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タイトル:公開特許公報(A)_洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物
出願番号:2012147499
年次:2014
IPC分類:A61K 8/41,A61K 8/49,A61K 8/86,A61K 8/44,A61K 8/34,A61K 8/365,A61K 8/02,A61Q 19/10


特許情報キャッシュ

川口 友紀 尾杉 孝夫 廣島 俊輔 JP 2014009201 公開特許公報(A) 20140120 2012147499 20120629 洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物 ライオン株式会社 000006769 廣田 浩一 100107515 流 良広 100107733 松田 奈緒子 100115347 川口 友紀 尾杉 孝夫 廣島 俊輔 A61K 8/41 20060101AFI20131217BHJP A61K 8/49 20060101ALI20131217BHJP A61K 8/86 20060101ALI20131217BHJP A61K 8/44 20060101ALI20131217BHJP A61K 8/34 20060101ALI20131217BHJP A61K 8/365 20060101ALI20131217BHJP A61K 8/02 20060101ALI20131217BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20131217BHJP JPA61K8/41A61K8/49A61K8/86A61K8/44A61K8/34A61K8/365A61K8/02A61Q19/10 2 OL 23 4C083 4C083AA122 4C083AC081 4C083AC082 4C083AC101 4C083AC102 4C083AC181 4C083AC182 4C083AC301 4C083AC302 4C083AC401 4C083AC402 4C083AC421 4C083AC422 4C083AC431 4C083AC432 4C083AC581 4C083AC582 4C083AC611 4C083AC612 4C083AC691 4C083AC692 4C083AD532 4C083BB48 4C083CC23 4C083DD08 4C083EE01 4C083EE03 4C083EE05 本発明は、洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物に関する。 洗い流さないタイプの殺菌清浄剤としては、ジェル状の消毒剤や液状で吐出される消毒剤が主流である。しかし、前記ジェル状の消毒剤は、添加している増粘剤により使用後のべたつきが残るなどの使用感の問題がある。また、前記液状で吐出される消毒剤は、必要量を手にとりにくく手の平から垂れ落ちるなどの使用性の問題がある。 前記使用性の問題に対し、塩化ベンザルコニウムを代表とする4級アンモニウム塩殺菌剤等のカチオン性殺菌剤と、非イオン性界面活性剤と、低級アルコールとを組み合わせた、泡で使用するタイプの殺菌清浄剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。前記4級アンモニウム塩殺菌剤は、殺菌スペクトルが広く、即効性を有することから、殺菌剤として広く使用されている。 しかし、前記4級アンモニウム塩殺菌剤とアニオン性の化合物とを併用した場合、アニオン−カチオンコンプレックスが形成され、これにより殺菌効果が大きく低下するという問題がある。また、前記4級アンモニウム塩殺菌剤と非イオン界面活性剤と併用した場合、殺菌効果が不活化されることも知られている(特許文献2及び3参照)。更に前記4級アンモニウム塩殺菌剤は、pHが高いほどその殺菌効果が増強され、皮膚刺激が少ないとされる弱酸性領域では、殺菌効果が十分に発揮されていないため、共存する他の成分による影響を受けやすく、殺菌効果が不安定になりやすいという問題もある。 したがって、前記提案の殺菌清浄剤組成物は、殺菌効果が十分満足できるものではなかった。 したがって、皮膚刺激が少ない弱酸性におけるpH安定性と即効性のある十分な殺菌効果とを両立でき、更に、適度な泡の保形性を有し、かつ、適度な時間で消泡して泡が後残りせず、乾きやすい、使用性に優れた洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物の提供が強く望まれているのが現状である。国際公開第2009/075142号特開平8−259428号公報特開平3−47245号公報 本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、皮膚刺激が少ない弱酸性におけるpH安定性と即効性のある十分な殺菌効果とを両立でき、更に、適度な泡の保形性を有し、かつ、適度な時間で消泡して泡が後残りせず、乾きやすい、使用性に優れた洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物を提供することを目的とする。 前記課題を解決するための手段としての本発明の洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物は、(A)塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、及び塩化ベンゼトニウムから選ばれる少なくとも1種の第4級アンモニウム化合物と、(B)アルキル基の炭素数が16〜22であり、かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が20モル〜30モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、HLB9〜16のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、HLB9〜16のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、及びHLB9〜16のモノステアリン酸ポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種のノニオン性界面活性剤と、(C)アミノ酸、アミノ酸塩、及びdl−ピロリドンカルボン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種と、(D)炭素数1〜3のアルコールと、(E)クエン酸と、(F)クエン酸ナトリウムと、を含有し、前記(D)成分の含有量が20質量%〜45質量%であり、前記(E)成分と前記(F)成分との合計含有量が0.05質量%〜0.3質量%であり、フォーマー容器に充填してなり泡状に吐出される。 本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、皮膚刺激が少ない弱酸性におけるpH安定性と即効性のある十分な殺菌効果とを両立でき、更に、適度な泡の保形性を有し、かつ、適度な時間で消泡して泡が後残りせず、乾きやすい、使用性に優れた洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物を提供することができる。