タイトル: | 公開特許公報(A)_錠剤の製造方法及び錠剤 |
出願番号: | 2012229900 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | A61K 8/19,A61K 8/36,A61K 8/86,A61K 8/365,A61K 8/46,A61K 8/44,A61Q 19/10 |
小星重冶 吉本博 JP 2014005266 公開特許公報(A) 20140116 2012229900 20121017 錠剤の製造方法及び錠剤 株式会社ホットアルバム炭酸泉タブレット 512083883 坂口 信昭 100073210 坂口 吉之助 100173668 小星重冶 吉本博 JP 2012121078 20120528 A61K 8/19 20060101AFI20131213BHJP A61K 8/36 20060101ALI20131213BHJP A61K 8/86 20060101ALI20131213BHJP A61K 8/365 20060101ALI20131213BHJP A61K 8/46 20060101ALI20131213BHJP A61K 8/44 20060101ALI20131213BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20131213BHJP JPA61K8/19A61K8/36A61K8/86A61K8/365A61K8/46A61K8/44A61Q19/10 9 OL 24 4C083 4C083AB311 4C083AB312 4C083AC231 4C083AC291 4C083AC301 4C083AC302 4C083AC661 4C083AC662 4C083AC782 4C083AC791 4C083AC792 4C083AD041 4C083AD042 4C083CC25 4C083DD15 4C083EE06 4C083EE41 4C083FF04 本発明は、錠剤の製造方法及び錠剤に関するものであり、詳しくは、炭酸ガス入浴剤として重炭酸塩と有機酸を一定比率で混合、一定硬度以上の錠剤とし、使用する湯水(水もしくは加熱ないし加湿した湯又はこの両者の混合物をいう。本発明においては、この意味で用いる。)に溶解した場合、その溶解直後の水溶液のPHが5.5から8.5の範囲でありながら、高硬度の錠剤中では、炭酸ガスの発泡が激しく継続的に起こる環境が生まれ、発泡する炭酸ガスの径を一定径以下の微細なミクロサイズの泡とすることができ、泡の表面積を大きくして湯水に対する炭酸ガスの溶解度を飛躍的に上げ、かつ発泡はゆっくり長時間錠剤内部で行われ、泡の合併も少なく、均一で小サイズの泡とし、泡の表面積が炭酸ガス成分が水や湯中へ十分溶解し、溶解後は湯水のPHが中性なため、炭酸ガスは重炭酸イオンに変化して、高濃度の重炭酸泉を作り出し、皮膚からの経皮吸収を最大にして血液中の溶解、重炭酸イオン濃度を高め、入浴時の血行促進や体温上昇などの健康効果が大きく発揮される、炭酸ガス発泡性組成物である錠剤及びその製造方法に関するものである。 重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)と、有機酸とを含む混合物を打錠等によって成型し、中和反応を利用した発泡性組成物(固形物)とすることは、洗浄剤、浴剤、風呂水清浄剤、プール用殺菌剤等の製品に適用されている。これらの製品(固形物)は、湯水に投入すると、重曹が有機酸で中和され反応して炭酸ガスを発生し速やかに溶解する利点を有すると同時に、消費者に快適な使用感を与えるので商品価値を高める効果があり、特に浴剤においては、発生する炭酸ガスの血管への経皮吸収による血行促進効果があるといわれ積極的に利用されている。 しかしながら、重炭酸塩と有機酸とを組合わせて錠剤化すると、湯水に溶かした場合、溶解しながら激しく中和反応が起き、大きな径の炭酸ガスの泡が発生し、かつ泡が合併し大きくなり、その浮力によって炭酸ガスは、速やかに上昇してしまい、液外の空気中に出てしまい、湯水に溶解する炭酸ガス濃度が少なくなり、炭酸ガスによる入浴効果もあまり得られないという問題が起こってしまう。 炭酸ガスは本来、湯水に溶け難い性質のものであり、温度が上がるとさらに溶解度が低下し、湯水中の炭酸ガス濃度は、限りなく低くなるため、炭酸飲料のように圧力をかけて炭酸ガスを高圧で圧縮し溶解させなければ高い濃度の炭酸水を作ることはできなかった。 そのため発泡するという泡の勢いを楽しむことはできるが、実は湯中の炭酸ガス濃度は低く、経皮吸収で血管に溶ける炭酸が少ないため、体が温まる等の入浴効果が得られないという問題が起こってしまっていたことを発明者らは突き止めた。 自然の炭酸泉は炭酸ガス濃度が1000ppm以上であることが条件ともいわれているが、これは地下の高圧下で、炭酸ガスが高濃度に溶解したものであり、もし人工炭酸泉でこの1000ppmを作ろうとすると、高圧ガスボンベを使ってメンブランなど特殊な装置で溶解させなければならず、装置は高価ともなり、大掛かりで簡便には使えない装置となってしまっていた。 それゆえ、家庭で簡便に炭酸泉を利用する方法として、お風呂に入れるだけで、炭酸ガスが発生しながら溶解してくれる浴剤がもてはやされ、重炭酸塩と有機酸を使い中和反応で発泡させる浴剤(本発明において、入浴剤ということもある。)が主流となっていた。 この場合、多くは、炭酸ガスがたくさん出て肌に泡がつく現象をもって良い炭酸泉とされ、一般にはPH4以上5.5未満の弱酸性になるよう設計し、有機酸を酸性過剰で添加混合し激しく中和反応を起こさせ、発泡する炭酸ガスを、湯水中へ溶解させようとしていた。 本発明者らの検討では、この方法では前述したように弱酸性下で中和反応が激しく行われ、炭酸ガスの泡径は限りなく大きくなり、炭酸ガスのほとんどが合併し大きくなり浮力が高く液外の空気中に逃げてしまい、見た目だけは炭酸ガスが大量に出ているように見えても、実際の溶解水中炭酸濃度は、高くできず、前記したような1000ppmにはほど遠い100ppm程度、もしくはそれ以下にしかできなかった。 一般には自然炭酸泉が弱酸性ということに加え、炭酸ガス濃度は1000ppm以上を炭酸泉と呼ぶという通説に惑わされ炭酸ガス濃度さえ高ければよいと考え、入浴剤を酸性で激しく中和反応を起こさせ、肌に泡が付くようにしたのが一般的であったが、浴剤が酸性では炭酸ガスは限りなくガスとして液外に揮散してしまう性質があり、最初の入浴で発泡を楽しみ、塩濃度などの効果で、多少の体の温まり効果などを享受できたとしても、発泡後に別の家族が入浴した場合には、液中の炭酸ガスはほとんどなく体の温まり効果も得られず、入浴のたびに新しい入浴剤を入れなければならないことが分かった。 本発明者らは、それ故に湯水中への炭酸ガスの発生は液中に炭酸ガスが溶解しやすい状態で反応させなければならないし、炭酸ガスが皮膚から血管に吸収されるには、浴剤が限りなく体液のペーハーに近い中性でなければならないことを突き止めた。 即ち、本発明者らが自然炭酸泉の効果を詳しく検討した結果、自然炭酸泉の弱酸性はPH値が弱酸性を示しているだけで、酸性成分によるものではなく、地下深くの高圧化で微量の鉱物イオンが溶解しそのわずかなマイナスイオンの解離による、力価のない弱酸性(有機酸過剰ではない酸性。)であり、皮膚や毛髪など体液に触れただけで炭酸ガスは中和され中性になってしまうような程度の弱酸性であることが分かり、市販の入浴剤がPH値だけ自然炭酸泉の値を真似して有機酸を過剰に入れ炭酸ガスを発泡させやすく弱酸性にしても、全く意味がないことを突き止めた。 一般に炭酸泉の効果の説明で、炭酸ガスが直接皮膚から経皮吸収されると記述されているが、これは全くの誤りであり、「炭酸ガスが直接経皮吸収され血管中に溶解するのであれば、なぜ空気中の炭酸ガスは経皮吸収されないのか」という矛盾にぶつかる。 また血液や皮膚表面の体液のほとんどは中性でPH7.2から7.4程度である。体液が中性だとすれば、炭酸成分は化学的には重炭酸イオンとしてしか存在せず血管に経皮吸収される成分は重炭酸イオンでなければならないはずである。 