生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_被験者の肌質を判定する方法及び該方法に基づく化粧品の提供方法
出願番号:2012101355
年次:2013
IPC分類:C12Q 1/68,C12N 15/09,A61K 8/97,A61Q 19/00,A61K 8/49,A61K 8/34


特許情報キャッシュ

宮下 忠芳 伝宝 幸三 今村 彰啓 荻原 和真 中川 真理子 石川 亜紀子 佐藤 由香沙 澤田 希和 荒川 充 JP 2013226096 公開特許公報(A) 20131107 2012101355 20120426 被験者の肌質を判定する方法及び該方法に基づく化粧品の提供方法 株式会社ディーエイチシー 599098518 奥山 尚一 100099623 有原 幸一 100096769 松島 鉄男 100107319 河村 英文 100114591 中村 綾子 100125380 森本 聡二 100142996 角田 恭子 100154298 田中 祐 100166268 徳本 浩一 100170379 渡辺 篤司 100161001 児玉 真衣 100179154 宮下 忠芳 伝宝 幸三 今村 彰啓 荻原 和真 中川 真理子 石川 亜紀子 佐藤 由香沙 澤田 希和 荒川 充 C12Q 1/68 20060101AFI20131011BHJP C12N 15/09 20060101ALI20131011BHJP A61K 8/97 20060101ALI20131011BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20131011BHJP A61K 8/49 20060101ALI20131011BHJP A61K 8/34 20060101ALI20131011BHJP JPC12Q1/68 AC12N15/00 AA61K8/97A61Q19/00A61K8/49A61K8/34 7 OL 22 4B024 4B063 4C083 4B024AA11 4B024CA04 4B024HA14 4B063QA01 4B063QA12 4B063QA18 4B063QQ02 4B063QQ42 4B063QR32 4B063QR40 4B063QR62 4B063QR72 4B063QS25 4B063QS34 4B063QX02 4C083AA03 4C083AA031 4C083AA111 4C083AA112 4C083AA122 4C083AB032 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC302 4C083AC392 4C083AC422 4C083AC432 4C083AC442 4C083AC532 4C083AC662 4C083AC85 4C083AC851 4C083AD092 4C083AD152 4C083AD302 4C083AD53 4C083AD531 4C083AD572 4C083CC04 4C083CC05 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD31 4C083EE10 本発明は、遺伝子検査により被験者の肌質を判定する方法に関し、更に、該遺伝子検査により判明した被験者の肌質に適した化粧品を提供する方法に関する。 肌のコンディションは生理的要因や環境的要因の影響が大きく、肌トラブルには形状的な現象(シワなど)、色調的な現象(シミ、そばかすなど)、感受性による現象(敏感肌など)がある。従来のスキンケアは、これらのすでに症状が現れている肌トラブルに対する対処療法的なものであった。 近年、肌トラブルに関係する遺伝子が発見され、特定の遺伝子が変異を起こしているとシワ、シミ、ソバカス、乾燥肌などの肌トラブルが生じやすくなることが判明してきた。また、遺伝子検査により肌質を明らかにすることで、肌に潜むリスクまでケアし、予防的に肌トラブルを生じにくくすることが提案されている。 例えば、特許文献1には、ヒトメラノサイト刺激ホルモン1受容体(MC1R)遺伝子におけるSNP(一塩基多型)を検出することにより、MC1Rの所定のアミノ酸変異の有無を分析することで、皮膚におけるシミもしくはソバカスの発生確率の高さを鑑別できることが開示されている。また、当該文献には上記鑑別方法で得られた結果に基づいて化粧品を選択し得ることが開示されている。また、特許文献2には、プロフィラグリンの遺伝子型を鑑別することによって、皮膚の異常状態を生じ易い個体の素因を判定することができることが開示されている。 しかしながら、各個人に適した肌のケア方法の選定に役立てるためには、主要な肌トラブルに関するリスクをより網羅的に判定できることが望ましいと考えられる。様々な肌トラブルリスクを判定できるような、遺伝子検査に基づいた肌質の判定方法、及び、該遺伝子検査により判明した肌質に基づいた各個人に適した化粧品の提供が、未だ求められているのが現状である。特許第4817666号公報特許第4099068号公報 本発明は、シワ、シミ、及び、敏感肌を生じるリスクに関する各個人の肌質を、複数の遺伝子の遺伝子型に基づいて判定する方法を提供すること、及び、上記判定に基づいて各個人の肌質に適した化粧品を提供することを課題とする。 上記課題を解決するにあたり、本発明者らは鋭意検討を行った結果、4種類の遺伝子(MMP1遺伝子、ASIP遺伝子、Filaggrin遺伝子、及び、SPINK5遺伝子)の遺伝子型を調べることにより、特に女性が気になる3種類の肌トラブル要因である、シワ、シミ(そばかす)、敏感肌(乾燥から生じるトラブル肌)を生じるリスクに関して、肌質を詳細にかつ効率的に判定できることを見出した。更に本発明者らは、上記4種類の遺伝子の遺伝子型により分類される各個人の肌質に適した、有効成分の選択について鋭意研究を重ねた。その結果、厳選した特定の有効成分を、適宜組み合わせて選択することで、今後発症する可能性がある潜在的なシワ、シミ、及び/又は、敏感肌といった肌トラブルをケアするために適した肌リスク対応化粧品を提供できることを見出し、本発明の完成に至った。 上記3種類の肌トラブル要因の1つであるシワは、皮膚組織のなかでも最も内側に位置する真皮層の状態により発生する。真皮層はコラーゲンとエラスチンという2種類のタンパク質が絡みあって構成されており、これらのタンパク質群の調整に関わる遺伝子がシワのリスクに関わっていると推測されている。MMP1はコラーゲンを分解するタンパク質分解酵素の一つであり、真皮層でコラーゲンの代謝をになっている(Chung J.H.Photodermatol Photoimmunol Photomed 19,109−21,2003)。紫外線等の刺激によりMMP1遺伝子の発現は上昇し、真皮層のコラーゲンが分解され、シワが発生する。MMP1は遺伝子型により、発現が変化することが知られており(Fujimoto et al.J Biol Chem.277,6296−302,2002)、発現が上昇しやすい遺伝子型を持つ人ではシワのリスクが高くなると考えられる。遺伝子型と真皮層のコラーゲンやエラスチンの量については他に報告がなく、シワのリスクを判定するためにMMP1の遺伝子型を調べることが重要であると考えられる。 また、シミやソバカスは、肌におけるメラニンバランスの調整が主な原因と考えられる。シミやソバカスなどに影響するとされる遺伝子は多くあるが、実際にこれらの現象との関連が示唆されており、さらにメラニンバランスの調整における働きが分かっている遺伝子としてはASIPとMC1Rがある(Rees J.L.Am.J.Hum.Genet.75,739−751,2004)。