図1は、フォーマー容器の一例を示す概略断面図である。図2は、図1の丸で囲んだ部位の拡大図である。(洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物) 本発明の洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物(以下、「殺菌清浄剤組成物」と略記することがある)は、第4級アンモニウム化合物(以下、「(A)成分」と称することがある)と、ノニオン性界面活性剤(以下、「(B)成分」と称することがある)と、アミノ酸、アミノ酸塩、及びdl−ピロリドンカルボン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種(以下、「(C)成分」と称することがある)と、炭素数1〜3のアルコール(以下、「(D)成分」と称することがある)と、クエン酸(以下、「(E)成分」と称することがある)と、クエン酸ナトリウム(以下、「(F)成分」と称することがある)と、を少なくとも含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。 前記殺菌清浄剤組成物は、フォーマー容器に充填してなり泡状に吐出されるものである。<(A)成分> 前記(A)成分としての第4級アンモニウム化合物は、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、及び塩化ベンゼトニウムから選ばれる少なくとも1種である。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。 前記(A)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.03質量%〜0.5質量%が好ましく、0.04質量%〜0.1質量%がより好ましい。前記(A)成分の含有量が、0.03質量%未満であると、適度な泡の保形性が得られず、使用部位(例えば、手の平、手の指、及び手の甲)に擦り込む際、前記使用部位から垂れ落ちてしまうことや、殺菌効果が低下することなどがあり、0.5質量%を超えると、使用後に泡が後残りすることがある。 以下、本発明において、「手」とは、「手の平、手の指、及び手の甲」を意味する。<(B)成分> 前記(B)成分としてのノニオン性界面活性剤は、アルキル基の炭素数が16〜22であり、かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が20モル〜30モルのポリオキシエチレン(本発明において、「POE」と略記することがある)アルキルエーテル、HLB9〜16のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、HLB9〜16のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、及びHLB9〜16のモノステアリン酸ポリエチレングリコール(本発明において、「PEG」と略記することがある)から選ばれる少なくとも1種である。 前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、及びモノステアリン酸ポリエチレングリコールのHLB値が、9未満又は16を超えると、適度な泡の保形性が得られず、手に擦り込む際、手から垂れ落ちてしまうことがある。<<ポリオキシエチレンアルキルエーテル>> 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルのアルキル基の炭素数が、16未満又は22を超えると、適度な泡の保形性が得られず、手に擦り込む際、手から垂れ落ちてしまうことがある。 また、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルのエチレンオキサイドの平均付加モル数が、20モル未満又は30モルを超えると、適度な泡の保形性が得られず、手に擦り込む際、手から垂れ落ちてしまうことがある。 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が16〜22であり、かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が20モル〜30モルである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(30)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ベヘニルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルにおいて、括弧内の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数を表す。 これらの中でも、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテルなどが好ましい。 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、市販品を使用することができ、その具体例としては、商品名で、EMALEX 120、NIKKOL BC−20等のポリオキシエチレン(20)セチルエーテル;EMALEX 130、NIKKOL BC−30等のポリオキシエチレン(30)セチルエーテル;EMALEX 620、NIKKOL BS−20等のポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル;EMALEX 630等のポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル;EMALEX BHA−20、NIKKOL BB−20等のポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル;EMALEX BHA−30、NIKKOL BB−30等のポリオキシエチレン(30)ベヘニルエーテル(以上、商品名:EMALEXについては、日本エマルジョン株式会社製、商品名:NIKKOLについては、日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。<<ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油>> 前記HLB9〜16のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油(以下、「POE(20)硬化ヒマシ油」と称することがある)(HLB9)、ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油(以下、「POE(30)硬化ヒマシ油」と称することがある)(HLB11)、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油(以下、「POE(40)硬化ヒマシ油」と称することがある)(HLB12)、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油(以下、「POE(50)硬化ヒマシ油」と称することがある)(HLB13)、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(以下、「POE(60)硬化ヒマシ油」と称することがある)(HLB14)、ポリオキシエチレン(80)硬化ヒマシ油(以下、「POE(80)硬化ヒマシ油」と称することがある)(HLB15)、ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油(以下、「POE(100)硬化ヒマシ油」と称することがある)(HLB15)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油において、括弧内の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数を表す。 