生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_プラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータおよびインク組成物
出願番号:2012109327
年次:2014
IPC分類:A61L 2/26,C09D 11/00,A61L 2/14,G01N 21/77


特許情報キャッシュ

新谷 英晴 齋藤 達也 JP 5465749 特許公報(B2) 20140131 2012109327 20120511 プラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータおよびインク組成物 レーベン・ジャパン株式会社 512124119 舘野 千惠子 100090527 新谷 英晴 齋藤 達也 20140409 A61L 2/26 20060101AFI20140319BHJP C09D 11/00 20140101ALN20140319BHJP A61L 2/14 20060101ALN20140319BHJP G01N 21/77 20060101ALN20140319BHJP JPA61L2/26 CC09D11/00A61L2/14G01N21/77 D A61L 2/00−2/26 CAplus/REGISTRY(STN) JSTPlus(JDreamIII) 特開2012−101109(JP,A) 特開2005−315828(JP,A) 特表2004−513667(JP,A) 特開2004−203464(JP,A) 5 2013233387 20131121 8 20120529 岡谷 祐哉 本発明はプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータに関し、特に窒素ガスプラズマ滅菌における滅菌化学種を検知するプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータに関する。 医療機関や研究施設などで使用される各種の器具や装置等に対しては、すべての微生物を死滅させるための滅菌処理が行われる。 従来の滅菌処理の方法としては、例えば、高圧蒸気滅菌、ホルムアルデヒドガス滅菌、過酸化水素ガス滅菌、過酢酸剤ガス滅菌、二酸化塩素ガス滅菌等が知られている。 また、過酸化水素プラズマ滅菌処理として、過酸化水素等の酸化性ガス雰囲気下でプラズマを発生させ、過酸化水素による殺菌を行う方法も知られている。 滅菌処理においては、滅菌後の残留物が無いことや、素材の劣化や浸食が生じないこと等が求められる。そのような要求を満たす滅菌方法として、近年、窒素ガス雰囲気下、または窒素ガス及び酸素ガスの混合ガス雰囲気下で、電磁パルスによりプラズマ照射を行い、励起されたラジカル種のみで滅菌を行う滅菌器が提案されている。この滅菌器のラジカル生成源は、窒素ガス、または窒素ガスと酸素ガスとの混合ガスであるため、人体に対する害が無く、安全性の面でも有利である。 従来の一般的な滅菌処理と同様に、プラズマ滅菌器による滅菌処理においても、滅菌処理の前後の被処理物の外観から滅菌処理の完了が確認できないため、滅菌工程を経たことを確認可能なケミカルインジケータ等の確認手段が必要である。 従来の過酸化水素プラズマ滅菌に用いられる過酸化水素プラズマ滅菌検知用インジケータ(例えば、特許文献1、2参照)としては、過酸化水素プラズマ滅菌において発生するラジカルにより変色すると称されるケミカルインジケータが提案されている。 一方、上記の窒素ガス、または窒素ガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気下のプラズマ滅菌(以下、「窒素ガスプラズマ滅菌」という)において発生する主たる滅菌化学種は、一酸化窒素(NO)ラジカル、過酸化亜硝酸(ペルオキシナイトライト,OONO)ラジカルならびに準安定状態の窒素酸化物等の活性窒素種(メタステーブル窒素)およびOHラジカルである。 一酸化窒素ラジカルを検出することにより変色する変色剤としては、生体内の一酸化窒素の定量に用いられる蛍光物質が知られている(例えば、非特許文献1〜3参照)。しかしながら、窒素ガスプラズマ滅菌化学種である活性窒素種を検出し、可視光で視認可能な変色を示す変色剤は知られていない。