用いられているワクチンである)は、その疾病から有効にブタを保護することができる。 弱毒化した生ウイルスによるワクチン接種は安全で有効であるが、それは血清診断(scrodiagnosis)を妨げ、ワクチン接種を受けた動物と感染動物とを区別しない。従って、ヨーロッパにおけるHCの大規模な発生と戦う現在の制御は、大部分は隔離制限および屠殺政策に基づく。貿易規制を回避するために、屠殺政策は、たいていは、感染し、血清学的に陽性である(疑われた)動物の殺処分に基づく。根絶計画の莫大な費用は、その疾病を抑制するための代替方法の捜索を刺激した。 IBDVの強健さにより、衛生手段だけでは、その疾病を抑制するのに不十分である。従って、IBDを抑制する現在好まれる方法は、子孫内での高レベルの受動免疫を誘発するために、ちょうど産卵前に、油乳濁液ワクチンで親鳥にワクチン接種をすることであり、このことは、親鳥を保護するだろう。その後、子孫は、7日齢で、死滅油乳濁液ワクチンをワクチン接種され、約85%から90%の防護率を与える(Wyeth PJ, Chettle NJ. 1990. Yet Rec 126:577-578)。この方法の後に、約2.5、3.5のおよび4.5週齢で、飲料水中の生ワクチンが続けられるが、調査によれば、このことによって、何の特別な防護も提供されないことが示されている(Wyeth & Chettle, 1990 Yet Rec. Jun 9; 126(23):577-578; Goddard, et at, 1994 Pet Rec. Sep 17;135(12):273-274)。 しかしながら、あまりに早く投与されると、注射されたワクチンは、高レベルの母親由来抗体の存在下で中和される。従って、ワクチン接種のための最適なタイミングを決定するために、通常、血清学的モニタリングが必要である(Van den Berg TP, et aL, 1991. Avian Patho120:133-143)。 (異なる抗原の性質を有する)変異体菌株および(高レベルの母親由来抗体さえ突破することができる)非常に伝染力の強い菌株の発生があると、古典的なIBDVワクチンはIBDを克服することにおいて効果がなくなる。 PRRSVを抑制するための現在の方策は、大部分は固有の障害がある改変生ワクチンによる免疫化に依存する。第1に、生ワクチンには有毒な表現型への復帰突然変異の固有の危険がある。第2に、群内のワクチン接種された動物と感染した動物を区別することは可能ではない。PRRSVに対するDNAワクチンは、細胞性免疫と体液性免疫の両方を引き起こすことが報告されている(Kwang, I., et al., 1999, Res in Vet Sci, 67:199-201)。 しかしながら、これらの進歩にもかかわらず、HCV、IBDV、PRRSVおよび他の動物の疾患のためのワクチンを有効、かつ容易に生産し、投与することへの必要性が依然として存在する。WO 90/0248米国特許第5,484,719号米国特許第5,612,487号米国特許第5,914,123号米国特許第6,034,298号米国特許第6,136,320号米国特許第6,194,560号米国特許第5,935,582号米国特許第5,925,360号米国特許第5,811,103号 本発明についての明瞭で一貫した理解を提供するために、以下の用語の一覧およびそれらの定義が提供される。 動物は、限定されないが、ヒト、鳥および魚を含む、任意の脊椎動物または無脊椎動物として定義される。 抗原は、ヒトを含む哺乳動物または他の動物への導入時に抗体の産生を刺激することができる高分子として定義される。本出願において使用されるように、抗原は、抗原それ自体、抗原性の決定因子またはその抗原、または天然のエピトープに時には言及される抗原または抗原決定因子を包含する融合タンパク質を意味する。 抗原決定因子は、抗原抗体反応の特異性を決定する小さな化学的複合体として定義される。病原体のコロニー形成および/又は毒性抗原は1以上の抗原決定因子を包含する。 アミノ酸ドメインは、特定の機能または配列相同性に関係し得るタンパク質内のアミノ酸配列として定義される。 コロニー形成または毒性抗原は、その宿主をコロニー形成する、または侵入する微生物の能力に関係している病原体の表面上の抗原として定義される。議論と請求項は、コロニー形成または毒性抗原またはそれらの抗原決定因子に言及し得る。病原体は、コロニー形成もしくは毒性(vimlence)のいずれかの抗原、またはその両方を含み得、およびそれが抗原(複数可)を発現するように、各々または両方のための1以上のDNA配列は、ベクターに転写され、植物を形質転換するために使用され得る。 免疫原性薬剤は、抗原を発現するベクターを保有する植物の経口摂取時に、動物において免疫反応を引き起こすことができる任意の抗原として定義される。 キメラ配列または遺伝子は、少なくとも2の非相同の部分、すなわち、それらの既存の状態に関連しない、既存のDNA配列に由来する部分、または、それにかなりの配列相同性を有する部分、を包含するDNA配列として定義される。既存のDNA配列は、天然または合成起源であり得る。 コード化するDNA配列は、ペプチド分子、mRNAまたは転移リボ核酸を作るための情報が転写される、DNA配列として定義される。DNA配列は、遺伝子、遺伝子の組み合わせまたは遺伝子断片かもしれない。 外来のDNAは、形質転換される微生物または植物に対して外来性であるか、または形質転換される微生物または植物内で天然に見出されないDNAとして定義される。そのような外来のDNAは、ウイルス、原核生物、および真核生物のDNAを含み得、天然に存在し、化学的に合成され、cDNAであり、成熟しており、またはそのようなDNAの任意の組み合わせであり得る。本発明の外来のDNAは、病原性微生物またはウイルスのDNAに由来する、または病原性微生物またはウイルスのDNAに対してかなりの配列相同性を有しているか、原核細胞遺伝子と同様のアミノ酸配列であるタンパク質をコード化する合成遺伝子である。 融合タンパク質は、配列が単一タンパク質として天然に発現しなかったポリペプチド内で結合した、少なくとも2の異なるアミノ酸配列を包含するタンパク質として定義される。融合タンパク質は、しばしば、元々別の遺伝子からのアミノ酸配列からなる単一タンパク質をコード化するために、異なる遺伝子からのDNA配列が一緒に結合される、遺伝子工学の結果である。 遺伝子は、別々の細胞生産物のためにコード化する別々の染色体領域として定義される。 微生物は、以下のクラスのうちの1つのメンバーとして定義される:細菌、菌類、原虫類またはウイルス。 植物組織は、その自然な状態における、または培養における、植物の任意の組織として定義される。この用語は、限定されないが、全植物体、植物細胞、植物器官、植物種子、プロトプラスト、カルス、細胞培養物、および構造単位及び/又は機能単位へと組織された植物細胞の任意の群を含む。 上に挙げられるか、ささもなければこの定義によって包含されるような、任意の特定の型の植物組織と組み合わせての、またはその不存在下でのこの用語の使用は、他の型の植物組織を除外することは意図されない。本発明のプロセス(process)に従った形質転換に適切な植物は、制限されないが、穀物、小麦、大麦、モロコシ、ライ麦、米、バナナおよびオオバコのような単子葉植物、並びにジャガイモ、トマト、アルファルファ、大豆、豆一般、キャノーラ、リンゴ、西洋ナシ、果物一般、および他の植物のような双子葉植物を含む。 植物形質転換ベクターは、植物組織が、その植物細胞内に、既存でないDNAを含み、および発現するように、植物組織を形質転換することができるプラスミドベクターまたはウイルスベクターとして定義される。 食料品または食用の植物に由来する物質は、栄養源または飲食の補体として動物またはヒトによって直接摂取することができる任意の植物物質(plant material)として定義される。 既存のDNA配列は、本発明に係る方法の産物中で、全体または一部が(in tote or in part)、その使用前に存在するDNA配列として定義される。そのような既存の存在は、典型的には天然起源を反映しているが、既存の配列は、合成または他の起源であり得る。 免疫反応は、抗体の産生物を含んでおり、それは、免疫グロブリンと呼ばれるタンパク質である。抗体は、血流中を循環し、他の体液に浸透し、そこで、それらは、それらを誘発した外来の抗原の型式に特異的に結合する。抗体による結合は、(破傷風またはボツリヌス毒素のような)ウイルスおよび細菌毒素を、しばしば、標的細胞上の受容体に結合するそれらの能力を阻害することによって、不活性化する。抗体結合はまた、食細胞がそれらを摂食することを容易にすることによって、または血液タンパク質のシステム(集団的に補体と呼ばれる)を活性化することによって、のいずれかで、破壊するために侵入微生物をモールトし(malt)、侵入物を死滅させる。細胞性免疫反応(第2のクラスの免疫反応)は、他の宿主細胞の表面上で異種抗原と反応する、特殊化細胞の産生を含む。反応する細胞は、その表面にウイルス蛋白を有するウイルスに感染した宿主細胞を殺すことができ、それによって、ウイルスが複製される前に感染細胞を除去する。他の場合において、反応する細胞は、侵入する微生物を破壊するためにマクロファージを活性化する化学信号を分泌する。 分泌性免疫反応(SIR)は、特定の種類の免疫反応として定義される。それは、分泌においてヒトおよび他の動物の粘膜表面を浸し、分泌において分泌腺を形成する分泌型IgA抗体の形成および産生を含む。そのような抗体の形成および産生を引き起こす薬剤は、SIRを誘発するために、分泌性免疫を刺激すると考えられる。分泌性免疫はまた、時々、粘膜性免疫と呼ばれる。 かなりの配列相同性は、ヌクレオチドの配列またはアミノ酸の配列の間の機能的及び/又は構造的な等価性として定義される。かなりの配列相同性を有する配列間の機能的及び/又は構造的な差は、しばしば最小である。 形質転換植物は、植物の中へのDNAの導入前に植物に先在していなかったDNAを包含し、発現する植物として定義される。 形質転換植物物質は、限定されないが、天然と処理された両方の、細胞、プロトプラスト、組織、葉、茎、果物および塊茎を含む任意の植物物質であり、植物の中へのDNAの導入前に植物に先在していなかったDNAを包含し、発現する。さらに、植物物質は、限定されないが、食物製品、食料品、抽出物、濃縮物、丸薬、ロゼンジ、噛むことのできる組成物、粉末剤、調製乳、シロップ、キャンディー、ウエハース、カプセルおよびタブレットを含む、その処理された派生物を含む。 食用の植物物質は、ヒトを含む哺乳動物または他の動物による摂取に適している植物から得られた植物または任意の物質を含んでいる。この用語は、動物に直接供給され得る生の植物物質、またはヒトを含む動物に供給される任意の処理された植物物質を含むことが意図される。植物から得られた物質は、ヒトまたは他の動物によって最終的に摂取される植物の任意の成分を含むことが意図される。 本発明は、植物または細菌において発現された、精製されていない、または部分的に精製された組み換え型免疫原を含む、経口的に許容可能な免疫原性組成物を提供し、動物へ組成物を経口投与すると、免疫原が、免疫原性反応が観察されるようなレベルで発現される。組み換え型免疫原の例は、限定されないが、HCV、IBDV、IBV、ILTVおよびPRRSVを含む。1つの実施形態において、組み換え型免疫原は、キメラタンパク質である。特定の実施形態において、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSV免疫原は、免疫原が粘膜の細胞膜と相互に作用すると、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVに対する免疫原性反応を生成することができる。特定の態様において、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSV免疫原は、粘膜細胞の細胞膜の表面上のグリコシル化された分子を結合することができる。さらなる態様において、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSV免疫原は、キメラタンパク質である。 本発明は、また、医薬としての使用のための、植物、または細菌において発現された、精製されていない、または部分的に精製された組み換え型免疫原を含む、経口的に許容可能な免疫原性組成物を提供する。組み換え型免疫原の例は、限定されないが、HCV、IBDV、IBV、ILTVおよびPRRSVを含む。 本発明は、また植物または免疫原によって引き起こされた疾患の治療のための医薬の製造のための植物又は細菌において発現された精製されていない、または部分的に精製された組み換え型免疫原を含む経口的に許容可能な免疫原性組成物の使用を提供する。組み換え型免疫原の例は、限定されないが、HCV、IBDV、IBV、ILTVおよびPRRSVを含む。 本発明は、また、植物において発現された、精製されていない、または部分的に精製された組み換え型免疫原を含む、経口的に許容可能な免疫原性組成物を提供し、動物へその組成物を経口投与すると、免疫原が、免疫原性反応が観察されるようなレベルで植物において発現される。組み換え型免疫原の例は、限定されないが、豚コレラウイルスからの免疫原性タンパク質、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスからの免疫原性タンパク質、伝染性ファルビキウス病ウイルスからの免疫原性タンパク質を含む。 本発明は、さらに、植物において発現された豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスの免疫原を含むワクチンを提供し、免疫原は、細胞膜粘膜細胞の表面上のグリコシル化された分子を結合することができる。特定の実施形態において、免疫原は、豚コレラウイルス免疫原である。他の実施形態において、免疫原は、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス免疫原である。さらなる実施形態において、免疫原は、伝染性ファルビキウス病ウイルスである。 本発明は、また、抗体の産生を引き起こし、およびHCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVの抗原に由来するウイルス抗原および植物物質を含む植物組成物を提供し;抗原は、形質転換植物において免疫原を発現する方法によって産生された産物であり、植物物質は、全植物体、植物の一部、または天然のままの植物抽出物からなる群から選択された形である。 本発明は、さらに、組み換え型ウイルスの抗原のタンパク質、すなわち、豚のコレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスに由来する組み換え型タンパク質、をコード化するヌクレオチド配列を発現する形質転換植物を提供する。特定の態様において、タンパク質はキメラである。他の態様において、植物は、アラビドプシスである。 本発明は、さらに、組み換え型ウイルス抗原タンパク質、すなわち、植物において生産され、豚コレラウイルスに由来したタンパク質、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスに由来するタンパク質;および植物物質を含むワクチン組成物を提供し、ワクチン組成物は、動物へ投与すると、免疫反応を誘発することができる。 本発明は、さらに、その栄養価のために摂取されることができる形質転換植物物質を含む食品を提供し、形質転換植物は、組み換え型免疫原を発現する。組み換え型免疫原の例は、限定されないが、豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスに由来した免疫原を含む。特定の実施形態において、植物は、アラビドプシスである。他の実施形態において、植物は、トマトとジャガイモから成る群から選択される。さらなる態様において、形質転換植物物質は、植物の食用に適する果物、葉、果汁、根および種子からなる群から選択される。 本発明は、さらに、形質転換植物細胞を構築する方法を提供し、その方法は、組み換え型ウイルス抗原のタンパク質、例えば、豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスに由来する組み換え型タンパク質、をコード化するDNA配列を、植物においてDNA配列の発現に向けられることができる植物機能的プロモーターに操作可能に結合することにより、DNAベクターを構築する工程、および植物細胞をDNAベクターで形質転換する工程を含む。特定の実施形態において、形質転換は、、アラビドプシス媒介形質転換を含む。 本発明は、さらに、医薬ワクチン組成物を製造する方法を提供し、その医薬ワクチン組成物は、組み換え型のウイルスの抗原のタンパク質からなり、その方法は、組み換え型ウイルス抗原のタンパク質、例えば、コレラの原因因子である豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスに由来する組み換え型タンパク質、をコード化するDNA配列を、植物においてDNA配列の発現に向けられることができる植物機能的プロモーターに操作可能に結合することにより、DNAベクターを構築する工程、植物細胞をDNAベクターで形質転換する工程、および植物において発現された医薬ワクチン組成物を回収する工程を含む。ある態様において、植物は、アラビドプシス植物である。 本発明は、さらに、細菌において発現された、精製されていない、または部分的に精製された組み換え型免疫原を含む免疫原性組成物を提供し、動物へ組成物を投与すると、免疫原が、免疫原性反応が観察されるのようなレベルで細菌において発現される。組み換え型免疫原の例は、限定されないが、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVに由来した免疫原を含む。1つの実施形態において、免疫原は、キメラタンパク質である。特定の態様において、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVの免疫原は、細菌から精製されていない。他の態様において、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVの免疫原が、細菌から部分的に精製される。いくつかの実施形態において、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVの免疫原は、キメラタンパク質である。他の実施形態において、投与は、注入を含む。さらなる態様において、投与は、経口摂取を含む。 本発明は、また、細菌において発現された豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスの免疫原を含むワクチンを提供する。特定の実施形態において、免疫原は、豚コレラウイルス免疫原である。他の態様において、免疫原は、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス免疫原である。さらなる態様において、免疫原は、伝染性ファルビキウス病ウイルスである。 本発明は、さらに、動物において、免疫原性反応を生み出すための方法を提供し、その方法は、最近において組み換え型免疫原を発現する工程を含み、動物へ細菌を投与すると、免疫原が、免疫原に対する免疫原性反応が観察されるのようなレベルで細菌において発現される。特定の態様において、免疫原は、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVに由来する。他の態様において、免疫原は、細菌から部分的に精製される。 ヒトおよび動物の使用のための安全で効率的な鳥インフルエンザワクチンの開発は、伝染力の強い発生(virulent outbreak)および世界的な大流行を防ぐために不可欠である。本発明において、鳥インフルエンザHA遺伝子を発現している乳酸連鎖球菌株のような遺伝子組み換え乳酸菌は、経口H5N1ウイルス感染の防護のためにワクチンとして使用することができるということがわかった。 1つの実施形態において、明細書に開示の遺伝子組み換え型乳酸連鎖球菌株の経口投与は、H5N1ウイルス感染の致死量に耐えることができた被験体において、強いHA特異的体液性免疫反応および粘膜性免疫反応を誘発した。 以上は、本発明の詳述が一層よく理解されるように、本発明の特徴および利点をむしろ広く概説した。本発明の請求項の主題を形成する、本発明のさらなる特徴および利点は、以下に記述される。図1は、発現ベクターNZ9700(HA)の構造および特徴を示す。1704bpのHA遺伝子断片は、分泌発現ベクターpNZ8110へ融合された(A)。(B)レーン1、レーン2およびレーン3は、それぞれ、DNA標識DL15,000、ダブル制限エンドヌクレアーゼによって切断される前のpNZ8110、およびダブル制限エンドヌクレアーゼ切断後のpNZ8110をそれぞれ表わした。(C)レーン1およびレーン2は、DNA標識DL2,000、およびエレクトロポレーションの後の組み換え型L.lastic NZ9700のPCR検出を表わした。図2は、NZのHAタンパク質の発現を示す(HA)。HAタンパク質の特異的発現は、SDS−PAGE(A)およびウェスタンブロット(B)によって調べられた。図3は、経口投与のためのマイクロカプセルを示す。図4は、経口投与後のHA特異的免疫反応を示す。4匹のマウスの各群は、8週にわたって、NZ9700(HA)の109 CFUで、5回(手順(regimen)1)、または8回(手順2)、経口投与され;NZ9700(pNZ8110)が陰性対照として使用された。抗原特異性の抗体(血清IgG)価は、ELISAによって測定された。抗体力価は、2倍のバックグラウンド吸光度(two times the background absorbance)に相当する血清の希釈(2n)の逆数として計算された。測定点はそれぞれ、少なくとも4の個々の動物の平均の血清IgG価を表わし、2つの実験;エラーバー、標準偏差、を表わす;対照群と比較して* p<0.0001;対照群と比較して**p<0.05。D(↑)は、投薬のための印を示し;S(↓)は、サンプリングのための印を示す。結果は、平均値(log2)±S.D.(n=4)として表わされる。図5は、ELISAによって測定されたHA特異的血清IgGを示す。マウスは、0〜3日、7〜10日および21〜24日に、150ul 1010 CFUのL.lactis−pEmpt、L.lactis−pHA(細胞質において発現するHAタンパク質)、L.lactis −pSHA(HAタンパク質が分泌された)、L.lactis−pgsA−HA(HAタンパク質が細胞壁の表面に表示された)で、経口的に免疫化された。免疫血清は34日に得られた。*および**は、PBS対照に対する、統計的に有意な差を表わす(*p<0.05および**p<0.01)。データは、2回の実験(duplicate experiments)の平均値(log2)±S.D.として表わされる。図6は、ELISAによって検知された胎仔のIgAを示す。IgA抗体力価は、第1の免疫化の後10週目にモニターされた。*群間で優位に異なる平均値(p<.05)。図7は、H5N1ウイルスによるチャレンジ後の生存率を示す。BALB/cマウス(1群当たり6匹)は、NZ9700(HA)またはNZ9700(pNZ8100)で経口投与され、H5N1ウイルスでチャレンジされた。チャレンジ後の生存率の百分率が示される。図8は、NZ9700(HA)、NZ9700(pNZ8110)およびL.lactis NZ9700の増殖曲線を示す。培養サンプルが、0から16時間までの増殖期に取られた。L.lactisの増殖は、600nmで光学濃度(OD)に基づいて測定された。有意性を示す分散分析(ANOVA)は、0.05未満のP値として定義された。図9は、ELISAによって検知されたHA特異的粘膜IgAを示す。34日目に糞塊(fecal pellets)を集めた。*および**は、PBS対照に対する、統計的に有意な差を表わす(*p<0.05および** p<0.01)。データは、2回の実験の平均±SDとして与えられる。図10は、ELISAによって検知されたHA特異的血清IgG抗体を示す。図11は、致命的なH5N1ウイルスチャレンジに対して免疫化されたマウスの生存率を示す。図12は、ベクターpNZ8110−HAのマップを示す。 本発明は、植物において発現された、精製されていない、または部分的に精製された組み換え型のHCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVの免疫原を含む、経口的に許容可能な免疫原性組成物を提供し、免疫原は、動物へ組成物が経口投与されると、免疫原性反応が観察されるようなレベルで植物において発現される。 