生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_焼酎粕・酒粕又は食品残渣を有効利用した再生アルコールの製造方法及び再生処理製造プラント
出願番号:2012156147
年次:2014
IPC分類:C12F 5/00


特許情報キャッシュ

中野 一男 JP 2014018080 公開特許公報(A) 20140203 2012156147 20120712 焼酎粕・酒粕又は食品残渣を有効利用した再生アルコールの製造方法及び再生処理製造プラント 株式会社加賀城建設 512183507 弁護士法人 衞藤法律特許事務所 240000039 中野 一男 C12F 5/00 20060101AFI20140107BHJP JPC12F5/00 4 1 OL 6 4B028 4B028AC01 4B028AP14 4B028AT20 本発明は、焼酎粕・酒粕又は食品残渣を有効利用した再生アルコールの製造方法及び再生処理製造プラントに関するものである。 焼酎製造の際に副成される焼酎粕(残滓)には、数%程度のエチルアルコールが残存している。清酒や焼酎などの製造においては、商品となる液体部分である酒と多量の水分を含有する泥状の酒粕や焼酎粕が生成される(例えば、特許文献1参照。)。そこで、清酒を醸造した後に残る酒粕を蒸留してエチルアルコール分を回収し、いわゆる粕取り焼酎として飲用に供されることがある。 例えば、清酒の製造において、蒸米中で麹菌を増殖させて麹を生成し、この麹に水分と蒸米と酵母を加えてもろみを生成し、その後、もろみを熟成して液体状の清酒と泥状の酒粕とに濾して分離し、液体状の清酒だけを商品として出荷し、酒粕は産業廃棄物として廃棄していた。 また、焼酎の製造においては、蒸米や蒸麦、蒸芋中で麹菌を増殖させて麹を生成し、この麹に水分と酵母を加えて1次もろみを生成し、この1次もろみに主原料となる芋、麦、米などを加えて発酵させて2次もろみを生成し、その後、2次もろみを蒸留することによってアルコール分を含有する液体状の焼酎と泥状の焼酎粕とに分離し、液体状の焼酎だけを商品として出荷し、焼酎粕もまた産業廃棄物として廃棄していた。特開2005−237299号公報 そして、従来、焼酎粕は主に海洋投棄されていたために、海洋投棄の禁止に伴ってその処理が社会問題となっていた。このように、焼酎粕は機能性のある有用成分を多く含有するにも関わらず、産業廃棄物として扱われている。したがって、焼酎粕を利用した再生アルコール回収は廃棄物の資源化となり、資源リサイクルの視点から有意義なことである。 焼酎粕には、粗タンパク、有機酸類の様々な栄養素が残留しているため、一部では肥料化や飼料化して再利用する技術が構築されているが、焼酎の製造量の増加に伴って焼酎粕も大量に生成されており、一部が肥料や飼料として消費される量が焼酎粕生成量に比べて極めて少なく、全ての焼酎粕が肥料や飼料として再利用できなかった。本発明は上記従来技術の課題に鑑み、焼酎製造の際に副生する焼酎粕に残留したアルコール分を回収すると共に、固形残滓を極めて減容することができる焼酎粕を利用した再生アルコールの製造方法を提供する。また、本発明では焼酎粕のみならず、酒粕又は公知方法を用いて発酵させた食品残渣も再生アルコール原料にできる。 そこで、本発明に係る焼酎粕・酒粕又は食品残渣を用いた再生アルコールの製造方法は、焼酎粕・酒粕又は食品残渣を発酵させたものとエタノールを混合し、少なくとも1回、好ましくは複数回蒸留して、焼酎粕に残留するアルコールを分離して抽出することを特徴とする。 また、アルコール度数20〜25度の低濃度の蒸留液とアルコール度数60〜65度の高濃度蒸留液に分留して抽出することを特徴とする。 また、本発明に係る再生アルコールの製造方法は、次の工程からなることを特徴とする。(1)焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物を冷却する熱交換工程(2)熱交換工程で冷却した焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物とエタノールを攪拌混合して混合液を得る工程(3)焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物とエタノールの混合液を蒸留する工程(4)蒸留後の残渣を再度(1)の工程に戻す工程 さらに、本発明に係るアルコール再生処理製造プラントは、焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物の貯留タンクと、当該焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物を冷却する熱交換器と、冷却した焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物とエタノールとを攪拌混合する攪拌容器と、当該攪拌容器で混合された混合物を蒸留する蒸留器とからなることを特徴とする。 そして、本発明によれば、以下に記載する優れた効果が得られる。(1)本発明によれば、大量生産方式で生産される液化法による焼酎粕や酒粕も使用することができ、再生アルコールを回収することができる。(2)焼酎粕・酒粕又は食品残渣から飲用あるいは燃料用アルコールを回収でき、固形残滓を大幅に減容できるばかりでなく、その残渣を家畜飼料として利用することでほぼ完全にリサイクルすることができる。 すなわち、本発明では、焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物とエタノールとを混合し、焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物に残留するアルコール分をエタノールに溶解し、再度又は複数回繰り返して蒸留することにより、この残留アルコールを抽出することによりアルコール飲料の生産量に対する焼酎粕(残滓)の副生率を低減することができる。 また、焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物を熱交換器で冷却する工程から連続する蒸留工程で新たなアルコールの生成を行うことができ、これらの材料が劣化することなく、短時間かつ低エネルギーで新たな再生アルコールを製造することができ、最終的に発生する残渣物の量を大幅に低減することができる。本発明に係る再生アルコールの製造工程を示すフローチャートである。