タイトル: | 公開特許公報(A)_良質なホップの苦味と香りを有するビール風味アルコール飲料 |
出願番号: | 2012282468 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C12C 3/00,C12C 7/00 |
村 上 敦 司 目 瀬 友一朗 川 崎 由美子 古 川 淳 一 土 屋 友 理 JP 2014124125 公開特許公報(A) 20140707 2012282468 20121226 良質なホップの苦味と香りを有するビール風味アルコール飲料 麒麟麦酒株式会社 307027577 勝沼 宏仁 100117787 中村 行孝 100091487 横田 修孝 100107342 反町 洋 100126099 村 上 敦 司 目 瀬 友一朗 川 崎 由美子 古 川 淳 一 土 屋 友 理 C12C 3/00 20060101AFI20140610BHJP C12C 7/00 20060101ALI20140610BHJP JPC12C3/00C12C9/02 5 OL 12発明の背景技術分野 本発明は、ホップの苦味と香りが改良されたビール風味アルコール飲料に関する。背景技術 ビール、発泡酒および雑酒の主原料の一つであるホップは、ビールに独特の芳香と苦味を付与するものである。近年では、特にホップ香味に着目し、その特徴的な香りや苦味を強調したビール類製品が市販されている。 ビール類の製造工程において、ホップは麦汁煮沸時に添加されることが一般的である。「ケトルホッピング製法」および「レイトホッピング製法」と呼ばれる製法がこれに該当する。また、ホップ香気を強調するための製法として、「ドライホッピング製法」として知られる、低温の若ビールにホップを添加する方法もある。このドライホッピング製法により製造されたビールは、ホップの香味が極端に強調されている一方で、ケトルホッピング製法により製造されたビールに比べて、香味は刺激感が強くかつ粗い官能評価上の印象を与えており、一部飲み難さに繋がっている。 ビールの苦味の本体であるイソα酸の前駆体にあたるα酸は、ホップ中のルプリン粒中に存在する。そのため、篩分けなどによって全重量中に占めるルプリン粒の比率を高めて濃縮したペレットが市販されており、このペレットは「タイプ45ペレット」と呼ばれている。Hops and Hop Products(ISBN 3-418-00758-9)(非特許文献1)によると、タイプ45ペレットを使用することによって、主にホップロット毎のα酸含有量のバラつきを補正することや、移送コストの削減というメリットが得られる旨が記載されているものの、ホップ形態とその添加方法による香味特徴に関わるような、タイプ45ペレットの香味についての言及はなされていない。 その他、ビール様飲料の苦味と香りのバランスを制御または調整する技術として、ホップの香気成分やホップ抽出成分を添加用組成物として外部から添加して香味を改善若しくは増強する方法(特許文献1:特開2012−34659号公報;特許文献2:国際公開第2009/050905号パンフレット;特許文献3:特開2005−519971号公報;特許文献4:特開2004−502413号公報;特許文献5:特開平9−163969号公報;特許文献6:特開平6−240288号公報;特許文献7:特開昭60−83574号公報)、ホップの煮沸プロセスを改良して苦味の質を制御または調整する方法(特許文献8:特開2011−139671号公報)、ホップの使用を止めることで苦味を調整する方法(特許文献9:特開2010−148371号公報)、予め処理を施したホップを使用することで香味を調整する方法(特許文献10:特開2008−263838号公報;特許文献11:特開2008−212041号公報;特許文献12:特開2004−081113号公報)、ホップ代替原料を使用して苦味を付与する方法(特許文献13:特開2002−171958号公報;特許文献14:特開2001−029060号公報)等がある。しかし、予めルプリン部分とその他の部分とに分離したホップを原料として使用し、これらの配合量を適切な範囲に調整することで、まろやかな苦味を付与し、かつ好ましい香気が強調されたビール様飲料の製法は報告されていない。 特開2011−125291号公報(特許文献15)では、非ルプリン画分と、ルプリン画分および/またはホップとを組み合わせて使用することで、発酵アルコール飲料の製造における麦汁静置時濁度の低下および/またはトリューブの形成を改善する方法が提示されている。