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タイトル:公開特許公報(A)_熱伝導率測定装置及び測定方法
出願番号:2012279591
年次:2014
IPC分類:G01N 25/18


特許情報キャッシュ

小笠原 俊夫 青木 卓哉 小谷 政規 JP 2014122843 公開特許公報(A) 20140703 2012279591 20121221 熱伝導率測定装置及び測定方法 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 503361400 大城 重信 100092200 山田 益男 100110515 藤本 信男 100153497 小笠原 俊夫 青木 卓哉 小谷 政規 G01N 25/18 20060101AFI20140606BHJP JPG01N25/18 H 6 1 OL 15 2G040 2G040AB08 2G040AB09 2G040BA27 2G040CA02 2G040CA22 2G040CB03 2G040CB09 2G040DA03 2G040DA13 2G040EA06 本発明は、室温乃至高温における各種環境下での固体の熱伝導率、特に低熱伝導率を有する固体材料や多孔質材料の熱伝導率を、簡易な手段で短時間に精度良く測定するための熱伝導率測定装置及び熱伝導率測定方法に関する。 固体の熱伝導率を測定する方法については、これまでに多くの手法が提案されており、また、日本工業規格(JIS)、米国材料試験協会規格(ASTM)、ヨーロッパ標準化委員会規格(CEN)をはじめとする各国の試験規格や国際規格(ISO)が制定されている。 低熱伝導率を有する断熱材や多孔質材料の熱伝導率測定方法としては、ASTM C-177, JIS A1412-1, ISO 8302等で規定されている保護熱板法(GHP(Guarded Hot Plate)法)、ASTM E1225, JIS A1412-2, ISO 8301等で規定されている熱流計法(HFM(Heat Flow Meterapparatus)法)がある。これらの方法では、複数の加熱板間に試料を挟み込み、定常熱伝導状態とした後、熱板間での熱の収支から試料の熱伝導率を測定する。この方法は、熱伝導率の定義に基づいた手法であり、低熱伝導率の材料を対象とした場合でも精度の良い測定が可能である。 更にはこれらの方法を基礎としながら、更に精度が高い測定が可能な方法として、周期加熱法を併用した方法(特許文献1)、加熱源と冷却源を具備した測定方法(特許文献2)、試料の温度を簡易かつ高精度に制御可能な方法(特許文献3)が知られている。更には、定常法をもとに作業性を改善した手法として試料片面加熱法も知られている。さらに、ヒータによって試料の片面から加熱し、非加熱面から適切な隙間を介して設置された熱流計測板を用いて熱伝導率を測定する方法(特許文献4)、真空中において試料の片面から加熱し、非加熱面における熱放射によって平衡状態となることを利用した熱伝導率の測定方法(特許文献5)が知られている。 しかしながら、前記の保護熱板法、熱流計法、周期加熱法、試料片面加熱法などは、特に高い温度域での熱伝導率の測定にあたって、一温度水準あたり少なくとも数時間を要するため、計測時間に24〜48時間という長時間を要し、試験効率という観点からは必ずしも良好な方法ではない。また保護熱板法、熱流計法、周期加熱法などいずれの方法も測定には高度な経験と技能が要求されると共に、計測装置が高額であるという課題もある。 これに対して、短時間で熱伝導率を測定する方法として、JIS-R1611、JIS-R1667で規格化されているレーザーフラッシュ法がある。この方法では試料表面をレーザーによってパルス加熱し、その際の試料裏面における温度応答特性から熱拡散率を測定する。レーザーフラッシュ法で測定されるのは熱拡散率であり、同時にもしくは別に測定された比熱の測定結果から、間接的に熱伝導率を得ることができる。この方法は高温での測定が容易なこと、測定時間が短く、比較的簡単であることなどから、幅広く利用されている。しかしながらレーザーフラッシュ法は、非定常の温度応答を利用して熱拡散率を測定する手法であるため、熱伝導率が小さい材料では試料背面での温度応答が鈍感になり、結果として測定誤差が増大するという問題がある。そのため、1W/mK以下の低熱伝導率を有する断熱材や、多孔質材料の熱伝導率測定に適用することは困難である。