本発明に係る再生アルコールプラントの一実施例の概要を模式的に示すブロック図である。本発明に係る再生アルコールプラントの他の実施例の概要を模式的に示すブロック図である。 以下、本発明に係る再生アルコールの製造方法を焼酎粕に適用した場合を例示する。すなわち、公知の焼酎製造過程において生成される焼酎粕を有効に再利用して新たなアルコールを製造する方法である。 本発明に係る再生処理製造プラント10では、焼酎粕の貯留タンク1から熱交換器2を介して、冷却した焼酎粕を攪拌容器3内に投入し、この容器3内で焼酎粕とエタノールとを攪拌混合し、その後、第1の蒸留器4及び第2の蒸留器5に移行させて蒸留する。 投入するエタノールとしては、主に既成の高濃度のエタノールを用いるが、本発明方法で得られた再生アルコールのうち高濃度のものを第3の蒸留器6に移行させてさらに濃縮して添加用エタノールとして再使用するものでもよい。 とくに、添加するエタノールを本発明工程により得られたものとする場合には、連続する製造工程内で処理することができ、製造工程の簡略化及び製造コストを低減することができる。 ここで、投入するアルコールは、最終的に生成される再生アルコールの度数に応じて、量や濃度を適宜調整する。例えば、度数を高くするには、投入するエタノールの比率を高くし、度数を低くするには、投入するエタノールの濃度を低く調製する。高濃度アルコール貯留タンク6と低濃度アルコール貯留タンクに分けて貯留する。例えば、アルコール度数20〜25度の低濃度の蒸留液とアルコール度数60〜65度の高濃度蒸留液に分留して抽出する。このように、投入するエタノールの量や濃度を適宜調整することによって、最終的に得られるアルコール度数を変化させることができ、飲用あるいは燃料用等、需要に応じた度数のアルコールを製造することができる。 攪拌容器3内に焼酎粕と共にエタノールを投入して攪拌混合すると、焼酎粕の内部に残留するアルコール分がエタノールに溶出する。このアルコール分は、既存の焼酎製造工程において酵母により生成されたものであり、本来であれば、その蒸留段階で抽出されているものであるが、その一部が蒸留しきらずに残留してしまったものである。そのため、新規なエタノールを加えると、これに溶出する。 また、焼酎粕に残留した香味成分や調味成分も同様に抽出され、製造される再生アルコールも、原料として使用する焼酎粕から成された焼酎と類似した香りや味を持つため、アルコール飲料とすることもできる。 とくに、アルコール分の抽出を乾式蒸留で行うことにした場合には、水蒸気蒸留を用いる場合に比べて残渣物の量を低減することができる。また、混合液を所定温度まで加熱して蒸留し、その後、さらに高温で加熱して水分を蒸発させれば、残渣物の乾燥処理まで併せて行うことができる。 以上、説明したように、本発明に係るアルコール製造方法では、焼酎粕とエタノールとを混合し、焼酎粕に残留する香味成分や調味成分をアルコールに溶解し、液体部分のみを分離して抽出する。このためその残渣である焼酎粕を更に圧縮減容することができる。 すなわち、焼酎製造に使用された焼酎粕を原料として、さらにアルコールを製造するので、当初の焼酎製造の全体工程から見れば、アルコールの全生産量に対する焼酎粕(固形物残渣)の全生成率を極めて低減することができる。 上記製造方法及び再生処理製造プラントは、焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物にも適用できることは勿論、最終的に残留する焼酎粕を公知技術により肥料化や飼料化することにより、極めて減容された残渣を有効に利用することができ、これにより、海洋投棄が禁止された現在における産業廃棄物処理上の問題を解決する一助とすることができる。1 焼酎粕貯留タンク2 熱交換器3 攪拌混合用タンク4 第1の蒸留器5 第2の蒸留器6 高濃度アルコール貯留タンク7 低濃度アルコール貯留タンク8 第3の蒸留器9 残滓貯留タンク10再生アルコール再生処理製造プラント焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物とエタノールを混合し、少なくとも1回、好ましくは複数回蒸留して、焼酎粕に残留するアルコールを分離して抽出することを特徴とする焼酎粕を用いた再生アルコールの製造方法。アルコール度数20〜25度の低濃度の蒸留液とアルコール度数60〜65度の高濃度蒸留液に分留して抽出することを特徴とする請求項1記載の焼酎粕を用いた再生アルコールの製造方法。 次の工程からなることを特徴とする焼酎粕を用いた請求項1又は請求項2の再生アルコールの製造方法。(1)焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物を冷却する熱交換工程(2)熱交換工程で冷却した焼酎粕とエタノールを攪拌混合して混合液を得る工程(3)焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物とエタノールの混合液を蒸留する工程(4)蒸留後の残渣を再度(1)の工程に戻す工程焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物の貯留タンクと、当該焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物を冷却する熱交換器と、冷却した焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物とエタノールとを攪拌混合する攪拌容器と、当該攪拌容器で混合された混合物を蒸留する蒸留器とからなることを特徴とする再生アルコール再生処理製造プラント。 【課題】焼酎又は清酒製造の際に副生する焼酎粕・酒粕又は食品残渣発酵物に残留したアルコール分を回収すると共に、固形残滓を極めて減容することができる再生アルコールの製造方法及び再生処理製造プラントを提供する。【解決手段】焼酎粕とエタノールを混合し、この混合液を少なくとも1回、好ましくは複数回蒸留して、焼酎粕に残留する再生アルコールを分離して抽出し、その工程を、焼酎粕を冷却する熱交換工程、熱交換工程で冷却した焼酎粕とエタノールを攪拌混合して混合液を得る工程、焼酎粕とエタノールの混合液を蒸留する工程、蒸留後の残渣を初工程に戻す工程から構成する。【選択図】図1


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