しかし、この文献は、麦汁静置工程における非ルプリン画分を使用したときの麦汁清澄化を目的としており、ルプリン画分の比率を高めたときの香味については一切言及されていない。 特開2009−77671号公報(特許文献16)では、ホップから水抽出した残渣を使用することで、雑味渋味成分を除去し、香味を改善する方法が提示されている。しかし、ホップを加工する段階で雑味渋味成分を除去することに関しては一切検討されていない。また、この文献の方法では、水抽出によって渋味と共にホップ中の香り成分が相当量に失われてしまい、渋味の除去と香りの付与を同時に行うことはできない。特開2012−34659号公報国際公開第2009/050905号パンフレット特開2005−519971号公報特開2004−502413号公報特開平9−163969号公報特開平6−240288号公報特開昭60−83574号公報特開2011−139671号公報特開2010−148371号公報特開2008−263838号公報特開2008−212041号公報特開2004−081113号公報特開2002−171958号公報特開2001−029060号公報特開2011−125291号公報特開2009−77671号公報Hops and Hop Products(ISBN 3-418-00758-9) 発明者らは、ホップ中のルプリン画分またはルプリン画分を豊富に含むホップ調製物を原料として使用することにより、ドライホッピング製法のようなホップの香味を強調しつつ、かつドライホッピング製法にあるような渋味や後苦味が少ないビール風味アルコール飲料が得られることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。 従って、本発明の目的は、渋味や後苦味が少なく、まろやかな苦味が付与され、かつ好ましいホップ香気が強調されたビール風味アルコール飲料を提供することにある。 本発明は、以下の発明を包含する:(1)ホップ調製物を原料とするビール風味アルコール飲料であって、該ホップ調製物がルプリン画分を豊富に含むものである、ビール風味アルコール飲料;(2)ルプリン画分を豊富に含むホップ調製物が、該ホップ調製物に含まれるα酸の濃度が元のホップと比較して1.5倍以上となるように、ルプリン画分の含有量を増加させたホップ材料である、前記(1)のビール風味アルコール飲料;(3)ホップ調製物が、ビール風味アルコール飲料の製造において、その製造方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了し、加熱された原料混合物が冷却された後に、その原料混合物に添加される、前記(1)または(2)のビール風味アルコール飲料;(4)リナロールの含量が21ppb以上である、前記(1)〜(3)のいずれかのビール風味アルコール飲料;(5)ビール風味アルコール飲料を製造する方法であって、ルプリン画分を豊富に含むホップ調製物を原料として用いる、方法。 本発明によれば、渋味や後苦味が少なく、まろやかな苦味が付与され、かつ好ましいホップ香気が強調されたビール風味アルコール飲料が提供される。発明の具体的説明 本発明において「ビール風味アルコール飲料」とは、炭素源、窒素源、および水などを原料として酵母により発酵させた飲料であって、ビール風味を有するアルコール飲料を意味する。「ビール風味アルコール飲料」としては、原料として麦または麦芽を使用しないビール風味発酵飲料(例えば、酒税法上、「その他の醸造酒(発泡性)(1)」に分類される飲料)や、原料として麦芽を使用するビール、発泡酒、リキュール(例えば、酒税法上、「リキュール(発泡性)(1)」に分類される飲料)が挙げられる。 本発明では、上記のビール風味アルコール飲料の製造において、ルプリン画分を豊富に含むホップ調製物が原料として用いられる。 本発明において「ルプリン画分」とは、ホップから得られる画分のうち、完全体のホップよりもルプリン粒を多く含む画分を意味する。ルプリン画分は、当業者であれば適宜分画することができ、例えば、ホップ毬花を破砕し、篩で選別することによって得ることができる。 本発明において、ルプリン画分を豊富に含むホップ調製物は、ホップを原料として、ルプリン画分の含有量を増加させることによって得られる調製物である。