特許第4083127号公報特許第3315368号公報特開2011−102768号公報特開平2−176455号公報特開平3−237345号公報 本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであって、特に低熱伝導率を有する固体材料に対しても、測定時間を大幅に短縮することを解決すべき技術的課題とし、大気中・真空中・ガス雰囲気中などの各環境下における室温から高温までの熱伝導率を、簡便かつ短時間で測定することが可能な熱伝導率測定装置及び測定方法を提供することを目的とするものである。 上記課題を解決する請求項1に記載の熱伝導率測定装置は、室温乃至高温における固体の平板状試料の熱伝導率を測定する装置であって、ランプやレーザなどを光源とする赤外線加熱源と、前記平板状試料の表裏の温度を測定するための温度センサーと、熱流束センサーとから構成され、前記赤外線加熱源は前記平板状試料の加熱面側に設置され、前記熱流束センサーは前記平板状試料の非加熱面側に設置され、前記赤外線加熱源、前記平板状試料および前記熱流束センサーが互いに接触せず直列に設置されており、赤外線により前記平板状試料の一面を加熱し、該平板状試料の表裏温度と、非加熱面側で測定された熱流束値から熱伝導率を測定することを特徴とするものである。 請求項2に記載の熱伝導率測定装置は、請求項1に記載の発明において、前記赤外線加熱源と前記平板状試料との間に、該平板状試料の平面投影寸法と同じもしくはそれ以上の寸法を有し、かつ熱伝導率が10W/(mK)以上である材料で作られた均熱板が設置されていることを特徴とするものである。 また、請求項3に記載の熱伝導率測定装置は、請求項2に記載の発明において、前記赤外線加熱源を除く、前記均熱板、前記平板状試料、前記温度センサー、前記熱流束センサーが密封可能な環境槽内に設置されており、かつ該環境槽は赤外線を該環境槽内に導入するための赤外線透過窓を有し、該環境槽内を大気、減圧、制御減圧、雰囲気ガスなどの各種の雰囲気に設定することが可能であることを特徴とするものである。 請求項4に記載の熱伝導率測定装置は、請求項1〜3何れかに記載の発明において、前記平板状試料の側面にヒータを配することによって試料温度を制御するとともに、試料の面内方向への熱の流れを抑制することを特徴とするものである。 請求項5に記載の熱伝導率測定装置は、請求項1〜3何れかに記載の発明において、前記温度センサーが溶接もしくは接着されており、かつ厚さを除く形状が前記平板状試料と同じである温度測定板が、前記平板状試料の表裏に設置されていることを特徴とするものである。 請求項6に記載の熱伝導測定方法は、請求項1〜5何れか記載の熱伝導率測定装置を用いて室温乃至高温における固体の平板状試料の熱伝導率を測定する方法であって、前記平板状試料の平面全面に赤外線を照射して試料表面における熱流束値分布を15%以内に制御して加熱し、該平板状試料の中央部表面及び中央部裏面の温度を測定すると共に、非加熱面側で前記平板状試料面積の1/4以下の中央部を検出エリアとして、熱流束センサーで熱流束値を測定することを特徴とするものである。 本願の請求項1の発明に係る熱伝導率測定装置によれば、室温から1000℃以上の高温における真空、大気中、各種ガスなど各種環境下における固体の熱伝導率を、従来の定常熱伝導測定方法と比較して著しく短い時間で、精度良く測定することが可能となる。特に、従来長時間を要していた1W/mK以下の低熱伝導率を有する断熱材や多孔質材料の熱伝導率を短時間で測定することができる。 請求項2の発明によれば、請求項1に係る発明において、均熱板内での熱伝導により、ランプやレーザ等による試料表面での加熱率の均一性を著しく改善することが可能となり、多くの場合、試料表面での位置による加熱率の分布を±15%以内に制御できる。 また、請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明において、赤外線加熱源を除く他の構成部材は環境槽内に設置されているため、装置の構成材料などによる測定上限温度の制限が少なく、また測定環境としても大気、減圧、制御減圧、雰囲気ガスなどの各種の雰囲気に対応させることが可能である。 さらに、請求項4の発明によれば、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、試料の側面にヒータを配することによって試料温度を効果的に制御するとともに、試料の面内方向への熱の流れを抑制することが可能となる。 