本発明は、免疫原が粘膜の細胞膜と相互作用すると、上述のHCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVの免疫原が、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVに対する免疫原性反応を起こすことができる、上記の経口的に許容可能な免疫原性組成物を提供する。 本発明は、また、HCV IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVの免疫原が、粘膜細胞の細胞膜の表面上のグリコシル化された分子を結合することができる、上記の経口的に許容可能な免疫原性組成物を提供する。上記の発明の1つの実施形態において、前述のHCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVの免疫原は、キメラタンパク質である。 本発明は、植物において発現された、精製されていない、または部分的に精製された組み換え型免疫原を含む経口的に許容可能な免疫原性組成物を提供し、動物への上述の組成物を経口投与すると、免疫原が、免疫原性反応が観察されるようなレベルで植物において発現され、そのウイルス免疫原は、豚コレラウイルス由来の免疫原性タンパク質である。 本発明は、植物において発現された、精製されていない、または部分的に精製された組み換え型免疫原を含む経口的に許容可能な免疫原性組成物を提供し、動物への上述の組成物を経口投与すると、免疫原が、免疫原性反応が観察されるようなレベルで植物において発現され、そのウイルス免疫原は、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス由来の免疫原性タンパク質である。 本発明は、植物において発現された、精製されていない、または部分的に精製された組み換え型免疫原を含む経口的に許容可能な免疫原性組成物を提供し、動物への上述の組成物を経口投与すると、免疫原が、免疫原性反応が観察されるようなレベルで植物において発現され、そのウイルス免疫原は、伝染性ファルビキウス病ウイルス由来の免疫原性タンパク質である。 本発明は、植物において発現された、豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスの免疫原を含むワクチンを提供し、免疫原は、細胞膜の粘膜細胞の表面上のグリコシル化された分子を結合することができる。上記のワクチンの実施形態において、上述の免疫原において、豚コレラウイルス免疫原がある。別の実施形態において、その免疫原は豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス免疫原である。別の実施形態において、その免疫原は伝染性ファルビキウス病ウイルスである。 本発明は、また、抗体の産生を引き起こし、およびHCV、IBDV、IBV、ILTVまたはRSV抗原に由来するウイルス抗原、および植物物質を含む植物組成物を提供し;その抗原は、形質転換植物においてその免疫原を発現する方法によって産生された産物であり、その植物物質は、全植物体、植物の一部、または天然のままの植物抽出物をから成る群から選択された形態である。 本発明は、また、組み換え型ウイルス抗原タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を発現する形質転換植物を提供し、その組み換え型タンパク質は、豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスに由来する。1つの実施形態において、そのタンパク質は、キメラである。別の実施形態において、その植物は、アラビドプシスである。 本発明は、ワクチン組成物を提供し;その組成物は、植物において産生され、および豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスに由来する、組み換え型ウイルス抗原タンパク質と;およびそのワクチン組成物は、動物へ投与されると、免疫反応を誘発することができる、植物物質と、を含む。 本発明は、その栄養的価値のために摂取することができる形質転換植物物質を含む食品を提供し、その形質転換植物は、豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスに由来する組み換え型免疫原を発現する。1つの実施形態において、植物は、アラビドプシスである。 本発明は、その栄養的価値のために摂取することができる形質転換植物物質を含む食品を提供し、その形質転換植物は、豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスに由来する組み換え型免疫原を発現する。1つの実施形態において、その免疫原は、豚コレラウイルスに由来する。別の実施形態において、その免疫原は、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスに由来する。別の実施形態において、その免疫原は、豚コレラウイルスに由来する。別の実施形態において、その植物は、トマトおよびジャガイモから成る群から選択される。別の実施形態では、その形質転換植物物質は、その植物の果物、葉、果汁、茎および種子からなる群から選択される。 本発明は、形質転換植物細胞を構築するための方法を提供し、その方法は:組み換え型ウイルス抗原タンパク質をコード化するDNA配列を、その植物におけるそのDNA配列の発現に向けられることができる植物機能プロモーターに、操作可能に結合することにより、DNAベクターを構築する工程を含み、その組み換え型タンパク質は、豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス、または伝染性ファルビキウス病ウイルスに由来し;その方法は、さらに、そのDNAベクターで植物細胞を形質転換する工程、を含む。1つの実施形態において、その形質転換は、アラビドプシ媒介性形質転換を含む。 本発明は、医薬ワクチン組成物を生産する方法を提供し、医薬ワクチン組成物は、組み換え型ウイルス抗原タンパク質からなり、その方法は、組み換え型ウイルス抗原タンパク質をコード化するDNA配列を、植物においてそのDNA配列の発現に向けることができる植物機能プロモーターに、操作可能に結合することによって、DNAベクターを構築する工程を含み、その組み換え型タンパク質は、コレラ、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルスの原因物質であるブタウイルスに由来し;その方法は、さらに、そのDNAベクターで植物を形質転換する工程;およびその植物において発現したその医薬ワクチン組成物を回収する工程、を含む。1つの実施形態において、その植物は、アラビドプシス植物である。 本発明は、精製されていない、または部分的に精製された、免疫原を発現した、組み換え型のHCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVを含む免疫原性組成物を提供し、その免疫原は、その組成物が動物に投与されると、免疫反応が観察されるようなレベルで発現される。1つの実施形態において、そのHCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVの免疫原は、その細菌から精製されていない(unpurified)。 個別の実施形態において、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVの免疫原は、その細菌から部分的に精製される。別の実施形態において、そのHCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVの免疫原は、キメラタンパク質である。別の異なる実施形態において、その投与は注射を含む。さらに別の実施形態において、その投与は、経口摂取を含む。 本発明は、細菌において発現した、豚コレラウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスまたは伝染性ファルビキウス病ウイルの免疫原を含むワクチンを提供する。1つの実施形態において、その免疫原は、豚コレラウイルス免疫原である。異なる実施形態において、その免疫原は、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス免疫原である。別の実施形態において、その免疫原は、伝染性ファルビキウス病ウイルスである。 本発明は、動物において免疫原への免疫原性反応を起こすための方法を提供し、その方法は、細菌において組み換え型免疫原を発現する工程を含み、その細菌が動物へ投与されると、その免疫原に対する免疫原性反応が観察されるようなレベルで、細菌において発現する。1つの実施形態において、その免疫原は、HCV、IBDV、IBV、ILTVまたはPRRSVに由来する。別の実施形態において、免疫原は、その細菌から部分的に精製される。 本発明は、家畜の感染症疾患に対する新規なDNAワクチンおよび食物ワクチンを供給する。伝統的に、ワクチンは、弱毒化及び/又は死滅ウイルス、サブユニットのワクチン(タンパク質ベース)、及び/又はDNAワクチン(DNAベースの)の組成物を含む。好ましい実施形態において、本発明は、DNAおよびサブユニットのワクチン組成物、調整の方法および投与の方法を示す。別の実施形態において、本明細書には、経口のワクチン接種を含む、植物ベースの(例えば、食用の)ワクチン組成物、調製方法および投与方法が開示される。 具体的には、本明細書には、DNAおよびワクチンベースのワクチン、および、効能、安全性およびワクチン接種を受けた動物と感染した動物との血清学的区別のための機会を組み合わせた、そのようなワクチンを調製する方法および投与する方法が開示される。 さらに、本明細書に開示のワクチンおよびワクチンを使用する方法は、限定されないが、HC、IBDV及び/又はPRRSVを含む疾患に対する重要な特異的な防御と見なされる中和抗体を誘発することができる。本明細書に開示されたDNAワクチンは、さらに、体液性免疫と細胞媒介免疫を誘発する能力だけでなく、化学的安定性という利点を提供する。本発明のワクチン発明の1つの実施形態は、同じまたは類似の疾患に対する他のワクチンよりよい防護的価値を提供し得ることが実証された。IBDV HK46のVP5−5.2およびVP2−3.4で挿入されたpcDNA3.1を使用することは、IBDVと戦うのに有効であったことが示された。 当業者に公知なように、ワクチンのための外来の抗原は、標準的な分子生物学的技法を使用して産生され得る。例えば、この種の方法論の周知の使用において、ヒトインターフェロンに対する外来のDNAはプラスミドベクターへ接合され、細菌細胞へ導入され、その後、クローン化される。ヒトインターフェロン用の遺伝子は、制限酵素の使用を介して、ヒト染色体、および線形化された細菌プラスミド(bacterial plasmid linearized)から切断される。インターフェロンは、付着末端ライゲーションによってプラスミドと結合された遺伝子であり、プラスミドは、および細菌によって取り込まれたインターフェロン遺伝子を包含した。娘細菌はそれぞれ、インターフェロン遺伝子を受け継ぎ、インターフェロン産生微生物集団は、増殖され、インターフェロンは、動物、特にヒト患者への投与のために、細菌から分離された。 しばしば、そのような方法は、ワクチンの成分用の細菌の抗原を産生するために臨床的に適用される。これらの抗原は、通常、細菌の表面に位置するか、または分泌された分子であることに注意されたい。そのような抗原は、限定されないが、1つ以上の毒性分子、分泌タンパク質、処理表面タンパク質(processed surface protein)、外膜タンパク質、莢膜抗原、毒素、ピリ、及び/又は鞭毛抗原を含む。 従来のDNAワクチンまたは「ネイキッドNDA」は、臨床グレード品質のDNAワクチンを得るために、組み換え型プラスミドを宿主細胞(すなわち細菌細胞)から分離するために、精製を必要とする。この種のワクチンは、通常、注射によって投与される。粘膜ワクチン接種用のネイキッドDNAのユーティリティは、組織液中のDNAのライアビリティ(liability)によって制限され得る。従って、有効な粘膜送達が達成されることになっている場合、障壁がDNAワクチンと細胞外消化酵素の間で置かれなければならないことはありそうである。陽イオン性脂質の存在下で、DNAワクチンで、様々な細胞型(例えば、胃および結腸の細胞)のトランスフェクションは、非特異性の機構または現在の生理学的経路によって促進された(Schmid, R.M., et al., 1994, Gastroenterol, 32:665-670)。 しかしながら、本明細書に開示されるように、DNAワクチンはE.coliへ複合化された(a DNA vaccine was complexed to E. coli)。DNAワクチンの好ましい態様において、DNAベクターから発現された外来の免疫原が発現している細菌は、ワクチンとして投与される。そのようなワクチン組成物は、本明細書において、「DNA−Bac」ワクチンとして知られる。本発明のDNA−Bacの実施形態は、他の特定の種類のワクチン(例えば、植物ワクチン、組み換え型DNAワクチン、精製されたタンパク質ベースのワクチン、あるいは生抗原ワクチンまたは弱毒化抗原ワクチンなど)と比較して、作製と利用の平易さにおいて利点を提供し得る。本発明のそのようなDNA−Bacワクチンは、従来の精製工程の一部または全部を欠くことによって、ワクチン生産の費用を低減させるという利点を提供し、よって、家畜の感染症疾患の予防または処置で使用するにはよりコスト効率が良いかもしれない。制限しない実施形態において、本明細書には、ブタ感染性ウイルス(すなわちHCV)に対する免疫原を発現している組み換えプラスミドを含む形質転換された細菌の宿主細胞を、さらなる精製工程なしで、ワクチンとして使用されることが、特に実証された。ワクチンは、体液性免疫反応と細胞性免疫反応の両方を引き起こした。特定の実施形態において、DNAワクチン(例えばDNA−Bacワクチン)は粘膜の誘導部位を標的とした。 本発明の1つの態様において、培養された細菌は、限定されないが、プラスミド、コスミド、BAC、PAC及び/又はP1 DNAベクターを含む、1以上の市販の発現ベクター上の1以上の外来の抗原に対する1以上の遺伝子を包含し、発現して、調製され得る。ベクターは、当業者によって一般に利用される利用方法と材料を使用して、細菌から分離され得、限定されないが、試験規模のプラスミド調製剤、超高純度100カラム、接触CAN製品、大規模プラスミド調製、EndoFreeプラスミドキット、QlAflterプラスミドキット、QIAGENプラスミドキット、大規模BAC/PAC/PI/コスミド調製剤、QIAGEN Large-Constmetキット、高スループットプラスミド少量調製、QIAwellプラスミドキットなどの使用を含む。例えば、発現ベクターを含む細菌は、遠心分離を経てペレットにされ、アルカリ溶菌および菌体内毒素除去工程を受け得、ベクターは、さらに、例えば、超高純度のプラスミドDNAを産生するために、イソプロパノール沈降分離のみならず、市販のQIAGEN陰イオン交換クロマトグラフィー装置を使用して精製され得る。このような方法は、例えば、20リットルのLB培養から100mgまでの高複製のプラスミドDNAを産生することができる(’60gの細菌ペレット)。 DNAワクチンの1つの型の一例は、レポーター構築物としてβ−Galを使用した。DNA−Bacは、インビトロとインビボの両方で活性である。ネイキッドNDAと比較して、豚コレラウイルスに対するDNA−Bacワクチンは、血清抗体反応および細胞傷害性Tリンパ球反応において、顕著な増大を引き起こした。特に、豚コレラウイルスに対する中和力価は、DNA−Bac低用量、DNA−Bac高用量、DNAワクチンおよび市販の弱毒化ワクチンを使用して比較され、低用量と高用量の両方の投与で、DNA−Bacワクチン製剤の有効性が実証された。野ウサギ熱反応アッセイも、DNA−Bac低用量、DNA−Bac高用量、DNAワクチン、市販のワクチンおよび対照の熱を下げる能力を比較して、行われ、低用量と高用量の両方の投与で、DNA−Bacワクチン製剤の有効性が実証された。 本発明の別の態様は、家畜の感染症疾患用のDNAワクチンの新規な製剤である。本明細書に開示されたDNAワクチン組成物、調製方法または投与の方法に関する利点は、低価格および柔軟な送達経路を含む。これは、発展途上国において、特に有用である。例えば、養鶏場と養豚場のためのホンコンと中国の家畜ワクチン市場は、地域的に集中するが、ほとんどの動物感染性ウイルスが地理的に局地化され、作られた外資系企業によって製造された、外来の菌株ベースのワクチンは、たいてい、十分な防護を通常与えない。 例えば、HCVとPRRSVは、豚の2つの壊滅的なウイルス疾患であるので、それらは既に世界的に莫大な財政上の損失を引き起こした。HCは、ヨーロッパとアジアへの多くの国々の商用豚飼育場での顕著な死亡率および罹患率を既に引き起こした。PRRSVは、現在、北アメリカとヨーロッパの全体にわたって認識されている。これらの2つの疾患からブタを保護するために、すべての個々のブタは、2セットのワクチン接種スキーム(手順scheme)にさらされなければならない。そのようなワクチン接種スキームは、時間がかかり、及び/又は、お金がかかるという不利益に苦しむ。これらの不利益を克服するのを助け、かつその疾患に対する最大の防護を提供するために、代替のワクチン接種方法および組成物が本明細書に開示される。 さらに、本発明のワクチンは、鳥に対する防護において使用され得る。例えば、伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)は、養鶏業にとって世界的な経済的に重要な疾患である。伝染性ファルビキウス病ウイルス(IBDV)は、その原因物質であることが示され、それは、免疫抑制を引き起こす鳥類リンホトロピックウイルスである。 従って、本発明の特定の態様において、DNA−Bacワクチンは、限定されないが、IBD、HC及び/又はPRRSを含む疾患に対する、動物(ブタと鶏を含み、これらに限定されない)での使用のために熟慮される。特定の実施形態において、本発明は、PRRSに対するDNAワクチンを含み、それによって、その疾患から豚を保護する際に、養豚業における使用があること、が考慮される。 送達のの部位および方法が、免疫反応の性質に影響するので(Feltquate, D.M., et al., 1997; J. lmmunol, 158:2278.2284; Tones, C.A.T., et al., 1997, J Virol, 158:4529-4532)、大きな動物へのワクチン送達の実用的な観点を、可能なほとんどの防御反応を生み出す要求と釣り合わせる適切な手順が選択されるべきである。筋肉注射は、多くの動物モデルにおいて一般的であるが、食料生産動物の肉質に影響を与え得るので、家畜には望ましくない。さらに、適切な組織に、注射針の管またはワクチンの残り(vacciine residues)を有することは望ましくない。上皮(皮膚または粘膜表面)へのプラスミドの送達は、これらの組織の免疫能力のために、プラスミド送達の最も有望な部位であると考えられる。これらの組織は、高度に免疫監視機能を発達させている。最後に、これらの組織は、ほとんどの病原体による侵入(entry)の部位であるので、これらの部位での免疫化は、その疾病と戦うのに、より有効であると予想される。 筋肉注射は、注入された筋肉からのDNAまたはDNAのトランスフェクト細胞の急速な運動に繋がると考えられ、その結果、抗体産生および細胞傷害性リンパ球反応につながる免疫刺激事象は、主として遠位の組織で起こった。 抗原提示細胞が、DNAでそれら自身トランスフェクトされるか、または他の細胞から抗原を拾い上げるかは明らかではないが、骨髄由来の抗原提示細胞(おそらく樹状細胞)は、DNAプラスミドから発現された処理抗原に必要であることが実証された(Ulmer, J.B., et at, 1996, Immunol, 89: 59-67; Ulmer, J.B., el at., 1996 Cur Opin Immunol, 8:531-536)。 筋肉は、比較的わずかの常在する樹状細胞、マクロファージまたはリンパ球を包含するが、IL−15および骨格筋細胞におけるその高レベルでの発現についての最近の発見(Grabstein, K.H., el al., 1994, Science, 264:961-965)は、筋肉細胞は、一度考えられていたほど、免疫学的に不活発ではないかもしれないことを示した。従って、それも、DNAワクチンでの免疫化にふさわしい部位であった。 現在、DNAワクチンは、筋肉内注射または皮下注射によって送達され、それは、全身性の反応を引き起こすことができるが、通常、粘膜性免疫はない。同時に、消化管の粘膜表面は、しばしば多数の疾患が伝達される部位である。従って、粘膜性免疫反応は、ウイルス感染からの防護において重要な役割を果たす。他の実施形態において、本発明のDNAワクチン(例えば、DNA−Bacワクチン)は、経口で投与され得ることが考慮される。 具体的には、本明細書には、制限されないが、IBDV HK45株およびHCV Alford株に対するワクチン接種で使用するために、ぞれぞれ、限定されないが、peDNA3.1−VP5−5.2 & VP2−3.4およびpHCV2.5を含むDNAワクチンが開示される。消化管の粘膜表面に送達されたこれらの2つのワクチンの有効性が実証された。 消化管関連リンパ系組織(GALT)があり、それは消化管に沿った組織化されたリンパ組織(organized lymphoid)から成る。それは、孤立リンパ濾胞(isolated lymphoid follicles)、パイエル板、虫垂、扁桃腺および腸間膜リンパ節を含む。さらに、多くの小さなリンパ濾胞は、粘膜に常住する。口から肛門まで、これらの毛嚢は、M細胞と呼ばれる特殊化した表面上皮細胞によって覆われる。それらは内腔から組織されたリンパ組織までの経上皮の輸送によって異種抗原のサンプルを送達する際に重要な役割を果たす。粘膜表面上のGALT部位は、投与の間に、または投与の後に、本発明のワクチンと接触するのに望ましい位置かもしれないことが予期される。 本明細書には、ウイルスコートタンパク質は、哺乳動物の発現ベクター、pcDNA3.lへ挿入され、DNAワクチンとして使用されることが開示された。DNAワクチン、pcDNA3.1−VP5−5 2&VP2−3.4、pHCV2.5およびpcDNA3.1−ORFSは、それらが筋肉注射を介して投与されると、それぞれ、IBD、HCおよびPRRSと戦う(fight)のに有効であることが報告された。筋肉注射は、食料生産動物の肉質に影響を与え得るので、動物の消化管の粘膜表面に送達されたこれらの3つのDNAワクチンの効果が測定された。 組み合わせたDNA免疫化は、ニジマスにおいて、二重特異的な(double-spesific)防護免疫および非特異的反応を引き起こし得ることが報告された(Pierre et at, 1998, Virol 249: 297-306)。しかしながら、本発明者は、ブタの疾患に対する組み合わせたDNAワクチンについての報告書は何ら知らない。単独または組み合わせられた、HCV、IBDV及び/又はPRRSVに対するワクチン組成物および送達の方法の効能が、本明細書に開示される。 pHCV2.5およびpcDNA3.l−ORFSの構築物を使用するDNAワクチンは、それぞれ、HCおよびPRRSからブタを保護するのに有効であることが示された。しかしながら、2つの別々のワクチン接種計画を受けることは、非常に時間がかかり、かつ費用もかかった。本明細書に開示のように、HCとPRRSに対する組み合わせたDNAワクチンの効能が実証された。 ELISAおよびウエスタンブロット解析の後に、IBDとHCのDNAワクチンは両方とも、それらが経口的に送達された時、それぞれのウイルスに対する特異的な抗体を引き起こすのに有効であったことが観察された。 組み合わせたHC−PRRS DNAワクチンは、HCVとPRRSVに対する特異的抗体を同時に誘発するのに有効だったことも理解され得る。抗体反応物は、質と強度において、個別の免疫化で得られた質と強度とむしろ類似していた。 本発明は、H5N1ウイルス感染に対する防御のための経口ワクチンとして、鳥インフルエンザHA遺伝子を発現する乳酸連鎖球菌株のような遺伝子組み換え乳酸菌を使用する方法を提供する。