生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_イソシアネート基呈色溶液、呈色試験紙及びその作製方法
出願番号:2012163565
年次:2013
IPC分類:G01N 31/22,G01N 21/77,G01N 21/78,G01N 31/00


特許情報キャッシュ

本郷 忠志 JP 2013145220 公開特許公報(A) 20130725 2012163565 20120724 イソシアネート基呈色溶液、呈色試験紙及びその作製方法 凸版印刷株式会社 000003193 本郷 忠志 JP 2011273202 20111214 G01N 31/22 20060101AFI20130628BHJP G01N 21/77 20060101ALI20130628BHJP G01N 21/78 20060101ALI20130628BHJP G01N 31/00 20060101ALI20130628BHJP JPG01N31/22 122G01N21/77 BG01N21/78 AG01N31/00 VG01N31/22 121FG01N31/22 121P 5 OL 10 2G042 2G054 2G042AA01 2G042BD12 2G042BD20 2G042CA07 2G042CA10 2G042CB03 2G042DA08 2G042FA11 2G042FB07 2G042FC01 2G042HA07 2G054AA02 2G054CA30 2G054CE02 2G054EA06 2G054GA03 2G054GB04 2G054GE06 本発明は、接着剤に使用される硬化剤の添加忘れをチェックするための、呈色溶液、呈色試験紙と、その試験紙の作製方法に関する。 従来、食品や医薬品などを包装するための包装材料として、例えば、層構成が、ポリエステル層/アルミ箔層/ポリエステル層/シーラント層となっている積層体が広く使用されている。このような積層体の各層間の貼り合わせは、通常は二液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用し、ラミネートすることにより行っている。そして、このような積層体は適度のラミネート強度やガスバリア性を有しており、食品や医薬品などを包装するための包装材料として広く使用されている。 この二液硬化型ポリウレタン系接着剤は、主に希釈溶剤を酢酸エチルとして、主剤であるポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオールなどのポリオール成分と、硬化剤であるアダクト、ビューレット、トリマーなどのポリイソシアネート成分からなっている。 しかしながら、上述の積層体を量産する工場などの生産現場では、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を配合する際に、硬化剤であるポリイソシアネート成分を入れ忘れると、積層体のラミネート強度が発現しなくなり、接着不良となってしまう。 二液硬化型ポリウレタン系接着剤を配合する際の通常の手順は、まず、主に希釈溶剤として用いられる酢酸エチル中に主剤であるポリオール成分を加えてよく撹拌した後に、硬化剤であるポリイソシアネート成分を加える。この時にポリイソシアネート成分を加え忘れる事故が発生する。ポリオール成分のみでポリイソシアネート成分の入っていない接着剤では、硬化反応が起こらないため、ラミネート強度が発現せず、その接着剤を用いて量産した積層体はすべてロスとなり、生産量が多ければ多いほど大きな損害に結びつく。 二液硬化型ポリウレタン系接着剤中のイソシアネート基の存在を確認する方法としては、一般に様々な方法で行われている。一例として、赤外分光装置(IR)により赤外吸収スペクトルを得て、2275〜2230cm−1にみられるイソシアネート基の特性吸収帯の存在により判断する方法がある。しかし、この場合高価な装置を導入する必要があり、また装置が立ち上がっていない時は、その立ち上げに時間が掛かるため、迅速な判断ができないという問題点があった。又、呈色反応の一種であるヒドロキシルアミンを使用する方法や、加水分解法などがあるが、いずれもある程度の時間の加熱が必要であり、イソシアネート基の存在についての迅速な判断ができないため、ほとんど用いられていない(非特許文献1)。分析化学便覧 改訂四版 1991年 日本分析化学会 P.354 本発明の課題は、工場などの生産現場において、配合済みの二液硬化型ポリウレタン系接着剤をインキパンに投入する直前に、ポリイソシアネート成分を加え忘れるのを未然に防止するため、その接着剤中のポリイソシアネート成分(イソシアネート基)の存在を迅速にかつ簡便に確認することが可能な、イソシアネート基が存在する液体と反応して自身の色が変色する、イソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙を提供することにある。 上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、イソシアネート基が存在する液体と反応して自身の色が変色する溶液であって、トリフェニルメタン系塩基性染料又はジフェニルメタン系塩基性染料と、ジエチレントリアミン(DETA)の結合体を溶解させたことを特徴とするイソシアネート基呈色溶液である。 