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タイトル:公開特許公報(A)_芳香族エステル化合物の製造方法および芳香族アミド化合物の製造方法
出願番号:2012225990
年次:2014
IPC分類:C07B 41/12,C07C 67/08,C07C 69/76,C07C 253/30,C07C 255/57,C07C 69/78,C07C 69/92,C07C 69/94,C07D 213/79,C07D 307/85,C07D 333/70,C07D 277/68,C07D 233/90,C07D 333/38,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

東郷 秀雄 土肥 壮哉 石井 元規 森山 克彦 宮本 充彦 JP 2014076969 公開特許公報(A) 20140501 2012225990 20121011 芳香族エステル化合物の製造方法および芳香族アミド化合物の製造方法 国立大学法人 千葉大学 304021831 合同資源産業株式会社 392000888 安彦 元 100120868 東郷 秀雄 土肥 壮哉 石井 元規 森山 克彦 宮本 充彦 C07B 41/12 20060101AFI20140404BHJP C07C 67/08 20060101ALI20140404BHJP C07C 69/76 20060101ALI20140404BHJP C07C 253/30 20060101ALI20140404BHJP C07C 255/57 20060101ALI20140404BHJP C07C 69/78 20060101ALI20140404BHJP C07C 69/92 20060101ALI20140404BHJP C07C 69/94 20060101ALI20140404BHJP C07D 213/79 20060101ALI20140404BHJP C07D 307/85 20060101ALI20140404BHJP C07D 333/70 20060101ALI20140404BHJP C07D 277/68 20060101ALI20140404BHJP C07D 233/90 20060101ALI20140404BHJP C07D 333/38 20060101ALI20140404BHJP C07B 61/00 20060101ALN20140404BHJP JPC07B41/12C07C67/08C07C69/76 ZC07C253/30C07C255/57C07C69/78C07C69/92C07C69/76 AC07C69/94C07D213/79C07D307/85C07D333/70C07D277/68C07D233/90 CC07D333/38C07B61/00 300 12 1 OL 21 特許法第30条第2項適用申請有り (刊行物名) Tetrahedron 68(2012)4701−4709 (発行者) ELSEVIER社 (公開日) 平成24年4月12日 4C023 4C033 4C037 4C055 4H006 4H039 4C023HA02 4C033AE16 4C033AE18 4C037QA12 4C055AA01 4C055BA02 4C055BA03 4C055BA57 4C055BB02 4C055DA01 4H006AA02 4H006AC48 4H006BA02 4H006BA06 4H006BA29 4H006BA32 4H006BA51 4H006BA69 4H006BD70 4H006BE53 4H006BJ50 4H006BM10 4H006BM30 4H006BM71 4H006BM72 4H006BM73 4H006BP30 4H006KA06 4H006QN30 4H039CA66 4H039CD10 4H039CD30 芳香族エステル化合物や芳香族アミド化合物は、医薬や農薬等を製造するときの重要な原料である。 従来、工業的に入手が容易な芳香族ハロゲン化合物から芳香族エステル化合物を直接合成する方法として、一酸化炭素雰囲気下、パラジウム等の遷移金属触媒の存在下でカルボニル化する反応が知られている。(非特許文献1、2参照) しかし、これらの方法は高価かつ有害な貴金属触媒を用いること、有害な一酸化炭素を用いること、複雑な実験操作や設備が必要になること等、いくつかの欠点を有している。 他の方法として、ハロゲン化アリールのハロゲン−金属交換と、それに続いてクロロ蟻酸エチル、炭酸ジメチルまたは二炭酸ジ−tert−ブチル処理とを行う方法が報告されている(非特許文献3、4参照)。 しかし、この方法においても、収量が安定せず、かつ低収量であり、アート錯体の生成が煩雑である等の問題がある。 一方、芳香族ハロゲン化合物から芳香族アミド化合物を直接合成する方法として、一酸化炭素雰囲気下で、パラジウムやニッケル等の遷移金属触媒を用いたホルムアミド類又はカルバモイルシラン類との反応(非特許文献5、6、7参照)、遷移金属カルボニルを用いたアミン類との反応(非特許文献8参照)等が知られている。 しかし、これらの方法は高価かつ有害な貴金属触媒を用いること、有害な一酸化炭素を用いること、複雑な実験操作や設備が必要になること等、いくつかの欠点を有している。 ところで、本願発明者は先の出願において、遷移金属触媒を使用することなく、ワンポットで芳香族化合物の無置換位置に直接シアノ基を導入することが可能な、芳香族ニトリル化合物の製造方法を開示した(特許文献1参照)。 この方法では、芳香族化合物と、強塩基性化合物と、ホルムアミド化合物と、アンモニア水と、ヨウ素化剤とを混入することにより、芳香族化合物のシアノ化をワンポットで行うことができた。さらに、この方法によると、ニトリル化合物の製造の容易化と低コスト化を実現するとともに、低害化と環境への負荷の低減化をし、かつ高い収量を得ることができた。特開2011−241196号公報J.Org.Chem.、39巻、3318−3326頁、(1974年)J.Org.Chem.、73巻、7096−7101頁、(2008年)Synth.Commun.