1つの実施形態において、組み換え型のL.lactis NZ9700(HA)マイクロカプセルの経口投与は、HA特異的体液性免疫反応および粘膜性免疫反応を引き起こし得、最も重要なことには、H5N1ウイルスのチャレンジ(challenge)に対する防御をを提供することである。 1つの実施形態において、方法は、ヒトと動物集団の両方に容易に投与することができる経口服用手順を含む。別の実施形態において、方法は、粘膜性免疫反応を引き起こす能力を有する。 本発明は、抗原に対する免疫反応を引き起こす方法を提供し、その方法は、動物またはヒトに、抗原を発現する遺伝子組み換え乳酸菌を投与する工程を含む。乳酸菌の例は、限定されないが、ラクトコッカス、連鎖球菌、乳酸桿菌属、ロイコノストック、ペディオコッカス、ブレビバクテリウムおよびプロピオニバクテリウムを含む。1つの実施形態において、乳酸菌は、米国特許第5,580,787号、第6,333,188号および第7,553,956号に記載されるようなラクトコッカス属である。別の実施形態において、乳酸細菌は、ラクトコッカスラクティス種である。 本発明の遺伝子組み換え乳酸菌は、被験体に投与された時、免疫反応を引き起こすことができる。本発明の細菌によって引き起こされた免疫反応は、限定されないが、体液性免疫反応と粘膜性免疫反応を含む。例えば、本発明の細菌は、全身性IgG反応および粘膜のIgA反応を引き起こすことができる。 1つの実施形態において、本発明の遺伝子組み換え乳酸菌は、防護免疫反応、すなわち、(ウイルスまたは細菌のような)病原体による致死性のチャレンジから、免疫力を付けられた被験体を保護することができる免疫反応、を引き起こすことができる。 一般に、本発明の乳酸菌は、1以上の抗原を発現するように遺伝子的に改変されている。1つの実施形態において、その抗原は、異種(heterologous)である。異種抗原(heterologous antigen)の例は、限定されないが、細菌、原生動物、菌類およびウイルス抗原を含む。異種抗原の供給源(source)は、限定されないが、米国特許第6,551,830号、第7,432,354号および第7,339,461号に記載のような、インフルエンザウイルス、ヘリコバクターピロリ、サルモネラ菌、ロタウイルス、呼吸器コロナウイルスなどを含む。 1つの実施形態において、鳥類インフルエンザウイルスH5N1の赤血球凝集素のようなウイルス抗原は、遺伝子組み換え乳酸菌において発現することができる。 本発明の遺伝子組み換え乳酸菌は、当業者によって容易に決定し得るような量において、およびそのような方法を用いて投与されることができる。本発明のワクチンは、例えば、経口投与のために、溶液若しくは懸濁液として、または投与前の液体中の溶液若しくは懸濁液に適した固体の形態としてのいずれかで、投与され、調製されることができる。その調製物は、また、乳化されるかもしれないし、その成分は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウムなどのような賦形剤と混合されるかもしれない。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル、持続放出製剤、点鼻剤または粉末剤の形態をとる。 本発明のワクチンは、また、注射の形態であり得る。適切な賦形剤は、例えば、生理食塩水若しくは緩衝生理食塩水(pH約7から約8まで)、またはブドウ糖、グリセリンなども包含するかもしれない他の生理的等張液、およびそれらの組み合わせを含む。しかしながら、強力な界面活性剤(detergent)、アルコールおよび他の有機溶媒のような、脂質膜を破壊する、または溶解する薬剤は避けられるべきである。さらに、所望ならば、ワクチンは、当該技術分野において周知の、ワクチンの効果を増強する、湿潤剤若しくは乳化剤、pH緩衝剤、及び/又はアジュバントのような微量の補助剤を包含し得る。 一般的に、本発明のワクチンは、所望の免疫反応の生成に有効な量で、経口で、皮下に、皮内にまたは筋肉内に投与され得る。ワクチンは、投与製剤に適合する方法で、および予防的及び/又は治療上有効であるような量で投与される。投与される量は、処置される被験体、所望の免疫反応を発生させる、その被験体の免疫系の能力、および所望の防護の程度に依存する。被験体および使用される抗原を考慮して投与されるワクチンの正確な量は、当業者によって容易に決定される。 1つの実施形態において、本発明の遺伝子組み換え乳酸菌は、米国特許第7,541,044号および第7,476,686号に述べられているような、経口、または鼻腔内の投与、筋肉注射、皮下注射および膣適用のような多くの方法で、被験体に投与され得る。 本発明の遺伝子組み換え乳酸菌は、カプセル化された内酸性不安定マイクロカプセル(encapsulated inside acid labile microcapsules)、腸溶性コーティングマイクロカプセルおよびカプセル、ポリマーヒドロゲル、または粘着性ポリマーパッチのような、多くの方法で調製され得る。 本発明は、また、異種抗原を発現する遺伝子組み換え乳酸菌を提供する。乳酸菌と異種抗原の例は、上述された。1つの実施形態において、これらの乳酸菌は、経口ワクチンとして使用することができる。 本発明は、また、本明細書に記載の遺伝子組み換え乳酸菌を含む組成物を提供する。1つの実施形態において、組成物は、さらに薬学的に許容可能な担体を含む。 本発明は、また、被験体の免疫反応を引き起こすための医薬としての、本明細書に記載の遺伝子組み換え乳酸菌の使用を提供する。 本発明の別の態様において、1以上の選択された病原体の遺伝子は、植物、およびコード化された抗原(例えば、タンパク質)を製造するように誘発された形質転換植物へ導入される。 好ましい態様において、植物は、食用に適しており(例えば、ジャガイモ植物)、および摂取によって投与されるワクチンである。食物ワクチンの実施形態は、安い(すなわち、それは、一般的に、細菌ベースのワクチンより植物を育てるのにそれほど費用がかからず、および、一般的に、様々な精製工程を組み込む他のワクチン産生方法より生産するのにそれほど費用がかからない)、投与し易い(例えば、植物ワクチンは、動物の飼料に加えられる)、注射に関連する危険がない、および、動物の病原体の汚染の危険を除去する又は減らす、という利点を有する。 形質転換植物の生産のために使用することができる4つの一般的に使用される遺伝子発現形質転換系があり、その形質転換植物は、所望の抗原に対する経口ワクチンにおける活性薬剤の1つとして投与することができる。本発明は、食物ワクチンの構造のこれらの発現系の4つすべての利点を利用する。この一覧は、他の可能な方法を除外する(exhaust)することが目的ではないことを認識されたい。一覧は、単に、本発明の範囲および教示に適切な内容を提供するために含まれる。 第1に、形質転換植物において、CaMV 35Sプロモーターおよび抗原コード配列を含む発現ベクターは、植物を、構造的に形質転換するために使用することができ、そこでは、葉での発現が遺伝子発現および遺伝子産物の生化学的特性の迅速な分析を可能にする 限定されないが、セイヨウアブラナ(Brassiea napus)(キャノーラ)などの、そのような植物において、2Sアルブミンプロモーターおよび抗原コード配列を含む発現ベクターは、動物の飼料として慣例的に使用されて、種子組織において、組み換え型タンパク質の産生を引き起こすために、種子特異遺伝子発現を引き起こすために使用されることができ、魅力的な(attractive)経口免疫原の分析の産生を生み出す。 限定されないが、バイレショ(ジャガイモ)などの植物において、パタチンプロモーターまたは大豆vspBプロモーター、および抗原コード配列を含む発現ベクターは、食物として慣例的に使用される塊茎組織において、組み換え型タンパク質の塊茎に特有の産生を引き起こすために、塊茎特異的遺伝子発現を引き起こすために使用されることができる。これは、魅力的な経口免疫原の分析を提供する。 最後に、限定されないが、Musa acuminala(バナナ)を含む植物において、果実の成熟に特有のプロモーターおよび抗原コード配列を含む発現ベクターは、熟した果物への組み換え型タンパク質を産生する植物を形質転換するために使用することができ、そこでは、動物とヒトにおける摂取研究用の候補ワクチンとしての組み換え型タンパク質の産生が直接的に生じる。 植物において産生された組み換え型タンパク質における生物学の性質(具体的には、リガンド結合および抗原エピトープの提示)の保持は、形質転換植物における食物ワクチンの成功した産生にとって相当重要である。薬理学的に重要なタンパク質の価値の最終的な試験は、それらの生物活性である。ワクチンの効果は、動物モデルにおいて正確に定量することができるので、ワクチンは、タンパク質発現の研究にとって特に興味深い。さらに、それらの効果は、免疫系によって増幅されるので、比較的低い量が必要とされる。 本明細書には、制限しない例として、豚コレラウイルスに対する食物ワクチンとして作用する形質転換植物(複数可)におけるHCV抗原の発現のための、組成物および方法が開示される。本発明の1つの態様の証明において、病原体(例えばHCV)の局部的な菌株(local strain)が分離され特徴づけられた。本発明の具体的な態様において、E2領域が、構築物(例えば、pHCV 1.25およびpHCV2.5)を設計するために使用された。開示された本発明の具体的な態様において、HCVのコドン使用は、形質転換植物において変更された。1以上の病原体の1以上の免疫原の発現は、植物において発現された時、同様に、コドン使用の変化によって増強され得ることが考えられる。 特定の態様において、本明細書に開示されたワクチンの発明は、単独で、または1以上の他の薬理作用のある物質または治療薬と組み合わせて使用されうることが考えられる。特定の態様において、そのような薬剤は、限定されないが、1以上のインターフェロン、インターロイキン、コロニー刺激因子、及び/又は腫瘍壊死因子を含む1以上のサイトカイン;1以上のアンチセンス核酸組成物など;1以上のサイトカイニン;1以上の遺伝子治療薬剤または方法論;1以上のモノクローナル抗体;1以上の凝固因子(cotting factors);1以上のさらなるワクチンまたはワクチ関連組成物または投与の方法;及び/又は1以上のホルモンを含み得る。<A.DNAワクチンの構築および生成> DNA IBDおよびHCワクチンを構築および生成する方策は、単に本発明の1つの典型的な態様として本明細書に記載される。しかしながら、本発明は本明細書に開示された具体的な構築物に限定的されない。当業者によって理解されるであろうように、他の構築物は作成され得、様々な病原体からの他の遺伝子は、DNAワクチンを産生するのに本明細書に記載される技法を使用して発現され得る。特定の好ましい態様において、DNA構築物は、微生物(例えば細菌)において発現される。特定の態様において、DNA/細菌ワクチン(「DNA-Bad」)は部分的に精製される。本明細書で使用されるように、「部分的に精製される」は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、あるいはそれ以上の、およびそれらから推論できる任意の範囲の、DNA構築物からの細菌成分及び/又は発現した免疫原の除去を意味する。さらなる態様において、DNAワクチンは、または両方の組み合わせは、粘液細胞膜へ経口で投与される。しかしながら、そのようなDNA及び/又は細菌のワクチンは、当業者に既知の任意の技法を使用して投与され得ることが予期され、さらに、DNA及び/又は細菌のワクチンは、例えばアジュバントのような1以上の免疫原または薬物と組み合わせて投与され得ることが予期される。<1. DNA構築物のデザイン> IBDワクチンについては、VP5−5.2およびVP2−3.4が、CMVプロモーターの制御の下で、pcDNA(+)ベクターへクローン化された。 HCワクチンについては、ウイルスの構造糖タンパクをコード化する3つの連続した遺伝子(E0、ElおよびE2)が、CMVプロモーターによって、発現ベクターpcDNA3,1へクローン化された。挿入のサイズが約2.5kbだったので、組み換えプラスミドは、pHCV2.5と呼ばれた。PRRSワクチンについては、主要なエンベロープタンパク質GP5をコード化するPRRSVのORFSは、上流CMVプロモーターによって、発現ベクターpeDNA3.1へクローン化された。このベクターは、特に真核生物発現のために設計された。これらの3つの構築物が調製され、それらの同一性が前もって確認された。<2. 大腸菌細胞の形質転換> 501解凍コンピテントE.coli細胞(501 thawed competent E, coli cell)および51プラスミドDNAは、5分間氷上で冷やされているキュベットに加えられた。その後、それは、1.8kVにセットされた細菌エレクトロポレーター(Bio Rad E. coil Pulser Transformation Apparatus)の試料チャンバーに入れられた。1mlのSOC培地(Gibco BRL)は、パルスを印加した後にキュベットに直ちに加えられた。37℃で1時間インキュベーションした後、100 1の形質転換細胞は、アンピシリンを含むLB寒天プレートに広げられ、それは一晩インキュベートされた。<3.注入のための大規模プラスミド抽出> 寒天プレート上の単一の形質転換コロニーが採り上げられ、アンピシリンで補われた2mlのLB中に植え付けられた。それは、37℃で一晩振とうしながら増殖された。その後、1.5mlの培養物が、アンピシリンで補われた1.5LのLBに加えられ、37℃で一晩振とうしながら増殖された。細胞は、8000X gで10分間遠心沈降され(Beckman JA-14 Rotor)、上清は取り除かれた。細胞は、75mlのP1溶液(50mMのグルコース、25mMのトリス、pH 8および10 mMのEDTA)中に再懸濁された。102.5mlのP2溶液(0.2MのNaOH、1%の硫酸ドデシルナトリウム)が加えられ、それは、5分間室温で静置された。その後、150mlのP3溶液(5Mの酢酸カリウム液、pH 4.8)が加えられた。氷上に30分間静置された後、混合物は、8000rpmで10分間遠心分離にかけられた(Beckman JA-14 Rotor)。375mlのイソプロピルアルコールが、上清に加えられ、4℃で一晩静置された。その後、それは12000rpmで10分間遠心分離にかけられた(Beckman JA-14 Rotor)。ペレットは、RNase Aを包含する112.5mlの水中に再懸濁された。その後、7.5mlのP3溶液および112.5mlの100%のエタノールが加えられ、それは1時間−20℃に維持された。12000rpmで10分間遠心分離にかけた(Beckman JA-14 Rotor)後に、ペレットは、150mlの70%のエタノールで洗浄された。その後、それは、10分間12000rpmで再び遠心分離にかけられた(Beckman JA-14 Rotor)。その後、得られたペレットは、2mlの1X PBS中に再懸濁され、その濃度が、蛍光測定器で測定された。<給餌(feeding)ための大規模な細菌の調製> 寒天プレート上に所望のプラスミドを包含する単一の形質転換コロニーは、アンピシリンで補われた2mlのLBに植え付けられた。それは、振とうしながら、37℃で一晩増殖された。その後、1.5mlの培養物が、アンピシリンで補われた1.5LのLBに加えられ、振とうしながら、37℃で一晩増殖された。 細胞は、10分間8000X gで遠心沈降され(Beckman JA- 14 Roster)、上清は取り除かれた。E ccli細胞は、37℃で一晩乾燥され、1X PBS中に再懸濁された。その後、それは10分間超音波で処理された(Branson Sonifer 250)。1%v/vの抗生物質(ペニシリン・ストレプトマイシン、Gibco BRC)が、それに最後に加えられた。<植物ワクチンの構築および生成> HCV構造遺伝子を発現する遺伝子組み換えシロイヌナズナ(A.thalianaii)の構築および生成は、単に本発明の1つの典型的な態様として本明細書に記載される。 しかしながら、本発明は、具体的な種の植物および病原体に由来する遺伝子に限定されない。当業者によって理解されるであろうように、本発明の、植物ベースの、好ましくは、食用に適した植物ワクチンを産生するための本明細書に記載の技術を使用して、他の植物が形質転換され得、様々な病原体からの他の遺伝子が発現され得る。特定の態様において、植物において発現された免疫原は部分的に精製される。本明細書で使用されるように、「部分的に精製された」は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、あるいはそれ以上の、およびそれらから推論できる任意の範囲の、DNA構築物からの植物成分(複数可)及び/又は発現した免疫原(複数可)の除去を意味する。さらなる態様において、ワクチンは、または両方の組み合わせは、粘液細胞膜、または両方のコンビネーションに、経口で投与される。しかしながら、そのような植物または食用に適したワクチンは、当業者に既知の任意の技法を使用して投与され得ることが予期され、さらに、植物または食用に適したワクチンは、例えばアジュバントのような1以上の免疫原または薬物と組み合わせて投与され得ることが予期される。<1.方策> HCV構造遺伝子を発現する遺伝子組み換えシロイヌナズナを構成および生成するために、プラスミドpBI 121は、BarHIとSstlで分解(digest)され、ベクター断片が回収された。pHCV2.5/pHCV1.25も、BamHIとXbaIで分解され、BamHIとXbalで分解されたpBSプラスミドへの挿入のためHCV2.5とHCV1.25の断片が放出された。その後、この構築物は、BatnHlとSstlで分解された。pHCV2.5コドンの使用は、組み換えPCRによって変更され、改変されたHCV I.25 TAは、pBSへクローン化された。BamHIとSstlの分解が行われ、断片が回収された。 上記から回収された断片、および上記のBamHIおよびSstl分解によって放出されたHCV2.5/HCV 1.25は、様々なライゲーション反応を受け、pBI 121−HCV2.5、pBI 121−HCV 1.25およびpBI−121M 1,25のベクターを産生した。その後、これらのベクターは、エレクトロポレーションによってアグロバクテリウムに形質転換された。その後、シロイヌナズナ(A. thalianai)はフローラルディップ法によって形質転換され、形質転換植物のためのカナマイシン選抜(selection)を受けた。HCV形質転換植物の産生は、PCR、サザンハイブリダイゼーションおよびノーザンハイブリダイゼーションで確認された。高レベル発現を生ずる植物がウエスタンハイブリダイゼーションおよびELISAの使用のためにスクリーニングされた。最後に、動物は、形質転換植物物質の経口投与を使用して予防接種を受けた。これらの方法のさらなる詳細は以下の節に記載される。<2. 植物物質> シロイヌナズナ コロンビアの種子は、LEHLE Company, P.O. Box 2366 Round Rock, TX 78680-2366 USAから購入された。コロンビア(Col-0)は野生型シロイヌナズナである。植物を、22℃−25℃で24時間の連続光によって、制御されたチャンバーまたは温室で成長させ、植物成長の処置はすべて、標準プロトコルに従った(Jose M et at 1998)。それらは、簡潔には、種子の休眠を破るための2日間の冷却処理(2℃ −4℃)、ナイロン窓スクリーンで覆われた9cmの瓶の中に発芽した種子を植えること、水と栄養溶液で植物を規則的に地下潅漑すること(sub-irrigating)が含まれる。植物は開花し始め、3−4週育てた後にフローラルディップ(floral dip)遺伝子組み換えの準備ができる。種子は第2のフローラルディップ後に、さらに3−4週の間に収穫される。<3. アグロバクテリウム・ツメファシエンス> アグロバクテリウム・ツメファシエンス株LBA4404(Ooms et at, Plant Mot Biol. 1, 265-276, 1982)またはBHA 105(Hood et al., Tansgenic Research. 2, 208-218, 1993)が、計画において使用された。異なるDNA断片、HCV2.5 kb、HCV1.25 kbおよび改変HCV1.25kbをバイナリープラスミド(binary plasmid)pBI12lに適合され、構造ウイルス糖タンパク質をコード化する細菌は、カナマイシンとリファムプシンと共に、4 mLのLBへ植え付けられた。その管は、25℃−28℃で250rpmで36−48時間振とうされた。スネール培養物(snail culture)は、500 mLの同じ培地と共に、2Lのフラスコへ加えられた。小規模培養物がなされたように、大規模培養物は、約16時間振とうされた。細胞は、6,000gで室温で20分間遠心分離することによって回収され、その後、使用前におよそ0.8の最終的なOD 600まで、フローラルディップ溶液中に再懸濁された。<4. 遺伝子組み換えおよび選抜> 本研究において使用される植物遺伝子組み換えの方法は、フローラルディップ法(floral dip)である(Steven Jet al 1998)。それは、簡潔には、下記の工程を含む(実施例1を参照)。第2のボルト(secondary bolts)からより多くの花を得るために、遺伝子組み換えの3−5日間前に初代の花(primary inflorescences)を摘み取る。1Lの培養物から新鮮に準備されたアグロバクテリア(agrobacteria)を備えたフローラルディップ溶液約500 mLが、植物の8−10瓶に使用された。植物は、暗いビニール袋で覆われており、一晩暗所に保持された。15−24時間後に、処理された植物は、チャンバーまたは温室へ戻された。植物は、翌週、再びディップされた(dip)。種子(T1)が回収され、20−30ugのカナマイシン/ハーフMS培地(half MS medium)1mL上で選抜された。選抜の10−15日後に、4−6の成葉を有し、かつ、選抜培地中に良く形成された根を有する植物(T1)は、選抜培地から取り出され、充分に湿らせた鉢植え用土壌へ植えられた。T2種子は、T1植物の各個体から独立して回収され、同じカナマイシン媒地上で再び選抜された。間違った形質転換植物の子孫(選抜から漏れる)は、植物に働かせられたカナマイシンに耐えることができない。しかしながら、真の遺伝子組み換えT1は、カナマイシン耐性遺伝子を大多数のT2苗へ渡し(比率=3/4)、これらの系統(lines)は、上手く形質転換された植物になる。<5.遺伝子組み換え植物の同定> PCRのためのDNAサンプルは、以下のプロトコルによる植物の葉の小さな細片から準備され、それはアブラナ種子において上手く使用された。葉の小片(約50mg)は、液体N2で冷凍されたEP管中に置かれた。抽出緩衝液(100mMのKCl、50mMのトリスHCl pH 8.0、1%のPVP、0.5%のSDS、5mMのEDTA)を加えた後、管は、5分間沸騰された。管を取り、それらを氷上に置いた。最高速度で5分間遠心分離にかけて、PCRのために上清をとる。導入遺伝子植物を確認するためのPCRが、25LのPCR反応混合物中で実行され、その中には、2Lの調製されたDNAが含まれていた。HCV2.5 kb、HCV1.25 kbおよび改変された1.25kb(M1.25)の様々な領域にあるプライマー対は、あり得る遺伝子導入植物の異なる個体中の遺伝子導入植物内のHCV遺伝子の存在を確認するために使用され、サザンハイブリダイゼーションおよびノーザンハイブリダイゼーションが、T2植物の異なる遺伝子導入系統から調製されたゲノムDNAおよび総RNAの使用により実行され、これらによって、二次選抜とPCR反応の両方を確認された。プローブは、32P−dATPで標識化され、Molecular Cloningにおけるプロトコル(Fritsch., Maniatis and Sambrook., 1989. Molecular Cloning, A Laboratory Manual, (Second Edition. pp 18.47-18.75)に従って、DNAとRNAの細胞膜に交配された(hybrided)。<6.導入遺伝子のための組み換えプラスミドの構築> バイナリープラスミドpBI121(Clontech Company)は、BmnHI & Sstlで分解され、大きなベクター断片がアガロースゲルから回収された。