タイトル: | 公開特許公報(A)_水中油型乳化組成物 |
出願番号: | 2012215772 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | A61K 8/86,A61K 8/14,A61Q 19/00,A61Q 5/00,A61K 8/06,A61Q 19/10,A61Q 17/04,A61Q 5/06,A61Q 13/00 |
杉山 由紀 大森 隆司 佐藤 知子 松下 裕史 庄司 健 JP 2014070032 公開特許公報(A) 20140421 2012215772 20120928 水中油型乳化組成物 株式会社 資生堂 000001959 岩橋 祐司 100092901 杉山 由紀 大森 隆司 佐藤 知子 松下 裕史 庄司 健 A61K 8/86 20060101AFI20140325BHJP A61K 8/14 20060101ALI20140325BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20140325BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20140325BHJP A61K 8/06 20060101ALI20140325BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20140325BHJP A61Q 17/04 20060101ALI20140325BHJP A61Q 5/06 20060101ALI20140325BHJP A61Q 13/00 20060101ALI20140325BHJP JPA61K8/86A61K8/14A61Q19/00A61Q5/00A61K8/06A61Q19/10A61Q17/04A61Q5/06A61Q13/00 10 1 OL 51 4C083 4C083AA032 4C083AA112 4C083AA122 4C083AB032 4C083AB172 4C083AB212 4C083AB232 4C083AB242 4C083AB432 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC032 4C083AC072 4C083AC101 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC181 4C083AC182 4C083AC212 4C083AC242 4C083AC262 4C083AC302 4C083AC342 4C083AC352 4C083AC392 4C083AC422 4C083AC432 4C083AC442 4C083AC482 4C083AC532 4C083AC542 4C083AC582 4C083AC622 4C083AC692 4C083AC792 4C083AC852 4C083AD022 4C083AD041 4C083AD042 4C083AD072 4C083AD092 4C083AD112 4C083AD152 4C083AD162 4C083AD172 4C083AD202 4C083AD252 4C083AD272 4C083AD282 4C083AD312 4C083AD352 4C083AD532 4C083AD662 4C083BB11 4C083BB36 4C083BB41 4C083CC01 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC12 4C083CC19 4C083CC23 4C083CC24 4C083CC31 4C083CC32 4C083CC33 4C083DD23 4C083DD33 4C083DD45 4C083EE01 4C083EE06 4C083EE07 4C083EE10 4C083KK03 本発明は水中油型乳化組成物に関する。更に詳しくは、アルキレンオキシド誘導体から形成されるポリマーソームを乳化剤として作製した水中油型乳化組成物に関する。 通常、化粧料に用いられる水中油型乳化組成物においては、乳化状態を簡単に形成できることから界面活性剤が多用されている。ところが、界面活性剤を多量に配合すると組成物にべたつき感が生じ、水中油型乳化組成物に期待されるみずみずしさが損なわれるという問題があった。また、低分子の合成界面活性剤の中には皮膚刺激性を示すものが知られており、安全性を重視する消費者からは、界面活性剤の配合量が非常に少ない、もしくは全く含有しない化粧料を求める声が聞かれていた。 このような事情から、界面活性剤を用いずに水中油型乳化組成物を作製するための様々な試みが行われている。 1900年代初頭、二種類の非相溶な液体に粉体粒子やコロイド粒子を混合すると、該粒子が界面に吸着して乳化系が安定化されることが報告された。この方法によって作製された乳化物はピッカリングエマルション(Pickering emulsion)と呼ばれ、種々の天然・工業的工程において広く活用されている(非特許文献1)。化粧料の分野においてもピッカリングエマルションの活用が提案されているが、使用できる粉末・コロイド粒子には種々の制約(大きさ、非凝集性、湿潤性等)があるため、化粧料に適用できるものは限られていた(特許文献1〜3参照)。 さらに、ピッカリングエマルションエマルションには、攪拌や振とうに対する安定性の低さという課題があった。例えば水中油型ピッカリングエマルションでは、静置時には内油相の乳化粒子と外水相の界面に粉体が吸着しているので、該乳化粒子は水相中に安定に分散することができる。けれども、製品輸送時の攪拌・振とうによって乳化粒子どうしが衝突すると、衝突面では該粉体濃度が低下するため、乳化粒子の合一及び乳化破壊が引き起こされるのである。 そこで、両親媒性物質を共配合(非特許文献2)、または特定の両親媒性脂質(セラミド)、カチオン性界面活性剤、及び多価アルコールを共配合することで(特許文献4)、ピッカリングエマルションを安定化する試みが行われている。特に、特許文献4では、カチオン性界面活性剤と両親媒性脂質が多価アルコールの存在下で液晶(αゲル)構造を形成し、増粘する性質を利用して、当該水中油型エマルションを安定化している。 しかしながら、これらのエマルションにおいても攪拌・振とうに対する安定性は十分ではなく、さらに、高濃度の両親媒性物質に起因してべたつき感の問題が生じる場合もあった。 また、アルキル鎖を2つ有するカチオン性界面活性剤を配合することで安定性とべたつき感が改善された水中油型ピッカリングエマルションが作製されたが、十分な乳化安定性を得るには粉体粒子(疎水化処理微粒子二酸化チタン、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、及び酸化アルミニウム)を高濃度に配合する必要があり、きしみ感や粉っぽさが生じることとなった(特許文献5)。 一般に、ピッカリングエマルションに用いられる無機粉体粒子(例として、特許文献1:ポリアルキルシルセスキオキサン粒子、特許文献2:金属酸化物、特許文献3:シリカ・二酸化チタン・酸化亜鉛、特許文献4:無機粉体)の乳化能は化粧料に汎用される界面活性剤の乳化能と比べて劣るため、乳化安定性を高めるには該粉体を多く配合する必要がある。その結果、高濃度の粉体粒子に起因してきしみ感や粉っぽさが生じてしまい、みずみずしさが損なわれる傾向が見られる。このような問題を解決するために、無機粉体粒子でなく球状有機粒子を乳化剤に用いたピッカリングエマルションも作製されているが、エラストマー性オルガノポリシロキサンとあわせて10数%以上配合する必要があるため、前記きしみ感や粉っぽさの問題はあまり解決されていないのが現状である(特許文献6)。 このように、界面活性剤を用いずに作製されたピッカリングエマルションの乳化安定性は低く、当該安定性を改善するために粉体を増量または両親媒性物質を共配合するときしみ感やべたつき感を生じ、水中油型乳化組成物の優れた特性であるみずみずしさが損なわれるという問題があった。また、油溶性の香料成分を配合しても内相に安定に保持されにくいため、十分な香り持続効果を有する水中油型組成物を得ることが難しかった。特許第2656226号公報特表2001−518111号公報特開2007−332037号公報特開2006−36763号公報特開2008−291026号公報特開平11−158030号公報特開2011−184367号公報特許第3855203号公報特許第4825931号公報B.Binks et.al, Advances in Colloid and Interface Science,100−102(2003).Mukul M,Sharma et.al,Journal of Colloid and Interface Science,157,244−253(1993).Science,297,967−973(2002).Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS),102,2922−2927(2005). 本発明は前記事情に鑑みて行われたものであり、乳化安定性が高く、きしみ感やべたつき感がなくてみずみずしさに優れ、さらに皮膚刺激性の心配のない水中油型乳化組成物を提供することを目的とする。 前記目的を達成するために本発明者らが鋭意研究を行った結果、特定のアルキレンオキシド誘導体から形成されるポリマーソームに優れた乳化能があることを見出した。 ここで、ポリマーソームとは、両親媒性ブロックコポリマー(疎水性および親水性のブロックをそれぞれ1以上有するジブロックまたはマルチブロックコポリマー)から形成される二分子膜構造を有した閉鎖小胞体、すなわちベシクルのことである。ポリマーソームは、リポソームと同様にベシクル内部に物質を保持できるため、ドラッグデリバリーシステムにおけるキャリアとして近年注目を集めている(非特許文献3、4)。 これまで、(ポリエチレンオキシド−ポリエチルエチレン)ジブロックコポリマー、(ポリエチレンオキシド−ポリブタジエン)ブロックコポリマー、またはブロック型アルキレンオキシド誘導体等からポリマーソームが作製されており、機械的安定性が高く、当該ポリマーソーム内に特定の化学物質を安定に保持できることが報告されている(非特許文献3、4、特許文献7)。しかしながら、これらのポリマーソームを乳化剤として用いた例はなく、ポリマーソームが安定な乳化組成物を作製するに足る乳化能を有することの示唆もなかった。 なお、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体や4級アンモニウム化合物に代表される両親媒性物質より自発的に形成される閉鎖小胞体を乳化剤に用いる三相乳化法(特許文献8)も知られるが、安定性の面で課題を残していた。そのため、特許文献9では、低級アルコール存在下で閉鎖小胞体を調整することにより安定性が向上した三相乳化水中油型組成物を作製している。 本発明者は、特定のアルキレンオキシド誘導体から形成されるポリマーソームを乳化剤として用いることで、乳化安定性が高く、きしみ感やべたつき感がなくてみずみずしさに優れ、さらに皮膚刺激性の低い水中油型乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明によって、(a)下記一般式(1)または(2)で表されるアルキレンオキシド誘導体を膜成分とするポリマーソーム粒子、(b)内相としての油性成分、(c)外相としての水性成分、とを含む水中油型乳化組成物であって、前記(a)のポリマーソーム粒子が、前記(b)成分より形成される内相と前記(c)成分より形成される外相との界面に存在する、ことを特徴とする水中油型乳化組成物が提供される。 (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基であり、これらの付加形態はブロック状である。mは前記オキシアルキレン基の平均付加モル数、lおよびnは前記オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦l+n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。R1,R2は、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。) (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、Zはダイマージオールから水酸基を除いた残基であり、これらの付加形態はブロック状である。a1およびa2は前記オキシアルキレン基の平均付加モル数、b1およびb2は前記オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦a1+a2≦150、1≦b1+b2≦150である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は10〜99質量%である。R1,R2は、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。) 前記(a)のポリマーソームの膜内に、(d)ポリマーソーム膜内に保持された油性成分として、前記(b)内相としての油性成分と同種および/または異種の油性成分を含むことも可能である。 また、前記(a)のポリマーソームの膜で囲まれる内孔に、(e)ポリマーソーム内に保持された水性成分として、前記(c)外相を構成する水相成分と同種および/または異種の水性成分を含むことも可能である。 さらに、前記(b)内相としての油性成分および/または(d)ポリマーソーム膜内に保持された油性成分として、香料成分を配合することができる。 前記式(1)および(2)で表されるアルキレンオキシド誘導体のAO基は、オキシブチレン基であることが好適である。 また、本発明によって、下記工程(i)−(iii)を含むことを特徴とする水中油型乳化組成物の製造方法が提供される。(i)下記一般式(1)または(2)で表されるアルキレンオキシド誘導体および水溶性アルコールを混合する工程、(ii)前記混合液を撹拌しながら水性成分よりなる水系溶媒へ滴下し、前記(a)アルキレンオキシド誘導体を膜成分とするポリマーソームの水分散液を得る工程、(iii)前記(a)ポリマーソーム水分散液を、(c)外相としての水性成分中に混合分散し、さらに(b)内相としての油性成分を添加後、攪拌し、せん断力を加えて乳化することで水中油型乳化組成物を得る工程。 (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基であり、これらの付加形態はブロック状である。mは前記オキシアルキレン基の平均付加モル数、lおよびnは前記オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦l+n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。R1,R2は、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。) (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、Zはダイマージオールから水酸基を除いた残基であり、これらの付加形態はブロック状である。a1およびa2は前記オキシアルキレン基の平均付加モル数、b1およびb2は前記オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦a1+a2≦150、1≦b1+b2≦150である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は10〜99質量%である。R1,R2は、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。) 前記水中油型乳化組成物の製造方法では、さらに、(d)ポリマーソーム膜内に保持された油性成分として、前記(b)内相としての油性成分と同種および/または異種の油性成分を添加して前記工程(i)を行ってもよい。 そして、前記(b)内相としての油性成分および/または(d)ポリマーソーム膜内に保持された油性成分として、香料成分を配合することができる。 前記水中油型乳化組成物の製造方法では、前記工程(i)における前記アルキレンオキシド誘導体の配合量が0.1〜20質量%、水溶性アルコールの配合量が0.1〜50質量%であることが好適である。 