さらに、また請求項5の発明によれば、試料の表面に温度センサーを取付ける必要がないから、試料の表面に温度センサーを接着や溶接などの方法によって適切に取り付けることが困難な場合に有効である。 また、上記課題を解決する請求項6の熱伝導率測定方法によれば、試料表面の熱流束分布が15%以内となり均一度が高く、しかも試料面積の1/4以下の試料裏面中央部を熱流束測定エリアとして熱流束を測定するため、測定誤差を少なくすることができ、低熱伝導率の固体材料でも簡易な装置で短時間に比較的高精度で熱伝導率の測定が可能である。本発明の熱伝導測定装置の実施形態(第1実施例)を示す構成模式図である。実施例1及び実施例2における試料位置における熱流束の分布を示す線図である。図1の装置を用いて測定された実施例1における試料の表面温度及び熱流束の測定結果例を示すグラフである。本発明の熱伝導測定装置の他の実施形態(第2実施例)を示す構成模式図である。本発明の熱伝導測定装置のさらに他の実施形態(第3実施例)を示す構成模式図である。実施例3における試料表裏温度及び熱流束値の測定結果を示す線図である。本発明の熱伝導測定装置のさらに他の実施形態(第4実施例)を示す構成模式図である。 以下、本発明に係る熱伝導率測定装置の実施形態を図1に基づいて説明する。 本発明に係る熱伝導率測定装置は、室温乃至高温における固体の熱伝導率を測定する装置であって、ランプやレーザなどを光源とする赤外線加熱源1と、熱伝導率測定対象材料のサンプルである平板状試料4と、該平板状試料(以下、単に試料という。)の表裏の温度を測定するための温度センサー5、6と、試料の非加熱面側に設置された熱流束センサー7から構成され、赤外線加熱源1、平板状試料4および熱流束センサー7が互いに接触せず直列に設置されており、赤外線により前記試料の一面を加熱し、該試料の表裏温度と、非加熱面側で測定された熱流束値から熱伝導率を測定するようになっている。 本発明の基本原理は、まずランプやレーザ等を光源とする赤外線加熱源を用いて、試料の片面を加熱する。試料の加熱面と裏面の温度については温度センサーを用いて、また試料の裏面から放射される熱流束については熱流束センサーを用いて測定する。試料加熱時間が十分に長ければ系全体は定常状態に達する。定常状態に達した時の試料背面からの熱流束をq、試料加熱面温度をT1、裏面温度をT2、試料の厚さをhとすると、試料の熱伝導率λは次式で求めることができる。 λ=h/((T1−T2)/q) この方法では、定義に則った熱伝導率を測定することが可能であるが、試料の中心部分における熱伝導の一次元性が担保されていないと、測定精度は大きく低下する。そのため、前記平板状試料の平面全面に赤外線を照射して試料表面における熱流束値分布を15%以内に制御して加熱し、非加熱面側で前記平板状試料面積の1/4以下の中央部を検出エリアとして、熱流束センサーで熱流束値を測定することが望ましい。非加熱面側で平板状試料面積の1/4以下の中央部を検出エリアとするには、熱流束センサーの検出部面積を試料面積の1/4以下にすることによって実現できる。また平板状試料と熱流束センサーの距離は、円板状試料の場合には試料半径の1/5程度、正方形試料の場合には一片の長さの1/5程度よりも短くすることが望ましい。これよりも距離が長くなると、試料からの放射が一次元的でなくなるため、測定精度が低下することがある。 また、加熱源と試料との間に、後述する図4に示す実施形態のように、熱伝導率が10W/mK以上である材料で作られた均熱板9を設置することが望ましい。均熱板は、試料の寸法と同じか、もしくは試料寸法よりも大きくなければならない。一般に、ランプやレーザ等を光源とする赤外線は加熱率の空間分布を有しており、有限の寸法を有する試料に照射した場合、中心部と周囲では加熱率が異なる。このような加熱率の分布は、前述した熱伝導の一次元性を阻害する。そこで、加熱源と試料との間に熱伝導率が10W/mK以上である材料で作られた均熱板を配置すると、均熱板内での熱伝導により、ランプやレーザ等による試料表面での加熱率の均一性を著しく改善することが可能となる。この方法によって、多くの場合、試料表面での位置による加熱率の分布を±15%以内に制御できる。 さらに、赤外線加熱源を除く、均熱板、平板状試料、温度センサー、熱流束センサーが真空チャンバー等の密閉可能な環境槽内に設置し、かつ赤外線を環境槽内に導入するための合成石英等で形成された赤外線透過窓を有し、環境槽内を大気、減圧、制御減圧、雰囲気ガスなどの各種の雰囲気に設定することを可能にすることによって、各種雰囲気での試料の熱伝導率の測定が可能となる。