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タイトル:公開特許公報(A)_シリコーン油中水型マクロエマルジョン化粧料組成物
出願番号:2012249300
年次:2014
IPC分類:A61K 8/06,A61K 8/894,A61K 8/891,A61Q 19/00


特許情報キャッシュ

リー・テックヤング JP 2014097936 公開特許公報(A) 20140529 2012249300 20121113 シリコーン油中水型マクロエマルジョン化粧料組成物 信越化学工業株式会社 000002060 小島 隆司 100079304 重松 沙織 100114513 小林 克成 100120721 石川 武史 100124590 リー・テックヤング A61K 8/06 20060101AFI20140502BHJP A61K 8/894 20060101ALI20140502BHJP A61K 8/891 20060101ALI20140502BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20140502BHJP JPA61K8/06A61K8/894A61K8/891A61Q19/00 7 1 OL 20 4C083 4C083AB332 4C083AC102 4C083AC121 4C083AC122 4C083AC302 4C083AD151 4C083AD152 4C083AD161 4C083AD162 4C083CC02 4C083DD35 4C083EE03 本発明は、皮膚への塗布時にエマルジョンの崩壊により瞬間的に水分放出が可能な、ウォーター−ドロップクイックブレイクタイプのシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物に関する。 化粧品は、各種の成分を伝達するために、水中油(O/W)型エマルジョン、油中水(W/O)型エマルジョン、シリコーン油中水(W/S)型エマルジョンなどのような様々な乳化システム(エマルジョン組成物)を用いて製造される。 基礎化粧用組成物については、皮膚に直接塗布されることから、機能性の他、良好な肌触りを有する組成物が要求されている。最近では乳化システム(エマルジョン組成物)又はシステム中の組成を変化させることで、使用中や使用後に独特の感覚を与えることができる感覚的な化粧用製品への関心が高まりつつある。 一例として、化粧料組成物にメントール誘導体が添加され、冷たい感じがする冷感化粧料組成物(例えば、特許文献1:韓国特許第10−1084875号公報)が提案されている。また、アクリロイルエチルトリ(C1−C3アルキル)アンモニウム塩から選択された単量体単位を有するカチオン性共重合体と二酸化炭素コートの雲母を含有し、ソフトフォーカス効果によって艶やかな肌にさせる化粧料組成物(例えば、特許文献2:国際公開第2009/103602号)も提案されている。 これらの製品の他にも、肌に塗る瞬間、水滴と共に水相成分がはじけて肌に水分を集中的に供給するウォーター−ドロップクイックブレイク型の製品が脚光を浴びている。 また、油中水型エマルジョン組成の油相部にPEG/PPG−19/19ジメチコンあるいはラウリルPEG(Lauryl PEG)−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを混合することで、油中水型ファンデーションエマルジョンのエマルジョンが破れながら内部水相も直ちに放出されて速やかに水滴がはじけ、肌に化粧水のような水分感を与え、涼しい感じ、しっとりとした感じを与え、しかもメーキャップ効果に著しく優れており、安定性に富むものが開示されている(例えば、特許文献3:韓国特許第10−1158281号公報)。 更に、アニオン親水性高分子物質及び疎水性カチオン系モノマーがイオン結合したポリイオン複合体、シリコーン系クロスポリマー、シリコーンオイルを含み、ウォーター−ドロップクイックブレイク効果、化粧持続性、肌への密着感及び使用感に優れている、シリコーン中水及び水中シリコーンエマルジョン組成物も提案されている(例えば、特許文献4:韓国特許第10−1070819号公報)。 上記の特許文献3で提示されたように、化粧料製品に適用するには、温度変化によるエマルジョン組成物の安定性に優れていなければならない。 一般に、化粧料組成物の安定性評価としてはサイクル評価がなされるが、これは、高温、低温、室温に雰囲気を変えてエマルジョンの状態を観察する方法である。特許文献3では、45℃→常温→5℃の範囲内で1ヶ月ごとに漸進的に循環させながら状態が観察される例示がある。この時、温度及び時間は化粧品の剤形によって異なることがある。 室内における使用では低温として5℃の設定は妥当ではあるが、化粧品の搬送や保管時や、寒い地方などのように5℃よりも低い温度では、エマルジョンが破壊され、水相部及び油相部が分離するおそれもある。 そこで、寒い地方への輸出等に備えては、製品出荷に当たって−20℃以下で凍結テストを行ったり、凍結−解凍反復安定度テストが行われる。韓国特許第10−1084875号公報国際公開第2009/103602号韓国特許第10−1158281号公報韓国特許第10−1070819号公報 本発明は、肌に塗る瞬間、水相成分が水滴と共にはじけ、肌に集中的に水分を供給するウォーター−ドロップクイックブレイク型製剤の製造が可能であり、反復的な凍結−解凍時にも安定性を維持できるシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー、部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー、非架橋型のシリコーン乳化剤及びシリコーンオイルを含むシリコーン油相部(S)の水相部(W)として、水中に、凍結安定化剤として組成物全体に対して、グリセリン3〜15質量%を含有させる構成とすることにより、ウォーター−ドロップクイックブレイク型製剤の製造が可能であり、凍結−解凍安定性の向上したシリコーン油中水型マクロエマルジョン化粧料が得られることを知見し、本発明をなすに至った。 