3つの異なるウイルスDNA断片、HCV 2.5kb、HCV 1.25kbおよび改変HCV 1.25kb(これらは、それぞれ、HCV構造糖タンパクE(ms)/El/E2、E2および改変E2をコード化する)が、同じ制限酵素で分解され、ベクターにそれらを挿入するために回収された。組み換えプラスミドは、エレクトロポレーションでアグロバクテリウム(agrobacteria)に転換された。HCV遺伝子を挿入された形質転換体は、植物遺伝子組み換えにおいて使用された。<7. HCV2.5とHCV1.25の構築> DNAワクチンとして哺乳動物の細胞での発現のために、pcDNA 3.1に挿入されたHCV 2.5kbの断片(pHCV2.5と名付ける)は、使用された。2.5kbのDNA断片は、1118から3701までの単一鎖RNAゲノム(genonie)をカバーし、それはウイルスコートタンパク質E2、および他の2つの構造糖タンパクEmsおよびElをコード化する。HCVの−12.5kbの単一鎖RNAゲノムによってコード化された大きなORFは、大きなポリタンパク質 約3900のアミノ酸に翻訳され、それはウイルス構築中に個々のタンパク質へ切断される。E2、EmsおよびE1はすべて、ポリタンパク質の中央に位置するので、人工の開始コドンおよび停止コドンは、植物中でのそれらの正確な発現のための構築物につながる。構築(上記の方策を参照)は、簡単に言うと、以下の工程を含む:(1)pHCV2プラスミドDNAを、BamHIおよびXbaIによって分解し、2.5kbの断片を回収し、それは、一方の側に、人工の開始コドンと停止コドンの両方を付加されている。(2)適切な酵素部位を得るために、同じ制限酵素部位で、pBluescript SKへ、2.5kbのDNA断片を挿入し、それを植物導入遺伝子ベクターpBIl21へとクローン化する。(3)BanrHlとSsIIで pBluescript−HCV2.5を分解し、2.5kbの断片を回収し、同じ酵素分解された植物発現ベクターpBI121にそれを挿入する。(4)構築物がPCR、サザンハイブリダイゼーションおよび部分配列決定によって確認された後に、構築されたpBI121−HCV2.5をアグロバクテリウムLBA4404およびEHA105に形質転換する。 同じ手順が、植物発現pBI121−HCV 1.25を構築するために使用された。ただ一つの差は、E2ウイルスコートタンパク質をコード化するHCV 1.25kbの断片は、DNAワクチンのための他のクローン、pI−ICV1.25から得られた点であり、およびpBI121-HCV1.25は、LA4404およびEHA10SにおけるpBIl21 HCV2.5;LBA4404および EHA105におけるpB1121 HCV1.25;並びにLBA4404およびEHA105におけるpB1 121 M1.25、のpBIl21 HCV2.5、pBI121 HCV1.25並びにpB1121 1.25のPCR産物のPCR増殖によって確認された。さらなる確認は、BamHI、Ssil+BamHIおよびPstlによる、p81121 HCV2.5およびpBI12Iの別々の酵素分解によってなされた。さらに、pBS HCV2.5は、EcoRI+BamHIおよびPstIで分解された。HCV2,5プローブを使用するpBI121HCV1.25サザン分析も確認のために使用され、同様に、DNA配列決定も使用された(配列番号3および配列番号4は、それぞれHCV2.5とHCVに関する)。<8.改変HCV1.25の構築> HCV 1.25kbの断片の変更は、カスケード組み換えPCRの方策で行なわれた。合計10のプライマーが設計され、その7つは、改変プライマー(modified primer)でおよび残りの3つは、適用プライマー(adapted primer)であった。34のコドンが変更され、それはHCV 1.25における424のコドンの合計の8.02%から成った。改変手順は、2つの工程を含む。変更は、配列改変プライマーでのPCRによって互いに重複した、6つの小断片へ導入された。その後、改変小断片は、数回の組み換えPCRによって一緒に組み合わせられた。改変断片は、最終的にクローン化され、それらの変更を確認するために配列決定された。配列番号5 配列番号53は、HCV1.25の未改変の配列を示し、配列番号6および配列番号54は、改変HCV1.25配列を示し、M1.25と名付けられた。M1.25は、原型のHCV1.25配列の両端に、導入された人工の開始ATGおよび停止TAGコドンを有する。 改変の後、M1.25のコドン使用は、植物におけるコドン使用と同じであったが、しかしながら、原型のウイルス配列に関して、任意のアミノ酸配列の変化はなかった。改変前後のHCV 1.25の発生頻度(frequency)、およびシロイヌナズナ(A.thalianai)の発生頻度との比較は、表1示される。<9.植物組み換え遺伝子> 合計10バッチの植物は、その時点で遺伝子組み換えのためにフローラルディップによって処理された。選抜培地上のカナマイシン耐性として発現された約80の形質転換植物は、土壌へ移動され、他のT1またはT2の植物は、カナマイシン培地上で選抜された。幾つかの(十分に成長した)Tl植物は、HCV遺伝子の存在を証明するために、PCRによって確認された。全てのデータは、表2に概説される。 表2から、ほとんどの形質転換植物は、菌株JHA10Sによって形質転換され、1の植物だけが、LBA4404で形質転換されたことが示される。LBA4404の形質転換率は、30g/mLのカナマイシンで選抜された苗が、おそらく高すぎる濃度のナマイシンを受けて、カナマイシン耐性遺伝子NPT 11で形質転換さえできないこれらの苗に関して控除されるならば、約1/175000、または1/80000であった。しかしながら、菌株EHA10Sは、0.02%の平均形質転換率を与え、それは他者によって報告された頻度と類似していた。頻度は非常に低く見えるが、1回の遺伝子組み換え実験においてで約4グラムの種子が容易に得ることができるので、それは、受け入れられることができ、このことは、順番に、約40の形質転換植物を代表する。<10. PCRを使用する形質転換植物の同定> カナマイシン耐性植物は、選抜プレートから移動されて、土壌へ植えられた。植物がチャンバーにおいて、8−10の葉を有するまで成長すると、葉の小片が、そのDNAを抽出するために各植物から取られた。異なる対のプライマーは、HCV2.5の形質転換植物におけるHCV遺伝子の存在を確認するために使用された。 PCR産物のサイズは、シロイヌナズナ(A.thalianai)BACクローンT13M11(GenBankアクセス番号AC005882)に基づいたシロイヌナズナからのBAN遺伝子を増幅するように特異的に設計されたプライマーZW3およびZW5(それぞれ、配列番号7および配列番号8)に従って予測されたサイズで常に正確に変更された。予期されたPCR産物は、ジヒドロフラボノール(dihydroflavol)4−還元酵素遺伝子、シロイヌナズナにおける唯一のコピー遺伝子であり、およびこれらのプライマーは、正確には、780の塩基対(bp)の陽性対象増殖産物を産生し、一方、配列番号9および配列番号10で表わされるHCV2.5の特異的プライマーは、正確には、321bpの増殖産物を生産し;3のHCV2.5および3のHCV1.25の形質転換植物のゲノムDNAは、プライマーで増幅され、E0、ElおよびE3のペプチド、並びにF02/HQ6(配列番号13および配列番号11)(それは、ぞれぞれ、未変化の(intact)完全長HCV2.5およびHCV1.25を産生する)をコード化する配列を含む、2.5kbの断片を産生し;および、M1.25およびHCV1.25の形質転換植物は、形質転換植物M1.25を確認するために使用されるM1.25の異なる領域に対応する2対のプライマー(非形質転換植物対照)を使用して確認され、およびテンプレートDNAを含まない対照(template DNA fee controls)は、約1kbの断片を産生するプライマーで増幅され、本明細書に開示された方法を使用する際に調製されたDNAは、PCRに好適であることを実証し、植物ゲノムにおいてウイルスのDNA複製が確かにあることを確認した。E2遺伝子を改変するために使用される特異的なプライマーは、配列番号14−16を含んだ。特異的な増殖産物は、配列番号9および配列番号15の354bpの産物を含み、配列番号14および配列番号16の644bpの産物、ならびに配列番号14および配列番号12の1060bpの産物を含んだ。ほとんどすべてのカナマイシン耐性植物は、正の(positive)PCR結果を与えた。 本発明は、被験体において抗原への免疫反応を引き起こすための組成物を提供し、それは、抗原を発現する遺伝子組み換えの細菌または植物を含む。1つの実施形態において、細菌は、マイクロカプセルへと調剤される。当業者は、容易に細菌をマイクロカプセルへ調剤するだろう。マイクロカプセル製剤の例は、本明細書に記載される。1つの実施形態において、細菌は抗原を発現するDNAと複合される(complexed with)。1つの実施形態において、細菌はラクトコッカス属である。 別の実施形態において、本発明の組成物は、食用植物、全植物体の形態、植物の一部または植物抽出物である植物を含む。例えば、植物は、アラビドプシスである。 1つの実施形態において、遺伝子組み換えの細菌または植物によって発現された抗原は、細菌抗原またはウイルス抗原である。例えば、抗原は、鳥インフルエンザウイルスH5N1の赤血球凝集素である。別の実施形態において、抗原は、粘膜細胞の細胞膜の表面上でグリコシル化された分子を結合することができる。さらに別の実施形態において、抗原は、キメラタンパク質である。 本発明は、また、被験体において抗原への免疫反応を引き起こす方法を提供し、その方法は、その被験体に本明細書に記載される組成物を投与する工程む。1つの実施形態において、免疫反応は、体液性免疫反応、粘膜性免疫反応または防護免疫反応である。別の実施形態では、組成物は経口で投与される。 本発明は、また、被験体において免疫反応を引き起こすための医薬としての使用のために、本明細書に記載の組成物を提供する。 本発明は、また、被験体において免疫反応を引き起こすための医薬の調剤のために、本明細書に記載の組成物の使用を提供する。 本発明は、以下の実験の詳細(Experimental Details)への言及によって一層よく理解されるが、当業者は、詳細な具体的な実験は、例示に過ぎず、その後続く請求項によって定義される、本明細書に記載される本発明を限定することは意図されないことを容易に認識する。 本出願の全体にわたって、様々な参照または出版物が引用される。それら全体における、これらの参照または出版物の開示は、本発明が関係する技術的現状についてより充分に記載するために、本出願への参照によって本明細書に組み入れられる。 翻訳の用語「包含している(comprising)」は、「含んでいる(including)」、「含んでいる(containing)」または「によって特徴付けられた(characterized by)」と同義であるが、包括的であり、または制約がなく、および本明細書に使用されているように、さらなる、列挙されていない要素または方法工程を除外しないことに注意されるべきである。<実施例1>材料及び方法 本発明において、鳥インフルエンザウイルスH5N1の赤血球凝集素(HA)遺伝子をコード化する組み換え型L. lactisベクターを構築した。生ベクターを、酸の破壊から保護し、長期間、抗原発現を維持するために、アルギン酸マイクロカプセル又は腸溶コーティングカプセルの中に封入した。経口免疫化されたマウスは、H5N1ウイルスに対する有効な免疫反応を備えた(mounted)。プラスミドの構築及び形質転換 (Prof. Ze Chen, Wuhan, Chinaから快く供給された)pGEM-HAからHA遺伝子を含有する1704 bp断片を、NaeIまたはHindIIIの部位、下線の(5'-tctgccggcgagaaaatagtgcttctt-3', 5'-cccaagctttaaatgcaaattctgcattgtaacg-3')を有する以下のプライマー対を使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅させた。PCR産物を配列決定した。結果として生じるNaeI/HindIII断片を、L. lactis-pHA(細胞質中で発現したHAタンパク質)、L. lactis-pSHA(分泌されたHAタンパク質)及びL. lactis-pgsA-HA(HAタンパク質は細胞壁の表面に表示された)を含む、様々なベクターへとクローン化した。 L. lactisを、0.5%(W/V)のグルコース(GM17)を含有する、M17ブロス培地(broth medium)(Difco, Sparks, MD, USA)において、撹拌なしで30℃で一晩中培養した。L. lactis NZ9700を、NIZO(the Netherlands)から購入し、25uF、1000Vで、0.1cmの電極キュベット(Bio-Rad)を備えるGene Pulser(Bio-Rad)を使用して、エレクトロポレーションによってpNZ8110-HAベクターでトランスフェクトした。L. lactis NZ9700クローンを発現する最も高度なHAを選抜し、NZ9700(HA)と命名した。陰性対照として、L. lactis NZ9700を、空ベクター(empty vector)pNZ8110で形質転換し、NZ9700(pNZ8110)を生成した。プラスミドDNAを、PCR検出及び標的遺伝子の配列決定のために、L. lactis NZ9700から分離した。インビトロのHA抗原発現 HA遺伝子挿入物の発現を確認するために、L. lactisを、10μg/mlのクロラムフェニコールを有するGM17培地において、撹拌なしで30℃で一晩中培養した。培養物を、4℃で8分間、5000×gで遠心分離にかけた。ペレットを、洗浄バッファーで2回、リン酸緩衝食塩水[PBS]中で洗浄し、バクテリアを、2×硫酸ドデシルナトリウム(SDS)バッファー(125mMのトリス[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]-HCl、pH 6.8、4%のSDS、20%のグリセロール、0.01%のブロモフェノールブルー、及び10%のβ-メルカプトエタノール)の等容量中に懸濁した。10分間の沸騰後、細胞溶解物を、4%の濃度のゲル及び10%の分離したポリアクリルアミドゲル上で電気泳動にかけた。別のゲルを、ニトロセルロース膜に移した。タンパク質を、マウス抗HA抗体を使用して検出し、その後、アフィニティー精製したホースラディシュペルオキシダーゼ(HRP)標識(conjugated)のヤギ抗マウスIgGを使用して、検出した。ECLウエスタンブロット検出システムを使用して、X線フィルム上で膜のレントゲン写真を撮った。NZ9700(pNZ8110)を、対照として使用した。アルギン酸マイクロカプセルの調製 濃縮アルギン酸ナトリウム溶液を、L. lactis培地に加え、よく混合した。その後、0.2%のTween-80を含有する大豆油を、溶液と混合し、10分間一定の撹拌(540rpm)によって乳濁液を形成した。乳濁液が崩壊するまで、塩化カルシウム溶液(1%のw/v)を、乳濁液へ徐々に注入した。その後、懸濁液を、3000gの遠心分離にかけ、マイクロカプセルを集めた。ペレットを再懸濁し、脱イオン水で洗浄し、その後、凍結乾燥した。腸溶性カプセルの調製 L. lactis培地を、デキストランと混合し、凍結乾燥した。凍結乾燥した粉末を、腸溶性カプセルに充填した。マウスにおける経口免疫 8週齢のBALB/cの雌のマウスを、SLC, Inc. (Shanghai, China)から購入し、上海交通大学の薬科学校の動物センター(Animal Center)に収容した。マウスを、標準の病原体なしの(SPF)状態に保ち、実験中に食物及び水を自由に利用できるようにした。 一晩中の絶食後、10匹のマウスの群は、経口ゾンデ針を使用して、L. lactisの200μlの1010のCFU(コロニー形成単位)を受けた。マウスを、0〜3日目、7〜10日目、及び21〜24日目に免疫化した。血清を34日目で得た。抗体力価分析 (眼窩後の穿刺によって集められた)血清及び糞のサンプルを、最終的な免疫化の2週間後に集めた。血清を、使用するまで-20℃で貯蔵した。糞塊(100mg)を、0.5mLの無菌のPBS中に懸濁した。5分間の12000×gでの遠心分離の後、上清を集め、ELISAによってIgGまたはIgAに関して試験した。 別記されるように[21]、酵素免疫測定法(ELISA)アッセイを行った。簡潔に言うと、96ウェルのマイクロタイタープレートを、4℃で一晩中、マウス抗HA抗体で被覆した。ウェルを、PBS-1%のウシ血清アルブミン(BSA)で塞ぎ(blocked)、室温で2時間インキュベートした。連続的に希釈された血清又は糞の懸濁液(100μl)を、37℃で1時間加えた。結合したAbを、HRP標識のヤギ抗マウスIgG又はHRP標識のヤギ抗マウスIgAを使用して検出した。ELISAのエンドポイント力価を、同様に希釈された陰性対照サンプルの平均のOD450nm+S.D.より2倍高い光学濃度(OD)を与える最も高い希釈として表した。赤血球凝集素阻害アッセイ 凝集の非特異性インヒビターを不活性化するために、試験される前に、血清を受容体破壊酵素(RDE)で処置した。簡潔に言うと、3つの部分のRDEを、1つの部分の血清に加え、37℃で一晩中インキュベートした。その後、サンプルを56℃で30分間加熱不活性化した。不活性化に続いて、PBSを、1:10の最終の血清希釈のためのサンプルに加えた。その後、希釈されたサンプルを、試験(6日間まで)前に4℃で貯蔵、又は-20℃で貯蔵した。 ニワトリ赤血球(CRBC)をPBSで調節し、1%(v/v)の懸濁液を得、調製の1週間以内に使用するまで4℃で維持した。マウス血清サンプルを、v型底のマイクロタイタープレートを使用して、2倍希釈で連続的に希釈した。約8HAU/50μlに調節された、H5サブタイプ標準抗原の等容量を、各ウェルに加えた。プレートを覆い、室温で30分間インキュベートし、続いて、1%のCRBCを加えた。プレートを撹拌によって混合し、覆い、CRBCを室温で30分間定着させた。HAI力価を、凝集されていないCRBCを含有していた最終列(last row)の相互希釈(reciprocal dilution)によって決定した。各プレートについて、陽性及び陰性のフェレット血清対照を含んだ。23又はそれ以上のHI力価を陽性としてカウントした。H5N1ウイルスのチャレンジ 8週齢の雌のBALB/cマウスを、すべての実験において使用した。インフルエンザA型ウイルス(A/鶏/chicken/12/2004(H5N1))を、ウイルスのチャレンジに使用した。以前記載されたように[22]、50%のマウス感染用量(MID50)及び50%の致死量(LD50)力価を測定した。致死的チャレンジからの保護の程度を評価するために、ワクチン接種したマウスを、インフルエンザA型ウイルス(A/chicken/Henan/12/2004(H5N1))ウイルスの10のLD50で鼻腔内(i.n.)感染させた(致死的チャレンジの用量)。各群からの6匹のマウスを、21日間の生存について毎日検査した。 すべての値を、平均標準誤差(SE)として表現する。実験及び制御データの統計分析を、スチューデントt検定又は分散分析(ANOVA)を使用することによって決定した。有意性を、.05未満のP価値として定義した。生存に関して、フィッシャー直接検定を使用することによって、確率を計算し、組み換え型のL. lactisで免疫化されたマウスにおける生存率を、対照群の生存率と比較した。<結果>組み換え型のL. lactisNZ9700(HA)の構造 鳥インフルエンザHA遺伝子を、pNZ8110へクローン化し(図1A)、L. lactisNZ9700株に形質転換した。L. lactis-pHA(細胞質において発現したHAタンパク質)、L. lactis-pSHA(HAタンパク質は分泌された)、及びL. lactis-pgsA-HA(HAタンパク質は細胞壁の表面に表示された)を含む、3つのベクターを構築した。発現ベクターの電気泳動分析、及びクローンにおけるHA配列のPCR検出を、それぞれ、図1B及び図1Cに示した。完全長HA遺伝子(1704bp)を、PCR増幅の後に配列決定し、正確であると証明した。インビトロのNZ9700(HA)によるHAタンパク質の発現 図2に示されるように、コード化したタンパク質が、NZ9700(HA)細菌によって活発に生産されるか否かを評価するために、SDS-PAGE及びウエスタンブロット分析を行った。HAタンパク質(66.2kDa)の発現は、SDS-PAGEによって、L. lactis-pHA溶解物において検出され、NZ9700(pNZ8110)溶解物においては検出されなかった(図2A)。培養上清も、ウエスタンブロットによって分析し、HAバンドは明確に見え(図2B)、これは、分泌するシグナルUsp45の存在のために、L. lactisの外側でHAタンパク質が発現され、分泌されたことを示す。経口投与のためのマイクロカプセル 経口投与を促進し、胃における酸性環境から生ベクターを保護するために、アルギン酸マイクロカプセルを調製し、NZ9700(HA)をカプセル化した。図3Aは、L. lactisを含有するアルギン酸カプセルの顕微鏡写真を示した。これらのカプセルのサイズ分布は、約15umであった。酸性環境に対するこれらのマイクロカプセルによるL. lactisに関する防護効果を、図3Cにおいて実証した。マウスにおけるNZ9700(HA)での経口ワクチン接種によって誘発された免疫反応 L. lactisの1010のコロニー形成単位(CFU)を、8週間の周期にわたって5回又は9回、BALB/cマウス(SPFグレード)に経口投与した。HA特異的血清IgG及び糞のIgA抗体の産生に対するワクチン接種の効果を、最終的な免疫化の5週間後に検査した。2つのワクチン接種手順を調査した(図4)。IgG及びIgA反応の両方を、L. lactis-pHAで免疫化された両方の群において検出した一方で、NZ9700(pNZ8110)で処置された群は、HA特異的抗体を全く有していなかった(図4)。 図4に示されるように、血清IgG力価は、4回の二週に一回の経口投与の後、著しく高く、その後、少なくとも数か月間高いままであった。手順2におけるように、経口投与の数および頻度の増加は、結果として、より速いIgG生成につながったが、最終的な力価は類似していた。血清IgGの最大希釈は、29.4であった(手順1)。 糞のIgA抗体をまた、免疫化の開始後10週目に検査した。両方のL. lactisの投薬手順は、結果として、HA特異的粘膜のIgA産生につながった一方で、NZ9700(pNZ8110)投薬はそうならなかった(図6)。興味深いことに、投薬手順1は、投薬手順2よりもIgA誘発でより有効であるようであった(図4)。赤血球凝集素阻害(HAI)アッセイ 経口ワクチン接種後に生成されたIgG抗体のHA中和能力を、古典的な赤血球凝集素阻害(HAI)アッセイを使用して、検査した。手順1における第1投薬の10週後に得たマウス血清を試験し、データを、下記の表にリストした。相乗平均のHI力価は、NZ9700(pNZ8110)群における背景レベル(<23)と比較して、NZ9700(HA)で処置された群において27であった。致死的H5N1ウイルスのチャレンジからの保護 NZ9700(HA)がH5N1ウイルスのチャレンジに対抗し得るか否かを試験するために、我々は、5回の二週に一回の経口投薬の10週間後に致死的チャレンジの実験を行った。その結果は、NZ9700(HA)で免疫化されたマウスが、H5N1ウイルスの致死量(10のLD50)でチャレンジされた後、完全に保護されたことを示し(6/6)、パーセント生存率は100%であった。しかしながら、[NZ9700(pNZ8110)で処置した]対照群は、7日以内に完全に死んだ(図7)。[表]H5サブ標準抗原に対するワクチン接種したマウス血清の赤血球凝集素の阻害力価GMT: 相乗平均の力価 a23のHI力価は陽性として記録された。<実施例2>フローラルディップ法 (Floral-Dip Method)を使用する、シロイヌナズナ(A.thalianai)のアグロバクテリウム媒介性形質転換A. 植物培養 1. ほとんどの植物が最初のボルト(bolts)を形成したとき(土の中に発芽した種子を植えた約3〜4週間後)、最初の花序を摘む。2. ほとんどの第2の花序が1〜10cmの高さであるとき、植物を浸ける(Dip)(摘花の2〜4日後)。3. 湿度を維持するために、アグロバクテリウム溶液に浸けた植物を、プラスチックパッケージで覆い、それらを低光量で又は暗所に一晩中置く。