すなわち、血管中では炭酸ガスではなくPHから推定し重炭酸イオンとして溶解しているはずである。なぜなら、炭酸イオンは弱酸性では炭酸、中性では重炭酸イオンHCO3マイナス1イオン、アルカリでは 炭酸イオンCO3マイナス2イオンとして形を変えて存在するのが正しい科学的な理解であり、中性である体液の中では必ず重炭酸イオンとなって溶解しているものである。 前述したように、自然炭酸泉はPHこそ弱酸性であるが、力価は全くなく、肌についたCO2(炭酸ガス)は直ちに中和され重炭酸イオンとなって経皮吸収され毛細血管中に溶解するというのが正しい説明になるはずである。 仮に、入浴剤が力価を持つ酸性すなわち有機酸過剰の状態なら、たとえ炭酸ガスが如何に多く発泡しても、その炭酸ガスは極めて空気中へ揮散しやすく、また皮膚や体液にたくさん付着したとしても、体液で中和されることはなく、重炭酸イオンにはなり得ないため血管にも吸収されず、血流を高めたり、体温を上げて温めるなどの健康効果は得られないはずである。 それゆえ 炭酸ガスを発泡させさえすればよい、という従来の入浴剤の常識では健康効果は得られず、多くの場合、炭酸ガスが経皮吸収されるという間違った説明に騙され、重曹と過剰の有機酸を組み合わせて 中和反応だけ発泡だけ追い求めてしまい効果のない浴剤を設計させられてしまっていた。 酸性ガスは大量に発泡させても炭酸ガスそのものは決して経皮吸収されることはなく体内の血管中に取り込まれ、血流を高めて体温を上げるという自然炭酸泉の持つ入浴効果は得られないという問題に突き当たることになってしまっていた。 そうかと言って有機酸を少なくし、中性や弱アルカリ性の状態で錠剤や入浴剤を設計したとしても、本発明者らの研究によれば、実は十分な中和反応は起こらず、極めて弱く発泡する程度で、炭酸ガスの発泡は得られず、これもまた意味がない問題となってしまっていた。 これでは単に重曹を湯水に溶かしただけの洗剤としての効果しか得られない入浴剤となってしまうため、本発明者らは錠剤が溶解後は湯水は中性となるが、浴剤投入時の錠剤の内部では激しく中和反応が起こる環境となり、細かいミクロサイズの炭酸ガスを発生させ、発泡反応が終わったら、湯水は中性、もしくは弱アルカリ性になる、そういう理論的には極めて難しい入浴剤の設計が必要と考え、この難しい問題に挑戦したものである。 言い換えれば、湯水中への炭酸ガスの発生は大量となるよう反応サイトを酸性もしくは弱酸性とし、液中に炭酸ガスが大量に発生するような環境をつくり、浴剤が溶解後は湯水のPHは中性となるような入浴剤が必要で、発生した炭酸ガスが皮膚や体液に触れたとき体液で中和され重炭酸イオンとして経皮吸収されるような湯水のPHとなる入浴剤の実現が理想であることを、本発明者らは突き止めた。 またこの中和反応は激しいほどよいが、発泡が急激すぎると、泡の直径が大きくなり、泡が合併してさらに拡大し浮力が増大してしまうため、ガスのほとんどが湯水の表面で破裂し空気中に逃げてしまう、そして湯水への炭酸ガスの溶解が減少してしまうことになり、さらに泡の径が大きくなると気泡の表面積も減少し、この場合も炭酸ガスの湯水への溶解は減少してしまうことになる。 したがって泡の発生は激しいけれども合併せずゆっくり長時間放出するよう、持続させ、かつ微細な小さなサイズで安定的に多量発生させることが望ましいが、従来は単に、ポリエチレングリコールなどを大量に使い反応物の急激な接触を防止し、ゆっくり断続的に接触させて反応をコントロールしようと試みる方法が提案されているが、この場合中和反応まで弱くなり、発泡が起こらず、入浴効果もなくなるという、問題が起こってしまっていた。 そのため既存のほとんどの入浴剤は発泡反応優先で弱酸性で激しく反応させ、炭酸濃度が如何に高いかを視覚的に示すよう設計し、炭酸ガスが皮膚から直接取り込まれるように誤って説明しており、炭酸ガスは大量に出るが、直ちに液外に揮散し、体への経皮吸収による血流改善などで体が温まるなどの健康効果は出ない炭酸泉入浴剤となってしまっていた。 そのため市販のこの種の商品は自然炭酸泉に近い入浴効果とは程遠い商品となってしまっていたのが現状であった。 実際には起こらない「炭酸ガスが直接経皮吸収する」というような、誤った知識や説明が横行したため、こういった現状を解決するための新たな商品開発は全く行われず、その結果今まで市販の入浴剤で実質的に体が温まるものはなく、炭酸入浴剤は匂いや香りなどの本来成分以外の部分で開発が盛んに行われ、入浴剤の真価とはこんなものかというのが正直なところであった。重炭酸塩とクエン酸の組み合わせが健康指向としては最高の組み合わせとなるはずなのに、なぜか錠剤内部での結晶中の水分でさえ、発泡反応がおこってしまい、商品として保管し物流させている間に密閉包装容器が膨らんでしまうため、商品化できず、重炭酸塩と中和反応しにくいコハク酸やフマル酸を使用し、保存中に反応させず、湯中に投入した際には激しく反応するよう酸性過剰にして錠剤を設計、その製造方法を工夫してきたにすぎなかった。 従来、その一つ目として、炭酸塩と芒硝の復塩を予め調整しておき、これに有機酸を混合調整する方法が提案されている(特許文献1)。 また、その二つ目として、平均分子量950〜3,700のポリエチレングリコール(以下「PEG」と略記することもある。)30〜70質量%と他の発泡性成分70〜30質量%とを配合した後、加熱してPEGを溶融せしめ、発泡成分をPEG中に埋め込む方法が提案されている(特許文献2)。 しかし、これら大量のPEGで被覆する方法では、製品の安定化のために、多量の成分を混合することは炭酸ガスの発生量がそれだけ低下し、消費者の快適な使用感を損なうのみならず、製品目的を発現する有効成分の配合量が減少することになるので、発生する炭酸ガス量が減少し、一回あたりの使用量も増えること、また、互いが中和反応によらず、独立して溶解してしまうため、炭酸ガス量が少なく、結局大量の錠剤を投入しなければ目的の炭酸ガスの溶解が得られず、コストが高くなる。更に発生する炭酸ガスによる効果を謳う入浴剤にあっては商品価値がなくなり、致命的な欠点になる。 一方、生産性の面からは、特に打錠される錠剤製品において、錠剤の機械的強度を得ることができず、打錠機の臼や杵への粉の付着が問題となり、結合剤(結着剤ともいう。)や離型剤の使用が大量となり、これらの成分も、炭酸ガスの発生量の低下をもたらす一因となる。しかも、一般に使われる離型剤としての金属石鹸の微粉末は、水に不溶のために使用時に不快感を与える恐れさえも懸念された。 これらの問題を解決する手段として、実質的に水を含まないか或いは50℃以下で結晶水を遊離しない有機酸とPEGとを60〜100℃で加熱溶融混合後、内部にパドル又はプロペラ状の攪拌翼を取り付けた空気式流動層で攪拌しながら冷却、粉末化し、これに炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを添加して打錠成型する錠剤の製造方法が提案されており、前記実質的に水を含まないか或いは50℃以下で結晶水を遊離しない有機酸として、フマル酸、酒石酸、蓚酸、クエン酸、コハク酸、グルコン酸又はアジピン酸などが挙げられている(特許文献3)。特開昭58−213714号公報特開昭58−105910号公報特公平7−47532号公報 そこで、本発明の第1の目的は、炭酸ガス発生源としての化合物、重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)と中和反応をさせる化合物として、有機酸を用い、加えてポリエチレングリコールの存在下で、圧縮成型によって一定以上の高硬度で一定サイズの大きさの錠剤とすることで、錠剤が溶解した後の水溶液のPHは中性となるにもかかわらず、錠剤内部では激しく効率よく中和反応を起こさせ、可能な限り小さなサイズの炭酸ガス泡を一定時間継続的に放出させることで、発生した炭酸ガスの大部分を空気中に逃がさず水中に溶解させ、溶解直後のPHが中性となるよう設計することで水中の重炭酸イオンを高濃度にし、その水溶液のPHから皮膚に触れた炭酸ガスは容易に重炭酸イオンとなり本来存在する重炭酸イオンと相まって高濃度にでき、皮膚からの血管への重炭酸イオンの吸収を限りなく多くできる錠剤の製造方法と錠剤を提供することにある。 