今回、本発明者らは、これまでは明らかとされていなかった日本人でのASIPの遺伝子型の分布を調査した結果、日本人では7割の人がシミやソバカスのリスクが高いと推測される遺伝子型であることがわかった。これはMC1Rでリスクがあると推測される遺伝子型を持つ人の割合(2割)を大きく上回る頻度であり、ASIPの遺伝子型を調べることでシミやソバカスのリスクのある人をより多くカバーすることができると考えられる。 また、敏感肌は、表皮の最も外側に位置する角質層の状態がわるくなると現れやすくなる。角質層は、皮膚組織において基底層の細胞が順次発達していった最終形態であり、この発達過程、及び角質層における保湿機能に重要なのがフィラグリンタンパク質である。このフィラグリンのタンパク質量を正常に保つのに重要な遺伝子がFilaggrin及びSPINK5である。どちらの遺伝子も一塩基多型によるアトピー性皮膚炎との関連が示唆されており、遺伝子型による角質層の形成への影響が知られている(Enomoto H.et al.J.Hum.Genet.53,615−621,2008、Kato A.et al.Br.J.Dermatol.148,665−669,2003、及び、Nishio Y.et al.Genes Immun.4,515−517,2003)。アトピー性皮膚炎との関連が示唆されている遺伝子は多くあるものの、表皮の機能への影響が不明なものも多く、血液中の炎症反応に関する因子も知られている。しかし角質層の構造そのものへの影響が知られているものは少ない。そのような中でFilaggrin及びSPINK5を調べることは角質層の状態が影響する敏感肌の遺伝的素因を知る上で重要であると考えられる。 すなわち、本発明に係る第一の形態は、被験者から単離した生体試料について、MMP1遺伝子、ASIP遺伝子、Filaggrin遺伝子、及び、SPINK5遺伝子の遺伝子型を決定し、決定された各々の遺伝子型に基づき、被験者がシワを生じるリスクが高い肌質であるか否か、シミを生じるリスクが高い肌質であるか否か、及び、敏感肌となるリスクが高い肌質であるか否かを判定する、被験者の肌質を判定する方法である。 前記被験者の肌質を判定する方法では、前記遺伝子型の決定において、配列番号1の3471番目の塩基における多型を検出することによりMMP1遺伝子の遺伝子型を決定し、配列番号2の434番目の塩基における多型を検出することによりASIP遺伝子の遺伝子型を決定し、配列番号3の7661番目の塩基における多型を検出することによりFilaggrin遺伝子の遺伝子型を決定し、配列番号4の1258番目の塩基における多型を検出することによりSPINK5遺伝子の遺伝子型を決定することが好ましい。 前記被験者の肌質を判定する方法では、前記判定において、MMP1遺伝子の遺伝子型が配列番号1の3471番目の塩基において1G/2G又は2G/2Gである場合に、被験者がシワを生じるリスクが高い肌質であると判定し、ASIP遺伝子の遺伝子型が配列番号2の434番目の塩基においてA/Aである場合に、被験者がシミを生じるリスクが高い肌質であると判定し、Filaggrin遺伝子の遺伝子型が配列番号3の7661番目の塩基においてC/G又はG/Gである、及び/又は、SPINK5遺伝子の遺伝子型が配列番号4の1258番目の塩基においてA/A又はA/Gである場合に、被験者が敏感肌となるリスクが高い肌質であると判定することが好ましい。 前記被験者の肌質を判定する方法では、前記判定において、被験者の肌質を、(i)シワ及びシミを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが低い肌質、(ii)敏感肌となるリスクが高い肌質、(iii)シミを生じるリスクが高い肌質、(iv)シミを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質、(v)シワを生じるリスクが高い肌質、(vi)シワを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質、(vii)シワ及びシミを生じるリスクが高い肌質、又は、(viii)シワ及びシミを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質、の8タイプのいずれかであると判定することが好ましい。 また、本発明に係る第二の形態は、上記第一の形態の被験者の肌質を判定する方法により判定された肌質に基づき、該被験者の有するシワ、シミ、及び/又は敏感肌のリスクに対応させた有効成分を含有する化粧品を該被験者に提供する、化粧品の提供方法である。 前記化粧品の提供方法では、前記化粧品の提供が、前記被験者の有するシワ、シミ、及び/又は敏感肌のリスクに対応させて、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、加水分解酵母エキス、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、カンゾウ根エキス、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から1種以上の有効成分を選択し、選択した有効成分を含有させた化粧品を前記被験者に提供することにより行われることが好ましい。 前記化粧品の提供方法では、前記化粧品の提供が、(ii)敏感肌となるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分を含有する化粧品を提供し、(iii)シミを生じるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分を含有する化粧品を提供し、(iv)シミを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供し、(v)シワを生じるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分を含有する化粧品を提供し、(vi)シワを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供し、(vii)シワ及びシミを生じるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供し、(viii)シワ及びシミを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供することにより行われることが好ましい。 本発明によれば、シワ、シミ、及び、敏感肌を生じるリスクに関する各個人の肌質を、複数の遺伝子の遺伝子型に基づいて判定することが可能となり、また、上記判定に基づいて各個人の肌質に適した化粧品を提供することが可能となる。(肌質の判定方法) 本発明に係る第一の形態は、肌質の判定方法である。第一の形態に係る肌質の判定方法は、被験者から単離した生体試料について、MMP1遺伝子、ASIP遺伝子、Filaggrin遺伝子、及び、SPINK5遺伝子の遺伝子型を決定し、決定された各遺伝子型に基づき、被験者がシワを生じるリスクが高い肌質であるか否か、シミを生じるリスクが高い肌質であるか否か、及び、敏感肌となるリスクが高い肌質であるか否かを判定する。 上記の遺伝子型の決定においては、3種類の肌トラブル要因との関連が示唆できる4種類の遺伝子の遺伝子型を決定する。ここでの3種類の肌トラブル要因とは、シワ、シミ、及び、敏感肌を指し、4種類の遺伝子とは、MMP1遺伝子、ASIP遺伝子、Filaggrin遺伝子、及び、SPINK5遺伝子を指す。すなわち、シワのリスクに関してはMMP1遺伝子の遺伝子型を決定し、シミのリスクに関してはASIP遺伝子の遺伝子型を決定し、敏感肌のリスクに関しては、Filaggrin遺伝子及びSPINK5遺伝子の遺伝子型を決定する。