タイトル: | 公開特許公報(A)_チトクロムP450濃度の測定方法 |
出願番号: | 2012277667 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C12Q 1/26 |
金子 公幸 鈴木 勝也 JP 2014121274 公開特許公報(A) 20140703 2012277667 20121220 チトクロムP450濃度の測定方法 株式会社ヤクルト本社 000006884 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 金子 公幸 鈴木 勝也 C12Q 1/26 20060101AFI20140606BHJP JPC12Q1/26 8 OL 13 特許法第30条第2項適用申請有り (1)平成24年11月5日 http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00032719.2012.738343 4B063 4B063QA01 4B063QQ22 4B063QR50 4B063QS11 4B063QX01 本発明は、動物由来検体中のチトクロムP450濃度の測定方法に関する。 チトクロムP450(以下、P450ともいう)は、小胞体やミトコンドリアの膜に結合したプロトヘム(ポルフィリン環の中心に鉄が配位した錯体)を含有する分子量5万前後の蛋白質で、酸素原子を様々な分子に添加する酵素である。約7,000近くのP450が、ヒトから細菌までの生物界に存在する。哺乳類では解毒、薬物代謝に関わることから生体防御に重要であると共に、ステロイド合成、アラキドン酸カスケードなど生命活動の調節を行う化合物の合成にも関わっている。薬物代謝に関しては、主にモノオキシゲナーゼ反応、他に脱ハロゲン、脱水素、脱水、還元反応、C−C結合切断、異性化反応などに関与する酵素が肝細胞や消化管等に分布し、その種類は20を越えている。 従って、医薬品や機能性食品の開発にあたっては、肝臓や小腸ミクロソームのチトクロムP450濃度を測定することは、チトクロムP450の誘導や発現抑制に起因した薬物相互作用を予測するために必要である。 個々の薬物に対する代謝能を検討するには、P450の分子種毎の誘導能の検討が必要となるが、動物個体に対する影響を検討するには、肝臓や小腸ミクロソーム中のP450全量の濃度の測定も重要である。 P450濃度の測定方法としては、P450が、P450の鉄原子に一酸化炭素(CO)が結合すると波長450nmの光を吸収する性質を有することから、この性質を利用して、P450量を測定する一酸化炭素差スペクトル法が確立されており、具体的には、COと結合した還元型P450の吸光度と光路長を基に、ランバート・ベールの法則によってP450濃度を測定する方法である(非特許文献1)。Omura T, and Sato R., J. Biol. Chem., 239, 2370-2378(1964) しかしながら、前記大村と佐藤の方法(非特許文献1)では、COと結合したP450およびCOと結合していないP450のΔA450-490nmを分光光度計で測定するため、ミクロセルを用いても2mL、標準セルを用いた場合は10mLものミクロソーム懸濁液を必要とする。しかも、ミクロソーム懸濁液はその蛋白濃度を約2mg/mL程度に調製しなければならないため、ラットの消化管ミクロソームのP450量を個体毎に測定することは難しい。実際、ラットの消化管のP450量は、数個体のラット消化管のミクロソームをプールして測定した成績が報告されている。さらにCOをヘム蛋白に結合させるため過剰のCOをミクロソーム懸濁液に通気させるので、ドラフト内で行わなければならず、ミクロソーム懸濁液が泡立たないように一定の通気量を維持させる等の熟練度を要する。ミクロソーム懸濁液が少量になれば、COの通気による泡や飛沫のロスが相対的に大きく、測定精度の鈍化が懸念される等の問題がある。 従って、本発明の課題は、検体量が少ない場合であっても、簡便な操作で正確に検体中のP450濃度が測定できる方法を提供することにある。 