また、請求項2に記載の発明は、前記トリフェニルメタン系塩基性染料が、マラカイトグリーン(しゅう酸塩)、塩化ロザニリン、メチルバイオレットB、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン、セトグラウシンのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のイソシアネート基呈色溶液である。 また、請求項3に記載の発明は、前記ジフェニルメタン系塩基性染料がオーラミンであることを特徴とする請求項1に記載のイソシアネート基呈色溶液である。 また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイソシアネート基呈色溶液を、試験紙に含浸させたことを特徴とするイソシアネート基呈色試験紙である。 また、請求項5に記載の発明は、イソシアネート基が存在する液体と反応して自身の色が変色する試験紙の作製方法であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイソシアネート基呈色溶液を、試験紙に含浸させ、乾燥することを特徴とするイソシアネート基呈色試験紙の作製方法である。 本発明のイソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙を用いることにより、工場などの生産現場において、配合済みの二液硬化型ポリウレタン系接着剤をインキパンに投入する直前に、その接着剤中のポリイソシアネート成分(イソシアネート基)の存在を迅速にかつ簡便に確認することが可能となり、硬化剤であるポリイソシアネート成分を入れ忘れた状態で積層体を量産してしまうという人為的ミスを未然に防ぐことが可能となった。 本発明のイソシアネート基呈色溶液は、ジフェニルメタン系塩基性染料、又はトリフェニルメタン系塩基性染料とジエチレントリアミン(DETA)の結合体を溶媒に溶解させたものであり、溶媒に溶解したイソシアネート基を有する化合物と反応して変色する性質を持っている。また、本発明のイソシアネート基呈色試験紙は、溶媒に溶解したジフェニルメタン系塩基性染料、又はトリフェニルメタン系塩基性染料とジエチレントリアミン(DETA)の結合体を紙に含浸し乾燥させたものであり、溶媒に溶解したイソシアネート基を有する化合物と反応して変色する性質を持っている。 イソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙を作製するために用いるトリフェニルメタン系塩基性染料は、トリフェニルメタンを基本骨格とし、主として窒素原子の塩基性により化学的塩基性を示す染料であり、上記と同様の理由で、マラカイトグリーン(しゅう酸塩)、塩化ロザニリン(フクシン、マゼンタ)、メチルバイオレットB、又はクリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン(別名:ダイアモンドグリーン G、Basic Green 1)、セトグラウシン(別名:プリモシアニン 6GX、ベーシックシアニン 6G、Astrazone Blue G、Basic Blue 1)が好適に使用できる。一方、ジフェニルメタン系塩基性染料は、ジフェニルメタンを基本骨格とし、主として窒素原子の塩基性により化学的塩基性を示す染料であり、その入手のし易さ、比較的安価なこと、水や温水に可溶なことなどから、オーラミン(別名:Basic Yellow 2)が好適に使用できる。 本発明のイソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙を作製するために用いるジエチレントリアミン(DETA)は、ビス(2−アミノエチル)アミンとも表記されるアミン類で、比較的安価なこと、水に良く溶けること、臭気がほとんどなくそれほど塩基性が強くないため取扱いが容易で、その沸点が207℃と比較的高いために調製溶液から飛散しにくく濃度を安定的に保てることから好適に使用できる。 本発明のイソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙を作製するために用いる溶媒の一例である酢酸エチルは、なるべく純度が高いものが好ましく、純度99.3%の市販品を使用することが可能である。 本発明のイソシアネート基呈色試験紙を作製するために用いる紙の種類について、表面に何もコートしておらず、セルロース含有量が90%以上と純度が高く、溶液を染み込みやすい紙であればどんな紙でもかまわないが、特に規格番号JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)が好適に使用できる。 本発明のイソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙が、イソシアネート基を有する化合物が溶解した溶液と反応して変色するメカニズムについて説明する。ジフェニルメタン系塩基性染料、又はトリフェニルメタン系塩基性染料とジエチレントリアミン(DETA)は結合体を形成し、これが酢酸エチルに溶解する。 