これらの中でも、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(80)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油などが好ましい。 前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、市販品を使用することができ、その具体例としては、商品名で、EMALEX HC−20等のポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油;EMALEX HC−30等のポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油;EMALEX HC−40等のポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油;EMALEX HC−50等のポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油;EMALEX HC−60等のポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油;EMALEX HC−80等のポリオキシエチレン(80)硬化ヒマシ油;EMALEX HC−100等のポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油(以上、日本エマルジョン株式会社製)などが挙げられる。<<モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン>> 前記HLB9〜16のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(5)(以下、「ステアリン酸PEG−5グリセリル」と称することがある)(HLB9)、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(10)(以下、「ステアリン酸PEG−10グリセリル」と称することがある)(HLB11)、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(15)(以下、「ステアリン酸PEG−15グリセリル」と称することがある)(HLB13)、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(20)(以下、「ステアリン酸PEG−20グリセリル」と称することがある)(HLB14)、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(30)(以下、「ステアリン酸PEG−30グリセリル」と称することがある)(HLB15)、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(40)(以下、「ステアリン酸PEG−40グリセリル」と称することがある)(HLB16)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリンにおいて、括弧内の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数を表す。 これらの中でも、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(15)、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(30)、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(40)が好ましい。 前記モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリンは、市販品を使用することができ、その具体例としては、商品名で、;EMALEX GM−5等のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(5);EMALEX GM−10等のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(10);EMALEX GM−15のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(15);EMALEX GM−20等のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(20);EMALEX GM−30等のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(30);EMALEX GM−40等のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(40)(以上、日本エマルジョン株式会社製)などが挙げられる。<<モノステアリン酸ポリエチレングリコール>> 前記HLB9〜16のモノステアリン酸ポリエチレングリコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10)(以下、「ステアリン酸PEG−10」と称することがある)(HLB11)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(20)(以下、「ステアリン酸PEG−20」と称することがある)(HLB14)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(30)(以下、「ステアリン酸PEG−30」と称することがある)(HLB15)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40)(以下、「ステアリン酸PEG−40」と称することがある)(HLB16)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記モノステアリン酸ポリエチレングリコールにおいて、括弧内の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数を表す。 これらの中でも、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(20)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(30)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40)が好ましい。 