生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ミネラル酵母、およびその製造方法
出願番号:2012256786
年次:2014
IPC分類:C12N 1/16,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

染谷 秀男 JP 2014103855 公開特許公報(A) 20140609 2012256786 20121122 ミネラル酵母、およびその製造方法 メディエンス株式会社 305020240 染谷 秀男 501459402 横沢 志郎 100090170 河合 徹 100142619 河口 伸子 100153316 染谷 秀男 C12N 1/16 20060101AFI20140513BHJP A23L 1/30 20060101ALN20140513BHJP JPC12N1/16 GC12N1/16 AA23L1/30 Z 11 OL 5 4B018 4B065 4B018MD03 4B018MD05 4B018MD81 4B018ME14 4B018MF13 4B065AA72X 4B065BB02 4B065BB03 4B065BC01 4B065CA41 本発明は、亜鉛等のミネラルを含有するミネラル酵母、およびその製造方法に関するものである。 有機化合物と同様、ミネラルも人体には必須の成分であるため、不足しがちな場合、サプリメント等として摂取する必要がある。例えば、亜鉛は、味覚障害の改善や生殖機能の向上等に寄与するが、現在、十分な量を摂取しているとはいえない状況にある。従って、亜鉛を含有するサプリメントが求められており、かかるサプリメントの原料等として、亜鉛酵母が注目されている。また、亜鉛酵母の亜鉛含有量を高めることを目的に2段階の工程で酵母に亜鉛を含有させる技術が提案されている(特許文献1参照)。特許第4829745号公報 しかしながら、ミネラルについては複数種類を同時に摂取することが好ましいが、かかる摂取は、従来のミネラル酵母では不可能である。例えば、アミノ酸の代謝等を活発化するには、亜鉛が必要であるが、同時にマグネシウムも必要である。また、亜鉛を多量に摂取すると、銅の吸収が阻害される結果、銅欠乏性貧血等が発生することがあるため、同時に摂取することが好ましい。 以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、複数種類のミネラルを同時に摂取することのできるミネラル酵母およびその製造方法を提供することにある。 上記課題を解消するために、本発明に係るミネラル酵母は、第1ミネラルおよび第2ミネラルを含有することを特徴とする。 本発明における「第1ミネラル」「第2ミネラル」とは、ミネラルの種類が2種類に限定される意味ではなく、ミネラルが少なくとも2種類含有されていることを意味する。 本発明に係るミネラル酵母は、第1ミネラルおよび第2ミネラルを含有しているため、第1ミネラルおよび第2ミネラルを同時に摂取することができる。 本発明において、前記第1ミネラルは、例えば、亜鉛である。 本発明において、前記第2ミネラルは、例えば、マグネシウムである。かかる構成によれば、アミノ酸の代謝等を活発化するのに必要な亜鉛とマグネシウムとを同時に摂取することができる。 本発明において、前記第2ミネラルは、銅であってもよい。かかる構成によれば、亜鉛と銅とを同時に摂取することができるので、亜鉛の摂取に起因する銅欠乏性貧血等の発生を防止することができる。 本発明に係るミネラル酵母の製造方法は、水溶性の第1ミネラルおよび水溶性の第2ミネラルを含有する液状物中で酵母を培養して増殖させることを特徴とする。 本発明によれば、第1ミネラルおよび第2ミネラルを含有するミネラル酵母を製造することができる。 