本発明のイソシアネート基呈色溶液では、ジフェニルメタン系塩基性染料−ジエチレントリアミン(DETA)結合体、又はトリフェニルメタン系塩基性染料−ジエチレントリアミン(DETA)結合体を含むこの酢酸エチル溶液の極微量を、イソシアネート基を有する化合物が溶解した溶液に滴下する。一方、本発明のイソシアネート基呈色試験紙では、ジフェニルメタン系塩基性染料−ジエチレントリアミン(DETA)結合体、又はトリフェニルメタン系塩基性染料−ジエチレントリアミン(DETA)結合体を含むこの酢酸エチル溶液を紙に含浸し乾燥させてイソシアネート基呈色試験紙を作製し、イソシアネート基を有する化合物が溶解した溶液の極微量をこの試験紙に付着させる。 ジエチレントリアミン(DETA)とイソシアネート基の反応性が非常に高いために、瞬時にこれらが尿素化合物を形成し、この際ジフェニルメタン系塩基性染料−ジエチレントリアミン(DETA)結合体、又はトリフェニルメタン系塩基性染料−ジエチレントリアミン(DETA)結合体からジエチレントリアミン(DETA)が外れるため、ジフェニルメタン系塩基性染料、又はトリフェニルメタン系塩基性染料の変色を肉眼で確認することができ、検出に装置を用いる必要がなく生産現場におけるチェックに適している。 次に、具体的に本発明のトリフェニルメタン系塩基性染料であるマラカイトグリーン(しゅう酸塩)を用いた試験紙の場合、ジエチレントリアミン(DETA)との結合体では無色、イソシアネート基を有する化合物が溶解した溶液と反応してジエチレントリアミン(DETA)が外れると青色に変色する。同様に、塩化ロザニリン(マゼンタ、フクシンともいう)では茶色から赤色に、メチルバイオレットBでは茶色から紫色に、クリスタルバイオレットでは橙色から紫色に変色する。また、ブリリアントグリーン(別名:ダイアモンドグリーン G、Basic Green 1)では茶色から青色に、セトグラウシン(別名:プリモシアニン 6GX、ベーシックシアニン 6G、Astrazone Blue G、Basic Blue 1)では茶色から青色に変色する。この変色の際に掛かる時間はいずれも5秒以下である。 同様に、イソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙の変色について説明する。ジフェニルメタン系塩基性染料であるオーラミン(別名:Basic Yellow 2)を用いた場合、ジエチレントリアミン(DETA)との結合体では無色、イソシアネート基を有する化合物が溶解した溶液と反応してジエチレントリアミン(DETA)が外れると黄色に変色する。 イソシアネート基の存在の確認を行う、配合済みの二液硬化型ポリウレタン系接着剤は、主剤であるポリオール成分と硬化剤であるポリイソシアネート成分と希釈溶剤からなっている。これらのポリオール成分とポリイソシアネート成分の配合については、重量比率やNCO/OH比にかかわらず使用することができる。また、希釈溶剤は酢酸エチルを使用している場合が多いが、酢酸エチル以外の希釈溶剤を用いても良い。 上記ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合するとウレタン結合が生成されるが、例えポリオール成分リッチな状況でもインキパンにこの接着剤を投入する直前には、必ずイソシアネート基が残存している。本発明のイソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙は非常に感度が高く、接着剤中の極微量のイソシアネート基の残存によって敏感に変色し、その変色を容易に確認することができる。 以上のような本発明のイソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙により、工場などの生産現場において、配合済みの二液硬化型ポリウレタン系接着剤をインキパンに投入する直前に、その接着剤中のポリイソシアネート成分(イソシアネート基)の存在を迅速にかつ簡便に確認することが可能となり、ポリイソシアネート成分を加え忘れるのを未然に防止することが可能となった。以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。 <イソシアネート基呈色溶液の作製>トリフェニルメタン系塩基性染料としてマラカイトグリーン(しゅう酸塩)(関東化学社製、規格:鹿1級)0.1gを40℃に加温した蒸留水10gに加え10分以上撹拌した。次に、ジエチレントリアミン(DETA)(関東化学社製、規格:鹿特級)10gを加え、1時間以上撹拌した。次に、酢酸エチル(関東化学社製、規格:鹿1級)10gを加え10分以上撹拌し、30分静置後上澄み液(酢酸エチル溶液)を取り出し密閉容器にとり、この上澄み液を1日静置後、酢酸エチルを用いて1/2に希釈し、イソシアネート基呈色溶液とした。 <イソシアネート基呈色試験紙の作製>上記で作製したイソシアネート基呈色溶液を用いて、この溶液中に規格番号JIS P 3801 ろ紙(化学分析用、定性分析用3種微細沈殿用)を浸漬して十分に含浸した後、自然乾燥を行いこれをイソシアネート基呈色試験紙とした。 ポリオール成分としてポリエステルポリオール(三井化学社製、登録商標オレスターQタイプ)とポリイソシアネート成分としてトリレンジイソシアネートのアダクトタイプを、NCO/OH比が1.0になるように配合し、希釈溶剤として酢酸エチルを用いた固形分が30wt%の二液硬化型ポリウレタン系接着剤を調製した。