4. ドームを取り除き、接種の12〜24時間後に植物をグロースチャンバーに戻す。5. 必要な場合、6〜7日後に花序を再び浸ける。花序は、各適用の間の6日間で3回浸けられ得る。6. 長角果が褐色し乾燥するまで、植物をさらに3〜5週間成長させる。7. 1枚のきれいな紙の上に、分類した花序を指でそっと乗せることによって種子を採取する。8. マイクロチューブに種子を貯蔵し、4℃で乾燥を続けた。B. アグロバクテリウム培養 1. LB(30gのKan+50gのRif/mL)中でアグロバクテリウム(LAB4404又はEHA105)を接種し、250rpmで、25℃〜28℃で一晩中振とうさせる。2. LB(30gのKan+50mgのRif/mL)を有する新しいフラスコへ一晩中の培養物を移し、培養が安定期に達するまで、同じ状態で18〜24時間振とうを続ける。3. 6000gで室温で20分間、遠心分離によって細胞を採取し、約0.80の最終的なOD600までフローラルディップ溶液中に再懸濁する。アグロバクテリウムは、ここで、ディッピング(dipping)の準備ができている。C. フローラルディップ接種 1. ビーカーに接種物を入れ、すべての上記の基本組織が浸水するように、植物を懸濁液中に逆さにさせる。2. 3秒〜5秒間植物をそっと撹拌し、ビーカーから植物を移動させる。3. 上記のように(植物培養の3)、植物を覆い、処理する。D. 形質転換した植物の選抜 1. 形質転換した種子の重さをはかり(約1250の種子=25mg=50L)、30〜60秒間95%のエタノールで、及び0.03%のTween20を含有する、20〜50%の漂白剤(2.625%の次亜塩素酸ナトリウム、最終容量)でそれらを処理することにより、5分間種子を滅菌する。滅菌水で種子を2〜3回すすぐ。2. 無菌化された種子を、0.1%(w/v)のアガロースの約10〜20mgの種子/mL中に懸濁し、150×15mm2のプレート当たり約3000の種子の密度で、(20〜30gのKan/mLを有する)0.8%の寒天選抜プレート上で蒔く。選抜プレートは、2分の1濃度の(one-half-strength)MS培地を含有する(Murashige-Skoog)。3. プレートを密閉し、それらを2日間寒冷処理する。4. 23時間の光量50〜100μのアインシュタイン m-2 s-1の下で、24℃で制御環境において12〜15日間成長させる。(すぐにプレートを開き、蓋からの水分を振とうさせることにより、成長中の過剰な水分を取り除く。)5. 形質転換体を、選抜培地内の青葉および定着した根を作り出す、カナマイシン耐性の苗として同定する。6. 好ましくは3〜5枚の成葉の成長後に、充分に湿らせた培養土へ移植させることにより、形質転換体の幾つかを成熟するまで成長させる。7. カナマイシン耐性植物のゲノムDNAを、遺伝子導入植物を確認するために特異的プライマーで増幅させる。E. 溶液及び培地 1. フローラルディップ溶液(1000mL):5%(w/v)のスクロース(50%のスクロース100mLを加える)、10mMのMgCl2(随意)(IMのMgCl2、10mLを加える)、0.02〜3%のSilwet L-77(200〜300I(L)を加え、1000mLまでH2Oを加える)。2. LB-カナマイシン/リファンピシン培地:30gのカナマイシン及び50lのリファンピシンをそれぞれ有するLBブロス(培養液)。3. 選抜培地:%倍のMS培地及び20〜30gのカナマイシン/mLを有する0.8%の寒天。<実施例3>動物モデルにおけるDNA構築物の説明 7〜8週齢のBALB/cマウス(雄)が、香港大学の実験動物ユニット(the Laboratory Animal Unit)によって提供された。マウスは、香港大学の動物学部(Department of Zoology)の動物舎における動物技術者によって維持され、餌を与えられた。A. 動物接種の計画 35匹のBALB/cマウスを、7つの群に無作為に分け、各群は5匹のマウスから成った。手法を、別々に2回に反復した(実証1及び実証2)。 本発明の実施形態の詳細を、表3に示す。 群1、3、5及び6において、27ゲージの注射針を使用して、脛骨でマウスに筋肉内注入した。DNAワクチンを、毎時間、単一の部位に注入した。群2及び4に関して、給餌針(18060-20, Fine Science Tools)を使用することによってマウスは餌を与えられた。 ワクチン接種スキームはすべてのマウスにとって同じであって、それは以下の表に示された。B. 血液サンプリング及び血清の調製 最初の3回に、尾のほんの一部(〜2mm)を切ることによってマウスから血を採り、200glを採血し、最後の1回に、エーテル麻酔薬下の心臓穿刺によってマウスから血を採り、27ゲージの注射針を使用して、700glを採血した。血液サンプルを、室温で4時間インキュベートすることによって凝固させた。凝固血を、10分間5000rpmで遠心分離にかけ、血清を集めた。C. 増殖するCEF細胞 1mlのCEF細胞(ニワトリ胚線維芽細胞)を、液体窒素から解凍した。その後、10%の加熱不活性化したウシ胎仔血清(FCS, Gibco BRL)及び1%の抗生物質(ペニシリン-ストレプトマイシン, Gibco BRC)を含む、10mlのダルベッコ改変最少必須培地(Modified Minimal Essential Medium)(DMEM)中に、細胞を再懸濁し、T-75フラスコ(Falcon)に播種した。細胞を、5%のCO2により、37℃で一晩中インキュベートした。 100%コンフルエントなCEF細胞単層膜を、1X PBSで2回洗浄し、0.05%のトリプシンEDTA(Gigco BRL)によって5分間剥離させた。トリプシン(Ttpsin)を、10%のFCSによって、MEM中で中和し、5分間1000rpmで遠心分離にかけた。細胞ペレットを、10%のFCS及び1%の抗生物質(ペニシリン-ストレプトマイシン, Gibco BRC)によって、DMEM中に再懸濁した。細胞を2つのT-75フラスコに播種し、もし必要であれば、二次培養のために1〜3の分割比で1つのT-175フラスコに播種する。D. 増殖するPIC 15 細胞/MARC-145 細胞 1mlのPK-15/MARC-145細胞を、液体窒素から解凍した。その後、10%の加熱不活性化したウシ胎仔血清(FCS, Gibco BRL)及び1%の抗生物質(ペニシリン-ストレプトマイシン, Gibco BRC)を含む、IOral最少必須培地(IOral Minimum Essential Medium)(MEM)中に、細胞を再懸濁し、T-75フラスコ(Falcon)に播種した。細胞を、5%のCO2によって、37℃で一晩中インキュベートした。 100%コンフルエントな細胞単層膜を、1X PBSで2回洗浄し、0.05%のトリプシンEDTA(Gibco BRL)によって5分間剥離させた。トリプシンを、10%のFCSによって、MEM中で中和し、5分間1000rpmで遠心分離にかけた。細胞ペレットを、10%のFCS及び1%の抗生物質(ペニシリン-ストレプトマイシン, Gibco BRC)を含む、MEM中に再懸濁した。細胞を、2つのT-75フラスコに播種し、もし必要であれば、二次培養のために1〜3の分割比で1つのT-175フラスコに播種する。E. 組織培養物からのウイルス精製 CEF、PK-15及びMARC-145細胞を、それぞれ、IBDV、HCV及びPRRSVの増幅のために使用した。10%の加熱不活性化したPBSを補った、(CEFのための)DMEM又は(PK-15及びMARC-145のための)MEM中で、細胞株を、5日間それぞれのウイルスに感染させた。ウイルスを、3回凍結融解することによって、細胞から放出した。培養フラスコに付けられた任意の細胞をこすり取った。分離した細胞及び細胞片を、10分間の2000rpmでの遠心分離によって取り除いた。その後、部分的に精製したウイルスを含む上清を、Beckman 40-Tiローターにより、2時間30000rpmで遠心分離にかけた。精製したウイルスを含むペレットを、ELISA及びウエスタンブロッティングにおける使用のために、最終的にTNE中に再懸濁した。F. 免疫学的技術 IBDV、HCV、PRRSV及びあらかじめ染色されたタンパク質標識(board range, Bio-Rad)を、6Xローディングバッファー(30mMのトリス-Cl、pH6.8、30%のグリセロール、10%のSDS、600mMのジチオスレイトール、0.0 12%のブロモフェノールブルー)と混合し、10分間沸騰水浴中で変性させた。変性したウイルスタンパク質を、その後、垂直電気泳動装置(Hoefer Scientifc Instruments)を備えた、ナトリウムドデシル硫酸塩-ポリアクリルアミドのゲル電気泳動法(SDS-PAGE)によって分析した。サンプルを最初に、5%の濃縮用ゲル中に濃縮し、次に、12%の分離ゲル中で分離した。電気泳動を、タンパク質ランニングバッファー(protein running buffer)中で、80Vで2.5時間実行した。ゲルを、クーマシーブルーで染色するか、又はウエスタンブロットのために使用した。1. ウエスタンブロッティング SDS-PAGEゲル上の分析したタンパク質バンドを、転写バッファーによって垂直電気泳動装置中の無水メタノールがしみ込んだタンパク質膜(Immun-Blot PVDF膜, Bio-Rad)に、40mAの電流で一晩中転写した。 その後、膜をPBSですすぎ、遮断薬(1X PBS中の5%の脱脂乳及び1%のTween-20)中で、振とうしながら室温(RT)で15分間遮断した。 遮断薬を取り除き、遮断試薬中で希釈したマウスの抗血清を加え、振とうしながらRTで2時間インキュベートした。その後、膜をそれぞれ5分でPBSによって5回洗浄した。その後、二次抗体として作用する、アルカリフォスファターゼ(AP)標識のヤギ抗マウスIgG(Zymed、1:50)を、膜に加え、RTで1.5時間インキュベートした。膜を上記のようにPBSですすいだ。10%の5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル(indo[y])リン酸(BCIP)及び10%のニトロブルーテトラゾリウム塩(NBT)を、最終的に基質として加えた。暗所で一晩中発色させた。2. 酵素免疫測定法(ELISA) ワクチン接種したマウスにおけるIBCV-、HCV-及びPRRSV-特異的抗体を測定するために、ELISAアッセイを改変した。精製したBDV、HCV又はPRRSVを、コーティングバッファー、PBSN(15mMのNa2CO3、35mMのNaHCO3及び0.05%のNaN3、1X PBS中のpH9.6*)を使用して、まず、1:100で希釈した。100 iiiの希釈したウイルスを、96ウェルのELISAプレートの各ウェルに、4℃で一晩中加えた。プレートを、それぞれ5分でPBST(1X PBS中の0.05%のTween-20)により3回洗浄した。その後、非特異性の結合部位を、Nウシ血清アルブミン(BSA, USB Inc.)でPBSによって、37℃で2時間遮断した。100μlの希釈したマウス血清(1:50)を、一次抗体として繰り返して(in duplication)、抗原被覆のウェルに加え、37℃で1時間インキュベートした。その後、プレートを上記のようにPBSで洗浄した。その後、HRP標識のヤギ抗マウスIgG(Zymed, 1:5000)を、二次抗体として加え、37℃で1時間インキュベートした。その後、プレートを上記のようにPBSTで洗浄した。100μlの基質TMB(Zymed)を、各ウェルに加え、15分間暗所で反応させた。100p.1の停止液(IN HCI)を、最終的に、反応を停止させるために加えた。ELISAプレートのOD読み取り(OD reading)を、マイクロプレートリーダー(Bio-Rad Model 550)によって、490nmで測定した。<実施例4>ELISA及びウエスタンブロッティングの実施 全体の免疫スキーム(実施例3)中に、マウスの3匹は、ワクチン接種又は採血の後に死んだ。これは、実証1における群4からの1匹のマウス及び群7からの1匹のマウス、及び実証2における群2からの1匹のマウスを含んだ。 動物モデル(すなわち、BALE/cマウス)において特異的抗体を誘発する、DNA構築物の能力を評価するために、ELISAおよびウエスタンブロッティングを実行した。A. ELISA ワクチン接種したマウスにおいて体液性免疫反応があるかどうかを調査するために、ELISAを実行した。マウス血清中の特異的抗IBDV、抗HCV又は抗PRRSV抗体を、繰り返して、改変されたELISEによって試験した。 結果を、以下のページの表6から表26に示す。結果を以下の表において要約した。 ほとんどのマウス血清は、3回目のELISA読み取りと比較して、最終回でのELISA読み取りにおけるわずかな減少を示したが、その読み取りは、初期値よりも依然として高かった。故に、それらに対して適用されたDNAワクチンは、有効であると証明された。 特定のマウスのELISA読み取りが、第1及び/又は第2のワクチン接種後に増加した時、一過性増加が生じた。しかしながら、読み取りは、その後、0日目(前処理)のレベルと類似するレベルまで落ちた。 pcDNA3.1-VP5-5.2及びVP2-3.4を注入した10匹のマウスの中(群1)で、実証1からのマウス4(表7)、及び実証2からのマウス1、3及び5(表8)は、IBDV特異的抗体の増加を示した。 100jgのpcDNA3.1-VP5-5.2及びVP2-3.4を含むE. coli細胞を与えられた9匹のマウスの中(群2)で、実証1からのマウス1、2及び3(表9)、及び実証2からのすべてのマウス(表10)は、経口的にワクチン接種した後に、BDV特異的抗体の増加を示した。 pHCV2.5を注入した10匹のマウスの中(群3)で、実証1からのマウス2、3及び4(表11)は、ELISA読み取りの増加を示し、一方で、実証2からのマウス4及び5(表12)は、HCV特異的抗体の一過性増加を示した。 100ggのpHCV2.5を含むE. coli細胞を与えられた9匹のマウスの中(群4)で、実証1からのマウス1、2及び5(表13)、及び実証2からのマウス1、3、及び5(表14)は、HCV特異的抗体の増加を示したが、実証2からは、マウス5だけが一過性増加を示した。 pcDNA3.1-ORF5を注入した10匹のマウス中(群5)に、実証1からのマウス3、4及び5(表15)、及び実証2からのマウス1、2及び5(表16)は、ワクチン接種後にPRRSV特異的抗体のレベルの増加を示した。 pHCV2.5とpcDNA3.1-ORFSの混合ワクチンを注入した10匹のマウスの中(群6)で、実証1からのすべてのマウス(表17)、及び実証2からのマウス4及び5(表18)は、HCV特異的抗体の増加を示した。一方で、実証1からのマウス3、4及び5(表19)、及び実証2からのマウス2及び4(表20)は、PRRSV特異的抗体の増加を示した。 陰性対照群(表21から表26まで)におけるマウスはどれも、抗HCV又は抗PRRSV抗体レベルの増加を示さなかった。B. ウエスタンブロッティング ウエスタンブロット分析は、ウイルスエンベロープタンパク質が発現されたか否かを示した。さらに、それはまた、ウイルスタンパク質に対するマウス抗血清の特異性を実証した。 ウイルスタンパク質を100℃で10分間熱処理し、SDS-PAGE中に溶解したため、ウイルスタンパク質は変性した。それ故、構造依存のエピトープではなく、直線状エピトープのみが、ブロッティング膜上で検出できた。 群において(28日目に集められた)マウス血清をすべて、一緒に貯蔵し、ウエスタンブロット分析のための遮断薬で希釈した。 実証1及び2のマウス血清はすべて、ウエスタンブロット分析において陽性の結果を示したが、バンドの強度には差があった。 IBDV、HCV及びPRRSVタンパク質に対する、実証1から貯蔵される、又は実証2から貯蔵される対照マウス血清に関するバンドパターンはなかった。言い換えれば、産生される特異的な抗IBDV、抗HCV又は抗PRRSV抗体はなかった。 実証1から貯蔵された血清及び実証2から貯蔵された血清が試験された、群1と2のマウス血清のウエスタンブロットにおいて、36.4kDと486kDの間にバンドがあった。それはIBDVのVP2に相当した。ウイルスタンパク質を、各試験のために繰り返して流した。 群3のマウス血清のウエスタンブロットにおいて、48.6kDと96kDの間に2つのバンドがあった。ウイルスタンパク質を、各試験のために繰り返して流した。1つのバンドは、実証1からの貯蔵されたマウス抗血清において、48.6kDにより近く、HCVのE2タンパク質(55kD)を表した。29.8kDと36.4kDの間にさらなるバンドがあった。バンドは、HCVのE 1(33kD)に相当した。一方で、1つのバンドは、HCVのE1-E2ヘテロダイマー(75kD)に相当する、実証2からの貯蔵されたマウス抗血清において、94kDにより近かった。糖タンパク質E0を、44kD〜48kDのタンパク質として記載し、ブロッティング膜上で、48.6kDをわずかに下回ることを観察した。 群4のマウス血清のウエスタンブロットの結果は、群3における結果に類似した。 群5のマウス血清の場合において、29.8kDをわずかに下回るバンドがあった。それは、PRRSVのGP5に相当した。実証1の試験において、強力なバンドは、29.8kDと36.4kDの間であった。典型的なGP5は24.5kD〜26kDであったが、pcDNA3.1-ORF5を注入したため、この強力なバンドはGP5を表わすはずである。その差は、タンパク質の不完全な変性及びポリアクリルアミドゲルの溶解能力が原因であり得る。 群6のマウス血清のウエスタンブロットは、実証1の抗血清の試験におけるHCV糖タンパク質を有するレーン上で、HCVのE2-E2ホモダイマー(100kD)を表わす94kDをわずかに上回るバンドを示した。糖タンパク質EO(44kD〜48kD)が、ブロッティング膜上で、48.6kDをわずかに下回ることを観察した。さらに、29.8kDと36.4kDの間にバンドがあった。バンドは、HCVのEl(33kD)に相当した。実証2の抗血清の試験において、HCV糖タンパク質を有するレーン上で、94kDに近いバンドがあった。それは、HCVのE1-E2ヘテロダイマー(75 kD)に相当した。 PRRSV糖タンパク質を有するレーン上で、29.8kDをわずかに下回るバンドがあった。それは、実証1及び実証2の抗血清の試験の両方において、PRRSVのGP5に相当した。GP5のバンド上で、幾つかのバンドがあった。それらは、不完全な変性のGP5又はジスルフィド結合の(disulfde-linked)M及びGP5ヘテロダイマーであり得る。C. 結果 改変されたELISA分析において、ELISAプレートは非特異的結合を回避するために遮断薬によって遮断されたが、非特異的バックグラウンド染色は、まだ幾つかのサンプルのウェルにあった。例えば、実証1の群3のマウスにおいて、番号1、4及び5の最初の読み取りは、別のプレート上で行われた番号2及び3の値から逸脱する値を示した。従って、時間に対するELISA読み取りのトレッド(tread)もまた、特異的抗体産生の評価のために考慮した。 ELISA分析において、pcDNA3.1-VP5-5.2及びVP2-3.4を注入した10匹のマウスのうちの5匹のマウスは、IBDVに対して特異的抗体を産出することを示した。同時に、pcDNA3.1-VP5-5.2&VP2-3.4を含むE. coliを与えた9匹のマウスのうちの7匹のマウスは、IBDVに対して特異的抗体を産出することを示した。 pHCV2.5を注入した10匹のマウスのうちの5匹のマウスが、HCVに対して特異的抗体を産出することを示した。同時に、pHCV2.5を含むE. coliを接触した9匹のマウスのうちの6匹のマウスが、HCVに対して特異的抗体を産出することを示した。 上記の結果は、2つの経路(筋肉内注射と摂食)を介して投与されるDNAワクチンが、ウイルスに対して特異的抗体を引き起こすのに有効であったことを示している。結果は、ウエスタンブロット分析によってさらに確認された。 ELISA分析において、pHCV2.5を注入した10匹のマウスのうちの5匹のマウスが、HCVに対して特異的抗体を産出することを示した。同時に、pcDNA3.1-ORF5を注入した10匹のマウスのうちの6匹のマウスが、PRRSVに対して特異的抗体を産出することを示した。 群6において、マウスに、混合したDNAワクチン(pHCV2.5及びpcDNA3.1-ORFS)を注入し、10匹のマウスのうちの7匹のマウスが、HCVに対して特異的抗体を産生することを示した。同時に、10匹のマウスのうちの5匹のマウスが、PRRSVに対して特異的抗体を産出することを示した。さらに、この群における4匹のマウスが、HCV及びPRRSVに対して同時に特異的抗体を産出することを示した。 上記の結果は、筋肉内注射を介して投与された混合したDNAワクチンが、両方のウイルス(HCV及びPRRSV)に対して特異的抗体を引き起こすのに有効であったことを示している。結果は、ウエスタンブロット分析によってさらに確認された。 連合免疫を使用する、各ウイルスに対する抗体反応は、マウス毎のばらつき(mouse to mouse variability)を考えれば、単一の免疫により得られた性質及び強度におけるものと、かなり同等であった。これは、マウスの免疫系統が、複数の抗原に適応し得、ブタの分化多能性のDNAワクチン調製への道を開き得ることを示す。 IBDV中に少なくとも3つの構造依存又は1つの直線状(構造依存)の中和エピトープがある。2つの構造依存の中和エピトープが、VP2の中央領域に位置した一方で、直線状の中和エピトープは、VP3のC末端に位置した(Yamagucki, T., et at., 1996, Virol 223:219-223)。ウエスタンブロットは、直線状の抗原のみを検出し得るが、VP2を膜上で検出した。それは、検出可能にしたVP2の不完全な変性が原因であり得る。 ウエスタンブロット分析において、HCVのホモダイマー及びヘテロダイマーを検出した。HCVタンパク質の二量体化は、宿主の免疫系に対する真の抗原提示、及び安定した長期的な免疫の誘発のために重要であり得る(Konig, M et al., 1995, J Virol 69:5479-86)。さらに、ウイルスタンパク質を非変性の状態で分離したため、分子間のジスルフィド架橋によって結合された、HCVのE1-E2ヘテロダイマーを検出することができた。E2のN末端の半分において被覆された分子内のジスルフィド結合は、特異的抗体によって抗原認識のために重要となることを示した。モノマーE 1及びE2を実証するために、タンパク質は、還元状態で(例えば2-メルカプトエタノール(mecaptoethanol)がある状態で)分離されるべきである。 糖タンパク質E2の3つの異なる形態は、HCVにおいて見出され、それらは、E2モノマー、E2ホモダイマー及びE1-E2ヘテロダイマーであった。E1-E2ヘテロダイマーは、E1及びR2の両方を発現したpHCV2.5を導入した後に優先的に形成された。これらの形態のダブレット又はトリプレットの外観は、異なるE2タンパク質骨格及び異なるグリコシル化が原因であり得る。さらに、カルボキシ末端での代替のプロセシングによって、異なる見掛けの分子量を有するE2分子を生成した。 PRRSV特異的抗体のウエスタンブロット分析において、多くのバンドがあった。それらは、以下の理由のためであるかもしれない。第1に、PRRSVタンパク質は、SDS-PAGE上に負荷をかける前に100℃で10分間熱処理した(beat-treated)。従って、3つのタイプのGPSが、i. 完全に変性されて、ii. 部分的に変性されて、iii. 部分的に分解されて、ゲル上に現れ得る。 第2に、約26.4kD及び48.6lcDで、ジスルフィド結合のM-GP5ヘテロダイマーに相当し得る明白なバンドがあった。両方のエンベロープタンパク質のN末端細胞外ドメインに位置するシステイン残基は、恐らく、分子間のジスルフィド架橋の形成に関係していた。従って、抗GP5抗体の存在を検出できた。 PRRSVのGP5に関係する、少なくとも2つのタイプの中和抗原決定基があった。これらの決定基の中で、構造依存性のものもあれば、直線状のものもあった。それ故、ウエスタンブロット分析は、抗GP5の存在を依然として検出できた。さらに、グリコシル化は、中和エピトープに必ずしも関係していないようであった。<実施例5>ワクチン組成物の改変及び方法 本明細書に実証される、ワクチン組成物への特定の改変及び方法は、本発明のさらなる態様を提供し得ると予期される。 第1に、各群への対応物は、比較のために含まれているべきであると予期される。