本発明の第2の目的は、溶解した高濃度の炭酸ガス成分を容易に重炭酸イオンに中和させ、経皮吸収される重炭酸イオンの濃度を限りなく高め、血流を著しく早め体温を上昇させて、健康と美容などの入浴効果が高められる、炭酸泉入浴剤等の錠剤の製造方法及び錠剤を提供することにある。 本発明のその他の目的は、以下の記述によって明らかにされる。 なお、本発明において、「量」は、特に断りのない限り「質量」を表し、「%」は、特に断りのない限り「質量%」を表す。上記課題を解決する本発明は、下記構成を有する。[発明1] 重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)に対し1/10から1/3の有機酸及び1/100から1/5のポリエチレングリコールの存在下に、圧縮成型する錠剤の製造方法において、錠剤を溶解した直後の水溶液のPHが5.5から8.5であり、錠剤の硬度が15kg以上、錠剤の直径及び厚さ方向がそれぞれ7mm以上となるように圧縮成型によって錠剤を製造することを特徴とする錠剤の製造方法。[発明2] 有機酸が、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする前記発明1に記載の錠剤の製造方法。[発明3] 重炭酸塩の1/100から1/10の範囲で下記無水物を添加することを特徴とする前記発明1又は2に記載の錠剤の製造方法。無水物:無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウム[発明4] 有機酸の一つがクエン酸であることを特徴とする前記発明1〜3のいずれかに記載の錠剤の製造方法。[発明5] 重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)又は有機酸の少なくともいずれか一方がポリエチレングリコールと混合し、流動層造粒機で造粒した造粒物であることを特徴とする前記発明1〜4のいずれかに記載の錠剤の製造方法。[発明6] 重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)に対し1/10から1/3の有機酸及び1/100から1/5のポリエチレングリコールの存在下に圧縮成型した錠剤において、錠剤を溶解した直後の水溶液のPHが5.5から8.5であり、錠剤の硬度が15kg以上、錠剤の直径と厚さ方向のそれぞれが7mm以上であることを特徴とする錠剤。[発明7] 有機酸の一つがクエン酸であることを特徴とする前記発明6に記載の錠剤。[発明8] 錠剤を溶解直後の水溶液のPHが6.0から8.0の範囲であることを特徴とする前記発明6又は7に記載の錠剤。[発明9] 少なくともn−(ノルマル)オクタンスルホン酸ナトリウム又はラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルメチルアラニンナトリウムの少なくとも1種を含むことを特徴とする前記発明6〜8のいずれかに記載の錠剤。 前記発明1、2、3及び4並びに6、7及び8によれば、効率よく長時間一定径以下のミクロサイズの炭酸ガス泡をゆっくり発生させ続けられるようになり、且つ錠剤溶解後の水溶液のPHを炭酸ガスが容易に重炭酸イオンに中和され高濃度に溶解できる値とすることができ、かつ錠剤中の中和反応性を損なわず、十分な炭酸ガス濃度も維持でき、クエン酸等の有機酸の皮膚親和性により炭酸ガスの経皮吸収を高め、健康と美容効果の高い炭酸泉入浴剤を提供できるようになった。 さらに、前記発明4及び7によれば、一定硬度以上の高硬度及び一定径以上のサイズの錠剤とすることで、錠剤内部での中和反応が起こりやすくかつ、内部でのミクロサイズの細かい炭酸ガスの泡の発生を効率よく起こさせ、微サイズの泡を継続的に長時間にわたって発生させることができ、水中に溶解する炭酸ガス成分濃度を最大に溶解させることができ、本発明の効果を顕著にできる。 さらに前記発明2によれば、有機酸が特定されたものであり、特に有機酸として少なくとも一つがクエン酸であることが、溶解後は中性となるような有機酸の存在が少ない量の条件下でも効率よく中和反応を起こさせ、効率よくミクロサイズの炭酸ガス泡を持続的に発生させ水中に溶解する炭酸ガス成分をより高濃度にして、本発明の効果を顕著にできた。 さらに前記発明3によれば、重炭酸塩の1/100から1/5の範囲で無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウムから選ばれる無水物を添加することで、ポリエチレングリコールの添加量を減らして中和反応性を高め、発生する炭酸ガスの直径をよりミクロサイズとし、小さくしながらガス発生をゆっくり長時間持続させ、炭酸ガスの水中への溶解量をより大きくする効果が顕著となった。 さらに前記発明9によれば、錠剤をより硬度の高い錠剤とすることができて、反応性の良い錠剤が作れることで、より効率的に中和反応を起こさせ、溶解後の湯水の透明性を維持した上で細かい炭酸ガスを発生させることができ、本発明の効果をより大きく顕著にできた。なお、本発明に係る錠剤は、浴剤その他の背景技術に記載の用途に限らない。例えばシャワーヘッドに収容する等、シャワー水用として用いてもよい。 以下、本発明について更に詳細に説明する。 本発明では錠剤が溶けた直後のPHが中性であっても、硬度の高い一定サイズ以上の錠剤中では中和反応が効率よく起きる環境が出現し、かつ反応を一定時間継続的に起こさせ、水中に溶解する炭酸ガス濃度を充分高くして、溶解した炭酸成分を高濃度の重炭酸イオンとすることができる。 本発明での錠剤溶解直後のPHは溶解した炭酸ガス成分が中和され重炭酸イオンとして高濃度に溶解せしめるためにPH5.5から8.5の範囲にあることが重要であり、望ましくはPH6.0から8.0の範囲であることが炭酸ガスの発生と重炭酸への効率よい変換が起こる点で重要である。 溶解直後のPHという意味は、錠剤が溶解直後から、重炭酸イオンは中性PH付近であっても炭酸ガスを自然に揮発させPHは徐々に上昇していくものであり、たとえば溶解直後のPHが7.0であっても24時間後はPHは7.5くらいに変化し、またジェットバスなどで空気を吹き込むことでさらにPHは上昇する。したがって溶解後のPHは直後のPHで規定するのが妥当である。 洗顔にしろ、足湯にしろ、入浴にしろ、錠剤の必要量は200リッターあたり20gから100g(0.01%から5%)程度であり、その場合の入浴剤が溶けた直後のPHが重炭酸イオンを高濃度に存在させるために必要なPH値である。 本発明に係る錠剤は、必要に応じて酸又はアルカリのPH調整剤によって本発明のPH値となるようにするから、効率よく中和反応が起こり、湯水中に溶解するのに適度な径と速度で炭酸ガスを発生させ、錠剤が溶解し終わった湯水や水溶液のPHは中性にすることができる点が本発明の特徴である。 本来中性では中和反応は起こり得ないが、錠剤中では重炭酸塩と有機酸が高濃度に接触し、中和反応を起こしながら、溶解した大量の水の中での水溶液のPHを、中性から弱アルカリ性にすることができ、その意味からも高い高度と一定サイズの錠剤が必須な条件となることが分かった。 その結果は発生した炭酸成分は中和され重炭酸イオンとなるが、仮に最初から重曹を粉末で投入し重炭酸イオンとしても体が温まるという入浴効果は全く得られないことから、自然炭酸泉と同じように炭酸ガスを発生させその炭酸ガスを経由して重炭酸イオンとなるような仕組みを経ない限り、健康や美容などでの効果は得られないという驚くべき発見をしたものと自負している。 このように高い硬度の錠剤中で 重曹とクエン酸をゆっくり細かく反応させることで、本発明の高い入浴効果がえられ、付加価値の高い商品を提供することができる。 