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タイトル:公開特許公報(A)_マイクロカプセル化製剤及びその製造方法ならびに液体内服剤
出願番号:2012268107
年次:2014
IPC分類:A61K 9/50,A61K 47/36,A61K 47/44,A61K 9/66,A61K 9/10,A23L 1/00


特許情報キャッシュ

矢野 傑 木津 典生 JP 2014114226 公開特許公報(A) 20140626 2012268107 20121207 マイクロカプセル化製剤及びその製造方法ならびに液体内服剤 ライオン株式会社 000006769 志賀 正武 100064908 高橋 詔男 100108578 鈴木 三義 100094400 川越 雄一郎 100152272 加藤 広之 100153763 矢野 傑 木津 典生 A61K 9/50 20060101AFI20140530BHJP A61K 47/36 20060101ALI20140530BHJP A61K 47/44 20060101ALI20140530BHJP A61K 9/66 20060101ALI20140530BHJP A61K 9/10 20060101ALI20140530BHJP A23L 1/00 20060101ALI20140530BHJP JPA61K9/50A61K47/36A61K47/44A61K9/66A61K9/10A23L1/00 C 5 OL 12 4B035 4C076 4B035LC04 4B035LE12 4B035LG14 4B035LP36 4C076AA63 4C076AA64 4C076AA66 4C076BB01 4C076CC40 4C076DD23P 4C076DD46Q 4C076EE30K 4C076EE36K 4C076EE47 4C076FF27 4C076FF28 4C076FF36 4C076FF63 4C076FF70 4C076GG25 本発明は、マイクロカプセル化製剤及びその製造方法ならびに液体内服剤に関する。 L−システイン等の水溶性アミノ酸やチアミン等の水溶性ビタミン等の水溶性機能成分の中には、水中での安定性が悪かったり、他成分と反応しやすい物質がある。このような水溶性機能成分の水中での安定性を高める方法として、W/O/Wエマルションの最内層に水溶性機能成分を含有させる方法が知られている。 しかし、W/O/Wエマルションの最内層を安定的に、かつ均一に形成するのが困難である。 従来、こうした問題に対し、水溶性機能成分を内包するマイクロカプセル化製剤が提案されている。マイクロカプセル化製剤は、内包された水溶性機能成分の安定化を図れ、かつ水溶性機能成分の味をマスキングしたり、流動性を高めたりして、服用しやすくできる(即ち、服用性を高められる)。 マイクロカプセル化製剤を用いた発明としては、例えば、水の存在により不安定となる医薬成分及び/又は非晶質化された医薬成分を溶解又は懸濁した油脂を内包したマイクロカプセルを含有する経口投与医薬ゼリー製剤が提案されている(例えば、特許文献1)。 また、例えば、寒天、ジェランガム、ペクチン及びアルギン酸ナトリウムの中から選ばれる1種又は2種以上のゲル化剤を水溶性溶媒に溶解した溶解液を、強制冷却及び前記ゲル化剤を架橋させる架橋剤の添加によりゲル化しながら剪断することによってミクロゲルを含有し、かつ水溶性機能成分を内包するマイクロカプセルを分散させてなる経口組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。特開2010−173993号公報特開2011−79787号公報 しかしながら、特許文献1の発明では、マイクロカプセル化製剤の粒径が大きく、服用性を十分に高められないという問題がある。特許文献2の発明では、マイクロカプセル化製剤を分散させる対象がミクロゲルを含むものに限定される。加えて、特許文献2の発明は、ミクロゲルを調製する工程が必要であり、製造工程が煩雑である。 さらに、マイクロカプセル化製剤には、安定性のさらなる向上と、服用性のさらなる向上とが求められている。 そこで、本発明は、服用性と、水中における水溶性機能成分の安定性とがより高く、かつ容易に製造できるマイクロカプセル化製剤を目的とする。 本発明のマイクロカプセル化製剤は、粉末状の水溶性機能成分(A)が油性成分(B)に分散された内層と、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、カラギーナン及びペクチンから選択される1種以上の成膜剤(C)を含有し前記内層を内包する外層と、を有し、前記(A)成分は、体積平均粒径が5μm以下であることを特徴とする。 マイクロカプセル化製剤は、体積平均粒径が150〜500μmであることが好ましい。 本発明の液体内服剤は、前記の本発明のマイクロカプセル化製剤を含有することを特徴とする。 