生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_口腔内崩壊錠
出願番号:2012216041
年次:2014
IPC分類:A61K 31/198,A61K 9/20,A61K 47/26,A61K 47/38,A61K 47/32,A61K 47/36,A61P 11/00


特許情報キャッシュ

青木 芳延 JP 2014070034 公開特許公報(A) 20140421 2012216041 20120928 口腔内崩壊錠 杏林製薬株式会社 000001395 青木 芳延 A61K 31/198 20060101AFI20140325BHJP A61K 9/20 20060101ALI20140325BHJP A61K 47/26 20060101ALI20140325BHJP A61K 47/38 20060101ALI20140325BHJP A61K 47/32 20060101ALI20140325BHJP A61K 47/36 20060101ALI20140325BHJP A61P 11/00 20060101ALI20140325BHJP JPA61K31/198A61K9/20A61K47/26A61K47/38A61K47/32A61K47/36A61P11/00 7 OL 7 4C076 4C206 4C076AA36 4C076BB01 4C076CC15 4C076DD47 4C076DD67B 4C076EE16B 4C076EE32B 4C076EE33B 4C076EE38B 4C076EE41T 4C076FF33 4C076FF52 4C076GG13 4C206AA01 4C206JA58 4C206MA02 4C206MA05 4C206NA20 4C206ZA59本発明は口腔内崩壊錠に関する。近年、疾病の治療において、患者のQOL(Quality of Life)の改善を目的に、製剤学的工夫を凝らした製剤開発が盛んであり、口腔内崩壊錠は最も多く開発されている製剤である。口腔内崩壊錠は、口腔内の少量の唾液でも瞬時に崩壊することから、服用が容易であり、通常の錠剤では嚥下が困難な高齢者や小児に最適な製剤である。また水なしで服用できるため服用の場所や時間が制限されない利点も有する。L−カルボシステインは、上気道炎や急性気管支炎の去痰薬として知られる薬剤であるが、1回投与量が500mg(通常成人)と高用量であることから、QOL改善の目的から口腔内崩壊錠の開発が望まれている。L−カルボシステインを有効成分とする口腔内崩壊錠としては、遊離形として存在するL−カルボシステインにその医学的に許容しうる塩を配合した口腔内崩壊錠(特許文献1)、特定の平均粒子径を有するL−カルボシステインと非晶質状態のトレハロースを含有する造粒物を使用した口腔内崩壊錠(特許文献2)が知られている。一方、イソマルトについては、イソマルトを賦形剤として高含量配合することで、高い崩壊性と錠剤硬度の口腔内崩壊錠が得られたとの報告がある(特許文献3)。特許4585210号特開2010−132626号特開2008−37853号 L−カルボシステインを有効成分とする口腔内崩壊錠の製造方法は、いずれも圧縮成型した錠剤を加湿湿潤後、乾燥する工程を有するため、製造が複雑であった。また、賦形剤としてのイソマルトを多量に配合する口腔内崩壊錠では、錠剤が大型化してしまうためQOL上好ましくない。 本発明の目的は、小型化されたL−カルボシステイン含有口腔内崩壊錠を一般的な生産設備にて生産性良く製造することにある。 すなわち、本発明は、(1)カルボシステイン、イソマルトおよび崩壊剤を含有し、カルボシステインの含有量が錠剤中75質量%以上である口腔内崩壊錠、(2)カルボシステインが、イソマルトとともに造粒された顆粒中に含まれる(1)に記載の口腔内崩壊錠、(3)上記顆粒が、カルボシステインとイソマルトのみからなる顆粒である、(2)に記載の口腔内崩壊錠、(4)上記顆粒が、流動層造粒法により製造されたものである(2)又は(3)に記載の口腔内崩壊錠、(5)上記崩壊剤が、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチ塩およびカルメロース塩からなる群より選ばれる1種または2種以上である(1)〜(4)のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠、(6)錠剤硬度が、5kg以上である(1)〜(5)のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠、(7)さらに高甘味度甘味剤を含有する(1)〜(6)のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠、である。本発明により、優れた溶出性を有し、かつ、小型化されたL−カルボシステイン含有口腔内崩壊錠を、一般的な設備を用いて生産性良く製造することが可能となった。L−カルボシステインは、気道粘膜に含まれる各種ムチンの含量比を正常化し、粘液の粘度を低下させ、また、線毛細胞などの粘膜上皮を修復することにより、粘液線毛輸送系を改善し、貯留物の排泄を促進するため、上気道炎や急性気管支炎の去痰薬として使用されている。本発明に使用されるL-カルボシステインは、その平均粒子径については特に限定はなく、粉砕品、未粉砕品のいずれも使用することができる。なお、L−カルボシステインの平均粒子径は、レーザー回折・錯乱法により測定される。錠剤中のL−カルボシステインの含有量は、錠剤の小型化の点から錠剤中75質量%以上が好ましく、さらに好ましくは80質量%以上であり、製造の点からは95質量%以下が好ましい。特に好ましくは85〜95質量%である。本発明に使用されるイソマルトは、イソマルチュロースを還元(水素化)することにより得られる糖アルコールであり、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビット(1,6−GPS)と1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニット(1,1−GPM)の混合物として知られている。医薬品原料として使用可能なイソマルトは、BENEO−Palatinit社から購入することが可能であり、1,6−GPSと1,1−GPMの組成比率や粒度分布などの物理的特性から様々なタイプの商品が提供されている。