特開2004−101388号公報特開2005−315828号公報Halliwell, B and Gutteridge, J.M.C,(2010) “Free Radicals in Biology and Medicine”, 4th edition, Oxford University Press, Oxford, UK, pp.286Suzuki N et al., (2002) “Orthogonality of calcium concentration and ability of 4,5-diaminofluorescein to detect NO.” J Biol Chem. 4;277(1):47-49.Iain Johnson, Michelle T.Z. Spence,(2010) “Molecular Probes Handbook, A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies”, 11th Edition, Section 18.3 Probes for Nitric Oxide Research. 一方、ESR(電子スピン共鳴法)等による化学種の特定のための分析に用いられるラジカル捕捉剤も知られているが、ESRによる分析を行うことなく活性窒素種を可視的にかつ容易に検出する手段はまだ提案されていない。 窒素ガスプラズマ滅菌において発生する主たる滅菌化学種である、一酸化窒素(NO)ラジカル、過酸化亜硝酸(ペルオキシナイトライト、OONO)ラジカル、準安定状態の窒素酸化物等の活性窒素種を特異的に検出し、かつ結果の視認性に優れたプラズマ滅菌検知ケミカルインジケータが求められているが、未だそのようなインジケータは提供されていないのが現状である。 そこで、本発明は上記課題を鑑み、窒素ガスプラズマ滅菌器による滅菌処理時に発生する主たる滅菌化学種である活性窒素種を特異的に検出し、かつ容易に色の変化として検知可能なプラズマ滅菌検知ケミカルインジケータを提供することを目的とする。 本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、N−(ジチオカルボキシ)サルコシン,二ナトリウム塩,二水和物(DTCS Na)と、ブロモクレゾールグリーン又はその塩とを含むインク組成物を用いることにより、窒素ガスプラズマ滅菌における滅菌化学種である活性窒素種により特異的に変色するプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータが得られることを見いだした。 本発明は、ガスプラズマ滅菌に用いられるプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータであって、疎水性担体上に、N−(ジチオカルボキシ)サルコシン,二ナトリウム塩,二水和物(DTCS Na)とブロモクレゾールグリーン又はその塩とを含むインク組成物と、接着剤とで作製されたインク層が形成され、当該インク層が活性窒素種により変色することを特徴とするプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータである。 ここで、プラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータは、活性窒素種を発生する滅菌器に用いられる滅菌検知用ケミカルインジケータであれば何にでも用い得るが、特に窒素ガスプラズマ滅菌器に用いられる滅菌検知用ケミカルインジケータであることが好ましい。 本発明によれば、窒素ガスプラズマ滅菌器による滅菌処理時に、発生した活性窒素種を特異的に検出し、かつ容易に検知可能なプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータを提供することができる。 また本発明のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータは、空気に曝露されても酸化や可逆反応が起こりにくいため、信頼性の高いプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータとして機能する。 以下、本発明のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータについて説明する。 本発明のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータは、疎水性担体上に、N−(ジチオカルボキシ)サルコシン,二ナトリウム塩,二水和物(DTCS Na)とブロモクレゾールグリーン又はその塩とを含むインク組成物と、接着剤とで作製されたインク層が形成され、当該インク層がプラズマ滅菌器の活性化学種である活性窒素種によって変色する。 活性窒素種としては、例えば、一酸化窒素(NO)ラジカル、過酸化亜硝酸(ペルオキシナイトライト、OONO)ラジカルならびに準安定状態の窒素あるいは準安定状態の窒素酸化物などが挙げられる。 変色の機構については必ずしも明確ではないが、活性窒素種のNOがNO2に酸化され、同時にブロムクレゾールグリーンのカルボニル基が還元されてフェノール性の水酸基となり黄変したと考えられる。