本発明のマイクロカプセル化製剤の製造方法は、前記の本発明のマイクロカプセル化製剤の製造方法であって、前記(B)成分に前記(A)成分が分散された内層材を調製する内層材調製工程と、前記(C)成分を含有する外層材で、前記内層材からなる粒子を内包するカプセル化工程と、を有することを特徴とする。 前記内層材調製工程は、前記(B)成分中で水溶性機能成分を粉砕して、体積平均粒径を5μm以下にする湿式粉砕操作を有することが好ましい。 本発明のマイクロカプセル化製剤によれば、服用性と、水中における水溶性機能成分の安定性とをより高め、かつ容易に製造される。 (マイクロカプセル化製剤) 本発明のマイクロカプセル化製剤は、粉末状の水溶性機能成分(A)((A)成分)が油性成分(B)((B)成分)に分散された内層と、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、カラギーナン及びペクチンから選択される1種以上の成膜剤(C)((C)成分)を含有し前記内層を内包する外層とを有する。即ち、マイクロカプセル化製剤は、内層をコアとし外層をセルとする、コア−セル構造を有する。 マイクロカプセル化製剤の形状は、球形でもよいし、非球形でもよい。 マイクロカプセル化製剤は、粒子状の内層を1つ有する単核構造でもよいし、粒子状の内層を2つ以上有する多核構造でもよい。 マイクロカプセル化製剤の体積平均粒径は、特に限定されないが、例えば、150〜500μmが好ましく、150〜400μmがより好ましく、150〜300μmがさらに好ましい。上記上限値以下であれば、服用した際に口腔内でざらつく等の蝕感を抑え、(A)成分の味をマスキングして、服用性のさらなる向上を図れる。上記下限値以上であれば、十分量の内層を十分な強度の外層で内包しやすい。 本稿において、体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布計(SALD−3000(商品名)、株式会社島津製作所製)で測定される値である。 内層/外層で表される質量比(以下、内外比ということがある)は、(C)成分の種類等を勘案して適宜決定され、例えば、0.01〜0.5が好ましい。内外比が上記下限値未満では、服用後における内層中の(A)成分の放出が遅くなりすぎるおそれがあり、内外比が上記上限値超では、マイクロカプセル化粒子の強度が低下するおそれがある。 <内層> 内層は、(B)成分に(A)成分が分散された内層材からなる粒子である。即ち、内層は、内層材の液滴である。 マイクロカプセル化製剤は単核構造でもよく、多核構造でもよい。 内層の体積平均粒径(体積平均の液滴径)は、100〜200μmが好ましい。上記上限値超では、マイクロカプセル化粒子の強度が低下するおそれがあり、上記下限値未満では、内層を十分に内包しにくくなる。 ≪(A)成分≫ (A)成分は、粉末状の水溶性機能成分であり、体積平均粒径が5μm以下のものである。 「水溶性機能成分」とは、生体の恒常性の維持又は向上等の機能を有する水溶性の成分である。 「水溶性」とは、水(20℃)100gに対する溶解度が0.1g/水100g以上のものである。 (A)成分としては、例えば、システイン等の水溶性アミノ酸、アスコルビン酸(塩)等のビタミンC、チアミン又はチアミン塩酸塩等のビタミンB1、リボフラビン等のビタミンB2等の水溶性ビタミン等が挙げられる。システイン、ビタミンB1等、水の存在下で変質しやすい物質を(A)成分として用いた場合に、本発明の効果がより顕著となる。これらの(A)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。 (A)成分の体積平均粒径は、5μm以下であり、2μm以下がより好ましい。上記上限値超では、マイクロカプセル化粒子の粒径が大きくなりすぎて、服用性を高められない。(A)成分の体積平均粒径は小さいほど好ましいが、例えば、0.05μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.6μm以上がさらに好ましい。上記下限値以上であれば、(A)成分を容易に調製できる。 内層中の(A)成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。上記下限値未満では、(A)成分の効果が発揮されにくい。 内層中の(A)成分の含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。上記上限値以下であれば、内層中に(A)成分をより均一かつ安定して分散できる。 ≪(B)成分≫ (B)成分は、油性成分である。(A)成分は、(B)成分に分散されていることで、変質等が良好に抑制される。 「油性成分」とは、水に不溶な成分である。「水に不溶な成分」とは、水(20℃)100gに対する溶解度が0.1g/水100g未満のものである。 (B)成分としては、融点25℃以下(即ち、常温で液体)のものが好ましい。 (B)成分としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸等、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のトリグリセリド(中鎖脂肪酸トリグリセリド);ココナツ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、菜種油、紅花油、大豆油、ヒマワリ油、ナッツ油、グレープシード油、アマニ油等の植物油;ビタミンE;ミネラルオイル(流動パラフィン);等が挙げられ、中でも、中鎖脂肪酸トリグリセリド、菜種油、大豆油が好ましい。これらの(B)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。 内層中の(B)成分の含有量は、(A)成分の種類や量等を勘案して、適宜決定される。 内層中、(A)成分/(B)成分で表される質量比(以下、A/B比ということがある)は、0.01/99.99〜30/70が好ましく、0.1/99.9〜25/75がより好ましく、1/99〜20/80がさらに好ましい。A/B比が上記下限値以上であれば、(A)成分の効果が十分に発揮され、上記上限値以下であれば、内層中に(A)成分をより均一かつ安定して分散できる。 ≪内層中の任意成分≫ 内層は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)〜(B)成分以外の任意成分(以下、内層任意成分ということがある)を含有できる。ただし、内層は、実質的に水を含有しない。内層が水を含有すると、(A)成分が変質しやすくなるためである。実質的に水を含有しないとは、不可避的に含有される場合を除くことを意味する。 内層任意成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。 <外層> 外層は、(C)成分を含む外層材からなり、内層を内包するものである。 外層の厚みは、特に限定されず、例えば、0.1〜10μmが好ましい。上記下限値未満では、マイクロカプセル化粒子の強度が低下するおそれがあり、上記上限値超では、服用後における内層中の(A)成分の放出が遅くなりすぎるおそれがある。 ≪(C)成分≫ (C)成分は、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、カラギーナン及びペクチンから選択される1種以上の成膜剤である。中でも、(C)成分としては、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウムが好ましく、アルギン酸カルシウムがより好ましい。アルギン酸カルシウムを用いることで、強固な外層を形成できるためである。カラギーナンとしては、例えば、κカラギーナン、ιカラギーナン、λカラギーナン等が挙げられる。これらの(C)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。 ≪外層中の任意成分≫ 外層は、本発明の効果を損なわない範囲で、(C)成分以外の任意成分(以下、外層任意成分ということがある)を含有できる。 外層任意成分は、(C)成分の種類等を勘案して、適宜選択され、例えば、ジェランガムやキサンタンガム等、カラギーナン及びペクチン以外の多糖類の増粘剤等が挙げられる。これらの外層任意成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。 <マイクロカプセル化製剤の製造方法> マイクロカプセル化製剤の製造方法は、(B)成分に(A)成分が分散された内層材を調製する内層材調製工程と、(C)成分を含有する外層材で、内層材からなる粒子を内包するカプセル化工程と、を有する。 内層材調製工程としては、(B)成分に(A)成分が分散された内層材を得られればよい。 例えば、内層材調製工程は、(B)成分中で、(A)成分の原料となる粉末状の水溶性機能成分を粉砕して、体積平均粒径を5μm以下にする湿式粉砕操作を有してもよい。湿式粉砕操作を設けることで、(A)成分の粒径をより小さくかつ均一にできる。 湿式粉砕操作は、例えば、溶融した(B)成分と、(A)成分の原料となる粉末状の水溶性機能成分と、をホモミキサー等の混合器で混合して予備混合物とし、この予備混合物に粉砕装置で粉砕処理を施す方法が挙げられる。 湿式粉砕操作に用いられる粉砕装置としては、例えば、ナノメーカーLSU−2010(商品名、アドバンストナノテクノロジィ株式会社製)等が挙げられる。 前記ナノメーカーにおける処理条件は、粉末状の水溶性機能成分の種類等を勘案して適宜決定される。 前記ナノメーカーにおける処理圧力は、例えば、50〜500MPaが好ましい。前記ナノメーカーを用いた予備混合物の粉砕処理の回数(処理回数)は、例えば、1〜10回が好ましく、3〜10回がより好ましく、4〜6回がさらに好ましい。 