例えば、プラスミドを含むE. coli(潜在性のDNAワクチン)をマウスに与えることに加えて、マウスのさらなる群は、ネイキッド(naked)プラスミドDNAを与えられるべきである。ネイキッドプラスミドをマウスに注入することに加えて、マウスのさらなる群が含まれ、プラスミドを含むE. coliを注入されるべきである。さらに、対照群におけるマウスに何も注入しない又は餌を与えない代わりに、ワクチン接種スキームによって、マウスはPBS又はベクター(pcDNA3.1)を注入され得る。 第2に、IgA及びサイトカインの産生は、ほとんどのパイエル板を含む、ワクチン接種したマウスの凍結小腸組織切片を分析することによって、確認され得ると予期される。経口免疫は、全身性及び粘膜性両方の抗体の産生を誘発し得ると言われてきた(Gallichan WS, Rosenthal KL. 1995. Vaccine. 13:1589-1595)。 第3に、DNAワクチン(pcDNA3.1-VP505.2&VP2-3.4、pHCV2.5及びpcDNA3.1-ORF5)は、以前に実証されたように、特異的抗体の産生を誘発し得るが、DNAワクチンが、疾患に対して動物を保護することができ得ると予期される。DNAワクチンの有効性をさらに実証するために、特異的抗体の中和能力も、ウイルス中和アッセイによって試験され得る。 第4に、DNAワクチンによる免疫化は、体液性及び細胞性両方の免疫を誘発し得ると言われてきた(Ulmer, J.B., et al., 1996, Immunol 89: 59-67) Ulmer, J.B., et al. Cur Opin Immunol 8:531-536)。しかしながら、体液性免疫反応のみを、各ワクチン接種後に測定した。ウイルスに対抗するのに重要な役割を果たす、Tリンパ球は、免疫反応をもたらすために、本発明のワクチン及び組成物によって刺激され得ると予期される。本発明の組成物及び方法を使用するワクチン接種後の、疾患に対抗する際の抗原特異的な細胞傷害性(cytototic)ヘルパーTリンパ球の量及び役割は、フローサイトメトリー解析によって実証され得ると予期される。 第5に、麻酔をかけた動物は、本発明の組成物および方法を使用してワクチン接種するのがより簡単であり得ると予期される。例えば、DNAワクチンをマウスに注入する間、ワクチン接種した動物は、起きていると、筋肉を収縮し得、ワクチン溶液(例えば、DNAワクチン)を絞り出すこともある。 第6に、動物(例えばマウス)の免疫反応を強めるか又は促進するために、1以上のさらなる薬剤は、本明細書に記載される任意のワクチン、方法及び組成物と組み合わせて使用され得ると予期される。このような薬剤は、限定されないが、1以上の化学的アジュバント(例えば完全フロインドアジュバント)又は遺伝的アジュバント(例えば、サイトカインを発現するベクター)を含む。制限しない例において、免疫原性DNAワクチン(例えばプラスミド)及び遺伝的アジュバント(例えば別のプラスミド)の両方の共同接種は、結果的に、抗原特異的な体液性及び/又は細胞媒介性の免疫反応の増加をもたらし得る。<実施例6>豚の病原ウイルスの分離及び特徴づけの実証 本実施例において、病原体、特に、広州ブタ繁殖・呼吸器ウイルスを同定する、分離する、及び特徴付ける方法が記載される。特に、ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によってDNA増幅につながれたウイルスRNAの逆転写に基づいて、感染したブタの組織サンプル中のブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)の存在を検出する方法が記載される。組織サンプル(肺、筋肉)を、広州の異なる養豚場からの感染したブタから集めた。本明細書に記載されるAV広州のフィールド分離株は、RT-PCR増幅、配列分析、及びウエスタンイムノブロッティング分析を介して、北米の菌株のビリオンとの近似性を有している。当業者によって理解されるであろうように、そのような方法は、本発明の実施において、他の病原体を同定し、分離し、特徴付ける際に適用され得る。新しい病原体としてのPRRSVの同定 1980年代後半に、世界中の養豚場で不可解な疾患が発生し、それは、出産歴のある雌ブタの重度の生殖障害、及びすべての年齢のブタに関する呼吸器障害によって特徴付けられた(Mardassi et al., Can J Yet Res 58, 55-64; Mardassi et al., 1994. J Clinical Mcrobiology. Sept. 2197-2203)。その疾患は、1987年に北米で最初に報告され、原因菌は、ヨーロッパで1990年に最初に、その後米国で1992年に分離された(Suarez et al., 1994 Arch Virol. 135, 89-99)。両方の菌株は、構造的に関係があったが、抗原性的には異なった。その疾患は、最終的に、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルスという病名を与えられ、選好性のブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)によって引き起こされた。PRRSVの特徴 分子的特徴は、ウイルスゲノムが、約15kbのゲノムサイズを有する陽性の一本鎖RNA分子から成ることを示した。ゲノムは、ウイルスゲノムの約75%に相当する、(5'末端で)ORFIa及びORFIbを有する8つの読取枠(ORF)を含む。それは、ポリメラーゼ及びレプリカーゼの活性の作用を有するタンパク質に関してコード化する。他の6つの構造タンパク質、ORF2〜7は、ゲノムの3'末端に位置する(Conzelmann, K.K. et al., 1993, Viral 193: 329-339)。球状の、エンベロープPRRSVは、マウスのウマ動脈炎ウイルス(EAV)及び乳酸デヒドロゲナーゼ上昇ウイルス(LDV)を含む、アルテリウイルス群のメンバーとの形態学的及び形態形成学的な類似性を有すると記載された。ウイルス複製は、多くの異なる種類の初代細胞株及び樹立細胞株において失敗したが、ウイルスは、MA-104サル細胞に由来する、ブタ肺胞マクロファージ(PAM)及びMARC-145において増殖する(Dea et al., Ultrastructural characteristics and morphogenesis of Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome Vrus propagated in the highly permissive Marc-145 cell clone. Plenum Press, New York 1995)。PRRSVの亜株の分離および特徴づけ 簡単に言うと、異なるセットのオリゴヌクレオチドプライマーを利用するmultiplex PCRを、広州から集められたフィールド分離したサンプルの中で、北米とヨーロッパの分離株を識別するために使用した。感染細胞培養物からの精製されたPRRSビリオンを、出発物質として使用することで、分子のcDNAクローニング及び配列決定も行った。PRRSVのフィールド分離株の形態学的及び物理化学的性質も同様に特徴づけた。1. 細胞及びウイルス分離 合計3つのPRRSVの広州のフィールド分離株を、呼吸困難のブタの浄化した肺組織及び筋肉から回収し、MARC-145、PRRSV許容(permissive)細胞株上で繁殖させた(Department of Veterinary Medicine, South China Agricultural University, Guangzhou, 510642, China)。MARC-145細胞を、10%のガンマ線を照射したウシ胎児血清(FBS)及び10%のトリプトースリン酸塩培養液(TPB)及び1%の抗生の抗真菌剤(Life Technologies, GIBCOBRL(登録商標))を補った最少必須培地(MEM)において培養した。PRRSVの代表的なUS分離株、NVSLを、市販の改変生ワクチンから分離した(Animal and Plant Health Inspection Services, National Veterinary Services Laboratories. Ames, IA)。浄化した(clarifed)組織サンプルの1.5mlのアリコートを、ウシ胎児血清(FBS)を含まない培地を有する75cm2の培養フラスコの細胞単層膜に接種した。感染細胞培養物を、細胞変性効果(CPE)の現れに関して毎日監視した。 すべての組織サンプルホモジネートに関して、CPEは、MARC-145細胞培養物において最初の6継代の間に観察されなかった。CPEは、丸くなること(rounding off)の特性で始まる7番目の継代の後に観察され;細胞拡大及び多くの液胞を有する丸い細胞が、PRRSVのAVフィールド分離株での接種後の24時間後に現われ;感染細胞の合胞体が観察され;感染細胞は、接種後の3〜4日後に凝集し始めた。最終的に、感染細胞はフラスコから剥離した。これらのCPEはまた、実験の全体にわたって陽性対照のNVSL感染細胞上で見られた。2. ウイルス精製 ストックウイルスは、MARC-145の細胞において少なくとも7の連続する継代によってもたらされた。感染細胞を、それぞれ、-80℃で凍結、及び37℃で解凍するのを3回行うことによって、ウイルスを播種した。4℃で20分間、4000xgでの遠心分離によって、細胞片を取り除いた。浄化した上清液内の細胞外ウイルスを、最初に、Beckman SW40Tiローターにおいて、75,000xg(21,000rpm)で3時間ペレット状にした。ペレットを、11100の元の容量のTHEバッファー中に再懸濁した。その後、濃縮ウイルスを、110,000xg(35,000rpm)でのBeckman SW55Tiローターにおいて、30%〜50%(w/v)のショ糖勾配を介して16時間精製した。3. RNA調製 500 pi TRIZOL試薬(Life Technologies INC.,)を使用することによって、及び以下の製造業者のプロトコル(manufacturer's protocol)に従って、ウイルスに感染したMARC-145細胞からの500μlの上清から、ウイルスRNAを直接抽出した。4. cDNA合成 cDNA合成を、the Superscript(商標) Preamplification System for First Strand cDNA Synthesis (Life Technologies, GIBCO BRL)に従って行った。5. プライマー設計 幾つかのセットのプライマーを、迅速なmultiplex PCRアッセイを行なうために、ポリメラーゼタンパク質をコード化するORFIb内の北米(VR-2332)及びヨーロッパ(LV)のゲノム配列に基づいて設計した。PCRプライマーを、アルテリウイルス間のそれらの保存により、ORFIbに基づいて設計した。セットの内部プライマーを、レリスタッド(Leiystad)ウイルス(LV)ゲノム配列から設計し、一方のセットは、multiplex又はnested multiplexPCRのための型特異的な内部プライマー及び型共通なプライマーであった。PRRSウイルスの2つの北米の菌株:ミネソタMNIb及びケベックLHVA-93.3の分離株(Gilbert el al., 1997, J. Clinical Mcrobiology Jan 35(1), 264-267)からORFIbの一部を配列決定した後に、プライマーを設計した。nested multiplexPCRのためのオリゴヌクレオチドプライマーの詳細を、表27に示した。6. サンプルD2、D3およびAVのPRRSV分類のためのnested multiplexPCR PCRの第一ラウンドのために、2.5μlのcDNAを、25plの全容量中の、10xのPCRバッファー、25mMのMgCl2; 10mMのdNTPs混合物、.12.5μMのプライマーEU及びED及び5単位のTaq DNAポリメラーゼ (Life Technologies, GiBCRO, BRL)、を含む混合物に加えた。94℃での3分間の変性の後、反応物を、94℃で20秒間、42℃で1分間、及び72℃で1分間を4回循環させ、その後、94℃で20秒間、47℃で1分間、及び72℃で1分間を40回循環させ、最後の伸張工程で、72℃で5分間循環させた。 Nested PCRのために、2.5plのテンプレート(第一ラウンドのPCRにおけるPCR産物)を、12.5pMプライマーU1及びD1、及び12.5pMプライマーU2及びD2を含む、反応混合物へ加えた。94℃での3分間の変性の後、反応物を、94℃で20秒間、47℃で30秒間、及び72℃で30秒間を35回循環させ、最後の拡張工程で、72℃で15分間循環させた。増幅した産物を、1.5%のアガロースゲルを介して5plのアリコートを電気泳動にかけることにより検出し、臭化エチジウムで染色し、ゲルを、UV照明下で撮影した。 ヨーロッパの菌株に関して増幅は観察されず、従って、北米の分離株に関するプライマー対U2及びD2の特異性、及びPRRSVの北米とヨーロッパの分離株の識別のためのその使用を確認した。7. 配列決定/分析 RT-PCRの増幅した産物を、Geneelean IIヌクレイン酸精製キット(BiolOl)によって、1.5%のアガロースゲルから精製した。ゲノム領域を、Automated Laser Fluorescent DNAシーケンサー(PERKIN ELMER, ABI Prism(商標) 310 Genetic Analyzer)において、U2及びD2プライマーを使用して、両方のストランド(strands)に関して配列決定し、ヌクレオチド及び配列のコンピューター分析を、MAC DNAsis Version.2.4 ソフトウェアのほかに、配列分析3.4プログラムも使用して行った。ヌクレオチド相同性もまた、MAC DNAsis Version 3.6 プログラム及びGeneworks Version 2.2 プログラム(Intelligenetics, Inc., Mountain View, California, USA)を使用して計算した。 3のフィールドPRRSV分離株のORFIbの得られたヌクレオチド配列を、参照NVSLのほかに参照US株(ATCC VR-2332)及び参照ヨーロッパ株(LV)の公開された配列と比較した。表28は、3のフィールドPRRSV分離株の中の、ヌクレオチドの置換、欠失又は挿入を示していない。 参照NVSL、ヨーロッパ(LV)及びUS(VR 2332)の分離株に加えて、フィールド分離株のポリメラーゼ遺伝子上のヌクレオチド配列に基づいた進化系統樹分析を行った。17.5%のヌクレオチド相同性を、LV-ORF1b株と、D2-ORFIb、VR2332-ORFIb、NVSL-ORFIb、D3-ORFIb及びAV-ORFI b株の間で観察し、95.1%のヌクレオチド相同性を、D2-ORFIb株と、VR2332-ORFIb、NVSL-ORFIb、D3-ORFIb及びAV-ORFIb株の間で観察し、これらのフィールド分離株(すなわち、NVSL-ORFIb、D3-ORFIb及びAV-ORFIb株)の95.5%のヌクレオチド相同性を、参照US株(VR2332-ORFIb株、ATCC VR-2332)により観察し、100%のヌクレオチド相同性を、NVSL-ORFIb株と、D3-ORFlb及びAV-ORFIb株の間で観察し、及び100%のヌクレオチド相同性を、D3-ORFIbとAV-ORF 1b株の間で観察した。 PRRSVフィールド分離株の配列データを、非加重結合法(Unweighted Pair Group Method with Arithmetic Mean)(Geneworks Version 2.2)を有するによって系統学的分析を行うために使用した。従って、フィールドPRRSV分離株を、参照ヨーロッパのLV株(LV-ORF1b)とは異なる北米遺伝子型(NVSL-lb, Av-Lb, D3-1b, VR-2332 lb及びD2-OREIb株)において分類した。 従って本明細に示されるように、RT-PCRは、幾つかのRNAウイルスの検出に使用され得る。北米又はヨーロッパのいずれかから中華人民共和国までの新しいブタウイルスの伝播を確認するために、この技術は、広州から集められたフィールド分離株の菌株を特徴付けるための本発明の実施例において適用された。検出のためのみではなく、PRRSVの北米とヨーロッパ株の識別のためにも適切な診断法であることが示されてきた(Mardassi et al., Can J Vet Res 58, 55-64; Mardassi et al., 1994. J Clinical Microbiology. Sept, 2197-2203 (1994))。Meulenbergら(1993, Virology 192, 62-74) は、PRRSV分離株のほとんどが、ウイルス複製を支持する肺ホモジネートからPAM(ブタ肺胞マクロファージ)細胞内で培養されることができることを示した。最近まで、北米のPRRSV分離株の増殖は、MA-104細胞株に由来するPRRSVのMARC-145細胞の高度に許容的な細胞クローンにおいて達成された(Kim et al., 1993, Arch Virol 133, 477-483)。本実施例において、MARC-145内のウイルス分離は成功し、それが広州のPRRSVフィールド分離株に許容的であることが見出された。超微細構造的特性の測定 濃縮した細胞のウイルスの超遠心分離は、管の底に乳白色のバンドをもたらし、これは、50%のショ糖密度勾配に相当した。30μlのアリコートの分画上に、密度勾配からのグリッドを30秒間浮かせることにより、密度勾配からの分画におけるウイルスを、forrnav-炭素被覆のグリッド上に配置し、その後、3%の水性のリンタングステン酸(PTA) pH 6.3により、30秒間陰性染色した。グリッドを紫外線で15分間照射した後に、グリッドを、異なる電位でPhilips EM 208s 電子顕微鏡上で検査した。AV及びNVSL参照のウイルス粒子の陰性染色電子顕微鏡写真を、異なる電位(90kV及び31.5kV)下で、1.34g/mlのショ糖勾配分画において観察した。電子顕微鏡検査によって、この勾配分画は、細胞片とともに、直径60nmの多数の球状のエンベロープ(enveloped)ウイルス粒子を含有していた。 PRRSVのAVフィールド分離株の形態学的特性はまた、PRRSVのATCC-VR2332米国の分離株から適用した、以前に記載した組織培養物に一致した(Murphy et al., 1992, Vet. Mcrobiol. 32, 101-115; Pirzadeh, B., Gagnon, C, A. and Dea, S., 1998, Can J Vet. Res. 62, 170-177)。9. ウイルスのポリペプチド同定 フィールドPRRSV分離株AV及び参照NVSL PRRSVのショ糖勾配を精製した調製(すなわち、50%から30%までの分画)を、非還元状態でSDS-PAGEによって分析し、ウイルスのポリペプチドを、市販のブタの相同性高度免疫血清を使用して、特異的なウイルス抗体の供給源として、ウエスタンイムノブロッティング実験から推定した。SDS-PAGE及びウエスタンイムノブロッティングアッセイの両方を、Fritsch, Maniatis and Sambrook、Sambrook, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual(Second Edition. pp 18.47-18.75)に従って行った。 ウエスタンイムノブロッティングにおいて、参照高度免疫血清(Animal and Plant Health Inspection Service, National Veterinary Services Laboratories, Ames, IA)、アルカリフォスファターゼ(AP)標識のウサギ抗ブタIgG(Zymed)及び、NBT及びBCIPバッファー溶液から成る酵素基質溶液(Zymed, S. San Francisco, California, USA)を使用した。ゲルにおいて観察されたバンドの相対移動距離は、およそ、15kDa、19kDa、26kDa、45kDa及び80kDaのMWに相当する。陽性対照抗血清を使用して、15kDa、19kDa、26kDa及び45kDaのウイルスのポリペプチドのみが免疫沈殿した。 ウエスタンイムノブロッティング実験の結果から、推測 NWが15 kDa、19kDa、26kDa及び45kDaに相当するものだけが、SDS-PAGEによって得られたバンドから、実際にウイルスタンパク質を表わし得るように見える。SDS-PAGEによって検出された他のバンドは、細胞外ビリオンによって共同精製された細胞タンパク質に相当し得る。広州フィールド分離株AVに関して同定されたポリペプチドパターンは、参照NVSLと同様に、連続的なCL2621細胞株(Francki et al., 1992, Arch Virol. 2, 220-222)において繁殖した米国の参照分離株ATCC-VR2332に関して報告されたものと同一であるように見える。他によって言及されるように(Plageman et al., 1992, Adv. Virus Res. 41, 91-192; Mardassi et al, 1994)、これらのポリペプチドパターンは、EAV及びLDVに関して決定されたものと適合性がある。EAV及びLDVとの類似性によって、PRRSVに関して同定された15kDa、19kDa及び26kDaのポリペプチドは、それぞれ、主要なヌクレオカプシドタンパク質N、基質タンパク質M及びエンベロープタンパク質Eを表わし、一方で、30kDa、31kDa及び45kDaのポリペプチドは、ウイルスの主要でない構造タンパク質を表わしている。<実施例7>ニワトリの病原ウイルスの分離及び特徴づけの実証 本実施例は、Si遺伝子の多様性に基づいた、ニワトリ伝染性気管支炎ウイルス(IBV)の異なる亜株の分離及び特徴づけを実証する。中国南部の異なる地理的地域から集められた、5つの領域性13V分離株は、PCR配列決定とともに特徴付けられた。IBVの全体のS-1遺伝子に隣接する1対のプライマーを、公開された配列データに従って設計し、推測されるPCR産物のサイズは、1760塩基対である。結果として生じるPCR産物を、pGEM-Tのイージーベクター(easy vector)へさらにサブクローン化し、配列決定させた。分離株間の遺伝的関係の分析は、中国南部の5つの分離株のS-1遺伝子の多様性が、非常に高かったことを示す。これらの5つの分離株の間のヌクレオチド変異は、8%〜48%までの範囲であって、5つの分離株は、進化系統樹分析に従って、3つの群に分類され得る。2つの保存領域および2つの高頻度可変領域もまた、これらの分離株間で同定された。本実施例は、中国の異なる地域の養鶏場が、ワクチン接種の失敗を防ぐために、特定の地域のそれぞれの遺伝子型と一致したワクチン株でニワトリにワクチン接種するべきであることを示す。さらに、他の病原体の亜株は、本発明に従って、より有効なワクチンの調製及び投与に関して同定され得る。ウイルス収集 フィールドIBV分離株、V1、V2、V3、V4及びV5を、中国の雲南省、湖南省、湖北省、広西自治区及び広東省の地方の獣医サービス局から得た。ウイルス分離 各分離株を繁殖させ、10日目の特定病原体除去(SPF)の有胚の鶏卵において、37℃で48時間滴定し、500マイクロリットルの尿膜腔液を、接種を受けた胚から集め、4℃で5分間、2500xgで遠心分離にかけた。遠心分離の後、上清を集め、IRVゲノムのRNAを、製造業者の説明書(manufacturer's instructions)(Gibco BRL, Grand Island, NY)に従って分離した。RT-PCR第一鎖cDNAを逆転写するために、ウイルスRNAをテンプレートとして使用した。superscriptase RTキットを、製造業者の説明書(Gibco BRL, Grand Island, NY)によって使用した。cDNAを、ランダムヘキサマー(random hexamer)で刺激した1pl(200ng)のウイルスRNAから合成した。cDNAの増幅を、2.5plの10 x PCR反応バッファー、0.5μlの10mmdNTP混合物、0.5 25mmのMgCl2、1μlのcDNA、1μlのTaq DNAポリメラーゼ(polymerise)及び50pモルの各プライマーを含む、25μlの容量において実行した。蒸留水で容量を25μ1に調節する。PCR増幅を、35サイクル(44℃で1分、52℃で2分、72℃で2分)で実行し、最後の伸張工程は、72℃で10分間行った。