すなわち、この方法は試料の加熱にランプやレーザ等を利用しているため、装置の構成材料などによる測定上限温度の制限が少なく、また測定環境としても大気、減圧、制御減圧、雰囲気ガスなどの各種の雰囲気に対応させることが可能である。 また、試料の側面にヒータを配することによって試料温度を制御するとともに、試料の面内方向への熱の流れを抑制することが可能となる。また、温度センサーがあらかじめ溶接もしくは接着されており、試料加熱面と同じ形状である温度測定板を試料の表裏に設置することで試料の温度測定を行うことによって、試料の表面に温度センサーを接着や溶接などの方法によって適切に取り付けることが困難な場合でも容易に温度測定が可能となる。 前記加熱光源としては、ハロゲンランプ、CO2レーザ、半導体レーザなど多くの手段があるが、具体的な方法については特定されない。また、均熱板の材料としては、耐熱性があり、かつ熱伝導率の高い材料であることが望ましく、例えば炭化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、グラファイト、炭素繊維/炭素複合材料、SiC繊維結合複合材料、鉄鋼材料、非鉄合金、ニッケル基合金などが好適に用いられるが、具体的な材料については限定されない。試料の表裏の温度を測定するための温度センサーとしては、熱電対、白金測温体、非接触型の放射温度計などのいずれも適用可能であり、限定されない。また、試料背面からの熱流束を測定する熱流束センサーについては、ガードンゲージ型、シュミットボエルター型、差動サーモパイル型等の熱流束センサーや、冷却水を一定流量で流した際の温度差を測定する熱バランスを利用した熱流束センサーなどが適用可能であるが、これらに限定されるものではない。温度センサーを予め取り付けた温度測定板としては、熱伝導率が既知である金属もしくはセラミックが望ましい。 対象とする試料としては、赤外線を透過しない材料が望ましいが、赤外線を透過する材料の場合には、試料厚さを調整したり、もしくは赤外線を透過しない材料の板を試料の上に置くことで適用可能である。 以下、この発明に関する熱伝導率測定装置の実施形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。(実施例1) 本発明における実施例を、図1を参照して説明する。本実施例の熱伝導率測定装置20は、ハロゲンランプを用いた赤外線光源1((株)サーモ理工IVF29P)、赤外線透過窓としてのサファイア製の窓2,環境槽としての真空チャンバー3、温度センサーとしての試料加熱面の温度を測定するためのクロメル・アルメル(K型)熱電対5,試料非加熱面の温度を測定するためのK型熱電対6、熱流束センサー7(MEDTHERM製32-50-4-200-18T)、試料4を固定するための試料台8から構成される。 ランプ光源から真空チャンバーに赤外線を導入するため、合成石英製の窓2が使用されている。試料台8は、図1に示すように、筒状に形成され、試料の外周部を係止保持できるように係止部を有している。該試料台8は耐熱性および断熱性が要求されることから、セラミック断熱材(イソウールボード1260)で製作した。試料位置における赤外線の照射直径は約φ100 mm、試料直径φ50mm、試料厚さ5mm、熱流束センサー直径φ10 mmとなっている。試料の表裏温度および熱流束センサーによる測定値は、データロガー(日置電機8421-50型)を介してパーソナルコンピュータにリアルタイムで記録した。試料表面への熱電対の固定については、JISR1802に準じてセラミック系接着剤(スミセラム)を用いて行った。 測定に先立って、ランプ出力が60%および70%における前記セラミック断熱材の試料加熱面における熱流束の分布を、均熱板がない場合と均熱板を設けた場合について測定した。測定は、まず熱流束センサーを試料の中央部下方位置に位置させて中央部熱流束を計測し、ついで熱流束センサーを試料の半径方向に動かして、それぞれの位置での熱流束値を測定した。測定結果を図2に示す。ここで横軸は中心からの距離であり、ゼロは試料中央となる。図中、aは実施例1の装置における赤外線光源のランプ出力が60%、a’は同じくランプ出力が70%の場合を示し、bは実施例2の装置における赤外線光源のランプ出力が60%、b’は同じくランプ出力が70%の場合を示ししている。該グラフから明らかなように、均熱板を設けた場合は熱流束分布の均一度が高く、均熱板を設けない場合は平均値に対して±20%であり、中央部が最も高く、試料の外縁部では約40%ほど低い。 