内層材調製工程における温度条件は、(B)成分が溶融し、かつ(A)成分が変質しない温度とされる。 内層材中の(A)成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。上記下限値未満では、(A)成分の効果が発揮されにくい。 内層材中の(A)成分の含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。上記上限値以下であれば、内層材中に(A)成分をより均一かつ安定して分散できる。 内層材中の(B)成分の含有量は、(A)成分の種類や量等を勘案して、適宜決定される。 内層材中のA/B比は、0.01/99.99〜30/70が好ましく、0.1/99.9〜25/75がより好ましく、1/99〜20/80がさらに好ましい。A/B比が上記下限値以上であれば、(A)成分の効果が十分に発揮され、上記上限値以下であれば、内層中に(A)成分をより均一かつ安定して分散できる。 湿式粉砕操作における(A)成分の原料と(B)成分との質量比は、A/B比と同様である。 カプセル化工程は、(C)成分を含有する外層材で、内層材からなる粒子を内包できるものであればよく、(C)成分の種類に応じた常法に準じて行われる。 (C)成分をアルギン酸カルシウムとする場合におけるカプセル化する方法としては、内層材とアルギン酸ナトリウムとを混合して混合液とし、この混合液とカルシウムを含有する水溶液(カルシウム水溶液)と、を接触させる方法が挙げられる。本方法において、外層材は、主にアルギン酸カルシウムで構成される。 例えば、マイクロカプセル化装置B−395Pro(商品名、日本ビュッヒ株式会社製)を用い、内層材とアルギン酸ナトリウム水溶液とを二流体ノズルで合一し、その直後にカルシウム水溶液内に吹き込み、マイクロカプセル化製剤を得る方法が挙げられる。 あるいは、カプセル化する方法としては、内層材とアルギン酸ナトリウム水溶液との混合液をカルシウム水溶液に滴下する方法が挙げられる。 カルシウム水溶液としては、例えば、塩化カルシウム水溶液が好適である。 カルシウム水溶液中のカルシウム濃度は、特に限定されず、例えば、1〜10質量%が好ましい。 内層材/アルギン酸ナトリウムで表される質量比(以下、内層材/アルギン酸比ということがある)は、例えば、1/1〜100/1が好ましい。内層材/アルギン酸比が上記範囲内であれば、より安定的に外層を形成できるためである。 (C)成分をアルギン酸マグネシウムとする場合におけるカプセル化する方法としては、カルシウム水溶液をマグネシウム水溶液に換える以外は、(C)成分をアルギン酸カルシウムとする場合と同様である。マグネシウム水溶液としては、例えば、塩化マグネシウム水溶液が好適である。マグネシウム水溶液中のマグネシウム濃度は、特に限定されず、例えば、1〜10質量%が好ましい。 (C)成分をカラギーナンとする場合におけるカプセル化する方法としては、カラギーナンの種類に応じて決定される。例えば、κカラギーナンを用いる場合におけるカプセル化する方法としては、1質量%のκカラギーナンを含有する内層材を塩化カリウムの1質量%水溶液に滴下する方法が挙げられる。また、ιカラギーナンを用いる場合におけるカプセル化する方法としては、1質量%のιカラギーナンを含有する内層材を塩化カルシウムの1質量%水溶液に滴下する方法が挙げられる。 (C)成分をペクチンとする場合におけるカプセル化する方法としては、2質量%のペクチンを含有する内層材を塩化カルシウムの1質量%水溶液に滴下する方法が挙げられる。 上述のカプセル化工程を経て、マイクロカプセル化製剤が水に分散したカプセル分散液を得られる。 カプセル分散液は、そのままで後述する液体内服剤に配合されてもよいし、マイクロカプセル化製剤を濾別する等して分散媒を除去した後に、液体内服剤に配合されてもよい。 (液体内服剤) 本発明の液体内服剤は、マイクロカプセル化製剤を含有するものであり、マイクロカプセル化製剤が水等の分散媒に分散されたものである。 液体内服剤中のマイクロカプセル化製剤の含有量は、液体内服剤の用法や、(A)成分の種類等を勘案して適宜決定される。 液体内服剤には、必要に応じて、マイクロカプセル化製剤以外の任意成分(内服剤任意成分)を含有できる。 