このような調製物は、例えば、−20℃〜−35℃の条件下で粉砕したホップを、0.15〜0.5mmの篩によって分画することにより調製することができ、この場合、篩を通った画分が目的のホップ調製物となる。ホップ調製物中に含まれるルプリン粒の濃度は、篩の目開きを調節することによって調整することができる。あるいは、一旦分画した後、篩を通った画分に、篩を通らなかった画分の一部を添加することにより、ルプリン粒の濃度を下げることもできる。また、ルプリン粒の濃度を下げるために、篩を通らなかった画分に代えて、全ホップまたはその粉砕物を添加することもできる。 ホップ調製物におけるルプリン粒の濃度は、α酸の濃度を指標として表すことができる。ホップ調製物中のα酸濃度の分析は、EBC(Europian Brewery Convenyion)法(ANALYTICA-EBC)に従って行うことができる。本発明の好ましい実施態様によれば、本発明に用いられるホップ調製物におけるα酸の濃度は、元の全ホップと比較して1.5倍以上、より好ましくは2.0倍以上、さらに好ましくは2.0倍を超える濃度、さらに好ましくは2.4倍以上とされる。また、この倍率の上限は特に無いが、例えば5.0倍、好ましくは4.0倍、さらに好ましくは3.0倍とされる。 ホップ調製物の製造に用いられるホップ(Humulus lupulus L.)は、クワ科に属する多年生植物である。ホップの種類は多く、例えば、ブリオン(Bullion)、ブリューワーズゴールド(Brewers Gold)、カスケード(Cascade)、チヌーク(Chinook)、クラスター(Cluster)、イーストケントゴールディング(East Kent Golding)、ファグルス(Fuggles)、ハレトウ(Hallertau)、マウントフッド(Mount Hood)、ノーザンブリューワー(Northan Brewer)、ペーレ(Perle)、ザーツ(Saaz)、スティリアン(Styrian)、テットナンガー(Tettnanger)、ウィラメット(Willamette)、ヘルスブルッカー(Hersbrucker)等が挙げられる。 本発明に用いられるホップとしては、上記のいずれの品種も好ましく用いることができる。また、これらのホップ品種は、2種以上を混合して用いてもよい。本発明の好ましい実施態様によれば、ホップは、ヘルスブルッカー種、ハラタウトラディッション種またはチョコザーツ種のものとされる。 本発明では、上述のホップ調製物は、限定されるものではないが、ビール風味アルコール飲料の製造において、その製造方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了し、加熱された原料混合物が冷却された後に、その原料混合物に添加することができる。ここで用いる「加熱操作」との用語は、自然な温度変化ではなく、加熱することを目的とした人為的な操作を意味するものであり、例えば、発酵工程における酵母の生理作用による発熱などは含まない。よって、例えば、上記の加熱操作を伴う工程には、煮沸工程は含まれるが、発酵工程は含まれない。また、「加熱された原料混合物が冷却された後」とは、加熱された原料混合物(例えば麦汁)が、放置されるか、あるいは積極的な冷却手段に供され、酵母による発酵工程の温度またはそれ以下の温度まで冷却された後を意味する。 本発明の好ましい実施態様によれば、ビール風味アルコール飲料の製造は、原料液(例えば麦汁)の煮沸工程、静置工程、冷却工程および発酵工程を含んでなる。この実施態様では、上述のホップ調製物は、冷却工程の後に添加されることが好ましく、さらに好ましくは、冷却工程の後、かつ、発酵工程の前に添加される。 ホップ調製物の添加量は、良好なホップ香を有するビール風味アルコール飲料が得られるように調整すればよく、特に制限されない。得られた飲料が良好なホップ香を有するか否かは、ホップの芳香成分を定量することにより客観的に判定することができる。このような芳香成分としては、例えば、リナロールが好適に用いられる。本発明の好ましい実施態様によれば、本発明によるビール風味アルコール飲料中のリナロールの含量は、21ppb以上、より好ましくは30ppb以上、さらに好ましくは31ppb以上とされる。また、リナロール含量の上限は特に無いが、例えば500ppb、好ましくは400ppb、さらに好ましくは300ppbとされる。 本発明によるビール風味アルコール飲料中の上記香気成分の含有量は、質量分析計付きガスクロマトグラフィー(GC/MS)により測定することができる。