〔インク組成物〕 本発明のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータのインク層を形成するインク組成物は、窒素ガスプラズマ滅菌において生成する活性窒素種を捕捉する基剤であるN−(ジチオカルボキシ)サルコシン,二ナトリウム塩,二水和物(DTCS Na)と、ブロモクレゾールグリーン又はその塩と、溶剤を含む。 DTCS Naは、水溶性が高く、従来から生体組織中のNO測定に用いられているものである。本発明においては、このDTCS Naと特定の色素とを組み合わせて用いることで、DTCS Naがプラズマ照射により生成した活性窒素種と特異的に反応し、還元反応により青から緑色であるブロモクレゾールグリーンの色が黄色に変色する。この変色により活性窒素種の存在を検知することができ、滅菌工程が行われたことを視認することができる。 インク組成物中のDTCS Naの配合量は、0.05〜5.0重量%が好ましく、0.1〜2.5重量%がより好ましい。少なすぎると、活性窒素種の捕捉が不十分であり、多すぎると、変色の視認性の改善に変化は無く、未反応物が残留する可能性があり、いずれも変色が不十分となる。 ブロモクレゾールグリーンは、ナトリウム塩などの金属塩であっても良く、その配合量は、0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。少なすぎると、変色の視認性が不良となり、多すぎると、変色の視認性の改善に変化は無く、未反応物が残留する可能性がある。 インク組成物中のDTCS Na(A)とブロモクレゾールグリーン又はその塩(B)との配合割合は、重量比で、(A:B)=(1:0.2)〜(1:20)が好ましく、(A:B)=(1:0.4)〜(1:10)がより好ましい。ブロモクレゾールグリーン又はその塩(B)の割合が少なすぎると変色の視認性が不良となり、多すぎると、還元されないブロモクレゾールグリーン又はその塩が残留するため、いずれも変色が不十分となる。 溶剤としては、インク組成物に配合される成分の溶解性を考慮して適宜選択することができ、例えばエタノール、メタノール、酢酸エチル、イソプロパノール、n−プロパノール、トルエン、シクロヘキサン、酢酸−n−プロピルなどが挙げられるが、発色剤の安定性や形成したインク層の乾燥効率の観点から、イソプロパノールが好ましい。 本発明のインク組成物は、上記のラジカルを捕捉する捕捉剤、発色剤、及び適宜選択されたその他の成分を溶剤に溶解して調製することができる。配合されるその他の成分としては、例えば、増量剤、可塑剤、分散剤、安定剤、増粘剤等の公知のインク組成物に用いられる成分が挙げられる。これらの成分のうち、溶剤以外の成分を溶剤に、同時又は順次配合し、公知の印刷用インク組成物の調製に用いられている攪拌機等の器具を用い、公知の混練方法等により均質に混合することにより、インク組成物を調製することができる。 本発明のインク層の形成に当たっては、上記インク組成物と接着剤(バインダー)とを混合したものを用いる。インク組成物とバインダーとの混合割合は、後述する疎水性担体の材質や求められる耐久性などに応じて適宜選択することができるが、1:0.1〜1:10(重量比)が好ましく、特に1:0.2〜1:5で用いられる。 バインダーとしては、ブロモクレゾールグリーン又はその塩の発色に影響を与えない限り、公知の印刷用インクの調製に用いられる合成樹脂などを適宜選択することができるが、前記ラジカルを捕捉する基剤と前記発色剤の担持体として、前記疎水性担体表面に強固に付着ないし接着するものが好ましい。 例えば、インク組成物としての安定性の観点から、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等が挙げられ、具体的にはVERSAMID PUR 1010(コグニス社製)が好ましい。 得られたインク組成物とバインダーの混合物を疎水性担体上に印刷することにより、インク層を形成する。インク組成物とバインダーは、混合後速やかに印刷することが好ましい。 印刷方法としては、公知の印刷方法、例えば、インクジェット法、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等の方法が挙げられる。 印刷後、形成されたインク層に対し、75〜80℃で乾熱乾燥を行うことにより、ラミネーションコーティングが行われる。 インク層形成に用いられるインク組成物の量としては特に制限はなく、検知結果が視認できるように適宜選択することができるが、不揮発分(DTCS Naとブロモクレゾールグリーン又はその塩の合計量)に換算して0.01〜4g/cm2が好ましく、0.05〜2g/cm2がより好ましい。〔疎水性担体〕 前記インク層が形成される疎水性担体について説明する。 