内服剤任意成分としては、外層を溶解しないものであればよく、例えば、グルクロノラクトン、リボフラビンリン酸エステルナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸アミド、無水カフェイン、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、リュウガンニクエキス等、水中で安定な機能成分;安息香酸ナトリウム、エタノール等の防腐剤;ショ糖、液糖、果糖、果糖ブドウ糖液、ブドウ糖果糖液糖、黒砂糖、高果糖液糖、ブドウ糖、乳糖、白糖、精製白糖、精製白糖球状顆粒、ハチミツ、精製ハチミツ、単シロップ等の糖、エリスリトール、キシリトール、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、マルチトール、マルチトール液、マルトース、D−マンニトール等の糖アルコール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、アマチャ抽出物、甘草抽出物、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア抽出物、ネオテーム、ソーマチン、グリシン、グリセリン、甘草等の甘味剤;塩酸、希塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリシン、グルコノ−δ−ラクトン、コハク酸、酢酸、酒石酸、D−酒石酸、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、乳酸、乳酸カルシウム、氷酢酸、マレイン酸、無水クエン酸、DL−リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アジピン酸、グルコン酸、フマル酸、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤;香料;等が挙げられる。 液体内服剤の製造方法は、特に限定されず、例えば、分散媒にマイクロカプセル化製剤及び必要に応じて内服剤任意成分を分散する方法が挙げられる。また、例えば、第十五改正日本薬局方「製剤総則」の「液剤」の項に準じて製造し、ろ過、殺菌して製造できる。 液体内服剤のpH(25℃)は、特に限定されないが、2.5〜5.0が好ましい。上記範囲内であれば、外層が溶解したりして(A)成分が水と接触するのを防止できる。 上述の通り、本発明のマイクロカプセル化製剤によれば、(A)成分が(B)成分に分散された内層を、(C)成分を含有する外層で内包しているため、(A)成分が水と接触せず、(A)成分の安定性を高められる。 加えて、(A)成分の体積平均粒径が特定の範囲であるため、服用性を高められる。 さらに、内層を外層で内包するという簡単な構造なため、マイクロカプセル化製剤を容易に得られる。 以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。 (使用原料) L−システイン:味の素株式会社製。 中鎖脂肪酸トリグリセリド:パナセート(商品名)、日油株式会社製。 アルギン酸ナトリウム:三栄原エフ・エフ・アイ株式会社製。 塩化カルシウム:純正化学株式会社製。 グルクロノラクトン:寧薬化学工業株式会社製造、稲畑産業株式会社製販売。 チアミン硝化物(ビタミンB1):DSMニュートリションジャパン株式会社製。 リボフラビンリン酸エステルナトリウム(ビタミンB2):DSMニュートリションジャパン株式会社製。 ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6):DSMニュートリションジャパン株式会社製。 ニコチン酸アミド:ロンザジャパン株式会社製。 無水カフェイン:八代製薬株式会社製。 ジクロロ酢酸ジイソピルアミン:リバオール(商品名)、第一三共株式会社製。 果糖:無水結晶果糖、クリスター300、ダニスコジャパン株式会社製。 安息香酸ナトリウム:株式会社伏見製薬所製。 香料:ドリンクフレーバーBO−1、宮坂香料株式会社製。 その他添加剤:精製ハチミツ、日新蜂蜜株式会社製。 (評価方法) <安定性> 各例のカプセル分散液、液体内服剤を50℃、6週間保存した後、目視で外観を観察し、下記評価基準に従って安定性を評価した。 なお、カプセル分散液については、マイクロカプセル化製剤を濾別し、これを0.1Mクエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液(pH3)に分散して、1質量%のマクロカプセル化製剤を含む試料とし、これを安定性の評価に用いた。 ≪評価基準≫ ○:保存前後の外観が同等である。 ×:保存前後の外観が異なる。 <服用性> 専任モニター30名が各例のカプセル分散液又は液体内服剤を経口摂取した。その際、舌触りが良好で不快味を感じない、と答えた専任モニターの人数を数え、その人数を下記評価基準に分類して服用性を評価した。 ≪評価基準≫ ◎:舌触りが良好で不快味を感じない、と答えた専任モニターが26名以上。 ○:舌触りが良好で不快味を感じない、と答えた専任モニターが20〜25名。 ×:舌触りが良好で不快味を感じない、と答えた専任モニターが19名以下。 (実施例1−1〜1−5、比較例1−1〜1−3) (A)成分の原料であるL−システインをピンミル粉砕機(コロプレックス 160Z、パウレック株式会社製)で、粉砕した。粉砕後のL−システインの体積平均粒径は、10μmであった。 