そこで本発明者は、検体にCOガスを通気させない測定手段について検討した結果、検体に遷移金属カルボニル錯体を添加しておき、次のその検体に光を照射すれば遷移金属カルボニル錯体から発生したCOが検体中のP450と効率良く反応するので、波長450nmを含む波長の光の吸光度を測定すれば、検体が少量であっても、CO通気による泡や飛沫の発生がなく、簡便な操作で、正確に検体中のP450濃度が測定できることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、次の[1]〜[8]を提供するものである。[1](a)検体に遷移金属カルボニル錯体を添加するステップと、 (b)得られた検体に光照射して遷移金属カルボニル錯体から一酸化炭素を発生させ、検体中に含有する可能性のあるチトクロムP450と一酸化炭素を反応させるステップ、及び (c)光照射後に450nmを含む波長の光の吸光度を測定するステップを含む検体中のチトクロムP450濃度の測定方法。[2]遷移金属カルボニル錯体が、デカカルボニル二マンガン及びトリカルボニルジクロロルテニウムから選ばれるものである[1]記載の測定方法。[3]遷移金属カルボニル錯体の添加濃度が、検体に添加した後の終濃度として、10〜500μMである[1]又は[2]記載の測定方法。[4]光照射時間が1〜10分間である[1]〜[3]のいずれかに記載の測定方法。[5]光照射の光源がLEDである[1]〜[4]のいずれかに記載の測定方法。[6]各ステップをマイクロプレート上で行うものである[1]〜[5]のいずれかに記載の測定方法。[7]チトクロムP450及び遷移金属カルボニル錯体を含有する溶液に光照射することを特徴とするチトクロムP450への一酸化炭素結合方法。[8]遷移金属カルボニル錯体が、デカカルボニル二マンガン及びトリカルボニルジクロロルテニウムから選ばれるものである[7]記載の結合方法。 本発明方法によれば、検体が少量であっても、CO通気による泡や飛沫の発生がなく、簡便な操作で、正確に検体中のP450濃度が測定できる。また、少量の検体が使用できること及びCO通気の操作がないことから、96穴プレート等のマイクロプレート上で多数の検体を同時に測定することが可能である。また、検体量が少量で済むことから、ラットの小腸ミクロソーム等を検体とした場合であっても、ラット個体毎のP450濃度が測定可能である。アルミニウムボード上にLED照明を設置した光照射装置の概略を示す図である。450nmにピークを有する光の吸光度が各種濃度(5mM〜40mM)のDMDCでも同様に認められたことを示す図である。DMDC濃度とΔA450-490nmの関係を示す図である。光照射の照度(lux)と吸光度(ΔA450-490nm)との関係を示す図である。肝ミクロソーム及び小腸ミクロソーム中のP450濃度を示す図である。本発明方法(DMDC)による吸光度差スペクトルは大村と佐藤の方法(Omura & Sato)による吸光度差スペクトルと同じであることを示す図である。ミクロソーム蛋白量(Microsomal Protein)と吸光度との関係を示す図である。本発明方法(DMDC)と大村と佐藤の方法(Omura & Sato)との相関関係を示す図である。 本発明の検体中のチトクロムP450濃度測定方法は、次のステップ(a)、(b)及び(c)を含む。 (a)検体に遷移金属カルボニル錯体を添加するステップと、 (b)得られた検体に光照射して遷移金属カルボニル錯体から一酸化炭素を発生させ、検体中に含有する可能性のあるチトクロムP450と一酸化炭素を反応させるステップ、及び (c)光照射後に450nmを含む波長の光の吸光度を測定するステップ。 ステップ(a)に用いる検体としては、P450を含有する可能性のある動物組織のミクロソーム画分、例えば肝ミクロソーム画分、小腸ミクロソーム画分、副腎皮質ミクロソーム、腎臓ミクロソーム等が挙げられ、このうち肝ミクロソーム画分、小腸ミクロソーム画分を用いるのが好ましい。また、対象動物としては、ラット等のげっ歯類、ヒト、ウシ、ブタ、ウサギ等の哺乳類の他、鳥類、魚類等が挙げられる。ここでミクロソーム画分の調製は、それ自体公知の方法により行うことができる。 検体量は、200μL以上であればよく、200μL〜1mLであるのが好ましい。 