本発明にかかる水中油型乳化組成物においては、前記ポリマーソームの粒子径が50〜300nmであることが好適である。 本発明によれば、乳化安定性が高く、きしみ感やべたつき感がなくてみずみずしさに優れ、さらに皮膚刺激性の低い水中油型乳化組成物を簡便に得ることができる。 さらに、油溶性の香料成分を配合することにより、香りの持続効果にも優れた水中油型乳化組成物を得ることができる。本発明にかかる水中油型乳化組成物における、(a)ポリマーソーム、(b)内相としての油性成分、(c)外相としての水性成分、(d)ポリマーソーム膜内に保持された油性成分、(e)ポリマーソーム内部に保持された水性成分、の存在状態を示す模式図である。香料成分を配合した本発明にかかる水中油型乳化組成物(試験例10−1)の光学顕微鏡写真を示す。香料成分を配合した本発明にかかる水中油型乳化組成物(試験例10−1)の香り強度の経時的変化を示す。 本発明によれば、特定のアルキレンオキシド誘導体から形成されるベシクルであるポリマーソームの優れた乳化能を用いて、乳化粒子が均一で経時安定性が高く、きしみ感やべたつき感がなく、みずみずしさといった使用感に優れ、さらに皮膚刺激性の低い水中油型乳化組成物を簡便に作製することができる。本発明においてポリマーソーム形成に用いるアルキレンオキシド誘導体は、皮膚刺激性が認められず安全性は高いが乳化能は低く、安定な乳化物を作製することが難しい。しかしながら、ポリマーソームという構造を取ることによって油相−水相の界面に安定に存在できるようになり、攪拌や振とう時であっても該油相の合一を効果的に抑制することができるようになる。そのため、従来のピッカリングエマルションでは安定に保持することが難しかった油溶性香料成分の安定且つ多量配合が可能となり、香りの持続効果に優れた水中油型乳化組成物が作製できるようになった。 本発明にかかるポリマーソームの乳化能は高く、内油相比が10−85質量%の範囲で非常に安定な水中油型乳化組成物を作製することができる。 また、本発明にかかるポリマーソームは比較的少量(0.125−2.25質量%)の配合で優れた乳化能を発揮できるので、従来のピッカリングエマルションにおいて問題とされていたきしみ感や粉っぽさを生じず、界面活性剤の高配合に起因するべたつき感といった不快な使用感を生じることもない。 以下、本発明の好適な実施形態について説明する。[(a)ポリマーソーム] 本発明にかかるポリマーソームは、特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体によって形成され、これを膜成分とするものである。本発明のポリマーソームを構成するブロック型アルキレンオキシド誘導体は、下記式(1)または(2)で表される。 前記式(1)において、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、特に好ましくはオキシブチレン基である。また、EOはオキシエチレン基を表す。 前記式(1)において、mはオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1≦m≦70、好ましくは5≦m≦55である。l、nは炭素数3〜4のオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、1≦l+n≦70、好ましくは5≦l+n≦60である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基又はオキシエチレン基が0、すなわち、m又はl+nが0であると安定なポリマーソーム構造を形成することができず、また、70を超えると当該アルキレンオキシド誘導体から形成されるポリマーソームを用いて作製した組成物にべたつき感が生じる傾向がある。 前記式(1)において、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基との合計に対するオキシエチレン基の割合は、20〜80質量%であることが好ましく、さらに好ましくは30〜70質量%である。オキシエチレン基が20質量%に満たないと、式(1)で表されるブロック型アルキレンオキシド誘導体の親水性が低くなり、また、80質量%を超えるとブロック型アルキレンオキシド誘導体の親油性が低すぎて目的とするポリマーソーム構造が形成されない場合がある。また、式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体の分子量は、1000〜5000であることが好ましい。分子量が1000に満たないと、十分量のポリマーソームが得られないことがある。 前記式(1)において、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加されている。 前記式(1)において、R1及びR2は炭素数1〜4の炭化水素基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。炭素数1〜4の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、N−プロピル基、イソプロピル基、N−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基である。R1またはR2が炭素数5以上になると、当該アルキレンオキシド誘導体から形成されるポリマーソームを用いて作製した組成物のみずみずしさが低下する傾向がある。 また、本発明の水中油型乳化組成物には、本発明の効果を損ねない範囲であれば、式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体において、R1、R2のいずれかまたは両方が水素原子の誘導体が存在してもよい。なお、R1、R2のいずれかまたは両方が水素原子である誘導体の割合が多すぎると、当該アルキレンオキシド誘導体からなるポリマーソームを用いた水中油型乳化組成物にべたつき感が生じることがある。 本発明に係るブロック型アルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物にエチレンオキシド及び炭素数3〜4のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得られる。 本発明に用いることができる、前記式(1)で表されるブロック型アルキレンオキシド誘導体としては、POE(9)POP(2)ジメチルエーテル、POE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(15)POP(5)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジメチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(9)POB(2)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(15)POB(14)ジメチルエーテル、POE(18)POB(17)ジメチルエーテル、POE(23)POB(21)ジメチルエーテル、POE(27)POB(25)ジメチルエーテル、POE(32)POB(29)ジメチルエーテル、POE(35)POB(32)ジメチルエーテル、POE(10)POB(15)ジメチルエーテル、POE(20)POB(28)ジメチルエーテル、POE(17)POB(10)ジメチルエーテル、POE(28)POB(17)ジメチルエーテル、POE(45)POB(27)ジメチルエーテル、POE(34)POB(14)ジメチルエーテル、POE(55)POB(22)ジメチルエーテル、POE(44)POB(12)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル、POE(35)POP(30)グリコール、POE(35)POB(32)グリコール等が挙げられる。 なお、前記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、POE、POP、POBの後ろのカッコ内の数字は、それぞれの付加モル数を表す。以下、このように略記することがある。 式(2)で表されるアルキレンオキシド誘導体において、Zは、ダイマージオールから水酸基を除いた残基、EOはオキシエチレン基である。AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、例として、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt−ブチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、さらに好ましくはオキシブチレン基である。これらの付加形態はブロック状である。 a1およびa2はオキシアルキレン基の平均付加モル数、b1およびb2はオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、1≦a1+a2≦150、1≦b1+b2≦150である。好ましくは2≦a1+a2≦70、5≦b1+b2≦120であり、より好ましくは、2≦a1+a2≦50、10≦b1+b2≦100である。a1+a2が0であると、安定なポリマーソーム構造が形成されず、a1+a2が150を越えると、当該アルキレンオキシド誘導体から形成されるポリマーソームを用いて作製した水中油型乳化組成物が保湿効果に劣る傾向がある。またb1+b2が0であるとポリマーソームを形成することができず、150を越えると当該アルキレンオキシド誘導体から形成されるポリマーソームを用いて作製した水中油型乳化組成物にべたつき感が生じる傾向がある。 前記式(2)中のAOとEOの合計に対するEOの割合は10〜99質量%であり、好ましくは20〜70質量%である。10質量%に満たないとブロック型アルキレンオキシド誘導体の親水性が足りず、99質量%を超えるとブロック型アルキレンオキシド誘導体の親油性が足りず、目的とするポリマーソームが形成されない、もしくは形成されたとしても安定性が不十分な場合がある。 前記式(2)において、オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基の付加形態は、ポリマーソーム形成性の観点からブロック状である。付加順序はダイマージオールに対して、AO、EOの順で結合しているのが好ましい。 また、式(2)で表されるアルキレンオキシド誘導体の分子量は、1000〜6000であることが好ましい。分子量が小さすぎるとポリマーソームの形成率が低下するため十分量のポリマーソームが得られない場合があり、分子量が大きすぎると当該アルキレンオキシド誘導体から形成されるポリマーソームを用いて作製した水中油型乳化組成物の使用感が低下する場合がある。 R1およびR2は、炭素数1〜4の炭化水素基である。べたつきの原因となる末端の水酸基をエーテル化することで、皮膚とのなじみが向上し、良好な使用感をもたらす。炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基およびこれらの混合基などが挙げられる。本発明においてはメチル基、エチル基であることが好ましい。炭素数が5より大きいと、当該アルキレンオキシド誘導体から形成されるポリマーソームを用いて作製した水中油型乳化組成物の保湿効果や肌荒れ改善効果が劣る傾向がある。 なお、R1およびR2は同一であっても異なっていてもよく、R1およびR2が同一又は異なるブロック型アルキレンオキシド誘導体を1種または2種以上組み合わせてポリマーソームを形成してもよい。 式(2)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、Zは、ダイマージオールから水酸基を除いた残基である。ここで、ダイマージオールとは、ダイマー酸を還元して得られるジオールである。なお、Zがダイマージオールでない他のジオールである場合には、ポリマーソームを形成できなかったり、できたとしても安定性が不十分な場合がある。 本発明に用いられるダイマージオールの原料となるダイマー酸は、例えば、不飽和脂肪酸又はその低級アルコールエステルを重合することによって得られる二量体である。具体的にはオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和脂肪酸又はこれらの低級アルコールのエステルをディールス・アルダー反応のような熱重合により反応させる方法又はその他の反応方法によって合成できる。生成したダイマー酸中に本発明の効果を損なわない範囲であれば未反応の脂肪酸が残っていても構わない。 ダイマー酸としては、炭素数12〜24の不飽和脂肪酸又はその低級アルコールエステルを二量化したものが好ましい。この場合、Zは炭素数24〜48のダイマージオール残基となる。このような不飽和脂肪酸としては、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレイン酸およびこれらの炭素数1〜3の低級アルコールエステルなどが挙げられるが、好ましくは、炭素数18の不飽和脂肪酸であり、オレイン酸又はリノール酸もしくはその低級アルコールエステルが特に好ましい。また、二量化した後に、残存する不飽和二重結合を水素添加したダイマー酸を用いてもよい。 ダイマージオールは、動物油脂由来及び植物油脂由来のものが流通しており、本発明では何れも使用できるが、植物油脂由来のものがより好ましい。このようなダイマージオールとしては、Sovermol908(コグニス・ジャパン社製)、PRIPOL 2033(ユニケマ社製)、ぺスポールHP−1000(東亞合成(株)製)などが例示できる。 本発明に用いることができる、前記式(2)で表されるブロック型アルキレンオキシド誘導体として、具体的にはPOB(25)POE(34)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(25)POE(35)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(4)POE(13)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(5)POE(15)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(6)POE(18)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(7)POE(20)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(10)POE(24)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(10)POE(30)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(25)POE(52)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(41)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(41)ジエチルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(41)ジプロプルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(41)ジブチルダイマージオールエーテル、POB(11)POE(30)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(15)POE(45)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(50)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(21)POE(56)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(12)POE(50)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(61)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(3)POE(40)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(6)POE(82)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(40)POE(120)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(100)POE(40)ジメチルダイマージオールエーテル、POE(35)POP(30)ジメチルダイマージオールエーテル、POE(52)POP(30)ジメチルダイマージオールエーテル等が挙げられる。 