前記モノステアリン酸ポリエチレングリコールは、市販品を使用することができ、その具体例としては、商品名で、EMALEX810等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール(10);EMALEX820等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール(20);EMALEX830等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール(30);EMALEX840等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール(40)(以上、日本エマルジョン株式会社製)などが挙げられる。 これらの中でも、前記(B)成分としては、アルキル基の炭素数が16〜22であり、かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が20モル〜30モルのポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテルが好ましく、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテルが、適度な泡の保形性が得られる点で特に好ましい。 本発明において、HLB値は、有機概念図におけるIOB×10で示される。前記有機概念図におけるIOBとは、前記有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、即ち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。 前記有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は、“Pharmaceutical Bulletin”, 1954, vol.2, 2, pp.163−173;「化学の領域」, 1957, vol.11, 10, pp.719−725;「フレグランスジャーナル」, 1981, vol.50, pp.79−82などで説明されている。即ち、全ての有機化合物の根源をメタン(CH4)とし、他の化合物は全てメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環などにそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値及び無機性値を求める。この値を、有機性値をX軸、無機性値をY軸にとった図上にプロットしていくものである。この有機概念図は、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)などにも示されている。 前記(B)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.03質量%〜0.5質量%が好ましく、0.07質量%〜0.2質量%がより好ましい。前記(B)成分の含有量が、0.03質量%未満であると、適度な泡の保形性が得られず、手に擦り込む際、手から垂れ落ちてしまうことがあり、0.5質量%を超えると、手をこすり合わせた後に泡が後残りすることや、殺菌効果が低下することなどがある。<(C)成分> 前記(C)成分は、アミノ酸、アミノ酸塩、及びdl−ピロリドンカルボン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種である。 前記アミノ酸の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリシン、リジン、セリン、プロリン、アルギニン、グルタミン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。 前記アミノ酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記アミノ酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。 前記アミノ酸塩の具体例としては、グルタミン酸ナトリウムなどが挙げられる。 これらの中でも、前記(C)成分は、dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、リジン、セリン、グリシンが、適度な泡の保形性が得られる点で好ましく、dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウムが特に好ましい。 前記(C)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.05質量%〜1質量%がより好ましい。前記(C)成分の含有量が、0.01質量%未満であると、適度な泡の保形性が得られず、使用時に泡が適度な時間で消えず、使用後に泡が後残りするなどの使用性が劣ることがあり、5質量%を超えると、適度な泡の保形性が得られず、手から垂れてしまうことがあり、使用性上好ましくない。<(D)成分> 前記(D)成分は、炭素数1〜3のアルコールである。前記(D)成分の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記(D)成分は、使用時のにおいの点で、エチルアルコールが好ましい。 前記(D)成分の含有量としては、20質量%〜45質量%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、35質量%〜40質量%が好ましい。前記(D)成分の含有量が、20質量%を未満であると、即乾性や殺菌効果が低下することや、泡の保形性が得られず、使用時に泡が適度な時間で消えず、泡が後残りすることなどがあり、45質量%を超えると、フォーマー容器から吐出しても泡状にならず、手に取りにくい、また手から垂れてしまうといった使用上の不具合が生じることがある。<(E)成分> 前記(E)成分としてのクエン酸の含有量としては、下記(F)成分との合計含有量を満たす限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。<(F)成分> 前記(F)成分としてのクエン酸ナトリウムの含有量としては、下記(E)成分との合計含有量を満たす限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。 前記(E)成分と前記(F)成分との合計含有量としては、0.05質量%〜0.3質量%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜0.25質量%が好ましい。前記(E)成分と前記(F)成分との合計含有量が、0.05質量%未満であると、緩衝作用が劣り、pH安定性が悪くなることがあり、pHの経時低下によって前記殺菌清浄剤組成物が酸性側に移行し、殺菌効果が低下することがある。また、前記(E)成分と前記(F)成分との合計含有量が0.3質量%を超えると、前記(A)成分と、前記(E)成分及び/又は前記(F)成分とによりアニオンとカチオンとのコンプレックスが形成され、これにより殺菌効果が大きく阻害され、殺菌効果が低下することがある。 