また、検体中のミクロソームタンパク濃度は、0.2〜2.0mg/mLであるのが好ましく、2.0mg/mLであるのが好ましい。 反応及び測定の際に用いるセルとしては、光を照射でき、かつ吸光度の測定が可能なセルであればよく、例えば標準セル、ミクロセル等でよく、さらには検体量が少なくてもよいので多穴マイクロプレートも使用可能であり、96穴プレート等も使用可能である。 遷移金属カルボニル錯体としては、光照射によりCOを発生する能力を有するカルボニル錯体であればよく、マンガン、鉄、コバルト、銅、ニッケル、亜鉛、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム等の遷移金属のカルボニル錯体が挙げられ、マンガンカルボニル錯体、鉄カルボニル錯体、コバルトカルボニル錯体、銅カルボニル錯体、亜鉛カルボニル錯体、ルテニウムカルボニル錯体等が好ましい。具体的には、デカカルボニル二マンガン(DMDC)、トリカルボニルジクロロルテニウム等が挙げられ、DMDCがCO発生速度の点からより好ましい。 遷移金属カルボニル錯体の添加濃度は、COの発生速度、COの発生量の点から、検体に添加する遷移金属カルボニル錯体溶液の濃度として、1〜50mMが好ましく、さらに1〜30mMが好ましく、特に5〜30mMが好ましく、20mMが最も好ましく、検体に添加した後の終濃度として、10〜500μMが好ましく、さらに10〜300μMが好ましく、特に50〜300μMが好ましく、180〜200μMが最も好ましい。また遷移金属カルボニル錯体の添加量は、終濃度がこれらの範囲内になればよく、量としては少ないほうが好ましく、例えば、2μL程度であるのが好ましい。なお、遷移金属カルボニル錯体は、水性溶液、例えば水溶液として用いるのが好ましい。 ステップ(a)は、室温の条件下で行うのが好ましい。 次に(b)得られた検体に光照射して遷移金属カルボニル錯体からCOを発生させ、検体中のP450とCOとを反応させる。照射する光の波長は、遷移金属カルボニル錯体からCOを発生できる波長であればよく、通常蛍光灯白色光、白熱球、LED白色光等を用いることができるが、発熱がない点からLED白色光が好ましい。 光の照射時間は、1〜10分間で十分であり、2〜5分間がより好ましく、4分間が特に好ましい。用いる光の照度は20000lux以上がより好ましい。 光照射により発生したCOは、検体液中で直ちにP450と反応するので、泡の発生等はほとんどない。 (c)光照射後に450nmを含む波長の光の吸光度を測定する。 450nmを含む波長の光としては、400〜500nm程度の波長の光であればよく、例えば420〜450nm、420〜500nm、450〜500nm等の波長の光が挙げられる。 吸光度の測定は、通常の分光光度計及びマイクロプレートリーダーを用いて行うことができる。 ステップ(b)及び(c)も、室温で行うのが好ましい。 得られた吸光度に基づき、P450を含まない検体で測定した吸光度を基準として、検量線を作成しておき、検体中のP450濃度を算出することができる。 本発明は、P450と遷移金属カルボニル錯体を含有する溶液に光照射することを特徴とするP450へのCO結合方法でもある。 本発明方法においては、ステップ(a)、(b)及び(c)を、全てマイクロプレート上で行うことができ、多数の少量検体中のP450濃度を同時に測定することができる。また、このとき、光照射の光源としてLEDを用いれば、熱の発生がないので、安定した測定値が得られる。 次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。実施例1(A)材料と方法 5週齢の雌性Sprague-Dawley(Crl:CD(SD))ラットを日本チャールズ・リバー株式会社から購入し、1週間の馴化検疫の後使用した。ラットは瀉血致死させて、直ちに開腹し、小腸を摘出した。小腸ミクロソームは以下の通り調製した。氷冷した0.9%NaCl溶液で洗浄後、管腔側を0.1%プロテアーゼ阻害剤含有の50mMTris−HClバッファー(pH7.4)で洗った。スライドグラスで削ぎ取った管腔側の表面をEDTAバッファー(0.8%NaCl、0.02%KCl、0.02%KH2PO4、0.115%Na2HPO4、1.5mM EDTA・2K、0.5mM(±)ジチオスレイトール、0.1%プロテアーゼ阻害剤)中で洗浄後、800gにて10分間、4℃で遠心した。