なお、前記POE、POP、POBの付加モル数は、それぞれ分子中の総付加モル数、すなわち、a1+a2、b1+b2の値として表記している。 このようなブロック型アルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物にエチレンオキシドおよび炭素数3〜4のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得られる。 本発明にかかる水中油型乳化組成物において、ブロック型アルキレンオキシド誘導体の配合量は、最終的に生成される水中油型乳化組成物に対して0.1〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。ブロック型アルキレンオキシド誘導体の配合量が0.1質量%未満では、配合による効果の発現が十分でない場合があり、また20質量%を超えると、べたつき感を生じる場合がある。[(b)内相としての油性成分] 乳化剤として界面活性剤を用いる従来型の乳化組成物では、配合する油分に適した物性の界面活性剤を選択する必要があり、そのため、配合できる界面活性剤および油分の種類が制限されていた。また、油相成分を変更する場合には、界面活性剤の種類の変更を検討する必要があった。これに対し、本発明において乳化剤として用いる(a)ポリマーソームは、油分の物性とはほぼ無関係に、当該油相と水相の界面に安定に存在することができる。そのため、本発明においては、(b)内相としての油性成分として従来よりも幅広い種類の油分を配合することが可能であり、また、該油相成分を柔軟に変更することも可能である。 本発明に係る水中油型乳化組成物における(b)内相としての油性成分としては、化粧品、医薬部外品等に汎用される炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油、液体油脂、固体油脂、ロウ類等だけでなく、従来型水中油型乳化組成物では配合が困難であった低分子油分や高極性の油分も多量且つ安定的に配合することが可能である。ここでは、低分子油分は分子量500以下の油分を、高極性油分はIOB値が0.15以上の油分とする。なお、IOB値とは有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、すなわち、「無機性値(IV)/有機性値(OV)」を言う。有機概念図とは、すべての有機化合物の根源をメタン(CH4)とし、他の化合物はすべてメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環等にそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値、無機性値を求め、有機性値をX軸、無機性値をY軸にとった図上にプロットしていくものである(「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)等)。 炭化水素油としては、例えばイソドデカン、イソヘキサデカン、イソパラフィン、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。 高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。 高級アルコールとしては、例えば直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等)、分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)−2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。 合成エステル油としては、例えばオクタン酸オクチル、ノナン酸ノニル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ピバリン酸トリプロピレングリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、ジイソステアリン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート−2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。 シリコーン油としては、例えば鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等)、環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)、アクリルシリコーン類等が挙げられる。 液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油ートリグリセリン等が挙げられる。 固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。 ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、 POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。 本発明に係る水中油型乳化組成物においては、(b)内相の油性成分として、これらの油性成分の一種または二種以上を配合することができる。また、(b)内相の油性成分として、後述する香料成分を配合してもよい。 また、本発明の水中油型乳化組成物においては、(b)内相の油性成分を10−85質量%の範囲で配合することができる。よって、本発明によれば、内油相比の少ない水中油型乳化組成物(美容液、乳液など)から内油相比の高い水中油型乳化組成物(クレンジングクリーム、日焼け止め、ヘアクリームなど)まで、幅広い内油相比の製品を作製することができる。[(c)外相としての水性成分] (c)外相としての水性成分としては、通常化粧品、医薬部外品等に使用される水(精製水、イオン交換水、水道水等)、水溶性アルコール、増粘剤等を配合することができ、さらに所望に応じて、保湿剤、キレート剤、防腐剤、色素などを適宜配合することができる。 水溶性アルコールとしては、低級アルコール、多価アルコール、多価アルコール重合体、2価アルコールアルキルエーテル類、2価アルコールエーテルエステル、グリセリンモノアルキルエーテル、糖アルコール、単糖、オリゴ糖、多糖およびそれらの誘導体から選ばれる1種または2種以上である。 低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。 多価アルコールとしては、例えば、2価アルコール(例えば、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等)、3価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等)、4価アルコール(例えば、ジグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等)、5価アルコール(例えば、キシリトール、トリグリセリン等)、6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等)、多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールートリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリンートリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等)、2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルトリエチレングリコールモノメチルエーテルトリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等)、2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等)、グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等)、糖アルコール(例えば、マルトトリオ−ス、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコ−ス、フルクト−ス、デンプン分解糖、マルト−ス、デンプン分解糖還元アルコール等)、グリソリッド、テトラハイドロフルフリルアルコール、POE−テトラハイドロフルフリルアルコール、POP−ブチルエーテル、POP・POE−ブチルエーテルトリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテルリン酸、POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。 単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四炭糖(例えば、D−エリトロ−ス、D−エリトルロ−ス、Dートレオ−ス、エリスリトール等)、五炭糖(例えば、L−アラビノ−ス、D−キシロ−ス、L−リキソ−ス、D−アラビノ−ス、D−リボ−ス、D−リブロ−ス、D−キシルロ−ス、L−キシルロ−ス等)、六炭糖(例えば、D−グルコ−ス、D−タロ−ス、D−ブシコ−ス、D−ガラクト−ス、D−フルクト−ス、L−ガラクト−ス、L−マンノ−ス、D−タガト−ス等)、七炭糖(例えば、アルドヘプト−ス、ヘプロ−ス等)、八炭糖(例えば、オクツロ−ス等)、デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボ−ス、6−デオキシ−L−ガラクト−ス、6−デオキシ−L−マンノ−ス等)、アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。 オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノ−ス、ウンベリフェロ−ス、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。 多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸−トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン等が挙げられる。 その他ポリオールとしては、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(グルカムE−10)、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(グルカムP−10)などが挙げられる。 増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラーヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。 天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラーヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸)、微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等)、動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。 半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等)、セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等)、アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。 合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等)、ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等)、アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等)、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。 保湿剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラ−ゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、DL−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。 金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。 アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等)、塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン等が挙げられる。 pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。 本発明の水中油型乳化組成物においては、(c)外相としての水性成分を15−90質量%の範囲で配合することができる。[(d)ポリマーソームの膜内に保持される油性成分] 本発明にかかるポリマーソームは、当該アルキレンオキシド誘導体がラメラ構造をなす膜から形成されるベシクルである(図1参照)。よって、アルキレンオキシド誘導体からポリマーソームを形成させる工程において、特定の油性成分を添加することにより、該油性成分をポリマーソームの膜内に安定に保持させることが可能である。このような(d)ポリマーソームの膜内に保持される油性成分としては、(b)内相としての油相成分として挙げた前記油性成分から1種または2種以上を選択することができる。また、後述する香料成分を配合してもよい。 また、(b)内相としての油性成分と(d)ポリマーソームの膜内に保持される油性成分を一致させる必要はなく、それぞれ異なる油性成分を選択することで、当該異なる油性成分に由来する多様な効果および使用感を有する水中油型乳化組成物を製造することができる。[(e)ポリマーソームの内部に保持される水性成分] 本発明にかかるポリマーソームでは、当該アルキレンオキシド誘導体から形成される膜で囲まれる内孔に、ポリマーソーム形成工程において溶媒として用いた水性成分が保持されている(図1参照)。よって、当該形成工程において、特定の水性成分を溶媒に添加することにより、該水性成分をポリマーソームの内部に安定に保持させることが可能である。このような(e)ポリマーソームの内部に保持される水性成分としては、(c)外相としての水相成分として挙げた前記水性成分から1種または2種以上を選択することができる。 また、(c)外相としての水相成分と(e)ポリマーソームの内部に保持される水性成分を一致させる必要はなく、それぞれ異なる水性成分を選択することで、当該異なる水性成分に由来する多様な効果および使用感を有する水中油型乳化組成物を製造することができる。[香料成分] 本発明に用いる香料成分としては、動物または植物より得られる天然香料と、化学的合成手段によって製造される合成香料、およびそれらの混合物である調合香料が挙げられ、特に限定されない。