本発明のケミカルインジケータは内部に被滅菌物を収納する滅菌用包装材料(滅菌バッグ)の表面あるいは、該滅菌バッグ内にあって用いられる。 疎水性担体としては疎水性の高分子シートであれば特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等が挙げられ、特にそれらの不織布が好ましい。 実使用においては、疎水性担体は、滅菌バッグ表面の一部をなし、ガス透過性の不織布により構成される滅菌可能な領域、すなわちプラズマ滅菌処理に際して、有効成分である窒素ガスまたは窒素ガス及び酸素ガスの混合ガスを透過させ、かつ菌は透過させない透過性を有する不織布からなる領域が好ましい。収納滅菌用包装材料の全体をそのようなガス透過性の不織布で構成することもできるが、コスト、強度、内容物の視認性等の観点から、例えば、袋状に成形された収納滅菌用包装材料の一方の面を該不織布で構成し、他方の面を透明な合成樹脂製シートなどで構成することもできる。 かかる不織布としては、例えば、高密度ポリエチレンからなるフラッシュ紡糸不織布であるTyvek1073B(タイベック:登録商標、旭・デュポン株式会社製)などが挙げられる。 また、疎水性担体はスティック状あるいはシート状であってもよい。この場合は滅菌バッグの内部に収納して用いられる。〔プラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータ〕 本発明のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータは、前記疎水性担体上に、前記ラジカルを捕捉する基剤としてDTCS Na、前記発色剤としてブロモクレゾールグリーン又はその塩とを含む前記インク組成物と、接着剤とで作製されたインク層が形成され、当該インク層が活性窒素種により変色することにより、窒素ガスプラズマ滅菌処理が行われたことを検知することができる。 疎水性担体が、滅菌用包装材料(滅菌バッグ)表面の一部(例えばポリエチレン不織布)である場合は、被滅菌物をプラズマ滅菌装置の雰囲気内に入れた際に主たる化学種が滅菌バッグに接触したことをケミカルインジケータとして視認できる。 また疎水性担体が滅菌バッグ内に収納可能な程度に小さいスティック状あるいはシート状の場合は、被滅菌物を入れた滅菌バッグの中にきちんと主たる化学種が接触したこと、すなわち滅菌バッグ内部に浸透したことをケミカルインジケータの変色結果から確認でき、このことは被滅菌物が確実に滅菌工程を通過したことを意味する。 本発明のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータを適用可能な窒素ガスプラズマ滅菌装置としては、例えば、日本ガイシ社製の窒素ガスプラズマ滅菌器が挙げられる。この窒素ガスプラズマ滅菌器において発生する主たる滅菌化学種は、一酸化窒素(NO)ラジカル、過酸化亜硝酸(ペルオキシナイトライト,OONO)ラジカルならびに準安定状態の窒素酸化物等の活性窒素種(メタステーブル窒素)およびOHラジカルであることがわかった(Shintani,H.,Biocontrol Science,Vol.12,No.4,131-143(2007)。特にTABLE 2.およびTABLE 3.参照)。 本発明のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータは、プラズマ照射による滅菌化学種の発生を検知することにより、滅菌物が滅菌工程を通過したか否かを区別するために使用されるプロセスインジケータである。すなわち、ISO 11140−1による化学的インジケータのクラス分類のクラス1に分類されるものである。 以下、本発明のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータを具体的な実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。実施例1(滅菌バッグ表面のケミカルインジケータ)(1)インク組成物の調製 以下に示す成分(A)を攪拌機を用いて十分に混合してインク組成物を調製した後、(A)と(B)を1:1(重量比)の割合で混合して印刷用インクを得た。(A)インク成分 ・DTCS Na 0.4質量部 ・ブロモクレゾールグリーンナトリウム塩 0.8質量部 ・イソプロパノール 78質量部(B)接着剤(バインダー) ・VERSAMID(登録商標) PUR 1010(コグニス社製)(2)インク層の形成 滅菌バッグとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレン(PE)からなる積層フィルム(三栄産業株式会社製)と高密度ポリエチレン不織布(タイベック(登録商標)1073B、旭・デュポン株式会社製)とを熱圧着して貼合した専用滅菌バッグを用いた。 