ホモゲナイズ溶液(5mMヒスチジン、250mMスクロース、0.5mM EDTA・2K、0.1%プロテアーゼ阻害剤)で洗浄後、管腔上皮をその約10倍量のホモゲナイズ溶液中でホモゲナイズした。この懸濁液を10,000gにて10分間、4℃で遠心後、上清を105,000gで60分間、4℃で遠心した。この沈殿物を再び上記緩衝液に懸濁後、105,000gにて60分間遠心分離することによりミクロソーム画分を得た。20%グリセリンを含む100mM Tris−HClバッファー(pH7.4)で沈殿物を再懸濁した。小腸に続いて肝臓を摘出し、肝臓を細切後、その3倍量の1.15%KClを含む0.01M Na・K−リン酸バッファー(pH7.4)を加えてホモゲナイズした。この懸濁液を10,000gにて20分間遠心分離し、さらにその上清を105,000gにて60分間遠心分離して沈殿物を得た。この沈殿物を再び上記緩衝液に懸濁後、105,000gにて60分間遠心分離することによりミクロソーム画分を得た。これらの操作は3−5℃で行った。ミクロソーム調製液のタンパク濃度は96穴プレートを用いる方法におけるタンパク濃度の検討を除いて100mMTris−HClバッファー(pH7.4)で約2.0mg/mLに調製した。DMDC(Mn2(CO)10)はSigma-Aldrichより、COガス(純度99.9%)はGLサイエンスより、タンパク測定キット(Pierce BCA Reagents)はThermo Fisher Scientificより購入した。他の試薬は最上級のものを和光純薬より購入した。 分光光度計はベックマン紫外可視分光解析システムDU800(BECKMAN COULTER)を、マイクロプレートリーダーはSpectra MAX(Molecular Devices)を使用した。 「大村と佐藤の方法」によるP450量の測定は、以下の手順で行った。ミクロソームの蛋白濃度を0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で約2mg/mLに調製して、5mLずつ2つのセル(光路1cm)に分注し、一方のセルに底から一酸化炭素を約30秒間通気した。続いて用時調製した0.5Mのハイドロサルファイトナトリウム(Na2S2O4)溶液(SHS)10μLを加え、直ちに420〜498nm間の吸収スペクトルを測定した。同様に、もう一方のセルにSHSを加え、混合後420〜498nm間の吸収スペクトルを測定した。これらの450〜490nmにおける差吸収スペクトル(ΔA450-490nm)から、次式よりP450量を計算した。なお、次式のχはミクロソームのタンパク濃度を約2.0mg/mLに希釈する際の希釈倍率、91は光路1cmにおける吸光係数である。(数1) P450濃度(μM)=(ΔA450-490nm)×χ×1000/91 96穴プレートを用いるP450量の測定は、以下の手順で行った。ミクロソーム溶液0.2mLずつを、還元P450用と還元P450−CO用に添加した。還元P450−CO用には、ミクロソーム溶液を添加したウェルに約50℃の加温下でジメチルスルホキシド(DMSO)を用いて5〜40mMに溶解したDMDC溶液を2μL添加後、800〜20000luxと20000lux以上の光度を、1〜20分間光照射した。照射ボード(図1)はLED−tape−light(SMD5050type、白)を使って作成した。20000lux以下の光度は96穴プレートと照射ボードの距離を調整した。96穴プレートの真上に照射ボードを乗せた場合、光度は測定器の測定レンジを越えて測れなかったため>20000luxと表記した。SHS10μL添加後、420〜498nm間の吸収スペクトルを測定した。還元P450用にはSHS添加後、420〜498nm間の吸収スペクトルを測定した。 96ウェル透明マイクロプレート(BD Falcon(登録商標)日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)を用いた。ミクロソームタンパク濃度の検討ではタンパク濃度を0.2〜2.0mg/mLに調製した。