前記(E)成分と前記(F)成分との質量比(F)/(E)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜5が好ましく、2〜4がより好ましい。前記質量比(F)/(E)が、1未満であると、殺菌効果が低下することや、緩衝作用が不十分となることがあり、5を超えると、緩衝作用が不十分となることがある。 一方、前記質量比(F)/(E)が、前記より好ましい範囲内であると、25℃におけるpHが5〜6.5に保たれ、前記(E)成分及び前記(F)成分による緩衝作用が良好であるばかりでなく、殺菌効果が低下しない点で有利である。<その他の成分> 前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、多価アルコール等の溶媒;前記(A)成分及び前記(D)成分以外の殺菌剤;水溶性高分子化合物;グリチルリチン酸二カリウム等の消炎剤;香料;清涼剤;冷涼剤;着色料;油分;シリコーン類;ビタミン等の薬剤;白濁剤;酸化防止剤;金属封鎖剤;動植物抽出物又はその誘導体;無機粉体;粘土鉱物;ナイロン、ポリエチレン等の水不溶性ポリマー粉体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。<<多価アルコール>> 前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、肌のかさつき防止効果が期待できるプロピレングリコール(PG)、1,3−ブチレングリコール(BG)、グリセリンなどが好ましい。 前記多価アルコールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以下が好ましい。前記多価アルコールの含有量が、5質量%を超えると、使用後に肌にベタつきが生じることがある。<<殺菌剤>> 前記(A)成分及び前記(D)成分以外の殺菌剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、トリクロロカルバリニド、塩酸クロルヘキシジン、アルキルジアミノエチルグリシン、オクトピロックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。<<水溶性高分子化合物>> 前記水溶性高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸アルキル共重合体等のアニオン性高分子化合物;カチオン化セルロース、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、カチオン変性グアーガム等のカチオン性高分子化合物;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体等のノニオン性高分子化合物;ジメチルアリル4級塩・アクリル酸アクリルアミドビニルピロリドンN・N−ジメチルアミノエチル等の両性ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。<<香料>> 前記香料としては、特に制限はなく、公知の香料の中から、目的に応じて適宜選択することができる。前記香料としては、例えば、“Perfume and Flavor Chemicals”, Vol.I and II, Steffen Arctander, Allured Pub.Co., 1994;「合成香料化学と商品知識」, 印藤元一著, 化学工業日報社, 1996;“Perfume and Flavor Materials of Natural Origin”, Steffen Arctander, Allured Pub.Co., 1994;「香りの百科」, 日本香料協会編, 朝倉書店, 1989;“Perfumery Material Performance V.3.3”, Boelens Aroma Chemical Information Service, 1996;“Flower oils and Floral Compounds In Perfumery”, Danute Lajaujis Anonis, Allured Pub.Co., 1993などに記載されたものなどが挙げられる。前記香料の具体例としては、ユーカリ油、カンフル、ボルネオール、レモン油、ライム油、グレープフルーツエキス、ラベンダー油、ラベンダーエキス、ローズマリー油、ローズマリーエキスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。 また、前記香料は、前記香料の成分と、香料用溶剤と、香料安定化剤とからなる混合物であってもよい。 前記香料用溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンジルベンゾエート、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート)、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコールDPG−FC(ジプロピレングリコール)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト−5(1,2−ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA−2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA−4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)、1,3−ブチレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。 前記香料用溶剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記香料組成物中、0.1質量%〜99質量%が好ましく、0.1質量%〜10質量%がより好ましい。 前記香料安定化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE又はその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。 前記香料安定化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記香料組成物中、0.0001質量%〜10質量%が好ましく、0.001質量%〜5質量%がより好ましい。 前記香料組成物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.005質量%〜40質量%が好ましく、0.01質量%〜10質量%がより好ましい。<<清涼剤>> 前記清涼剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メントール、ペパーミント油、ハッカ油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。<<冷涼剤>> 前記冷涼剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(例えば、商品名:WS3、高砂香料工業株式会社製)、l−メンチルグリセリルエーテル(例えば、商品名:CA−10、高砂香料工業株式会社製)などが挙げられる。