上記したような特定の4種類の遺伝子の遺伝子型を網羅的に検査することで、特に女性が気になる3種類の肌トラブル要因であるシワ、シミ、敏感肌を生じるリスクについて、各個人の肌質を総合的に判定することが可能となる。 なお、本明細書において、遺伝子型とは、一塩基多型(SNP)やマイクロサテライトのような遺伝的多型のことを指し、DNA塩基配列における変異により生じる個体差のことを指す。この遺伝的多型の存在により、個体間で遺伝子の働きに違いが生じる結果として、個体差を生じることが知られている。 シワのリスクに関しては、MMP1遺伝子の遺伝子型を判定する。この遺伝子はMMP1タンパク質(マトリックスメタロプロテアーゼ1タンパク質)をコードする。このタンパク質はコラーゲンを分解する酵素の一つで、真皮で発現し、真皮層を支えるコラーゲンを分解する(Chung J.H.(上述))。MMP1遺伝子の転写調節領域にあるSNPは、Gがひとつ挿入されるか、されないかの違いであり、Gが多い場合、転写因子との結合が強くなり、MMP1タンパク質の産生量が多くなる(Fujimoto T.et al.(上述))。このため、真皮層のコラーゲン分解が進行し、シワが形成されやすくなる。これらのことから、本発明ではMMP1遺伝子を、シワのリスクに関する遺伝的要因を判定する遺伝子とする。 MMP1遺伝子については、配列番号1の3471番目の塩基における多型を検出することが好ましい。具体的には、配列番号1の3471番目の塩基がG(1G)であるか、或いはGが更にひとつ挿入されたGG(2G)であるかを検出することにより、MMP1遺伝子の遺伝子型を決定することができる。当該塩基の対立遺伝子における遺伝子型が1G/2G、或いは2G/2Gのホモである場合、シワのリスクが高いと判定することができる。一方で、当該塩基の対立遺伝子における遺伝子型が1G/1Gのホモである場合、シワのリスクは低いと判定することができる。なお、上記の多型箇所はプロモーター領域に存在するため、配列番号1には、MMP1の全領域を含む15326塩基のゲノム配列を示している。配列番号1における塩基番号はゲノム配列の最初の塩基を1としてカウントされている。 シミのリスクに関しては、ASIP遺伝子の遺伝子型を判定する。この遺伝子はASIPタンパク質(アゴーチタンパク質)をコードする。このタンパク質は黒色メラニン合成に対して抑制的に働くが(Rees J.L.(上述))、434A/Aの場合にシミが現れやすいことが報告されている。(Sulem P.et al.Nat.Genet.40,835−837,2008、及び、Voisey J.et al.Pigment Cell Res.19,226−231,2006)。なお、これまで日本人での各遺伝子型の頻度についての報告はなかったため、本発明者らは被験者によるモニター調査を実施した。ASIPの人口頻度については、シミやソバカスのリスクが「低い」と考えられる434G/G、434A/Gがそれぞれ2%、26%、シミやソバカスのリスクが「高い」と考えられる434A/Aが72%となった。本発明ではASIP遺伝子を、シミのリスクに関する遺伝的要因を判定する遺伝子とする。 ASIP遺伝子については、配列番号2の434番目の塩基における多型を検出することが好ましい。具体的には、配列番号2の434番目の塩基がAであるかGであるかを検出することにより、ASIP遺伝子の遺伝子型を決定することができる。当該塩基の対立遺伝子における遺伝子型がA/Aのホモである場合、シミのリスクが高いと判定することができる。一方で、当該塩基の対立遺伝子における遺伝子型がA/G或いはG/Gのホモである場合には、シミのリスクは低いと判定することができる。なお、上記の多型箇所は3’UTR(3’非翻訳領域)に存在するため、配列番号2には、ASIPの転写開始位置から転写終了箇所に相当する部分までのゲノム配列を示している。配列番号2における塩基番号は、mRNA配列の始めを1として、エキソン、イントロンも含めてカウントされている。 敏感肌のリスクに関しては、Filaggrin遺伝子、及び、SPINK5遺伝子の遺伝子型を判定する。Filaggrin遺伝子はフィラグリンタンパク質の前駆体プロフィラグリンをコードしており、SPINK5遺伝子はセリンプロテアーゼ阻害因子(LEKTI)の前駆体タンパク質をコードしている。フィラグリンタンパク質は肌のバリア機能の主役である角質層の形成と維持に中心的な役割を果たしている(Sandilands A.et al.J.CellSci.122,1285−1294,2009)。LEKTIはフィラグリン産生に抑制的に作用していると考えられている。このためFilaggrin及びSPINK5遺伝子の遺伝子型(SNP)は、このフィラグリンタンパク質の作りだされる量に影響すると考えられており(Enomoto H.et al.、Kato A.et al.、及び、Nishio Y. et al.(いずれも上述))、特定の遺伝子型である場合には、敏感肌になるリスクが高くなると考えられる。これらのことから、本発明ではFilaggrin及びSPINK5遺伝子を、敏感肌のリスクに関する遺伝的要因を判定する遺伝子とする。 Filaggrin遺伝子については、配列番号3の7661番目の塩基における多型を検出することが好ましい。なお、7661C→Gの変異はS2554Xのアミノ酸変異をもたらす。具体的には、配列番号3の7661番目の塩基がCであるかGであるかを検出することにより、Filaggrin遺伝子の遺伝子型を決定することができる。当該塩基の対立遺伝子における遺伝子型がC/Gである場合、或いはG/Gのホモである場合、敏感肌のリスクが高いと考えられる。一方で、当該塩基の対立遺伝子における遺伝子型がC/Cのホモである場合、敏感肌のリスクは低いと考えられる。なお、上記の多型箇所はエキソンに存在するため、配列番号3には、Filaggrin遺伝子のコーディング領域(CDS、開始コドンから通常のストップコドンまでに相当し、かつイントロンを除いた配列)を示している。配列番号3における塩基番号は、開始コドンを1として塩基数がカウントされている。 SPINK5遺伝子については、配列番号4の1258番目の塩基における多型を検出することが好ましい。なお、1258A→Gの変異はK420Eのアミノ酸変異をもたらす。具体的には、配列番号4の1258番目の塩基がAであるかGであるかを検出することにより、SPINK5遺伝子の遺伝子型を決定することができる。当該塩基の対立遺伝子における遺伝子型がA/Aのホモである場合、或いはA/Gである場合、敏感肌のリスクが高いと考えられる。一方で、当該塩基の対立遺伝子における遺伝子型がG/Gのホモである場合、敏感肌のリスクは低いと考えられる。なお、上記の多型箇所はエキソンに存在するため、配列番号4には、SPINK5遺伝子のコーディング領域を示している。配列番号4における塩基番号は、開始コドンを1として塩基数がカウントされている。 上記のように、Filaggrin遺伝子及びSPINK5遺伝子のいずれか一方の遺伝子がリスクが高いと考えられる遺伝子型である場合、又は、双方の遺伝子がリスクが高いと考えられる遺伝子型である場合に、敏感肌となるリスクが高いと判定することができる。一方、いずれの遺伝子もリスクが低いと考えられる遺伝子型である場合、敏感肌となるリスクが低いと判定することができる。 上記判定方法の対象となる被験者としては特に制限はなく、本方法はいずれの人種における肌質の判定に使用されてもよい。しかしながら、各遺伝子におけるSNPsの分布はアジア人種間で類似していると考えられる点から、本発明はアジア人種についての肌質の判定に適していると考えられる。中でも日本人についての肌質の判定に使用されることが好ましい。 被験者由来の生体試料としては、遺伝子型の検出対象となるゲノムDNA、cDNA、mRNA等を調製できる被験者由来の細胞を含むものであれば特に制限されず、例えば、口腔粘膜細胞、唾液、毛髪、爪、血液などを使用することができる。