例えば、galenIQ720(登録商標)、galenIQ721(登録商標)、galenIQ800(登録商標)、galenIQ801(登録商標)、galenIQ810(登録商標)、galenIQ960(登録商標)、galenIQ980(登録商標)、galenIQ981(登録商標)などが挙げられる。また、特許4943608、特許4376481に記載されるイソマルトやイソマルト変種も本発明に使用されるイソマルトに含まれる。イソマルトの含有量は、カルボシステイン100質量部に対して2〜20質量部が好ましく、さらに好ましくは3〜12質量部、特に好ましくは5〜12質量部である。本発明に使用される崩壊剤は、医薬品製剤の製造に使用可能なものであれば特に限定はなく、各種の崩壊剤が使用できる。このような崩壊剤としては、例えば、医薬品添加物事典[日本医薬品添加剤協会、薬事日報社(2007年)]に記載されているものを適宜使用できる。例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、メチルセルロースなどのセルロース類やカルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスポビドンなどを使用することができ、速やかな崩壊性及び飲用のし易さ(口当たりのよさ)の点からクロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを使用することが好ましい。崩壊剤の配合量は、錠剤中0.5〜12質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜9質量%、特に好ましくは2〜6質量%である。本発明に用いられる高甘味度甘味剤とは、ショ糖の10倍以上の甘味度を有する甘味剤である。例えば、アスパルテーム、サッカリンおよびその塩類、グリチルリチン酸およびグリチルリチン酸二カリウム等のグリチルリチン酸の塩類、アセスルファムカリウム、ステビアなどが挙げられ、これらの高甘味度甘味剤は2種以上を用いてもよい。錠剤中の高甘味度甘味剤の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。L−カルボシステインとイソマルトは口腔内崩壊錠中造粒物として配合されていることが好ましい。この造粒物は、流動層造粒法、転動流動層造粒法などにより製造可能であるが、L−カルボシステインを転動流動層造粒機に仕込み、イソマルトを溶解した液を噴霧し造粒することがより好ましい。また、造粒物の平均粒子径は、50〜500μmが好ましい。圧縮成型は、通常50〜500kg/cm2の打錠圧で行うが、好ましくは100〜350kg/cm2である。本発明において口腔内崩壊錠とは、口腔内で唾液の存在下、咀嚼なしに崩壊する固形医薬製剤であり、好ましくは40秒以下で崩壊する固形医薬製剤、さらに好ましくは30秒以下で崩壊する医薬固形製剤である。実施例1L−カルボシステイン(平均粒子径19μm)800gを転動流動層造粒機(ダルトン、NQ−160)に仕込み、イソマルト(BENEO−Palatinit)80gを水220gに溶解した液を噴霧し造粒、乾燥した(平均粒子径274μm)。得られた造粒物550g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース NBD−022(信越化学)15g、及びアスパルテーム(味の素)6gを混合後、さらにフマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA)9gを加え混合後、ロータリー打錠機(畑鉄工)を用いて長径15.5mm及び短径7.5mmのL−カルボシステイン500mgを含む質量580mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.1kg、口腔内崩壊時間26秒を示した。実施例2L−カルボシステイン(平均粒子径81μm)800gを転動流動層造粒機(ダルトン、NQ−160)に仕込み、イソマルト(BENEO−Palatinit)80gを水220gに溶解した液を噴霧し造粒、乾燥した。得られた造粒物550g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース NBD−022(信越化学)15g、及びアスパルテーム(味の素)5gを混合後、さらにフマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA)6gを加え混合後、ロータリー打錠機(畑鉄工)を用いて長径15.5mm及び短径7.5mmのL−カルボシステイン500mgを含む質量576mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度7.5kg、口腔内崩壊時間26秒を示した。実施例3L−カルボシステイン(平均粒子径81μm)800gを転動流動層造粒機(ダルトン、NQ−160)に仕込み、イソマルト(BENEO−Palatinit)80gを水220gに溶解した液を噴霧し造粒、乾燥した。得られた造粒物550g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース NBD−022(信越化学)15g、及びアスパルテーム(味の素)5gを混合後、さらにフマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA)6gを加え混合後、ロータリー打錠機(畑鉄工)を用いて長径15mm及び短径6.5mmのL−カルボシステイン500mgを含む質量576mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度6.7kg、口腔内崩壊時間24秒を示した。実施例4L−カルボシステイン(平均粒子径81μm)800gを転動流動層造粒機(ダルトン、NQ−160)に仕込み、イソマルト(BENEO−Palatinit)48gを水220gに溶解した液を噴霧し造粒、乾燥した。得られた造粒物530g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース NBD−022(信越化学)15g、及びアスパルテーム(味の素)5gを混合後、さらにフマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA)10gを加え混合後、ロータリー打錠機(畑鉄工)を用いて長径15mm及び短径6.5mmのL−カルボシステイン500mgを含む質量560mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度7.1kg、口腔内崩壊時間17秒を示した。