<フォーマー容器> 前記殺菌清浄剤組成物は、フォーマー容器(泡吐出容器)に充填してなり泡状に吐出されるものである。したがって、前記殺菌清浄剤組成物は、フォーマー容器用殺菌清浄剤組成物として好適に使用できる。 前記フォーマー容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ノンガス型のフォーマー容器が好ましい。前記ノンガス型のフォーマー容器としては、前記殺菌清浄剤組成物を空気と混合して発泡状態で吐出できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、容器の胴部を手で圧搾することによって泡を吐出できるスクイズフォーマー容器;ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器などが挙げられる。 このようなフォーマー容器は、例えば、大和製罐株式会社製、株式会社吉野工業所製のものなどを使用することができる。より具体的には、特開平7−315463号公報、特開平8−230961号公報、特開2005−193972号公報などに記載されたフォーマー容器を使用することができる。 前記ノンガス型のフォーマー容器は、通常、泡を形成するための多孔質膜体を有し、前記殺菌清浄剤組成物が該多孔質膜体を通過することにより泡が形成されるものである。 前記多孔質膜体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチック材料が好ましい。 前記多孔質膜体の目開きとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、110メッシュ(161μm)以上が好ましく、110メッシュ〜380メッシュ(161μm〜32μm)がより好ましく、200メッシュ〜355メッシュ(77μm〜37μm)が特に好ましい。また、前記多孔質膜体の枚数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡性能を向上させる観点から、2枚〜4枚が好ましい。 前記殺菌清浄剤組成物の性状としては、常温(20±15℃)で液体状であることが好ましく、該殺菌清浄剤組成物の粘度としては、例えば、前記フォーマー容器として、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器と、目開き305メッシュ(48μm)の多孔質膜体を2枚使用する場合又は目開き200メッシュ(77μm)及び目開き305メッシュ(48μm)の2枚の多孔質膜体を使用する場合において、使用する温度条件下(通常25℃)で、BL型粘度計(東京計器株式会社製)を用い、ローターNo1、60rpm、30秒間の条件で測定したときの粘度が、30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましく、10mPa・sが特に好ましい。前記粘度が、30mPa・sを超えると、前記殺菌清浄剤組成物が多孔質膜体に詰まる、吐出できない、適度な泡の保形性が得られないことなどがある。<<殺菌清浄剤組成物の製造方法>> 前記殺菌清浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。 前記殺菌清浄剤組成物は、装置を用いて調製してもよい。前記装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、剪断力と全体混合できる複数の攪拌羽根(プロペラ、タービン、ディスパー等)を備えた攪拌装置が好ましい。 前記殺菌清浄剤組成物を製造する際、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D)成分、前記(E)成分、及び前記(F)成分、必要に応じて、更に前記その他の成分の混合順序としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、各成分を単独で順次配合してもよく、2種以上の成分を含む混合物を調製してから殺菌清浄剤組成物を調製してもよい。<用途> 前記殺菌清浄剤組成物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、手(手の平、手の指、及び手の甲)用の殺菌清浄剤組成物として好適に利用可能である。また、前記殺菌清浄剤組成物は、ボディー用等の身体用としても利用可能である。その適用現場としては、例えば、病院、介護施設、厨房用途などが挙げられ、家庭においても好適に用いられる。 また、前記殺菌清浄剤組成物は、フォーマー容器用として好適に用いられる。前記殺菌清浄剤組成物がフォーマー容器用として用いられる場合、フォーマー容器用殺菌清浄剤組成物と称することがある。 以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。 なお、以下の実施例及び比較例において「%」は、いずれも「質量%」を表す。また、表1〜6の各成分の配合量は、全て純分換算である。また、表1〜6において、(B)成分の括弧内の数値及びPEGの後に記載の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数を表す。(実施例1〜37、比較例1〜10) 表1〜6に示す組成及び配合量からなる、実施例1〜37及び比較例1〜10の殺菌清浄剤組成物を常法に準じて調製した。次いで、各殺菌清浄剤組成物を特開2005−193972号公報に記載されたスペックのフォーマー容器(株式会社吉野工業所製)に充填した。前記フォーマー容器は、具体的には、図1及び図2に示すようなフォーマー容器1であり、気体と液体の容積比(気体/液体)が13/1であり、1プッシュあたりの吐出量が1gであり、泡形成部材は、200メッシュ(77μm)の多孔質膜体3及び305メッシュ(48μm)の多孔質膜体2の2枚を使用したものを用いた。 フォーマー容器に充填した実施例1〜37及び比較例1〜10の殺菌清浄剤組成物を用い、以下に示す方法で、「適度な泡の保形性」、「泡の後残りのなさ」、「乾きやすさ」、「安定性」、及び「殺菌効果」について評価を行った。<適度な泡の保形性の評価> 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、ポリ塩化ビニリデンフィルム上に、殺菌清浄剤組成物をフォーマー容器から1g吐出し、30秒間後のポリ塩化ビニリデンフィルム上の泡の高さを測定した。前記泡の高さとは、ポリ塩化ビニリデンフィルム表面から、泡の一番高い位置の高さ(最大高さ)を意味する。なお、前記吐出を行う際、該ポリ塩化ビニリデンフィルムの表面に対して垂直な方向から吐出させ、前記フォーマー容器の吐出口と、ポリ塩化ビニリデンフィルムの表面との距離(高さ)は、5cmとした。同じ操作を3回行い、3回の平均値に基づき、下記評価基準で評価した。結果を表1〜6に示す。[評価基準] ◎:30秒間後の泡の高さが、16mm以上20mm未満 ○:30秒間後の泡の高さが、13mm以上16mm未満 △:30秒間後の泡の高さが、5mm以上13mm未満 ×:30秒間後の泡の高さが、5mm未満又は20mm以上 なお、30秒間後の泡の高さが5mm未満のもの(×)は、泡の保形性が悪く、手(手の平、手の指、及び手の甲)に取ったときに垂れやすく、使用性上不具合となる。