被験者からの生体試料の採取(単離)は常法を用いて行うことができ、例えば、生体試料の採取に適した専用の採取棒等の手段を含む採取キットなどを用いて行うことができる。ゲノムDNA等は、上記で単離された生体試料から、例えば市販のキット等を用いて、常法に従い抽出、精製し、調製することができる。 具体的には、例えば、まず被験者のほおの内側を専用の採取棒でこするようにして口腔内の粘膜を採取する。採取した粘膜を適宜のPBS緩衝液に懸濁する。この溶液の一部から、一般的なゲノムDNA精製キットを用いてゲノムDNAを精製することができる。 上記生体試料から調製されたゲノムDNA等を用いて多型を検出するにあたり、まず検出対象となる多型を含む部分を増幅することができる。増幅は、例えばPCR法によって行われるが、他の公知の増幅方法により行われてもよい。プライマーの選択は、常法に準じて行うことができ、例えば多型部位を含む連続する10塩基以上、好ましくは10〜50塩基の配列を増幅するように選択することができる。 PCRによる目的部分の増幅も公知の様々な方法で行うことができる。例えば、抽出精製したDNAにPCR反応組成液を添加し、90〜95℃で目的の二本鎖DNAを熱変性し、50〜60℃で一本鎖になったDNAをプライマーとアニーリングさせ、70〜75℃で目的とするDNAの伸長反応を進めるというサイクルを1サイクルとし、このような温度変化サイクルを必要となる目的遺伝子の量に応じ20回から50回といったような所定の回数繰り返すことでPCR反応を行い、目的部分を含むDNA断片の増幅を行う。PCR反応組成液も公知のものでよく、例えばPCR緩衝液、dNTP、プライマー、DNAポリメラーゼ、蒸留水などからなる組成である。温度変化サイクルは、温度や時間の条件を適宜調整できるが、例えば、94℃で30秒→64℃で30秒→72℃で2分を1サイクルとし、このサイクルを30サイクル程度繰り返すこととすることができる。 上記のようにして得られた目的部分を含む増幅DNAについて、公知の方法を用いて各遺伝子の遺伝子型を決定する。遺伝子型の決定としては、塩基配列の特定の部位における多型の種類を検出したり、塩基配列の特定の部位における変異の有無を検出する。遺伝子型は、例えば、各遺伝子における一塩基多型(SNP)を検出することにより決定してもよいし、また、1〜数十塩基の欠失や挿入を検出したり、2塩基から数十塩基を1単位とする配列が繰り返し存在する部位における繰り返し回数の差異を検出することにより決定してもよい。 これらの中でも、SNPを検出することにより各遺伝子の遺伝子型を決定することが好ましい。SNPの検出方法としては、従来公知の検出方法を特に制限なく使用することができ、例えば、DNA塩基配列の決定や、RFLP法、加水分解プローブによるエンドポイントジェノタイピング法、ハイブリダイゼーションプローブ法などが挙げられる。具体的には、例えば後述する実施例に示すような方法により本発明における各遺伝子の対象SNPを好適に検出することができる。 上記のようにして決定した各遺伝子の遺伝子型に基づき、被験者がシワを生じるリスクが高い肌質であるか否か、シミを生じるリスクが高い肌質であるか否か、及び、敏感肌となるリスクが高い肌質であるか否かを判定する。すなわち、被験者が各種の肌トラブルを生じる可能性の高い遺伝的素因を有しているか否かを判断する。なお、本明細書中において、「リスクが高い」とは、特定の多型を有する被験者が、他の被験者と比較して肌トラブルを生じる可能性が高いことを意味する。一方、「リスクが低い」とは、特定の多型を有する被験者が、他の被験者と比較して肌トラブルを生じる可能性が低いことを意味する。 例えば、下記表1に示す肌タイプ分類表のように、被験者の肌質を判定することができる。 以下に表1を説明する。 各々の遺伝子の遺伝子型に基づいて、被験者の肌質を8種類(肌タイプ1〜8)に分類した。「肌のトラブルリスク」の欄には、各々の遺伝子の遺伝子型に基づいて、それぞれの肌タイプの被験者についてリスクが高いと考えられる肌トラブルの種類を示した。 上記表1中、シワのリスク(MMP1の遺伝子型に対応)については、配列番号1における3471番目の塩基のSNPを検出した結果、「1G/2G又は2G/2G」である場合を「リスクが高い」と示し、「1G/1G」である場合を「リスクが低い」と示している。 上記表1中、シミのリスク(ASIPの遺伝子型に対応)については、配列番号2における434番目の塩基のSNPを検出した結果、「A/A」である場合を「リスクが高い」と示し、「A/G又はG/G」である場合を「リスクが低い」と示している。 また、Filaggrin遺伝子については、配列番号3における7661番目の塩基のSNPを検出した結果、C/G又はG/Gである場合に、敏感肌のリスクが高いと考えられ、C/Cである場合に、敏感肌のリスクが低いと考えられる。また、SPINK5遺伝子については、配列番号4における1258番目の塩基のSNPを検出した結果、A/A又はA/Gである場合に、敏感肌のリスクが高いと考えられ、G/Gである場合に、敏感肌のリスクが低いと考えられる。上記表1中、敏感肌のリスクについては、いずれか一方の遺伝子がリスクが高いと考えられる遺伝子型である場合、又は、双方の遺伝子がリスクが高いと考えられる遺伝子型である場合を「リスクが高い」と示し、いずれの遺伝子もリスクが低いと考えられる遺伝子型である場合を「リスクが低い」と示している。 上記のように、4種類の遺伝子(ASIP、MMP1、Filaggrin、SPINK5)の遺伝子型を調べることにより、特に女性が気になる3種類の肌トラブルである、シワ、シミ(そばかす)、敏感肌(乾燥から生じるトラブル肌)についての各個人の肌質を網羅的に判定することが可能となる。まだ症状としてはシワ、シミ、敏感肌が現れていない被験者についても、遺伝子検査により自己の遺伝的素因が明らかになることで、自分の肌に潜むリスクを認識し、肌トラブルを生じにくくするための予防に努めることができる。自分の肌質が判明した被験者は、それぞれの肌質に対応した化粧品を選びケアすることにより、将来現れ得るシワ、シミ、敏感肌を防ぐための対策をとることが可能となる。以下にそれぞれの肌タイプに応じた化粧品の提供方法を説明する。(化粧品の提供方法) 本発明に係る第二の形態は、化粧品の提供方法である。第二の形態に係る化粧品の提供方法では、上記の肌質の判定方法により判定された被験者の肌質に基づいて化粧品を提供する。 上記肌質の判定方法により判定された被験者の肌質に応じて、シワ、シミ、及び/又は敏感肌のリスクに対応させた有効成分を含有する化粧品が提供される。例えば、被験者を上記表1に示す肌タイプ1〜8の分類に沿って分類し、それぞれの肌リスクに応じた化粧品を提供することが好ましい。 それぞれの肌リスクに応じた化粧品に配合する有効成分は、以下のようにしてスクリーニングすることが可能である。肌タイプ5〜8(シワのリスクが高い)に適した化粧品の有効成分をスクリーニングする場合には、シワに対する予防又は改善効果を示す活性、例えば、コラーゲン(I型コラーゲン)の産生促進及び/又は分解抑制、コラゲナーゼ産生抑制及び/又は活性抑制などの活性を指標として、従来公知の手法により有効成分を選択することができる。また、肌タイプ3〜4、及び、肌タイプ7〜8(シミのリスクが高い)に適した化粧品の有効成分をスクリーニングする場合には、シミに対する予防又は改善効果を示す活性、例えば、メラニン産生抑制、チロシナーゼ産生抑制及び/又は活性阻害、メラニン産生関連因子(MITF、TYRP−1)産生抑制及び/又は活性阻害などの活性を指標として、従来公知の手法により有効成分を選択することができる。