例えば、アセチベノール、アニスアルデヒド、アネトール、アミルアセテート、アミルサリシレート、アリルアミルグリコレート、アリルカプロエート、アルデヒドC6−20、アンブレットライド、アンブレットリド、アンブロキサン、イオノン、イソイースーパー、オイゲノール、オウランチオール、ガラクソリド、カローン、クマリン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、サンダロア、サンタロール、サンデラ、シクラメンアルデヒド、シス-3-ヘキセニルアセテート、シス-3-ヘキセノール、シトラール、シトロネリルアセテート、シトロネロール、シネオール、ジハイドロミルセノール、ジャスモラクトン、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、スチラリルアセテート、セドリルアセテート、セドロール、ダマスコン、ダマセノン、デカラクトン、テルピニルアセテート、テルピネオール、トナリッド、トナリド、トリプラール、ネロール、バクダノール、バニリン、ヒドロキシシトロネラール、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、ヘキシルサリシレート、ベチベリルアセテート、ヘディオン、ヘリオトロピン、ヘリオナール、ベルトフィックス、ベンジルアセテート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ペンタリッド、ペンタリド、ボルニルアセテート、マイオール、ムスクケトン、メチルアンスラニレート、メチルジヒドロジャスモネート、ヤラヤラ、ライムオキサイド、リナリルアセテート、リナロール、リモネン、リラール、リリアール、ローズオキサイド、ロジノール、アンジェリカオイル、アニスオイル、アルモアゼオイル、バジルオイル、ベイオイル、ベルガモットオイル、カラムスオイル、カンファーオイル、カナンガオイル、カルダモンオイル、カッシアオイル、セダーウッドオイル、セロリオイル、カモミールオイル、シナモンオイル、クローブオイル、コリアンダーオイル、クミンオイル、ディルオイル、エレミオイル、エストラゴンオイル、ユーカリオイル、フェンネルオイル、フェヌグリークオイル、ガルバナムオイル、ゼラニウムオイル、ジンジャーオイル、グレープフルーツオイル、ガヤックウッドオイル、ヒバオイル、ヒノキオイル、ジュニパーベリーオイル、ラバンジンオイル、ラベンダーオイル、レモンオイル、ライムオイル、マンダリンオイル、マジョラムオイル、ミモザオイル、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、ミルオイル、ミルトルオイル、ナツメグオイル、オークモスオイル、オリバナムオイル、オポポナックスオイル、オレンジオイル、パセリオイル、パチュリオイル、ペッパーオイル、ペリラオイル、プチグレンオイル、ネロリオイル、オレンジフラワーオイル、ピメントオイル、オールスパイスオイル、パインオイル、ローズオイル、ローズマリーオイル、クラリセージオイル、セージオイル、サンダルウッドオイル、スチラックスオイル、タジェオイル、タイムオイル、チュベローズオイル、バレリアンオイル、ベチバーオイル、バイオレットリーフオイル、ウィンターグリーンオイル、ワームウッドオイル、イランイランオイル、ユズオイル、カッシーアブソリュート、ジュネアブソリュート、ヒヤシンスアブソリュート、インモルテルアブソリュート、ジャスミンアブソリュート、ジョンキルアブソリュート、ナルシスアブソリュート、ローズアブソリュート、バイオレットリーフアブソリュート、ベンゾイン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明においては、目的とする製品に応じて、これらの香料のなかから任意の一種または二種以上を、(b)内相としての油性成分、および/または、(d)ポリマーソームの膜内に保持される油性成分として配合することができる。 一般に、化粧料に汎用される香料の極性は化合物ごとに大きく異なっており、当該極性に合わせて油分や乳化剤を選択する必要があるため、異なる極性を有する香料を複数種類配合した水中油型乳化組成物を作製することは困難である。しかしながら、本発明にかかる水中油型乳化組成物は乳化安定性が非常に高いので、極性が異なる香料成分の混合物であっても安定且つ多量に保持することができる。また、通常、揮発性の高い香料成分(例えば、20℃での蒸気圧が0.01mmHg以上の香料成分)は香りの持続効果が低いことで知られるが、本発明にかかる水中油型乳化組成物においては、そのような高揮発性の香料成分であっても、高い香りの持続効果を得ることができる。 香料成分の配合量は、組成物全量に対して0.5〜40質量%、より好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.5質量%未満では十分な強さの香りと持続性が得られず、香料組成物として十分な香りを奏するには1質量%以上であることが好ましい。また、40質量%を超える配合量は現実的に必要でなく、不経済なため好ましくない。 なお、本発明で用いられる香料成分は限定されるものではないが、20℃での蒸気圧が0.01mmHg以上の香料成分が通常の方法では香料の持続性が得られにくいことから、本発明を活用することが有利である。 本発明にかかる水中油型乳化組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬部外品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、紫外線吸収剤、粉末、有機アミン、高分子エマルジョン、ビタミン類、酸化防止剤などを適宜配合することができる。 水溶性紫外線吸収剤としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2、2’、4、4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびその塩、フェニレン−ビス−ベンゾイミダゾール−テトラスルホン酸およびその塩等のベンゾイミダゾール系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d、l−カンファー、3−ベンジリデン−d、l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル等が挙げられる。 油溶性紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(PABA)、PABAモノグリセリンエステル、N、N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N、N−ジエトキシPABAエチルエステル、N、N−ジメチルPABAエチルエステル、N、N−ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2、5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2、4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2、5−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、3、4、5−トリメトキシケイ皮酸3−メチル−4−[メチルビス(トリメチルシリキシ)シリル]ブチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3、3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、オクトクリレン等が挙げられる。 粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等)、有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等)、無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等)、無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等)、無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等)、無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等)、無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等)、無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等)、無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等)、無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等)、パール顔料(例えば、酸化チタンコ−テッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等)、金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等)、ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレ−キ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等)、天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。 有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。 高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。 ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。 酸化防止剤としては、例えばトコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。 酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。 その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等)、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等)、美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等)、各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等)、血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等)、抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等)、抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。 本発明においては、乳化剤として本発明にかかるポリマーソームのみを用いることで、乳化粒子が均一で経時安定性が高い水中油型乳化組成物を作製することができる。しかしながら、本発明の効果を損なわない範囲であれば、本発明のポリマーソーム以外の乳化剤を配合してもよい。具体的には、洗浄剤として利用した後の洗い流し、使用感触の制御、薬剤浸透性などの制御を目的として、化粧料等に汎用される界面活性剤を、本発明の効果を損なわない濃度で配合することができる。 両性界面活性剤は、カチオン性官能基及びアニオン性官能基を少なくとも1つずつ有し、溶液が酸性のときにはカチオン性、アルカリ性のときにはアニオン性となり、等電点付近では非イオン界面活性剤に近い性質を有している。 両性界面活性剤は、アニオン基の種類により、カルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型およびリン酸エステル型に分類される。本発明に好ましくはカルボン酸型、硫酸エステル型およびスルホン酸型である。カルボン酸型はさらにアミノ酸型とベタイン型に分類される。特に好ましくはベタイン型である。 具体的には、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。 カチオン性界面活性剤は、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、セチルトリエチルアンモニウムメチルサルフェート等の第4級アンモニウム塩が挙げられる。また、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド等のアミドアミン化合物が挙げられる。 アニオン界面活性剤は、脂肪酸石鹸、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテル酢酸等のカルボン酸塩型、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸型、高級アルコール硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩型、リン酸エステル塩型等に分類される。好ましくは、カルボン酸塩型、スルホン酸型および硫酸エステル塩型であり、特に好ましくは硫酸エステル塩型である。 具体的には、例えば、脂肪酸石鹸(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等)、N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等)、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等)、リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等)、スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等)、高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等)、N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等)、硫酸化油(例えば、ロート油等)、POE−アルキルエーテルカルボン酸、POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等が挙げられる。 非イオン性界面活性剤は、水溶液中で電離して電荷を有することのない界面活性剤である。疎水基としてはアルキルを用いたタイプおよびジメチルシリコーンを用いたタイプなどが知られている。前者としては具体的には、例えばグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコール硬化ヒマシ油誘導体等が挙げられる。後者としてはポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン等が挙げられる。好ましくは疎水基としてアルキルを用いたタイプである。 具体的には、親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等)、グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。 親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等)、POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等)、POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等)、POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等)、プルロニック型類(例えば、プルロニック等)、POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等)、テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等)、POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等)、POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等)、アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等)、POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE−アルキルアミン、POE−脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド−トリオレイルリン酸等が挙げられる。 