本発明において、水溶性の第1ミネラルおよび水溶性の第2ミネラルを含有する第1液状物中で前記酵母を培養して増殖させる第1工程と、前記第1液状物より前記水溶性の第1ミネラルの含有量が多く、かつ、前記第1液状物より前記水溶性の第2ミネラルの含有量が多い第2液状物中で前記酵母を処理する第2工程と、を有することが好ましい。かかる構成によれば、第1ミネラルおよび第2ミネラルを多量に含有するミネラル酵母を製造することができる。 本発明において、前記第2工程では、前記酵母を培養することが好ましい。 本発明において、前記第2工程では、前記酵母を非培養的に処理する構成であってもよい。 本発明に係るミネラル酵母は、第1ミネラルおよび第2ミネラルを含有しているため、第1ミネラルおよび第2ミネラルを同時に摂取することができる。 以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の形態で使用される酵母としては、Saccharomyces(サッカロミセス)属、Mycotorula(ミコトルラ)属、Torulopsis(トルロプシス)属等、パン酵母、ビール酵母、ぶどう酒酵母、清酒酵母、アルコール酵母、味噌醤油酵母等の食用酵母のほか、種々の種類を挙げることができる。 また、本発明は、各種のミネラル酵母に適用できるが、以下、亜鉛とマグネシウムとを含有するミネラル酵母を中心に説明する。 [実施の形態1] 本形態では、ミネラル酵母を製造するにあたって、まず、第1工程において、水溶性の亜鉛(水溶性の第1ミネラル)、および水溶性のマグネシウム(水溶性の第2ミネラル)を各々、数ppm〜数百ppm添加した第1液状物中で酵母を培養して増殖させる。本形態において、水溶性の亜鉛としては硫酸亜鉛を用いることができ、水溶性のマグネシウムとしては硫酸マグネシウムを用いることができる。また、水溶性の亜鉛としては、硫酸亜鉛の他、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛、酒石酸亜鉛、クエン酸亜鉛等を用いてもよく、水溶性のマグネシウムとしては、硫酸マグネシウムの他、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム等を用いてもよい。 次に、必要に応じて、酵母を遠心分離、濾過等によって集菌した後、洗浄、凍結乾燥させる。 次に、第2工程においては、水溶性の亜鉛(水溶性の第1ミネラル)、および水溶性のマグネシウム(水溶性の第2ミネラル)を含有する第2液状物中で酵母を処理する。本形態では、第2工程において、第2液状物として酵母に対する培地を用い、酵母を培養し、増殖させる。かかる第2液状物でも、第1液状物と同様、水溶性の亜鉛としては硫酸亜鉛を用いることができ、水溶性のマグネシウムとしては硫酸マグネシウムを用いることができる。また、第2液状物については、第1液状物と比較して、亜鉛濃度およびマグネシウム濃度を高濃度とする。例えば、第2液状物については、亜鉛濃度およびマグネシウム濃度を各々、1000ppm以上とする。 次に、酵母を遠心分離、濾過等によって集菌した後、洗浄、凍結乾燥させ、ミネラル酵母を得る。 このように、本形態に係るミネラル酵母の製造方法では、第1工程において、水溶性の亜鉛および水溶性のマグネシウムを添加した第1液状物中で酵母を培養して増殖させ、酵母に亜鉛耐性およびマグネシウム耐性を付与した後、第2工程で、第1工程よりも高濃度の水溶性の亜鉛およびマグネシウムを添加した第2液状物中で酵母を処理する。このため、第2工程において、酵母は、亜鉛およびマグネシウムを非結晶の亜鉛として高濃度に蓄積する。従って、本形態に係る方法で得たミネラル酵母をX線回折により分析すると、結晶性のシャープなピークは検出されない。しかも、本発明に係るミネラル酵母は、乾燥菌体全体に対する非結晶の亜鉛およびマグネシウムの含有量が5%以上であり、サプリメント等に用いるのに適している。 また、本形態のミネラル酵母は、亜鉛(第1ミネラル)およびマグネシウム(第2ミネラル)を含有しているため、アミノ酸の代謝等を活発化するのに必要な亜鉛とマグネシウムとを同時に摂取することができる。 [実施の形態2] 本形態では、ミネラル酵母を製造するにあたって、まず、第1工程において、水溶性の亜鉛および水溶性のマグネシウムを数ppm〜数百ppm添加した第1液状物中で酵母を培養して増殖させる。次に、必要に応じて、酵母を遠心分離、濾過等によって集菌した後、洗浄、凍結乾燥させる。次に、第2工程において、第1工程よりも高濃度、例えば1000ppm以上の水溶性の亜鉛、および水溶性のマグネシウムを添加した第2液状物中で酵母を処理する。次に、酵母を遠心分離、濾過等によって集菌した後、洗浄、凍結乾燥させ、ミネラル酵母を得る。 本形態では、第2工程において、第2液状物として培地以外の液状物、例えば、高濃度の水溶性の亜鉛、およびキレート化剤を添加した水溶液を用い、攪拌あるいは振とうしながら、酵母を非培養的に処理する。 かかる製造方法でも、亜鉛(第1ミネラル)およびマグネシウム(第2ミネラル)を含有するミネラル酵母を得ることができる。 [他の実施の形態] 上記実施の形態1、2では、第1ミネラルと第2ミネラルの組み合わせとして、亜鉛とマグネシウムの組み合わせを例示したが、亜鉛(第1ミネラル)と銅(第2ミネラル)の組み合わせを採用してもよい。かかる構成によれば、亜鉛と銅を同時に摂取するので、銅欠乏性貧血等の発生を防止することができる。 また、第1ミネラルと第2ミネラルの組み合わせとして、他の組み合わせを採用してもよい。さらには、ミネラル酵母に3種類以上のミネラルを含有させてもよい。 [サプリメントへの使用例] 上記実施の形態1、2に係るミネラル酵母は各種サプリメントに用いることができる。また、サプリメントの形態としては、顆粒状、錠剤、カプセル、ドリンク、ゼリー等、各種形態のサプリメントに用いることができる。 第1ミネラルおよび第2ミネラルを含有することを特徴とするミネラル酵母。 前記第1ミネラルは、亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載のミネラル酵母。 前記第2ミネラルは、マグネシウムであることを特徴とする請求項2に記載のミネラル酵母。 前記第2ミネラルは、銅であることを特徴とする請求項2に記載のミネラル酵母。 水溶性の第1ミネラルおよび水溶性の第2ミネラルを含有する液状物中で酵母を培養して増殖させることを特徴とするミネラル酵母の製造方法。 水溶性の第1ミネラルおよび水溶性の第2ミネラルを含有する第1液状物中で前記酵母を培養して増殖させる第1工程と、 前記第1液状物より前記水溶性の第1ミネラルの含有量が多く、かつ、前記第1液状物より前記水溶性の第2ミネラルの含有量が多い第2液状物中で前記酵母を処理する第2工程と、 を有することを特徴とする請求項5に記載のミネラル酵母の製造方法。 前記第2工程では、前記酵母を培養することを特徴とする請求項6に記載のミネラル酵母の製造方法。 前記第2工程では、前記酵母を非培養的に処理することを特徴とする請求項6に記載のミネラル酵母の製造方法。 前記第1ミネラルは、亜鉛であることを特徴とする請求項5乃至8の何れか一項に記載のミネラル酵母の製造方法。 前記第2ミネラルは、マグネシウムであることを特徴とする請求項9に記載のミネラル酵母の製造方法。 前記第2ミネラルは、銅であることを特徴とする請求項9に記載のミネラル酵母の製造方法。 【課題】複数種類のミネラルを同時に摂取することのできるミネラル酵母およびその製造方法を提供すること。【解決手段】第1工程において、水溶性の亜鉛(第1ミネラル)および水溶性のマグネシウム(第2ミネラル)を添加した第1液状物中で酵母を培養して増殖させ、酵母の亜鉛耐性およびマグネシウム耐性を付与した後、第2工程で、第1工程よりも高濃度の水溶性の亜鉛および水溶性のマグネシウムを添加した第2液状物中で酵母を処理する。このため、亜鉛およびマグネシウムを高濃度に含有するミネラル酵母を得ることができる。【選択図】なし


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