このGC/MS分析は、具体的には、次のように実施することができる。まず、ビール風味アルコール飲料中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、ジクロロメタン溶出画分を分析用試料として用いる。定量は内部標準法によって行い、内部標準物質にはボルネオール(Borneol)を用い、分析用試料中25ppbになるよう添加する。GC/MSにおけるホップ香気成分の分析条件は、後記実施例に記載の表3に従うことができる。 本発明による飲料の製造は、上記のホップ調製物を使用すること以外については、ビール風味アルコール飲料の公知の製法に準じて実施することができる。例えば、ビール風味アルコール飲料は、少なくとも水、および麦、麦芽、液糖等から調製された発酵前液を発酵させることにより製造することができる。すなわち、発酵前液(仕込液)に発酵用ビール酵母を添加して発酵を行い、得られた発酵液(酒下し液)を、所望により低温にて貯蔵した後、ろ過工程により酵母を除去することにより、ビール風味アルコール飲料を製造することができる。 本発明では、ルプリン画分の使用によって、香りの強度に対して渋みや雑味を低減することが可能であるが、ある程度の渋みや雑味を付与するために、適宜分画していない全ホップを併用してもよい。 本発明によるビール風味アルコール飲料の製造においては、必要に応じて、香料、色素、起泡・泡持ち向上剤、水質調整剤、発酵助成剤等のその他の添加物を添加することができる。 本発明によるビール風味アルコール飲料は、渋味雑味が少なく爽快なホップ香が強調されたものとなる。また、本発明は、ビールテイストノンアルコール飲料にも適用することができる。実施例1:渋味を低減し得るホップ加工方法の検討 試験に用いた貯酒サンプルは、1.5Lスケールの装置を用いて作製した。糖度を12°Pに調整した仕込麦汁(仕込時の麦芽使用比率60%、液糖使用比率40%)を煮沸試験に用いた。電気ヒーターで麦汁を加温煮沸し、ホップを加えずに煮沸強度一定で60分間、蒸発率が6.7%となるようにコントロールし、煮沸終了後、蒸発量と同量の水をサンプルに追加した上で、ろ紙ろ過を行い、ろ液を氷冷した。冷却麦汁にビール酵母を添加し、7日間主発酵させた。主発酵終了後、4日間10℃で後発酵を行ったサンプルを試飲および分析用貯酒サンプルとした。 ホップの添加条件はサンプルによって異なり、以下の表2の記載に従って麦汁冷却後酵母添加前または主発酵終了時に添加した。 ルプリン画分は、ホップ毬花を−30℃の条件下で粉砕し、0.15mmの篩を使用して、篩を通った画分をルプリン画分とした。また、ルプリン画分を豊富に含む調製物は、分画によって生じた残渣分を使用し、一定の比率でルプリン画分に混合させ、分画前のα酸濃度に対して表2に記載の倍率になるよう混合比を調節することで得た。ホップ中α酸濃度は、EBC(Europian Brewery Convenyion)法(ANALYTICA-EBC)に従って測定した。 得られた各サンプルについて、訓練された4人のパネラーにより、渋味・収斂味およびホップ香の官能評価を行い、それぞれの項目について強、中および弱で評価した。また、これらの結果から、以下の表1に記載の基準で全体評価を行った。 各サンプルについて、ホップの使用量、添加のタイミングおよび官能評価の結果を表2に示す。 以上のように、強いホップ香気が確認され、かつ渋味の大幅に低減されたホップ香味は、全ホップのα酸濃度に対して約1.5倍以上になるよう、ルプリン画分の濃度を高めた試験区#3、#4、#5、#8、#9および#10で認められた。従って、ホップ添加において、ルプリン画分の濃度を所定の濃度より高めることにより、強いホップ香気と渋味の大幅な低減が同時に達成できることがわかった。また、麦汁冷却後酵母添加前及び主発酵終了時のいずれにおいても、全体評価は同じ傾向を示した。実施例2:渋み低減効果とホップ香の強度を維持する適切な条件の検討 実施例1で、ホップにおけるルプリン画分の比率が渋味の低減に大きく寄与することが明らかになった。そこで、次に、渋味を低減しつつ、ホップ香の強度を維持する適切な添加条件を検討するため、品種と添加量を検討した。 試験に用いた貯酒サンプルは、1.5Lスケールの装置を用いて作製した。糖度を12°Pに調整した仕込麦汁(仕込時の麦芽使用比率60%、液糖使用比率40%)を煮沸試験に用いた。