従って、本発明は、下記のシリコーン油相部(S)及び水相部(W)からなるシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物を提供するものである。〔1〕 シリコーン油相部(S)及び水相部(W)からなるシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物であって、 前記シリコーン油相部(S)は、部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー、部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー、非架橋型のシリコーン乳化剤及びシリコーンオイルを含み、 前記水相部(W)は、水中に、凍結安定化剤として組成物全体に対してグリセリンを3〜15質量%含むことを特徴とするシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。〔2〕 更に、水相部(W)に凍結安定化剤として、ポリオール及び低級アルコールから選ばれる1種又は2種以上を組成物全体に対して3〜15質量%含むことを特徴とする〔1〕記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。〔3〕 ポリオールが、1,3−ブチレングリコールであることを特徴とする〔2〕記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。〔4〕 低級アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〔2〕又は〔3〕記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。〔5〕 更に、水相部(W)に凍結安定化剤として、有機酸塩及び無機塩から選ばれる1種又は2種以上を組成物全体に対して0.4〜1.5質量%含むことを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。〔6〕 有機酸塩が、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〔5〕記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。〔7〕 無機塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び硫酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〔5〕又は〔6〕記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。 本発明に係るシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物は、瞬間的な水分放出により肌への水分供給を肉眼で確認可能にすることで使用者に面白い感じを与え、かつ、−20℃の極低温でも安定しており、反復的な凍結−解凍時にも安定性を維持でき、様々な化粧料製品に適用可能である。実施例1で製造したシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンの粒子を示す光学顕微鏡写真である。(a)〜(c)は、それぞれ実施例8,9及び比較例4のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンを示す光学顕微鏡写真である。 以下、本発明をより詳細に説明する。 本発明では、肌に塗布時にエマルジョンの崩壊により瞬間的に水分を放出するウォーター−ドロップクイックブレイクタイプの化粧料に適用することができるシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物を提供する。該シリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物は水相部(W)とシリコーン油相部(S)とからなり、ここで、水相部(W)は、水中に、反復的な凍結−解凍時にも安定した分散相を維持できるように凍結安定化剤を含有する。 凍結安定化剤にはグリセリンを用い、全体組成物中でその含量を限定して安定性を確保することができる。 グリセリンは、化粧料組成物全体中に3〜15質量%、好ましくは5〜10質量%を用いる。この範囲未満の含量では、反復的な凍結−解凍、及び−20℃の極低温での保管時に相分離が起きるし、上記の範囲を超えても、効果面における微々たる増加に比べて経済的にコストがかかり、また、使用感の面でもべたつく等の弊害があるため、上記の範囲にすることが好ましい。 更に、グリセリンに加えて、本発明に係る凍結安定化剤として、水相部(W)に、更にポリオール及び低級アルコールから選ばれる1種又は2種以上を化粧料組成物全体中に3〜15質量%用いて、凍結−解凍安定性をより高めることができる。 この場合、ポリオールとしては、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。 また、低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる低級アルコールが好適であり、該低級アルコールは、エマルジョンの氷点を下げる氷点降下の役割を有し、反復的な凍結−解凍に対する安定性を高めることができる。 