また、30秒間後の泡の高さが20mm以上のもの(×)も、手(手の平、手の指、及び手の甲)に取った泡が適度な時間で消えず、手(手の平、手の指、及び手の甲)に擦り込みにくく使用性上不具合となる。そのため、殺菌清浄剤組成物として使用上好ましい適度な泡の保形性としては、上記評価基準で○又は◎であったものである。<泡の後残りのなさ> 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、専門パネラー10名の手の平上に、殺菌清浄剤組成物をフォーマー容器から1g吐出し、約10秒間手(手の平、手の指、及び手の甲)をこすり合わせた後、手(手の平、手の指、及び手の甲)における泡残りを下記判定基準で判定した。専門パネラー10名の平均値を算出し、この平均値に基づき、下記評価基準で評価した。結果を表1〜6に示す。[判定基準] 5点:全く泡残りがない 4点:ほとんど泡残りがない 3点:やや泡残りがある 2点:かなり泡残りがある 1点:泡が増えてくる[評価基準] ◎:平均値が、4.0点以上 ○:平均値が、3.0点以上、4.0点未満 △:平均値が、2.0点以上、3.0点未満 ×:平均値が、2.0点未満 なお、○及び◎が許容範囲内である。<乾きやすさの評価> 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、専門パネラー10名の手の平上に、殺菌清浄剤組成物をフォーマー容器から1g吐出し、手(手の平、手の指、及び手の甲)における擦り込みながら、殺菌清浄剤組成物が乾くまでの時間を測定した。専門パネラー10名の乾くまでの時間の平均値を算出し、この平均値に基づき、下記評価基準で評価した。結果を表1〜6に示す。[評価基準] ◎:殺菌清浄剤組成物が乾くまでの平均時間が30秒間未満 ○:殺菌清浄剤組成物が乾くまでの平均時間が30秒間以上60秒間未満 △:殺菌清浄剤組成物が乾くまでの平均時間が60秒間以上90秒間未満 ×:殺菌清浄剤組成物が乾くまでの平均時間が90秒間以上 なお、○及び◎が許容範囲内である。<安定性の評価> 殺菌清浄剤組成物の製造直後、組成物を50mLのガラス瓶に充填し、製造初期の温度25℃、相対湿度60%の条件下でのpH(以下、「製造初期pH」と称することがある)を測定した後、温度60℃の恒温槽で2週間保存した。2週間の保存後、再び、温度25℃、相対湿度60%の条件下で、該2週間の保存後の組成物のpH(以下、「経時pH」と称することがある)を測定した。前記製造初期pHと前記経時pHとの差を算出し、更に下記式1又は式2によりpH変化率を算出した。このpH変化率に基づき、下記評価基準で評価した。結果を表1〜6に示す。 経時pH≧製造初期pHのとき、 pH変化率(%)=(経時pH−製造初期pH)/製造初期pH×100 ・・・(式1) 経時pH<製造初期pHのとき、 pH変化率(%)=(製造初期pH−経時pH)/製造初期pH×100 ・・・(式2)[評価基準] ◎:pH変化率が1%未満 ○:pH変化率が1%以上2%未満 ×:pH変化率が2%以上 なお、○及び◎が許容範囲内である。<殺菌効果の評価> 対象菌として、大腸菌(Escherichia coli NBRC3972;独立行政法人製品評価技術基盤機構より入手)を用い、以下に示す定量的懸濁法にて各殺菌清浄剤組成物の殺菌効果を評価した。 前記対象菌を、SCD寒天培地(日本製薬株式会社製)を用いて37℃にて18時間培養した。前記SCD寒天培地上に形成されたコロニーを適量かきとって生理食塩水に懸濁し、108cfu/mLの菌濃度に調整し、試験菌液とした。なお、cfuとは、コロニー形成単位(Colony forming unit)を意味する。 前記試験菌液0.05mLを、各殺菌清浄剤組成物4.95mLに摂取し、攪拌しながら30秒間暴露した後、直ちにこの混合液をSCDLP液体培地(日本製薬株式会社製)で10倍に希釈し、不活化した。この不活化した液を「不活化液(A)」とする。前記不活化液(A)を更にSCDL液体培地(日本製薬株式会社製)で、100倍希釈(以下、「不活化液(B)」と称することがある)、1,000倍希釈(以下、「不活化液(C)」と称することがある)、及び10,000倍希釈(以下、「不活化液(D)」と称することがある)と、10倍段階希釈し、これらの不活化液(A)〜(D)各1mLを直径9cmのシャーレに採り、SCDLP寒天培地(日本製薬株式会社製)で混釈平板培養法にて37℃で24時間培養した。培養後、形成された全コロニーをカウントし、残存生菌数を測定した。コロニーが観測されない時は、検出限界の10未満とした。前記残存生菌数より下記判定基準で判定した。上記試験を3回行い、下記判定基準の平均値を算出し、この平均値に基づき下記評価基準で評価した。結果を表1〜6に示す。[判定基準] 5点:残存生菌数が検出限界(殺菌率約99.999%より大きい) 4点:残存生菌数が100cfu/mL未満(殺菌率約99.99%より大きく99.999%以下) 3点:残存生菌数が100cfu/mL以上1,000cfu/mL未満(殺菌率約99.9%より大きく99.99%以下) 2点:残存生菌数が1,000cfu/mL以上10,000cfu/mL未満(殺菌率約99%より大きく99.9%以下) 1点:残存生菌数が10,000cfu/mL以上(殺菌率約99%以下)[評価基準] ◎:平均値が、4.0点以上 ○:平均値が、3.0点以上、4.0点未満 △:平均値が、2.0点以上、3.0点未満 ×:平均値が、2.0点未満 実施例及び比較例に使用した原料は、以下のとおりである。<(A)成分>・塩化ベンザルコニウム:商品名「ニッサンカチオンF2−50E」、日油株式会社製、示性式:C6H5CH2N+(CH3)2R・Cl−、前記示性式においてRは、アルキル鎖長を表し、R=C12/C14=63/37(質量比)である。・塩化セチルピリジニウム:商品名「塩化セチルピリジニウム」、和光純薬工業株式会社製・塩化ベンゼトニウム:商品名「ハイアミン結晶」、三菱化学フーズ株式会社製<(B)成分>・POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油):商品名「EMALEX HC−60」、HLB14、エチレンオキサイドの平均付加モル数60、日本エマルジョン株式会社製・POE(80)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン(80)硬化ヒマシ油):商品名「EMALEX HC−80」、HLB15、エチレンオキサイドの平均付加モル数80、日本エマルジョン株式会社製・ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル:商品名「NIKKOL BS−20」、エチレンオキサイドの平均付加モル数20、日光ケミカルズ株式会社製・ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル:商品名「EMALEX 630」、エチレンオキサイドの平均付加モル数30、日本エマルジョン株式会社製・ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル:商品名「NIKKOL BC−20」、エチレンオキサイドの平均付加モル数20、日光ケミカルズ株式会社製・ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(20):商品名「NIKKOL