ロボサイクラー(robocycler)PCR装置を使用する。S1遺伝子を、1760塩基対プライマーを使用することによって増幅させた。分離株はすべて、1760塩基対プライマーを備える1760塩基対フラグメントをもたらした。クローンフラグメントの大きさを決めるために、Lamda DNA/Hindlll標識を使用した。この結果は、すべての分離株がIBVであることを確認した。分離された株を、それぞれ、V1、V2、V3、V4及びV5と呼んだ。5つの分離株のS-1遺伝子のクローンニング及び配列決定S-1遺伝子PCR産物を、Geneclean IIキット(101 Bio, Co)を使用することによって精製し、マニュアルに従って、プラスミドpGEM-Tのイージーベクター(Promega)へクローン化した。プラスミドPCR及びEcoRIの消化を、正しいクローン(pT-S)を確認するために使用した。Lamda DNA/Hindlll標識を、クローンフラグメントの大きさを決めるために使用した。プライマーウォーキング方策(primer walking strategy)によってクローンを配列決定し、プライマー及びその位置を表30にリストし、結果として生じる分離株の配列を、MacDNAsis及びPAUP(Hitachi software engineer Co. Sun brew, CA)によって比較した。Si遺伝子の全体の配列を、3つのプライマー対(プライマー-1及びプライマー-2; IBV-F及びIBV-R; IBV-FOR及びIBV-REV)で配列決定することによって得た。Si遺伝子の全体の配列を得るために、V1、V2、V3、V4及びV5の分離株に対するS-1遺伝子の800塩基対フラグメントを、RT-PCR増幅し、3つの陽性クローンを、pGEM-Tのイージーベクターへサブクローン化した。S-1遺伝子のN末端領域におけるヌクレオチド配列(表31)は、5つの分離株において、Keelerらによって同定された、2つの高頻度可変領域及び2つの保存領域を明らかにした。E. 遺伝子型分析8つのIBV株のS-1ヌクレオチド配列の比較に基づいて、系統樹分析を行なった。中国南部から集められた5つのIBVフィールド分離株は、ヌクレオチド配列(48%〜8%の範囲)に基づいて、高度に不均質であった。V4及びV5は、同じ群に属するように分類され、高度な相同性(92%)により、mass-2(Beaudette株)よりもHolte株に遺伝的に近い。V1、V2及びV3を異なる群に分類した。V1は新しいタイプに属する。V2及びV3はまた、Holteとの相同性を示したが、それらの間には大きな差異もあった。D41は、mass-2(Beaudette株) と高度に相同性があった。Mass型IBVのS-1遺伝子のN末端アミノ酸残基における、2つの高頻度可変領域56〜69及び117〜133、及び2つの保存領域43〜47及び29〜236は、以前に認識された。高頻度可変領域及び保存領域の両方を、5つの分離株間で同定した。その結果は、これらの分離株がmass型であったことを示す。しかしながら、系統樹分析は、分離株がmass型株との幾らかの差異を有することを示した。それ故、mass型ワクチンの変異が、中国南部のフィールド毒性のIBVの出現につながったと考えられる。これらの分離株間の実証された高度な多様性は、中国の異なる地域の養鶏場が、特定の地域のそれぞれの遺伝子型に一致するワクチン株を、ニワトリにワクチン接種し得ると示している。病原体(例えば、IBV)のそのような遺伝子型決定は、遺伝子型特異的な産生及び本発明のワクチンおよび方法の利用を可能にし得ると予期される。<実施例8>豚コレラウイルスに対するDNAワクチンの免疫の実証本実施例は、改善された有効性を有するDNAワクチンの免疫化を実証する。豚コレラウイルスに対するDNAワクチンの改善された有効性を実証するために、調剤された粗製の(crude)DNAワクチンを調製した。調製及び特徴づけの後、粗製の細菌DNAワクチンを、実験動物に投与し、誘発された免疫反応を、ネイキッドDNAを有する免疫と比較した。ネイキッドDNA上の免疫性の著しい改善が、抗体及びCTLの両方の誘発に関して達成された。具体的には、誘発された豚コレラウイルスに対する細菌DNAワクチンは、ウサギにおける筋肉内の免疫化の後に、ネイキッドDNAと比較して、血清抗体反応(体液性)及び細胞傷害性Tリンパ球(細胞媒介性)反応を著しく強めた。A. プラスミドDNAHCVの糖タンパク質E2遺伝子の発現を促進するサイトメガロウイルス促進剤で構築された、免疫原性UNAのpHCV2.5及びpHCV1.25を、本明細書に記載した。i. 免疫及びワクチン製剤HCVに対する免疫反応を誘発するために、動物を以下のプロトコルにより免疫化した。雌のウサギ(1kg --2kg)を、香港大学の動物センターから購入した。ウサギを、基本的には、0.1ml及び0.5mlの天然のままの細菌の調製物の右上腕二頭筋の大腿筋への、単一の筋肉内注射により免疫化し、0.1mlの調剤したワクチンは、100gのネイキッドプラスミドDNAなどと等しい。追加免疫が、7日間隔で2回生じた。調剤されるワクチンを以下のように調製する。1mg/mlのアンピシリンを加えられた1.51のLBブロスに、精製されたコロニーから繁殖する1mlの細菌シード(seed)を接種する。37℃でインキュベートし、200rpmで一晩中振とうした。遠心沈殿し、細菌ペレットを得る。重さをはかり、所与の濃度まで再構成し、10分間音波処理し、その後、投与のために、一晩中1mg/lのアンピシリンを加える。ii. 抗DNA抗体反応(ELISA)酵素免疫測定法アッセイ(ELISA)キットを、製造業者のマニュアル(IDEXX-Co)に従って、HCVに対する抗体反応を測定するために使用した。調剤されたDNAワクチンを接種されたウサギは、2週間後、すべてのウサギの中で最も高いELISA力価を有し、これは市販のワクチンよりさらに高い。NAパラメーターと比較すると、データは一致した。iii. フローサイトメトリー単個細胞浮遊液(末梢血PBL)の調製のために、心臓穿刺によって、ヘパリン添加されたシリンジへ全血サンプルを集め、氷上に置いた。1.5%のウシ胎児血清(Sigma Chemical Co. St. Louis, Missouri)に加え、フェノールレッドなしでHanの平衡塩類溶液(HBSS)中に血液を希釈し、HBSSによって刺激を受けた15mlのレーヨンウールのカラム(rayon wool column)を介してふるいにかけた。5mlのろ過された血液を、5mlのFicoli Hypaque(Sigma)上に層にし、10分間2000rpmで遠心分離にかけた。表面のバフィーコートを、毛細管ピペットで取り除き、5mlのHBSSで3回すすいだ。最終的なすすぎの後、1つのサンプル当たりの104の細胞からのリンパ球の合計を、フローサイトメトリー装置上の分析によって測定した。HCV CSFV中和抗体(VNAb)に対するウイルス中和試験を、改変された迅速蛍光焦点抑制試験(RFFIT)によって滴定した。PK.15を、CSFVに対するVNAbの検出のために使用した。CSFV C株を、抗CSFV VNAb力価を、参照、または蛍光焦点の50%を阻害した参照又は相互血清希釈(reciprocal serum dilution)(rd)として使用して、血清希釈において表す。iv. チャレンジ試験後のウサギにおける発熱反応有毒性HCV成分の原理に基づくと、通常の状況下でウサギの発熱を引き起こさないが、一方で、laprinized HCVワクチンは、ウサギにおける発熱を引き起こす。それ故、調剤されたDNAワクチンは、ウサギにおける免疫反応を誘発し得、その後接種されるワクチン株を中和し、発熱反応を起こさないと予期された。5匹のウサギ(2kg〜2.5kg)を、本実証において使用した。1番及び2番のウサギに、それぞれ、調剤したDNAワクチンの高用量及び低用量を注入し、3番及び4番のウサギに、それぞれ、ネイキッドプラスミドDNA及び従来のワクチンを注入し、5番のウサギを対照として設定した。第1に、0日目に、各ウサギを上記の物質で刺激した。ウサギに、laprinizedワクチンを静脈内に接種した後、ワクチン及びネイキッドプラスミドDNAをそれぞれ調剤し、最後の2匹を2週間後に増強した(bolstered)。その後、各ウサギを、1週間の間隔で2回増強した。その後、2週間後に、ウサギを、laprinized ワクチン株でチャレンジし、1週間毎日、各ウサギに関して、体温を測定した。温度曲線から、対照ウサギは進行性の発熱を有し、ネイキッドプラスミドDNAによって免疫化した3番のウサギは、4日後に発熱を有し、調剤されたワクチンの低用量及び高用量の両方を接種したウサギは、発熱反応を有しなかった。その結果は、調剤されたDNAワクチンが、HCV laprinized ワクチンと同様の有効性を有し、一方で、調剤されたワクチンと比較して、ネイキッドプラスミドDNAは発熱を4日遅らせ得ることを示し、それは防護能力を部分的に有していただけであった。v. DNAワクチン注入された筋肉の病理組織学的試験チャレンジの7日後に、ウサギの筋肉を切除し、10%の中性ホルマリンで固定し、パラフィンに包埋した。切片を、光線顕微鏡観察のために直接使用した。ウサギにネイキッドDNAを注入し、従来の市販のワクチンを対照として設定した。調剤されたワクチンを注入された組織病理学的切片は、単核細胞の大量蓄積を示し、これは、強い炎症が注射によって引き起こされ、さらに、重度の炎症細胞動員に関係する筋線維の破壊的な変化が留意され、一方で、ネイキッドDNA及び従来の市販のワクチンを注入された筋肉において、単核細胞浸潤及び筋線維の変化の程度が識別できるほど軽度であったことを示した。vi. 体液性免疫における調剤されたDNAワクチン(VN)ウサギにIICV DNAワクチン(pHCV2.5)の細菌調製物を接種した時、低用量又は高用量を接種したウサギの両方とも、2週間後に体液性反応があり、追加免疫後に、VN力価は増加し続け、チャレンジの1週間後、依然として高レベルのままであった。ネイキッドプラスミドDNA及び従来の市販のワクチンと比較して、調剤されたDNAワクチンを接種されたウサギにおける中和抗体の反応は、それらを超えてさらによかった。vii. 細胞媒介性免疫反応における調剤されたDNAワクチンウサギの未凝固血を、フローサイトメトリーを使用することによって分析し、末梢血のリンパ球(mphocyte)、単球及び顆粒の細胞を、それぞれカウントした。その結果は、調剤されたDNAワクチンによって免疫化されたウサギが、炎症細胞、特に顆粒細胞の最も高い濃度を有することを示した。高用量の調剤されたDNAワクチンによって免疫化された2番のウサギは、顆粒細胞のより高い濃度を有していて、それは、ウサギの非特異的免疫反応が非常に強められたことを反映している。低用量の調剤されたDNAワクチンを注入されたウサギは、これらの細胞の比較的低い濃度を有していた。Viii 細菌性DNAワクチンの特性本実施例は、細菌性の調剤されたDNAワクチンがネイキッドDNAワクチンよりもよい効能を有することを実証し、抗体力価(ELISA)、中和活性、細胞免疫反応及び発熱反応の優れたパラメーターを、細菌性DNAワクチンに関して実証した。炎症細胞及び調剤されたDNAワクチンを注入した筋肉の病理組織学的試験は、炎症細胞の大量蓄積及び分節の変性及び筋細胞の壊死を明らかにした。DNA細菌ワクチンのこれらの特性は、有効なDNAワクチンの構成、調製及び投与のための開発戦略を示す。例えば、調剤されたDNAワクチンで免疫化したウサギにおいては、細胞免疫反応を引き起こす。接種量が多ければ多いほど、より高い免疫反応を引き起こし、市販のワクチンより優れた特性を示す。これらの特性は、細菌タンパク質又は細菌配列に起因し得ると予期される。対照的に、ネイキッドDNAによって引き起こされた効能は、調剤されたDNAワクチンほど著しくなかった。さらに、細菌性ワクチン調製が、ウサギに対する発熱又は死亡及び臨床症状を引き起こさなかったため、ウサギは、細菌のエンドトキシンに対するいくらかの耐性を有し、及び/又は超音波技術による細菌ワクチン調製物に対する長期間の処理は、低減した毒性をもたらしたと考えられる。さらに、注射部位において肉眼的病変はなく、低用量を注入されたウサギは、よく吸収され、高用量を注入されたウサギだけが、いくらかの乾酪腫症を有し、これは、以前に1回強力な炎症反応を有していたことを示す。<実施例9>PRRSVの領域性株に対するDNAワクチンの実証本実施例は、体液性及び細胞性免疫反応の両方の生成におけるDNAワクチン及びアジュバントとして機能する粗製の細菌製剤の能力を実証する。具体的には、本実施例は、ブタにおけるDNAプラスミドの構築物の免疫原性、及び細胞媒介性免疫を誘発するために、T細胞による特異的認識のためのPRRSVのORF 5ポリペプチドの使用を実証する。ワクチン接種に続くPRRSVの構造タンパク質に対する体液性免疫反応の理解は、有効なワクチン方策の開発に役立つ。更に、組み換え型ワクチンの産生は、疾患から動物を保護するために適切な抗体反応を誘発するウイルスタンパク質の選抜に依存する。本明細書に記載される体液性免疫反応の進行を、ELISA、ウイルス中和(VN)及びイムノブロッティングアッセイ(Nelson E. A., et al., (1994). J. Veterinary Diagnostic Investigation 6, 410-415)によって監視した。ウイルス性疾患に対する保護における細胞媒介性免疫(CMI)の役割は、広く文書化されてきた。最も顕著には、細胞傷害性T細胞が多くのウイルスのウイルスクリアランスのために重要であることが示されてきた。T細胞によって認識されたエピトープの同定が、様々な病原性微生物に対する有効な免疫反応の誘発のためのサブユニットワクチンの設計に役立つと分かった。従来の研究は、感染したブタは、PRRSVに対するCMI反応を発達させることを実証した(Bautista E.M., et al., (1996). Archives of Virology 14, 1357-1365)。しかしながら、PRRSVポリペプチドが、ブタにおいてT細胞免疫反応を誘発するそれらの能力において異なるか否かは知られていなかった。 RRSV ORF 5エンベロープタンパク質及びORF 6マトリックスタンパク質領域を、DNAワクチンとしての組み換え型構築物の産生のために選抜した。言及されるように(Pirzadeh B. and Dea S.(1997). General Virology 78, 867-1873)、RRSV GPは、ウイルス感染性における役割を有し、細胞受容体に対する付着及び/又は標的細胞の細胞質へのウイルス侵入において機能し得る。少なくとも1つの中和抗原決定基が、PRRSV GPに関係することが示される。PRRSV GPが、ビリオンにおいてかなり十分に存在し、脂質のエンベロープに関係して部分的に曝されるため(Mardassi H., et al., (1996). Virology 221, 98-112; Meulenberg J.J.M, et al., (1995). Virology 206,155-163)、GPは、ほとんどの回復期のブタ血清によって認識されている主要なウイルスエンベロープの糖タンパク質であることを示す(Meulenberg JJ.M, et al., 1995). Vrology 206,155-163; Nelson E.A., et al, (1993). J Clinical Mcrobiology 31, 3184-3189)。その後、ORF 6マトリックスタンパク質の場合には、Bautista (Bautista E.M., et al. (1999). Archives of Virology 144, 117-134)は、より大きなT細胞増殖反応が、PRRSVの他のポリペプチドと比較して、ORF 6の産物でのインビトロの刺激によって誘発されたことを示す。それは、マトリックスタンパク質がPRRSVに対する細胞免疫における主要な役割を有し得ることを示す。マトリックスポリペプチド遺伝子は、試験されたすべてのPRRSV分離株中で最も保存された遺伝子であり(Kapur V., et al., (1996). J General Virology 77,1271-1276; Meng X.J., et al., (1995). Archives of Vrology 140, 745-755; Meng XJ et al., (1995).J General Virology 76, 3181-3188; Meng X.J., et al., (1996). J General Virology 77, 1265-1270; Meng X.J., et al., (1994). J General Virology 75, 795-801; Murtaugh M.P., et al., (1995). archives of Vrology 140, 1451-1460)、これは、このポリペプチドの構造がPRRSVのアセンブリーにとって不可欠であり得ることを示す。その後、PRRSVのマトリックスタンパク質を、実証された免疫に対する本発明のワクチンのために選抜した。 領域性株PRRSVのORF 5及び6をコード化するゲノムの領域を選択し、DNAワクチンを構成するために哺乳動物発現ベクターpcDNA3.1(+)へクローン化した。PRRSVのプラスミドでコード化したGPS又はORF 6でのDNA免疫は、ヒトのサイトメガロウイルス促進剤の制御の下、Balbfcマウス及びその自然宿主、ブタの両方において、抗GP5中和抗体又はORF 6特異的抗体を誘発した。中和血清のGP5タンパク質特異性を、中和アッセイに加えて、イムノブロッティング、ELISAによって確認した。この結果は、この領域性株PRRSVに対する中和エピトープが、ウイルスエンベロープの糖タンパク質上のみで存在することを示す。 ORF 5-プラスミド構築物により標識された天然のままの細菌の接種は、結果的に、ELISA試験で示されるように、プラスミド構築物単独よりも強力な抗体レベルにつながった。加えて、細胞免疫反応を、T細胞の数(CD4+及びCD8+個体数)の増加をカウントするフローサイトメトリーによって、免疫化したマウス及びブタにおいて検出した。アジュバントとして、天然のままの細菌を有するORF 5-プラスミド構築物は、この領域性PRRSVに対するワクチンとして使用され得ることが実証された。A. 動物 7週齢のオスのBalb/cマウスを、香港大学の実験動物ユニットから購入し、1つのケージにつき5匹のマウスの群に分離した。マウスを、7つの実験群に無作為に分けた。5週齢で引き離された8匹の子豚を、the Department of Veterinary Medicine, South China Agricultural University, Guangzhou, 510642における飼育場から得た。繁殖する子豚を試験し、PRRSVに対して血清反応陰性であることがわかった。本実施例において使用される子豚を、4つの群に無作為に分けた。B. ウイルス 領域性株AVの広州フィールド分離株PRRSVを、最初に、広州におけるPRRSV感染のブタの組織サンプルから分離し、MARC-145細胞、PRRSVに高度に許容的なMA-104細胞のクローンにおいて繁殖した(Kim H.S., et al., (1993). Archives of Virology 133,477-483)。以前に記載されたように、ウイルス力価を、1ml当たり組織培養感染量50(TCID50)として表した(Dea S., et al., (1992). Canadian Veterinary Journal 33, 801-808)。C. 組み換え型構築物 ウイルスRNAを、以前に記載されたように、AV株のPRRSVに感染したMARC-145細胞から抽出した(Mardassi H., et at, (1995). Archives of Virology 140,1405-1418)。PRRSV ORF 5及び6の増幅を可能にするオリゴヌクレオチドプライマーを、米国の株VR-2332のゲノムのヌクレオチド配列に基づいて設計した。ORF 5領域に対するHindIII又はXbalの制限(RE)部位又はORF 6領域に対するBamHI又はEcoPJを、クローニングを促進するために、プライマーの5'末端で組み込んだ。ORF 5及びORF 6領域を、最初に、TAクローニングベクター(pGEM(登録商標)-T及びpGEM(登録商標)-T Easy Vector Systems Promega)へクローン化し、その後、pcDNA3.1(+)発現ベクター(Invitrogen)の特異的RE部位に直接挿入し、その結果、pcDNA3.1-ORF 5及び6構築物を産生した。組み換え型構築物を、配列決定によって確認し、その後、E. Coli株、トップ10に形質転換した。細菌培養ペレットを乾燥し、動物への注入に備えて超音波処理した。D. 組換え型タンパク質の一過性発現pcDNA3.1(+)-ORF 5又は6構築物のインビトロの発現を、コンフルエントな単層膜として維持されたHEIR-293細胞における一過性発現実験において試験した。6ウェルの組織培養プレート中の細胞を、リポソームによって5pgのプラスミドDNAによってトランスフェクトした。免疫蛍光染色のために、細胞を37℃でインキュベートし、トランスフェクション後の様々な時間(18時間〜72時間)に室温で15分間、37%のホルマリンによって固定した。その後、単層膜を、抗PRRSVの多クローン性抗体(National Veterinary Services Laboratories, Ames, IA)によって1時間反応させ、FITC標識の二次抗体(Zymed)によるインキュベーションに続いて、免疫反応を測定した。クローン化したORF 5及びORF 6遺伝子の一過性発現を、免疫蛍光染色法によって検出した。タンパク質産物の発現を、トランスフェクションの72時間後に、HEIR-293細胞において実証した。タンパク質産物の同定を、ブタの抗PRRSV血清を使用することによって確認した。トランスフェクトされた細胞へシグナルを与えるために、FITC標識の二次抗体を加えた。緑色の蛍光シグナルを、蛍光顕微鏡法の下で検出した。トランスフェクトされた細胞は、多クローン性抗体を使用することによって明るい均質の細胞質反応を示し、発現されたタンパク質は、核周囲の領域の近くで蓄積する傾向があった。PRRSVエンベロープタンパク質及びマトリックスタンパク質を表わす発現されたタンパク質を確認するために、ウエスタンイムノブロッティングを、ブタの抗PRRSV血清を使用して実行した。26kDa及び19kDaのサイズを有する特異的タンパク質バンドを、どちらかのレーンにおいて観察し、それらは、それぞれ、エンベロープタンパク質とマトリックスタンパク質に相当した。E. マウスの免疫スケジュールpcDNA3.1-ORF 5又は6のインビボの発現を、500μgのORF 5又はORF 6の構築物のいずれか又は、100μgのORF 5構築物;250μlのPBS中に希釈された50μg又は10μgのORF 5構築物のプラスミド同等物と、100μgの各構築物又は天然のままの細菌の混合物で、5匹のBalb/cマウスの群を免疫化することによって確認した。DNAを、27ゲージの注射針により脛側の頭蓋筋に注入した。マウスを、2週間の間隔で、同じ量のDNAにより2回追加免疫した。対照マウスは、同一経路を介して、100legのpcDNA3.1(+)ベクターを受けた。DNA接種に続いて、GP5又はORF 6に対するマウス血清のタンパク質特異性を、発現されたタンパク質を用いて、ELISA、及びイムノブロッティングによって確立した。ELISAにおける抗原に対する抗体は、免疫後、様々な時間に試験で陽性を示し、これは、体液性免疫反応が生成されたことを示す。一般に、PRRSVに特異的な抗体は、構築物の最初の追加免疫(0日目)後に、すべてのマウスにおいて増加した。第2の追加免疫が、14日目に生じた。抗体力価は、DNAプラスミド構築物を注入する群に対する免疫後(PI)の21日で、最大値まで上昇し、その後、低下し始めた。プラスミド同等物を有する天然のままの細菌を注入する群を除いて、抗体力価は、PIの14日目までに最大値に上昇し、安定した高いレベルのままであった。血清中和アッセイを、35日目のマウス血清を使用して行った。天然のままの細菌pcDNA3.1-ORF 5のプラスミド同等物を接種された5匹のマウスのうちの4匹とともに、pcDNA3.1-ORF 5を接種された4匹のマウスうちの3匹、及びpcDNA3.1-ORES及びpcDNA3.1-ORF6の混合物を接種された3匹のマウスのうちの1匹からの血清は、PIの35日目のインビトロの中和活性において、pcDNA3, 1-ORF 6、又はベクター注入されたマウスから得られた血清及び前免疫血清を注入したマウスにおいて、中和が観察されなかったことを実証した。