また、前記シリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物は、水相部(W)に、更に凍結安定化剤として、氷点を下げることができる有機酸塩及び無機塩から選ばれる1種又は2種以上を化粧料組成物全体中に0.4〜1.5質量%を用い、凍結−解凍安定性をより高めることができる。 有機酸塩としては、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等を用いることができ、無機塩には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれるものを用いることができる。 水相部(W)は、このように水と共に、前述のような凍結安定化剤としてグリセリンを含み、あるいは、グリセリンに加えて、更に凍結安定化剤として、ポリオール及び低級アルコールから選ばれる1種又は2種以上、更に有機酸塩及び無機塩から選ばれる1種又は2種以上を共に用いることができる。なお、水相部の水は精製水を用いることが好ましい。 該凍結安定化剤は様々なエマルジョン組成物に用いることができるが、好ましくは、本発明で詳述するところの肌に塗布時にエマルジョンの崩壊により瞬間的に水分を放出するウォーター−ドロップクイックブレイクタイプの化粧料を製造するためのエマルジョン化粧料組成物に用いることができる。 本発明に係るエマルジョン化粧料組成物は、シリコーン油中水(W/S)型エマルジョンであり、水相部(W)と主にシリコーン系油剤を用いたシリコーン油相部(S)とを有する。なお、シリコーン油相部(S)には非シリコーン系の炭化水素系油剤を、シリコーン油相部(S)全体に対して、通常、50質量%以下程度含有することができる。 主にシリコーン系油剤を用いたシリコーン油相部(S)は、シリコーンオイル中に部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー、部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー、及び非架橋型のシリコーン乳化剤を含み、一般に用いる添加剤(非シリコーン系の炭化水素系油剤等)を更に含んでもよい。 シリコーン油相部(S)中のシリコーンオイルは、本発明で特に限定するものではなく、非架橋性で非反応性のものであればよく、当該分野における公知のシリコーンオイルのいずれをも用いることができる。例えば、ジメチコン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジメチコンとシクロペンタシロキサンとの混合物、シクロペンタシロキサン等を用いることができる。 市販中のシリコーンオイルには、信越化学工業株式会社製のKF−96Aシリーズ、KF−96シリーズ、KF−53、KF−54、KF−56A、KF−9008、KF−9011、KF−9014、X−21−5495、KF−9028、KF−995等があるが、それらに限定されるものではなく、好ましくは、ジメチコン(KF−96A−6cs)を用いることができる。 上記シリコーンオイルの配合量は、シリコーン油相部(S)全体の質量に対して、通常、25〜85質量%程度含有することができる。 部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマーは、本発明で特に限定するものではなく、当該分野における公知のいずれのシリコーンオイルをも用いることができる。一例として、ジメチコン/PEG−10/15クロスポリマーとジメチコンとの混合物、ジメチコン/PEG−10/15クロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物、PEG−15/ラウリルジメチコンクロスポリマーとミネラルオイルとの混合物、PEG−15/ラウリルジメチコンクロスポリマーとイソドデカンとの混合物、PEG−15/ラウリルジメチコンクロスポリマーとトリエチルヘキサノインとの混合物、PEG−10/ラウリルジメチコンクロスポリマー及びPEG−15/ラウリルジメチコンクロスポリマーとスクアランとの混合物、PEG−15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマーとイソドデカンとの混合物、PEG−15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物、ジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマーとジメチコンとの混合物、ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマーとミネラルオイルとの混合物、ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマーとイソドデカンとの混合物、ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマーとトリエチルヘキサノインとの混合物、ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマーとスクアランとの混合物、ポリグリセリン−3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマーとイソドデカンとの混合物、ポリグリセリン−3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンクロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物等を用いることができる。 市販中の部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマーには、信越化学工業株式会社製のKSG−210、KSG−240、KSG−310、KSG−320、KSG−330、KSG−340、KSG−320Z、KSG−350Z、KSG−710、KSG−810、KSG−820、KSG−830、KSG−840、KSG−820Z及びKSG−850Z等を用いることができるが、それらに限定されるものではなく、好ましくは、KSG−210(ジメチコン/PEG−10/15クロスポリマーとジメチコンとの混合物)を用いることができる。 