上記(1)で調製した印刷用インクを使用し、滅菌バッグの高密度ポリエチレン不織布からなる面にグラビア印刷法にて印刷を行い、インク層を形成した。 グラビア印刷は手動グラビア印刷機を用いて、レーザー製版160〜180線/インチ、版深20〜30μmに設定してグラビア印刷を行った。印刷されたインク量(乾燥後)は0.4g/cm2であった。 形成したインク層に対し、79℃で乾熱乾燥を行った後、80℃で1分間再加熱してラミネーションフィルムコーティングした。(3)プラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータの評価 上記(2)でインク層を形成して得られたプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータを、窒素ガスプラズマ滅菌器(日本ガイシ株式会社製)に投入し、窒素ガスを以下の条件でプラズマ化させる。(滅菌稼働条件) 電源:40mJ/パルス, 電圧:14.5kV, 電流:32A, 周波数:1kHz, 温度:48−60℃, 窒素流速:1.5L/分、 気圧:1/3気圧 以上の滅菌器稼働条件で窒素ガスをプラズマ化し、発生するラジカルによって滅菌処理を行い、プラズマ曝露20分経過後のインク層の色の変化を目視により観察した。 その結果、滅菌処理前には青から緑色であったインク層の色が、黄色に変化していることが確認された。 以上のことから、病院の作業員などで、フリーラジカルに関して十分な知識がなくても、色の変化で容易に滅菌できたか否かを判別することが可能となった。 本発明のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータによれば、窒素ガスプラズマ滅菌器による滅菌処理時に、発生する活性窒素種を特異的に検出し、かつ容易に検知可能であり、被滅菌物に対しプラズマ滅菌処理が行われたか否かを目視で容易かつ明確に判定することができ、クラス1レベルのケミカルインジケータ(化学指標、ISO 11140、化学指標に関する国際規格)の作成が達成されたということになる。ここでクラス1と言うのは、滅菌プロセス上である一定のバリデートされた値に到達した瞬間から変色が起こるケミカルインジケータのことである。実施例2(スティックタイプのケミカルインジケータ) 厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を50mm×10mmの短冊状に裁断する。 一方、実施例1におけると同様に、高密度ポリエチレン不織布シートにインク層を形成してケミカルインジケータ材とし、このケミカルインジケータ材を10mm×10mmの短冊状に裁断する。 上記のポリエチレンテレフタレート(PET)とケミカルインジケータ材のそれぞれの端部を接着剤(フジアット11−3(株式会社T&K TOKA製))で接着した後、乾燥してスティックタイプのケミカルインジケータを得た。 得られたケミカルインジケータを滅菌バッグ内に入れ、実施例1におけると同様に評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。 ガスプラズマ滅菌に用いられるプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータであって、 疎水性担体上に、N−(ジチオカルボキシ)サルコシン,二ナトリウム塩,二水和物とブロモクレゾールグリーン又はその塩とを含むインク組成物と、接着剤とで作製されたインク層が形成され、該インク層が活性窒素種により変色することを特徴とするプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータ。 プラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータが、窒素ガスプラズマ滅菌器に用いられるプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータ。 前記疎水性担体が、内部に被滅菌物を収納する滅菌用包装材料の少なくとも一部であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータ。 前記インク層が、印刷により形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータ。 請求項1〜4のいずれかに記載の活性窒素種により変色するプラズマ滅菌検知用ケミカルインジケータに用いられるインク組成物であって、 N−(ジチオカルボキシ)サルコシン,二ナトリウム塩,二水和物と、ブロモクレゾールグリーン又はその塩と、溶剤を含むことを特徴とするインク組成物。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る