これらの結果は、PRRSV中和抗体が、PRRSVのORF 5によってコード化されたタンパク質のエピトープに特異的に標的化されたことを示す。F. ブタ免疫スケジュール各群における2匹の子豚に、2週間の間隔で3回、5mlのPBS中に希釈された100μg又は500μgのORF 5プラスミド同等物とともに、100μgのORF 5プラスミド構築物又は天然のままの細菌を注入した。ブタ1及びブタ2に、100μgのORF 5プラスミド構築物を投与し、ブタ3及びブタ4に、100μgの対照ベクターpeDNA3.1を投与し、ブタ5及びブタ6に、100μgのORF 5プラスミド同等物とともに、天然のままの細菌を投与し、及びブタ7及びブタ8に、500μgのORF 5プラスミド同等物とともに、天然のままの細菌を投与した。対照子豚は、同一経路を介して、100μgのpcDNA3.1(+)ベクターを受けた。22ゲージの注射針を使用して、3分の2の容量を脚体の脛側の頭蓋筋に注入し、3分の1を、耳の背面に皮内投与した。最初の追加免疫を、0日目に投与し、第2の追加免疫を、14日目に投与し、第3の追加免疫を、28日目に投与した。免疫前及び高度免疫の血清及び血液リンパ球を、それらの免疫反応を評価するために、各プラスミド接種前に、すべてのマウス及びブタから集めた。セロコンバージョンをまた、ELISAによってブタにおいて実証し、一方で、GP5に対するブタ血清のタンパク質特異性を、接種の35日後に得られたサンプルでのイムノブロッティングによって確立した。すべてのブタは、免疫後に抗体ができたが、ORF 5プラスミド同等物とともに、天然のままの細菌を注入したブタ(ブタ5〜8)は、ORF 5プラスミド構築物のみを注入したブタ(ブタ1〜2)より強力な抗体反応を示した。各ブタは、ワクチン接種への反応における変化を示し得、ブタ6及び7だけが第3の追加免疫後により速い抗体反応を発達させたが、ブタ7だけが、高レベルの抗体レベルを約2週間維持することができ、その後、低下し始めた。中和抗体を、第2の追加免疫注入のたった2週間後に、DNA免疫化されたブタの血清において検出し、インビトロの中和活性は、実験の最後までまだ維持されたままであった。したがって、別の動物モデル(すなわち、ブタ)において体液性免疫反応をもたらすDNAワクチンの能力が実証された。G. ウイルス中和及び血清学的検査 幾つかの状況下では、ワクチン接種におけるように、抗原とともにアジュバントを投与することによって、正常な免疫反応を強めることが望ましい場合もある。アジュバントは、抗原に対する身体の免疫反応を強める。多種多様な化合物を、アジュバントとして使用した。細菌の分画のタイプにおいて、エンドトキシンは、もし抗原とほぼ同時に与えられると、抗体形成を強める。それらは、遅延型過敏に影響はないが、耐性を壊し得、一般的な刺激活性を有する。エンドトキシンは、インターロイキン-1のマクロファージ産生を刺激することによって作用する。したがって、アジュバントとしての天然のままの細菌の使用は、抗原特異的血清及び抗体反応に対するかなりの促進効果を示す。抗ORF 5及び抗ORF 6のタンパク質モノクローナル抗体が、ウイルス感染性を中和し得るかを決定するために、ウイルス中和アッセイ試験を、ウイルスの106.5のTCID50の存在下で、MARC-145細胞に関して行う。 DNA接種に続いて、各動物における体液性免疫反応を、ウイルス中和アッセイ試験による抗体の検出前に、ELISA及びイムノブロッティングによって監視する。ウイルス中和アッセイ試験は、他の試験より過敏性が低く、それは、免疫複合体を循環させることによって影響を受け得るか、又は後の初期感染後まで、中和抗体が実際に現われないかもしれない。また、ウイルス中和に関係する抗原のエピトープ(複数可)は、ウイルスタンパク質上で多くの抗原のエピトープの1つのみを表わし得る。それ故、イムノブロッティングアッセイは、中和抗体の出現前に抗体を検出する。 マウス及びブタの血清を、ウイルス中和(VN)、ELISA及びウエスタンイムノブロッティング試験によって特異的抗GP5又はORF 6抗体の存在に関して試験した。VN試験を、50倍の希釈の加熱不活性化した試験血清の存在下で、ウイルスの100 1連続希釈(1064TCID50)により、繰り返して行い、37℃で60分間インキュベートした。その混合物を、48時間前に96ウェルのプレートにおいて播種されたMARC-145細胞のコンフルエントな単層膜に接触させた。細胞単層膜を、37℃でインキュベートし、細胞変性効果(CPE)の現れに関して毎日観察した。log10(非免疫性コントロール血清でのリットル)から、log10(試験用血清ではCPEを示さない最も高いウイルス希釈リットル)の逆数(reciprocal)を引くことによって中和指数を表す(Neutralizing index was expressed by subtracting the reciprocal of log10 highest virus dilution liter showing no CPE with test serum from log l0 liter with non-immune control serum.)。各動物における体液性免疫反応を、PRRSV抗体試験(IDEXX HERDCHEK_PRRS, Westbrook, ME)を使用して、ELISAによって監視し、ウエスタンブロットアッセイも、抗原としてORF 5発現のタンパク質を使用して行った(Pirzadeh B, and Dea S. (1997). J General Vrology 78, 1867-1873)。 天然のままの細菌標識を有する又は有さないプラスミドDNAの、マウス及びその自然宿主への単純な注入を介した、外来タンパク質のインビボの発現が実証された。PRRSVに対する循環抗体が、ELISA試験によって第1用量の追加免疫の後に14日目のPI上で検出され、一方で、抗体は全サンプリング期間の間、ELISAによって依然として検出され得ることが見出された。興味深いことに、アジュバントとして天然のままの細菌を注入された、動物のそれらの群は、より高い抗体レベルを示し、プラスミド注入のみでの他の群におけるような低下よりもむしろ、第2の追加免疫の後に安定した高レベルを維持していたことがわかった。天然のままの細菌-ORF 5で免疫化した動物と比較した、DNAで免疫化したマウス及びブタにおけるより少ないリットルの抗体は、注入された抗原が、B細胞及び潜在的に強力な抗体反応を刺激し得る他の抗原提示細胞に利用可能であるという事実によって説明され得る。 これらの結果は、ORF 6のコード化されたタンパク質上ではなくORF 5によってコード化されたタンパク質上の中和エピトープの存在を実証する。PRRSVのORF 5は、ブタ及びBalb/eマウスにおいて中和抗体を誘発すると記載されてきた(Pirzadeh B. and Dea S. (1998). J General Virology 79, 989-999)。中和抗体が、PRRSVタンパク質上の立体構造の中和エピトープに関係してのみ検出され得ることを留意することは重要である。DNA構築物、poDNA3.1-ORF5及びORF6は、適切なウイルスタンパク質構造を模倣する哺乳動物細胞中のその発現において利点を有する。したがって、これらの構築物は、宿主動物において抗原産生を促進する能力を有し、これは結果的に、適切な方法、及び保護的方法で天然のPRRSV抗原を認識する、免疫反応につながる(Kwang J., et at, (1999). Research in Veterinary Science 67, 199-201)。H. 末梢血リンパ球(PBL)のフローサイトメトリー分析 末梢血リンパ球を、ヘパリン添加された血液から調製した。0.2mlの新鮮な全血を、赤血球が十分に溶解するまで、PYREXホウケイ酸ガラスの使い捨ての培養試験管(CORNING, NEW YORK)を使用して、5mlの新しく調製された赤血球の溶解バッファー(0.8%の塩化アンモニウム、0.083%の重炭酸ナトリウム及び0.003%のEDTA-遊離酸、pH 7.3)へ加えた。リンパ球を、2分間の2000rpmでの遠心分離によって集めた。リンパ球を、管を撹拌することによって、1mlの1 x リン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄し、2分間2000rpmで遠心沈殿した。その後、リンパ球を、絶えず振とうさせることによって、暗所において1時間、推奨される濃度(1 x l06の細胞につき1μg)で、適切なFITC標識のCD4又はR-PE標識のCD8a(BD PharMingen)で染色した。フローサイトメーター(EPICS ELITE ESP COULTER)における分析を実行する前に、0.5mlの洗浄バッファー(0.1%のアジ化ナトリウム、1 x リン酸緩衝食塩水PBS中の1%のウシ血清アルブミンBSA)を、容量をロップアップする(lop up)ために各管へ加えた。少なくとも5000の細胞を、各サンプルについて分析した。 細胞媒介性免疫(CMI)反応を誘発するDNAワクチン構築物の能力を、マウスにおける免疫後の様々な時間に、CD4+及びCD8+T細胞集団の増加を推定することによって測定した。CD4+の測定を含む試験に関する追加免疫を、0日目及び14日目に与えた。対照DNAプラスミドによって免疫化したマウスに反応する、ごく少量のリンパ球増殖。免疫化したマウスの83%は、細胞媒介性免疫反応を実証した。とても顕著なのは、CD4+T細胞の割合の変化であって、それは、0日目のレベル以上に、PIの14日目と25日目に、それぞれ、およそ50%と42%でピークに達した。一方で、CD8+T細胞の割合においては、0日目のレベル以上に、PIの14日目と28日目に、それぞれ、およそ52%と37.5%でピークに達した。 PIの14日目に、両方の構築物の混合物を接種された群5のマウスは、両方のT細胞の割合の最も強力な増加を誘発した。T細胞の高い割合はまた、ORF 6構築物を接種された群4のマウスにおいて示された。これらの結果は、高いT細胞増殖反応を誘発するORF 6タンパク質の能力を示した。 ブタにおいて、CD4+の測定を含む試験に関する追加免疫を、0、14及び28日目に与えた。ブタを成長させる末梢のT細胞集団は、ブタ1におけるCD8+T細胞集団を除いて、免疫後(PI)の14日目に、一過性に落ちる、その後の数字を示した。T細胞集団の全体的な傾向に関するさらなる分析によると、CD4+T細胞集団は増加し、逆に、CD8+T細胞集団は減少したことが見出された。この観察は、ブタ1及びブタ2において最も著しく示された。CD8+T細胞集団(ウイルス感染細胞を認識する、細胞傷害性T細胞のための標識)の減少は、少なくとも3週間続き、一方で、(免疫学的記憶に関係する、ヘルパーT細胞を含む)CD4+細胞は増加し、異なるブタにおいて28〜42日目の範囲がピークであった。この結果は、マウスにおいて示されなかったが、その宿主の免疫系統を抑えるPRRSVの能力を確認し得る。 ブタのT細胞の別の特性は、T細胞サブセットのCD4/CD8比率の逆転(reversal)を含み、すなわち、CD8+T細胞の集団は、ブタにおいてCD4+T細胞より高いが、ヒト及びマウスにおいては逆であった。さらに、ブタのT細胞集団は、CD4+CD8+を二重発現する末梢のT細胞の割合が大きく、この二重発現する細胞の割合はまた、ブタの年齢とともに増加したという点で独特であった。その結果を、二色のフローサイトメトリー分析において評価した。 DNA構築物は、個々のT細胞集団、すなわち、CD4+及びCD8+T細胞の数を推測することによって、インビボのCMI反応を誘発した。それは、DNA構築物の免疫化の間、マウスにおける末梢血中のCD4+T細胞及びCD8+細胞傷害性Tリンパ球の両方の強力な流入を示した。この発見は、一次免疫の間の末梢血中の細胞溶解性細胞の存在が防護的であることを強く示す。細胞傷害性T細胞は、感染細胞の溶解に強力であり(potent)、そのため、ウイルスの拡散を防ぎ得る(Samsom J-N., et at., (2000). J General Virology 497-505)。 更に、このタイプの細胞は、インターフェロン-yの産生を介して細胞免疫を規制すると示されてきたが、一方で、CD4+T細胞は、抗体反応を引き起こすことに関係していた。 これに反して、成長するブタの末梢のT細胞集団は、免疫の14日後に一過性に落ちる、それらの数を示す。サンプリング期間に、それは、若いブタにおける、CD4+細胞の増加と、逆にCD8+細胞の減少を示す。二次接触後の増殖反応の増加レベルは、この反応におけるエフェクターであったCD4+細胞に起因した。メカニズムを提案する、多くの理論が提示され、それによってPRRSVは、T細胞サブセットの集団を変更し得る。他のウイルス感染と類似して、おそらく同時のCD8+刺激による、CD4+T細胞死亡の可能性、又はウイルスが、T細胞の胸腺内分化のレベルとして機能し得る可能性を生み出した(Drew T.W. (2000). Veterinary Research 31, 27-39)。Shimizu (Shimizu M., et al., (1996). Veterinary IrrrnrunologicalImrrrunopathology 50, 19-27)は、CD8+細胞増殖の原因が、PRRSV感染の結果として誘発されると提案した。PRRSV ORF 5領域は、トランスフェクトされた細胞に対するアポトーシスの有効性を有するいう発見に基づいた(Suarez P., et al., (1996). J Virology 70, 2876-2882)。 PRRSVは、その宿主において免疫抑制を引き起こし得る。CD8+細胞傷害性T細胞の減少が、PRRSVのORF 5領域のアポトーシスの能力に関連するか否かは不確かであった。アポトーシスは、免疫系が正常に機能する際の重要なプロセスである。したがって、標的細胞に対する有害なCD8+T細胞の細胞傷害性の効果は、アポトーシスによって、すべて媒介される。マウス及びブタにおける免疫化の後の、T細胞集団における反応の差は、異なる宿主の間の相同性ウイルスの病原性に差異があることを示した。 他の種などのブタは、末梢血及び二次リンパ器官において典型的なCD4+CD8+及びCD4+CD8+Tリンパ球を有している。これらの細胞は、ヘルパー及び細胞溶解性機能を有すると示される。しかしながら、ヒト及びマウスと異なり、ブタはまた、際立った(prominent)CD4/CD8二重(double)陽性の(DP)リンパ球集団も有し、それは、小さな休止Tリンパ球の循環するプールの8%と64%の間を含む (Zuckennann F.A-(1999). Veterinary Immunology and Immunopathology 72, 55-66)。ブタの末梢血中のこのリンパ球サブセットの相対的な比率及び絶対数は、年齢とともに徐々に増加する。この細胞集団は、成熟したCD4又はCD8の単一の陽性T細胞との直接の関係がない独立した細胞系統を表わす。しかしながら、二重のDP細胞は、事前の感作によってCD8抗原を得た、メモリーCD4+Tヘルパーリンパ球を表わし得、それを小リンパ球への転換後に保持した。これらの細胞は、B細胞が抗体をもたらすのを支援することができる。また、年を取ったブタにおけるDP細胞の優位性のために、CD4及びCD8の共同発現によって、防護免疫において主要な役割を果たすこれらが、微量抗原の認識に有利であり得る可能性がある。 本実施例は、PRRSVのプラスミドでコード化したGP5によるDNA免疫が、マウス及びその自然宿主において、体液性及び細胞媒介性免疫の両方を発達させることができることを示す。それ故、ORF 5は、この領域性PRRSVに対する組み換え型タイプのワクチンに対するよい候補であり得るようである。しかしながら、北米及びヨーロッパの菌株(Mardassi H., et al., (1995). Archives of Vriology 140, 1405-1418)間で最近報告された、ORF 5遺伝子のゲノムの変異性は、これらの変異性が本発明のワクチンの産生のための防護に関係する抗原決定基の点から有意的であると評価され得ることを示す。 DNA免疫は、ウイルスのチャレンジ後に、気道においてウイルス持続及びウイルス排出を阻害するのには十分でない(Pirzadeh B. and Dea S. (1998). J General Virology 79, 989-999)。また、粘膜免疫は、PRRSV感染、ウイルス持続及びウイルス排出に対する防護において役割を果たすと考えられることがわかり、そのため、PRRSVに対する免疫のこの態様が評価された。したがって、PRRSに対する多価のDNAワクチン及び別のPRRSV抗原、ORF 5の下での関係する血清検査を開発する試みを行ったが、予備的な体液性免疫反応を得た。最近、伝染性のクローンが生成され(Meulenberg J.J,M., el al., (1998). J Virology. 72, 380-387)、標識を導入するか、または毒性を低減し、このウイルスのために安全で有効な標識ワクチンを開発するために、これは、特定部位で突然変異を起こし得ると予期される。<実施例10>2つの病原体に対する二価ワクチンの実証 本実施例は、2つの病原体に対する有効性を有する二価のワクチンの構造を記載する。当業者によって理解されるであろうように、本発明の二価又は多価のワクチンは、本開示の観点から、モデム分子クローニング技術を使用して、作り出され得る。 喉頭気管炎ウイルス(ILTV)は、ニワトリにおける重度の上部呼吸器疾患を引き起こすDNAヘルペスウイルスである。伝染性気管支炎ウイルス(IBV)は、コロナウイルス、一本鎖RNAウイルスのメンバーである。それらは、高度に種特異的であり、両方のウイルスは、制御下になければ、養鶏業において著しい経済的損失を引き起こす。本発明の1つの実施形態において、二価のウイルスを両方の疾患に対して作り出した。組み換え型ワクチンを、ILTVゲノムからTK遺伝子を消失させることによって、及び1BVゲノムからサブクローン化されたSI遺伝子を挿入することによって作り出した。ニワトリの胚腎臓細胞を、組み換え型のILTV-IBV構築物で形質転換することによって、組み換え型ウイルスを生成した。組み換え型ウイルスは、ITLV及びIBVによってチャレンジされた、ニワトリにおけるITLV及びIBVの両方に対する免疫を誘発することを示した。水及び/又は噴霧のワクチンを投与することは可能である。<引用>1. World Health Organization. Cumulative number of confirmed human cases of avian influenza A/(H5N1)(www.who.int/csr/disease/avian_influenza/country/cases_table_2008_06_19/en/index.html).2. Bresson JL, Perronne C, Launay O, et al. Safety and immunogenicity of an inactivated split-virion influenza A/Vietnam/1194/2004 (H5N1) vaccine: phase I randomised trial. Lancet 2006; 367:1657-64. 3. Lin J, Zhang J, Dong X, et al. Safety and immunogenicity of an inactivated adjuvanted whole-virion influenza A (H5N1) vaccine: a phase I randomised controlled trial. Lancet 2006; 368:991-7. 4. Treanor JJ, Campbell JD, Zangwill KM, Rowe T, Wolff M. Safety and immunogenicity of an inactivated subvirion influenza A (H5N1) vaccine. N Engl J Med 2006; 354:1343-51. 5. Treanor JJ, Wilkinson BE, Masseoud F, Hu-Primmer J, Battaglia R, O'Brien D, et al. Safety and immunogenicity of a recombinant hemagglutinin vaccine for H5 influenza in humans. Vaccine2001;19(13−14):1732−7.6. Kodihalli S, Goto H, Kobasa DL, Krauss S, Kawaoka Y, Webster RG. 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Sci. 2003; 100: 2718-2723. 抗原を発現する遺伝子組み換え型の細菌または植物を含む、被験体において抗原への免疫反応を引き起こすための組成物。 前記細菌が、マイクロカプセルへと調剤されることを特徴とする請求項1記載の組成物。 前記植物が、食用に適した植物、全植物体の形態、植物の一部または植物抽出物であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 前記植物が、アラビドプシスであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 前記抗原が、細菌抗原またはウイルス抗原であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 前記細菌が、前記抗原を発現するDNAと複合化されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 前記細菌が、ラクトコッカス属であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 前記抗原が、鳥インフルエンザウイルスH5N1の赤血球凝集素であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 前記抗原が、粘膜細胞膜の表面上のグリコシル化された分子を結合することができることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 前記抗原が、キメラタンパク質であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 被験体において抗原への免疫反応を引き起こす方法であって、前記方法は、前記被験体に請求項1に記載の組成物を投与する工程を含むことを特徴とする方法。 前記免疫反応が、体液性免疫反応、粘膜性免疫反応または防護免疫反応であることを特徴とする請求項11に記載の方法。 前記組成物が経口で投与されることを特徴とする請求項11に記載の方法。 被験体において免疫反応を引き起こすための医薬として使用するための請求項1に記載の組成物。 被験体において免疫反応を引き起こすための医薬を調製するための請求項1に記載の組成物の使用。 本発明の抗病原体ワクチンは、組み換え細菌及び/又は形質転換植物において産生され、その後、標準のワクチン導入方法を介して、または経口投与を介して投与される。病原体の抗原の発現のために、コード化されるDNA配列が単離され、細菌または形質転換植物において表面抗原の産生を調節することができるプロモーターに結合される。好ましくは、外来遺伝子は、植物または細菌の一部に発現し、および抗原を発現する植物または細菌の全部または一部が、ワクチン投与に使用される。好ましい手順において、ワクチンは、食物として食用に適した植物の消費を介して投与され、または細菌は、経口投与される。本発明は、また、経口ワクチンとして、食用に適する、および/又は、乳酸連鎖球菌株を含む乳酸菌のような摂取されたとき動物又はヒトに害がないと一般的に認識されている遺伝子組み換え微生物を使用する方法を提供する。1つの実施形態において、鳥インフルエンザHA遺伝子を発現する乳酸連鎖球菌遺伝子は、H5N1ウイルス感染からの防護のための経口ワクチンとして使用することができる。【選択図】 図1


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