次に、この接着剤より1gを採取し、これに酢酸エチルを5g加え固形分を5wt%としたものをイソシアネート基確認用試料とした。 このイソシアネート基確認用試料に、スポイトを用いて上記イソシアネート基呈色溶液(無色)を1滴滴下しよく撹拌したところ、すぐに青色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 一方、上記で調製した二液硬化型ポリウレタン系接着剤からスポイトを用いて0.5gを採取し、上記イソシアネート基呈色試験紙(無色)に付着させたところ、すぐに青色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 トリフェニルメタン系塩基性染料としてマゼンタ(関東化学社製、塩化ロザニリン、フクシンともいう)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でイソシアネート基呈色溶液及びイソシアネート基呈色試験紙を作製した。実施例1で調製した二液硬化型ポリウレタン系接着剤からスポイトを用いて上記イソシアネート基呈色溶液(茶色)を1滴滴下しよく撹拌したところ、すぐに赤色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 一方、上記で調製した二液硬化型ポリウレタン系接着剤からスポイトを用いて0.5gを採取し、上記イソシアネート基呈色試験紙(茶色)に付着させたところ、すぐに赤色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 トリフェニルメタン系塩基性染料としてメチルバイオレットB(関東化学社製、規格:鹿1級)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でイソシアネート基呈色溶液及びイソシアネート基呈色試験紙を作製した。実施例1で調製した二液硬化型ポリウレタン系接着剤からスポイトを用いて上記イソシアネート基呈色溶液(茶色)を1滴滴下しよく撹拌したところ、すぐに紫色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 一方、上記で調製した二液硬化型ポリウレタン系接着剤からスポイトを用いて0.5gを採取し、上記イソシアネート基呈色試験紙(茶色)に付着させたところ、すぐに紫色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 トリフェニルメタン系塩基性染料としてクリスタルバイオレット(関東化学社製、規格:鹿1級)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でイソシアネート基呈色溶液及びイソシアネート基呈色試験紙を作製した。実施例1で調製した二液硬化型ポリウレタン系接着剤からスポイトを用いて上記イソシアネート基呈色溶液(橙色)を1滴滴下しよく撹拌したところ、すぐに紫色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 一方、上記で調製した二液硬化型ポリウレタン系接着剤からスポイトを用いて0.5gを採取し、このイソシアネート基呈色試験紙(橙色)に付着させたところ、すぐに紫色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 トリフェニルメタン系塩基性染料としてブリリアントグリーン(東京化成工業製、Basic Green 1)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でイソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙を作製した。 実施例1で調製したイソシアネート基確認用試料に、スポイトを用いてこのイソシアネート基呈色溶液(茶色)を1滴滴下しよく撹拌したところ、すぐに青色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 一方、実施例1で調製した二液硬化型ポリウレタン系接着剤からスポイトを用いて0.5gを採取し、このイソシアネート基呈色試験紙(茶色)に付着させたところ、すぐに青色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 トリフェニルメタン系塩基性染料としてセトグラウシン(東京化成工業製、Basic Blue 1)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でイソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙を作製した。 実施例1で調製したイソシアネート基確認用試料に、スポイトを用いてこのイソシアネート基呈色溶液(茶色)を1滴滴下しよく撹拌したところ、すぐに青色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 <イソシアネート基呈色溶液の作製>ジフェニルメタン系塩基性染料としてオーラミン(関東化学社製、規格:鹿1級)0.1gを40℃に加温した蒸留水10gに加え10分以上撹拌した。