また、肌タイプ2、4、6、8(敏感肌となるリスクが高い)に適した化粧品の有効成分をスクリーニングする場合には、敏感肌に対する予防又は改善効果を示す活性、例えば、表皮バリア機能強化(インボルクリン・ロリクリン産生促進及び/又は分解抑制)、保湿因子(フィラグリン、ヒアルロン酸)産生促進などの活性を指標として、従来公知の手法により有効成分を選択することができる。 また、シワ、シミ、敏感肌のうち複数(2種又は3種)のリスクを有する肌タイプ(肌タイプ4、及び、肌タイプ6〜8)については、すべての肌リスクに対して予防又は改善効果を示す有効成分を選択して使用してもよいし、或いは、シワ、シミ、又は敏感肌に対して予防又は改善効果を示す有効成分をそれぞれ選択し、それらを組み合わせて使用してもよい。例えば、肌タイプ4(シミ、敏感肌)に適する化粧品の有効成分をスクリーニングする場合を例にとると、シミに対して予防又は改善効果を示し、かつ敏感肌に対しても予防又は改善効果を示す有効成分を選択して使用してもよいし、或いは、シミに対して予防又は改善効果を示す有効成分と、敏感肌に対して予防又は改善効果を示す有効成分とを別個に選択し、組み合わせて使用してもよい。 各化粧品に配合される有効成分としては、特に制限はないが、例えば、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、加水分解酵母エキス、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、カンゾウ根エキス、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、イナゴマメ種子エキスなどが挙げられる。各肌リスクに応じて、これらの有効成分のうち1種以上を組み合わせて適した配合の化粧品とすることが望ましい。 上記有効成分の入手方法としては、特に制限はなく、植物エキスの場合は、原料となる植物から常法により抽出してもよいし、また市販品を使用してもよい。また、原料となる植物の部位としても特に制限はなく、上記に例示した部位以外の部位も使用することができ、例えば、植物の全体、或いは、種子、根、根粒、芽、茎、葉、樹皮、花、果実等の一部を使用することができる。 なお、有効成分の組合せを決定する際には、組み合わせても効果が相殺され難い有効成分を選定することが望ましい。このような点も考慮した各肌タイプ対応の化粧品における望ましい有効成分の組合せを下記に示す。 肌タイプ1は、いずれの肌トラブルリスクも低いと判定されたタイプであり、シワ、シミ、敏感肌のいずれにおいてもリスクが低いと考えられるため、通常は肌トラブルの予防又は改善のために適した化粧品は特に提供されない。ただし、被験者に自覚する症状がある場合等には、それらの症状に応じた肌タイプの化粧品が提供されても構わない。 肌タイプ2は敏感肌のリスクが高いタイプであり、このタイプの被験者には、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分を含有する化粧品を提供することが好ましい。中でも、有効成分としては、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウニワトコ花エキス、及び、イナゴマメ種子エキスの少なくともいずれかを組み合わせることが、表皮バリア機能強化の点から好ましい。 肌タイプ3はシミのリスクが高いタイプであり、このタイプの被験者には、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分を含有する化粧品を提供することが好ましい。中でも、有効成分としては、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、及び、カンゾウ根エキスの少なくともいずれかを組み合わせることが、メラニン産生抑制の点から好ましい。 肌タイプ4はシミ及び敏感肌のリスクが高いタイプであり、このタイプの被験者には、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供することが好ましい。中でも、有効成分としては、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、及び、カンゾウ根エキスの少なくともいずれかと、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウニワトコ花エキス、及び、イナゴマメ種子エキスの少なくともいずれかとを組み合わせることが、表皮バリア機能強化及びメラニン産生抑制の点から好ましい。 なお、肌タイプ4の被験者に対しては、上記したような肌タイプ4専用の化粧品を提供する代わりに、肌タイプ2(敏感肌)用の化粧品と肌タイプ3(シミ)用の化粧品とを組み合わせて提供してもよい。これは下記肌タイプ6〜8についても同様である。 肌タイプ5はシワのリスクが高いタイプであり、このタイプの被験者には、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分を含有する化粧品を提供することが好ましい。中でも、有効成分としては、アーチチョーク葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスの少なくともいずれかを組み合わせることが、真皮コラーゲン維持の点から好ましい。 肌タイプ6はシワ及び敏感肌のリスクが高いタイプであり、このタイプの被験者には、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供することが好ましい。中でも、有効成分としては、アーチチョーク葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスの少なくともいずれかと、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウニワトコ花エキス、及び、イナゴマメ種子エキスの少なくともいずれかとを組み合わせることが、真皮コラーゲン維持及び表皮バリア機能強化の点から好ましい。 肌タイプ7はシワ及びシミのリスクが高いタイプであり、このタイプの被験者には、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供することが好ましい。中でも、有効成分としては、アーチチョーク葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスの少なくともいずれかと、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、及び、カンゾウ根エキスの少なくともいずれかとを組み合わせることが、表皮バリア機能強化及びメラニン産生抑制の点から好ましい。 肌タイプ8はシワ、シミ、敏感肌のリスクがいずれも高いタイプであり、このタイプの被験者には、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供することが好ましい。中でも、有効成分としては、アーチチョーク葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスの少なくともいずれかと、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、及び、カンゾウ根エキスの少なくともいずれかと、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウニワトコ花エキス、及び、イナゴマメ種子エキスの少なくともいずれかとを組み合わせることが、真皮コラーゲン維持、メラニン産生抑制及び表皮バリア機能強化の点から好ましい。 