BB−20」、エチレンオキサイドの平均付加モル数20、日光ケミカルズ株式会社製・ステアリン酸PEG−40(モノステアリン酸ポリエチレングリコール):商品名「EMALEX840」、HLB16、エチレンオキサイドの平均付加モル数40、日本エマルジョン株式会社製・ステアリン酸PEG−40グリセリル(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン):商品名「EMALEX GM−40」、HLB16、エチレンオキサイドの平均付加モル数40、日本エマルジョン株式会社製<(C)成分>・dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム:商品名「PCAソーダ」、味の素株式会社製・リジン:商品名「塩酸L−リジン」、味の素株式会社製・セリン:商品名「L−セリン」、協和発酵工業株式会社製<(D)成分>・エチルアルコール:商品名「95%一般エタノール」、コニシ株式会社製・イソプロピルアルコール:商品名「イソプロパノール」、甘糟化学産業株式会社製<(E)成分>・クエン酸:商品名「日本薬局方クエン酸水和物」、小松屋株式会社製<(F)成分>・クエン酸ナトリウム:商品名「日本薬局方クエン酸ナトリウム水和物」、小松屋株式会社製<共通成分>・メントール:商品名「l−メントール」、高砂香料工業株式会社製・ユーカリ油:商品名「日本薬局方ユーカリ油」、日本テルペン化学株式会社製・色素:商品名「黄色4号」、ダイワ化成株式会社製 本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。 <1> (A)塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、及び塩化ベンゼトニウムから選ばれる少なくとも1種の第4級アンモニウム化合物と、 (B)アルキル基の炭素数が16〜22であり、かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が20モル〜30モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、HLB9〜16のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、HLB9〜16のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、及びHLB9〜16のモノステアリン酸ポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種のノニオン性界面活性剤と、 (C)アミノ酸、アミノ酸塩、及びdl−ピロリドンカルボン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種と、 (D)炭素数1〜3のアルコールと、 (E)クエン酸と、 (F)クエン酸ナトリウムと、を含有し、前記(D)成分の含有量が20質量%〜45質量%であり、前記(E)成分と前記(F)成分との合計含有量が0.05質量%〜0.3質量%であり、フォーマー容器に充填してなり泡状に吐出されることを特徴とする洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物である。 <2> (F)成分と(E)成分との質量比(F)/(E)が、2〜4である前記<1>に記載の洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物である。 <3> フォーマー容器用である前記<1>から<2>のいずれかに記載の洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物である。 前記殺菌清浄剤組成物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、手(手の平、手の指、及び手の甲)用の殺菌清浄剤組成物として好適に利用可能である。また、前記殺菌清浄剤組成物は、ボディー用等の身体用としても利用可能である。その適用現場としては、例えば、病院、介護施設、厨房用途などが挙げられ、家庭においても好適に用いられる。 1 フォーマー容器 2、3 多孔質膜体 (A)塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、及び塩化ベンゼトニウムから選ばれる少なくとも1種の第4級アンモニウム化合物と、 (B)アルキル基の炭素数が16〜22であり、かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が20モル〜30モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、HLB9〜16のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、HLB9〜16のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、及びHLB9〜16のモノステアリン酸ポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種のノニオン性界面活性剤と、 (C)アミノ酸、アミノ酸塩、及びdl−ピロリドンカルボン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種と、 (D)炭素数1〜3のアルコールと、 (E)クエン酸と、 (F)クエン酸ナトリウムと、を含有し、前記(D)成分の含有量が20質量%〜45質量%であり、前記(E)成分と前記(F)成分との合計含有量が0.05質量%〜0.3質量%であり、フォーマー容器に充填してなり泡状に吐出されることを特徴とする洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物。 (E)成分と(F)成分との質量比(F)/(E)が、2〜4である請求項1に記載の洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物。 【課題】皮膚刺激が少ない弱酸性におけるpH安定性と即効性のある十分な殺菌効果とを両立でき、更に、適度な泡の保形性を有し、かつ、適度な時間で消泡して泡が後残りせず、乾きやすい、使用性に優れた洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物の提供。【解決手段】(A)第4級アンモニウム化合物と、(B)ノニオン性界面活性剤と、(C)アミノ酸、アミノ酸塩、及びdl−ピロリドンカルボン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種と、(D)炭素数1〜3のアルコールと、(E)クエン酸と、(F)クエン酸ナトリウムと、を含有し、前記(D)成分の含有量が20質量%〜45質量%であり、前記(E)成分と前記(F)成分との合計含有量が0.05質量%〜0.3質量%であり、フォーマー容器に充填してなり泡状に吐出される洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物である。【選択図】なし


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