上記部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマーの配合量は、シリコーン油相部(S)全体の質量に対して、通常、3〜50質量%程度含有することができる。 また、部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマーは、本発明で特に限定されるものではなく、当該分野における公知のいずれのシリコーンオイルをも用いることができる。一例として、シリコーン系クロスポリマーと少なくとも一つの炭化水素系オイル及び/又は一つのシリコーンオイルとが混合された物質でよい。 例えば、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーとジメチコンとの混合物、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーとメチルトリエチコンとの混合物、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーとイソドデカンとの混合物、ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマーとジフェニルエチルシロキシフェニルトリメチコンとの混合物、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマーとミネラルオイルとの混合物、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマーとイソドデカンとの混合物、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマーとトリエチルヘキサノインとの混合物、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマーとスクアランとの混合物、ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマーとイソドデカンとの混合物、ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物等を用いることができる。 市販中の部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマーは、信越化学工業株式会社製のKSG−15、KSG−16、KSG−1610、KSG−106、KSG−18A、KSG−41、KSG−42、KSG−43、KSG−44、KSG−042Z及びKSG−045Zなどを用いることができるが、それらに限定されるものではなく、好ましくは、KSG−15(ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物)を用いることができる。 上記部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマーの配合量は、シリコーン油相部(S)全体の質量に対して、通常、2〜50質量%程度含有することができる。 なお、上記シリコーンオイル、部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー、部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマーの配合割合は、質量比としてシリコーンオイル1質量に対し、部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマーは、通常、0.05〜1.5質量の割合で含有することができ、部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマーは、通常、0.025〜1.5質量の割合で含有することができる。 そして、非架橋型のシリコーン乳化剤には、本発明で特に限定されるものではなく、当該分野における公知のいずれのシリコーンオイルをも用いることができる。一例として、ポリエーテル改質シリコーン又はポリグリセリン改質シリコーンを用い、PEG−3ジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−9メチルエーテルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等を用いることができる。 市販中の非架橋型のシリコーン乳化剤には、信越化学工業株式会社製のKF−6015、KF−6016、KF−6017、KF−6028、KF−6038、KF−6104及びKF−6105等を用いることができるが、これらに限定されるものではなく、好ましくは、KF−6017(PEG−10ジメチコン)を用いることができる。 上記非架橋型のシリコーン乳化剤の配合量は、シリコーン油相部(S)全体の質量に対して、通常、0.03〜11.5質量%程度含有することができる。 なお、本発明において、上記シリコーンオイル、部分架橋型乳化性シリコーンエラストマー、部分架橋型非乳化性エラストマー、非架橋型シリコーン乳化剤は、いずれも25℃の稠度(混和稠度)が300〜450、特に330〜430程度のものが好ましい。ここで、この稠度(混和稠度)は、JIS K2220に準拠して測定することができる。 