各肌タイプの化粧品における有効成分の含有量は、特に制限はなく、各肌トラブルに対する予防又は改善効果や使用感等を考慮して適宜選択することができるが、化粧品中、0.01〜10.0質量%が好ましく、0.05〜2.0質量%がより好ましい。化粧品中の有効成分の含有量が好ましい範囲内であると、肌リスクに対する効果の点で有利である。 また、シワ、シミ、敏感肌のうち複数(2種又は3種)の肌リスクに対応した化粧品中の有効成分量としては、より高い効果を得る観点から、単独の肌リスクに対応した化粧品中の有効成分量よりも、総含有量が多くなるように各種有効成分を配合してもよいし、或いは、使用感を損なわない等の観点から、単独の肌リスクに対応した化粧品中の有効成分量と、総含有量として同程度となるように各種有効成分の量を調整して配合してもよい。例えば、肌タイプ4(シミ、敏感肌)用の化粧品中の有効成分の総含有量としては、シミのリスクのみを有する肌タイプ3用の化粧品に含有される有効成分量と、敏感肌のリスクのみを有する肌タイプ2用の化粧品に含有される有効成分量とを合計した総含有量(有効成分の総含有量としては2倍となる)としてもよいし、或いは、シミのリスクのみを有する肌タイプ3用の化粧品に含有される有効成分量よりは少ない有効成分量(例えば、1/2量)と、敏感肌のリスクのみを有する肌タイプ2用の化粧品に含有される有効成分量よりは少ない有効成分量(例えば、1/2量)とを合わせた総含有量(有効成分の総含有量としてほぼ同じとなる)としてもよい。 各化粧品には、上記有効成分以外にも、化粧品に通常配合され得るその他の成分、例えば、粉末、油分、湿潤剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、防腐剤、pH調整剤、酵素、保湿剤、香料、水、多価アルコール、低級アルコール、高分子(増粘剤)、シリコーン類、色素などを適宜配合することができる。その他の成分の化粧品中の含有量についても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。 各化粧品の剤型にも特に制限はなく、例えば、化粧水、乳液、美容液、クリーム、パック、洗浄料等の様々な剤型として提供することができる。また各化粧品の形状にも特に制限はなく、例えば、液状、トロミ状、乳液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状などが挙げられるが、日常のお手入れに組み込み易い形状が好ましい。 上記のようにして各肌リスクに応じた化粧品を提供することができる。被験者は、各遺伝子の遺伝子型の決定により明らかとなった自己の肌質に応じて、適した化粧品を使用することにより、まだ症状としては各種肌トラブルが現れていない場合であっても、将来起こりやすいシワ、シミ、敏感肌を生じにくくするために適切な対策をとることが可能となる。 本発明では、3種類の肌トラブル要因に関する4種類の遺伝子の遺伝子型に対応させて、被験者を8つの肌タイプに分類し、それぞれの肌リスクに応じた有効成分の組合せを含む7種類の化粧品を準備し、各被験者に提供する。これにより、被験者は肌のトラブルリスク(シワ、シミ、敏感肌)の各々に効果があると考えられる化粧品を試行錯誤して探索し、それらを複数購入して組み合わせて使用することによるコストや手間の無駄をなくすことができる。また、個々の遺伝子の遺伝子型に対応した有効成分を逐一配合して作成する完全オーダーメイドの化粧品を提供するのに比べて、本発明では予め7種類の化粧品を準備しておき、それを被験者の肌タイプに応じて提供すればよく、そのため化粧品の製造コストも削減できる。このように特定の遺伝子の遺伝子型を考慮することにより、従来に比べて効率的な化粧品の提供を行うことが可能となる。 以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。(実施例1:被験者における肌質の判定) 被験者(99名)について、MMP1遺伝子、ASIP遺伝子、Filaggrin遺伝子、及び、SPINK5遺伝子の遺伝子型を調べ、各遺伝子の遺伝子型に応じて被験者の肌質を判定した。 各被験者のほおの内側を、専用の採取棒でこするようにして口腔内の粘膜を採取した。採取した粘膜を適量のPBS緩衝液に懸濁し、この溶液の一部から、一般的なゲノムDNA精製キット(例えば、QIAamp Blood DNA Mini Kit、QIAGEN社製)を用いゲノムDNAを精製した。 MMP1遺伝子の3471位のSNP検出を以下のように行った。DNA増幅のためのプライマーとしては、CTTACCCTCTTGAACTCACA(配列番号5)と、CCACTGTATCAGGTTTGCT(配列番号6)とを使用し、ハイブリダイゼーションプローブとしては、LCRED640でラベルしたTATTTAACTACAATTTCCTCATCTAAGTGGCATAAC(配列番号7)と、FITCでラベルしたGAGATAAGTCATATCCTTTCTAA(配列番号8)とを使用した。これら2種類のプライマーと2種類のハイブリダイゼーションプローブとを混合し、上記で得られたゲノムDNAを鋳型として、LC480プローブマスター(ロシュダイアグノスティックス社)を用いてDNA増幅を行った後、融解曲線分析により、遺伝子型の決定を行った。 ASIP遺伝子の434位のSNP検出を以下のように行った。DNA増幅のためのプライマーとしては、GTGCTCAGCCTCAACTG(配列番号9)と、CGCCCTGTTAGGGATCA(配列番号10)とを使用し、加水分解プローブとしては、FAMならびにBHQ1でラベルしたcctGccTgcTcgc(配列番号11)と、ATT0465ならびにBHQ1でラベルしたcctGccCgcTcgc(配列番号12)(大文字はLNA塩基)とを使用した。これら2種類のプライマーと2種類の加水分解プローブとを混合し、上記で得られたゲノムDNAを鋳型として、LC480プローブマスター(ロシュダイアグノスティックス社)を用いてDNA増幅を行った。得られた増幅産物のFAMもしくはATT0465の蛍光を測定し、遺伝子型の決定を行った。 Filaggrin遺伝子の7661位のSNP検出を以下のように行った。DNA増幅のためのプライマーとしては、GCAGACAAACTCGTAACGAT(配列番号13)と、CTGTCACTGTCCTGGCTAAA(配列番号14)とを使用し、ハイブリダイゼーションプローブとしては、LCRED670でラベルしたCAGGACAAGCAGGAACTGGGG(配列番号15)と、FITCでラベルしたCAGGGACAATCAGAGGGG(配列番号16)とを使用した。これら2種類のプライマーと2種類のハイブリダイゼーションプローブとを混合し、上記で得られたゲノムDNAを鋳型として、LC480プローブマスター(ロシュダイアグノスティックス社)を用いてDNA増幅を行った後、融解曲線分析により、遺伝子型の決定を行った。 SPINK5遺伝子の1258位のSNP検出を以下のように行った。DNA増幅のためのプライマーとしては、GGGTTAGGCACATCACATTC(配列番号17)と、GCCATATCCCTCTGAGTTG(配列番号18)とを使用し、ハイブリダイゼーションプローブとしては、LCRED670でラベルしたATTCACCTTCCTTCTTTTTCTT(配列番号19)と、FITCでラベルしたAGGAAGCTGTACTCTTAGATTGTCTTTTGTTTCTT(配列番号20)とを使用した。これら2種類のプライマーと2種類のハイブリダイゼーションプローブとを混合し、上記で得られたゲノムDNAを鋳型として、LC480プローブマスター(ロシュダイアグノスティックス社)を用いてDNA増幅を行った後、融解曲線分析により、遺伝子型の決定を行った。 決定された各被験者の遺伝子型に基づいて、上記表1に従い、各被験者を肌タイプ1〜8に分類した。なお、表1の説明は上記の通りである。 