、25巻、2599−2612頁、(1995年)Tetrahedron Letters、49巻、2034−2037頁、(2008年)J.Org.Chem.、66巻、4311−4315頁、(2001年)Org.Lett.、4巻、4357−4359頁、(2002年)Org.Lett.、9巻、4615−4618頁、(2007年)J.Org.Chem.、75巻、8410−8415頁、(2010年) そこで本発明は、本願発明者による上記技術を芳香族エステル化合物および芳香族アミド化合物の製造に応用すべく案出されたものであり、その目的とするところは、製造の容易化と低コスト化を実現するとともに、低害化と環境への負荷の低減化をし、かつ高い収量を得ることのできる芳香族エステル化合物の製造方法および芳香族アミド化合物の製造方法を提供することにある。 本願発明者は、特許文献1に記載されている技術を芳香族のエステル化に応用すべく鋭意検討を行ったところ、芳香族化合物にギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と強塩基性化合物とを混合し、その後更に酸化剤とアルコールと弱塩基性化合物とをワンポットで混合することにより、芳香族化合物をエステル化し、芳香族エステル化合物を得ることができることを新たに見出した。 また、本願発明者は、特許文献1に記載されている発明を芳香族のアミド化に応用すべく鋭意検討を行ったところ、芳香族化合物にギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と強塩基性化合物とを混合し、その後更に酸化剤とアミンと弱塩基性化合物とをワンポットで混合することにより、芳香族化合物をアミド化し、芳香族アミド化合物を得ることができることを新たに見出した。 請求項1に係る芳香族エステル化合物の製造方法は、芳香族化合物にギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と強塩基性化合物とを混合する第1工程と、前記第1工程後に酸化剤とアルコールと弱塩基性化合物とを混合する第2工程と、を行うことで前記芳香族化合物から芳香族エステル化合物をワンポットで生成することを特徴とする。 請求項7に係る芳香族アミド化合物の製造方法は、芳香族化合物にギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と強塩基性化合物とを混合する第1工程と、前記第1工程後に酸化剤とアミンと弱塩基性化合物とを混合する第2工程と、を行うことで前記芳香族化合物から芳香族アミド化合物をワンポットで生成することを特徴とする。 本発明によれば、芳香族化合物にギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と強塩基性化合物とを混合し、その後更に酸化剤とアルコールと弱塩基性化合物とを混合することにより、芳香族エステル化合物をワンポットで得ることができる。 また、本発明によれば、芳香族化合物にギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と強塩基性化合物とを混合し、その後更に酸化剤とアミンと弱塩基性化合物とを混合することにより、芳香族アミド化合物をワンポットで得ることができる。 これらにより、中間生成物をその都度単離して、これを次の工程で利用するという煩雑な2ポット以上の工程が不要となり、複雑な設備も不要となるため、芳香族エステル化合物および芳香族アミド化合物の製造の容易化と低コスト化を実現することができる。また、有害な一酸化炭素や遷移金属触媒を用いることがないため、芳香族エステル化合物および芳香族アミド化合物の製造において、低害化と環境への負荷の低減化をすることができる。また、高価な遷移金属触媒を用いることが無いため、芳香族エステル化合物および芳香族アミド化合物の製造コストを更に下げることができる。更に、本発明に係る製造方法によれば、芳香族エステル化合物および芳香族アミド化合物の製造の高収量化をすることができる。本発明を適用した芳香族エステル化合物の製造方法を示すフローチャートである。本発明を適用した芳香族アミド化合物の製造方法を示すフローチャートである。[第1実施形態] 以下、本発明の第1実施形態として、芳香族エステル化合物の製造方法について詳細に説明する。 本発明を適用した芳香族エステル化合物の製造方法では、出発原料として以下の一般式(1)の芳香族化合物を用いている。 一般式(1):Ar−X 一般式(1)中、Arは置換されていてもよい芳香族基を示し、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す。 ここで、芳香族基とは、芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フリル基、チエニル基、キノリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基等が挙げられる。 置換されていてもよい芳香族基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1又は複数であり、置換してもよい基としては直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい非芳香族複素環式基、カルボキシル基、直鎖又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基等が挙げられる。 非芳香族複素環式基とは、少なくとも1個以上の複素原子、たとえば窒素原子、硫黄原子および酸素原子等を含む、5〜8員の単環式、2環式又は3環式の非芳香族複素環式基が挙げられる。具体的な例としては、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピラゾリジル基、モルホリル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、ピロリニル基、ジヒドロチアゾリル基、インドリニル基、クロマニル基、キヌクリジニル基等が挙げられる。 