本発明に係る水中油型乳化組成物は、メイクアップ化粧料、スキンケア化粧料、ヘア化粧料等に応用することができ、目的に応じて種々の剤形・製品形態をとることができる。剤形としては、液状、乳液状、クリーム状等が挙げられ、製品形態としては、化粧水、クレンジングローション、乳液、日焼け止め乳液、ファンデーション、クリーム、日焼け止めクリーム、クレンジングクリーム、ヘアクリーム等が挙げられる。 これらの製品は常法に従って製造することができるが、本発明はこれらの製品に限定されるものではない。[ポリマーソームの製造方法] 本発明にかかるポリマーソームは、前記式(1)および(2)で表されるアルキレンオキシド誘導体を水溶性アルコールと充分に混合し、次いでその混合液を水系溶媒に攪拌しながら滴下することによって、ポリマーソーム水分散液として製造することができる。前記アルキレンオキシド誘導体と水溶性アルコールの混合状態は、当該混合液が透明で一相状態であることが確認できればよく、例えば、室温〜90℃で1〜30分間混合を行うことで達成することができる。この方法により、動的光散乱法によって測定される平均粒子径が50〜300nmであるポリマーソーム粒子が得られる。 前記水溶性アルコールとしては、(c)および(e)成分として例示列挙した水溶性アルコール、すなわち、低級アルコール、多価アルコール、多価アルコール重合体、2価のアルコールアルキルエーテル類、2価アルコールアルキルエーテル類、2価アルコールエーテルエステル、グリセリンモノアルキルエーテル、糖アルコール、単糖、オリゴ糖、多糖およびそれらの誘導体から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。 前記水系溶媒は、(e)ポリマーソームの内部に保持される水性成分に相当する。よって、前記水系溶媒としては、(c)外相としての水性成分として例示列挙した成分を用いることができる。また、前記水系溶媒として、(c)外相としての水性成分の一部または全部を用いることもできる。なお、当該成分のうち高融点の水溶性成分を配合する場合は、予め加熱して水に均一溶解させた後、該水溶液を室温程度に戻してからポリマーソームの製造に用いると望ましい。 また、水溶性の薬物等を前記水系溶媒に溶解または分散しておくことにより、当該薬物等を内包したポリマーソームを製造することも可能である。 さらに、前記アルキレンオキシド誘導体と水溶性アルコールを混合する工程において、(d)ポリマーソームの膜内に保持される油性成分を添加して混合することにより、該油性成分をポリマーソーム膜内に保持させることができる。そして、(d)ポリマーソームの膜内に保持される油性成分として、化粧料に汎用される香料成分を好適に配合することができる。 前記アルキレンオキシド誘導体と水溶性アルコールを混合する工程においては、前記アルキレンオキシド誘導体の配合量が0.1〜20質量%、水溶性アルコールの配合量が0.1〜50質量%であることが好適である。水溶性アルコールの配合量が0.1質量%よりも少ない、もしくは50質量%よりも多い場合にはポリマーソームが形成されないことがある。[ポリマーソームの評価方法] 前記方法で得られたポリマーソーム水分散液は、以下に説明する動的光散乱法によるポリマーソーム粒子径の測定、および/または水溶性色素の内包実験等を行うことで、ポリマーソームの形成を確認することができる。 なお、前記動的光散乱測定および内包実験は簡易的な評価法であり、他に、偏光顕微鏡観察によるマルテーゼクロス像の有無の確認や、透過型電子顕微鏡による観察などによってポリマーソームおよびベシクル形成を確認することも可能である。・動的光散乱法について 一般的に乳化粒子あるいはポリマーエマルションなどの所謂コロイド粒子の粒子径は動的光散乱法あるいは光子相関法と呼ばれる方法で測定が可能である。この測定法は、十分に希薄な濃度に調製したサンプル分散液にレーザー光を照射し、サンプル粒子から散乱される散乱光強度を測定することで、サンプル粒子の並進拡散係数(平均値)を測定する方法である。サンプル粒子は分散液中においてブラウン運動で常に動いている。このブラウン運動による粒子の移動速度、即ち並進拡散係数(平均値)を散乱光強度の時間変化の結果から、解析することが出来る。こうして得られた並進拡散係数(平均値)の値からストークス−アインシュタイン式(式1)に従ってサンプル粒子の流体力学的サイズを計算することが出来る。 但し、Dは拡散係数、kはボルツマン定数、Tは絶対温度(K)、ηは溶媒の粘度、およびrは粒子の半径である。この測定は市販の測定装置で簡便に測定可能である。例えば、DLS7000(大塚電子社製)、ゼータサイザー4700(マルバーン社製)、ゼータプラス(ブルックヘーブン社製)などで測定が可能である。 上述の市販の測定装置にはデータ解析ソフトが搭載されており、測定データを自動的に解析することが出来る。この解析ソフトを用いることで平均粒子径、分散度の値を得ることが出来る。ここで分散度とは粒子径の平均値からのばらつきを示す値であり、キュムラント解析における二次キュムラントの値、即ち、分散値を規格化した値である。一般的にこの分散度が0.01以下であればそのサンプルの粒子径分布はほぼ単分散とみなすことが出来る。[ポリマーソームを乳化剤とした水中油型乳化組成物の製造方法] 前記製造方法によって得られた(a)ポリマーソームの水分散液を(c)外相としての水性成分中に混合分散した後、(b)内相としての油性成分およびその他の成分を添加し、常法により攪拌およびせん断力を加えて乳化することで水中油型乳化組成物を製造することができる。すなわち、本発明の水中油型乳化組成物は、汎用の攪拌装置を用いて非常に簡便な方法で製造できるため、商業的価値の高いものである。 以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合量は、特に断りのない限り質量%で示す。[製造例:アルキレンオキシド誘導体からのポリマーソームの作製] 表1または表2に記載したアルキレンオキシド誘導体から下記製造方法を用いてポリマーソーム水分散液を調製した。当該水分散液中のポリマーソームの有無および該ポリマーソームの粒子径を下記方法に従って解析し、当該アルキレンオキシド誘導体のポリマーソーム形成能を評価した。<ポリマーソーム水分散液の製造方法> アルキレンオキシド誘導体5g、エタノール30gおよびトリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン2gを充分に混合し、次いでその混合液を精製水63gに攪拌しながら滴下することにより、ポリマーソーム水分散液を得た。よって、当該ポリマーソーム水分散液中に含まれるポリマーソームの含有量は、実質5質量%である。<ポリマーソーム形成能の評価方法> 前記ポリマーソーム水分散液に対し、下記3基準がすべて満たされた場合に「ポリマーソーム形成能あり:○」、1基準でも満たされない場合には「ポリマーソーム形成能なし:×」と判定した。基準1:動的光散乱測定において、粒子径が50〜500nmである粒子の確認基準2:ブロモフェノールブルー内包実験において、該色素が内包されることの確認基準3:目視による濁りおよび沈殿が認められないこと なお、基準1および基準2で用いた測定・実験手法は以下の通りである。・動的光散乱測定によるポリマーソーム粒子径の測定方法 前記方法によって作製したポリマーソーム水分散液を、該ポリマーソーム濃度が約0.1%となるように希釈し、孔径0.45μmのフィルターで濾過(=夾雑物の除去)した後、動的光散乱測定装置(ゼータサイザー、マルバーン社製)を用いて25℃、散乱角度90°での散乱強度を測定した。前記測定装置に搭載されている解析ソフトを用いて、平均粒子径(キュムラント解析法により解析)および分散度(キュムラント解析で得られる2次キュムラントの値を規格化した数値)を算出した。前記分散度は一般的に用いられるパラメーターで、市販の動的光散乱測定装置を用いることで自動的に解析可能である。なお、粒子径解析に必要な溶媒の粘度には25℃の純水の粘度、すなわち0.89mPasの値を用いた。・ブロモフェノールブルー内包実験 前記ポリマーソーム水分散液の製造方法において、前記精製水のpHを6.0以上に調整し、水溶性色素であるブロモフェノールブルーを溶解した精製水を用いてポリマーソーム分散液を作製した。ポリマーソームが形成された場合には、600nm付近に吸収を有するブロモフェノールブルーがポリマーソーム内部に包含されることになる。よって、得られたポリマーソーム水分散液を透析して外液を除去し、吸光度測定を行い、600nm付近に有意な吸収が確認された場合には、ポリマーソームを含む(当該アルキレンオキシド誘導体にポリマーソーム形成能あり)と判断した。 下記式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体のポリマーソーム形成能および該ポリマーソーム粒子径の解析結果を表1に示す。 (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基を表し、mは前記オキシアルキレン基、lおよびnは前記オキシエチレン基の平均付加モル数である。) よって、例えば、式(1)においてAOがオキシブチレン基であり、l+n=15、m=14、R1及びR2がメチル基の場合には、(BO)14(EO)15、R1,2=CH3と表記する。 表1より、分子内にオキシブチレン基とオキシエチレン基を有する製造例1−7、10、および11のブロック型アルキレンオキシド誘導体からポリマーソームが形成されることが確認された。しかしながら、オキシエチレン基を含まない製造例9、またはオキシブチレン基を含まない製造例10のブロック型アルキレンオキシド誘導体からは、ポリマーソームの形成が確認されなかった。よって、ポリマーソームを形成させるには、前記式(1)において、炭素数3〜4のオキシアルキレン基(AO)とオキシエチレン基(EO)の両方を備える必要があり、1≦m、1≦l+nでなくてはならないことがわかる。 また、製造例3と製造例12はオキシブチレン基とオキシエチレン基の付加形態のみが異なるアルキレンオキシド誘導体だが、製造例3(ブロック型)ではポリマーソームが形成されたのに対し、製造例12(ランダム型)ではポリマーソームは形成されなかった。よって、ポリマーソームを形成させるには、前記式(1)において、炭素数3〜4のオキシアルキレン基(AO)とオキシエチレン基(EO)はブロック型で付加されている必要がある。 さらに、R1及びR2が炭素数1(製造例1−7)、炭素数6(製造例11)の炭化水素基、または水素(製造例10)であるアルキレンオキシド誘導体からポリマーソームが形成されることが示された。 次に、下記式(2)で表されるアルキレンオキシド誘導体のポリマーソーム形成能および該ポリマーソーム粒子径の解析結果を表2に示す。 (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、Zはダイマージオールから水酸基を除いた残基を表し、a1およびa2は前記オキシアルキレン基の平均付加モル数、b1およびb2は前記オキシエチレン基の平均付加モル数である。) 表2より、分子内にオキシブチレン基とオキシエチレン基を有する製造例13−16、19、および20のブロック型アルキレンオキシド誘導体からポリマーソームが形成されることが確認された。しかしながら、オキシエチレン基を含まない製造例17、またはオキシブチレン基を含まない製造例18のブロック型アルキレンオキシド誘導体からは、ポリマーソームが形成されなかった。よって、ポリマーソームを形成させるには、前記式(2)において、炭素数3〜4のオキシアルキレン基(AO)とオキシエチレン基(EO)の両方を備える必要があり、1≦a1+a2、1≦b1+b2でなくてはならないことがわかる。 また、製造例13と製造例21はオキシブチレン基とオキシエチレン基の付加形態のみが異なるアルキレンオキシド誘導体だが、製造例13(ブロック型)ではポリマーソームが形成されたのに対し、製造例21(ランダム型)ではポリマーソームは形成されなかった。よって、ポリマーソームを形成させるには、前記式(2)において、炭素数3〜4のオキシアルキレン基(AO)とオキシエチレン基(EO)はブロック型で付加されている必要がある。 さらに、R1及びR2が炭素数1(製造例13−16)、炭素数6(製造例20)の炭化水素基、または水素(製造例19)であるアルキレンオキシド誘導体からポリマーソームが形成されることが示された。 次に、これらのポリマーソームを乳化剤として水中油型乳化組成物を作製し、該組成物の乳化安定性(評価1−3)、使用感(評価4−6)、および皮膚刺激性(評価7)について評価した。さらに、香料成分を配合した組成物については、当該香料に由来する香りの持続効果(評価8)および/または当該香り強度の経時的変化(評価9)についても評価した。以下に、本願試験例で用いた製造方法および評価方法について説明する。<水中油型乳化組成物の製造方法> 前記製造例において作製した(a)ポリマーソーム水分散液を(c)外相としての水性成分に添加し、攪拌混合した後、(b)内相としての油相成分を加えてホモミキサーを用いて均一になるまでせん断混合し、水中油型乳化組成物を得た。<水中油型乳化組成物の評価方法>評価(1):乳化粒子の状態 製造直後の組成物を光学顕微鏡で観察し、乳化粒子の状態について評価した。○:乳化粒子は均一で、合一および凝集は認められなかった。△:乳化粒子はほぼ均一だが、わずかな合一または凝集が認められた。×:乳化粒子が均一でなく、著しい合一または凝集が認められた。評価(2):乳化安定性1(24時間以内) 製造から24時間以内の組成物の乳化状態について、目視にて評価した。○:試料は均一で、油浮きまたは乳化粒子の凝集は認められなかった。△:試料はほぼ均一だが、わずかな油浮きまたは乳化粒子の凝集が認められた。×:試料が均一でないか、著しい油相の分離または乳化粒子の凝集が認められた。評価(3):乳化安定性2(1か月後) 製造から1ヵ月後の組成物の乳化状態について、目視にて評価した。◎:製造直後の乳化状態が保たれていた。○:若干の沈殿が認められたが、製造直後の乳化状態がおおむね保たれていた。△:沈殿および乳化粒子の合一が認められた。×:相分離が認められた。評価(4):みずみずしさ 専門パネル10名を用いて組成物の実使用試験を行い、塗布時のみずみずしさについて評価してもらった。◎:パネル8名以上が、塗布時にみずみずしさを感じた。○:パネル6名以上8名未満が、塗布時にみずみずしさを感じた。△:パネル3名以上6名未満が、塗布時にみずみずしさを感じた。×:パネル3名未満が、塗布時にみずみずしさを感じた。評価(5):きしみ感 専門パネル10名を用いて組成物の実使用試験を行い、塗布中のきしみ感について評価してもらった。◎:パネル8名以上が、塗布中にきしまないと認めた。○:パネル6名以上8名未満が、塗布中にきしまないと認めた。△:パネル3名以上6名未満が、塗布中にきしまないと認めた。×:パネル3名未満が、塗布中にきしまないと認めた。評価(6):べたつき感 専門パネル10名を用いて組成物の実使用試験を行い、塗布後のべたつき感について評価してもらった。◎:パネル8名以上が、塗布後にべたつき感がないと認めた。○:パネル6名以上8名未満が、塗布後にべたつき感がないと認めた。△:パネル3名以上6名未満が、塗布後にべたつき感がないと認めた。×:パネル3名未満が、塗布後にべたつき感がないと認めた。評価(7):皮膚刺激性 専門パネル10名の上腕内側部に組成物を塗布して閉塞パッチテスト(24時間)を行い、以下の基準に従って試験結果を数値化した。10名の平均値を算出し、組成物の皮膚刺激性を評価した。・閉塞パッチテスト結果の数値化0点:全く異常が認められない。1点:わずかに赤みが認められる。2点:赤みが認められる。3点:赤みと丘疹が認められる。・組成物の皮膚刺激性の評価◎:パネル10名の平均値が0点以上0.15点未満。