結果、肌タイプ1と判定された被験者は1名(1.0%)、肌タイプ2と判定された被験者は2名(2.0%)、肌タイプ3と判定された被験者は1名(1.0%)、肌タイプ4と判定された被験者は6名(6.1%)、肌タイプ5と判定された被験者は6名(6.1%)、肌タイプ6と判定された被験者は19名(19.2%)、肌タイプ7と判定された被験者は13名(13.1%)、肌タイプ8と判定された被験者は51名(51.5%)であった。(実施例2:肌タイプに対応した化粧品の製造) 下記処方例1〜7に示す処方及び製法に従い、肌タイプ2〜8に適した化粧品を製造した。なお、肌タイプ1は、肌トラブルを生じるリスクが低いため、対応する化粧品は必要ない。本実施例で製造した肌タイプ対応化粧品は、本発明の肌質の判定方法によって肌タイプの判定を受けた被験者に好適に提供することができる。 下記処方例において、フカスセラツスエキスとしては、Homeo−Shield(Unipex Innovations Inc.)を使用した。イナゴマメ種子エキスとしては、AQUA−OSMOLINE(アイエスピー・ジャパン)を使用した。メリアアザジラクタ葉エキスとしては、ニームリーフリキッドB(一丸ファルコス)を使用した。カンゾウ根エキスとしては、油溶性甘草エキスHG(丸善製薬)を使用した。クズ根粒エキスとしては、Kudzu Zimbiosome Fermentum(Arch社)を使用した。アーチチョーク葉エキスとしては、バイオベネフィティ(一丸ファルコス)を使用した。<処方例1:肌タイプ2(敏感肌)対応の美容液> (質量%)1.BG(ブチレングリコール) 10.02.グリセリン 5.03.水添レシチン 0.54.ジメチコン 2.05.フェノキシエタノール 0.36.水酸化Na 0.057.カルボマー 0.158.フカスセラツスエキス 0.19.イナゴマメ種子エキス 0.510.精製水 バランス 計 100.0 上記処方に従い、肌タイプ2に適した美容液を製造した。成分1〜5を加熱溶解した。また、成分6及び10を加熱溶解した。撹拌しながら、成分1〜5の混合物に、成分6及び10の混合物を注入し、乳化した。これに成分7を加えて混合し、得られた混合物を室温まで冷却し、成分8及び9を加えて混合した。得られた混合物を取り出して、肌タイプ2用の美容液を得た。<処方例2:肌タイプ3(シミ)対応の化粧水> (質量%)1.イソステアリン酸PEG−50水添ヒマシ油 0.52.カンゾウ根エキス 0.13.BG(ブチレングリコール) 10.04.クエン酸 0.025.クエン酸Na 0.056.EDTA−2Na 0.057.メリアアザジラクタ葉エキス 0.58.精製水 バランス 計 100.0 上記処方に従い、肌タイプ3に適した化粧水を製造した。成分1〜3を加熱溶解した。また、成分4〜6及び成分8を撹拌溶解した。撹拌しながら、成分4〜6及び成分8の混合物に成分1〜3の混合物を注入し、可溶化した。これに成分7を加えて混合した。得られた混合物をろ過し、取り出して、肌タイプ3用の化粧水を得た。<処方例3:肌タイプ4(シミ、敏感肌)対応の乳液> (質量%)1.カルボマー 0.182.アルギン酸Na 0.13.グリセリン 5.04.水酸化Na 0.065.ジメチコン 0.56.ステアロイルグルタミン酸 0.27.ベヘニルアルコール 1.08.ステアリン酸グリセリル 0.39.ステアリン酸PG 0.310.水添ヤシ油 5.011.ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル 2.512.スクワラン 5.013.ポリソルベート80 0.0714.セスキオレイン酸ソルビタン 0.1815.カンゾウ根エキス 0.116.BG 12.017.メリアアザジラクタ葉エキス 0.518.フカスセラツスエキス 0.119.イナゴマメ種子エキス 0.520.精製水 バランス 計 100.0 上記処方に従い、肌タイプ4に適した乳液を製造した。成分1及び2を、成分20の一部にて予め膨潤させた。残りの成分20に、成分3〜5、並びに、予め膨潤させた成分1及び2を加え、加熱混合した。また、成分6〜16を加熱溶解した。上記で得られた成分3〜5、並びに、成分1及び2の混合物に、上記で得られた成分6〜16を加熱溶解したものを注入し、乳化した。得られた乳化物を室温まで冷却し、成分17〜19を加えて混合した。得られた混合物を取り出して、肌タイプ4用の乳液を得た。<処方例4:肌タイプ5(シワ)対応の化粧水> (質量%)1.イソステアリン酸PEG−50水添ヒマシ油 0.52.BG(ブチレングリコール) 10.03.クエン酸 0.024.クエン酸Na 0.055.EDTA−2Na 0.056.クズ根粒エキス 0.057.アーチチョーク葉エキス 0.58.精製水 バランス 計 100.0 上記処方に従い、肌タイプ5に適した化粧水を製造した。成分1〜2を加熱溶解した。また、成分3〜5及び成分8を撹拌溶解した。撹拌しながら、成分3〜5及び成分8の混合物に成分1〜2の混合物を注入し、可溶化した。これに成分6及び7を加えて混合した。得られた混合物をろ過し、取り出して、肌タイプ5用の化粧水を得た。<処方例5:肌タイプ6(シワ、敏感肌)対応の乳液> (質量%)1.カルボマー 0.182.アルギン酸Na 0.13.グリセリン 5.04.水酸化Na 0.065.ジメチコン 0.56.ステアロイルグルタミン酸 0.27.ベヘニルアルコール 1.08.ステアリン酸グリセリル 0.39.ステアリン酸PG 0.310.水添ヤシ油 5.011.ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル 2.512.スクワラン 5.013.ポリソルベート80 0.0714.セスキオレイン酸ソルビタン 0.1815.BG 12.016.クズ根粒エキス 0.0517.アーチチョーク葉エキス 0.518.フカスセラツスエキス 0.119.イナゴマメ種子エキス 0.520.精製水 バランス 計 100.0 上記処方に従い、肌タイプ6に適した乳液を製造した。成分1及び2を、成分20の一部にて予め膨潤させた。残りの成分20に、成分3〜5、並びに、予め膨潤させた成分1及び2を加え、加熱混合した。また、成分6〜15を加熱溶解した。上記で得られた成分3〜5、並びに、成分1及び2の混合物に、上記で得られた成分6〜15を加熱溶解したものを注入し、乳化した。得られた乳化物を室温まで冷却し、成分16〜19を加えて混合した。得られた混合物を取り出して、肌タイプ6用の乳液を得た。<処方例6:肌タイプ7(シワ、シミ)対応の化粧水> (質量%)1.イソステアリン酸PEG−50水添ヒマシ油 0.52.カンゾウ根エキス 0.13.BG(ブチレングリコール) 10.04.クエン酸 0.025.クエン酸Na 0.056.EDTA−2Na 0.057.クズ根粒エキス 0.058.アーチチョーク葉エキス 0.59.メリアアザジラクタ葉エキス 0.510.精製水 バランス 計 100.0 上記処方に従い、肌タイプ7に適した化粧水を製造した。成分1〜3を加熱溶解した。また、成分4〜6及び成分10を撹拌溶解した。撹拌しながら、成分4〜6及び成分10の混合物に成分1〜3の混合物を注入し、可溶化した。これに成分7〜9を加えて混合した。得られた混合物をろ過し、取り出して、肌タイプ7用の化粧水を得た。<処方例7:肌タイプ8(シワ、シミ、敏感肌)対応の美容液> (質量%)1.BG 10.02.グリセリン 5.03.水添レシチン 0.54.ジメチコン 2.05.カンゾウ根エキス 0.16.フェノキシエタノール 0.37.水酸化Na 0.058.カルボマー 0.159.メリアアザジラクタ葉エキス 0.510.クズ根粒エキス 0.0511.アーチチョーク葉エキス 0.512.フカスセラツスエキス 0.113.