直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。 直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、デシロキシ基などが挙げられる。 置換されていてもよい芳香族基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1又は複数であり、置換してもよい基としては直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい非芳香族複素環式基、カルボキシル基、直鎖又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基等が挙げられる。 置換されていてもよい非芳香族複素環式基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数であり、置換してもよい基としては置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい非芳香族複素環式基、カルボキシル基、アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基等が挙げられる。 置換されていてもよいアルキル基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数であり、置換してもよい基としては置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい非芳香族複素環式基、アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基等が挙げられる。 置換してもよい基としてのハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。アルコキシ基とは、炭素数1から4のアルコキシ基等が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。 そして、図1に示すように、上記一般式(1)で示される芳香族化合物と、ギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と、強塩基性化合物とを混合し芳香族アニオンを生成させ、これをホルミル化する第1段階の反応(ステップS1)と、さらに酸化剤と、アルコールと、弱塩基性化合物とを混合する第2段階の反応(ステップS2)を経て、一般式(2)で示される芳香族エステル化合物を製造する。 一般式(2):Ar−CO2R 一般式(2)中、Arは上記の意味を示す。また、Rは置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を示す。 置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1又は複数であり、置換してもよい基としてはハロゲン原子、置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい非芳香族複素環式基、直鎖又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基等が挙げられる。 ギ酸エステル化合物は、HCOOR1の式で表される。ここでいうR1は、置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を示す。 ホルムアミド化合物は、HCONR2、R3の式で表される。このR2、R3は、それぞれ独立に水素原子又は置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を示す。 置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1又は複数であり、置換してもよい基としてはハロゲン原子、置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい非芳香族複素環式基、直鎖又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基等が挙げられる。 強塩基性化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルキルリチウム化合物、アルキルマグネシウム化合物、金属水素化物、金属アミドから選ばれる。 アルカリ金属としては、例えば金属ナトリウム、金属カリウム等が挙げられる。 アルカリ土類金属としては、例えば金属マグネシウム等が挙げられる。 アルキルリチウム化合物としては、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム等が挙げられる。 金属水素化物としては、例えば水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム、水素化マグネシウム等が挙げられる。 アルキルマグネシウム化合物としては、例えば臭化メチルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウムなどが挙げられる。 金属アミドとしては、例えばナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等が挙げられる。 酸化剤としては、酸化能を有するヨウ素が挙げられ、具体的にはヨウ素単体、1−ヨードピロリジン−2,5−ジオン、一塩化ヨウ素等が挙げられる。 アルコールとしては、具体的には、エタノール、メタノール、イソプロパノール等が挙げられる。 弱塩基性化合物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩類、アルカリ土類金属炭酸塩類、三級アミン、ピリジンから選ばれる。 アルカリ金属水酸化物としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。 