本発明の上記効果は、重炭酸塩に対する、有機酸の量、およびポリエチレングリコールの量を規定し、それぞれを一定比率内の条件で混合し、錠剤は溶解直後のPHが一定範囲となるよう設計し、かつ一定硬度及び一定サイズ以上の錠剤に圧縮成型して仕上げる際、錠剤に水が浸透し内部で激しく均一にかつ持続的に反応し、かつ発生する炭酸ガス泡はミクロサイズの微細炭酸ガスとして発生させ、錠剤は最後までお風呂の底にしっかり沈むような状態で、小さく細かい泡が多数発生し、浮力がなくかつ表面積が大きいため、上昇するまでには水に溶解してしまい、液中の炭酸ガス濃度をいやがうえにも大きくでき、炭酸ガスが溶解し重炭酸イオンとなった水のPHは5.5から8.5となるように調整された錠剤にすることで、本発明の効果が最大に発揮される。 さらに本発明では、重炭酸塩の混合物Aが流動層を用いて、ポリエチレングリコールで、コーテイングして作成された造粒物であることにより、錠剤中での均一な反応など、本発明の効果の発現が大きく発揮される。 また本発明では、錠剤硬度が高いほど、溶液は中性となるにもかかわらず、錠剤内部での中和反応効率を最大にできる。 ここで中和反応効率とは、例えば重炭酸ソーダ(重曹)とクエン酸を本発明の量比で混合したとしても、粉末のままお風呂に投入すれば、さっと数秒で溶けてしまいわずかな炭酸ガスしか発生させることができない。中和反応での炭酸ガスの発生よりそれぞれの成分が解けて薄まってしまう工程が瞬時に優先的に起こってしまい、炭酸ガスは液中にはほとんど溶解せず、単なる重炭酸ソーダとクエン酸ソーダが溶けた薄い中性液となってしまう。しかも、たとえ炭酸ガスが出たとしても粉末は軽く浮力があり表面でしか反応しないため、お風呂の液中に炭酸ガスが溶解することはほとんどなく空気中に逃げてしまうからである。 市場の炭酸ガス浴剤のほとんどがこのタイプであり、硬度が小さくサイズも小さく、すぐに液表面に浮いてしまうから、効率よく炭酸ガスを発生させ液中に溶解させることができない。 入浴剤が溶けた後の湯水が酸性となるような場合には激しく急速に反応し炭酸ガスを爆発的に出して錠剤は崩れてしまい表面に浮いて溶け切るから、炭酸ガスのほとんどは空気中に揮散してしまい、またせっかく溶けた炭酸ガスがあったとしてもPH5.5未満の弱酸性では、炭酸ガスは泡となってどんどん表面に出てしまい空気中に揮散してなくなってしまうという欠点がある。 それ故に本発明では一定比率の重炭酸塩と有機酸を組み合わせ、一定硬度以上の錠剤として、好ましくは直径および厚みをそれぞれ7mm以上、より望ましくは10mm以上にして圧縮成形することによって、湯水に溶かした場合、中和反応を持続的に効率よく、泡のサイズを微細で均一に発生させられ、炭酸ガスを効率よく湯水中に溶解させられる。 また錠剤は完全に反応し終わり固形成分がなくなるまで崩れず、浴槽の底に沈んだままで反応し続け、発生した炭酸ガスを限りなく効率よく液中に溶解させることができ、本発明の効果を最大に発揮させる。 有機酸としてはクエン酸、コハク酸、リンゴ酸などが用いられるが、少なくともクエン酸を含む有機酸を用いることが錠剤中の中和反応をより効果的に持続的かつ微細な泡を発生させることができ、好ましい化合物として本発明の効果をより顕著に発揮することができる。 本発明の好ましい実施態様によれば、重炭酸塩の造粒物Aに対するこれらクエン酸の量と、無水炭酸ナトリウムなどの無水物の量を規定して錠剤を一定硬度以上とし、サイズも一定サイズ以上とすることで、錠剤中の中和反応を最大効率的に起こさせ、溶解した水溶液は中性から弱アルカリ性にすることができるという本発明の大きな特徴が最大の効果を発揮する。 そして重炭酸塩を流動層で造粒し造粒物Aを得る場合、実質的に空気を攪拌作用として使用しない機械式流動層造粒機を用いた場合において、錠剤中の反応を効率的に高められる。機械式撹拌方式の流動層としては、撹拌に空気を用いた流動を行わず、プロペラなどの機械式羽などを用いて粉体を流動させるため、造粒中に湿気のある空気から持ち込まれる水分を吸湿する事もなく、造粒中に減圧ポンプで真空にすることも可能となり、ポリエチレングリコールの量を下げて造粒できるため、中和反応をより活発にしながら、発泡する泡の径を極めて小さくできる効果が発揮できるため好ましく使われる。 実質的に空気を攪拌作用として使用しない機械式流動層造粒機とは、横型ドラムの中にすき状ショベルを配し、遠心拡散及び渦流作用を起こさせ、三次元流動させる混合機の事で、例えば、ドイツレーディゲ社製又は松坂技研社製として市場で販売されている。 本造粒機には、減圧するための真空ポンプが付いていることがより好ましい。即ち、冷却時に減圧し、少しでも水分が飛ぶように操作して、本発明の効果を向上させる上で好ましい。更に、造粒した顆粒が冷却時に粗大粒子になるのを防止するためのチョッパーが付いていることが好ましい。即ち、チョッパーを冷却時に作動させて、整粒することにより、本発明の炭酸ガス泡の径をミクロサイズにより小さくする効果が発揮され、より好ましい造粒方法となる。 本発明ではもっとも好ましい製造方法は、重炭酸ナトリウムをポリエチレングリコールと機械式撹拌方式を用いた流動層造粒機によって造粒し、この造粒物に一定比率の量の有機酸と無水炭酸ナトリウム及びポリエチレングリコールを加え、混合後、高圧で圧縮成型し一定硬度以上一定サイズ以上の錠剤として得ることで、本発明の効果が大きく発揮される。 もちろん有機酸を主とする混合物もポリエチレングリコールを用いて造粒し、重炭酸塩を造粒せずにポリエチレングリコールと混合しただけで、有機酸造粒物と混合して圧縮成型し錠剤を得ることも、造粒する化合物の量が相対的に少なく工程的な面からの製造方法としては好ましい方法となるが、いずれにしろ、コストの面からは重炭酸塩、もしくは有機酸のどちらか一方を造粒し、片方は混合するだけで製造することが望ましい。本発明の錠剤中での中和反応を長時間維持し溶解する炭酸ガスを増大させるには、重炭酸塩と有機酸塩の両方がいずれもポリエチレングリコールと、混合もしくはコーテイングして使用することが好ましい製造方式となる。 本発明で使用するPEGは、平均分子量が4000〜8000のものが本発明の効果を奏する点で好ましい。ロータリー式打錠機の如き圧縮成形打錠機による成形安定性、杵付着耐性、キャッピング、錠剤成型速度の向上の点より、平均分子量6000程度のPEGが、造粒結果を好ましいものとして、錠剤を湯水中に溶解した場合、炭酸ガス成分を重炭酸イオンに最大に溶解させることができ、硬度も厚みも直径もいずれも大きくなるほど、本発明の効果を顕著にできる。 重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)の造粒物Aもしくは混合物A100質量部に対するポリエチレングリコールの比率は、1/100から1/5が好ましく、特に好ましくは1/100から1/10であり、PEGの比率が上記量よりも少ないと、炭酸ガス泡の径が大きくなり発泡時間も短くなり、湯水に溶解する炭酸ガス成分を大きくできないことがあり、一方、ポリエチレングリコールの量が上記よりも多くなると、発生する泡の量が抑えられ、同じように溶解する炭酸ガスの量が小さくなってしまうことがある。 また、本発明では重炭酸塩の造粒物AもしくはPEG混合物Aを得たのち、有機酸もしくは有機酸造粒物B、あるいはPEG有機酸混合物を添加する工程で、無水炭酸ナトリウムや無水炭酸カリウムなどの無水物を添加することにより、本発明の効果をより顕著に発揮させることができ、炭酸ガスの泡径を最適な小さなものとしながら、発泡量をより多く、且つ長時間持続させる効果が得られることが分かった。 またこの無水物の効果としては、無水炭酸ナトリウムを添加した場合がより好ましい本発明の効果を発揮させる化合物である。 また本発明では、有機酸を造粒せず、造粒物Aと有機酸にポリエチレングリコールを加え混合するだけで、圧縮成型する場合に、本発明のミクロサイズの泡を長時間発泡させ、湯水の中に溶解する炭酸ガス成分を大きくできることが分かり、良好な錠剤を得ることができた。この場合、工程を大幅に省略できコスト的な効果も合わせて望ましい製造方法である。 一方、有機酸をPEGで造粒し、重炭酸塩とPEGを一定温度で混合するだけで、圧縮成型する場合にも、本発明のミクロサイズの泡を長時間発泡させ、湯水の中に溶解する炭酸ガス成分を最大にし、工程を大幅に省略できコスト的な効果も合わせると、望ましい製造方法であることが分かった。 