ウェルの底から溶液添加時の液面までの高さは総溶液量(0.212mL)と任意の8ウェルの直径(6.24±0.77)から6.933mmと求めた。光路長1cmの時の吸光係数は91cm-1mM-1であることから、96穴プレートの吸光係数は63cm-1mM-1と求められた。このことから、96穴プレートを用いたP450濃度は次式から算出した。なお、次式のχはミクロソームのタンパク濃度を約2.0mg/mLに希釈する際の希釈倍率で、1検体につき2ウェルずつ測定した。(数2) P450濃度(μM)=(ΔA450-490nm)×χ×1000/63(B)結果 DMDCと96穴プレートを用いたP450濃度の測定法を検証した。P450−CO体の特徴である450nmにピークを持つ差吸収スペクトルは種々のDMDC濃度において認められた(図2)。差吸収スペクトルは20mM DMDCを2μL添加時に最大を示し、それ以上の濃度(25〜40mM)ではプラトーに達した(図3)。よって、DMDCと96穴プレートを用いたP450濃度の測定法におけるDMDC濃度(検体に添加するDMDC溶液の濃度)は20mMが最適と考えられた。 20mM DMDCを2μL添加後、96穴プレートを4分間、800、2400、20000luxまたは20000lux以上の光を照射した時の差吸収スペクトルを示した(図4)。照射時間に関しては、DMDCがP450と結合するCOを放出するには4分間で十分であると考えられた(図5)。さらに、DMDCを用いる方法で得られた差吸収スペクトルの波形は、「大村と佐藤の方法」による吸収スペクトルと同じであることを確認した(図6)。 このことから、DMDCを用いる方法は、ミクロソームタンパク濃度を約2mg/mLとし、20mM DMDCを2μL添加後、照射ボードを96穴プレートの真上に乗せて光照射時間を4分間とする条件とした。ラットの小腸ミクロソームが少なく2mg/mLに調製出来ないことを考慮し、各濃度に調製したラットの肝ミクロソーム(0.2、0.5、0.8、1.0、1.5、2.0mg/mL)を用いて差吸収スペクトルとミクロソームタンパク濃度との相関を検討した。その結果、図7に示したように0.2〜2.0mg/mLまで良好な相関が得られた。続いて、ラット肝ミクロソーム12検体を用いてDMDCを用いた方法と従来法で得られた差吸収スペクトルとに差がないことを確認した(図8)。図中の直線は近似曲線を示し、相関係数はR=0.805であった。 (a)検体に遷移金属カルボニル錯体を添加するステップと、 (b)得られた検体に光照射して遷移金属カルボニル錯体から一酸化炭素を発生させ、検体中に含有する可能性のあるチトクロムP450と一酸化炭素を反応させるステップ、及び (c)光照射後に450nmを含む波長の光の吸光度を測定するステップを含む検体中のチトクロムP450濃度の測定方法。 遷移金属カルボニル錯体が、デカカルボニル二マンガン及びトリカルボニルジクロロルテニウムから選ばれるものである請求項1記載の測定方法。 遷移金属カルボニル錯体の添加濃度が、検体に添加した後の終濃度として、10〜500μMである請求項1又は2記載の測定方法。 光照射時間が1〜10分間である請求項1〜3のいずれか1項記載の測定方法。 光照射の光源がLEDである請求項1〜4のいずれか1項記載の測定方法。 各ステップをマイクロプレート上で行うものである請求項1〜5のいずれか1項記載の測定方法。 チトクロムP450及び遷移金属カルボニル錯体を含有する溶液に光照射することを特徴とするチトクロムP450への一酸化炭素結合方法。 遷移金属カルボニル錯体が、デカカルボニル二マンガン及びトリカルボニルジクロロルテニウムから選ばれるものである請求項7記載の結合方法。 【課題】検体量が少ない場合であっても、簡便な操作で正確に検体中のチトクロムP450濃度が測定できる方法の提供。【解決手段】(a)検体に遷移金属カルボニル錯体を添加するステップと、 (b)得られた検体に光照射して遷移金属カルボニル錯体から一酸化炭素を発生させ、検体中に含有する可能性のあるチトクロムP450と一酸化炭素を反応させるステップ、及び (c)光照射後に450nmを含む波長の光の吸光度を測定するステップを含む検体中のチトクロムP450濃度の測定方法。