アルカリ土類金属水酸化物としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。 アルカリ金属炭酸塩類としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。 アルカリ土類金属炭酸塩類としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等があげられる。 三級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等が挙げられる。 上述した本実施形態に係る芳香族エステル化合物の製造方法によれば、芳香族化合物と、ギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と、強塩基性化合物とを混合し芳香族アニオンを生成させ、これをホルミル化する第1段階の反応と、さらに酸化剤と、アルコールと、弱塩基性化合物とを混合する第2段階の反応を経て芳香族エステル化合物を製造することにより、最終生成物である芳香族エステルをワンポットで製造することが可能となる。 このため、中間生成物を次の工程で利用する際にその都度単離する必要がなく、2ポット以上の工程が不要となるとともに、複雑な設備も不要となるため、芳香族エステル化合物の製造の容易化と低コスト化を実現することができる。また、有害な一酸化炭素や遷移金属触媒を用いることがないため、芳香族エステル化合物の製造において、低害化と環境への負荷の低減化をすることができる。また、高価な遷移金属触媒を用いることが無いため、芳香族エステル化合物の製造を更に低コスト化することができる。更に、本発明に係る製造方法によれば、芳香族エステル化合物の製造の高収量化をすることができる。 次に、第1の実施形態に係る芳香族エステル化合物の製造方法についての実施例を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1〜10 化学式1に示す反応を、表1に示す各化合物について行った。化学式1に示すように、本実施例では芳香族化合物として4−ブロモクロロベンゼンを用いている。 まず、第1段階の反応として、−78℃、テトラヒドロフラン(THF)3ml中、4−ブロモクロロベンゼン383mgにn−ブチルリチウムを1.1モル当量加え30分間混合し、次いで−78℃でギ酸エチルを10.0モル当量加え3時間混合した。 次に、第2段階の反応として、実施例毎の温度でヨウ素をXモル当量、実施例毎に弱塩基性化合物をそれぞれ所定のモル当量、エタノールをZmL加え、実施例毎の時間混合し、芳香族エステル化合物としてエチル 4−クロロベンゾエートを得た。 実施例11〜29 化学式2に示す反応を、表2に示す各化合物について行った。化学式2に示すように、本実施例では芳香族化合物として一般式Ar−X(Xは臭素またはヨウ素)で表される化合物を用いている。 まず、第1段階の反応として、−78℃、THF存在下でAr−Xにn−ブチルリチウムを1.1モル当量加え30分間混合し、次いで−78℃でギ酸エチルを10.0モル当量加え3時間混合した。 次に、第2段階の反応として、室温でヨウ素を3.0モル当量、弱塩基性化合物としてK2CO3を5.0モル当量、エタノールを3mL加え、実施例毎の時間混合し、芳香族エステル化合物として一般式Ar−CO2Etで表される化合物を得た。 実施例30〜33 化学式3に示す反応を、それぞれRとしてメチル基(Me)、エチル基(Et)、プロピル基(Prn)、イソプロピル基(Pri)を有する各化合物を用いて行った。 まず、第1段階の反応として、−78℃、THF存在下で1−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンにn−ブチルリチウムを1.1モル当量加え30分間混合し、次いで−78℃でHCO2R(Rは上記各置換基)を10.0モル当量加え3時間混合した。 次に、第2段階の反応として、室温でヨウ素を3.0モル当量、弱塩基性化合物としてのK2CO3を5.0モル当量、ROHを3mL加え、14時間混合し、表3に示す各芳香族エステル化合物を得た。 実施例34〜41 化学式4に示す反応を、それぞれ表4に示す化合物について行った。化学式4に示すように、本実施例では芳香族化合物としてAr−Hを用いている。 まず、第1段階の反応として、−78℃、THF存在下でAr−Hにn−ブチルリチウムを1.1モル当量加え2時間混合し、次いで−78℃でギ酸エチルを10.0モル当量加え3時間混合した。 次に、第2段階の反応として、室温でヨウ素を3.0モル当量、弱塩基性化合物としてK2CO3を5.0モル当量、エタノールを3mL加え、実施例毎の時間混合し、芳香族エステル化合物として一般式Ar−CO2Etで表される芳香族エチルエステル化合物を得た。 実施例42〜50 化学式5に示す反応を、それぞれ表5に示す化合物について行った。化学式5に示すように、本実施例では芳香族化合物として4−ブロモアニソールを用いている。 まず、第1段階の反応として、−78℃、3mLのTHF存在下で、p−ブロモメメトキシベンゼンにn−ブチルリチウムを1.1モル当量加え30分間混合し、次いで室温でDMFを1.1モル当量加え2時間混合した。 次に、第2段階の反応として、実施例毎に酸化剤をXモル当量、弱塩基性化合物としてK2CO3を3.0モル当量、実施例毎のアルコールROHを3mL加え、実施例毎の温度で実施例毎の時間混合し、化学式5に示す芳香族エステル化合物を得た。 実施例51〜64 化学式6に示す反応を、それぞれ表6に示す化合物について行った。化学式6に示すように、本実施例では芳香族化合物として一般式Ar−Brで表される芳香族化合物を用いている。 まず、第1段階の反応として、−78℃で、Ar−Brにn−ブチルリチウムを1.1モル当量加え30分間混合し、次いで室温でDMFを1.1モル当量加え2時間混合した。 