この製造方法における有機酸に対するポリエチレングリコールの使用比率は、有機酸100質量部に対し5から15質量部であることが好ましい。 重炭酸塩の造粒物AもしくはPEG混合物Aに対する有機酸もしくは有機酸混合物Bもしくは有機酸造粒物Bの添加量は、1/10から1/3であることが、本発明の効果を発揮し望ましい。 有機酸は無水物の添加によって、特に造粒しなくても本発明の効果が得られるが、より好ましくは、ポリエチレングリコールと一緒に添加するか、PEG造粒物Bとし、造粒物Aと混合して圧縮成型することが、好ましい中和反応性のある錠剤を製剤することができる。 更に、本発明では、前記造粒物Aもしくは混合物Aを作成する工程や、又は造粒物Aと有機酸もしくは造粒物Bを混合する工程など圧縮成型前のいずれかの工程に無水物を添加することが好ましい効果を発揮する。 無水物の量は、多すぎる場合は発泡する泡の量が少なくなってしまい、一方、少なすぎると浴中での炭酸ガスの発生が激しくなり、好ましくない。 また本発明においては、使用される無水物とは、無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウムから選ばれる1又は2以上の無水物を、重炭酸塩量の1/100〜1/5量だけ使用すること、特に1/100〜1/10量だけ使用することにより、本発明の効果を好ましく発揮できた。 特に本発明の効果を最大に発揮する無水物としては無水炭酸ナトリウムが挙げられる。 本発明では錠剤成形のための離型剤を使用することができるが、この離型剤としては、一般的にショ糖やステアリン酸マグネシウムなどが使われるが、本発明で特に好ましい化合物としてn−(ノルマル)オクタンスルホン酸ナトリウムやラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルメチルアラニンナトリウムなどから選ばれる1種を含むことで、本発明に係る錠剤を安定的に連続に、かつ高速に圧縮成型でき好ましい。また、本発明に係る錠剤が湯水に溶解された際、ミクロサイズの発泡を行わせ、溶解後のこの湯水の透明性を維持する上でも、これらの離型剤が最も好ましく用いられる。なお、本発明の離型剤の添加量は、公知公用の範囲であればよく、特別の制限はない。 本発明には、主成分のほかには、その他の成分(添加物)を必要に応じて混合することができる。主成分は重炭酸塩として炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸水素カリウムが、また有機酸としてはクエン酸やコハク酸、フマル酸及びリンゴ酸などが使われ、最も好ましい有機酸としてはクエン酸を添加した場合に本発明の効果を最大に発揮する。その他の添加物として、ヒアルロン酸などの健康成分や香料、色素、界面活性剤等及び必要に応じ炭酸ナトリウムなどの無水物が挙げられる。 有機酸もしくは有機酸の混合物Bや造粒物Bには、炭酸ナトリウムなどの無水物や、香料、色素、界面活性剤等及びポリエチレングリコールなどが望ましい添加物として挙げられる。 錠剤を作製する圧縮成形には、公知の圧縮成形機を特別の制限なく使用でき、例えば、油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、ブリケッティングマシンなどを用いることができる。この打錠機などに用いる杵の大きさは、杵が円形である場合は直径が7mm以上であることが好ましく、杵が三角形や四角形の場合、円形杵に換算して直径が7mm以上となるものが好ましい。そして杵の厚みについても同様である。円形の打錠品を得る場合、錠剤の直径は7mm以上が望ましく、より望ましくは10mm以上とされ、厚みも7mm以上、好ましくは10mm以上とし、三角形や四角形等の錠剤とされる場合、円形錠剤に換算して、直径及び厚みの各々が7mm以上とすることがより好ましい。 上記のように、錠剤は必ずしも平面を持つ円形でなくてもよく、7mm以上の固形物であれば、楕円形でもタブレットでも球体でも、形は何ら制限されない。 堅い一定サイズ以上の固体中でミクロサイズの発泡をゆっくり起こさせ、液中への炭酸ガスの溶解をより効率的に行うのであれば、どのような錠剤形状でもよく、硬度は15kg以上、直径や厚みは7mm以上で、硬度はより好ましくは18kg以上であり、硬度は高いほど錠剤中での炭酸ガスの発生がより効果的に起こり浴中への炭酸ガスの溶解が効率的に行われ、泡の径が細かくなり、好ましい結果を生じる。 以下、本発明における硬度について説明する。 本発明を実現するため、多くの特許明細書の実施例で用いている、硬さ試験機の一つである、マイクロビッカース硬さ試験機ミツトヨHM−221を用いて、錠剤の硬さについて測定した。 本発明におけるビッカース硬さは、4回測定値であり、HV、kg/mm2 単位である。 4回程度の測定を行うことにより、その結果の平均値をとれば、相当に正しい測定が可能なことが分かった。そして、後記実施例においても、4回測定値の平均値を用いている。(東京都立産業技術研究センター城南支所所有の試験機で実施) 本発明の好ましい錠剤の条件である、液中で発生する炭酸ガスの泡径を目視で測定すると5mm以下でかつ泡の合併がなく均一に発生し、中和反応が終わり錠剤が解けきるまで錠剤は底に沈んだままで反応し、炭酸ガスを効率的に液中に溶解できるように、試験生産した錠剤の7ロットのサンプル12種を用いて、ビッカース硬さを測定してみても、4回測定の平均値であれば、ビッカース硬さの測定値の振れ幅は無視でき、表面平均ビッカース硬さが15kg以上、好ましくは18kg以上(もっとも好ましくは25kg以上)の本発明の要件を満たす錠剤となっていることが確認できた。 また同時に直径方向からの錠剤破壊強度としての硬度を測定してみた。 この方法では、錠剤の破壊強度を測定することになるが、直径方向の硬度測定方法として岡田精工社製デジタル錠剤硬度計ニュー・スピードチェッカーTS75NLを用いて錠剤の硬度[kgf]を4回測定した。この場合も硬度に再現性があり、値の大きなばらつきは見られなかったが、本発明効果を表すには妥当性にかけ、以下の実施例では、ビッカース硬さ及び直径方向の破壊強度を表す硬度の両方で測定してみたが、本発明の効果とよく相関し本発明効果をよく説明できるため、直径方向の硬度測定値は採用せず ビッカース硬度のみを採用した。 本発明においては、本発明の化合物以外の化合物はできるだけ添加しないことが望ましいが、別の酸性成分やアルカリ成分や香りや、必要に応じてにごり温泉成分を1又は2以上添加することもできる。 本発明では、重炭酸塩量に対する有機酸成分が本発明範囲より多くなれば、泡の径が大きく、反応も激しく短時間で反応が終わってしまう。また重炭酸塩量に対する有機酸成分の量が少なすぎると、中和反応は効率的に起こらず発生する炭酸ガスは少なくなり、本発明の効果は発揮されない。 また、無水物である炭酸ナトリウムの量が少なすぎると、ポリエチレングリコールの使用量を増さなければならず、そうしないと、中和反応が激しすぎて泡の径が大きくなり、本発明の効果が損なわれたりすることとなる。また重炭酸塩の量や、有機酸の量に対し、ポリエチレングリコールの量が多かったり少なかったりする場合にも、中和反応が均一に持続的に起こらず、泡の径も一定にならないため、本発明の望ましい効果を得ることはできない。 上記のように、本発明の必要成分を本発明の量比で添加した上で、本発明の効果が充分発揮されるようなPH調整剤を添加して、溶解後の浴中のPHを本発明範囲にすることは望ましい実施態様である。[実施例−1] 以下、実施例を挙げ本発明を詳細に説明するが、本発明の態様は、これらに限定されるものではない。 比較用原料の造粒 操作−1 Powrex社製流動層造粒機GPCG−300CTを用いて下記操作を行った。 23℃60%RHに空調された造粒室に設置されたPowrex社製流動層造粒機GPCG−300CTに炭酸水素ナトリウム460kgを添加し、加温し、粉体温度が68℃にてPEG#6000を80kg投入し72℃まで加温しながら造粒し、終了後、流動エアーを20℃に設定し、粉体を冷却する。