○:パネル10名の平均値が0.15点以上0.2点未満。△:パネル10名の平均値が0.2点以上0.3点未満。×:パネル10名の平均値が0.3点以上。評価(8):香りの持続効果 一定量(10μl)の組成物を専門パネル1名の上腕内側部に塗布し、1時間後の香りの強さを評価してもらった。◎:香りが強いと感じた。○:香りがやや強いと感じた。△:香りが通常レベル(強くも弱くもない)と感じた。×:香りが弱いと感じた。評価(9):香り強度の経時的変化 一定量の組成物(10μl)を、ろ紙にスポット、または専門パネルの上腕内側部に塗布し、それぞれの香りの強さの経時的変化について、専門パネル2名に評価してもらった。香りの強さは次の7段階で評価してもらい、2名の平均値をグラフ化した。なお、コントロールには、前記一定量の組成物中に含まれる香料成分と同種・同量の香料成分をエタノールに溶解させた溶液を用いた。レベル6:香りが非常に強いと感じた。レベル5:香りが強いと感じた。レベル4:香りがやや強いと感じた。レベル3:香りが通常レベル(強くも弱くもない)と感じた。レベル2:香りがやや弱いと感じた。レベル1:香りが弱いと感じた。レベル0:香りがほとんど感じられなかった。 なお、本願試験例には以下の化合物を用いた。*1:KF−96A−6cs(信越化学工業株式会社製)*2:アデカノールGT−700(ADEKA社製)[試験例1:ポリマーソームによる乳化組成物] 下表3に記載した処方の水中油型乳化組成物を作製し、表中の項目について評価した。 製造例1または製造例15のポリマーソームを配合して作製した乳化組成物は、乳化粒子は均一で合一や凝集は認められず、わずかな油浮きも認められず、1カ月後においても当該乳化状態が維持されており、乳化安定性に非常に優れることが示された(試験例1−1、1−2)。また、顕微鏡観察(評価1)においては、粒子径がほぼ揃った油滴が水相中に分散しており、当該組成物が水中油型乳化組成物であることが確認された。さらに、組成物の実使用試験では、みずみずしさ、きしみ感やべたつき感のなさといった使用感に優れ、閉塞パッチテストによる皮膚刺激性もほとんど認められなかった(試験例1−1、1−2)。 これに対し、ポリマーソームまたはその他の乳化剤を配合せずに作製した試験例1−3の組成物では、乳化系とならずに水相と油相が分離していたため、みずみずしさが大きく損なわれていた。 よって、本発明にかかるポリマーソームは、(b)油性成分と(c)水性成分を乳化して水中油型乳化組成物を作製できること、すなわち、乳化剤として機能しうることが示された。さらに、本発明にかかるポリマーソームを用いて作製した水中油型乳化組成物は、乳化安定性が非常に高く、きしみ感やべたつき感がなくてみずみずしさに優れ、さらに皮膚刺激性が低いことが明らかとなった。[試験例2:界面活性剤による乳化組成物との比較] 次に、本発明にかかるポリマーソームの乳化能について、従来の低分子界面活性剤の乳化能との比較を行った。表4に記載した処方の水中油型乳化組成物を作製し、表中の項目について評価した。 化粧料に汎用される界面活性剤を乳化剤に用いて作製した水中油型乳化組成物(試験例2−2、2−3)は、乳化粒子の安定性が高く経時安定性にも優れていたが、みずみずしさに劣り、きしみ感、べたつき感も感じられた。これに対し、製造例2のポリマーソームを乳化剤に用いて作製した水中油型乳化組成物(試験例2−1)では、前記低分子界面活性剤を用いて作製した組成物(試験例2−2、2−3)とほぼ同程度の優れた乳化安定性が得られ、さらに前記使用感にも優れることが示された。 よって、本発明にかかるポリマーソームを乳化剤に用いると、化粧料に汎用される低分子界面活性剤を乳化剤に用いた場合と比べて、きしみ感やべたつき感が少なくてみずみずしさに優れる水中油型乳化組成物が作製できることが明らかとなった。[試験例3:粉体粒子による乳化組成物との比較] 続いて、本発明にかかるポリマーソームの乳化能について、ピッカリングエマルションにおける粉体粒子の乳化能との比較を行った。表5に記載した処方の水中油型乳化組成物を作製し、表中の項目について評価した。なお、試験例3−2の組成物は以下の方法に従って製造した。・試験例3−3の製造方法 シリカ被覆酸化亜鉛粉末粒子を(c)外相としての水性成分に添加し混合した。これに、別途イオン交換水中に分散させた塩化ジメチルジステアリルアンモニウムを添加し、加熱超音波処理を行った。前記粉末成分を均一に分散させた後、(b)内相としての油性成分を加え、ミキサーで均一になるまで混合し、水中油型乳化組成物を得た。 製造例5のポリマーソームを乳化剤として作製した水中油型乳化組成物(試験例3−1)は、乳化安定性に優れ、きしみ感やべたつき感がなく、みずみずしさに優れていた。これに対し、乳化剤として高濃度の疎水化処理シリカ粉末を用いた試験例3−2の組成物(ピッカリングエマルション)では、きしみ感とべたつき感が感じられた。また、乳化剤として高濃度のシリカ被覆酸化亜鉛粉末とアルキル鎖を2つ有するカチオン性界面活性剤を配合した試験例3−3の組成物(特許文献5のピッカリングエマルション)では、べたつき感は改善されたが、高濃度の粉体粒子に起因して強いきしみ感を生じる結果となった。 よって、本発明にかかるポリマーソームを乳化剤に用いた場合には、紛体粒子を乳化剤に用いた場合と比べて、きしみ感やべたつき感が少なく、みずみずしさに一層優れる水中油型乳化組成物が作製できることが明らかとなった。[試験例4:三相乳化法による乳化組成物との比較] 次に、三相乳化法によって作製された水中油型乳化組成物との比較を行った。表6に記載した処方の水中油型乳化組成物を作製し、表中の項目について評価した。なお、試験例4−2に用いた閉鎖小胞体は、特許文献9に記載の方法に従い、以下の手順で作製した。・試験例4−2の閉鎖小胞体の作製方法 ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油5gとエタノール30gを充分に混合し、当該混合液を水65gに攪拌しながら滴下した後、ホモミキサーを用いて1分間せん断混合を行い、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油からなる閉鎖小胞体の水分散液を得た。 製造例13のポリマーソームを用いて乳化した組成物(試験例4−1)は、乳化安定性が高く、みずみずしさ、きしみ感やべたつき感のなさといった使用感に優れていた。これに対し、ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油からなる閉鎖小胞体を用いて乳化した組成物(試験例4−2)は、乳化安定性が高く、みずみずしい使用感が得られたが、べたつき感が認められた。 よって、本発明にかかるポリマーソームを乳化剤に用いると、三相乳化法に用いられる閉鎖小胞体を乳化剤に用いた場合と比べて、べたつき感の少ない水中油型乳化組成物が得られることが明らかとなった。[試験例5:ポリマーソーム非形成アルキレンオキシド誘導体の乳化能] 試験例4−2で用いられたポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油は、閉鎖小胞体を形成せずとも強い乳化能を有する低分子界面活性剤である。そこで、本発明にかかるポリマーソームについて、ポリマーソームを形成させていない状態での乳化能を評価した。なお、試験例5−2の組成物は以下の方法に従って作製した。・試験例5−2の製造方法 前記製造例4で用いたブロック型アルキレンオキシド誘導体(前記式(1)において、l+n=27、m=25、R1,2=CH3)、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、およびエタノールを(b)油相成分に混合し、あらかじめ均一混合された(c)水相成分にホモミキサーを用いながら徐々に添加することで水中油型乳化組成物を調製した。 試験例5−1と5−2は、同一のアルキレンオキシド誘導体を乳化剤に用いて作製した組成物である。しかしながら、当該誘導体を、ポリマーソームを形成させてから用いた試験例5−1では乳化安定性および使用感に優れる水中油型乳化組成物が得られたのに対し、ポリマーソームを形成させずに用いた試験例5−2では、製造から24時間以内は乳化状態が保たれていたが、その後乳化粒子の合一が進み、1ヶ月後には相分離を起こしていた。また、試験例5−2の組成物では、みずみずしさも損なわれていた。 よって、本発明にかかるアルキレンオキシド誘導体は、ポリマーソームの形態をとることで十分な乳化能を獲得し、経時安定性の高い水中油型乳化組成物を作製できるようになることが示された。[試験例6:式(1)のブロック型アルキレンオキシド誘導体の種類の検討] 次に、前記式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体の種類と、該誘導体から形成されるポリマーソームの乳化能について検討した。表8に記載した処方の水中油型乳化組成物を作製し、表中の項目について評価した。 オキシブチレン基およびオキシエチレン基をともに備え、R1およびR2がメチル基であるブロック型アルキレンオキシド誘導体から形成された製造例3のポリマーソームを用いた組成物(試験例6−1)では、乳化安定性が高く、みずみずしさ、きしみ感やべたつき感のなさといった使用感も優れていた。これに対し、オキシエチレン基のみ(製造例8)、オキシブチレン基のみ(製造例9)、またはオキシブチレン基とオキシエチレン基を備えていてもランダムに付加しているアルキレンオキシド誘導体(製造例12)から調製した水分散液では、ポリマーソーム構造が形成されないため、安定な乳化物を作製することができなかった(試験例6−2、6−3、6−6)。また、R1およびR2が水素であるブロック型アルキレンオキシド誘導体(製造例10)では、ポリマーソームが形成されて安定な水中油型乳化組成物が作製されたが、べたつき感が生じることが明らかとなった(試験例6−4)。そして、R1およびR2が炭素数6の炭化水素基であるブロック型アルキレンオキシド誘導体(製造例11)から形成されたポリマーソームを用いた試験例6−5では、水中油型乳化組成物が作製されたが経時安定性が低く、きしみ感も感じられて使用感に劣っていた。 よって、乳化安定性が高く、みずみずしさに優れ、きしみ感やべたつき感のない水中油型乳化組成物を得るには、前記式(1)において、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の両方を備え、該基の付加形態はブロック状であり、R1,R2が炭素数1〜5の炭化水素基であるアルキレンオキシド誘導体から形成されたポリマーソームを用いればよいと考えられる。そして、更なる検討を行った結果、前記式(1)において、1≦m≦70、1≦l+n≦70で、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%で、R1,R2は同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基のブロック型アルキレンオキシド誘導体が好適であることが明らかとなった。[試験例7:式(2)のブロック型アルキレンオキシド誘導体の種類の検討] 続いて、前記式(2)で表されるアルキレンオキシド誘導体の種類と、該誘導体から形成されるポリマーソームの乳化能について検討した。表9に記載した処方の水中油型乳化組成物を作製し、表中の項目について評価した。 オキシブチレン基およびオキシエチレン基をともに備え、R1およびR2がメチル基であるブロック型アルキレンオキシド誘導体から形成された製造例13のポリマーソームを用いた組成物(試験例7−1)では、乳化安定性が高く、みずみずしさ、きしみ感やべたつき感のなさといった使用感も優れていた。これに対し、オキシブチレン基のみ(製造例17)、オキシエチレン基のみ(製造例18)、またはオキシブチレン基とオキシエチレン基を備えていてもランダムに付加しているアルキレンオキシド誘導体(製造例21)から調製した水分散液では、ポリマーソーム構造が形成されないため、安定な乳化物を作製することができなかった(試験例7−2、7−3、7−6)。また、R1およびR2が水素であるブロック型アルキレンオキシド誘導体(製造例19)では、ポリマーソームが形成されて安定な水中油型乳化組成物が作製されたが、べたつき感が感じられた(試験例7−4)。そして、R1およびR2が炭素数6の炭化水素基であるブロック型アルキレンオキシド誘導体(製造例20)から形成されたポリマーソームを用いた試験例7−5では、水中油型乳化組成物が作製されたが経時安定性が低く、きしみ感とべたつき感が感じられて使用感に劣っていた。 よって、乳化安定性が高く、みずみずしさに優れ、きしみ感やべたつき感のない水中油型乳化組成物を得るには、前記式(2)において、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の両方を備え、該基の付加形態はブロック状であり、R1,R2が炭素数1〜5の炭化水素基であるアルキレンオキシド誘導体から形成されたポリマーソームを用いればよいと考えられる。そして、更なる検討を行った結果、前記式(2)において、1≦a1+a2≦150、1≦b1+b2≦150で、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は10〜99質量%で、R1,R2は同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基のブロック型アルキレンオキシド誘導体が好適であることが明らかとなった。[試験例8:油相成分/水相成分比の検討] 水中油型乳化組成物においては、(c)外相としての水相成分に対する(b)内相としての油相成分の割合、すなわち、内油相比(=(b)内相としての油相成分/(c)外相としての水相成分の質量比)が高くなると乳化安定性が低下し、乳化粒子の合一や相分離が起こりやすくなる。そこで、本発明のポリマーソームを乳化剤に用いた水中油型乳化組成物について、内油相比と乳化安定性について検討した。なお、試験例8−6で用いたポリマーソーム水分散液の2倍濃縮液は、以下の方法により作製したものである。・試験例8−6のポリマーソーム2倍濃縮液の作製方法 製造例6のポリマーソーム水分散液(=ポリマーソーム含有率は5質量%)を37℃の恒温槽に2日間静置し、溶媒(エタノールおよび精製水)を揮発させることで濃縮した。通常、この操作により当該ポリマーソーム水分散液の質量は半分以下になる。当該水分散液を室温に戻した後、静置前と静置後の該水分散液の質量から濃縮率を計算し、濃縮率が2倍(=ポリマーソーム含有率が10質量%)となるように精製水を添加して2倍濃縮液を調製した。 表8から明らかなように、製造例6のポリマーソームを乳化剤として用いることで、内油相比が20−80質量%という幅広い範囲において、乳化安定性の非常に高い水中油型乳化組成物が作製できることが示された(試験例8−1〜8−5)。しかしながら、内油相比が90質量%になると、乳化粒子径の揃った水中油型乳化組成物を作製できたが、当該乳化系を維持することはできなかった(試験例8−6)。 よって、本発明にかかるポリマーソームを乳化剤として用いることで、内油相比が10−85質量%の範囲で非常に安定な水中油型乳化組成物が作製できることが明らかとなった。[試験例9:ポリマーソームの配合量] 続いて、本発明の水中油型乳化組成物におけるポリマーソームの配合量を検討した。 製造例7のポリマーソーム水分散液を5−40質量%(=ポリマーソーム実分に換算すると0.25−2質量%)配合した組成物では、乳化安定性が高く、みずみずしさ、きしみ感やべたつき感のなさといった使用感に優れ、皮膚刺激性は認められなかった(試験例9−2〜9−5)。これに対し、当該ポリマーソーム水分散液の配合量が2質量%(=ポリマーソーム実分に換算すると0.1質量%)の組成物では、皮膚刺激性がなく、前記使用感にも優れていたが、乳化安定性が低下していた(試験例9−6)。また、当該ポリマーソーム水分散液を67.5質量%(=ポリマーソーム実分に換算すると3.375質量%)配合した組成物では、乳化安定性に優れ、皮膚刺激性もなく、使用感も概ね良好(みずみずしく、きしみ感もない)であったが、高濃度のアルキレンオキシド誘導体に起因してべたつき感を生じてしまった(試験例9−1)。 