要するに、本発明の一具現例によるシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物は、全体組成物の和が100質量%を満たすように、a) i)グリセリン3〜15質量%、 ii)水を残部として含む水相部(W)と、b) i)部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー1.0〜15質量%、 ii)部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー0.5〜10質量%、 iii)非架橋型のシリコーン乳化剤0.01〜5.0質量%、及び iv)シリコーンオイル5〜30質量%、を含むシリコーン油相部(S)と、で構成される。 ここで、ポリオール、及び/又は、低級アルコールを更に含む場合に、本発明の他の具現例によるシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物は、全体組成物の和が100質量%を満たすように、a) i)グリセリン3〜15質量%、 ii)ポリオール及び低級アルコールの1種又は2種以上を5〜15質量%、 iii)水を残部として含む水相部(W)と、b) i)部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー1.0〜15質量%、 ii)部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー0.5〜10質量%、 iii)非架橋型のシリコーン乳化剤0.01〜5.0質量%、及び iv)シリコーンオイル5〜30質量%、を含むシリコーン油相部(S)と、で構成される。 また、有機酸塩、及び/又は、無機塩を含む場合には、本発明の他の具現例によるシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物は、全体組成物の和が100質量%を満たすように、a) i)グリセリン3〜15質量%、 ii)有機酸塩及び無機塩から選ばれる1種又は2種以上を0.4〜1.5質量%、 iii)水を残部として含む水相部(W)と、b) i)部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー1.0〜15質量%、 ii)部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー0.5〜10質量%、 iii)非架橋型のシリコーン乳化剤0.01〜5.0質量%、及び iv)シリコーンオイル5〜30質量%、を含むシリコーン油相部(S)と、あるいは、a) i)グリセリン3〜15質量%、 ii)ポリオール及び低級アルコールの1種又は2種以上を5〜15質量%、 iii)有機酸塩及び無機塩から選ばれる1種又は2種以上を0.4〜1.5質量%、 iv)水を残部として含む水相部(W)と、b) i)部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー1.0〜15質量%、 ii)部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー0.5〜10質量%、 iii)非架橋型のシリコーン乳化剤0.01〜5.0質量%、及び iv)シリコーンオイル5〜30質量%、を含むシリコーン油相部(S)と、で構成される。 上記の組成からなるシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物の製造は、通常の化粧料組成物の製造処方を適用することができる。 このとき、必要によって、当該分野において公知である水溶性生理活性成分、油溶性生理活性成分、溶媒又は添加剤を更に含むことができる。ここで、溶媒は、油溶性成分を溶解させるために用いるもので、エタノール等の溶媒でよい。 また、添加剤は、保湿剤、脂肪酸、防腐剤、pH調節剤、酸化防止剤、紫外線遮断剤、顔料、染料、香料、安定化剤、粘増剤等であればよく、当業者により適宜選択されるとよい。 保湿剤には、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ソルビトール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、イソプレングリコール、アミノ酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、キシログルカン、カリン種子、カラギーナン、ペクチン、マンナン、カドラン、ガラクタン、デルマンタン硫酸、グリコーゲン、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ケラト硫酸、ローカーストビンガム、スクシングルカン、カロニム酸(Calonym acid)、ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルシロキサン、乳酸菌、ビフィズス菌である培養上清、及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる1種を用いることができる。 脂肪酸としては、ヒドロカーボン;及び、ラウリン酸、ミリスト酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸及びこれらの混合物よりなる群から選ばれる1種の脂肪酸を更に添加することができる。 粘増剤は、化粧料組成物への使用時に、適切な粘度を与えて使用感を高めるためのもので、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウム、カリン種子抽出物、アラビアガム、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、グアガム、デキストラン、トラガカントゴム(tragacanth gum)、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる1種を用いる。好ましくは、広い範囲のpHかつ薄い濃度でも透明に粘増可能なカーボマーを用いる。 