次に、第2段階の反応として、メタノールを3mL加え、室温で30分間混合し、さらに0℃でヨウ素を3モル当量、弱塩基性化合物としてK2CO3を3.0モル当量加え、そこから室温に至るまで加熱しつつ実施例毎の時間混合し、化学式6に示す芳香族エステル化合物を得た。 実施例65〜73 化学式7に示す反応を、それぞれ表7に示す化合物について行った。化学式7に示すように、本実施例では芳香族化合物として一般式Ar−Hで表される芳香族化合物を用いている。 まず、第1段階の反応として、0℃で、Ar−Hにn−ブチルリチウムを1.1モル当量加え2時間混合し、次いで室温でDMFを1.1モル当量加え2時間混合した。 次に、第2段階の反応として、メタノールを3mL加え、室温で30分間混合し、さらに0℃でヨウ素を3モル当量、弱塩基性化合物としてK2CO3を3.0モル当量加え、そこから室温に至るまで加熱しつつ実施例毎の時間混合し、化学式7に示す芳香族エステル化合物を得た。<実施例> 第1の実施形態に係る芳香族エステル化合物の製造方法についての実施例を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 まず、第1段階の反応として、テトラヒドロフラン(THF)4mL中で、マグネシウム0.11gと4−ブロモトルエン0.72gを室温にて1時間撹拌した。次いで、反応液を0℃に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド0.22gを加え、同温度で2時間撹拌した。 次に、第2段階の反応として、反応液を室温に戻し、溶媒を留去し、メタノール12mLを同温度で加えた。再び、0℃に冷却し、ヨウ素3.15g、炭酸カリウム2.07gを加え20時間撹拌することにより、芳香族エステル化合物として、4−メチル安息香酸メチルを収率88%で得た。[第2実施形態] 次に、本発明の第2実施形態として、芳香族アミド化合物の製造方法について詳細に説明する。 本発明を適用した芳香族アミド化合物の製造方法でも、第1実施形態と同様、出発原料として以下の一般式(1)の芳香族化合物を用いている。 一般式(1):Ar−X 一般式(1)中、Arは置換されていてもよい芳香族基を示し、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す。 芳香族基は、第1実施形態における芳香族基と同様であるため、ここではその詳細な説明は省略する。 そして、図2に示すように、上記一般式(1)で示される芳香族化合物と、ギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と、強塩基性化合物とを混合し芳香族アニオンを生成させ、これをホルミル化する第1段階の反応(ステップS11)と、さらに酸化剤と、アミンと、弱塩基性化合物とを混合する第2段階の反応(ステップS12)を経て、一般式(3)で示される芳香族アミド化合物を製造する。 一般式(3):Ar−CONR4R5 一般式(3)中、Arは第1実施形態における芳香族基と同様であるため、ここではその詳細な説明は省略する。また、ここでいうR4、R5は、それぞれ独立に置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい非芳香族複素環式基、置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を示す。 ここで、芳香族基とは、芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フリル基、チエニル基、キノリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基等が挙げられる。 非芳香族複素環式基とは、少なくとも1個以上の複素原子、たとえば窒素原子、硫黄原子および酸素原子等を含む、5〜8員の単環式、ニ環式又は三環式の非芳香族複素環式基が挙げられ、具体的にはピロリジニル基、ピペリジニル基、ピラゾリジル基、モルホリル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、ピロリニル基、ジヒドロチアゾリル基、インドリニル基、クロマニル基、キヌクリジニル基等が挙げられる。 直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。 直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、デシロキシ基などが挙げられる。 置換されていてもよい芳香族基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1又は複数であり、置換してもよい基としては直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい非芳香族複素環式基、カルボキシル基、直鎖又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基等が挙げられる。 置換されていてもよい非芳香族複素環式基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数であり、置換してもよい基としては置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい非芳香族複素環式基、カルボキシル基、アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基等が挙げられる。 置換されていてもよいアルキル基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数であり、置換してもよい基としては置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい非芳香族複素環式基、アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基等が挙げられる。 置換してもよい基としてのハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。