イナゴマメ種子エキス 0.514.精製水 バランス 計 100.0 上記処方に従い、肌タイプ8に適した美容液を製造した。成分1〜6を加熱溶解した。また、成分7及び14を加熱溶解した。撹拌しながら、成分1〜6の混合物に、成分7及び14の混合物を注入し、乳化した。これに成分8を加えて混合し、得られた混合物を室温まで冷却し、成分9〜13を加えて混合した。得られた混合物を取り出して、肌タイプ8用の美容液を得た。 本発明の肌質の判定方法、及び、化粧品の提供方法は、シワ、シミ、及び、敏感肌のリスクを調べるための遺伝子検査キットや遺伝子検査サービス、並びに、遺伝子検査の結果に基づいた化粧品販売等に好適に利用可能である。 被験者から単離した生体試料について、MMP1遺伝子、ASIP遺伝子、Filaggrin遺伝子、及び、SPINK5遺伝子の遺伝子型を決定し、決定された各々の遺伝子型に基づき、被験者がシワを生じるリスクが高い肌質であるか否か、シミを生じるリスクが高い肌質であるか否か、及び、敏感肌となるリスクが高い肌質であるか否かを判定する、被験者の肌質を判定する方法。 前記遺伝子型の決定において、配列番号1の3471番目の塩基における多型を検出することによりMMP1遺伝子の遺伝子型を決定し、配列番号2の434番目の塩基における多型を検出することによりASIP遺伝子の遺伝子型を決定し、配列番号3の7661番目の塩基における多型を検出することによりFilaggrin遺伝子の遺伝子型を決定し、配列番号4の1258番目の塩基における多型を検出することによりSPINK5遺伝子の遺伝子型を決定する、請求項1に記載の被験者の肌質を判定する方法。 前記判定において、MMP1遺伝子の遺伝子型が配列番号1の3471番目の塩基において1G/2G又は2G/2Gである場合に、被験者がシワを生じるリスクが高い肌質であると判定し、ASIP遺伝子の遺伝子型が配列番号2の434番目の塩基においてA/Aである場合に、被験者がシミを生じるリスクが高い肌質であると判定し、Filaggrin遺伝子の遺伝子型が配列番号3の7661番目の塩基においてC/G又はG/Gである、及び/又は、SPINK5遺伝子の遺伝子型が配列番号4の1258番目の塩基においてA/A又はA/Gである場合に、被験者が敏感肌となるリスクが高い肌質であると判定する、請求項2に記載の被験者の肌質を判定する方法。 前記判定において、被験者の肌質を、(i)シワ及びシミを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが低い肌質、(ii)敏感肌となるリスクが高い肌質、(iii)シミを生じるリスクが高い肌質、(iv)シミを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質、(v)シワを生じるリスクが高い肌質、(vi)シワを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質、(vii)シワ及びシミを生じるリスクが高い肌質、又は、(viii)シワ及びシミを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質、の8タイプのいずれかであると判定する、請求項1〜3のいずれかに記載の被験者の肌質を判定する方法。 請求項1〜4のいずれかに記載の被験者の肌質を判定する方法により判定された肌質に基づき、該被験者の有するシワ、シミ、及び/又は敏感肌のリスクに対応させた有効成分を含有する化粧品を該被験者に提供する、化粧品の提供方法。 前記化粧品の提供が、前記被験者の有するシワ、シミ、及び/又は敏感肌のリスクに対応させて、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、加水分解酵母エキス、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、カンゾウ根エキス、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から1種以上の有効成分を選択し、選択した有効成分を含有させた化粧品を前記被験者に提供することにより行われる、請求項5に記載の化粧品の提供方法。 前記化粧品の提供が、(ii)敏感肌となるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分を含有する化粧品を提供し、(iii)シミを生じるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分を含有する化粧品を提供し、(iv)シミを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供し、(v)シワを生じるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分を含有する化粧品を提供し、(vi)シワを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供し、(vii)シワ及びシミを生じるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供し、(viii)シワ及びシミを生じるリスクかつ敏感肌となるリスクが高い肌質であると判定された被験者に対して、オニイチゴ根エキス、アーチチョーク葉エキス、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、クズ根粒エキス、及び、加水分解酵母エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、加水分解シロガラシ種子エキス、加水分解コメヌカエキス、ヒナギク花エキス、コショウソウ芽エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、サッカロミセス/ムレスズメ根発酵エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ダルスエキス、1−メチルヒダントインー2−イミド、ビサボロール、及び、カンゾウ根エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分と、イチジク樹皮エキス、アッケシソウエキス、フカスセラツスエキス、アルゲエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、セイヨウニワトコ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、ヤエヤマアオキ果汁、及び、イナゴマメ種子エキスからなる群から選択される1種以上の有効成分とを含有する化粧品を提供することにより行われる、請求項5又は6に記載の化粧品の提供方法。 【課題】シワ、シミ、及び、敏感肌を生じるリスクに関する被験者の肌質を遺伝子検査により判定する方法を提供し、更に、該遺伝子検査により判明した各被験者の肌質に適した化粧品を提供する。【解決手段】被験者から単離した生体試料について、MMP1遺伝子、ASIP遺伝子、Filaggrin遺伝子、及び、SPINK5遺伝子の遺伝子型を決定し、決定された各々の遺伝子型に基づき、被験者がシワを生じるリスクが高い肌質であるか否か、シミを生じるリスクが高い肌質であるか否か、及び、敏感肌となるリスクが高い肌質であるか否かを判定する、被験者の肌質を判定する方法、並びに、該方法により判定された肌質に基づいて、被験者の有するシワ、シミ、及び/又は敏感肌のリスクに対応させた有効成分を含有する化粧品を該被験者に提供する、化粧品の提供方法。【選択図】なし配列表


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