次に、ジエチレントリアミン(DETA)(関東化学社製、規格:鹿特級)10gを加え、1時間以上撹拌した。 次に、酢酸エチル(関東化学社製、規格:特級)10gを加え10分以上撹拌し、30分静置後上澄み液(酢酸エチル溶液)を取り出し密閉容器にとった。この上澄み液を1日静置後、酢酸エチルを用いて1/2に希釈してこれをイソシアネート基呈色溶液とした。 <イソシアネート基呈色試験紙の作製>上記で作製したイソシアネート基呈色溶液を用いて、この溶液中に規格番号JIS P 3801 ろ紙(化学分析用、定性分析用3種微細沈殿用)を浸漬して十分に含浸した後、自然乾燥を行いこれをイソシアネート基呈色試験紙とした。 ポリオール成分としてポリエステルポリオール(三井化学社製、登録商標オレスターQタイプ)とポリイソシアネート成分としてトリレンジイソシアネートのアダクトタイプを、NCO/OH比が1.0になるように配合し、希釈溶剤として酢酸エチルを用いた固形分が30wt%の二液硬化型ポリウレタン系接着剤を調製した。次に、この接着剤より1gを採取し、これに酢酸エチルを5g加え固形分を5wt%としたものをイソシアネート基確認用試料とした。 このイソシアネート基確認用試料に、スポイトを用いて上記イソシアネート基呈色溶液(無色)を1滴滴下しよく撹拌したところ、すぐに黄色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 一方、上記で調製した二液硬化型ポリウレタン系接着剤からスポイトを用いて0.5gを採取し、上記イソシアネート基呈色溶液、イソシアネート基呈色試験紙(無色)に付着させたところ、すぐに黄色に変色しイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は5秒であった。 <比較例1>実施例1で調製した二液硬化型ポリウレタン系接着剤から採取したサンプルを用いて、赤外分光装置(IR)により赤外吸収スペクトルを得た結果、2270cm−1付近に強い吸収帯がみられたことからイソシアネート基の存在が確認できた。この時の所要時間は10分であった。 実施例1〜7、比較例1の結果をまとめて表1に示す。 表1からも明らかなように、実施例1〜7に係る本発明のイソシアネート基呈色溶液、イソシアネート基呈色試験紙を用いた方法では、配合済みの二液硬化型ポリウレタン系接着剤中に含まれるポリイソシアネート成分(イソシアネート基)の存在を、イソシアネート基呈色溶液、又はイソシアネート基試験紙の変色により、迅速にかつ簡便に確認することが可能であった。 一方、比較例1に係る赤外分光装置(IR)を用いた方法でも、配合済みの二液硬化型ポリウレタン系接着剤中に含まれるポリイソシアネート成分(イソシアネート基)の存在を確認することができたが、本発明のイソシアネート基呈色溶液、イソシアネート基呈色試験紙を用いた方法と比較して長い時間を要した。 本発明のイソシアネート基呈色溶液、イソシアネート基呈色試験紙を用いることにより、迅速に、しかも目視にて硬化剤の添加の有無が判断できることから、製造現場における品質管理に好適なことが分かった。 イソシアネート基が存在する液体と反応して自身の色が変色する溶液であって、トリフェニルメタン系塩基性染料又はジフェニルメタン系塩基性染料と、ジエチレントリアミン(DETA)の結合体を溶解させたことを特徴とするイソシアネート基呈色溶液。 前記トリフェニルメタン系塩基性染料が、マラカイトグリーン(しゅう酸塩)、塩化ロザニリン、メチルバイオレットB、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン、セトグラウシンのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のイソシアネート基呈色溶液。 前記ジフェニルメタン系塩基性染料がオーラミンであることを特徴とする請求項1に記載のイソシアネート基呈色溶液。 請求項1〜3のいずれか一項に記載のイソシアネート基呈色溶液を、試験紙に含浸させたことを特徴とするイソシアネート基呈色試験紙。 イソシアネート基が存在する液体と反応して自身の色が変色する試験紙の作製方法であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイソシアネート基呈色溶液を、試験紙に含浸させ、乾燥することを特徴とするイソシアネート基呈色試験紙の作製方法。 【課題】工場などの生産現場において、配合済みの二液硬化型ポリウレタン系接着剤をインキパンに投入する直前に、ポリイソシアネート成分を加え忘れるのを未然に防止するため、その接着剤中のポリイソシアネート成分(イソシアネート基)の存在を迅速にかつ簡便に確認することが可能な、イソシアネート基が存在する液体と反応して自身の色が変色する、イソシアネート基呈色溶液及び呈色試験紙を提供する。【解決手段】イソシアネート基が存在する液体と反応して自身の色が変色する溶液であって、トリフェニルメタン系塩基性染料又はジフェニルメタン系塩基性染料と、ジエチレントリアミン(DETA)の結合体を溶解させた。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る