電気ヒーターで麦汁を加温煮沸し、ホップを加えずに煮沸強度一定で60分間、蒸発率が6.7%となるようにコントロールし、煮沸終了後、蒸発量と同量の水をサンプルに追加した上で、ろ紙ろ過を行い、ろ液を氷冷した。冷却麦汁にビール酵母を添加し、7日間主発酵させた。主発酵終了後、表3に示す水準でドイツ産ヘルスブルッカー種(独Steiner社より購入)の全ホップ、および実施例1に記載の方法によって調整したルプリン画分を添加し、4日間10℃で後発酵を行ったサンプルを試飲および分析用貯酒サンプルとした。 得られた各サンプルについて、訓練された4人のパネラーにより、渋味・収斂味およびホップ香の官能評価を行い、それぞれの項目について強、中および弱で評価した。また、これらの結果から、表1に記載の基準で全体評価を行った。 さらに、以下の手順により、サンプル中のリナロール濃度を測定した。まず、サンプル中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、ジクロロメタン溶出画分をGC/MSに供した。定量は内部標準法を用いた。内部標準物質にはボルネオール(Borneol)を用い、試料中25ppbになるよう添加した。GC/MSにおけるリナロールの分析条件は以下のとおりである。 各サンプルについて、ルプリン画分またはホップの添加量、リナロール濃度および官能評価の結果を表4に示す。 以上の結果から、ホップ由来の香気成分であるリナロールが21以上(好ましくは31以上)であり、かつルプリン画分を使用したサンプルが、ホップ香気が強調され、かつ渋味の少ない特徴を有することがわかった。実施例3:他品種のホップを用いたときの効果の検証 実施例1および2で示した結果が、他の品種のホップにおいても共通に当てはまるかどうかを検討した。 試験に用いた貯酒サンプルは、200Lスケールの試験醸造設備を用いて作製した。糖度を15°Pに調整した仕込麦汁(仕込時の麦芽使用比率60%、液糖使用比率40%)を煮沸試験に用いた。麦汁煮沸工程ではホップを加えず、煮沸終了後、10℃に冷却した。冷却麦汁にビール酵母を添加し、11℃で7日間主発酵させた。主発酵終了後、表5に示す水準でドイツ産ヘルスブルッカー種、ハラタウトラディッション種またはチェコザーツ種(独Steiner社より購入)の全ホップ、および実施例1の方法によって調整したルプリン画分を添加し、5日間10℃で後発酵を行った後、0℃での低温貯蔵を10日間行い、オリジナルエキス14°Pとなるようにガス水希釈を行いながら濾過、壜詰した。いずれの品種においても、実施例1および2と同様、分画前のα酸濃度に対して約1.5倍以上になるよう、ルプリン画分の濃度を高めたものを用い、麦汁冷却後酵母添加前に添加した。その結果を表5に示す。 表5によれば、いずれの品種においても、実施例1および2と同様、分画前のα酸濃度に対して約1.5倍以上になるようルプリン画分の濃度を高めたものを用い、麦汁冷却後酵母添加前に添加し、かつリナロールが高濃度(好ましくは30ppb以上)であれば、良好な結果が得られることを確認した。 ホップ調製物を原料とするビール風味アルコール飲料であって、該ホップ調製物がルプリン画分を豊富に含むものである、ビール風味アルコール飲料。 ルプリン画分を豊富に含むホップ調製物が、該ホップ調製物に含まれるα酸の濃度が元のホップと比較して1.5倍以上となるように、ルプリン画分の含有量を増加させたホップ材料である、請求項1に記載のビール風味アルコール飲料。 ホップ調製物が、ビール風味アルコール飲料の製造において、その製造方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了し、加熱された原料混合物が冷却された後に、その原料混合物に添加される、請求項1または2に記載のビール風味アルコール飲料。 リナロールの含量が21ppb以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビール風味アルコール飲料。 ビール風味アルコール飲料を製造する方法であって、ルプリン画分を豊富に含むホップ調製物を原料として用いる、方法。 【課題】渋味や後苦味が少なく、まろやかな苦味が付与され、かつ好ましいホップ香気が強調されたビール風味アルコール飲料の提供。【解決手段】ホップ調製物を原料とするビール風味アルコール飲料であって、該ホップ調製物がルプリン画分を豊富に含むものである、ビール風味アルコール飲料。【選択図】なし