粉体温度が約35℃に到達したら、造粒物を外部密閉容器へ取り出し操作を終了、造粒物A01を得た。 同じくPowrex社製流動層造粒機GPCG−300CTを用いて下記操作を行った。 23℃60%RHに空調された造粒室に設置されたPowrex社製流動層造粒機GPCG−300CTに無水クエン酸380kg及びPEG#6000を40kg投入し、45℃から69℃にて造粒を行い終了後、エアーを20℃に設定し、粉体を冷却する。粉体温度が約35℃に到達したら、造粒を終了し、密閉容器に粉体を排出し、保管、造粒物B01を得た。 操作−2 松坂技研社製レディゲミキサーVT1200改良型に無水炭酸ナトリウム460kgを加え粉体温度が45℃にて、ポリエチレングリコール#6000を80kg添加し、造粒し、粉体温度が70℃になったら造粒を終了、これを20℃の冷水にて間接冷却し、造粒物A02を得た。 さらに松坂技研社製レディゲミキサーVT1200改良型にクエン酸380kgとPEG#6000の40kgをクエン酸の粉体温度が45℃から添加し、造粒を行い、粉体温度が69℃にて造粒を停止し、これを20℃の冷水により間接に粉体を冷却し、造粒物B02を得た。 松坂技研社製レディゲミキサーの使用は以下共通であり、23℃60%RHに空調された造粒室に松坂技研社製レディゲミキサーVT1200改良型を設置し、炭酸水素ナトリウムを規定量投入し、回転数115rpmで攪拌しながら、ジャケットに規定温度の温水を循環させ粉体温度を上げてから規定温度に到達したところで、PEG#6000を規定量投入する、粉体温度が規定温度に達し一定時間経過したら造粒を終了し、ジャケットの水の温度を下げ温水を置き換え、加えて10トールの減圧下で冷却する。粉体温度が約35℃に到達したら、底部排出口より、粉体を排出し、密閉容器に保管し、造粒物を得る方法によった。 なお、造粒物を得る方法の詳細な操作は、これと同様ないし同等のため、以後は省略することがある。 本発明例原料の造粒 操作−3 Powrex社製流動層造粒機GPCG−300CTを用いて下記操作を行った。 23℃60%RHに空調された造粒室に設置されたPowrex社製流動層造粒機GPCG−300CTに炭酸水素ナトリウム460kgを入れ、粉体温度が53℃にてPEG#6000の32kgを添加し、63℃にて加温を停止し、その後20℃に設定した流動エアーで粉体を冷却開始し、粉体温度が約35℃に到達したら、造粒を終了し、密閉容器に粉体を排出し、保管、造粒物A3を得た。 同じくPowrex社製流動層造粒機GPCG−300CTを用いて下記操作を行った。 23℃60%RHに空調された造粒室に設置されたPowrex社製流動層造粒機GPCG−300CTに無水クエン酸60kg及びPEG#6000の12kgを投入し、63℃にて流動エアーで粉体を流動造粒し、造粒が完了したら、流動エアーを15℃に設定し、粉体を冷却する。粉体温度が約35℃に到達したら、造粒を終了し、密閉容器に粉体を排出し、保管、造粒物B3を得た。 松坂技研社製レディゲミキサーVT1200改良型に炭酸水素ナトリウム460kg、ポリエチレングリコール#6000の32kgを加え62℃にて造粒し、終了後、冷却水で間接的に粉体を冷却し、造粒物A4を得た。 同じく松坂技研社製レディゲミキサーVT1200改良型にクエン酸60kgとPEG#6000の10kgを添加し、62℃にて造粒し、終了後冷却して造粒物B4を得た。 操作−4 本発明例原料の造粒 Powrex社製流動層造粒機GPCG−300CTを用いて下記操作を行った。 23℃60%RHに空調された造粒室に設置されたPowrex社製流動層造粒機GPCG−300CTに炭酸水素ナトリウム460kg及びPEG#6000の35kg及び無水炭酸ナトリウム12kgを混合しながら、51℃にて造粒し、その後20℃に設定した流動エアーで粉体を冷却する。粉体温度が約35℃に到達したら、造粒を終了し、密閉容器に粉体を排出し、保管、造粒物A5を得た。 同じくPowrex社製流動層造粒機GPCG−300CTを用いて下記操作を行った。 23℃60%RHに空調された造粒室に設置されたPowrex社製流動層造粒機GPCG−300CTに無水クエン酸70kg及びPEG#6000の12kg並びに無水炭酸ナトリウムを8kg混合しながら62℃にて造粒し、造粒が完了したら、流動エアーを15℃に設定し、粉体を冷却する。粉体温度が約35℃に到達したら、造粒を終了し、密閉容器に粉体を排出し、保管、造粒物B5を得た。 操作−5 本発明例原料の造粒 松坂技研社製レディゲミキサーVT1200改良型に炭酸水素ナトリウム460kg、炭酸ナトリウム12kg、ポリエチレングリコール#6000の20kgを加え60℃で造粒し、終了後冷却し、造粒物A6を得た。 同じく松坂技研社製レディゲミキサーVT1200改良型にクエン酸85kg、ポリエチレングリコール#6000の8kg及び無水炭酸ナトリウム9kgを混合しながら53℃にて造粒し、終了後冷却し、造粒物B6を得た。 操作−6比較用錠剤の作成比較サンプル1 造粒物A01を540kgと造粒物B01を320kgに、ポリエチレングリコール#6000を6kg及びステアリン酸マグネシウム1.5kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重1tを加え、直径3mm、厚さ3mmの錠剤J01を作成した。比較サンプル2 造粒物A02を540kgと造粒物B02を320kgに、ポリエチレングリコール#6000を6kg及びステアリン酸マグネシウム1.5kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重1tを加え、直径30mm、厚さ15mmの錠剤J02を作成した。比較サンプル3 造粒物A01を540kgに、造粒物B02を320kg及びポリエチレングリコール#6000を6kg並びにステアリン酸マグネシウム1.5kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重2tを加え、直径7mm、厚さ4mmの錠剤J03を作成した。比較サンプル4 造粒物A02を540kgに、造粒物B01を320kg及びポリエチレングリコール#6000を6kg並びにステアリン酸マグネシウム1.5kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重2tを加え、直径30mm、厚さ4mmの錠剤J04を作成した。比較サンプル5 造粒物A01を540kgに、クエン酸80kg及びポリエチレングリコール#6000を16kg並びにステアリン酸マグネシウム1.5kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)によって加重2tにて直径9mmで厚さ5mmの錠剤J05を作成した。比較サンプル6 造粒物A02を540kgに、クエン酸80kg及びポリエチレングリコール#6000を16kg並びにステアリン酸マグネシウム1.5kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重1tを加え、直径8mm、厚さ8mmの錠剤J06を作成した。 操作−7本発明サンプル1 造粒物A3を500kgに、クエン酸60kg及びポリエチレングリコール#6000を16kg並びに無水炭酸ナトリウム20kg及びn−オクタンスルホン酸1.5kgを投入し、攪拌、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重4tを加え、直径20mm、厚さ15mmの錠剤J1を作成した。本発明サンプル2 造粒物A4を500kgに、クエン酸60kg及び無水炭酸ナトリウム35kg、ポリエチレングリコール#6000を8kg並びにn−オクタンスルホン酸1.5kgを投入し、回転数115rpmで攪拌し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重12tを加え、直径30mm、厚さ15mmの錠剤J2を作成した。