脂質は、マンゴーバター、シェアバター、ココアノシードバター、マカダミアナッツオイル、バチルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる1種を用いることができる。 防腐剤には、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ジヒドロアセト酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4−トリクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,3,4−トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン等を用いることができる。 pH調節剤には、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ほう酸、硼砂、リン酸水素カリウム等を用いることができる。 酸化防止剤には、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、沒食子酸プロピル、アスコルビン酸等を用いることができる。 紫外線遮断剤には、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、3−(4−メチルベンジリデン)−d−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸(urocanic acid)、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン(dibenzalazine)、ジアニソイルメタン(dianisoylmethane)、4−メトキシ−4−t−ブチルベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルへキシルパラメトキシシナメート、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等を用いることができる。 顔料には、シリカ、マイカ、タルク、セリサイト、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、酸化亜鉛、二酸化セリウム、二酸化ジルコニウム、カーボンブラック、バリウム、ストロンチウム、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等を用いることができる。 防腐剤には、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラベン類、フェノキシエタノール、オクタンジオール、ヘキサンジオール等を用いることができる。 なお、上記任意成分は、水溶性成分は水相、油溶性成分はシリコーン油相部に配合することが好ましい。 本発明に係るシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、一般に用いる乳化方法を用いればよい。 具体的に、S1) シリコーンオイル、部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー、部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー、及び非架橋型のシリコーン乳化剤を混合してシリコーン油相部(S)を製造する段階、S2) 水に凍結安定化剤としてグリセリン、及び、必要によりポリオール及び低級アルコールから選ばれる1種又は2種以上の凍結安定化剤、及び/又は、有機酸塩及び無機塩から選ばれる1種又は2種以上の凍結安定化剤を混合して水相部(W)を製造する段階、S3) 該水相部(W)をシリコーン油相部(S)に添加してシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンを製造する段階、からなる。 この場合、シリコーン油相部(S)と水相部(W)との割合は適宜選定されるが、シリコーン油相部(S):水相部(W)の質量比が7:93〜40:60であることが、化粧料組成物の安定性と使用感との双方を同時に満足させる点で好ましい。 シリコーン油相部(S)の比率が大きすぎると、水々しい使用感が得られなくなったりする場合があり、水相部(W)の比率が大きすぎると、化粧料組成物の安定性が悪くなったりする場合がある。 以下、各段階別により詳細に説明する。 まず、シリコーンオイル成分、架橋型の乳化性シリコーンエラストマー、部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー及びシリコーン乳化剤を混合し、必要時にはその他添加剤を更に混合して油相部を製造する(S1)。 該シリコーン油相部(S)の製造は、通常の方法により温度調節と撹拌が可能な真空乳化槽内で行い、必要によって撹拌したり加熱してシリコーンオイルに他の成分を均一に混合させることができる。 この時、必要によって、その他添加剤に加えて、油溶性生理活性成分を更に追加する。使用可能な油溶性生理活性成分は、この分野における公知のいずれをも用いることができ、代表的に、シワ改善効果を示す活性成分として、レチノール及びその誘導体(例、レチノールパルミテート)、アデノシン等を用いることができる。 次に、水にグリセリン、更に、必要によりポリオール及び低級アルコールから選ばれる1種又は2種以上、及び/又は、有機酸塩及び無機塩から選ばれる1種又は2種以上を混合して水相部(W)を製造する。 該水相部(W)の製造は、シリコーン油相部(S)の製造と同様、通常の方法により温度調節と撹拌が可能な真空乳化槽内で行い、必要によって撹拌したり加熱して水に他の成分を十分に溶解させることができる。 この時、必要に応じて、水溶性生理活性成分を更に添加する。