よって、本発明にかかるポリマーソーム水分散液を2.5−65質量%、さらに好ましくは3−50質量%、すなわち、ポリマーソーム実分に換算すると0.125−3.25質量%、さらに好ましくは0.15−2.5質量%配合することで、乳化安定性が高く、みずみずしさ、きしみ感やべたつき感のなさといった使用感に優れ、皮膚刺激性の低い水中油型乳化組成物が作製できることが明らかとなった。[試験例10:香料成分の配合] 次に、(b)内相としての油性成分として、香料成分であるリモネン((R)−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)シクロヘキセン)およびシトラール(3、7−ジメチル−2、6−オクタジエナール)を配合した組成物を作製し、前記項目(1)〜(8)について評価した。 表12の結果より、(b)内相としての油性成分としてリモネンおよびシトラールを配合し、製造例3のポリマーソームを乳化剤に用いて作製した水中油型乳化組成物は、乳化安定性が高く、きしみ感・べたつき感・皮膚刺激性がなく、なくみずみずしさに優れ、さらに、香りの持続効果にも優れていた(試験例10−1〜10−4)。これに対し、化粧料に汎用される乳化剤のポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油を乳化剤に用いた水中油型乳化組成物では、乳化安定性が低く、みずみずしさが感じられず、香りの持続効果にも劣っていた(試験例10−5)。よって、本発明に係るポリマーソームを乳化剤とすることにより、香料成分を安定に保持して香りの持続効果が高く、きしみ感・べたつき感・皮膚刺激性がなくてみずみずしさに優れた水中油型乳化組成物が作製できることが明らかとなった。 図2は、試験例10−1で得られた水中油型乳化組成物の光学顕微鏡写真である。本発明に係る水中油型乳化組成物では、香料成分応を含む微細な乳化粒子が合一することなく安定に保持されていることがわかる。 香料成分の配合量については、組成物全体に対してリモネンおよびシトラールを合わせて10質量%(試験例10−1)、20質量%(試験例10−2)、30質量%(試験例10−3)、40質量%(試験例10−4)配合した水中油型乳化組成物において、乳化安定性および前記使用感に優れ、香りの持続効果にも優れることが確認された(表12)。従って、本発明にかかる水中油型乳化組成物には、組成物全体に対して香料成分を0.5〜40質量%、より好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量配合できることがわかった。なお、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油を乳化剤としてリモネンおよびシトラールを合わせて20質量%配合した組成物では、乳化粒子の著しい合一や凝集が起こり、安定な乳化基材を得ることができなかった(試験例10−6)。 さらに、試験例10−1で得られた水中油型乳化組成物について、(9)香り強度の経時的変化を評価した(図3)。まず、ろ紙にスポットした場合には(図3、左図)、香料成分のエタノール溶解液(コントロール)では1時間以内に香りが著しく弱くなったのに対して、試験例10−1の組成物では2時間後でもスポット直後とほぼ同じ強さの香りが維持されていた。 腕に塗布した場合には(図3、右図)、エタノール溶解液は急速に香りを失い、塗布から2時間後には香りは完全に失われていた。試験例10−1の組成物においても、塗布直後に香り強度が大きく減少したが、これは塗布時の摩擦によって乳化粒子が破壊され、内油相に保持されていた香料成分が皮膚上に放出されたためと考えられる。しかしながら、香り強度の減少はコントロールに比べて非常に緩やかで、塗布から3時間後であっても香りが感じられた。 なお、本願では割愛したが、本発明者は、(b)内相としての油性成分として配合した香料成分の一部が(d)ポリマーソーム膜内に保持されることを示唆する結果を得ている。ポリマーソーム膜内に保持された香料成分は、乳化粒子が破壊された後も当該膜内に留まり、長期にわたって香り持続効果を発揮すると考えられるため、試験例10−1においても、香料の一部がポリマーソームの膜内に保持されていた可能性が考えられる。 以上の結果より、本発明に係る水中油型乳化組成物は、香料を配合した場合には、当該香りの強度および持続時間に優れることが示された。 以下に本発明の水中油型乳化組成物を配合した各種化粧料の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例によって得られた化粧料は、いずれも乳化安定性が高く、きしみ感やべたつき感がなくみずみずしさに優れ、皮膚刺激性はほとんど認められなかった。さらに、香料成分を配合した化粧料(実施例3、4、7、10、12)では、香りの高い持続効果が認められた。 なお、実施例に配合した調合香料の組成は以下の通りである。これらの調合香料には、低極性のオレンジ油や高極性のローズベースといった極性が大きく異なる成分が含まれており、従来の方法では、水中油型乳化組成物に安定且つ多量に配合することが困難であった。<フローラル系調合香料A> (1)オレンジ油 5 (2)ジハイドロミルセノール 5 (3)リナロール 7 (4)酢酸リナリル 3 (5)酢酸ベンジル 5 (6)ローズ ベース 15 (7)ヘキシルシンナムアルデヒド 5 (8)メチル ヨノン ガンマ 5 (9)ガラクソライド 10 (10)エディオン 20 (11)リリアール 10 (12)その他香料 10<フローラル系調合香料B> (1)オレンジ油 4 (2)レモン油 3 (3)ジハイドロミルセノール 3 (4)リナロール 15 (5)ローズ ベース 10 (6)ターピネオール 5 (7)メチル ヨノン ガンマ 5 (8)ベータ ヨノン 5 (9)ヴェルトフィックス 10 (10)エディオン 15 (11)フロローサ(FLOROSA、QUEST社製) 20 (12)その他香料 5[実施例1:乳液]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(21)POE(23)ジメチルエーテル 0.95 トリミリスチン酸グリセリン 0.2 エタノール 5.0(油性成分) ジメチルポリシロキサン*1 3.0 デカメチルシクロペンタシロキサン 4.0 スクワラン 2.0 ヒマワリ油 1.0(水性成分) グリセリン 6.0 1、3−ブチレングリコール 5.0 ポリオキシエチレン(10)メチルグルコシド 3.0 水酸化カリウム 0.1 ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05 ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1 グリチルリチン酸ジカリウム 0.05 ビワ葉エキス 0.1 L−グルタミン酸ナトリウム 0.05 ウイキョウエキス 0.1 酵母エキス 0.1 ラベンダー油 0.1 ジオウエキス 0.1 ジモルホリノピリダジノン 0.1 キサンタンガム 0.1 カルボキシビニルポリマー 0.1 ベンガラ 適量 黄酸化鉄 適量 パラベン 適量 精製水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(21)POE(23)ジメチルエーテル、エタノール、トリミリスチン酸グリセリン)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を調製した。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら前記混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に、別途混合・溶解させた油相成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型乳乳液を得た。[実施例2:保湿クリーム]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(18)POE(41)ジメチルダイマージオールエーテル 1 トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン 0.4 1,3−ブチレングリコール 5(油性成分) 流動パラフィン 10 ジメチルポリシロキサン*1 5 スクワラン 15 テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 10(水性成分) グリセリン 10 エリスリトール 1 ポリエチレングリコール(分子量1500) 5 水酸化カリウム 0.1 ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05 酢酸トコフェロール 0.05 パラオキシ安息香酸エステル 適量 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.3 ポリビニルアルコール 0.1 カルボキシビニルポリマー 0.2 精製水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(18)POE(41)ジメチルダイマージオールエーテル、1,3−ブチレングリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を調製した。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら前記混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に別途混合・溶解させた油相成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型保湿クリームを得た。[実施例3:クレンジングクリーム]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(20)POE(20)ジメチルエーテル 3 ピバリン酸トリプロピレングリコール 0.2 ジプロピレングリコール 15(油性成分) α−オレフィンオリゴマー 20 ピバリン酸トリプロピレングリコール 0.8 ワセリン 5 トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 20 ジメチルポリシロキサン*1 2 メチルフェニルポリシロキサン 15 バチルアルコール 0.5 ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1 フローラル系調合香料A 5.0(水性成分) ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1 ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 1 L−セリン 0.1 オウバクエキス 0.1 アルギン酸ナトリウム 0.1 精製水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(20)POE(20)ジメチルエーテル、ジプロピレングリコール、ピバリン酸トリプロピレングリコール)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を得た。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら当該混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に別途混合・溶解させた油相成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型クレンジングクリームを得た。[実施例4:日焼け止め乳液]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(15)POE(44)ジメチルダイマージオールエーテル 0.95 オクタン酸オクチル 0.3 エタノール 5(油性成分) イソドデカン 8 ジメチルポリシロキサン*1 5 オクチルメトキシシンナメート 5 オクトクリレン 2 ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 3 オキシベンゾン 1 フローラル系調合香料A 2(水性成分) 1,3−ブチレングリコール 5 トリエタノールアミン 0.1 キサンタンガム 0.1 (アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマー 0.1 カルボキシビニルポリマー 0.1 トラネキサム酸 2 タルク 3 フェノキシエタノール 適量 エデト酸二ナトリウム 適量 精製水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(15)POE(44)ジメチルダイマージオールエーテル、エタノール、オクタン酸オクチル)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を得た。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら当該混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に別途混合・溶解させた油相成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型日焼け止め乳液を得た。[実施例5:日焼け止め乳液]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(21)POE(23)ジメチルエーテル 1 トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン 0.2 エタノール 5(油性成分) デカメチルシクロペンタシロキサン 22 イソドデカン 12.5 テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 8 ジメチルポリシロキサン*1 1 カプリリルメチコン 5 イソステアリン酸 0.2 オクチルメトキシシンナメート 7.5 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2 オクトクリレン 3 ジメチコジエチルベンザルマロネート 3 2、4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1、3、5−トリアジン 0.5(水性成分) グリセリン 3.5 サクシノグリカン 0.15 エタノール 5 フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 0.5 2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール 0.2 食塩 0.3 フェノキシエタノール 適量 エデト酸二ナトリウム 適量 精製水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(21)POE(23)ジメチルエーテル、エタノール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を得た。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら当該混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に別途混合・加熱溶解させた油相成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型日焼け止め乳液を得た。[実施例6:クレンジングローション]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(21)POE(23)ジメチルエーテル 1 トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.4 1,3−ブチレングリコール 5(油性成分) 流動パラフィン 10 ワセリン 5 セタノール 1 ステアリン酸 2 モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.2(水性成分) ジグリセリン 0.5 ポリエチレングリコール(分子量1500) 3 トリエタノールアミン 1 酢酸トコフェロール 0.1 カルボキシビニルポリマー 0.03 パラベン 適量 精製水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(21)POE(23)ジメチルエーテル、1,3−ブチレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を得た。