図3は、この装置を用いて測定された大気中におけるセラミック断熱材(ニチアスRFボード16LD)のサンプル表裏温度および熱流束値の例である。図3に示すグラフでは、赤外線加熱源の出力を4段階に切り替え、それぞれの段階で定常状態になるように、加熱温度を制御している。それぞれの段階で、時間経過とともに試料温度および熱流束は一定の値に収束し、ほぼ定常熱伝導状態となっている。本実施例の場合、第1段階加熱では、試料の加熱を開始してから所定の温度に達し、さらに定常熱伝導状態となるまでに要する時間はわずか10〜15分ほどである。保護熱板法、熱流計法、周期加熱法などにおいて定常状態が達成するまでに早くとも1〜2時間を要するのに対して、極めて短時間での測定が可能である。定常状態となったときの試料表裏温度および熱流束値から、前記式を用いて熱伝導率を求めることができる。 表1に、実施例1の装置と後述する実施例2の装置により、測定試料として、部分安定化ジルコニア、アルミナ、およびセラミック断熱材(ニチアスRFボード16LD)の各熱伝導率を実測した結果とメーカから提供されているそれらの材料のカタログ値を対比して示す。メーカのカタログ値は、ジルコニアとアルミナについてはレーザーフラッシュ法、セラミック断熱材についてはGHP法によって測定された値である。メーカカタログ値と比較すると、実施例1による測定値は、±15%以内となっている。以上のように、本実施例によれば熱伝導率が1W/mK以下の低熱伝導率のセラミック断熱材であっても、従来の長時間を要する測定法によって測定したカタログ値と比較して精度は多少劣っているが、実用的に十分許容される範囲で極めて短時間に高温での熱伝導率の測定が可能である。(実施例2) 本発明における第2実施例に係る熱伝導率測定装置を図4に示す。当該実施例の熱伝導率測定装置30の基本的な構成は実施例1と同じであるが、赤外線光源1と試料4の間に、同軸線上に互いに間隔をおいて均熱板9を配している点が大きく異なっている。 本実施例における均熱板の材料は、炭化ケイ素焼結体であり、直径φ50、厚さ3mmである。炭化ケイ素の熱伝導率は、室温で約150W/(mK)、1000℃で約50W/(mK)と高いため、ここに照射された赤外線は均熱板の径方向に良く伝導し、結果として全体の温度がほぼ均一となる。そのため炭化ケイ素の背面(非加熱面)から試料に向けて均一な赤外線が放射される。これによって、試料の表面における熱流束の空間分布の均一性が大きく改善し、結果として測定精度が大きく向上する。 先の図2に、前記均熱板9を用いた場合のセラミック断熱材の試料加熱位置における熱流束の分布を、均熱板を用いてない場合と併せて示している。このグラフから明らかなように、試料と赤外線源の間に、均熱板(炭化ケイ素板)を置くことで、熱流束の分布が平均値に対して±5%以下に改善することが確認された。また、熱伝導率データが公開されている部分安定化ジルコニア、アルミナ、およびセラミック断熱材(ニチアスRFボード16LD)の測定結果を、表1にあわせて示す。本測定装置で得られた値は、文献値に対して±5%以内となっており、均熱板による精度向上が確認できる。 また、実施例2において、試料の直径をφ40、φ30、φ20、φ10と変化させた場合の熱伝導率の測定結果を表2に示す。試料の直径がφ20よりも小さくなると、測定誤差が急激に大きくなることがわかる。これは、熱流束センサーの測定エリア(φ10)に対して試料の寸法が小さく、試料背面からの熱流束測定の誤差が大きくなったためである。このことから熱流束センサーの検出部面積が試料面積の1/4以下であることが精度の良い測定を行うためには望ましい。(実施例3) 次に、本発明における第3の実施例を図5を参照して説明する。基本的な構成は実施例2と同じであるが、本実施例の熱伝導率測定装置40では、試料4の周囲に、ヒータ10が追加されている。ヒータ10を用いることによって、試料の面内方向への熱の流れを抑制することが可能となる。 図6に実施例3の装置による加熱面の温度測定例を示す。側面ヒータの配置によって、定常熱伝導状態となるまでの時間が短くなるため、測定に要する時間を大幅に短縮することができる。例えば、図3に示す実施例1と比較して、図6の場合には、測定時間は約1/4となっている。なお、ヒータの出力は段階ごとに制御している。(実施例4) 本発明における実施例を図7を参照して説明する。