使用可能な水溶性生理活性成分は、当該分野における公知のいずれをも用いることができ、代表的に、美白効果のある生理活性成分として、油溶性甘草、エチルアスコルビルエーテル、α−ビサボロール等を用いることができる。 次に、上記水相部(W)をシリコーン油相部(S)に添加してシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンを製造する(S3)。 該シリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンの製造は、真空乳化槽内でディスパーミキサーを用いて1,000〜3,000rpm、好ましくは1,200〜2,500rpmの速度で1〜10分間撹拌する。 このように製造されたシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンは、粒子サイズが通常のエマルジョン粒子よりも大きい、好ましくは、平均サイズが5〜20μmである粒子を有するエマルジョンの形態で製造される。このような粒子サイズ範囲を有するマクロW/Sエマルジョンは、従来の微細乳化粒子に比べてより大きい粒子サイズで製造され、肌との接触又は圧力の印加時にエマルジョンの崩壊により瞬間的に水分(すなわち、水相部)を放出して肌と接触する面積が相対的に増加し、その分、経皮吸収率及び経皮吸収面積も増加する。 特に、本発明に係るシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンは、高温、常温、及び低温でも安定した分散相を有することができ、特に、−20℃と常温での反復的な凍結−解凍を行っても安定した分散相を維持することを確認した。 このようなシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンは、様々な剤形の化粧料組成物に応用することができ、溶液、懸濁液、乳液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、クレンジング、オイル、ファンデーション及びスプレー等に剤形化することができる。 例えば、当該シリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン組成物は、柔軟化粧水、栄養化粧水、ローション、クリーム、パック、ジェル、パッチ又はスプレー(ミスト)から選ばれる基礎化粧料の組成物、口紅、メーキャップベース、又はファンデーションから選ばれる色調化粧料の組成物等に用いることができる。 また、各剤形の組成は、その剤形の製剤化に必要でかつ適切な各種の基材と添加物を含有することができ、その効果を低下させない範囲内で、例えば、非イオン界面活性剤、シリコーンポリマー、体質顔料、香料、防腐剤、殺菌剤、酸化安定化剤、有機溶媒、イオン性又は非イオン性粘増剤、柔軟化剤、酸化防止剤、自由ラジカル破壊剤、不透明化剤、安定化剤、エモリエント(emollient)、シリコーン、α−ヒドロキシ酸、消泡剤、保湿剤、ビタミン、昆虫忌避剤、香料、保存剤、界面活性剤、消炎剤、物質P拮抗剤、充填剤、重合体、推進剤、塩基性化又は酸性化剤、又は着色剤等の公知の化合物を含むことができる。 以下、本発明をより具体的に説明するために、実施例を用いて詳細に説明する。ただし、本発明の実施例は、様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲を次に述べる実施例に限定されるものと解釈してはならない。本発明の実施例は、当業界で通常の知識を有する者に、本発明をより完全に説明するために提供されるものである。実施例及び比較例:エマルジョン組成物の製造 下記の表1乃至表3に示す組成でシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン組成物を製造した。 まず、混合器にシリコーン油相部(S)の各組成を投入し、ディスパーミキサーで1,000rpmで3分間撹拌して均一混合された油相部を作った。続いて、他の混合器で水相部(W)の各組成を混合して完全溶解し、ディスパーミキサーで1,000rpmで3分間撹拌して水相部(W)を作った。この水相部(W)をシリコーン油相部(S)に添加し、1,500rpmで5分間撹拌してシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン組成物を製造した。 この時、部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー(‘乳化性エラストマー’)にはジメチコン/PEG−10/15クロスポリマーとジメチコンとの混合物(信越化学工業株式会社製、KSG−210)を、部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー(‘非乳化性エラストマー’)にはジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物(信越化学工業株式会社製、KSG−15)を、非架橋型のシリコーン乳化剤にはPEG−10ジメチコン(信越化学工業株式会社製、KF−6017)を、シリコーンオイルにはジメチコンを用いた。[試験例1]粒子サイズ及び分散状態 上記実施例1で製造したシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンの粒子を確認するために光学顕微鏡を用いて測定し、その結果を図1に示す。 図1は、実施例1で製造したシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンの粒子を示す走査電子顕微鏡写真であり、粒子サイズ5〜20μmレベルのマクロ粒子を有することがわかる。 また、実施例8及び9と、比較例4で製造したシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンの分散状態を確認するために光学顕微鏡を用いて測定し、その結果を図2の(a)〜(c)に示す。