実施例5L−カルボシステイン(平均粒子径81μm)3000gを転動流動層造粒機(フロイント産業、SFC−5)に仕込み、イソマルト(BENEO−Palatinit)180gを水825gに溶解した液を噴霧し造粒、乾燥した。得られた造粒物530g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース NBD−022(信越化学)15g、及びアスパルテーム(味の素)10gを混合後、さらにフマル酸ステアリルナトリウム(PHARMA TRANS SANAQ AG)10gを加え混合後、ロータリー打錠機(畑鉄工)を用いて打錠圧0.5kNにて長径15mm及び短径6.5mmのL−カルボシステイン500mgを含む質量565mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度7.2kg、口腔内崩壊時間24秒を示した。実施例6L−カルボシステイン(平均粒子径81μm)3000gを転動流動層造粒機(フロイント産業、SFC−5)に仕込み、イソマルト(BENEO−Palatinit)180gを水825gに溶解した液を噴霧し造粒、乾燥した。得られた造粒物318g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース NBD−022(信越化学)12g、アスパルテーム(味の素)6g、及びピーチパウダーフレーバー(小林香料)0.3gを混合後、さらにフマル酸ステアリルナトリウム(PHARMA TRANS SANAQ AG)7.2gを加え混合後、ロータリー打錠機(畑鉄工)を用いて長径15.5mm及び短径7.5mmのL−カルボシステイン500mgを含む質量572mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.0kg、口腔内崩壊時間26秒を示した。実施例7L−カルボシステイン(平均粒子径81μm)3000gを転動流動層造粒機(フロイント産業、SFC−5)に仕込み、イソマルト(BENEO−Palatinit)180gを水825gに溶解した液を噴霧し造粒、乾燥した。得られた造粒物318g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース NBD−022(信越化学)12g、アスパルテーム(味の素)6g、及びピーチパウダーフレーバー(小林香料)0.3gを混合後、さらにショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ)7.2gを加え混合後、ロータリー打錠機(畑鉄工)を用いて長径15.5mm及び短径7.5mmのL−カルボシステイン500mgを含む質量572mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度6.0kg、口腔内崩壊時間24秒を示した。比較例1L−カルボシステイン(平均粒子径19μm)800gを転動流動層造粒機(ダルトン、NQ−160)に仕込み、トレハロース(旭化成ケミカルズ)80gを水220gに溶解した液を噴霧し造粒した。乾燥後、この造粒物についてロータリー打錠機(畑鉄工)を用いて打錠圧1.0kNにて長径15.5mm及び短径7.5mmのL−カルボシステイン500mgを含む質量550mgの錠剤を製した。得られた錠剤の物性は硬度1.6kgであり、十分な硬度を得ることはできなかった。なお、錠剤硬度を上げるために打錠圧を変更したところ、打錠障害(キャッピング)が発生し成錠できなかった。比較例2トレハロース(旭化成ケミカルズ)40gを水1160gに溶解した液に50%粒子径51μmのL−カルボシステイン400gを懸濁し、スプレードライヤー(ニロアトマイザー、MM−01)で給気温度220℃、排気温度120℃、スプレー圧0.02MPaで噴霧乾燥造粒して造粒物を得た。この造粒物550g、アスパルテーム(味の素)15gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)10gを加え混合後、単発打錠機(岡田精工)を用いて打錠圧0.1〜0.2kNにて錠径14.5mmのカルボシステイン500mgを含む質量575mgの打錠品を製した。この打錠品を25℃、湿度75%に設定した恒温恒湿器(タバイ)に24時間保存した後、シリカゲルを充填したデシケーター内で48時間乾燥して錠剤を得た。得られた錠剤の物性は、硬度7.2kg、口腔内崩壊時間52秒と50%粒子径51μmのL−カルボシステインを使用した場合適度な物性は得られなかった。カルボシステイン、イソマルトおよび崩壊剤を含有し、カルボシステインの含有量が錠剤中75質量%以上である口腔内崩壊錠。カルボシステインが、イソマルトとともに造粒された顆粒中に含まれる請求項1に記載の口腔内崩壊錠。上記顆粒が、カルボシステインとイソマルトのみからなる顆粒である、請求項2に記載の口腔内崩壊錠。上記顆粒が、流動層造粒法により製造されたものである請求項2又は3に記載の口腔内崩壊錠。上記崩壊剤が、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチ塩およびカルメロース塩からなる群より選ばれる1種または2種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。錠剤硬度が、5kg以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。さらに高甘味度甘味剤を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。 【課題】小型化されたL−カルボシステイン含有口腔内崩壊錠を一般的な生産設備にて生産性良く製造することを目的とする。【解決すべき手段】カルボシステイン、イソマルトおよび崩壊剤を含有し、カルボシステインの含有量が錠剤中75質量%以上である口腔内崩壊錠。【選択図】なし


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