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら当該混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に別途混合・溶解させた油相成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型クレンジングローションを得た。[実施例7:ヘアクリーム]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(15)POE(15)ジメチルエーテル 2 テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール 0.5 1,3−ブチレングリコール 10(油性成分) 流動パラフィン 5 ワセリン 2 ジメチルポリシロキサン*1 5 セタノール 2 ステアリルアルコール 1 ポリオキシプロピレン(7)グリセリルエーテル 2 親油型モノステアリン酸グリセリン 2 フローラル系調合香料B 2(水性成分) パラオキシ安息香酸エステル 適量 香料 適量 精製水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(15)POE(15)ジメチルエーテル、1,3−ブチレングリコール、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を得た。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら当該混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に別途混合・溶解させた油相成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型ヘアクリームを得た。[実施例8:ヘアスタイリングクリーム]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(20)POE(25)ジメチルエーテル 2 オクチルメトキシシンナメート 0.4 エタノール 10(油性成分) 揮発性イソパラフィン 5 ジメチルポリシロキサン*1 2 イソブテン末端ポリオキシエチレン・ジメチルポリシロキサンブロック共重合体 (FZ−2250、東レ・ダウコーニング株式会社製) 2 イソステアリン酸 1(水性成分) グリセリン 5 水酸化ナトリウム 0.15 パラオキシ安息香酸エステル 適量 フェノキシエタノール 適量 エデト酸3ナトリウム 適量 キサンタンガム 0.5 カラギーナン 0.3 酢酸ビニル/ビニルピロリドン共重合体 2 (PVA−6450、大阪有機化学工業株式会社製) カルボキシビニルポリマー 0.5 精製水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(20)POE(25)ジメチルエーテル、エタノール、オクチルメトキシシンナメート)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を得た。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら前記混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に別途混合・溶解させた油相成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型ヘアスタイリングクリームを得た。[実施例9:ヘアオイルクリーム]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(21)POE(23)ジメチルエーテル 1 ツバキ油 0.3 エタノール 10(油性成分) 水添ポリイソブテン 50 ツバキ油 9.7 オキシベンゾン 適量 高重合メチルポリシロキサン 10 (BY25−320、東レ・ダウコーニング株式会社)(水性成分) 精製水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(21)POE(23)ジメチルエーテル、エタノール、ツバキ油)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を得た。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら前記混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に別途混合・溶解させた油相成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型ヘアオイルクリームを得た。[実施例10:ヘアトリートメント]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(6)POE(18)ジメチルダイマージオールエーテル 0.95 2−エチルヘキサン酸セチル 0.4 プロピレングリコール 6(油性成分) ジメチルポリシロキサン*1 2.6 セタノール 0.5 ベヘニルアルコール 3 フローラル系香料B 3(水性成分) 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7 クエン酸 0.05 乳酸ナトリウム液 0.01 グリチルリチン酸ジカリウム 0.1 ユリエキス 0.1 ヒドロキシエチルセルロース 0.1 パラオキシ安息香酸エステル 適量 精製水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(6)POE(18)ジメチルダイマージオールエーテル、プロピレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を得た。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら前記混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に別途混合・溶解させた油相成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型ヘアトリートメントを得た。[実施例11:乳化ファンデーション]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(29)POE(32)ジメチルエーテル 2 オクチルメトキシシンナメート 0.5 エタノール 5.0(油性成分) アルキル変性シリコーン樹脂被覆酸化チタン 9.0 アルキル変性シリコーン樹脂被覆超微粒子酸化チタン(粒子径40nm) 5.0 アルキル変性シリコーン樹脂被覆酸化鉄(赤) 0.5 アルキル変性シリコーン樹脂被覆酸化鉄(黄) 1.5 アルキル変性シリコーン樹脂被覆酸化鉄(黒) 0.2 ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 0.5 デカメチルペンタシクロシロキサン 5.0 パラメトキシ桂皮酸オクチル 5.0 アクリルシリコーン 4.0(水性成分) グリセリン 6.0 キサンタンガム 0.1 カルボキシメチルセルロース 0.3 アクリロイルジメチルタウリンナトリウム/アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体 (含有量:35〜40質量%) 1.5 イオン交換水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(29)POE(32)ジメチルエーテル、エタノール、オクチルメトキシシンナメート)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を得た。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら前記混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に別途混合・溶解・分散させた油相成分および粉末成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型乳化ファンデーションを得た。[実施例12:水系フレグランス]<処方> 成分 配合量(質量%)(ポリマーソーム成分) POB(21)POE(23)ジメチルエーテル 0.95 2−エチルヘキサン酸セチル 0.4 エタノール 10(油性成分) ジメチルポリシロキサン*1 10 メチルフェニルポリシロキサン 1 フローラル系香料B 20(水性成分) グリセリン 4 パラオキシ安息香酸エステル 適量 精製水 残余<製造方法> ポリマーソーム成分(POB(21)POE(23)ジメチルエーテル、2−エチルヘキサン酸セチル、エタノール)を秤量・攪拌し、均一透明な混合液を得た。水性成分を十分に溶解させた水相を攪拌しながら前記混合液を滴下し、ポリマーソーム水分散液を得た。当該水分散液に別途混合・溶解させた油相成分を徐々に加え、ホモミキサーで均一になるまでせん断混合し、水中油型フレグランスを得た。 (a)下記一般式(1)または(2)で表されるアルキレンオキシド誘導体を膜成分とするポリマーソーム粒子、(b)内相としての油性成分、(c)外相としての水性成分、とを含む水中油型乳化組成物であって、前記(a)のポリマーソーム粒子が、前記(b)成分より形成される内相と前記(c)成分より形成される外相との界面に存在する、ことを特徴とする水中油型乳化組成物。 (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基であり、これらの付加形態はブロック状である。mは前記オキシアルキレン基の平均付加モル数、lおよびnは前記オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦l+n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。R1,R2は、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。) (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、Zはダイマージオールから水酸基を除いた残基であり、これらの付加形態はブロック状である。a1およびa2は前記オキシアルキレン基の平均付加モル数、b1およびb2は前記オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦a1+a2≦150、1≦b1+b2≦150である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は10〜99質量%である。R1,R2は、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。) 請求項1に記載の水中油型乳化組成物において、前記(a)のポリマーソームの膜内に、(d)ポリマーソーム膜内に保持された油性成分、として、前記(b)内相としての油性成分と同種および/または異種の油性成分を含むことを特徴とする水中油型乳化組成物。 請求項1または2に記載の水中油型乳化組成物において、前記(a)のポリマーソームの膜で囲まれる内孔に、(e)ポリマーソーム内に保持された水性成分、として、前記(c)外相を構成する水相成分と同種および/または異種の水性成分を含むことを特徴とする水中油型乳化組成物。 請求項1〜3に記載の水中油型乳化組成物において、前記(b)内相としての油性成分および/または(d)ポリマーソーム膜内に保持された油性成分として、香料成分を含むことを特徴とする水中油型乳化組成物。 請求項1〜4に記載の水中油型乳化組成物において、前記式(1)および(2)で表されるアルキレンオキシド誘導体のAO基がオキシブチレン基であることを特徴とする水中油型乳化組成物。 下記工程(i)−(iii)を含むことを特徴とする水中油型乳化組成物の製造方法。(i)下記一般式(1)または(2)で表されるアルキレンオキシド誘導体および水溶性アルコールを混合し、混合液を得る工程、(ii)前記混合液を撹拌しながら水性成分よりなる水系溶媒へ滴下し、前記(a)アルキレンオキシド誘導体を膜成分とするポリマーソームの水分散液を得る工程、(iii)前記(a)ポリマーソーム水分散液を、(c)外相としての水性成分中に混合分散し、さらに(b)内相としての油性成分を添加後、攪拌し、せん断力を加えて乳化することで水中油型乳化組成物を得る工程。 (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基であり、これらの付加形態はブロック状である。mは前記オキシアルキレン基の平均付加モル数、lおよびnは前記オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦l+n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。R1,R2は、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。) (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、Zはダイマージオールから水酸基を除いた残基であり、これらの付加形態はブロック状である。a1およびa2は前記オキシアルキレン基の平均付加モル数、b1およびb2は前記オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦a1+a2≦150、1≦b1+b2≦150である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は10〜99質量%である。R1,R2は、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。) 請求項6に記載の水中油型乳化組成物の製造方法において、さらに、(d)ポリマーソーム膜内に保持された油性成分として、前記(b)内相としての油性成分と同種および/または異種の油性成分を添加して前記工程(i)を行うことを特徴とする水中油型乳化組成物の製造方法。 請求項6または7に記載の水中油型乳化組成物の製造方法において、前記(b)内相としての油性成分および/または(d)ポリマーソーム膜内に保持された油性成分として、香料成分を含むことを特徴とする水中油型乳化組成物。 請求項6〜8に記載の水中油型乳化組成物の製造方法において、前記工程(i)における前記アルキレンオキシド誘導体の配合量が0.1〜20質量%、水溶性アルコールの配合量が0.1〜50質量%である水中油型乳化組成物の製造方法。 請求項1〜5に記載の水中油型乳化組成物において、前記ポリマーソームの粒子径が50〜300nmであることを特徴とする水中油型乳化組成物。 【課題】乳化安定性、みずみずしさ、きしみ感やべたつき感のなさといった使用感を有し、さらに皮膚刺激性の低い水中油型乳化組成物の提供。【解決手段】下記一般式(1)または特定式で表されるアルキレンオキシド誘導体を膜成分とするポリマーソーム粒子で、内相としての油性成分、外相としての水性成分、とを含む水中油型乳化組成物。(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基であり、これらの付加形態はブロック状である。mは前記オキシアルキレン基の平均付加モル数、lおよびnは前記オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦l+n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。R1,R2は、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。)【選択図】図1