図2の(a)〜(c)は、それぞれ実施例8,9及び比較例4のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンの光学顕微鏡写真であり、安定した分散状態をなすことを確認した。特に、比較例4のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンはエマルジョンを形成するが、凍結−解凍安定性が低いという問題がある。[試験例2]安定性評価 上記実施例及び比較例で製造したシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンの安定性を確認するために恒温槽及び循環槽内で放置して安定性を評価したが、この時、安定性は下記のような条件下で行った。 上記の表5から、本発明によって凍結安定化剤としてグリセリン、及び、ポリオール及び低級アルコールから選ばれる1種又は2種以上、及び/又は、有機酸塩及び無機塩から選ばれる1種又は2種以上の凍結安定化剤の混合物を含むことで化粧料組成物に良好な安定性が得られることがわかる。 これに対し、比較例は、高温、常温、低温、循環安定性はある程度良好だったが、凍結−解凍安定性が不良だったことがわかる。[試験例3]官能試験 上記実施例及び比較例で製造したシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョンを20歳〜40歳の女性20人に使用してもらい、ウォーター−ドロップクイックブレイク効果、しっとり感、伸ばしやすさ、密着感を評価し、その結果を下記の表6に示した。この時、評価は、不良:×、やや不良:△、普通:○、良好:◎として行った。 上記の表6を参照すると、実施例の組成物は、使用者が伸ばしやすさ、密着感、持続性において負担を感じることなく、ウォーター−ドロップクイックブレイク効果を感じることができた。 これに対し、比較例の組成物は、それぞれの項目において満足できない結果を示した。 シリコーン油相部(S)及び水相部(W)からなるシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物であって、 前記シリコーン油相部(S)は、部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー、部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー、非架橋型のシリコーン乳化剤及びシリコーンオイルを含み、 前記水相部(W)は、水中に、凍結安定化剤として組成物全体に対してグリセリンを3〜15質量%含むことを特徴とするシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。 更に、水相部(W)に凍結安定化剤として、ポリオール及び低級アルコールから選ばれる1種又は2種以上を組成物全体に対して3〜15質量%含むことを特徴とする請求項1記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。 ポリオールが、1,3−ブチレングリコールであることを特徴とする請求項2記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。 低級アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2又は3記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。 更に、水相部(W)に凍結安定化剤として、有機酸塩及び無機塩から選ばれる1種又は2種以上を組成物全体に対して0.4〜1.5質量%含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。 有機酸塩が、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。 無機塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び硫酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5又は6記載のシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物。 【解決手段】本発明は、ウォーター−ドロップクイックブレイクタイプのシリコーン油中水(W/S)型マクロエマルジョン化粧料組成物に関し、特に、シリコーン油相部(S)に、部分架橋型の乳化性シリコーンエラストマー、部分架橋型の非乳化性シリコーンエラストマー、非架橋型のシリコーン乳化剤及びシリコーンオイルを含み、水相部(W)に、凍結安定化剤としてグリセリン、及び、ポリオール及び低級アルコールから選ばれる1種又は2種以上、及び/又は、有機酸塩及び無機塩から選ばれる1種又は2種以上の凍結安定化剤の混合物を含むシリコーン油中水型マクロエマルジョン化粧料組成物。【効果】本発明組成物は、肌に塗布時に瞬間的に水分を放出する機能を有し、−20℃の極低温でも安定しており、反復的な凍結/解凍時にもエマルジョン組成物の安定性を維持でき、様々な化粧料製品に適用可能である。【選択図】図120131114A1633000493 脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスト酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸及びこれらの混合物よりなる群から選ばれる1種の脂肪酸を更に添加することができる。


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