本発明サンプル3 造粒物A5を500kgに、クエン酸60kg及びポリエチレングリコール#6000を10kg並びにn−オクタンスルホン酸1,0kg ラウリルスルホン酸ナトリウム1kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重9tを加え、直径60mm、厚さ20mmの錠剤J3を作成した。本発明サンプル4 造粒物A3を500kgに、クエン酸100kg、無水炭酸ナトリウム8kg及びポリエチレングリコール#6000を8kg並びにn−オクタンスルホン酸ナトリウム1.5kgを投入し混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重9tを加え、直径30mm、厚さ15mmの錠剤J4を作成した。本発明サンプル5 造粒物A4を500kgにコハク酸100kgを加え無水炭酸ナトリウム23kgとポリエチレングリコール8kg、n−オクタンスルホン酸ナトリウム1.5kgを加え[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重9tを加え、直径30mm、厚さ15mmの錠剤J5を作成した。本発明サンプル6 造粒物A4を500kgにフマル酸100kgを加え無水炭酸ナトリウム23kgとポリエチレングリコール8kg、n−オクタンスルホン酸ナトリウム1.5kgを加え[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重9tを加え、直径30mm、厚さ15mmの錠剤J6を作成した。本発明サンプル7 造粒物A4を500kgにリンゴ酸100kgを加え無水炭酸ナトリウム23kgとポリエチレングリコール8kg、n−オクタンスルホン酸ナトリウム1.5kgを加え[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重9tを加え、直径30mm、厚さ15mmの錠剤J7を作成した。本発明サンプル8 造粒物A4を500kgに、クエン酸80kg及び無水炭酸カリウム、とポリエチレングリコール#6000を6kg並びにn−オクタンスルホン酸1.5kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重9tを加え、直径30mm、厚さ15mmの錠剤J8を作成した。本発明サンプル9 造粒物A4を500kgに、造粒物B6を80kg、ポリエチレングリコール#6000を7kg及びラウリル硫酸ナトリウム1.5kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重9tを加え、直径30mm、厚さ15mmの錠剤J9を作成した。本発明サンプル10 造粒物A4を500kgに、クエン酸60kg、ポリエチレングリコール#6000を12kg及び炭酸ナトリウム20kgとn−オクタンスルホン酸ナトリウム1.5kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重9tを加え、直径30mm、厚さ15mmの錠剤J10を作成した。本発明サンプル11 造粒物A4を500kgに、クエン酸60kg及び無水炭酸カリウム9kg、ポリエチレングリコール#6000を10kg並びにn−オクタンスルホン酸ナトリウム1.5kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重9tを加え、直径30mm、厚さ15mmの錠剤J11を作成した。 操作−8実施例−1の錠剤の評価作業(1) 硬度の測定 ビッカース硬さの測定 マイクロビッカース硬さ試験機ミツトヨHM−221を用いて錠剤の硬さ(HV、kg/mm2)について4回測定し、その平均値を下記表1に示した。(2) 錠剤の溶解時の発泡状態の評価直径70mm、高さ400mmのガラスシリンダーに、約35℃付近の温度の水を高さ250mmまで入れたものを用意し、錠剤のサンプルをそれぞれ約15グラム付近となるようできるだけ形状を変えず錠剤がそのまま投入できる範囲で、投入し、泡の発生状態、泡の上昇状態を下記評価基準で観察し、さらに錠剤の溶解完了時間を測定記録し、同じく下記表1に結果を記した。◎:直径10から15mm程度の大きな泡が殆どなく、2から6mm程度の泡が揃って上昇しながら液表面に到達する泡が少なく途中で減少してしまい、炭酸ガスが溶解している状態が分かる。○:直径10mmから15mm程度の泡が20%以内で、大部分の泡は細かいサイズで揃って発生し、上昇しながら溶解してゆく状態が分かる。△:泡が小さく揃っているが、発泡がゆっくり過ぎて勢いがなく溶解量も少ないか、又は発泡した泡が合併してしまい、大きくなって上昇し空気中に逃げる部分が多くなる。×:直径10mmから15mm程度の発泡の径が大きいものが40%以上で、激しく発泡し、殆どの泡が合併して大きくなり液表面に急上昇し炭酸ガスが液外に逃げてしまうか、又は反応がゆっくり過ぎて泡が合併し空気中に逃げてしまう状態が見られる。××:激しい発泡で、殆どの泡が液表面から空気中に逃げ、数分で終わってしまうか、又は泡がほとんど出ず、中和反応が起こらず 溶解時間も長く、炭酸ガスが水に溶解する可能性が著しく低い状態が推察できる。(3) 錠剤の溶解完了時間の測定 上記シリンダー中の錠剤が溶けるに必要な時間を投入後から錠剤の90%以上(目視判断)が溶解したと観察された時間を記録した。(4)入浴時の温まりの効果(足湯での被験者の皮膚の表面温度の測定) 24℃の室内にて、38℃の恒温足湯装置に両足を15分浸漬し、1時間後の足の表面をサーモグラフィーTVS500ISで撮影し、皮膚表面の温まりの持続性を被験者3名で行い、以下の評価基準で評価し結果を表1に示した。◎ 1時間後のサーモグラフィーの撮影画面の全体が赤色で体も十分温まる。○ 1時間後のサーモグラフィーの撮影画面が黄色であり、温まった効果が認められる。× 1時間後のサーモグラフィーの写真は青色が多く、温まりの効果は普通のお湯と変わらない。 [表1] 表1から明らかなように、本発明に係る錠剤硬度が一定値以上であり、錠剤の直径と厚みが一定以上で、かつ錠剤溶解直後の湯水のPHが本発明内であれば、本発明に特有の作用効果が見られることが分かる。[実施例−2] 操作−9 本発明の効果的な範囲を示すため錠剤成分の添加量や造粒条件を下記の操作により変化し、実施例−1と同じく下記操作を行い、上記操作−8と同じく評価を行い、結果を下記に示した。 すなわち、造粒物A4を500kg及びクエン酸を下記量比で変化添加し、J12: クエン酸 (300kg)J13: クエン酸 (260kg)J14: クエン酸 (150kg)J15: クエン酸 (100kg)J16: クエン酸 (60kg)J17: クエン酸 (10kg)J18: クエン酸 (5kg) この混合物それぞれに、無水炭酸ナトリウム9kg、ポリエチレングリコール#6000を10kg及びn−オクタンスルホン酸ナトリウム1.5kgを投入し、混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重量を8tを加え、直径30mm、厚さ15mmの錠剤J12からJ18までを作成し、上記操作−8にて評価し下記に結果を示した。 [表2] 上記結果から、重炭酸塩に対するクエン酸(有機酸)の添加量には最適な領域があり、錠剤の硬度及び溶解後のPH値だけでなく、重炭酸塩量に対し最適な有機酸の量により本発明の効果が、より良く発揮されることが分かる。[実施例−3] 操作−10 造粒物A4を500kgに対しクエン酸を80kg及びポリエチレングリコール#6000を15kgを加え、n‐オクタンスルホン酸ナトリウム1.5kgをくわえて混合後、一定量をとり分割した混合物それぞれに、炭酸ナトリウムを量を変化しながら添加し、この混合物をアプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重8tを加え、直径30mmで厚さ15mmとなるように錠剤を作成し、それぞれの錠剤の溶解直後のPHが、J24=4.5 J25=5.6 J26=6.2 J27=7.2 J28=7.8 J29=8.4 J30=9.5となる錠剤を選び、実施例3同様の評価を行い、以下の票に結果を示した。 [表3] 上記結果からみても、錠剤溶解直後のPHは5.5以上8.5以下で好ましい結果が得られ、特により好ましい結果を得るPHは6.2以上8.0以下であることがわかる。[実施例−4] 上記実施例−1における錠剤J3において、離型剤のn‐オクタンスルホン酸及びラウリルスルホン酸ナトリウムを、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム(J19)、ミリストイルメチルアラニンナトリウム(J20)若しくはこの両者(J21)又はショ糖(J22)若しくはステアリン酸マグネシウム(J23)の等量に代えたことのみを異ならせたところ、錠剤J19、J20及びJ21については、J3と同様に、溶解後の湯水の透明性が維持されたものの、錠剤J22及びJ23については、湯水の白濁がみられた。[実施例−5] 操作−11 造粒物A4を500kgに対しクエン酸70kg及びポリエチレングリコール#6000、15kgを加え、これに下記量の無水炭酸ナトリウムを変化して加え、J31: 100kgJ32: 50kgJ33: 30kgJ34: 10kgJ35: 2kgJ36: 0kg 混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)により、加重8tを加え、直径30mmで厚さ15mmとなるようにJ31からJ36を打錠して作成した。 [表4] 上記結果からみても、炭酸水素ナトリウム(重炭酸塩)に対して1/100から1/10の無水炭酸ナトリウム(無水物)を添加した場合において、本発明の効果が、より良く発揮されることが分かる。[実施例−6] 操作−12 造粒物A4の製造において、松坂技研社製レディゲミキサーVT1200改良型に炭酸水素ナトリウム460kgに、ポリエチレングリコール#6000を下記の量を変化して秤量し、それぞれに混合して造粒した。ポリエチレングリコールは炭酸水素ナトリウムの粉体温度が53℃にて添加し造粒を行った。 J37: 0kg J38: 1kgを投入 J39: 10kgを投入 J40: 20kgを投入 J41: 40kgを投入 J42: 80kgを投入 J43: 120kgを投入 この造粒物Aをそれぞれ500kgと、クエン酸80kg、無水炭酸ナトリウム10kg及びPEG#6000を6kg加え、n−オクタンスルホン酸ナトリウム1.5kgを投入して、混合後、菊水製作所社製タフプレスコレクト1527HU(錠剤製造機)により、加重6tを加え、直径30mm、厚さ15mmにて錠剤作成し、前記操作−8により錠剤の評価を行い、結果を下記に示した。 [表5] 上記の結果から、炭酸水素ナトリウム(重炭酸塩)に対するポリエチレングリコールの添加量は1/100から1/5の量で、より好ましくは1/100から1/10の添加量で本発明の効果が得られた。[実施例−7] 操作−13 造粒物A4を500kgに対しクエン酸70kgを加え、ポリエチレングリコール15kgを加え、これに下記量で無水炭酸ナトリウムを加え混合後、n−オクタンスルホン酸ナトリウム1.5kgを加え、パワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)で加重を変化して、直径30mmで厚さ12mmの錠剤(J44からJ50)を打錠して作成した。J44: 1tJ45: 2tJ46: 3tJ47: 4tJ48: 5tJ49: 8tJ50: 9t この錠剤それぞれにつき、前記操作−8に従い評価を行い、結果を下記に示した。 [表6] 表6から明らかなように、錠剤の硬度は、本発明の硬度(ビッカース硬さ15kg)以上で本発明の効果が大きく、25kg以上で本発明の効果が最大に発揮されることが分かった。[実施例−8] 操作−14 造粒物A4を500kgに対しクエン酸70kgを加え、更にポリエチレングリコール15kgを加え、これに下記量で無水炭酸ナトリウムを加え混合後、アプライトパワーインダストリー[アプライドパワージャパン社](旧社名:東洋油圧機械社:型式:SPLF−SPF−393)製オイルプレス型(手動錠剤製造機)で加重を変化し、臼杵を変化して、直径と厚みを以下のように変化して打錠してサンプルをJ51からJ57まで作成した。J51: 2×2mmJ52: 4×4mmJ53: 8×4mmJ54: 15×8mmJ55: 20×15mmJ56: 30×15mmJ57: 60×25mm 各々の錠剤サンプルを前記操作−8に従い評価を行い、結果を下記に示した。 [表7] 表7から、錠剤の直径と厚みはそれぞれ7mm以上で本発明の硬度及びPH値を満たすとき、本発明の効果が、より良く発揮されることが分かる。 重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)に対し1/10から1/3の有機酸及び1/100から1/5のポリエチレングリコールの存在下に、圧縮成型する錠剤の製造方法において、錠剤を溶解した直後の水溶液のPHが5.5から8.5であり、錠剤の硬度が15kg以上、錠剤の直径及び厚さ方向がそれぞれ7mm以上となるように圧縮成型によって錠剤を製造することを特徴とする錠剤の製造方法。 有機酸が、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の錠剤の製造方法。 重炭酸塩の1/100から1/10の範囲で下記無水物を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の錠剤の製造方法。無水物:無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウム 有機酸の一つがクエン酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の錠剤の製造方法。 重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)又は有機酸の少なくともいずれか一方がポリエチレングリコールと混合し、流動層造粒機で造粒した造粒物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の錠剤の製造方法。 重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)に対し1/10から1/3の有機酸及び1/100から1/5のポリエチレングリコールの存在下に圧縮成型した錠剤において、錠剤を溶解した直後の水溶液のPHが5.5から8.5であり、錠剤の硬度が15kg以上、錠剤の直径と厚さ方向のそれぞれが7mm以上であることを特徴とする錠剤。 有機酸の一つがクエン酸であることを特徴とする請求項6に記載の錠剤。 錠剤を溶解直後の水溶液のPHが6.0から8.0の範囲であることを特徴とする請求項6又は7に記載の錠剤。 少なくともn−(ノルマル)オクタンスルホン酸ナトリウム又はラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルメチルアラニンナトリウムの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の錠剤。 【課題】錠剤が溶解した後の水溶液のPHは中性となるにもかかわらず、錠剤内部では効率よく激しく中和反応を起こさせ、可能な限り小さなサイズの炭酸ガス泡を一定時間継続的に発泡させることで、発生した炭酸ガスの大部分を空気中に逃がさず水中に溶解させ、水中の総炭酸成分を高濃度にし、その水溶液のPHから皮膚に触れた炭酸ガスは容易に重炭酸イオンとなり経皮吸収されるよう設計された、炭酸泉入浴剤等の錠剤の製造方法及び錠剤の提供。【解決手段】重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)に対し1/10から1/3の有機酸及び1/100から1/5のポリエチレングリコールの存在下に、圧縮成型する錠剤の製造方法において、錠剤を溶解した後の水溶液のPHが5.5から8.5であり、錠剤の硬度が15kg以上、錠剤の直径及び厚さ方向がそれぞれ7mm以上となるように圧縮成型によって錠剤を製造する。【選択図】なし