粉砕後のL−システインと、(B)成分である中鎖脂肪酸トリグリセリドとを表1中のA/B比となるように、ホモミキサーに入れ、混合して、予備混合物とした。この際、L−システインの配合量をA/B比における(A)成分の量とみなした。 この予備混合物に対し、ナノメーカーLU−2010(アドバンストナノテクノロジィ株式会社製)を用い、表1中の処理圧力で湿式粉砕操作を施して、内層材を調製した。なお、表1中の「処理回数」は、ナノメーカーに通した回数である(内層材調製工程)。 マイクロカプセル化装置 B−395Pro(日本ビュッヒ株式会社製)を用いて、以下の手順でカプセル化工程を行った。 二流体ノズルを用いて、得られた内層材と、1質量%のアルギン酸ナトリウム水溶液とを合一させ、合一させた直後に100mM塩化カルシウム水容液中に吹き込み、マイクロカプセル化製剤が水中に分散されたカプセル分散液を得た。この際、内層材/アルギン酸比、及び流体ノズルの流速を表1に記載の条件とした。 得られたカプセル分散液について、安定性及び服用性を評価し、その結果を表中に示す。 (実施例2−1) 表2の組成に従い、マイクロカプセル化製剤として実施例1−1で得られたマイクロカプセル化製剤を用い、各原料を水に溶解又は分散して、50mLの液体内服剤を得た。得られた液体内服剤について、安定性及び服用性を評価し、その結果を表中に示す。 (比較例2−1) マイクロカプセル化製剤を比較例1−1で得られたマイクロカプセル化製剤とした以外は、実施例2−1と同様にして、液体内服剤を得た。得られた液体内服剤について、安定性及び服用性を評価し、その結果を表中に示す。 (比較例2−2) マイクロカプセル化製剤に換えて、L−システインを粉砕せずに溶解した以外は、実施例2−1と同様にして、液体内服剤を得た。得られた液体内服剤について、安定性及び服用性を評価し、その結果を表中に示す。 表1に示すように、本発明を適用した実施例1−1〜1−5は、服用性が「○」又は「◎」、安定性が「○」であった。 内層中のL−システインの体積平均粒径が6μmの比較例1−1〜1−2、内層中のL−システインの体積平均粒径が10μmの比較例1−3は、服用性が「×」、安定性が「×」であった。なお、比較例1−3については、マイクロカプセル化できなかったため、マイクロカプセル化製剤の体積平均粒径を測定しなかった。 表2に示すように、本発明を適用した実施例2−1は、安定性が「○」、服用性が「◎」であった。 内層中のL−システインの体積平均粒径が6μmであるマイクロカプセル化製剤を用いた比較例2−1は、口腔内での蝕感(舌触り)が悪く、服用性が「×」であった。 L−システインをマイクロカプセル化せずに用いた比較例2−2は、安定性が「×」であった。加えて、比較例2−2は、舌触りは良好であったものの不快味を強く感じるため、服用性が「×」であった。 これらの結果から、本発明を適用することで、服用性と、水中における水溶性機能成分の安定性とをより高められることが判った。 粉末状の水溶性機能成分(A)が油性成分(B)に分散された内層と、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、カラギーナン及びペクチンから選択される1種以上の成膜剤(C)を含有し前記内層を内包する外層と、を有し、 前記(A)成分は、体積平均粒径が5μm以下であることを特徴とするマイクロカプセル化製剤。 体積平均粒径が150〜500μmであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセル化製剤。 請求項1又は2に記載のマイクロカプセル化製剤を含有することを特徴とする液体内服剤。 請求項1又は2に記載のマイクロカプセル化製剤の製造方法であって、 前記(B)成分に前記(A)成分が分散された内層材を調製する内層材調製工程と、 前記(C)成分を含有する外層材で、前記内層材からなる粒子を内包するカプセル化工程と、 を有することを特徴とするマイクロカプセル化製剤の製造方法。 前記内層材調製工程は、前記(B)成分中で水溶性機能成分を粉砕して、体積平均粒径を5μm以下にする湿式粉砕操作を有することを特徴とする請求項4に記載のマイクロカプセル化製剤の製造方法。 【課題】服用性と、水中における水溶性機能成分の安定性とがより高く、かつ容易に製造できるマイクロカプセル化製剤を提供する。【解決手段】粉末状の水溶性機能成分(A)が油性成分(B)に分散された内層と、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、カラギーナン及びペクチンから選択される1種以上の成膜剤(C)を含有し前記内層を内包する外層と、を有し、前記(A)成分は、体積平均粒径が5μm以下であることよりなる。体積平均粒径が150〜500μmであることが好ましい。【選択図】なし


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