アルコキシ基とは、炭素数1から4のアルコキシ基等が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。 アミンは、HNR4R5の式で表される。 なお、芳香族化合物、強塩基性化合物、酸化剤、および弱塩基性化合物については、上述した第1実施形態と同様であるため、ここではその詳細な説明は省略する。 このように、本実施例に係る芳香族アミド化合物の製造方法によれば、芳香族化合物と、ギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と、強塩基性化合物とを混合し芳香族アニオンを生成させ、これをホルミル化する第1段階の反応と、さらに酸化剤と、アミンと、弱塩基性化合物とを混合する第2段階の反応を経て芳香族アミド化合物を製造することにより、最終生成物である芳香族アミド化合物をワンポットで製造することが可能となる。このため、中間生成物をその都度単離して、これを次の工程で利用する2ポット以上の工程が不要となり、かつ遷移金属が含まれる廃液を生成することなく、環境への悪影響が少なく、より安全で低労力、低コストの芳香族アミド化合物の製造方法を提供することが可能となる。 <実施例> 第2の実施形態に係る芳香族アミド化合物の製造方法についての実施例を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 まず、第1段階の反応として、テトラヒドロフラン(THF)8mL中で、マグネシウム0.28gと4−ブロモトルエン1.36gを室温にて2時間撹拌した。次いで、反応液を0℃に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド1.2mLを加え、同温度で2時間撹拌した。 次に、第2段階の反応として、反応液を室温に戻し、50%ジメチルアミン水溶液2.5mL、ヨウ素0.57g、四塩化炭素25mLを加え24時間撹拌することにより、芳香族アミド化合物として、N,N,4−トリメチルベンズアミドを収率59%で得た。 芳香族化合物にギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と強塩基性化合物とを混合する第1工程と、 前記第1工程後に酸化剤とアルコールと弱塩基性化合物とを混合する第2工程と、を行うことで前記芳香族化合物から芳香族エステル化合物をワンポットで生成することを特徴とする芳香族エステル化合物の製造方法。 前記酸化剤がヨウ素化剤である請求項1記載の芳香族エステル化合物の製造方法。 前記強塩基性化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルキルリチウム化合物、アルキルマグネシウム化合物、金属水素化物、金属アミドから選ばれる請求項1又は2記載の芳香族エステル化合物の製造方法。 前記弱塩基性化合物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩類、アルカリ土類金属炭酸塩類、三級アミン、ピリジンから選ばれる請求項1乃至3の何れか一項記載の芳香族エステル化合物の製造方法。 前記ギ酸エステル化合物は、HCOOR1の式で表され、 前記R1は、置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基である請求項1乃至4の何れか一項記載の芳香族エステル化合物の製造方法。 前記ホルムアミド化合物は、HCONR2R3の式で表され、 前記R2、R3は、それぞれ独立に水素原子又は置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基である、請求項1乃至5の何れか一項記載の芳香族エステル化合物の製造方法。 芳香族化合物にギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と強塩基性化合物とを混合する第1工程と、 前記第1工程後に酸化剤とアミンと弱塩基性化合物とを混合する第2工程と、を行うことで前記芳香族化合物から芳香族アミド化合物をワンポットで生成することを特徴とする芳香族アミド化合物の製造方法。 前記酸化剤がヨウ素化剤である請求項7記載の芳香族アミド化合物の製造方法。 前記強塩基性化合物はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルキルリチウム化合物、アルキルマグネシウム化合物、金属水素化物、金属アミドから選ばれる請求項7又は8記載の芳香族アミド化合物の製造方法。 前記弱塩基性化合物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩類、アルカリ土類金属炭酸塩類、三級アミン、ピリジンから選ばれる請求項7乃至9の何れか一項記載の芳香族アミド化合物の製造方法。 前記ギ酸エステル化合物は、HCOOR1の式で表され、 前記R1は、置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基である請求項7乃至10の何れか一項記載の芳香族エステル化合物の製造方法。 前記ホルムアミド化合物は、HCONR2R3の式で表され、 前記R2とR3は、それぞれ水素原子又は置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基である請求項7乃至11の何れか一項記載の芳香族アミド化合物の製造方法。 【課題】製造の容易化と低コスト化を実現するとともに、低害化と環境への負荷の低減化をし、かつ高い収量を得ることのできる芳香族エステル化合物の製造方法を提供する。【解決手段】芳香族化合物にギ酸エステル化合物又はホルムアミド化合物と強塩基性化合物とを混合するステップS1と、前記第1工程後に酸化剤とアルコールと弱塩基性化合物とを混合するステップS2と、を行うことで前記芳香族化合物から芳香族エステル化合物をワンポットで生成することを特徴とする。【選択図】図1


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