基本的な構成は実施例2と同じであるが、本実施例の熱伝導率測定装置50では試料4の表裏に、温度測定板11が追加されている。本実施例の温度測定板は、ステンレス板に深さ0.5mmの溝を掘り、この溝に外径0.5mmのK型シース熱電対を通して、部分的にスポット溶接したものを用いた。熱電対が露出している側を、試料に接するように温度測定板を配置した。 一部のセラミック断熱材等では、セラミック接着剤によって熱電対を表面に接着することが困難である材料もある。温度測定板を使用することによって、試料に温度センサーを接着することなく、熱伝導率を測定することが可能となる。この方法は、温度センサーを再使用できるため、この点でも有利である。 本発明による熱伝導率測定装置及び測定方法は、室温乃至高温における各種環境下、例えば大気中、各種ガス雰囲気中、あるいは真空中及び所定の圧力下における固体の熱伝導率を精度良く測定することができ、特に低熱伝導率を有する断熱材や多孔質材料の熱伝導率を短時間に、且つ正確に測定できるので、材料開発をはじめ種々の産業分野において利用可能が高い。 1 ハロゲンランプ 2 合成石英窓 3 真空チャンバー 4 試料 5 熱電対(試料加熱面用) 6 熱電対(試料背面用) 7 熱流束センサー 8 試料固定台 9 均熱板10 側面ヒータ11 温度測定板20、30、40、50 熱伝導率測定装置 室温乃至高温における固体の平板状試料の熱伝導率を測定する装置であって、ランプやレーザなどを光源とする赤外線加熱源と、前記平板状試料の表裏の温度を測定するための温度センサーと、熱流束センサーとから構成され、前記赤外線加熱源は前記平板状試料の加熱面側に設置され、前記熱流束センサーは前記平板状試料の非加熱面側に設置され、前記赤外線加熱源、前記平板状試料および前記熱流束センサーが互いに接触せず直列に設置されており、赤外線により前記平板状試料の一面を加熱し、該平板状試料の表裏温度と、非加熱面側で測定された熱流束値から熱伝導率を測定することを特徴とする熱伝導率測定装置。 前記赤外線加熱源と前記平板状試料との間に、該平板状試料の平面投影寸法と同じもしくはそれ以上の寸法を有し、且つ熱伝導率が10W/(mK)以上である材料で作られた均熱板が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導率測定装置。 前記赤外線加熱源を除く、前記均熱板、前記平板状試料、前記温度センサー、前記熱流束センサーが密封可能な環境槽内に設置されており、かつ該環境槽は赤外線を該環境槽内に導入するための赤外線透過窓を有し、該環境槽内を大気、減圧、制御減圧、雰囲気ガスなどの各種の雰囲気に設定することが可能であることを特徴とする請求項2に記載の熱伝導率測定装置。 前記平板状試料の側面にヒータを配することによって試料温度を制御するとともに、試料の面内方向への熱の流れを抑制することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の熱伝導率測定装置。 前記温度センサーが溶接もしくは接着されており、かつ厚さを除く形状が前記平板状試料と同じである温度測定板が、前記平板状試料の表裏に設置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の熱伝導率測定装置。 請求項1〜5何れか記載の熱伝導率測定装置を用いて室温乃至高温における固体の平板状試料の熱伝導率を測定する方法であって、 前記平板状試料の平面全面に赤外線を照射して試料表面における熱流束値分布を15%以内に制御して加熱し、 該平板状試料の中央部表面及び中央部裏面の温度を測定すると共に、 非加熱面側で前記平板状試料面積の1/4以下の中央部を検出エリアとして、熱流束センサーで熱流束値を測定することを特徴とする熱伝導率測定方法。 【課題】大気中・真空中・ガス雰囲気中などの各環境下における室温から高温までの熱伝導率を、簡便かつ短時間で測定することが可能な熱伝導率測定装置及び測定方法を得る。【解決手段】ランプやレーザなどを光源とする赤外線加熱源と、前記平板状試料の表裏の温度を測定するための温度センサーと、熱流束センサーとから構成され、前記赤外線加熱源は前記平板状試料の加熱面側に設置され、前記熱流束センサーは前記平板状試料の非加熱面側に設置され、赤外線により前記平板状試料の一面を加熱し、該平板状試料の表裏温度と、非加熱面側で測定された熱流束値から熱伝導率を測定する。【選択図】図1


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